JP2013146706A - 排気ガス浄化用触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】リン被毒の発生を防止し、長期に亘る運転の後でも高い触媒活性を維持できる排気ガス浄化用触媒を提供する。
【解決手段】担体基材と、担体基材の表面に被覆された第1のコート層と、第1のコート層の表面に被覆された第2のコート層とを有し、第1のコート層は触媒貴金属を含有し、第2のコート層は該触媒貴金属を含有しないか又は第1のコート層よりも少ない量で該触媒貴金属を含有する、排気ガス浄化用触媒。
【選択図】なし

Description

本発明は、自動車等の内燃機関、特にディーゼルエンジンの排気ガス浄化用触媒に関する。
自動車等の内燃機関の排気ガス浄化用触媒は、内燃機関から排出される排気ガスに含まれる炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO)を酸化して水及び二酸化炭素に、窒素酸化物(NOx)を還元して窒素に、それぞれ変換する。排気ガス浄化用触媒としては、通常、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)等の触媒貴金属の粒子を耐熱性の金属担体に担持した貴金属担持触媒が使用される。
排気ガス浄化用触媒の触媒活性を向上させるために、触媒貴金属の担持量を増加させることが考えられる。しかしながら、上記のような貴金属は高価であり、触媒貴金属の担持量の増加は触媒の製造コストを上昇させることとなる。
このような問題点に鑑み、特許文献1は、担持する触媒貴金属の使用量を増加させることなく触媒活性を向上させる排気ガス浄化用触媒として、一酸化窒素、一酸化炭素及び揮発性有機化合物を含有する排気ガスの処理用触媒を記載する。当該文献によれば、この触媒は、多孔質無機化合物よりなる担体のコート層を有し、このコート層は、複数の層からなり、1種以上の触媒貴金属よりなる活性成分が、上記複数の層のうちの上層にリッチに存在し、上記複数の層のうちの下層にプアーに存在することを特徴とする。かかる特徴により、当該触媒は、排気ガスの処理反応に大きく寄与する上層に集中して活性成分を担持することが出来るため、触媒全体の貴金属の使用量を増加させることなく、酸化力を向上させることが出来る。
ところで、排気ガス浄化用触媒では、排気ガスに含有される成分が触媒に付着して触媒活性を低下させる触媒被毒の問題がある。例えば、ガソリンのような内燃機関の燃料中に微量に含有される硫黄成分は、燃料の燃焼時に酸化されるか又は排気ガス浄化用触媒上で酸化され、SOxとなる。SOxは酸性物質であるため、NOx吸蔵材を用いたNOx吸蔵還元型の排気ガス浄化用触媒の場合、塩基性物質を含むNOx吸蔵材と反応して硫酸塩を形成する。上記の反応が生じると、NOx吸蔵材のNOx吸蔵能力が低下するため、結果としてNOx浄化性能が低下する。このような現象は、硫黄被毒として知られている。
特許文献2は、低温域でHC及び可溶有機成分(SOF)を効率よく吸着してHC及びSOFの排出を防止するとともにサルフェートの生成を抑制し、酸化触媒の硫黄被毒を防止する排気ガス浄化用触媒として、担体基材と、該担体基材表面に形成され触媒金属を担持した第1担持層と、該第1担持層の表面に形成され触媒金属を担持しない第2担持層とからなるディーゼル排気ガス用酸化触媒を記載する。当該文献によれば、この触媒の第1担持層は、第2担持層よりディーゼル排気ガス中の成分の吸着性が低いことを特徴とする。
特許文献3は、担体基材と、この担体基材表面に被覆された担持層と、この担持層に担持されたPt及びNOx吸蔵材からなる排気ガス浄化用触媒を記載する。当該文献によれば、前記担持層は、上層と下層の二層構造からなり、上層のPt濃度は下層のPt濃度よりも高いことを特徴とする。かかる特徴により、硫黄成分は上層において速やかにSOxに酸化され、上層のNOx吸蔵材に吸着されるため、下層へのSOxによる硫黄被毒を抑制することが出来る。
ガソリンエンジン又はディーゼルエンジンのような内燃機関の潤滑油(エンジンオイル)には、酸化防止、腐食防止及び摩耗防止等の機能を付与するための添加剤として、ジチオリン酸亜鉛(ZDTP)のようなリン酸塩が使用される。これらのリン酸塩は、酸素吸蔵材を用いた酸素吸蔵酸化型の排気ガス浄化用酸化触媒の場合、アルミナ又はセリア等を含む酸素吸蔵材と反応してリン化合物を形成する。上記の反応が生じると、酸素吸蔵材の酸素吸蔵能力が低下するだけでなく、触媒内部へのガス拡散が阻害されるため、結果として酸化性能が低下する。このような現象は、リン被毒として知られている。
特許文献4は、ハニカム状触媒担体のセル表面に貴金属とγ-アルミナ粒子とを含む触媒層が形成されており、リンを含む排気ガスを浄化する排気ガス浄化用触媒を記載する。当該文献によれば、上記γ-アルミナ粒子の外表面にジルコニア粒子が分散担持され、上記γ-アルミナ粒子の外表面に占めるジルコニア粒子の投影面積の割合が80%以下であることを特徴とする。ジルコニアはγ-アルミナよりリン化合物を形成しやすいため、γ-アルミナ粒子のリン被毒を抑制することが出来る。
特許文献5は、オイル及び/又は燃料に由来する添加剤による毒に対して優れた耐性を有する自動車排ガス処理触媒であって、基材、ベースコート、貴金属含有第1触媒層、貴金属含有追加触媒層を含む前記触媒を記載する。当該文献によれば、前記触媒は、第1触媒層又は少なくとも一層の追加触媒層のいずれか一方、又は前記貴金属含有触媒層の全てが貴金属を含有しない毒捕捉領域を有する。
特開2008-188542号公報 特開平09-155205号公報 特開2001-70790号公報 特開2004-261681号公報 特表2009-501079号公報
上記のように、自動車等の内燃機関の排気ガス浄化用触媒における触媒被毒の発生を防止または抑制するために種々の技術が開発されているが、いずれの技術も不十分である。特に、リン被毒の場合、触媒に吸着したリンは酸素吸蔵材等の触媒材料と反応してリン化合物を形成するため、一旦リン被毒した排気ガス浄化用触媒の触媒活性を回復させることは困難である。このため、排気ガス浄化用酸化触媒の触媒活性(酸化活性)の低下を抑制するためには、リン被毒の発生を可及的に防止することが重要となる。
それ故、本発明は、リン被毒の発生を防止し、長期に亘る運転の後でも高い触媒活性を維持できる排気ガス浄化用触媒を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するための手段を種々検討した結果、排気ガス浄化用酸化触媒の酸化活性と該触媒に吸着されたリンの触媒表面からの進入深さとは一定の相関があることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1) 担体基材と、担体基材の表面に被覆された第1のコート層と、第1のコート層の表面に被覆された第2のコート層とを有し、第1のコート層は触媒貴金属を含有し、第2のコート層は該触媒貴金属を含有しないか又は第1のコート層よりも少ない量で該触媒貴金属を含有する、排気ガス浄化用触媒。
(2) 第2のコート層の厚さが20〜40μmの範囲である、前記(1)の排気ガス浄化用触媒。
(3) 第1のコート層及び第2のコート層が気孔を有し、第2のコート層の開気孔率が第1のコート層の開気孔率を超える範囲である、前記(1)又は(2)の排気ガス浄化用触媒。
(4) 第1のコート層に含有される触媒貴金属の濃度が、第1のコート層と第2のコート層との接合面に近づく程高くなる、前記(1)〜(3)のいずれかの排気ガス浄化用触媒。
(5) 前記触媒貴金属が、Pt、Pd及びRhからなる群より選択される、前記(1)〜(4)のいずれかの排気ガス浄化用触媒。
本発明により、リン被毒の発生を防止し、長期に亘る運転の後でも高い触媒活性を維持できる排気ガス浄化用触媒を提供することが可能となる。
本発明の排気ガス浄化用触媒の一実施形態(実施例1)を示す断面図である。 本発明の排気ガス浄化用触媒の別の実施形態(実施例2)を示す断面図である。 本発明の排気ガス浄化用触媒の別の実施形態(実施例3)を示す断面図である。 従来技術の排気ガス浄化用触媒(比較例)を示す断面図である。 比較例の排気ガス浄化用触媒におけるリン吸着量及びリン進入深さと酸化活性との関係を示す図である。A:リン吸着量とCO-T50との関係;B:触媒表面からのリン進入深さとリン吸着量との関係。 実施例1〜3及び比較例の排気ガス浄化用触媒における触媒表面からのリン進入深さとCO-T50との関係を示す図である。
<1. 排気ガス浄化用触媒>
本発明は、担体基材と、担体基材の表面に被覆された第1のコート層と、第1のコート層の表面に被覆された第2のコート層とを有する排気ガス浄化用触媒に関する。
本明細書において、「担体基材」は、触媒活性を有する触媒貴金属を担持するコート層を担持するための材料を意味する。本発明の排気ガス浄化用触媒において、担体基材は、ハニカム、ペレット又は粒子の形態であることが好ましい。また、担体基材は、コーディエライト等の耐熱性無機物又は金属を含むことが好ましい。上記の特徴を有する担体基材を用いることにより、高温条件下でも排気ガス浄化用触媒の触媒活性を維持することが可能となる。
本明細書において、「第1のコート層」及び「第2のコート層」は、触媒活性を有する触媒貴金属を担持するための材料を意味する。本発明の排気ガス浄化用触媒において、第1のコート層及び第2のコート層は、酸素吸蔵放出能を有する金属の酸化物を含むことが好ましい。ここで、「酸素吸蔵放出能」は、排気ガスの空燃比がリーンな場合には排気ガス中の酸素を吸蔵して還元反応を促進し、排気ガスの空燃比がリッチな場合には吸蔵されている酸素を放出して酸化反応を促進する能力を意味する。かかる金属の酸化物としては、限定するものではないが、例えば、セリウム(Ce)、ジルコニウム(Zr)及びアルミニウム(Al)からなる群より選択される金属Aの酸化物を挙げることができる。Ce、Zr及びAlからなる群より選択される2以上の金属Aの酸化物を含有することが好ましい。酸素吸蔵放出能を有する金属Aの酸化物を含有する第1のコート層及び第2のコート層を用いることにより、排気ガス浄化用触媒の排気ガス浄化性能を高めることが可能となる。
本明細書において、「触媒貴金属」は、触媒活性を有する貴金属を意味し、限定するものではないが、例えば、白金(Pt)、パラジウム(Pd)及びロジウム(Rh)を挙げることができる。Pt、Pd又はRhであることが好ましい。上記の触媒貴金属を用いることにより、排気ガス浄化用触媒の排気ガス浄化性能を高めることが可能となる。
本発明の排気ガス浄化用触媒において、触媒貴金属の担持密度は、排気ガス浄化用触媒の総質量に対して0.5〜5質量%の範囲であることが好ましく、0.1〜3質量%の範囲であることがより好ましい。なお、排気ガス浄化用触媒に担持されている触媒貴金属の質量は、酸等を用いて排気ガス浄化用触媒を溶解させた後、該溶液中の金属成分を誘導結合プラズマ(ICP)発光分析することによって決定することができる。
本発明者らは、排気ガス浄化用酸化触媒の酸化活性と該触媒に吸着されたリンの触媒表面からの進入深さとは一定の相関があることを見出した。
図4は、従来技術の排気ガス浄化用触媒の断面図である。図4に示すように、従来技術の排気ガス浄化用酸化触媒100は、担体基材1の表面に被覆されたコート層2に触媒貴金属4が担持されている。コート層2の上方に排気ガスを流通させると、コート層2にリンが吸着する。このとき、排気ガス浄化用触媒100の酸化活性を測定すると、リン吸着量が触媒の総質量に対して0〜0.1質量%の範囲では触媒の酸化活性が急激に低下するのに対して、0.1〜0.2質量%の範囲ではその低下が緩やかであり、0.2質量%を超える範囲ではほぼ一定の触媒活性を示す(図5A)。
排気ガス流通後の排気ガス浄化用酸化触媒100におけるリンの分布を調べると、リンは排気ガスと接触するコート層2の表面から侵入し、該表面から距離d(進入深さ)離れた厚さ方向位置に至るまでの部分に吸着されている。このとき、進入深さdと、リン吸着量cとの間には一次の比例関係が存在し、リン吸着量cが増大するに従って進入深さdは大きくなる(図5B)。
これに対し、本発明の排気ガス浄化用触媒は、第1のコート層が触媒貴金属を含有し、第2のコート層が該触媒貴金属を含有しないか又は第1のコート層よりも少ない量で該触媒貴金属を含有している。具体的には、第1のコート層に含有される触媒貴金属の担持量は、排気ガス浄化用触媒の総質量に対して0.5〜5質量%の範囲であることが好ましく、0.1〜3質量%の範囲であることがより好ましい。また、第2のコート層に含有される触媒貴金属の担持量は、排気ガス浄化用触媒の総質量に対して0〜2質量%の範囲であることが好ましく、0〜1.2質量%の範囲であることがより好ましい。第2のコート層が触媒貴金属を含有していないことが特に好ましい。かかる特徴により、触媒表面から第2のコート層に亘ってリンが吸着しても、第1のコート層に含有される触媒貴金属にはリン被毒が発生せず、長期に亘る運転の後でも高い触媒活性を維持することが可能となる。
図1は、本発明の排気ガス浄化用触媒の第一の実施形態を示す断面図である。本発明の排気ガス浄化用触媒101は、担体基材11と、担体基材11の表面に被覆された第1のコート層12と、第1のコート層12の表面に被覆された第2のコート層13とを有する。第1のコート層12は触媒貴金属14を含有し、第2のコート層13は該触媒貴金属を含有しないか又は第1のコート層12よりも少ない量で該触媒貴金属15を含有している。上記で説明したように、リン吸着量cとリン進入深さdとは比例関係にあり、触媒の酸化活性が急激に低下する0〜0.1質量%のリン吸着量c(触媒の総質量に対する)は、0〜20μmのリン進入深さdに対応し、触媒の酸化活性の低下が緩やかとなる0.1〜0.2質量%のリン吸着量c(触媒の総質量に対する)は、20〜40μmのリン進入深さdに対応する。それ故、第2のコート層13の厚さは、20〜40μmの範囲であることが好ましく、20μmであることがより好ましい。また、第1のコート層12の厚さは、10〜100μmの範囲であることが好ましく、30〜60μmの範囲であることがより好ましい。上記の厚さの第2のコート層13及び第1のコート層12を有することにより、リン被毒の発生を抑制し、長期に亘って高い触媒活性を維持することが可能となる。
図2は、本発明の排気ガス浄化用触媒の第二の実施形態を示す断面図である。本発明の排気ガス浄化用触媒102は、担体基材21と、担体基材21の表面に被覆された第1のコート層22と、第1のコート層22の表面に被覆された第2のコート層23とを有する。第1のコート層22は触媒貴金属24を含有し、第2のコート層23は該触媒貴金属を含有しないか又は第1のコート層22よりも少ない量で該触媒貴金属25を含有している。また、第1のコート層22及び第2のコート層23は気孔26及び27をそれぞれ有し、第2のコート層23の開気孔率は第1のコート層22の開気孔率を超える範囲である。ここで、第2のコート層23及び第1のコート層22の厚さは、第一の実施形態で定義した範囲であることが好ましい。前記気孔は、第2のコート層を作成する際に、1〜10μmの範囲の造孔剤を第2のコート層のスラリーの総体積に対して1〜30体積%加えることにより、第2のコート層23の開気孔率が第1のコート層22の開気孔率を超える範囲となるように作製することができる。造孔剤としては、例えば、デンプン及び吸水性ポリマーのような有機系造孔剤、並びにカーボン及びシリカゲルのような無機系造孔剤を挙げることが出来る。上記の開気孔率となる気孔を有することにより、気孔を介して排気ガスが第2コート層23まで効率的に拡散するため、第一の実施形態の排気ガス浄化用触媒101と比較してリン被毒前のCO酸化活性を向上させることが可能となる。
なお、本明細書において、「気孔」は、触媒の外部と連通している開気孔及び連通していない閉気孔のいずれをも意味する。「開気孔率」は、アルキメデス法で算出され、「全気孔率」は、触媒の寸法と重量からかさ密度を算出し、真密度で除した値を1から減ずることで算出される。開気孔率、全気孔率及び閉気孔率の関係は、以下:
(開気孔率)=(全気孔率)−(閉気孔率)
の式により表される。
図3は、本発明の排気ガス浄化用触媒の第三の実施形態を示す断面図である。本発明の排気ガス浄化用触媒103は、担体基材31と、担体基材31の表面に被覆された第1のコート層32と、第1のコート層32の表面に被覆された第2のコート層33とを有する。第1のコート層32は触媒貴金属34を含有し、第2のコート層33は該触媒貴金属を含有しないか又は第1のコート層32よりも少ない量で該触媒貴金属35を含有している。また、第1のコート層32に含有される触媒貴金属34の濃度は、第1のコート層32と第2のコート層33との接合面に近づく程高くなるように存在している。ここで、触媒貴金属34の濃度は、第1のコート層32と第2のコート層33との接合面に近づく程、漸次増すように高くなってもよく、段階的に高くなってもよい。いずれの場合も当該実施形態に包含される。具体的には、第2のコート層33と第1のコート層32との接合面から距離x離れた厚さ方向位置に至るまでの部分に含有される触媒貴金属の担持量aと、第2のコート層33と第1のコート層32との接合面から距離x離れた厚さ方向位置から第1のコート層32と担体基材31との接合面に至るまでの部分に含有される触媒貴金属の担持量bとの比a:bは、1.5:1〜4:1の範囲であることが好ましく、2:1〜3:1の範囲であることがより好ましい。上記の割合で触媒貴金属が担持されていることにより、より効率的に触媒能力を発現することが出来るため、第一の実施形態の排気ガス浄化用触媒101と比較してリン被毒前のCO酸化活性を向上させることが可能となる。
以上詳細に説明したように、本発明の排気ガス浄化用触媒は、リン被毒によるCO酸化活性の低下を抑制することができる。そのため、本発明の排気ガス用酸化触媒を用いることにより、長期に亘って高い触媒活性を維持することが可能となる。
<1. 排気ガス浄化用触媒の作製>
[比較例]
図4に、比較例の排気ガス浄化用触媒を示す。比較例の排気ガス浄化用触媒100は、担体基材1と、担体基材1の表面に被覆されたコート層2とを有する。コート層2は触媒貴金属4としてPtを含有する。
市販の活性アルミナ粉末とジニトロジアンミン白金水溶液とを撹拌しながら混合し、アルミナ粉末及び白金塩の分散水溶液を調製した。この分散水溶液を乾固させ、500℃で1時間、大気中にて焼成して、240 gのアルミナ粉末あたり3.9 gの白金が担持したPt担持アルミナ粉末を得た。次に、Pt担持アルミナ粉末、イオン交換水、及び水酸化アルミニウムを含有するスラリーを調製して、直径104 mm及び長さ153 mmの円筒形状のコーディエライトからなるモノリス担体の表面に該スラリーをウォッシュコートした。Pt担持量は、触媒の総質量に対して0.65質量%であった。
[実施例1]
図1に、実施例1の排気ガス浄化用触媒を示す。実施例1の排気ガス浄化用触媒101は、担体基材11と、担体基材11の表面に被覆された第1のコート層12と、第1のコート層12の表面に被覆された第2のコート層13とを有する。第1のコート層12は触媒貴金属14としてPtを含有し、第2のコート層13は触媒貴金属15として第1のコート層よりも少ない量でPtを含有する。
実施例1の排気ガス浄化用触媒は、比較例と同様の手順で調製する。なお、第2のコート層は、比較例のコート層を調製する手順において、白金を加えない他は第1のコート層と同様の手順で調製する。
[実施例2]
図2に、実施例2の排気ガス浄化用触媒を示す。実施例2の排気ガス浄化用触媒102は、担体基材21と、担体基材21の表面に被覆された第1のコート層22と、第1のコート層22の表面に被覆された第2のコート層23とを有する。第1のコート層22は触媒貴金属24としてPtを含有し、第2のコート層23は触媒貴金属25として第1のコート層よりも少ない量でPtを含有する。また、第1のコート層22及び第2のコート層23は気孔26及び27をそれぞれ有し、第2のコート層23の開気孔率は第1のコート層22の開気孔率を超える範囲である。
実施例2の排気ガス浄化用触媒は、比較例と同様の手順で調製する。なお、第2のコート層は、比較例のコート層を調製する手順において、白金を加えず、且つ活性アルミナ粉末を他のアルミナ種に変更する他は第1のコート層と同様の手順で調製する。
[実施例3]
図3に、実施例3の排気ガス浄化用触媒を示す。実施例3の排気ガス浄化用触媒103は、担体基材31と、担体基材31の表面に被覆された第1のコート層32と、第1のコート層32の表面に被覆された第2のコート層33とを有する。第1のコート層32は触媒貴金属34としてPtを含有し、第2のコート層33は触媒貴金属35として第1のコート層よりも少ない量でPtを含有する。また、第1のコート層32に含有されるPtは、担体基材31との接合面側の領域における濃度に比べて第2のコート層33との接合面側の領域における濃度が高くなるように存在している。
実施例3の排気ガス浄化用触媒は、比較例と同様の手順で調製する。第1のコート層は、第1の上層コート層及び第1の下層コート層の二層となるように調製する。活性アルミナ粉末は、全てのコート層で同量となるように調製する。白金は、第2のコート層:第1の上層コート層:第1の下層コート層=0:2:1となるように調製する。
<2. 性能試験>
[酸化活性の測定]
比較例の排気ガス浄化用触媒を、1質量%CO/N2及び10質量%H2O雰囲気下、電気炉内で600℃で20時間加熱処理した。処理後の触媒を、耐久処理後の排気ガス浄化用触媒とした。
無処理の触媒(初期触媒)及び耐久処理後の触媒に、0.51質量% O2; 14.4質量% CO2; 0.41質量% CO; 0.13質量% H2; 0.30質量% C3H6; 0.33質量% NOを含有するモデルガスを、20℃/分の条件で昇温しながら10 L/分の流速で流通させた。触媒の下流側のガスに含有されるCOの濃度が、触媒に流通する前のガスに含有される濃度の50%になった時点の触媒上流側のガス温度をCO-T50(℃)とした。本試験では、CO-T50値が低い触媒ほど、CO酸化性能の高い触媒と評価される。
[リン吸着量の測定]
ガス流通後の触媒を取り出し、触媒をガス流入側からガス排出側までガス流通方向に沿って8等分し、それぞれの触媒片を切り出した。得られた各触媒片をすりつぶして粉末として、ICP発光分析によってリン吸着量を測定した。
[リン進入深さの測定]
ガス流通後の触媒を取り出し、触媒をガス流入側から0 mm、50 mm及び100 mmの位置で10×10×厚さ方向位置(mm)の触媒片を切り出し、エポキシ樹脂で固化させた。この触媒片を横方向から観察し、リンの進入深さを測定し、3点の平均値を算出した。
リン吸着量とCO-T50との関係を図5Aに、触媒表面からのリン進入深さとリン吸着量との関係を図5Bに、それぞれ示す。
図5Aに示すように、リン吸着量が0.1質量%を超えると、触媒のCO酸化活性は低下した。また、図5Bに示すように、リンはコート層の表面から被毒し、触媒に付着するリン吸着量が増加するに従って、コート層表面からのリン進入深さは大きくなった。ここで、触媒のCO酸化活性が低下するリン吸着量の閾値である0.1質量%の場合、リン進入深さは約20μmとなった。
上記の結果に基づき、実施例1〜3及び比較例の排気ガス浄化用触媒における触媒表面からのリン進入深さとCO-T50との関係を図6に示す。
図6に示すように、比較例の触媒において、触媒表面から20μm離れた厚さ方向位置に至るまでの部分にリンが被毒する場合、触媒のCO酸化活性は急激に低下した。これに対し、触媒表面から20〜40μm離れた厚さ方向位置に至るまでの部分にリンが被毒する場合、触媒のCO酸化活性の低下は緩やかであり、触媒表面から40μm離れた厚さ方向位置に至るまでの部分にリンが被毒する場合、触媒のCO酸化活性は殆ど変化しなかった。
それ故、実施例1〜3の排気ガス浄化用触媒を上記と同様の条件で試験する場合、触媒表面から40μm離れた厚さ方向位置に至るまでの部分は第2のコート層であるため、リン被毒は第2のコート層に留まり、第1のコート層はリン被毒の影響を受けることなく高いCO酸化活性を維持することが出来る。ここで、実施例1の排気ガス浄化用触媒の場合、第2のコート層13に含有されるPtは第1のコート層12に含有されるPtより少ないため、比較例の排気ガス浄化用触媒と比較してリン被毒前(初期)のCO酸化活性がやや低下する(図6)。これに対し、実施例2の排気ガス浄化用触媒の場合、第1のコート層22及び第2のコート層23に形成された気孔26及び27を介して排気ガスが第2のコート層23まで効率的に拡散するため、実施例1の排気ガス浄化用触媒と比較してリン被毒前のCO酸化活性を向上させることが出来る(図6)。同様に、実施例3の排気ガス浄化用触媒の場合、第1のコート層32に含有されるPtの濃度が、第1のコート層32と第2のコート層33との接合面に近づく程高くなるように存在しており、より効率的に触媒能力を発現することが出来るため、実施例1の排気ガス浄化用触媒と比較してリン被毒前のCO酸化活性を向上させることが出来る(図6)。
本発明により、排気ガス浄化用触媒のリン被毒によるCO酸化活性の低下を抑制することが可能となる。それ故、ガソリンエンジン及びディーゼルエンジンの排気ガスに含まれるHC及びSOFの酸化浄化に用いるための排気ガス用酸化触媒として有用である。
101・・・本発明の排気ガス浄化用触媒
102・・・本発明の排気ガス浄化用触媒
103・・・本発明の排気ガス浄化用触媒
100・・・従来技術の排気ガス浄化用触媒
1, 11, 21, 31・・・担体基材
2・・・コート層
12, 22, 32・・・第1のコート層
13, 23, 33・・・第2のコート層
4, 14, 15, 24, 25, 34, 35・・・触媒貴金属
26, 27・・・気孔

Claims (5)

  1. 担体基材と、担体基材の表面に被覆された第1のコート層と、第1のコート層の表面に被覆された第2のコート層とを有し、第1のコート層は触媒貴金属を含有し、第2のコート層は該触媒貴金属を含有しないか又は第1のコート層よりも少ない量で該触媒貴金属を含有する、排気ガス浄化用触媒。
  2. 第2のコート層の厚さが20〜40μmの範囲である、請求項1の排気ガス浄化用触媒。
  3. 第1のコート層及び第2のコート層が気孔を有し、第2のコート層の開気孔率が第1のコート層の開気孔率を超える範囲である、請求項1又は2の排気ガス浄化用触媒。
  4. 第1のコート層に含有される触媒貴金属の濃度が、第1のコート層と第2のコート層との接合面に近づく程高くなる、請求項1〜3のいずれか1項の排気ガス浄化用触媒。
  5. 前記触媒貴金属が、Pt、Pd及びRhからなる群より選択される、請求項1〜4のいずれか1項の排気ガス浄化用触媒。

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