JP2013144788A - 仮固定材 - Google Patents

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Abstract

【課題】繰り返し使用しても破断することなく、粘着性と剥離性とを高いレベルで維持し得る仮固定材を提供すること。
【解決手段】隣接する球状気泡間に貫通孔を有する連続気泡構造を有する発泡体を含む仮固定材であって、該球状気泡の平均孔径が20μm未満であり、該貫通孔の平均孔径が5μm以下であり、表面に平均孔径が20μm以下の表面開口部を有し、常態せん断接着力が1N/cm以上である、仮固定材。
【選択図】図1A

Description

本発明は、仮固定材に関する。
一般に、広告、カレンダー等の掲示物を壁や窓ガラスに仮固定する際には、粘着剤層を備える粘着シートが用いられている。
また、近年、基材の両面にアクリル系発泡体層を設けた仮固定用シートが提案されている(特許文献1)。該仮固定用シートは粘着剤層を有さないので、剥離が容易であり、糊残りの問題が生じないという利点がある。しかしながら、該仮固定用シートは構成される該アクリル系発泡体層の厚さが0.3mm以下になると機械的強度が不十分である場合があり、脱着時に破断することがある。よって、繰り返し使用しても破断することなく、粘着性と剥離性とを高いレベルで維持し得る仮固定材のさらなる開発が求められている。また、該仮固定用シートは構成されるアクリル系発泡体層中に発泡助剤および整泡剤を含んでおり、経時的にこれらがブリードし被着体の汚染が懸念される。
特開2010−234536号公報
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、繰り返し使用しても破断することなく、粘着性と剥離性とを高いレベルで維持し得る仮固定材を提供することである。
本発明によれば、仮固定材が提供される。該仮固定材は、隣接する球状気泡間に貫通孔を有する連続気泡構造を有する発泡体を含む仮固定材であって、該球状気泡の平均孔径が20μm未満であり、該貫通孔の平均孔径が5μm以下であり、表面に平均孔径が20μm以下の表面開口部を有し、常態せん断接着力が1N/cm以上である。
好ましい実施形態においては、上記仮固定材の180°ピール試験力が1N/25mm以下である。
好ましい実施形態においては、上記仮固定材の60℃保持力が0.5mm以下である。
好ましい実施形態においては、上記仮固定材の125℃で22時間保存したときの寸法変化率が±5%未満である。
好ましい実施形態においては、上記仮固定材の50%圧縮状態において80℃で22時間保存した後に23℃まで冷却し、その後、該圧縮状態を解いて30分経過した時の、50%圧縮歪回復率が70%以上である。
好ましい実施形態においては、上記発泡体の密度が0.15g/cm〜0.6g/cmである。
好ましい実施形態においては、上記発泡体の気泡率が30%以上である。
本発明によれば、繰り返し使用しても破断することなく、粘着性と剥離性とを高いレベルで維持し得る仮固定材が提供され得る。本発明の仮固定材は、例えば、総厚が0.5mm以下であっても実用可能である。
本発明の好ましい実施形態による仮固定材の概略断面図である。 本発明の別の好ましい実施形態による仮固定材の概略断面図である。 本発明のさらに別の好ましい実施形態による仮固定材の概略断面図である。 本発明のさらに別の好ましい実施形態による仮固定材の概略断面図である。 発泡体の断面SEM写真の写真図であって、隣接する球状気泡間に貫通孔を有する連続気泡構造を明確に表す写真図である。 実施例1において作製した仮固定シートを斜めから撮影した表面/断面SEM写真の写真図である。 50%圧縮歪回復率の測定方法を説明する説明図である。
≪A.仮固定材≫
本発明の仮固定材は、所定の構造を有する発泡体を含み、必要に応じて、粘着剤層をさらに含み得る。図1Aは、本発明の好ましい実施形態による仮固定材の概略断面図である。仮固定材100aは、所定の構造を有する発泡体10を含む。図1Bは、本発明の別の好ましい実施形態による仮固定材の概略断面図である。仮固定材100bは、所定の構造を有する第1の発泡体10aと基材20と所定の構造を有する第2の発泡体10bとをこの順で含む。図2Aは、本発明のさらに別の好ましい実施形態による仮固定材の概略断面図である。仮固定材100cは、所定の構造を有する発泡体10とその片面に配置された粘着剤層40とを含む。該粘着剤層40は、第1の粘着剤層40aと第2の粘着剤層40bとこれらの間に配置された支持体41とから構成されている。図2Bは、本発明のさらに別の好ましい実施形態による仮固定材の概略断面図である。仮固定材100dは、所定の構造を有する第1の発泡体10aと基材20と所定の構造を有する第2の発泡体10bと粘着剤層40とをこの順で含む。なお、図1A、図1B、図2Aおよび図2Bにおいては、仮固定材の粘着面(発泡体表面または粘着剤層表面)の保護のために剥離フィルム30が設けられているが、該剥離フィルムは設けられていなくても良い。仮固定材100aまたは100bによれば、発泡体自体が粘着力を有するので、粘着剤層を用いることなく(すなわち、糊残りの問題を生じることなく)、物品を所望の場所に仮固定することができる。また、仮固定材100aまたは100bの一方の面を任意の適切な粘着剤層を介して所望の場所に固定した状態で、他方の面で物品を仮固定することにより当該物品を所望の場所に仮固定することもできる。一方、仮固定材100cまたは100dによれば、一方の粘着剤層面によって該仮固定材を所望の場所に強固に固定し、他方の発泡体面によって糊残りの問題なく物品を仮固定することができる。
本発明の仮固定材は、表面に表面開口部を有する。この表面開口部の平均孔径は、20μm以下であり、好ましくは20μm未満であり、より好ましくは15μm以下であり、さらに好ましくは10μm以下であり、さらに好ましくは5μm以下であり、特に好ましくは4μm以下であり、最も好ましくは3μm以下である。表面開口部の平均孔径の下限値は特に限定されず、例えば、好ましくは0.001μmであり、より好ましくは0.01μmである。本発明の仮固定材が表面開口部を有し、且つ、該表面開口部の平均孔径が上記範囲内に収まることにより、該表面開口部がミクロ吸盤の役割を担って十分な粘着力を発現し得る仮固定材を提供することができ、また、柔軟性が高く、耐熱性が高い、仮固定材を提供することができる。
本発明の仮固定材は、常態せん断接着力が、1N/cm以上であり、好ましくは3N/cm以上であり、より好ましくは5N/cm以上であり、さらに好ましくは7N/cm以上であり、特に好ましくは9N/cm以上であり、最も好ましくは10N/cm以上である。本発明の仮固定材の常態せん断接着力が上記範囲内に収まることにより、本発明の仮固定材は十分な粘着力を発現し得る。
本発明の仮固定材は、180°ピール試験力(例えば、発泡体面の180°ピール試験力)が、好ましくは1N/25mm以下であり、より好ましくは0.8N/25mm以下であり、さらに好ましくは0.5N/25mm以下であり、特に好ましくは0.3N/25mm以下である。本発明の仮固定材の180°ピール試験力が上記範囲内に収まることにより、本発明の仮固定材は、上記のように粘着力が高いにもかかわらず、容易に剥離が可能であるという優れた効果を発現し得る。
本発明の仮固定材は、60℃保持力(例えば、発泡体面の60℃保持力)が、好ましくは0.5mm以下であり、より好ましくは0.4mm以下であり、さらに好ましくは0.3mm以下であり、特に好ましくは0.2mm以下である。本発明の仮固定材の60℃保持力が上記範囲内に収まることにより、本発明の仮固定材は優れた耐熱性と十分な粘着力とを両立し得る。
本発明の仮固定材は、125℃で22時間保存したときの寸法変化率が、好ましくは±5%未満であり、より好ましくは±3%以下であり、さらに好ましくは±1%以下である。本発明の仮固定材において125℃で22時間保存したときの寸法変化率が上記範囲内に収まることにより、本発明の仮固定材は優れた耐熱性を有し得る。
本発明の仮固定材は、50%圧縮状態において80℃で22時間保存した後に23℃まで冷却し、その後、該圧縮状態を解いて30分経過した時の、50%圧縮歪回復率が、好ましくは70%以上であり、より好ましくは75%以上であり、さらに好ましくは80%以上であり、特に好ましくは85%以上である。上記50%圧縮歪回復率の上限は、好ましくは100%である。本発明の仮固定材の上記50%圧縮歪回復率が上記範囲内に収まることにより、本発明の仮固定材は、優れた圧縮歪回復性を発現し得る。50%圧縮歪回復率の具体的な測定方法は後述の実施例において記載される通りである。
本発明の仮固定材は、任意の適切な形状を採り得る。実用的には、好ましくは、本発明の仮固定材はシート状の仮固定シートである。本発明の仮固定材が仮固定シートである場合、その厚み、長辺および短辺の長さは、任意の適切な値を採り得る。仮固定材の厚みは、例えば、0.05mm〜5.0mmであり得る。
≪A−1.発泡体≫
本発明の仮固定材に含まれる発泡体は、隣接する球状気泡間に貫通孔を有する連続気泡構造を有する。本明細書において「球状気泡」とは、厳密な真球状の気泡でなくても良く、例えば、部分的にひずみのある略球状の気泡や、大きなひずみを有する空間からなる気泡であっても良い。
上記発泡体が有する球状気泡の平均孔径は、20μm未満であり、好ましくは15μm以下であり、さらに好ましくは10μm以下である。該発泡体が有する球状気泡の平均孔径の下限値は特に限定されず、例えば、好ましくは0.01μmであり、より好ましくは0.1μmであり、さらに好ましくは1μmである。発泡体が有する球状気泡の平均孔径が上記範囲内に収まることにより、発泡体の球状気泡の平均孔径を精密に小さく制御でき、柔軟性および耐熱性に優れ、総厚が0.5mm以下でも実用可能な仮固定材を提供することができる。
上記発泡体の密度は、好ましくは0.15g/cm〜0.6g/cmであり、より好ましくは0.15g/cm〜0.5g/cmであり、さらに好ましくは0.15g/cm〜0.45g/cmであり、特に好ましくは0.15g/cm〜0.4g/cmである。発泡体の密度が上記範囲内に収まることにより、発泡体の密度の範囲を広く制御した上で、柔軟性および耐熱性に優れた仮固定材を提供することができる。
上記発泡体が有する連続気泡構造は、ほとんどまたは全ての隣接する球状気泡間に貫通孔を有する連続気泡構造であっても良いし、該貫通孔の数が比較的少ない半独立半連続気泡構造であっても良い。このような連続気泡構造を有する発泡体を用いることにより、本発明の仮固定材は十分な粘着力を有し得る。これは、仮固定する物品を本発明の仮固定材を介して被着体に押圧すると、発泡体内部の球状気泡および貫通孔が圧縮されて空気が外部に抜け、これにより生じる外部との大気圧差に起因して、吸着性が発揮されるためと推測される。具体的には、上記発泡体の内部においては、連続気泡構造があらゆる方向に伸びているので、押圧により空気が容易に外方に抜ける。その結果、貼り付けの際に物品および/または被着体と仮固定材との間に噛み込んだ空気も、連続気泡構造を利用して容易に除去でき、かつ、十分な大気圧差が生じて優れた吸着性が発揮されると推測される。また、上記の通り、本発明の仮固定材の粘着力は吸着力を利用しているので、剥離および貼着を繰り返しても粘着性が実質的に低下せず、剥離性にも優れる。さらに、ゴミなどの付着で粘着性が低下した場合であっても、水洗浄やウェットティッシュ等による拭き取りで粘着性が回復し得る。
隣接する球状気泡間に有する貫通孔は、仮固定材の物性に影響する。例えば、貫通孔の平均孔径が小さいほど、仮固定材の強度が高くなる傾向がある。図3に、発泡体の断面SEM写真の写真図であって、隣接する球状気泡間に貫通孔を有する連続気泡構造を明確に表す写真図を示す。
隣接する球状気泡間に有する貫通孔の平均孔径は、5μm以下であり、好ましくは4μm以下であり、より好ましくは3μm以下である。隣接する球状気泡間に有する貫通孔の平均孔径の下限値は特に限定されず、例えば、好ましくは0.001μmであり、より好ましくは0.01μmである。隣接する球状気泡間に有する貫通孔の平均孔径が上記範囲内に収まることにより、柔軟性および耐熱性に優れた仮固定材を提供することができる。
上記発泡体は、気泡率が、好ましくは30%以上であり、より好ましくは40%以上、さらに好ましくは50%以上である。上記発泡体の気泡率が上記範囲内に収まることにより、本発明の仮固定材は、十分な粘着力を発現でき、また、高い柔軟性と高い耐熱性を発現できる。
好ましい実施形態においては、上記発泡体は、180°の折り曲げ試験でクラックが発生しない。このように非常に優れたじん性を有する発泡体を用いることにより、紙のように巻き取り可能な仮固定材が得られ得る。
上記発泡体は、引張強度が、好ましくは0.1MPa以上であり、より好ましくは0.15MPa以上であり、さらに好ましくは0.2MPa以上である。上記発泡体において引張強度が上記範囲内に収まることにより、本発明の仮固定材は非常に優れた機械的物性を有し得る。なお、上記引張強度は、JIS−K−7113に準拠して、引張速度=50mm/分で測定した値である。
上記発泡体は、125℃で14日間保存したときの引張強度変化率が、好ましくは±20%未満であり、より好ましくは±18%以下である。上記発泡体において125℃で14日間保存したときの引張強度変化率が上記範囲内に収まることにより、本発明の仮固定材は非常に優れた耐熱性を有し得る。なお、上記引張強度変化率は、測定試料を125℃のオーブンに14日間保存する前と後に、JIS−K−7113に準拠して、引張速度=50mm/分で引張強度を測定したときの、該加熱保存処理の前後における引張強度の変化率である。
上記発泡体は、50%圧縮状態において80℃で22時間保存した後に23℃まで冷却し、その後、該圧縮状態を解いて30分経過した時の50%圧縮歪回復率が、好ましくは70%以上であり、より好ましくは75%以上である。上記範囲の50%圧縮歪回復率を有する発泡体においては、その上に重量物を置いた場合や重量負荷がかかった場合には、圧力がかかった部分がへこむが、該圧力が解かれた際には該へこみの回復性(圧縮歪回復性)に優れている。このように優れた圧縮歪回復性を有する発泡体を用いることにより、繰り返し使用性に極めて優れた仮固定材が得られ得る。
上記発泡体の形成材料としては、目的に応じて任意の適切な材料が採用され得る。また、発泡体の厚みとしては、目的に応じて任意の適切な厚みが採用され得る。
≪A−2.基材≫
本発明の仮固定材は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な基材を含有していても良い。本発明の仮固定材に基材が含有される形態としては、例えば、仮固定材の内部に基材の層が設けられている形態が挙げられる。このような基材としては、例えば、繊維織布、繊維不織布、繊維積層布、繊維編布、樹脂シート、金属箔膜シート、無機繊維などが挙げられる。基材の厚みは、材料や目的に応じて、任意の適切な厚みを採用し得る。
繊維織布としては、任意の適切な繊維から形成される織布を採用し得る。このような繊維としては、例えば、植物繊維、動物繊維、鉱物繊維などの天然繊維;再生繊維、合成繊維、半合成繊維、人造無機繊維などの人造繊維;などが挙げられる。合成繊維としては、例えば、熱可塑性繊維を溶融紡糸した繊維などが挙げられる。また、繊維織布は、メッキやスパッタリングなどによってメタリック加工されていても良い。
繊維不織布としては、任意の適切な繊維から形成される不織布を採用し得る。このような繊維としては、例えば、植物繊維、動物繊維、鉱物繊維などの天然繊維;再生繊維、合成繊維、半合成繊維、人造無機繊維などの人造繊維;などが挙げられる。合成繊維としては、例えば、熱可塑性繊維を溶融紡糸した繊維などが挙げられる。また、繊維不織布は、メッキやスパッタリングなどによってメタリック加工されていても良い。より具体的には、例えば、スパンボンド不織布が挙げられる。
繊維積層布としては、任意の適切な繊維から形成される積層布を採用し得る。このような繊維としては、例えば、植物繊維、動物繊維、鉱物繊維などの天然繊維;再生繊維、合成繊維、半合成繊維、人造無機繊維などの人造繊維;などが挙げられる。合成繊維としては、例えば、熱可塑性繊維を溶融紡糸した繊維などが挙げられる。また、繊維積層布は、メッキやスパッタリングなどによってメタリック加工されていても良い。より具体的には、例えば、ポリエステル繊維積層布が挙げられる。
繊維編布としては、例えば、任意の適切な繊維から形成される編布を採用し得る。このような繊維としては、例えば、植物繊維、動物繊維、鉱物繊維などの天然繊維;再生繊維、合成繊維、半合成繊維、人造無機繊維などの人造繊維;などが挙げられる。合成繊維としては、例えば、熱可塑性繊維を溶融紡糸した繊維などが挙げられる。また、繊維編布は、メッキやスパッタリングなどによってメタリック加工されていても良い。
樹脂シートとしては、任意の適切な樹脂から形成されるシートを採用し得る。このような樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂が挙げられる。樹脂シートは、メッキやスパッタリングなどによってメタリック加工されていても良い。
金属箔膜シートとしては、任意の適切な金属の箔膜から形成されるシートを採用し得る。
無機繊維としては、任意の適切な無機繊維を採用し得る。このような無機繊維としては、具体的には、例えば、ガラス繊維、金属繊維、炭素繊維などが挙げられる。
本発明の仮固定材においては、基材中に空隙が存在する場合、該空隙の一部または全部に上記発泡体と同じ材料が存在していても良い。
基材は、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
≪A−3.粘着剤層≫
本発明の仮固定材は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な粘着剤層を含有していても良い。本発明の仮固定材に粘着剤層が含有される形態としては、例えば、発泡体または発泡体と基材との積層体(第1の発泡体/基材/第2の発泡体)の一方の面に粘着剤層が設けられている形態が挙げられる。粘着剤層を形成する粘着剤としては、目的等に応じて任意の適切な粘着剤を用いることができる。例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、エポキシ樹脂系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが挙げられる。粘着剤は単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
アクリル系粘着剤としては、アルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの単独重合体、または該(メタ)アクリル酸アルキルエステルとその他の官能性モノマー等の共重合性モノマーとの共重合体をベースポリマーに用いたものが好ましく用いられ得る。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとその他の共重合体モノマーとの共重合体としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを50重量%以上、より好ましくは60重量%以上含有するモノマー組成物を共重合して得られる共重合体が好ましい。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸へキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどが挙げられる。
上記官能性モノマーとしては、水酸基を有するモノマー、カルボキシル基を有するモノマー、アミド基を有するモノマー、アミノ基を有するモノマーなどが挙げられる。水酸基を有するモノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどが例示される。カルボキシル基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのα,β−不飽和カルボン酸;マレイン酸ブチルなどのマレイン酸モノアルキルエステル;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和二塩基酸、さらには無水マレイン酸等の二塩基酸無水物が例示される。アミド基を有するモノマーとしては、アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミドなどのアルキル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミドなどが例示される。アミノ基を有するモノマーとしては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどが例示される。上記以外の共重合性モノマーとしては、酢酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、アクリロニトリル、エチレン、プロピレンなども使用できる。
ゴム系粘着剤としては、天然ゴム、スチレン−イソプレン系ブロック共重合体、スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体、ポリイソプレン、ポリブテン、ポリイソブチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのゴム弾性体をベースポリマーとするものが挙げられる。ゴム系粘着剤には、ゴム弾性体に加えて、例えば、ロジン系樹脂、ポリテルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油系樹脂、テルペン−フェノール樹脂などの粘着付与剤を適量、および必要に応じて、液状ポリブテン、鉱油、液状ポリイソプレン、液状ポリアクリレートなどの軟化剤が配合され得る。
シリコーン系粘着剤としては、シリコーンゴムとシリコーンレジンとを含有するものなどが挙げられる。シリコーンゴムおよびシリコーンレジンとしては、通常のシリコーン系粘着剤に使用されている任意の適切なシリコーン系のゴム成分およびレジンを用いることができる。
上記粘着剤層は、目的等に応じて任意の適切な支持体を含有していてもよい。粘着剤層が支持体を含有する形態としては、例えば、粘着剤層の内部に支持体の層が設けられている形態が挙げられる。支持体を含有する粘着剤層は、例えば、第1の粘着剤層/支持体/第2の粘着剤層の構成であり得る。このような支持体としては、例えば、繊維織布、繊維不織布、繊維積層布、繊維編布、樹脂シート、金属箔膜シート、無機繊維などが挙げられ、その詳細については、A−2項と同様の説明が適用できる。支持体は一種類の材料から形成されてもよく、二種以上の材料から形成されてもよい。また支持体は、単層であってもよく、積層体であってもよい。支持体の厚みは、材料や目的に応じて、任意の適切な厚みを採用し得る。
上記粘着剤層の厚み(積層構造の場合は総厚み)は、例えば5μm〜500μm、好ましくは5μm〜200μmであり得る。
≪B.仮固定材の製造方法1≫
本発明の仮固定材は、任意の適切な方法で製造され得る。例えば、上記発泡体からなる本発明の仮固定材は、以下に詳述する発泡体の製造方法によって得られ得る。
上記発泡体の製造方法としては、例えば、連続的に連続油相成分と水相成分を乳化機に供給して上記発泡体を得るために用い得るW/O型エマルションを調製し、続いて、得られたW/O型エマルションを重合して含水重合体を製造し、続いて、得られた含水重合体を脱水する、「連続法」が挙げられる。上記発泡体の製造方法としては、また、例えば、連続油相成分に対して適当な量の水相成分を乳化機に仕込み、攪拌しながら連続的に水相成分を供給することで上記発泡体を得るために用い得るW/O型エマルションを調製し、得られたW/O型エマルションを重合して含水重合体を製造し、続いて、得られた含水重合体を脱水する、「バッチ法」が挙げられる。
W/O型エマルションを連続的に重合する連続重合法は生産効率が高く、重合時間の短縮効果と重合装置の短縮化とを最も有効に利用できるので好ましい方法である。
上記発泡体の製造方法は、より具体的には、
W/O型エマルションを調製する工程(I)と、
得られたW/O型エマルションを賦形する工程(II)と、
賦形されたW/O型エマルションを重合する工程(III)と、
得られた含水重合体を脱水する工程(IV)と、
を含む。ここで、得られたW/O型エマルションを賦形する工程(II)と賦形されたW/O型エマルションを重合する工程(III)とは少なくとも一部を同時に行っても良い。
≪B−1.W/O型エマルションを調製する工程(I)≫
W/O型エマルションは、連続油相成分と該連続油相成分と不混和性の水相成分を含むW/O型エマルションである。W/O型エマルションは、より具体的に説明すると、連続油相成分中に水相成分が分散したものである。
W/O型エマルションにおける、水相成分と連続油相成分との比率は、W/O型エマルションを形成し得る範囲で任意の適切な比率を採り得る。W/O型エマルションにおける、水相成分と連続油相成分との比率は、該W/O型エマルションの重合によって得られる多孔質ポリマー材料の構造的、機械的、および性能的特性を決定する上で重要な因子となり得る。具体的には、上記発泡体を得るために用い得るW/O型エマルションにおける、水相成分と連続油相成分との比率は、該W/O型エマルションの重合によって得られる多孔質ポリマー材料の密度、気泡サイズ、気泡構造、および多孔構造を形成する壁体の寸法などを決定する上で重要な因子となり得る。
W/O型エマルション中の水相成分の比率は、下限値として、好ましくは30重量%であり、より好ましくは40重量%であり、さらに好ましくは50重量%であり、特に好ましくは55重量%であり、上限値として、好ましくは95重量%であり、より好ましくは90重量%であり、さらに好ましくは85重量%であり、特に好ましくは80重量%である。W/O型エマルション中の水相成分の比率が上記範囲内にあれば、本発明の効果を十分に発現し得る。
W/O型エマルションは、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な添加剤が含まれ得る。このような添加剤としては、例えば、粘着付与樹脂;タルク;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸やその塩類、クレー、雲母粉、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、亜鉛華、ベントナイン、カーボンブラック、シリカ、アルミナ、アルミニウムシリケート、アセチレンブラック、アルミニウム粉などの充填剤;顔料;染料;などが挙げられる。このような添加剤は、1種のみ含まれていても良いし、2種以上が含まれていても良い。
W/O型エマルションを製造する方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。上記発泡体を得るために用い得るW/O型エマルションを製造する方法としては、例えば、連続油相成分と水相成分を連続的に乳化機に供給することでW/O型エマルションを形成する「連続法」や、連続油相成分に対して適当な量の水相成分を乳化機に仕込み、攪拌しながら連続的に水相成分を供給することでW/O型エマルションを形成する「バッチ法」などが挙げられる。
W/O型エマルションを製造する際、エマルション状態を得るための剪断手段としては、例えば、ローターステーターミキサー、ホモジナイザー、ミクロ流動化装置などを用いた高剪断条件の適用が挙げられる。また、エマルション状態を得るための別の剪断手段としては、例えば、動翼ミキサーまたはピンミキサーを使用した振盪、電磁撹拌棒などを用いた低剪断条件の適用による連続および分散相の穏やかな混合が挙げられる。具体的には、プライミクス(株)製「T.K.アジホモミクサー」や「T.K.コンビミックス」などは、減圧下で目的とするW/O型エマルションを製造可能であり、得られるW/O型エマルションにおいては気泡の混入が大幅に低減され得る。
「連続法」によってW/O型エマルションを調製するための装置としては、例えば、静的ミキサー、ローターステーターミキサー、ピンミキサーなどが挙げられる。撹拌速度を上げることで、または、混合方法でW/O型エマルション中に水相成分をより微細に分散するようデザインされた装置を使用することで、より激しい撹拌を達成しても良い。
「バッチ法」によってW/O型エマルションを調製するための装置としては、例えば、手動での混合や振盪、被動動翼ミキサー、3枚プロペラ混合羽根などが挙げられる。
連続油相成分を調製する方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。連続油相成分を調製する方法としては、代表的には、例えば、親水性ポリウレタン系重合体とエチレン性不飽和モノマーを含む混合シロップを調製し、続いて、該混合シロップに、重合開始剤、架橋剤、その他の任意の適切な成分を配合し、連続油相成分を調製することが好ましい。
親水性ポリウレタン系重合体を調製する方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。親水性ポリウレタン系重合体を調製する方法としては、代表的には、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールとジイソシアネート化合物とをウレタン反応触媒の存在下で反応させることにより得られる。
≪B−1−1.水相成分≫
水相成分としては、実質的に連続油相成分と不混和性のあらゆる水性流体を採用し得る。取り扱いやすさや低コストの観点から、好ましくは、イオン交換水などの水である。
水相成分には、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な添加剤が含まれ得る。このような添加剤としては、例えば、重合開始剤、水溶性の塩などが挙げられる。水溶性の塩は、W/O型エマルションをより安定化させるために有効な添加剤となり得る。このような水溶性の塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどが挙げられる。このような添加剤は、1種のみ含まれていても良いし、2種以上が含まれていても良い。水相成分に含まれ得る添加剤は、1種のみでも良いし、2種以上でも良い。
≪B−1−2.連続油相成分≫
連続油相成分は、親水性ポリウレタン系重合体とエチレン性不飽和モノマーと架橋剤を含む。連続油相成分中の親水性ポリウレタン系重合体およびエチレン性不飽和モノマーの含有割合は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な含有割合を採り得る。
親水性ポリウレタン系重合体は、該親水性ポリウレタン系重合体を構成するポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール単位中のポリオキシエチレン比率、または、配合する水相成分量にもよるが、例えば、好ましくは、エチレン性不飽和モノマー70〜90重量部に対して親水性ポリウレタン系重合体が10〜30重量部の範囲であり、より好ましくは、エチレン性不飽和モノマー75〜90重量部に対して親水性ポリウレタン系重合体が10〜25重量部の範囲である。また、例えば、水相成分100重量部に対し、好ましくは、親水性ポリウレタン系重合体が1〜30重量部の範囲であり、より好ましくは、親水性ポリウレタン系重合体が1〜25重量部の範囲である。親水性ポリウレタン系重合体の含有割合が上記範囲内にあれば、本発明の効果を十分に発現し得る。
≪B−1−2−1.親水性ポリウレタン系重合体≫
親水性ポリウレタン系重合体は、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール由来のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン単位を含み、該ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン単位中の5重量%〜25重量%がポリオキシエチレンであることが好ましい。
上記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン単位中のポリオキシエチレンの含有割合は、好ましくは上記のように5重量%〜25重量%であり、下限値として、好ましくは10重量%であり、より好ましくは15重量%であり、上限値として、好ましくは25重量%であり、より好ましくは20重量%である。上記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン単位中のポリオキシエチレンは、連続油相成分中に水相成分を安定に分散させる効果を発現するものである。上記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン単位中のポリオキシエチレンの含有割合が5重量%未満の場合、連続油相成分中に水相成分を安定に分散させることが困難になるおそれがある。上記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン単位中のポリオキシエチレンの含有割合が25重量%を超える場合、HIPE条件に近づくにつれてW/O型エマルションからO/W型(水中油型)エマルションに転相するおそれがある。
従来の親水性ポリウレタン系重合体は、ジイソシアネート化合物と疎水性長鎖ジオール、ポリオキシエチレングリコールならびにその誘導体、低分子活性水素化合物(鎖伸長剤)を反応させることによって得られるが、このような方法で得られる親水性ポリウレタン系重合体中に含まれるポリオキシエチレン基の数は不均一であるため、このような親水性ポリウレタン系重合体を含むW/O型エマルションは乳化安定性が低下するおそれがある。一方、W/O型エマルションの連続油相成分に含まれる親水性ポリウレタン系重合体は、上記のような特徴的な構造を有することにより、W/O型エマルションの連続油相成分に含ませた場合に、乳化剤等を積極的に添加せずとも、優れた乳化性および優れた静置保存安定性を発現することができる。
親水性ポリウレタン系重合体は、好ましくは、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールとジイソシアネート化合物とを反応させることにより得られる。この場合、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールとジイソシアネート化合物との比率は、NCO/OH(当量比)で、下限値として、好ましくは1であり、より好ましくは1.2であり、さらに好ましくは1.4であり、特に好ましくは1.6であり、上限値として、好ましくは3であり、より好ましくは2.5であり、さらに好ましくは2である。NCO/OH(当量比)が1未満の場合は、親水性ポリウレタン系重合体を製造する際にゲル化物が生成しやすくなるおそれがある。NCO/OH(当量比)が3を超える場合は、残存ジイソシアネート化合物が多くなってしまい、W/O型エマルションが不安定になるおそれがある。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールとしては、例えば、ADEKA株式会社製のポリエーテルポリオール(アデカ(登録商標)プルロニックL−31、L−61、L−71、L−101、L−121、L−42、L−62、L−72、L−122、25R−1、25R−2、17R−2)や、日本油脂株式会社製のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(プロノン(登録商標)052、102、202)などが挙げられる。ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールは、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
ジイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族、脂肪族、脂環族のジイソシアネート、これらのジイソシアネートの二量体や三量体、ポリフェニルメタンポリイソシアネートなどが挙げられる。芳香族、脂肪族、脂環族のジイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。ジイソシアネートの三量体としては、イソシアヌレート型、ビューレット型、アロファネート型等が挙げられる。ジイソシアネート化合物は、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
ジイソシアネート化合物は、ポリオールとのウレタン反応性などの観点から、その種類や組み合わせ等を適宜選択すれば良い。ポリオールとの速やかなウレタン反応性や水との反応の抑制などの観点からは、脂環族ジイソシアネートを使用することが好ましい。
親水性ポリウレタン系重合体の重量平均分子量は、下限値として、好ましくは5000であり、より好ましくは7000であり、さらに好ましくは8000であり、特に好ましくは10000であり、上限値として、好ましくは50000であり、より好ましくは40000であり、さらに好ましくは30000であり、特に好ましくは20000である。
親水性ポリウレタン系重合体は、末端にラジカル重合可能な不飽和二重結合を有していても良い。親水性ポリウレタン系重合体の末端にラジカル重合可能な不飽和二重結合を有することにより、本発明の効果がより一層発現され得る。
≪B−1−2−2.エチレン性不飽和モノマー≫
エチレン性不飽和モノマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーであれば、任意の適切なモノマーを採用し得る。エチレン性不飽和モノマーは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
エチレン性不飽和モノマーは、好ましくは、(メタ)アクリル酸エステルを含む。エチレン性不飽和モノマー中の(メタ)アクリル酸エステルの含有割合は、下限値として、好ましくは80重量%であり、より好ましくは85重量%であり、上限値として、好ましくは100重量%であり、より好ましくは98重量%である。(メタ)アクリル酸エステルは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、好ましくは、炭素数が1〜20のアルキル基(シクロアルキル基、アルキル(シクロアルキル)基、(シクロアルキル)アルキル基も含む概念)を有するアルキル(メタ)アクリレートである。上記アルキル基の炭素数は、好ましくは4〜18である。なお、(メタ)アクリルとは、アクリルおよび/またはメタクリルの意味であり、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよび/またはメタクリレートの意味である。
炭素数が1〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、n−テトラデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが好ましい。炭素数が1〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
エチレン性不飽和モノマーは、好ましくは、(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な極性モノマーをさらに含む。エチレン性不飽和モノマー中の極性モノマーの含有割合は、下限値として、好ましくは0重量%であり、より好ましくは2重量%であり、上限値として、好ましくは20重量%であり、より好ましくは15重量%である。極性モノマーは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
極性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物モノマー;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有モノマー;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有モノマー;などが挙げられる。
≪B−1−2−3.重合開始剤≫
連続油相成分には、好ましくは、重合開始剤が含まれる。
重合開始剤としては、例えば、ラジカル重合開始剤、レドックス重合開始剤などが挙げられる。ラジカル重合開始剤としては、例えば、熱重合開始剤、光重合開始剤が挙げられる。
熱重合開始剤としては、例えば、アゾ化合物、過酸化物、ペルオキシ炭酸、ペルオキシカルボン酸、過硫酸カリウム、t−ブチルペルオキシイソブチレート、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルなどが挙げられる。
光重合開始剤としては、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(例として、チバ・ジャパン社製、商品名;ダロキュア−2959)、α−ヒドロキシ−α,α’−ジメチルアセトフェノン(例として、チバ・ジャパン社製、商品名;ダロキュア−1173)、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(例として、チバ・ジャパン社製、商品名;イルガキュア−651)、2−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルアセトフェノン(例として、チバ・ジャパン社製、商品名;イルガキュア−184)などのアセトフェノン系光重合開始剤;ベンジルジメチルケタールなどのケタール系光重合開始剤;その他のハロゲン化ケトン;アシルフォスフィンオキサイド(例として、チバ・ジャパン社製、商品名;イルガキュア−819);などを挙げることができる。
重合開始剤は、1種のみを含んでいても良く、2種以上を含んでいてもよい。
重合開始剤の含有割合は、連続油相成分全体に対し、下限値として、好ましくは0.05重量%であり、より好ましくは0.1重量%であり、上限値として、好ましくは5.0重量%であり、より好ましくは1.0重量%である。重合開始剤の含有割合が連続油相成分全体に対して0.05重量%未満の場合には、未反応のモノマー成分が多くなり、得られる多孔質材料中の残存モノマー量が増加するおそれがある。重合開始剤の含有割合が連続油相成分全体に対して5.0重量%を超える場合には、得られる多孔質材料の機械的物性が低下するおそれがある。
なお、光重合開始剤によるラジカル発生量は、照射する光の種類や強度や照射時間、モノマーおよび溶剤混合物中の溶存酸素量などによっても変化する。そして、溶存酸素が多い場合には、光重合開始剤によるラジカル発生量が抑制され、重合が十分に進行せず、未反応物が多くなることがある。したがって、光照射の前に、反応系中に窒素等の不活性ガスを吹き込み、酸素を不活性ガスで置換、または、減圧処理によって脱気しておくことが好ましい。
≪B−1−2−4.架橋剤≫
連続油相成分には、架橋剤が含まれる。
架橋剤は、典型的には、ポリマー鎖同士を連結して、より三次元的な分子構造を構築するために用いられる。架橋剤の種類と含有量の選択は、得られる多孔質材料に所望される構造的特性、機械的特性、および流体処理特性に左右される。架橋剤の具体的な種類および含有量の選択は、多孔質材料の構造的特性、機械的特性、および流体処理特性の望ましい組み合わせを実現する上で重要となる。
上記発泡体の製造方法においては、架橋剤として、重量平均分子量の異なる少なくとも2種類の架橋剤を用いることが好ましい。
上記発泡体の製造方法においては、より好ましくは、架橋剤として、「重量平均分子量が800以上である多官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリルアミド、および重合反応性オリゴマーから選ばれる1種以上」と「重量平均分子量が500以下である多官能(メタ)アクリレートおよび多官能(メタ)アクリルアミドから選ばれる1種以上」とを併用する。ここで、多官能(メタ)アクリレートとは、具体的には、1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和基を有する多官能(メタ)アクリレートであり、多官能(メタ)アクリルアミドとは、具体的には、1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和基を有する多官能(メタ)アクリルアミドである。
多官能(メタ)アクリレートとしては、ジアクリレート類、トリアクリレート類、テトラアクリレート類、ジメタクリレート類、トリメタクリレート類、テトラメタクリレート類などが挙げられる。
多官能(メタ)アクリルアミドとしては、ジアクリルアミド類、トリアクリルアミド類、テトラアクリルアミド類、ジメタクリルアミド類、トリメタクリルアミド類、テトラメタクリルアミド類などが挙げられる。
多官能(メタ)アクリレートは、例えば、ジオール類、トリオール類、テトラオール類、ビスフェノールA類などから誘導できる。具体的には、例えば、1,10−デカンジオール、1,8−オクタンジオール、1,6ヘキサン−ジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4ブタン−2−エンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシノール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールAプロピレンオキサイド変性物などから誘導できる。
多官能(メタ)アクリルアミドは、例えば、対応するジアミン類、トリアミン類、テトラアミン類などから誘導できる。
重合反応性オリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、コポリエステル(メタ)アクリレート、オリゴマージ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。好ましくは、疎水性ウレタン(メタ)アクリレートである。
重合反応性オリゴマーの重量平均分子量は、好ましくは1500以上、より好ましくは2000以上である。重合反応性オリゴマーの重量平均分子量の上限は特に限定されないが、例えば、好ましくは10000以下である。
架橋剤として、「重量平均分子量が800以上である多官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリルアミド、および重合反応性オリゴマーから選ばれる1種以上」と「重量平均分子量が500以下である多官能(メタ)アクリレートおよび多官能(メタ)アクリルアミドから選ばれる1種以上」とを併用する場合、「重量平均分子量が800以上である多官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリルアミド、および重合反応性オリゴマーから選ばれる1種以上」の使用量は、連続油相成分中の親水性ポリウレタン系重合体およびエチレン性不飽和モノマーの合計量に対して、下限値として、好ましくは30重量%であり、上限値として、好ましくは100重量%であり、より好ましくは80重量%である。「重量平均分子量が800以上である多官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリルアミド、および重合反応性オリゴマーから選ばれる1種以上」の使用量が連続油相成分中の親水性ポリウレタン系重合体およびエチレン性不飽和モノマーの合計量に対して30重量%未満の場合、得られる発泡体の凝集力が低下してしまうおそれがあり、じん性と柔軟性の両立が困難になるおそれがある。「重量平均分子量が800以上である多官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリルアミド、および重合反応性オリゴマーから選ばれる1種以上」の使用量が連続油相成分中の親水性ポリウレタン系重合体およびエチレン性不飽和モノマーの合計量に対して100重量%を超える場合、W/O型エマルションは乳化安定性が低下してしまい、所望の発泡体が得られないおそれがある。
架橋剤として、「重量平均分子量が800以上である多官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリルアミド、および重合反応性オリゴマーから選ばれる1種以上」と「重量平均分子量が500以下である多官能(メタ)アクリレートおよび多官能(メタ)アクリルアミドから選ばれる1種以上」とを併用する場合、「重量平均分子量が500以下である多官能(メタ)アクリレートおよび多官能(メタ)アクリルアミドから選ばれる1種以上」の使用量は、連続油相成分中の親水性ポリウレタン系重合体およびエチレン性不飽和モノマーの合計量に対して、下限値として、好ましくは1重量%であり、より好ましくは5重量%であり、上限値として、好ましくは30重量%であり、より好ましくは20重量%である。「重量平均分子量が500以下である多官能(メタ)アクリレートおよび多官能(メタ)アクリルアミドから選ばれる1種以上」の使用量が連続油相成分中の親水性ポリウレタン系重合体およびエチレン性不飽和モノマーの合計量に対して1重量%未満の場合、耐熱性が低下してしまい、含水重合体を脱水する工程(IV)において収縮によって気泡構造が潰れてしまうおそれがある。「重量平均分子量が500以下である多官能(メタ)アクリレートおよび多官能(メタ)アクリルアミドから選ばれる1種以上」の使用量が連続油相成分中の親水性ポリウレタン系重合体およびエチレン性不飽和モノマーの合計量に対して30重量%を超える場合、得られる発泡体のじん性が低下してしまい、脆性を示してしまうおそれがある。
架橋剤は、1種のみを含んでいても良く、2種以上を含んでいてもよい。
≪B−1−2−5.連続油相成分中のその他の成分≫
連続油相成分には、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なその他の成分が含まれ得る。このようなその他の成分としては、代表的には、好ましくは、触媒、酸化防止剤、光安定剤、有機溶媒などが挙げられる。このようなその他の成分は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
触媒としては、例えば、ウレタン反応触媒が挙げられる。ウレタン反応触媒としては、任意の適切な触媒を採用し得る。具体的には、例えば、ジブチル錫ジラウリレート、アセチルアセトン金属錯体が挙げられる。
触媒の含有割合は、目的とする触媒反応に応じて、任意の適切な含有割合を採用し得る。
触媒は、1種のみを含んでいても良く、2種以上を含んでいてもよい。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などが挙げられる。
酸化防止剤の含有割合は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な含有割合を採用し得る。
酸化防止剤は、1種のみを含んでいても良く、2種以上を含んでいてもよい。
光安定剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な光安定剤を採用し得る。
光安定剤の含有割合は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な含有割合を採用し得る。
光安定剤は、1種のみを含んでいても良く、2種以上を含んでいてもよい。
有機溶媒としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な有機溶媒を採用し得る。
有機溶媒の含有割合は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な含有割合を採用し得る。
有機溶媒は、1種のみを含んでいても良く、2種以上を含んでいてもよい。
≪B−2.W/O型エマルションを賦形する工程(II)≫
工程(II)において、W/O型エマルションを賦形する方法としては、任意の適切な賦形方法を採用し得る。例えば、走行するベルト上にW/O型エマルションを連続的に供給し、ベルトの上で平滑なシート状に賦形する方法が挙げられる。また、熱可塑性樹脂フィルムの一面に塗工して賦形する方法が挙げられる。
工程(II)において、W/O型エマルションを賦形する方法として、熱可塑性樹脂フィルムの一面に塗工して賦形する方法を採用する場合、塗工する方法としては、例えば、ロールコーター、ダイコーター、ナイフコーターなどを用いる方法が挙げられる。
≪B−3.賦形されたW/O型エマルションを重合する工程(III)≫
工程(III)において、賦形されたW/O型エマルションを重合する方法としては、任意の適切な重合方法を採用し得る。例えば、加熱装置によってベルトコンベアーのベルト表面が加温される構造の、走行するベルト上にW/O型エマルションを連続的に供給し、ベルトの上で平滑なシート状に賦形しつつ加熱によって重合する方法や、活性エネルギー線の照射によってベルトコンベアーのベルト表面が加温される構造の、走行するベルト上にW/O型エマルションを連続的に供給し、ベルトの上で平滑なシート状に賦形しつつ活性エネルギー線の照射によって重合する方法が挙げられる。
加熱によって重合する場合、重合温度(加熱温度)は、下限値として、好ましくは23℃であり、より好ましくは50℃であり、さらに好ましくは70℃であり、特に好ましくは80℃であり、最も好ましくは90℃であり、上限値としては、好ましくは150℃であり、より好ましくは130℃であり、さらに好ましくは110℃である。重合温度が23℃未満の場合は、重合に長時間を要し、工業的な生産性が低下するおそれがある。重合温度が150℃を越える場合は、得られる発泡体の孔径が不均一となるおそれや、発泡体の強度が低下するおそれがある。なお、重合温度は、一定である必要はなく、例えば、重合中に2段階や多段階で変動させてもよい。
活性エネルギー線の照射によって重合する場合、活性エネルギー線としては、例えば、紫外線、可視光線、電子線などが挙げられる。活性エネルギー線としては、好ましくは、紫外線、可視光線であり、より好ましくは、波長が200nm〜800nmの可視〜紫外の光である。W/O型エマルションは光を散乱させる傾向が強いため、波長が200nm〜800nmの可視〜紫外の光を用いればW/O型エマルションに光を貫通させることができる。また、200nm〜800nmの波長で活性化できる光重合開始剤は入手しやすく、光源が入手しやすい。
活性エネルギー線の波長は、下限値として、好ましくは200nmであり、より好ましくは300nmであり、上限値として、好ましくは800nmであり、より好ましくは450nmである。
活性エネルギー線の照射に用いられる代表的な装置としては、例えば、紫外線照射を行うことができる紫外線ランプとして、波長300〜400nm領域にスペクトル分布を持つ装置が挙げられ、その例としては、ケミカルランプ、ブラックライト(東芝ライテック(株)製の商品名)、メタルハライドランプなどが挙げられる。
活性エネルギー線の照射を行う際の照度は、照射装置から被照射物までの距離や電圧の調節によって、任意の適切な照度に設定され得る。例えば、特開2003-13015号公報に開示された方法によって、各工程における紫外線照射をそれぞれ複数段階に分割して行い、それにより重合反応の効率を精密に調節することができる。
紫外線照射は、重合禁止作用のある酸素が及ぼす悪影響を防ぐために、例えば、熱可塑性樹脂フィルム等の基材の一面にW/O型エマルションを塗工して賦形した後に不活性ガス雰囲気下で行うことや、熱可塑性樹脂フィルム等の基材の一面にW/O型エマルションを塗工して賦形した後にシリコーン等の剥離剤をコートしたポリエチレンテレフタレート等の紫外線は通過するが酸素を遮断するフィルムを被覆させて行うことが好ましい。
熱可塑性樹脂フィルムとしては、一面にW/O型エマルションを塗工して賦形できるものであれば、任意の適切な熱可塑性樹脂フィルムを採用し得る。熱可塑性樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル、オレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのプラスチックフィルムやシートが挙げられる。また、該フィルムは、一方またはその両面に剥離処理されていてもよい。
不活性ガス雰囲気とは、光照射ゾーン中の酸素を不活性ガスにより置換した雰囲気をいう。したがって、不活性ガス雰囲気においては、できるだけ酸素が存在しないことが必要であり、酸素濃度で5000ppm以下であることが好ましい。
≪B−4.得られた含水重合体を脱水する工程(IV)≫
工程(IV)では、得られた含水重合体を脱水する。工程(III)で得られた含水重合体中には水相成分が分散状態で存在する。この水相成分を脱水により除去して乾燥することにより、発泡体が得られる。
工程(IV)における脱水方法としては、任意の適切な乾燥方法を採用し得る。このような乾燥方法としては、例えば、真空乾燥、凍結乾燥、圧搾乾燥、電子レンジ乾燥、熱オーブン内での乾燥、赤外線による乾燥、またはこれらの技術の組み合わせ、などが挙げられる。
≪C.仮固定材の製造方法2≫
本発明の仮固定材が基材を含む場合、本発明の仮固定材の好ましい製造方法としては、W/O型エマルションをシリコーン等の剥離剤をコートした紫外線透過性のフィルムの一面に塗布したものを2枚準備し、該2枚のうちの1枚のW/O型エマルション塗布シートの塗布面に基材を積層し、積層した該基材の他方の面に、もう1枚のW/O型エマルション塗布シートの塗布面を合わせるように積層した状態において、加熱または活性エネルギー線の照射を行うことによってW/O型エマルションを重合させて含水重合体とし、得られた含水重合体を脱水することで、発泡層/基材/発泡層の積層構造を有する仮固定材を得る方法が挙げられる。
基材が不織布等の通気性を有するシートの場合には、別の製造方法として、W/O型エマルションをシリコーン等の剥離剤をコートした紫外線透過性のフィルムの一面に塗布したものに張力をかけながら基材を積層し、積層した基材内に塗布したW/O型エマルションを含浸させ、染み出しによって基材上に形成されたW/O型エマルション層上に、別の剥離処理されたフィルムを積層した状態において、加熱または活性エネルギー線の照射を行うことによってW/O型エマルションを重合させて含水重合体とし、得られた含水重合体を脱水することで、発泡層/基材/発泡層の積層構造を有する仮固定材を得る方法が挙げられる。
W/O型エマルションを基材またはシリコーン等の剥離剤をコートした紫外線透過性のフィルムの一面に塗工する方法としては、例えば、ロールコーター、ダイコーター、ナイフコーターなどが挙げられる。
≪D.仮固定材の製造方法3≫
本発明の仮固定材が粘着剤層を含む場合、本発明の仮固定材の好ましい製造方法としては、上記製造方法1または2と同様にして得た発泡体または発泡体と基材との積層体の一方の面に粘着剤層を積層する方法が挙げられる。積層手段としては、特に制限されず、例えば、粘着剤、溶媒などを含む粘着剤組成物を発泡体または発泡体と基材との積層体に直接塗布および乾燥させることによって粘着剤層を積層することができる。あるいは、剥離フィルム上に粘着剤組成物を塗布および乾燥することによって粘着剤層を予め形成しておき、該粘着剤層を発泡体または積層体の片面に転写してもよい。粘着剤層が支持体を含む仮固定材は、例えば、上記と同様にして剥離フィルム上に形成した粘着剤層を支持体に転写することによって支持体の両面に粘着剤層を設け、これを発泡体または発泡体と基材との積層体の片面に貼り合わせることによって得られ得る。
≪E.仮固定材の用途≫
本発明の仮固定材は、代表的には、所望の物品を任意の適切な被着体表面に仮固定するために用いられる。本発明の仮固定材の具体的な適用例としては、例えば、広告、カレンダー、図画、メモ、写真、各種商品(例えば、携帯電話、携帯型ゲーム機等の携帯用電子機器)等を展示または掲示する際の仮固定材あるいは仮固定ボード;携帯電話などにカードやコイン、タッチペン、アクセサリーなどを仮固定する際の仮固定材;自動車のダッシュボード上にコインやメガネ、携帯電話、アクセサリーなどの小物を置く際の仮固定材あるいは仮固定ボード;車内の遮光シート;無線伝送充電機器上に積層し、充電対象を機器上に仮固定する仮固定材;半導体材料、カラーフィルターなどの加工保持材;回路基板、薄膜ガラスモジュール等のキャリアシート;吸盤、マグネットフック等の代替材;カツラ固定材;ブックスタンドやブックエンドなどの仮固定材;種々の物を貼着および剥離可能なボード状の教材または幼児用玩具;ボードゲーム用の駒またはボード;再封かん用書類入れ((登録商標)マジックテープ)や(登録商標)マジックファスナー等の代替材料;ゴミ取りローラー;が挙げられる。なお、被着体の表面は、本発明の仮固定材の粘着力が十分に発揮され得る程度に平滑であることが好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、常温とは23℃を意味する。
(分子量測定)
GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により重量平均分子量を求めた。
装置:東ソー(株)製「HLC−8020」
カラム:東ソー(株)製「TSKgel GMHHR−H(20)」
溶媒:テトラヒドロフラン
標準物質:ポリスチレン
(平均孔径の測定)
作製した発泡体シートをミクロトームカッターで厚み方向に切断したものを測定用試料とした。測定用試料の切断面を低真空走査型電子顕微鏡(日立製、S−3400N)で800倍〜5000倍にて撮影した。得られた画像を用いて任意範囲の球状気泡、貫通孔および表面開口部について大きいものから約30個迄の孔の長軸長さを測定し、その測定値の平均値を平均孔径とした。
(180°の折り曲げ試験)
作製した発泡体を縦方向(MD:Machine Direction)または横方向(TD:Transverse Direction)に対して100mm×100mmに切断し、測定用サンプルとした。測定用サンプルの端部から約50mmを折り曲げ点とし、長尺方向に180°曲げて端部を重ねた後、重ね合わせた端部側から折り曲げ点側に向かって1kgローラーで一往復した後の、折り曲げ点のクラックの発生状態を目視で確認した。サンプルはn=3で測定した。
(発泡体(または発泡体部分)の密度の測定)
得られた発泡体(または発泡体部分)を100mm×100mmの大きさに5枚切りだして試験片とし、重量を体積で除して見掛け密度を求めた。得られた見掛け密度の平均値を発泡体(または発泡体部分)の密度とした。
(気泡率の測定)
エマルションを製造する際の油相成分のみを重合し、得られた重合体シートを100mm×100mmの大きさに5枚切りだして試験片とし、重量を体積で除して見掛け密度を求めた。得られた見掛け密度の平均値を、発泡体(または発泡体部分)を構成する樹脂成分の密度とした。発泡体(または発泡体部分)の気泡率は、発泡体(または発泡体部分)の密度を上記樹脂成分の密度で除した相対密度を用いて、下記式のように算出した。
気泡率=(1−相対密度)×100
(常態せん断接着力の測定)
得られた発泡体等を20mm×20mmに切断し、発泡体等の両面にそれぞれBA板(SUS304)を貼り付けた。水平に置いたサンプルに2kgローラーを一往復させて圧着した。圧着後、常温で一晩放置し、常温下、サンプルが垂直になるようにテンシロンに固定し、引張速度50mm/分で引張り、その最中のせん断接着力を測定した。サンプルはn=2で測定し、その平均値を常態せん断接着力とした。
(180°ピール試験力の測定)
得られた発泡体等を25mm×100mmに切断し、一方のセパレータを剥がしてBA板(SUS304)に貼り付け、2kgローラーを一往復させて圧着した。圧着後、常温で30分間放置し、テンシロンを用いて引張速度50mm/分で180度方向に剥離して、その最中の剥離接着力を測定した。サンプルはn=2で測定し、その平均値を180°ピール試験力とした。なお、粘着剤層を有する仮固定材の180°ピール試験力は、発泡体側の表面をBA板に貼り付けて測定した。
(60℃保持力の測定)
得られた発泡体等を10mm×100mmに切断し、一方のセパレータを剥がしてベーク板に10mm×20mmの貼り付け面積になるように貼り付け、2kgローラーを一往復させて圧着した。圧着後、60℃の雰囲気下、サンプルが垂直になるようにベーク板を固定し、一方の発泡体に500gの荷重を掛けて、2時間放置した。放置後、2時間後のサンプル貼付位置のずれ量を測定した。なお、粘着剤層を有する仮固定材の60℃保持力は、発泡体側の表面をベーク板に貼り付けて測定した。
(50%圧縮歪回復率の測定)
本発明において仮固定材等の50%圧縮歪回復率(80℃雰囲気、50%圧縮永久歪)は以下に説明する方法で求められる。
図5は、50%圧縮歪回復率の測定方法を説明する図である。図5(イ)、(ロ)、(ハ)において1、2、3はそれぞれ仮固定材等、スペーサー、板を表している。仮固定材1は、厚さ約1mmのシートをサンプルとする。サンプルの厚さaを正確に測りとり、スペーサー2の厚みbがaの2分の1となるようにした。図5(イ)に示すように2枚の板3の間に、サンプルと、スペーサー2とを挟むように配置した。板3に垂直な圧力をかけて、図5(ロ)に示すように、サンプルの厚さがスペーサー2の厚さbと等しくなるまで圧縮した。この圧縮状態を維持したまま、80℃雰囲気下で、22時間保管した。22時間経過後、圧縮状態を維持したまま23℃に戻した。仮固定材1が23℃に戻ってから圧縮状態を解き、23℃で放置した。図5(ハ)は圧縮状態解放後の様子を示している。圧縮状態を解いてから30分後にサンプルの厚さcを測った。以下の計算式(1)により求められる値を、50%圧縮歪回復率(80℃雰囲気、50%圧縮永久歪)と定義した。
計算式(1):50%圧縮歪回復率(80℃雰囲気、50%圧縮永久歪)(%)=[(c−b)/(a−b)]×100
(125℃で22時間保存したときの寸法変化率)
得られた発泡体等の加熱寸法変化を、JIS−K−6767の高温時の寸法安定性評価に準拠して測定した。すなわち、得られた発泡体等を100mm×100mmの大きさに切りだして試験片とし、125℃のオーブンに22時間保存した後に、JIS−K−6767の高温時の寸法安定性評価に準拠して、該加熱保存処理の前後における寸法の変化率を求めた。
[製造例1]:混合シロップ1の調製
冷却管、温度計、および攪拌装置を備えた反応容器に、エチレン性不飽和モノマーとしてアクリル酸2−エチルヘキシル(東亜合成社製、以下「2EHA」と略す)からなるモノマー溶液173.2重量部と、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールとしてアデカ(登録商標)プルロニックL−62(分子量2500、ADEKA(株)製、ポリエーテルポリオール)100重量部と、ウレタン反応触媒としてジブチル錫ジラウレート(キシダ化学(株)製、以下「DBTL」と略す)0.014重量部とを投入し、攪拌しながら、水素化キシリレンジイソシアネート(武田薬品(株)製、タケネート600、以下「HXDI」と略す)12.4重量部を滴下し、65℃で4時間反応させた。なお、ポリイソシアネート成分とポリオール成分の使用量は、NCO/OH(当量比)=1.6であった。その後、2−ヒドロキシエチルアクリレート(キシダ化学(株)製、以下「HEA」と略す)5.6重量部を滴下し、65℃で2時間反応させ、両末端にアクリロイル基を有する親水性ポリウレタン系重合体/エチレン性不飽和モノマー混合シロップを得た。得られた両末端にアクリロイル基を有する親水性ポリウレタン系重合体の重量平均分子量は1.5万であった。得られた親水性ポリウレタン系重合体/エチレン性不飽和モノマー混合シロップ100重量部に対して2EHAを27.3重量部、n−ブチルアクリレート(東亜合成社製、以下「BA」と略す)51.8重量部、イソボルニルアクリレート(例えば、大阪有機化学工業(株)製、以下「IBXA」と略す)を17.6重量部、極性モノマーとしてアクリル酸(例えば、東亜合成社製、以下「AA」と略す)を10.5重量部加え、親水性ポリウレタン系重合体/エチレン性不飽和モノマー混合シロップ1とした。
[製造例2]:混合シロップ2の調製
冷却管、温度計、および攪拌装置を備えた反応容器に、エチレン性不飽和モノマーとして2EHAからなるモノマー溶液173.2重量部と、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールとしてアデカ(登録商標)プルロニックL−62(分子量2500、ADEKA(株)製、ポリエーテルポリオール)100重量部と、ウレタン反応触媒としてDBTLを0.014重量部とを投入し、攪拌しながら、HXDIを12.4重量部滴下し、65℃で4時間反応させた。なお、ポリイソシアネート成分とポリオール成分の使用量は、NCO/OH(当量比)=1.6であった。その後、HEAを5.6重量部滴下し、65℃で2時間反応させ、両末端にアクリロイル基を有する親水性ポリウレタン系重合体/エチレン性不飽和モノマー混合シロップを得た。得られた両末端にアクリロイル基を有する親水性ポリウレタン系重合体の重量平均分子量は1.5万であった。得られた親水性ポリウレタン系重合体/エチレン性不飽和モノマー混合シロップ100重量部に対して2EHAを95.8重量部、BAを92.5重量部、IBXAを31.3重量部、極性モノマーとしてAAを18.8重量部加え、親水性ポリウレタン系重合体/エチレン性不飽和モノマー混合シロップ2とした。
[製造例3]:混合シロップ3の調製
冷却管、温度計、および攪拌装置を備えた反応容器に、エチレン性不飽和モノマーとして2EHAからなるモノマー溶液173.2重量部と、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールとしてアデカ(登録商標)プルロニックL−62(分子量2500、ADEKA(株)製、ポリエーテルポリオール)100重量部と、ウレタン反応触媒としてDBTLを0.014重量部とを投入し、攪拌しながら、HXDIを12.4重量部滴下し、65℃で4時間反応させた。なお、ポリイソシアネート成分とポリオール成分の使用量は、NCO/OH(当量比)=1.6であった。その後、HEAを5.6重量部滴下し、65℃で2時間反応させ、両末端にアクリロイル基を有する親水性ポリウレタン系重合体/エチレン性不飽和モノマー混合シロップを得た。得られた両末端にアクリロイル基を有する親水性ポリウレタン系重合体の重量平均分子量は1.5万であった。得られた親水性ポリウレタン系重合体/エチレン性不飽和モノマー混合シロップ100重量部に対して2EHAを24.7重量部、BAを41.9重量部、極性モノマーとして4−ヒドロキシブチルアクリレート(東亜合成社製、以下、「4HBA」と略す)を8.5重量部加え、親水性ポリウレタン系重合体/エチレン性不飽和モノマー混合シロップ3とした。
[実施例1]
製造例1で得られた親水性ポリウレタン系重合体/エチレン性不飽和モノマー混合シロップ1の100重量部に、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(新中村化学工業社製、商品名「NKエステルA−HD−N」)(分子量226)11.9重量部、反応性オリゴマーとして、ポリテトラメチレングリコール(以下、「PTMG」と略す)とイソホロンジイソシアネート(以下、「IPDI」と略す)から合成されるポリウレタンの両末端がHEAで処理された、両末端にエチレン性不飽和基を有するウレタンアクリレート(以下、「UA」と略す)(分子量3720)を47.7重量部、光開始剤として、ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキサイド(BASF社製、商品名「ルシリンTPO」)0.48重量部、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバ・ジャパン社製、商品名「イルガノックス1010」)0.95重量部、光安定剤(例として、BASF社製、商品名;TINUVIN123)2重量部を均一混合し、連続油相成分(以下、「油相」と称する)とした。一方、上記油相100重量部に対して水相成分(以下、「水相」と称する)としてイオン交換水300重量部を常温下、上記油相を仕込んだ乳化機である攪拌混合機内に連続的に滴下供給し、安定なW/O型エマルションを調製した。なお、水相と油相の重量比は75/25であった。
調製から常温下で30分間静置保存したW/O型エマルションを、離型処理された厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「PETフィルム」と称する)上に、光照射後の発泡層の厚さが150μmとなるように塗布し、連続的にシート状に成形した。さらにその上に、延伸したポリエステル長繊維をタテヨコに整列させて積層させた厚さ50μmのポリエステル繊維積層布(JX日鉱日石ANCI社製、商品名「ミライフ(登録商標)TY0503FE」)を積層した。さらに、別途、調製から室温下で30分間静置保存したW/O型エマルションを、離型処理された厚さ38μmのPETフィルム上に、光照射後の発泡層の厚さが150μmとなるように塗布したものを用意し、塗布面を上記ポリエステル繊維積層布に被せた。このシートにブラックライト(15W/cm)を用いて光照度5mW/cm(ピーク感度最大波長350nmのトプコンUVR−T1で測定)の紫外線を照射し、厚さ310μmの高含水架橋重合体を得た。次に上面フィルムを剥離し、上記高含水架橋重合体を130℃にて10分間に亘って加熱することによって、厚さ約0.3mmの仮固定シート(1)を得た。
得られた仮固定シート(1)の各評価結果を表1に示した。
なお、仮固定シート(1)は、180°の折り曲げ試験でクラックが発生しなかった。
また、作製した仮固定シートを斜めから撮影した表面/断面SEM写真の写真図を図4に示した。
A3サイズの紙製のカレンダーの4隅を、3cm×3cmの寸法に裁断した上記仮固定シート(1)を介して窓ガラスに押しつけたところ、該カレンダーを固定することができた。また、カレンダーは仮固定シート(1)から容易に剥離することができ、仮固定シート(1)も窓ガラスから容易に剥離することができた。この作業を20回繰り返しても、粘着性の低下およびシートの破断は見られなかった。
[実施例2]
製造例2で得られた親水性ポリウレタン系重合体/エチレン性不飽和モノマー混合シロップ2の100重量部に、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(新中村化学工業社製、商品名「NKエステルA−HD−N」)(分子量226)10.0重量部、反応性オリゴマーとして、UA(分子量3720)を47.7重量部、光開始剤として、ルシリンTPOを0.49重量部、ヒンダードフェノール系酸化防止剤としてイルガノックス1010を0.99重量部、光安定剤として、TINUVIN123を2.05重量部、均一混合し、連続油相成分(以下、「油相」と称する)とした。一方、上記油相100重量部に対して水相成分(以下、「水相」と称する)としてイオン交換水186重量部を常温下、上記油相を仕込んだ乳化機である攪拌混合機内に連続的に滴下供給し、安定なW/O型エマルションを調製した。なお、水相と油相の重量比は65/35であった。
次に、実施例1と同様の操作により、厚さ約0.3mmの仮固定シート(2)を得た。
得られた仮固定シート(2)の各評価結果を表1に示した。
なお、仮固定シート(2)は、180°の折り曲げ試験でクラックが発生しなかった。
アクリル板(三菱レイヨン(株)製 アクリライト板;200mm×300mm×2mm)の4隅を、1cm×1cmの寸法に裁断した上記仮固定シート(2)を介して金属製のドアに押しつけたところ、該アクリル板を固定することができた。また、アクリル板は仮固定シート(2)から容易に剥離することができ、仮固定シート(2)もドアから容易に剥離することができた。この作業を20回繰り返しても、粘着性の低下およびシートの破断は見られなかった。
[実施例3]
製造例3で得られた親水性ポリウレタン系重合体/エチレン性不飽和モノマー混合シロップ3の100重量部に、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(新中村化学工業社製、商品名「NKエステルA−HD−N」)(分子量226)20重量部、反応性オリゴマーとして、UA(分子量3720)を47.7重量部、光開始剤として、ルシリンTPOを0.49重量部、ヒンダードフェノール系酸化防止剤としてイルガノックス1010を0.99重量部、光安定剤として、TINUVIN123を2.05重量部、均一混合し、連続油相成分(以下、「油相」と称する)とした。一方、上記油相100重量部に対して水相成分(以下、「水相」と称する)としてイオン交換水567重量部を常温下、上記油相を仕込んだ乳化機である攪拌混合機内に連続的に滴下供給し、安定なW/O型エマルションを調製した。なお、水相と油相の重量比は85/15であった。
次に、実施例1と同様の操作により、厚さ約0.4mmの仮固定シート(3)を得た。
得られた仮固定シート(3)の各評価結果を表1に示した。
なお、仮固定シート(3)は、180°の折り曲げ試験でクラックが発生しなかった。
SUS304板(100mm×49mm×5mm;180g)を、同じ寸法に裁断した上記仮固定シート(3)を介して樹脂製の展示ボードに押しつけたところ、該SUS板を固定することができた。また、SUS板は仮固定シート(3)から容易に剥離することができ、仮固定シート(3)も展示ボードから容易に剥離することができた。この作業を20回繰り返しても、粘着性の低下およびシートの破断は見られなかった。
[実施例4]
実施例1で得られた安定なW/O型エマルションを、離型処理された厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「PETフィルム」と称する)上に、光照射後の発泡層の厚さが300μmとなるように塗布し、その上に、離型処理された厚さ38μmのPETフィルムを被せた。このシートにケミカルランプ(15W/cm)を用いて光照度5mW/cm(ピーク感度最大波長350nmのトプコンUVR−T1で測定)の紫外線を照射し、厚さ300μmの高含水架橋重合体を得た。次に上面フィルムを剥離し、上記高含水架橋重合体を130℃にて10分間に亘って加熱することによって、厚さ約0.3mmの発泡体を得た。次に、得られた発泡体の片面に、粘着剤層として[粘着剤層/支持体(PETフィルム)/粘着剤層]の構成を有する両面テープ(日東電工社製、商品名「No.5603」)を積層し、仮固定シート(4)を得た。仮固定シート(4)は、180°の折り曲げ試験でクラックが発生しなかった。
得られた仮固定シート(4)の各評価結果を表2に示した。なお、90°ピール試験力の測定方法は以下の通りである。
(90°ピール試験力の測定)
110mmm×80mm×5mmのSUS304板の片面上に、粘着剤層面がSUS304板と接するように仮固定シート(4)を貼付および固定した。50mm×150mmの寸法に裁断した厚さ50μmのPETフィルム(商品名「ルミラーS10#50」)を2kgローラーで仮固定シート(4)の発泡体面に片道圧着し、室温下で30分間静置保存した。その後、テンシロンを用いて引張速度300mm/分で90度方向に剥離して、その最中の剥離接着力を測定した。サンプルはn=3で測定し、その平均値を90°ピール試験力とした。
本発明の仮固定材は、広告、カレンダー、図画、メモ、写真、各種商品(例えば、携帯電話、携帯型ゲーム機等の携帯用電子機器)等を展示または掲示する際の仮固定材あるいは仮固定ボード;携帯電話などにカードや、コイン、タッチペン、アクセサリーなどを仮固定する際の仮固定材;自動車のダッシュボード上にコインやメガネ、携帯電話、アクセサリーなどの小物を置く際の仮固定材あるいは仮固定ボード;車内の遮光シート;無線伝送充電機器上に積層し、充電対象を機器上に仮固定する仮固定材;半導体材料、カラーフィルターなどの加工保持材;回路基板、薄膜ガラスモジュール等のキャリアシート;吸盤、マグネットフック等の代替材;カツラ固定材;ブックスタンドやブックエンドなどの仮固定材;種々の物を貼着および剥離可能なボード状の教材または幼児用玩具;ボードゲーム用の駒またはボード;再封かん用書類入れ((登録商標)マジックテープ)や(登録商標)マジックファスナー等の代替材料;ゴミ取りローラー;等に好適に適用され得る。
100 仮固定材
10 発泡体
20 基材
30 剥離フィルム
40 粘着剤層
41 支持体

Claims (7)

  1. 隣接する球状気泡間に貫通孔を有する連続気泡構造を有する発泡体を含む仮固定材であって、
    該球状気泡の平均孔径が20μm未満であり、
    該貫通孔の平均孔径が5μm以下であり、
    表面に平均孔径が20μm以下の表面開口部を有し、
    常態せん断接着力が1N/cm以上である、
    仮固定材。
  2. 180°ピール試験力が1N/25mm以下である、請求項1に記載の仮固定材。
  3. 60℃保持力が0.5mm以下である、請求項1または2に記載の仮固定材。
  4. 50%圧縮状態において80℃で22時間保存した後に23℃まで冷却し、その後、該圧縮状態を解いて30分経過した時の、50%圧縮歪回復率が70%以上である、請求項1から3までのいずれかに記載の仮固定材。
  5. 125℃で22時間保存したときの寸法変化率が±5%未満である、請求項1から4までのいずれかに記載の仮固定材。
  6. 前記発泡体の密度が0.15g/cm〜0.6g/cmである、請求項1から5までのいずれかに記載の仮固定材。
  7. 前記発泡体の気泡率が30%以上である、請求項1から6までのいずれかに記載の仮固定材。
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