JP2013143562A - 電波伝搬環境制御用構造体の構成方法 - Google Patents

電波伝搬環境制御用構造体の構成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】今後益々複雑化することが予想されている電波伝搬環境を、より自在にかつ積極的に制御し、電波伝搬環境の秩序を与える電波伝搬環境制御用構造体の構成方法を提供する。
【解決手段】電磁界感応機能体5の有する電波反射および電波吸収量に対する自由度の高い電気的制御性への着眼と、プロトタイプでは、30cm四方の一基板当たり144本あったアクティブ素子への給電線を、基板左右からの僅か2本の給電線で解決している特徴に着目し、屋内外の種々の電波伝搬環境を制御できる電波伝搬環境制御用構造体1を構成する。
【選択図】図1

Description

発明の詳細な説明
本発明は、新しい電磁波材料である電磁界感応機能体の有する電波反射および電波吸収量、周波数の電気的制御性に着目した電波伝搬環境制御用構造体の構成方法に関する。
従来、室内、外の電波伝搬路を制御するために、導体による平面状反射体や回折体、電波の波長に対して比較的大きい球面や凹凸導体面からなる電波散乱体などを電波伝搬路に介在設置する方法などがあった。また、電波吸収体を用いて反射構造の構造体からの不要な電波反射を抑制、吸収したりする手段が用いられてきた。また、アンテナ分野では、電波放射特性を変更するために誘電体の屈折率を利用した電波屈折体を開口面に取りつたものや電波レンズなどを用いる手段や、最近ではアクティブ素子による位相、振幅を制御し、増幅器を用いて放射特性を変更する手段が講じられてきた。また、初期の典型的な電波伝搬路を制御する手段として、単一の導体反射板を用いた無給電中継が考案され実用化されてきた。
これに対して、本発明は、室内、外における電波伝搬環境をより自在に制御する手段を得るために、電気的に制御できる公知の電磁界感応機能体(特許第4581105、特許第4542827、特許第4761246)を精査し、次の特徴に着目したものである。まず、第1に、公知の電磁界感応機能体は、電波反射および電波吸収量、周波数変更の点で自由度の高い電気的制御性を有している。また、第2に公知の電磁界感応機能体は、30cm四方の一基板当たり当初144本あったアクティブ素子への給電線を基板左右からの僅か2本の給電線で解決しているため、面的な大きな広がりを必要とする電波伝搬環境制御用構造体であっても配線が極めて簡素化されシステム化が可能となる。本発明は、これら電磁界感応機能体の特徴を精査した上で、屋内外の種々の電波伝搬環境を制御し、実現できるような電波伝搬環境制御用構造体の具体的な構成方法を発案したものである。したがって本発明は、従来の電波吸収体などを使用する構造体とは、全く異なる構成概念、構成方法から成り立っている。
近年無線通信技術の急速かつ多様な発展の中で、電波利用周波数帯域が逼迫し、この問題解決の手段として、種々の対策が急がれている。無線通信方式の面では、いわゆるMIMO(Multiple Input Multiple Output)やコグニティブ無線(Cognitive radio)通信方式等が提案され、時間的に空いている周波数を利用する時間適応型や通信路の空間制御をする、いわゆる空間適応型通信などが研究されている。本発明は、今後益々複雑化してくる電波伝搬環境をより自在にかつ積極的に制御し、電波伝搬環境の秩序を維持するための電波伝搬環境制御用構造体の構成方法の発明に関する。
本発明は、電波伝搬路制御の問題に、公知の電磁界感応機能体の有する電波反射および電波吸収量、周波数変更などの電気的制御性の手段の他、電磁界感応機能体が少ない給電線数から構成されているという特徴を有力な手段として、しばしば大きな面的な広がりを必要とする室内、外における電波伝搬環境制御用構造体のシステム化を可能にしたものである。これらの手段を用いて種々の電波伝搬環境を模擬的に実現し、また実際に制御できる電波伝搬環境制御用構造体を実現している。より具体的には、同時に多周波数が混在する電波伝搬路空間に対する制御手段や、複雑化した近年の無線通信環境に即したより現実的な供試機器測定空間を提供するための電波伝搬環境制御用構造体の構成方法に関する発明である。
以下、請求項別に解決するための課題、解決手段について具体的に記す。
請求項1は、室内、外における電波伝搬環境をより自在に制御する手段を得るために、電磁波用途の材料である電磁界感応機能体の有する電波反射と吸収量および周波数の制御性と少ない給電線数を特徴とする構成形態を活用して、種々の電波伝搬環境を制御、実現できるように構成配置したことを特徴とするシステム化された電波伝搬環境制御用構造体の構成方法に関する。電磁界感応機能体とは、アクティブ素子で構成した電波を吸収したり、反射したり、中程度な反射量へ調節できたり、電波吸収周波数を電気的に変更できるなどの機能を備えた電磁波材料である。また、この機能体を一定の周波数で電気的にON,OFFさせておき、これに向かって無変調の電波を放射すれば、振幅変調(位相変調も可能)された反射波が必要な方向だけで受信でき、無変調波は周波数が共用できるため電波の有効利用に寄与する通信が可能となるなど、多機能を有していることから、このように命名されている。
従来の電波吸収体では、整合中心周波数おいては、所定の要求電波吸収量が得られるが、整合周波数から外れた周波数領域でも、数dB〜10dB程度の残留電波吸収領域が存在し、スペクトル的に狭い帯域だけに限定した電波吸収が困難であった。これに対して電磁界感応機能体は、スペクトル的に狭い帯域だけの電波吸収や、ほぼ0dbの完全反射状態も実現できる。また、電波吸収周波数(整合周波数とも呼ばれる)も電気的に変更できる。したがって、電磁界感応機能体は、従来の電波吸収体とは全く異なった構造体であり、この機能性を応用して近年多数の周波数が混在利用されることによって問題視されている電波干渉の問題、混信の問題など、室内、外における電波伝搬環境を制御することが可能となる。また自在に制御する手段とは、単に電気的に電磁界感応機能体で電波吸収特性を制御することの他に、マイクロチップ構成のコンピュータ、センサ、その他の測定機能などを電磁界感応機能体と一体化して、必要に応じて同一基板上に構成した電磁界感応機能体を用いる自律制御型メタマテリアル(文献:1.Proc.EMC’04 Sendai,Vol.1,pp.301−304,May,2004、“A New EM−wave Absorber using Functional Electromagnetic Cell Material,”およびこの講演使用パワーポイント、2.IEEE EMC Trans.,Vol.52,No.3,pp.556−565,Aug.2010.“Novel Right−handed Metamaterial Based on the Concept of“Autonomous Control System of Living Cells and Its Absorber Applications”、3.電子上通信学会会誌小特集、平成22年6月号、pp。435−439)の考え方を状況に応じて適用することを含むことを意味している。
以上のように請求項1は、構造体を具体的に構成する基本的な方法を述べたものである。
請求項2は、請求項1記載の構造体として、開口面を有するパラボラアンテナなどの主反射鏡や副反射鏡に電磁界感応機能体を装荷して、電波を吸収したり反射したり、中程度に反射させたりできる電磁界感応機能体の機能、ならびに配線の簡素化を達成してある該電磁界感応機能体を活用して、アンテナからの放射電波の指向性や電界強度の状態を制御する手段に基づく電波伝搬環境制御用構造体を提供する発明である。なお、電気的に制御できるメタマテリアルを用いて電波を選択受信して電磁波透過構造体を構成する方法は、既に公知である(特願2009−126979)。従来の開口面を有するパラボラアンテナなどでは、一旦設計寸法が決まってしまえば、放射ビーム幅を変更できなかった。この結果、利用周波数も単一化され他の周波数では、同等の特性が維持できぬという問題があった。
本発明は、第1の課題として、開口面の面積に関連して、この種の開口面型アンテナの放射指向性が制御できるという原理に着眼したもので、例えば、パラボラアンテナの主反射鏡面(3)を通常のパラボラアンテナ仕様よりあらかじめ大きく設計しておき、主反射鏡面(3)の外周部に装荷した電磁界感応機能体(6)を電波吸収状態に制御し、この外周部内側電磁界感応機能体(7)だけを反射状態にすれば、開口面が実質的に狭くなり、ブロードな放射波(8)、つまり幅広い放射波が放射される。また、開口面全体を反射状態にすれば、狭ビーム状の電波放射(9)が放射できる。また、逆に、この場合、送、受双方のパラボラアンテナの主反射鏡面上に装荷した電磁界感応機能体(5)を電気的に制御して、反射面を常に一定のビーム幅が放射できるように制御する手段で、送信アンテナからの周波数が変更されても常に一定のビーム幅の電波を受信でき、電磁環境を普遍性的に維持するという問題が解決できる。これらの手段によって、送受信間の周波数が変更されても従来法では困難であったアンテナ送受信間の電波伝搬環境を制御するという課題を解決している。つまり、この構成方法では、同一アンテナだけを使用して放射特性を制御し、種々の周波数に適応できるアンテナとしての電波伝搬環境制御用構造体の構成が可能となる。
また、第2の課題として、MIMOやヤコグニティブ無線に有効な送信電力の強、弱を制御する課題もアンプを使わず自律的に制御可能となる。例えば、パラボラ型アンテナの主反射鏡(3)や副反射鏡(4)に電磁界感応機能体を装荷して、電波を吸収したり反射したり、中程度に反射させたり出来る電磁界感応機能体の機能を活用した電波伝搬環境制御用構造体の構成によって、送信電力の強、弱も制御でき電波伝搬環境を最適化できることから、MIMOやコグニティブ無線通信環境における干渉や混信などの問題を解決する有効な手段となる。
また、第3の課題として、アンテナとして反射板つきダイポールアンテナ(通称スーパーゲインアンテナと呼ばれている)を用い、このアンテナの端部を所定の角度を持たせてた電磁界感応機能体(5)で構成し、これを伝搬路に介在させるように設置し、反射板に装荷した電磁界感応機能体(5)を、電波を吸収したり反射したり、中程度に反射するように制御するという手段で、MIMO通信環境に適した中継器の機能を付与した電波伝搬環境制御用構造体の構築の問題を解決している。この場合、アンテナを除き、電磁界感応機能を装荷した反射板だけを用いる手段で、電波伝搬路をON,OFFの状態に制御できる電波伝搬環境制御用構造体が構築でき、一種の空間フィルターを構成できMIMO無線通信環境における空間適応型通信に有効な手段となる。
これらは、従来の、アクティブ素子そのものを放射体としたアンテナによる放射ビーム制御法とは根本的に異なり、電磁界感応機能体の反射、吸収の電気的な制御性を用いることによってはじめて可能となる発明である。なお、以上は開口面型のアンテナを例示しが、本発明はこれに限らず他のアンテナ一般にも適用できることは勿論である。以上の実施説明例おいて、結果的にはアンテナからの放射または受信電力を制御しているが、増幅器を使わず電磁界感応機能体の反射制御要素を利用する手段でこの問題を解決している点は、従来のアクティブ素子型アンテナと異なり、施設経費削減や電力消費の節減に寄与するという特徴がある。
請求項3は、請求項1記載の電波伝搬環境を制御するための電波伝搬環境制御用構造体として、イミュニティ測定等に使用される測定空間内に、電磁界感応機能体(5)の有する電波反射量および電波吸収量の電気的制御性を応用して、供試機器(18)への反射波の到来方向や照射電磁界強度を調節できるよう構成し、複雑な電磁環境を模擬できるように構成したことを特徴とする請求項3の電波伝搬環境制御用構造体の構成方法に関する。従来、電子・通信機器のイミュニティ試験を実施する場合、金属壁空間からなるTEMセルや反射箱(14)などが利用されている。しかし、これらは反射波の到来方向や強度が制御できないものであり、複雑化する電波伝搬、通信環境下で現実に即したデータが得られないという問題があった。
この問題解決のために、例えば、金属導体製の反射箱内(14)やTEMセル内に、請求項1の構成概念に従って電磁界感応機能体(5)を装着し、これを電気的に制御して、電波を吸収したり、反射できるようにしたりする手段に加え、電磁界感応機能体の有する給電線数を簡素化した特徴を生かし、広い面構成を確保して、従来実現できなかった反射箱内(14)やTEMセル内等の電磁環境制御の課題を解決している。すなわち、これらの手段で供試機器(18)への反射波の到来方向や電磁界強度を調節できる電波伝搬環境制御用構造体を構成している。また、電波暗室内において、共試機器などの測定可能となる所定の規格値を満たす電波反射が低減された理想に近い空間領域(クワイエットゾーン)は、電波暗室寸法に比べ、通常、狭く利用しにくいという問題がある。前記と同様、請求項1と3による電波伝搬環境制御用構造体を電波暗室内に構成する手段によって、この電波暗室内の問題も解決できる。
以下本発明の実施例について記す。
図1は、請求項1と2に関する電波伝搬環境制御用構造体(1)に関する一実施例で、電波伝搬環境を制御するためにパラボラアンテナ(2)の主反射鏡面(3)または副反射鏡(4)に、電磁界感応機能体(5)を複数個分布させて装荷し、主反射鏡面(3)の実効的な反射面を縮小したり、拡大したりして、放射ビーム幅を変更できるようにした電波伝搬環境制御用構造体(1)の実施例で、この手段で電波伝搬環境の制御を可能にしている。すなわち、開口面の面積に関連してこの種の開口面型アンテナの放射指向性が制御できるという原理と電磁界感応機能体(5)が本来備えている電波反射、吸収領域の面的分布状態を電気的に切り替え可能な制御性に着眼したもので、例えば、主反射鏡面(2)を通常のパラボラアンテナ仕様よりあらかじめ大きく設計しておき、同図中の主反射鏡面(2)薄い灰色部で示した外周部に装荷した電磁界感応機能体(6)を電波吸収状態に制御し、濃い灰色部で示した外周部内側電磁界感応機能体(7)だけを反射状態にすれば、開口面が実質的に狭くなり、ブロードな放射波(8)、つまり幅広い放射波が放射される。また、開口面全体を反射状態にすれば、狭ビーム状の電波放射(9)ができる。これによって、同一アンテナだけで、電波利用状況が逼迫している地域では、要求される方角に限定して狭ビーム状の電波放射(9)が可能となり、他の電波との混信を防ぐことなどの応用に適用できる。他方、比較的電波利用が少ない地域では、同一アンテナを用いてブロード放射波(8)を放射する手段で電波を有効利用でき、電波伝搬環境をよりきめ細かくしかも自在に制御することが出来る。
この構成原理によれば、一つのアンテナで実効的に開口面を制御できるのであるから、上記ビーム幅の制御は勿論、従来、適用する周波数ごとに開口面寸法の変更、つまりアンテナを交換する必要があったが、本発明の電波伝搬環境制御用構造体(1)によれば、同一の放射特性を維持したまま、同一アンテナからの放射が可能となりMIMOなどの通信環境で有効となる。
以上の実施説明例おいて、結果的にはアンテナからの放射または受信電力を制御しているが、電磁界感応機能体の反射制御要素を利用する手段でこの問題を解決している点は、従来の増幅器を必要とするアクティブ素子型アンテナと異なり、施設経費削減や電力消費の節減に寄与するという特徴がある。
図2は、請求項1と2に関する別の電波伝搬環境制御用構造体の実施例で、電波伝搬環境を制御するために、パラボラアンテナの反射鏡面に電磁界感応機能体を装荷して、時々刻々と変動する不要周波数の放射波に自律的に対応し、不要な電波エネルギーを吸収し排除することで電波伝搬環境を効率よく制御できるアンテナ間における送受信を目的とした電波伝搬環境制御用構造体の実施例である。同図2では、送信用パラボラアンテナ(10)、受信用パラボラアンテナ(11)からなる電波伝搬路を図示したものである。送信パラボラアンテナ(10)から受信パラボラアンテナ(11)に向けて放射された本来送信すべき図中に描いた符合f0の周波数の電波のみを送、受信パラボラアンテナ双方の主反射鏡面(3)または副反射鏡(4)で反射させて、通常の送、受信を実行し、外部から到来する他の信号源からの時々刻々と変動する周波数を持つ不要な到来波f1,f2,―――などは、主反射鏡面(3)または副反射鏡(4)に装荷した電磁界感応機能体(5)で自律的にセンシング処理して主反射鏡面(3)または副反射鏡(4)に装荷した自律制御型電磁界感応機能体(12)で吸収させて、受信できないようにして混信を排除する構成の電波伝搬環境制御用構造体の一実施例である。なお、自律的な制御とは、前記のように、マイクロチップ構成のコンピュータ、センサ、その他の測定機能などを電磁界感応機能体と一体化して基板上や材料中に組み込む手段で構成した電磁界感応機能体のことである。勿論、これら独立している機能の機器を実施現場で組み合わせて使用することも可能である。
なお、従来、電波吸収体をパラボラ背面に取り付け、アンテナの前後比を改善する方法はすでに公知である。これは、単一周波数だけでパラボラアンテナの前後比を改善することが目的であった。
図3は、請求項1と2に関する別の電波伝搬環境制御用構造体の一実施例である。従来、一対の送、受信用アンテナ間の通信路の途中に構造体として導体板を介在させる無給電中継器と呼ばれる中継方式が考えられてきた(例えば、アンテナ工学ハンドブックp.638,電子情報通信学会編)。この無給中継器方式は、送受信アンテナ間に導体板を設置してこの反射波を所定の角度方向で受信するもや回折波を利用するものであった。図4の実施例は、電波を吸収したり、反射したり、中程度に反射したりできる電磁界感応機能体(5)の性質を用いた多面体構成の一種の空間フィルターを企図した電波伝搬環境制御用構造体である。到来電波波長に比べて比較的大きい多面体形状で構造体を構成している。この例では、3枚の多面体例であるが、真ん中は、反射板つきダイポールアンテナから成るスーパーゲインアンテナで構成されている。多面体端部側に電磁界感応機能構造体(12)を左右それぞれ反射状態に設定し、中央部の電磁界感応機能構造体(13)は、電波吸収状態に設定しておけば、到来電波を左右の方向に反射させて再放射して送信できるが、到来波方向には反射しない状態が実現できる。また、多面体端部側の電磁界感応機能構造体(12)の左右いずれか一方を電波吸収状態に保てば、この吸収状態にある構造体面に対して垂直方向には電波放射が遮断される。これによって状況に応じた的確な電波伝搬の空間制御が可能となり、MIMOにおける空間適応型通信が可能となる。勿論、多面多のみで構成する必要はなく曲面構造でもよい。
図4は、請求項1および3に関する別の電波伝搬環境制御用構造体の一実施例で、通常、電磁波によるイミュニティ測定などでは、反射箱または反射室などと呼ばれているものが使われている。ここではこれらを反射箱と呼ぶ。この反射箱(14)を電波伝搬環境制御用構造体として構成した一実施例である。通常従来の反射箱(14)では、外壁面(15)が導体板で構成されている。この反射箱(14)の内壁面(16)に電波吸収、反射が自在に制御できる機能を有するユニット化されている電磁界感応機能体(5)が複数個一面に装荷されている。本実施例では、この反射箱内には、ターンテイブル(17)上にイミュニティ試験などを実施する共試機器(18)が置かれており、試験電波放射用のアンテナ(19)が天井部から吊り下げられている。この状況下で、電磁界感応機能体(5)の電波吸収量を調節して、ある部分の電磁界感応機能体(5)の電波吸収量を0dB.,つまり反射状態にしておけば、その部分からの反射波は強く再放射され、またある部分の電波吸収量を所定の大きな吸収量に設定しておけば、その領域からの反射量は吸収され殆ど反射が無いヌル状況が実現できる。すなわち、例えば、同図中のあらかじめ区分されている長方形状で表した各ユニットから成る電磁界感応機能体(5)の各領域を反射、中程度反射、完全反射などの状態に設定することで、複雑な電波環境を擬似的に実現でき、従来型の金属導体から成る反射箱と比べ、より現実に近い種々の伝搬環境を実現できる電波伝搬環境制御用構造体が構築できる。
図5は、請求項1および3に関する別の電波伝搬環境制御用構造体の一実施例で、オープンサイト(20)上にユニット化された電磁界感応機能体(5)を大地に対して角度をつけて配置し、上部から試験電波放射用のアンテナ(19)を吊り下げて、共試機器のイミュニティ測定ができる電波伝搬環境制御用構造体を構成した実施例である。
試験電波放射用のアンテナ(19)から放射された電波は、各ユニット化された電磁界感応機能体(5)を所定の電波環境を模擬して反射、中程度反射、吸収状態などに調節、切り替えをすることによって、強い到来波、弱い到来波、ヌル状態など種々の到来方向の違いによる電波照射環境を共試機器(18)に対して模擬できMIOMO通信環境などシミュレーションにも有効となる。
また、本電波伝搬環境制御用構造体の構成方法は、電波暗室内の反射電波分布の微調節など電波制御に適用できることは勿論である。電波暗室内に関しては、共試機器の測定時に規格に沿った測定可能となるクワイエットゾーンが指定されるが、一般にこのクワイエットゾーンは電波暗室寸法に比べ、通常狭く利用しにくいという問題がある。請求項3に関する本実施例は、このような課題の解決にも適用できる。
以上の実施例から明らかなように、本発明は、近年の急速な通信の発展、多様な通信需要の中で生じている電波利用周波数帯域の逼迫の問題、相互機器の干渉、混信等の問題解決に寄与することを目的とし、電磁界感応機能体をシステム化して構成した電波伝搬環境制御用構造体の構成方法に関する発明であって、次のような産業上の利用可能性がある。
開口面を有するパラボラアンテナなどの主反射鏡や副反射鏡に電磁界感応機能体を装荷して構成したアンテナの構造体では、単一アンテナでアンテナを用いて、異なった電波放射がほぼ同一の放射特性を維持して実現でき、また放射ビーム幅を比較的簡単に制御できることなどが利用でき、電波伝搬環境を自在に制御できる要素を備え、MIMOやコグニティブ通信などの問題点の解決に利用できる。
湾曲面型の電波伝搬環境制御用構造体では、状況に応じた的確な電波伝搬の空間制御が可能となり、MIMOにおける空間適応型通信を改善できるという利用効果がある。
また反射箱やTEMセルを電波伝搬環境制御用構造体概念で構成すれば従来型の金属導体から成る反射箱やTEMセルでは実現できなかった現実の複雑な電波環境に即した電磁環境を擬似的に実現できるようになり、新世代の通信技術開発に寄与できるという点で産業上の利用効果は大きい。
放射ビーム幅を変更できるようにした電波伝搬環境制御用構造体。
不要な到来波を排除するための電波伝搬環境制御用構造体。
電波伝搬路の空間制御を可能にした電波伝搬環境制御用構造体。
反射箱内で様々な電波環境を実現できるように構成した電波伝搬環境制御用構造体。
オープンサイト上で様々な電波環境を実現できる電波伝搬環境制御用構造体。
1――電波伝搬環境制御用構造体、
2――パラボラアンテナ、
3――主反射鏡
4――副反射鏡、
5――電磁界感応機能体、
6――外周部に装荷した電磁界感応機能体、
7――外周部内側電磁界感応機能体、
8――ブロードな放射波、
9――狭ビーム状の電波放射、
10――送信用パラボラアンテナ、
11――受信用パラボラアンテナ、
12――多面体端部側の電磁界感応機能構造体、
13――中央部の電磁界感応機能構造体、
14――反射箱、
15――外壁面、
16――内壁面、
17――ターンテイブル、
18――共試機器、
19――試験電波放射用のアンテナ、
20――オープンサイト。

Claims (3)

  1. 室内、外における電波伝搬環境をより自在に制御し、実現する手段を得るために、電磁波用途の材料である電磁界感応機能体の有する電波反射と吸収量および周波数の制御性と少ない給電線数を特徴とする構成形態を活用して、種々の電波伝搬環境を制御し、実現できるように構成配置し、システム化したことを特徴とする電波伝搬環境制御用構造体の構成方法。
  2. 請求項1記載の電波伝搬環境を制御するための電波伝搬環境制御用構造体として、アンテナの開口面上に電磁界感応機能体を装荷して、電磁界感応機能体の有する電波反射および電波吸収量および周波数の自律制御性を用いて、同一アンテナで放射特性を制御し、種々の周波数、電波伝搬環境に適応できるように構成した請求項1記載の電波伝搬環境制御用構造体の構成方法。
  3. 請求項1記載の電波伝搬環境を制御し、実現するための電波伝搬環境制御用構造体として、イミュニティ測定等に使用される測定空間内に、電磁界感応機能体の有する電波反射量および電波吸収量の電気的自律制御性を用いて、供試機器への反射波の到来方向や照射電磁界強度、周波数を調節できるよう構成し、複雑な電磁環境を模擬できるように構成したことを特徴とする請求項1記載の電波伝搬環境制御用構造体の構成方法。
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