JP2013142325A - ベーン型圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】ベーン先端とシリンダ内周面が流体潤滑で摺動でき、焼付きや摩耗の発生を抑制するベーン型圧縮機を提供する。
【解決手段】ベーン9、10のシリンダ1の内周面1bに近接する先端部9a、10aの曲率半径(Rv)と、シリンダ1の内周面1bの曲率半径(Rc)との比である曲率比k(Rv/Rc)が「0.990≦k≦1」であって、「S=η・(N/P)・(Rc/Cr)2 」によって決まるゾンマーフェルト数(S)が「0.24≦S≦2000」である。ここで、η:油の粘性係数、N:ベーンの回転数、P:ベーン先端部に作用する押付面圧、Cr:ベーンの先端部とシリンダの内周面との間隙(Cr=Rc−Rv)である。
【選択図】図2
【解決手段】ベーン9、10のシリンダ1の内周面1bに近接する先端部9a、10aの曲率半径(Rv)と、シリンダ1の内周面1bの曲率半径(Rc)との比である曲率比k(Rv/Rc)が「0.990≦k≦1」であって、「S=η・(N/P)・(Rc/Cr)2 」によって決まるゾンマーフェルト数(S)が「0.24≦S≦2000」である。ここで、η:油の粘性係数、N:ベーンの回転数、P:ベーン先端部に作用する押付面圧、Cr:ベーンの先端部とシリンダの内周面との間隙(Cr=Rc−Rv)である。
【選択図】図2
Description
この発明は、ベーン型圧縮機に関する。
従来、ロータシャフト(シリンダ内で回転運動する円柱形のロータ部と、ロータ部に回転力を伝達するシャフトとが一体化されたものをロータシャフトという)のロータ部内に一箇所または複数箇所形成されたベーン溝内にベーンが嵌入され、そのベーンの先端がシリンダ内周面と当接しながら摺動する構成の一般的なベーン型圧縮機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、ロータシャフトの内側を中空に構成しその中にベーンの固定軸を配し、ベーンはその固定軸に回転可能に取り付けられ、更に、ロータ部の外周部付近に半円棒形状の一対の挟持部材(ブッシュ)を介してベーンがロータ部に対して回転自在に保持されているベーン型圧縮機が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献1に記載された従来の一般的なベーン型圧縮機は、ベーンの方向がロータシャフトのロータ部内に形成されたベーン溝により規制され、ベーンはロータ部に対して常に同じ傾きとなるように保持される。そのため、ロータシャフトの回転に伴い、ベーンとシリンダ内周面の成す角度は変化し、全周に亘ってベーン先端がシリンダ内周面に当接するためには、ベーン先端の円弧の半径をシリンダ内周面の半径に比べて小さく構成する必要があった。
ベーン先端がシリンダ内径と当接しながら摺動するものにおいては、半径の大きく異なるシリンダ内周面とベーン先端とが摺動するため、シリンダ内周面とベーン先端との間に油膜を形成しその油膜を介して摺動する流体潤滑の状態にはならず、境界潤滑状態となってしまう。
このように、従来の一般的なベーン型圧縮機の構成では、ベーンの先端とシリンダの内周面とが境界潤滑状態で摺動するため摺動抵抗が大きく、機械損失の増大による圧縮機効率の大巾な低下が発生してしまうという問題があった(問題1)。
このように、従来の一般的なベーン型圧縮機の構成では、ベーンの先端とシリンダの内周面とが境界潤滑状態で摺動するため摺動抵抗が大きく、機械損失の増大による圧縮機効率の大巾な低下が発生してしまうという問題があった(問題1)。
また、ベーン先端の円弧の半径とシリンダの内周面の半径が異なるために、両者は線接触となり、接触面圧が大きくなる。したがって、ベーン先端やシリンダ内周面における焼付きや摩耗の発生が懸念され、長期の寿命を確保することが困難であるという問題があった(問題2)。そこで、従来のベーン型圧縮機においては、ベーンのシリンダ内周面に対する押し付け力を極力低減するための工夫がなされていた。
そこで、前記問題1、2を解消するために、特許文献2には、ロータ部の内部を中空にし、その中にベーンをシリンダ内周面の中心にて回転可能に支持する固定軸を有し、且つ、ベーンがロータ部に対し回転可能となるようにロータ部の外周部近傍で狭持部材を介してベーンを保持する構成が提案されている。
特許文献2に記載された構成にすることにより、ベーンはシリンダ内周面の中心において回転支持されている。そのため、ベーンの長手方向は常にシリンダ内周面の法線方向となり、ベーン先端部がシリンダ内周面に沿うように、シリンダ内周面の半径とベーン先端円弧の半径をほぼ等しく構成することが可能となり、ベーン先端とシリンダ内周面を非接触に構成することができる。もしくは、ベーン先端とシリンダ内周面とが接触する場合でも、接触面圧が低下し、焼付き、摩耗の発生を抑制することが可能となる。それにより、従来のベーン型圧縮機の課題であるベーン先端部の摺動状態を改善することが可能となる。
しかしながら、特許文献2に記載された構成では、ロータ部内部を中空に構成することにより、ロータ部への回転力の付与やロータ部の回転支持が難しくなることから、特許文献2に記載された発明では、ロータ部の両端面に端板を設けている。すなわち、片側の端板は、回転軸からの動力を伝達する必要があるため円板状であって、端板の中心に回転軸が接続される構成となっている。また、他側の端板は、ベーン固定軸やベーン軸支持材の回転範囲と干渉しないように構成する必要があるため、中央部に穴の開いたリング状に構成されている。このため、端板を回転支持する部分は、回転軸に比べて大径に構成する必要があり、軸受摺動損失が大きくなるという問題がある(問題3)。
また、ロータ部とシリンダ内周面との間は、圧縮したガスが漏れないように狭い隙間を形成するため、ロータ部の外径や回転中心には高い精度が必要とされる。しかし、ロータ部と端板は別々の部品で構成されるため、ロータ部と端板との締結により発生する歪みやロータ部と端板の同軸ズレ等、ロータ部の外径や回転中心の精度を悪化させる要因となってしまうという問題があった(問題4)。
さらに、ベーン先端とシリンダ内周面が接触する場合においては、油膜を発生させ、流体潤滑状態を実現するためのベーン形状について具体的に明示されていないため、境界潤滑状態で摺動するおそれがあることから、前記問題1が解消しないことがある。
この発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、回転軸の軸受摺動損失を低減し、かつ、ベーン先端とシリンダ内周面が流体潤滑で摺動でき、ベーン先端やシリンダ内周面における焼付き、摩耗の発生を抑制することが可能なベーン型圧縮機を提供することを目的とする。
本発明に係るベーン型圧縮機は、軸方向の両端が開口している略円筒状のシリンダと、該シリンダの両端を閉塞するシリンダヘッドおよびフレームと、該シリンダヘッドおよびフレームによって回転自在に支持されたロータシャフトと、該ロータシャフトに進退自在に設置された1数以上のベーンと、を具備し、前記ロータシャフトの中心が前記シリンダの中心から偏位し、前記ベーンの先端が前記シリンダの内周面に近接した状態で進退することによって、前記ロータシャフトが回転した際、前記シリンダヘッドおよびフレームと前記シリンダの内周面と前記ロータシャフトと前記ベーンとによって圧縮室が形成されるベーン型圧縮機において、前記ベーンの前記シリンダの内周面に近接する先端部の曲率半径(Rv)と、前記シリンダの内周面の曲率半径(Rc)との比である曲率比k(Rv/Rc)が、0.990以上、且つ、1以下(0.990≦k≦1)であって、「S=η・(N/P)・(Rc/Cr)2」ここで、η:油の粘性係数、N:ベーンの回転数、P:ベーン先端部に作用する押付面圧、Cr:ベーンの先端部とシリンダの内周面との間隙(Cr=Rc−Rv)によって決まるゾンマーフェルト数(S)が0.24から2000の範囲(0.24≦S≦2000)であることを特徴とする。
本発明に係るベーン型圧縮機は、曲率比kが「0.990≦k≦1」、すなわち、ベーン先端部9aの半径Rvがシリンダ内周面1bの半径Rcよりも僅かに小さいから、ベーン先端部の両端部がシリンダの内周面に片当たりすることがなく、焼付きや異常摩耗を防止することができる。また、ゾンマーフェルト数Sが「0.24〜2000」の範囲にあり、ベーン先端部とシリンダの内周面との摺動において、流体潤滑状態を確保することができるから、ベーン先端部の摺動損失が少なく、かつ潤滑性の良好なベーン型圧縮機を提供することが可能となる。
[実施の形態1]
図1〜図8は、本発明の実施の形態1に係るベーン型圧縮機を説明するものであって、図1は縦断面図、図2は圧縮要素を分解して示す斜視図、図3は圧縮要素を構成する部材の一部(ベーンアライナ)を示す平面図、図4は圧縮要素を構成する部材(ベーン)の姿勢を示す横断面図、図5は圧縮要素を構成する部材(ベーン)の動作を示す横断面図、図6は圧縮要素を構成する部材(ベーンアライナ)の動作を示す横断面図、図7は圧縮要素を構成する部材の一部(ベーンの先端部)を拡大して示す横断面図、図8は圧縮要素についての潤滑解析結果を示す相関図である。なお、前記横断面図は、図1におけるI−I線に沿った断面を示している。但し、本実施の形態は、圧縮要素101に特徴があり、ベーン型圧縮機200(密閉型)は、一例である。本実施の形態は、密閉型に限定されるものではなく、エンジン駆動や開放型容器等の、他の構成のものにも、適用される。また、各図は模式的に描いたものであって、本発明は図示された形態に限定されるものではない。
図1〜図8は、本発明の実施の形態1に係るベーン型圧縮機を説明するものであって、図1は縦断面図、図2は圧縮要素を分解して示す斜視図、図3は圧縮要素を構成する部材の一部(ベーンアライナ)を示す平面図、図4は圧縮要素を構成する部材(ベーン)の姿勢を示す横断面図、図5は圧縮要素を構成する部材(ベーン)の動作を示す横断面図、図6は圧縮要素を構成する部材(ベーンアライナ)の動作を示す横断面図、図7は圧縮要素を構成する部材の一部(ベーンの先端部)を拡大して示す横断面図、図8は圧縮要素についての潤滑解析結果を示す相関図である。なお、前記横断面図は、図1におけるI−I線に沿った断面を示している。但し、本実施の形態は、圧縮要素101に特徴があり、ベーン型圧縮機200(密閉型)は、一例である。本実施の形態は、密閉型に限定されるものではなく、エンジン駆動や開放型容器等の、他の構成のものにも、適用される。また、各図は模式的に描いたものであって、本発明は図示された形態に限定されるものではない。
(ベーン型圧縮機)
図1〜3において、ベーン型圧縮機200は、密閉容器103と、密閉容器103内に収納された圧縮要素101と、圧縮要素101の上部に配置され、圧縮要素101を駆動する電動要素102と、密閉容器103内の底部に設けられ、冷凍機油25を貯溜する油溜め104とを備えている。
図1〜3において、ベーン型圧縮機200は、密閉容器103と、密閉容器103内に収納された圧縮要素101と、圧縮要素101の上部に配置され、圧縮要素101を駆動する電動要素102と、密閉容器103内の底部に設けられ、冷凍機油25を貯溜する油溜め104とを備えている。
(電動要素)
圧縮要素101を駆動する電動要素102は、例えば、ブラシレスDCモータで構成される。電動要素102は、密閉容器103の内周に固定される固定子21と、固定子21の内側に配設され、永久磁石を使用する回転子22とを備える。固定子21には、密閉容器103の上面に溶接により固定されたガラス端子23から電力が供給される。密閉容器103の側面には吸入管26、上面には吐出管24が取り付けられている。
圧縮要素101を駆動する電動要素102は、例えば、ブラシレスDCモータで構成される。電動要素102は、密閉容器103の内周に固定される固定子21と、固定子21の内側に配設され、永久磁石を使用する回転子22とを備える。固定子21には、密閉容器103の上面に溶接により固定されたガラス端子23から電力が供給される。密閉容器103の側面には吸入管26、上面には吐出管24が取り付けられている。
(圧縮要素)
圧縮要素101は、以下に説明する要素を有する。尚、本実施の形態1では、ベーン枚数が2枚の場合について示しているが、本発明はこれに限定するものではなく、ベーン枚数が3枚以上であってもよい。
(シリンダ1)
全体形状が略円筒状で、軸方向の両端部が開口している。また、シリンダ内周面1bに吸入ポート1a(略半径方向に貫通している)が開口しており、外周部寄りの位置には軸方向に貫通した油戻し穴1cが設けられている。以下、シリンダ内周面1bの中心を「シリンダ中心Oc」と称す。
(フレーム2)
フレーム2は、シリンダ1に接し、シリンダ1の一方の開口部(図2では上側)を閉塞する略円板状の部分と、該略円板状の部分よりも外径が小さい円筒状の部分とが一体形成されたものであって、側面視において略T字を呈している。そして、略円板状の部分の内周と円筒状の部分の内周とによって、軸方向に貫通する主軸受部2cが設けられている(以下、主軸受部2cの中心を「ロータ中心Or」と称す)。
また、フレーム2のシリンダ1側の端面(図2では下側)には、シリンダ中心Ocと同心の断面円形の凹部2aが形成され、ここに後述するベーンアライナ5、7が嵌入される。すなわち、平面視で円弧状であるベーンアライナ5、7の凸側の面は、凹部2aの内周面であるベーンアライナ軸受部2bによって支承される。
さらに、フレーム2の略円板部の中央寄りの位置に吐出ポート2dが形成されている。
圧縮要素101は、以下に説明する要素を有する。尚、本実施の形態1では、ベーン枚数が2枚の場合について示しているが、本発明はこれに限定するものではなく、ベーン枚数が3枚以上であってもよい。
(シリンダ1)
全体形状が略円筒状で、軸方向の両端部が開口している。また、シリンダ内周面1bに吸入ポート1a(略半径方向に貫通している)が開口しており、外周部寄りの位置には軸方向に貫通した油戻し穴1cが設けられている。以下、シリンダ内周面1bの中心を「シリンダ中心Oc」と称す。
(フレーム2)
フレーム2は、シリンダ1に接し、シリンダ1の一方の開口部(図2では上側)を閉塞する略円板状の部分と、該略円板状の部分よりも外径が小さい円筒状の部分とが一体形成されたものであって、側面視において略T字を呈している。そして、略円板状の部分の内周と円筒状の部分の内周とによって、軸方向に貫通する主軸受部2cが設けられている(以下、主軸受部2cの中心を「ロータ中心Or」と称す)。
また、フレーム2のシリンダ1側の端面(図2では下側)には、シリンダ中心Ocと同心の断面円形の凹部2aが形成され、ここに後述するベーンアライナ5、7が嵌入される。すなわち、平面視で円弧状であるベーンアライナ5、7の凸側の面は、凹部2aの内周面であるベーンアライナ軸受部2bによって支承される。
さらに、フレーム2の略円板部の中央寄りの位置に吐出ポート2dが形成されている。
(シリンダヘッド3)
シリンダヘッド3はフレーム2と略面対称な形状(正確には、円筒部等の寸法と相違する)であって、シリンダ1の他方の開口部(図2では下側)を閉塞する略円板状の部分と、該略円板状の部分よりも外径が小さい円筒状の部分とが一体形成されたものであって、側面視において略T字を呈している。そして、略円板状の部分の内周と円筒状の部分の内周とによって、軸方向に貫通する主軸受部3cが設けられている。このとき、主軸受部3cの中心はロータ中心Orに一致している。
また、シリンダヘッド3のシリンダ1側の端面(図2では上側)には、シリンダ中心Ocと同心の断面円形の凹部3aが形成され、ここに後述するベーンアライナ6、8が嵌入される。すなわち、平面視で円弧状であるベーンアライナ6、8凸側の面は、凹部3aの内周面であるベーンアライナ軸受部3bによって支承される。
シリンダヘッド3はフレーム2と略面対称な形状(正確には、円筒部等の寸法と相違する)であって、シリンダ1の他方の開口部(図2では下側)を閉塞する略円板状の部分と、該略円板状の部分よりも外径が小さい円筒状の部分とが一体形成されたものであって、側面視において略T字を呈している。そして、略円板状の部分の内周と円筒状の部分の内周とによって、軸方向に貫通する主軸受部3cが設けられている。このとき、主軸受部3cの中心はロータ中心Orに一致している。
また、シリンダヘッド3のシリンダ1側の端面(図2では上側)には、シリンダ中心Ocと同心の断面円形の凹部3aが形成され、ここに後述するベーンアライナ6、8が嵌入される。すなわち、平面視で円弧状であるベーンアライナ6、8凸側の面は、凹部3aの内周面であるベーンアライナ軸受部3bによって支承される。
(ロータシャフト4)
ロータシャフト4は、シリンダ中心Ocとは偏位した位置にあるロータ中心Orを中心にして回転するものであって、シリンダ1内に位置するロータ部4aと、フレーム2の主軸受部2cによって軸支される回転軸部4bと、シリンダヘッド3の主軸受部3cによって軸支される回転軸部4cと、が一体形成されている。なお、回転軸部4bには、電動要素102の回転子22が設置されている。
ロータ部4aには、平面視において略円形で軸方向に貫通し、ロータ部4aの外周面側が開口したブッシュ保持部4dと、ブッシュ保持部4dにロータ中心Or側で連結されたベーン逃がし部4fが形成されている。そして、ブッシュ保持部4dおよびベーン逃がし部4fの軸方向端部は、それぞれフレーム2の凹部2aおよびシリンダヘッド3の凹部3aと連通している(円周方向の同一位相に位置している)。
また、ブッシュ保持部4dおよびベーン逃がし部4fとはロータ中心Orを挟んで略対称の位置に、ブッシュ保持部4eとベーン逃がし部4gが形成されている(後述する図4参照)。
ブッシュ保持部4eは、平面視において略円形で軸方向に貫通し、ロータ部4aの外周面側が開口し、ベーン逃がし部4gはブッシュ保持部4eにロータ中心Or側で連結されている。そして、ブッシュ保持部4eおよびベーン逃がし部4gの軸方向端部は、それぞれフレーム2の凹部2aおよびシリンダヘッド3の凹部3aと連通している(円周方向の同一位相に位置している)。
また、ロータシャフト4の下端部には例えば特開2009−264175号公報に記載されているようなロータシャフト4の遠心力を利用した油ポンプ31(図1にのみ図示)が設けられ、油ポンプ31はロータシャフト4の軸中央部に設けられ軸方向に延在する給油路4hと連通しており、給油路4hと凹部2a間には給油路4i、給油路4hと凹部3a間には給油路4jが設けられている。また、回転軸部4bの主軸受部3cの上方の位置に排油穴4k(図1にのみ図示)が設けられている。
ロータシャフト4は、シリンダ中心Ocとは偏位した位置にあるロータ中心Orを中心にして回転するものであって、シリンダ1内に位置するロータ部4aと、フレーム2の主軸受部2cによって軸支される回転軸部4bと、シリンダヘッド3の主軸受部3cによって軸支される回転軸部4cと、が一体形成されている。なお、回転軸部4bには、電動要素102の回転子22が設置されている。
ロータ部4aには、平面視において略円形で軸方向に貫通し、ロータ部4aの外周面側が開口したブッシュ保持部4dと、ブッシュ保持部4dにロータ中心Or側で連結されたベーン逃がし部4fが形成されている。そして、ブッシュ保持部4dおよびベーン逃がし部4fの軸方向端部は、それぞれフレーム2の凹部2aおよびシリンダヘッド3の凹部3aと連通している(円周方向の同一位相に位置している)。
また、ブッシュ保持部4dおよびベーン逃がし部4fとはロータ中心Orを挟んで略対称の位置に、ブッシュ保持部4eとベーン逃がし部4gが形成されている(後述する図4参照)。
ブッシュ保持部4eは、平面視において略円形で軸方向に貫通し、ロータ部4aの外周面側が開口し、ベーン逃がし部4gはブッシュ保持部4eにロータ中心Or側で連結されている。そして、ブッシュ保持部4eおよびベーン逃がし部4gの軸方向端部は、それぞれフレーム2の凹部2aおよびシリンダヘッド3の凹部3aと連通している(円周方向の同一位相に位置している)。
また、ロータシャフト4の下端部には例えば特開2009−264175号公報に記載されているようなロータシャフト4の遠心力を利用した油ポンプ31(図1にのみ図示)が設けられ、油ポンプ31はロータシャフト4の軸中央部に設けられ軸方向に延在する給油路4hと連通しており、給油路4hと凹部2a間には給油路4i、給油路4hと凹部3a間には給油路4jが設けられている。また、回転軸部4bの主軸受部3cの上方の位置に排油穴4k(図1にのみ図示)が設けられている。
(ベーンアライナ5−8)
ベーンアライナ5、7は、部分リング状(断面円弧状)の部品であって、凸側の側面の曲率半径が、フレーム2のベーンアライナ軸受部2b(凹部2aの内周面)の曲率半径に略一致している(正確には摺動を自在にするクリアランス分だけ僅かに相違する)。また、一方の端面(図2では下側)の円周方向の中央には軸方向に突出した、四角形の板状の突起であるベーン保持部5a、7aが設けられている。なお、ベーン保持部5a、7aは凸側の側面の法線を含む面に位置している(正確には板状には厚さがあるため、ベーン保持部5a、7aの面は、前記法線を含む面に平行になっている)。
ベーンアライナ6、8は、部分リング状(断面円弧状)の部品であって、凸側の側面の曲率半径が、シリンダヘッド3のベーンアライナ軸受部3b(凹部3aの内周面)の曲率半径に略一致している(正確には摺動を自在にするクリアランス分だけ僅かに相違する)。また、一方の端面(図2では上側)の円周方向の中央には軸方向に突出した、四角形の板状の突起であるベーン保持部6a、8aが設けられている(ベーン保持部5a、7aの面は、前記法線を含む面に平行になっている)。
ベーンアライナ5、7は、部分リング状(断面円弧状)の部品であって、凸側の側面の曲率半径が、フレーム2のベーンアライナ軸受部2b(凹部2aの内周面)の曲率半径に略一致している(正確には摺動を自在にするクリアランス分だけ僅かに相違する)。また、一方の端面(図2では下側)の円周方向の中央には軸方向に突出した、四角形の板状の突起であるベーン保持部5a、7aが設けられている。なお、ベーン保持部5a、7aは凸側の側面の法線を含む面に位置している(正確には板状には厚さがあるため、ベーン保持部5a、7aの面は、前記法線を含む面に平行になっている)。
ベーンアライナ6、8は、部分リング状(断面円弧状)の部品であって、凸側の側面の曲率半径が、シリンダヘッド3のベーンアライナ軸受部3b(凹部3aの内周面)の曲率半径に略一致している(正確には摺動を自在にするクリアランス分だけ僅かに相違する)。また、一方の端面(図2では上側)の円周方向の中央には軸方向に突出した、四角形の板状の突起であるベーン保持部6a、8aが設けられている(ベーン保持部5a、7aの面は、前記法線を含む面に平行になっている)。
(第1のベーン9)
第1のベーン9は、略四角形の板状である。シリンダ1のシリンダ内周面1b側に位置する先端部9aは外側に突出した断面円弧形状に形成されている(その円弧形状の半径については後述する)。
第1のベーン9のシリンダ1のシリンダ内周面1bと反対側となる背面寄りの一方の端面(図2において上端面)には、ベーンアライナ5のベーン保持部5aが嵌入する長さに亘ってスリット状の背面溝9bが形成され、背面寄りの他方の端面(図2において下端面)には、ベーンアライナ6のベーン保持部6aが嵌入する長さに亘ってスリット状の背面溝9bが形成されている。なお、背面溝9bは軸方向全長に設けてもよい。
第1のベーン9は、略四角形の板状である。シリンダ1のシリンダ内周面1b側に位置する先端部9aは外側に突出した断面円弧形状に形成されている(その円弧形状の半径については後述する)。
第1のベーン9のシリンダ1のシリンダ内周面1bと反対側となる背面寄りの一方の端面(図2において上端面)には、ベーンアライナ5のベーン保持部5aが嵌入する長さに亘ってスリット状の背面溝9bが形成され、背面寄りの他方の端面(図2において下端面)には、ベーンアライナ6のベーン保持部6aが嵌入する長さに亘ってスリット状の背面溝9bが形成されている。なお、背面溝9bは軸方向全長に設けてもよい。
(第2のベーン10)
第2のベーン10は第1のベーン9と同様の形状であって、略四角形の板状である。シリンダ1のシリンダ内周面1b側に位置する先端部10aは外側に突出した断面円弧形状に形成されている(その円弧形状の半径については後述する)。
第2のベーン10のシリンダ1のシリンダ内周面1bと反対側となる背面寄りの一方の端面(図2において上端面)には、ベーンアライナ7のベーン保持部7aが嵌入する長さに亘ってスリット状の背面溝10bが形成され、背面寄りの他方の端面(図2において下端面)には、ベーンアライナ8のベーン保持部8aが嵌入する長さに亘ってスリット状の背面溝10bが形成されている。なお、背面溝10bは軸方向全長に設けてもよい。
第2のベーン10は第1のベーン9と同様の形状であって、略四角形の板状である。シリンダ1のシリンダ内周面1b側に位置する先端部10aは外側に突出した断面円弧形状に形成されている(その円弧形状の半径については後述する)。
第2のベーン10のシリンダ1のシリンダ内周面1bと反対側となる背面寄りの一方の端面(図2において上端面)には、ベーンアライナ7のベーン保持部7aが嵌入する長さに亘ってスリット状の背面溝10bが形成され、背面寄りの他方の端面(図2において下端面)には、ベーンアライナ8のベーン保持部8aが嵌入する長さに亘ってスリット状の背面溝10bが形成されている。なお、背面溝10bは軸方向全長に設けてもよい。
(ブッシュ11、12)
ブッシュ11は略半円柱状の部材であって、一対で構成される。ブッシュ11の円弧状の側面の曲率半径はロータシャフト4のブッシュ保持部4dの曲率半径に略等しく、ブッシュ11の平面状の側面同士の間に板状の第1のベーン9が配置(挾持)された状態で、ロータシャフト4のブッシュ保持部4dに嵌入される。したがって、第1のベーン9がロータ部4aに対して回転自在且つ略法線方向に移動可能に保持される。
同様に、ブッシュ12は略半円柱状の部材であって、一対で構成される。ブッシュ12の円弧状の側面の曲率半径はロータシャフト4のブッシュ保持部4eの曲率半径に略等しく、ブッシュ12の平面状の側面同士の間に板状の第2のベーン10が配置(挾持)された状態で、ロータシャフト4のブッシュ保持部4eに嵌入される。したがって、第2のベーン10がロータ部4aに対して回転自在且つ略法線方向に移動可能に保持される。
ブッシュ11は略半円柱状の部材であって、一対で構成される。ブッシュ11の円弧状の側面の曲率半径はロータシャフト4のブッシュ保持部4dの曲率半径に略等しく、ブッシュ11の平面状の側面同士の間に板状の第1のベーン9が配置(挾持)された状態で、ロータシャフト4のブッシュ保持部4dに嵌入される。したがって、第1のベーン9がロータ部4aに対して回転自在且つ略法線方向に移動可能に保持される。
同様に、ブッシュ12は略半円柱状の部材であって、一対で構成される。ブッシュ12の円弧状の側面の曲率半径はロータシャフト4のブッシュ保持部4eの曲率半径に略等しく、ブッシュ12の平面状の側面同士の間に板状の第2のベーン10が配置(挾持)された状態で、ロータシャフト4のブッシュ保持部4eに嵌入される。したがって、第2のベーン10がロータ部4aに対して回転自在且つ略法線方向に移動可能に保持される。
尚、第1のベーン9の上下の背面溝9bに、ベーンアライナ5のベーン保持部5aおよびベーンアライナ6のベーン保持部6aがそれぞれ嵌入し、また、第2のベーン10の上下の背面溝10bに、ベーンアライナ7のベーン保持部7aおよびベーンアライナ8のベーン保持部8aが嵌入することで、第1のベーン9および第2のベーン10の面(正確には厚さの中央面)が、常にシリンダ内周面1bの法線と一致するように規制される。
(動作)
次に圧縮動作について説明する。ロータシャフト4の回転軸部4bが電動要素102の駆動部からの回転動力を受け、ロータ部4aは、シリンダ1内でロータ中心Orを中心にして回転する。ロータ部4aの回転に伴い、ロータ部4aの外周付近に配置されたブッシュ保持部4d、4eは、ロータ中心Orを中心軸とした円周上を移動する。
そして、ブッシュ保持部4d、4e内に保持されている一対のブッシュ11、12、及びその一対のブッシュ11、12の間に回動可能に保持されている第1のベーン9、第2のベーン10もロータ部4aと共に、ロータ中心Orを中心軸とした円周上を移動(公転)する。
そうすると、かかる移動(公転)に伴って、ブッシュ11と第1のベーン9の平面状の側面とは互いに摺動し、同様に、ブッシュ12と第2のベーン10の平面状の側面とは互いに摺動する。また、ロータシャフト4のブッシュ保持部4dとブッシュ11の円弧状の側面とは互いに摺動し、ブッシュ保持部4eとブッシュ12の円弧状の側面とは互いに摺動することになる。
次に圧縮動作について説明する。ロータシャフト4の回転軸部4bが電動要素102の駆動部からの回転動力を受け、ロータ部4aは、シリンダ1内でロータ中心Orを中心にして回転する。ロータ部4aの回転に伴い、ロータ部4aの外周付近に配置されたブッシュ保持部4d、4eは、ロータ中心Orを中心軸とした円周上を移動する。
そして、ブッシュ保持部4d、4e内に保持されている一対のブッシュ11、12、及びその一対のブッシュ11、12の間に回動可能に保持されている第1のベーン9、第2のベーン10もロータ部4aと共に、ロータ中心Orを中心軸とした円周上を移動(公転)する。
そうすると、かかる移動(公転)に伴って、ブッシュ11と第1のベーン9の平面状の側面とは互いに摺動し、同様に、ブッシュ12と第2のベーン10の平面状の側面とは互いに摺動する。また、ロータシャフト4のブッシュ保持部4dとブッシュ11の円弧状の側面とは互いに摺動し、ブッシュ保持部4eとブッシュ12の円弧状の側面とは互いに摺動することになる。
また、第1のベーン9の背面側に形成された上下の背面溝9bに、ベーン保持部5a(ベーンアライナ5の板状の突起部)およびベーン保持部6a(ベーンアライナ6の板状の突起部)が、それぞれ摺動可能に嵌入している。
このとき、ベーンアライナ5は凹部2aにシリンダ中心Ocを中心に回転可能に嵌入され、ベーンアライナ6は凹部3aにシリンダ中心Ocを中心に回転可能に嵌入されているから、ベーンアライナ5に形成されたベーン保持部5aおよびベーンアライナ6に形成されたベーン保持部6aはシリンダ中心Ocの放射方向に位置することになる。よって、第1のベーン9の向きは、シリンダ1のシリンダ内周面1bの法線方向に規制される。
同様に、第2のベーン10の背面側に形成された上下の背面溝10bに、ベーン保持部7a(ベーンアライナ7の板状の突起部)およびベーン保持部8a(ベーンアライナ8の板状の突起部)が、それぞれ摺動可能に嵌入している。
このとき、ベーンアライナ7は凹部2aにシリンダ中心Ocを中心に回転可能に嵌入され、ベーンアライナ8は凹部3aにシリンダ中心Ocを中心に回転可能に嵌入されているから、ベーンアライナ7に形成されたベーン保持部7aおよびベーンアライナ8に形成されたベーン保持部8aはシリンダ中心Ocの放射方向に位置することになる。よって、第2のベーン10の向きは、シリンダ1のシリンダ内周面1bの法線方向に規制される。
すなわち、ロータ部4aがロータ中心Orを中心に回転するにも関わらず、ベーンアライナ5−8はシリンダ中心Ocを中心にした円周上を移動するから、第1のベーン9および第2のベーン10は、シリンダ中心Ocの放射方向に位置している。
このとき、ベーンアライナ5は凹部2aにシリンダ中心Ocを中心に回転可能に嵌入され、ベーンアライナ6は凹部3aにシリンダ中心Ocを中心に回転可能に嵌入されているから、ベーンアライナ5に形成されたベーン保持部5aおよびベーンアライナ6に形成されたベーン保持部6aはシリンダ中心Ocの放射方向に位置することになる。よって、第1のベーン9の向きは、シリンダ1のシリンダ内周面1bの法線方向に規制される。
同様に、第2のベーン10の背面側に形成された上下の背面溝10bに、ベーン保持部7a(ベーンアライナ7の板状の突起部)およびベーン保持部8a(ベーンアライナ8の板状の突起部)が、それぞれ摺動可能に嵌入している。
このとき、ベーンアライナ7は凹部2aにシリンダ中心Ocを中心に回転可能に嵌入され、ベーンアライナ8は凹部3aにシリンダ中心Ocを中心に回転可能に嵌入されているから、ベーンアライナ7に形成されたベーン保持部7aおよびベーンアライナ8に形成されたベーン保持部8aはシリンダ中心Ocの放射方向に位置することになる。よって、第2のベーン10の向きは、シリンダ1のシリンダ内周面1bの法線方向に規制される。
すなわち、ロータ部4aがロータ中心Orを中心に回転するにも関わらず、ベーンアライナ5−8はシリンダ中心Ocを中心にした円周上を移動するから、第1のベーン9および第2のベーン10は、シリンダ中心Ocの放射方向に位置している。
(圧縮原理)
ベーン型圧縮機200の圧縮原理については、従来のベーン型圧縮機と概略同様である。図4(図1におけるI−I線に沿った断面図)は、後述する図5における回転角度90°の状態を示している。
図4において、ロータシャフト4のロータ部4aとシリンダ1のシリンダ内周面1bは一箇所(図4に示す最近接点32)において最も近接している。
ベーン型圧縮機200の圧縮原理については、従来のベーン型圧縮機と概略同様である。図4(図1におけるI−I線に沿った断面図)は、後述する図5における回転角度90°の状態を示している。
図4において、ロータシャフト4のロータ部4aとシリンダ1のシリンダ内周面1bは一箇所(図4に示す最近接点32)において最も近接している。
また、第1のベーン9とシリンダ1のシリンダ内周面1b、第2のベーン10とシリンダ1のシリンダ内周面1bとがそれぞれ一箇所で摺動することにより、シリンダ1内には3つの空間(吸入室13、中間室14、圧縮室15)が形成される。吸入室13には、吸入ポート1a(冷凍サイクルの低圧側に連通する)が開口しており、圧縮室15は、吐出時以外は図示しない吐出弁で閉塞される吐出ポート2d(例えば、フレーム2に形成される、但し、シリンダヘッド3に設けてもよい)に連通している。
また、中間室14は、ある回転角度範囲までは吸入ポート1aと連通するが、その後、吸入ポート1a、吐出ポート2dのいずれとも連通しない回転角度範囲が有り、その後、吐出ポート2dと連通する。
また、中間室14は、ある回転角度範囲までは吸入ポート1aと連通するが、その後、吸入ポート1a、吐出ポート2dのいずれとも連通しない回転角度範囲が有り、その後、吐出ポート2dと連通する。
図5を参照しながら、吸入室13、中間室14及び圧縮室15の容積が変化する様子を説明する。
先ず、ロータシャフト4の回転に伴い、吸入管26から低圧の冷媒が吸入ポート1aに流入する。ここで、図5における回転角度を、ロータシャフト4のロータ部4aとシリンダ1のシリンダ内周面1bとが最も近接している最近接点32(図4に示す)と、第1のベーン9とシリンダ1のシリンダ内周面1bとが摺動する一箇所とが一致するときを、「角度0°」と定義する。
なお、図5の(a)では「角度0°」、図5の(b)では「角度45°」、図5の(c)では「角度90°」、そして図5の(d)では「角度135°」における、第1のベーン9、第2のベーン10の位置と、そのときの吸入室13、中間室14及び圧縮室15の状態を示している。
また、図5の(a)に示す矢印は、ロータシャフト4の回転方向(時計方向の場合を示している)である。但し、図5の(b)〜(d)では、ロータシャフト4の回転方向を示す矢印は省略している。
そして、「角度180°」以降の状態を示していないのは、「角度180°」になると、「角度0°」において、第1のベーン9と第2のベーン10が入れ替わった状態と同じになり、以降は「角度0°」から「角度135°」までと同じ圧縮動作を示すためである。
先ず、ロータシャフト4の回転に伴い、吸入管26から低圧の冷媒が吸入ポート1aに流入する。ここで、図5における回転角度を、ロータシャフト4のロータ部4aとシリンダ1のシリンダ内周面1bとが最も近接している最近接点32(図4に示す)と、第1のベーン9とシリンダ1のシリンダ内周面1bとが摺動する一箇所とが一致するときを、「角度0°」と定義する。
なお、図5の(a)では「角度0°」、図5の(b)では「角度45°」、図5の(c)では「角度90°」、そして図5の(d)では「角度135°」における、第1のベーン9、第2のベーン10の位置と、そのときの吸入室13、中間室14及び圧縮室15の状態を示している。
また、図5の(a)に示す矢印は、ロータシャフト4の回転方向(時計方向の場合を示している)である。但し、図5の(b)〜(d)では、ロータシャフト4の回転方向を示す矢印は省略している。
そして、「角度180°」以降の状態を示していないのは、「角度180°」になると、「角度0°」において、第1のベーン9と第2のベーン10が入れ替わった状態と同じになり、以降は「角度0°」から「角度135°」までと同じ圧縮動作を示すためである。
吸入ポート1aは、最近接点32と「角度90°」における第1のベーン9のベーン先端部9aとシリンダ1のシリンダ内周面1bが摺動する点Aの間(例えば、略45°)に設けられ、最近接点32から点Aまでの範囲に開口している。但し、図4、図5では吸入ポート1aを単に「吸入」と表記している。
また、ロータシャフト4のロータ部4aとシリンダ1のシリンダ内周面1bとが最も近接している最近接点32の近傍で、最近接点32から所定の距離の反回転方向側(例えば、略30°)に吐出ポート2dが位置する。但し、図4、図5では吐出ポート2dを単に「吐出」と表記している。
図5の(a)において、「角度0°」では、最近接点32と第2のベーン10で仕切られた右側の空間は中間室14で吸入ポート1aと連通しており、ガス(冷媒)を吸入する。最近接点32と第2のベーン10で仕切られた左側の空間は吐出ポート2dに連通した圧縮室15となる。
図5の(b)において、「角度45°」では、第1のベーン9と最近接点32で仕切られた空間は吸入室13となり、第1のベーン9と第2のベーン10で仕切られた中間室14は、吸入ポート1aと連通しており、中間室14の容積は「角度0°」のときより大きくなるので、ガスの吸入を続ける。また、第2のベーン10と最近接点32で仕切られた空間は圧縮室15で、圧縮室15の容積は「角度0°」のときより小さくなり、冷媒は圧縮され徐々にその圧力が高くなる。
図5の(c)において、「角度90°」では、第1のベーン9の先端部9aがシリンダ1のシリンダ内周面1b上の点Aと重なるので、中間室14は吸入ポート1aと連通しなくなる。これにより、中間室14でのガスの吸入は終了する。また、この状態で、中間室14の容積は略最大となる。圧縮室15の容積は「角度45°」のときより更に小さくなり、冷媒の圧力は上昇する。吸入室13の容積は「角度45°」のときより大きくなり、吸入を続ける。
図5の(d)において、「角度135°」では、中間室14の容積は「角度90°」のときより小さくなり、冷媒の圧力は上昇する。また、圧縮室15の容積も「角度90°」のときより小さくなり、冷媒の圧力は上昇する。吸入室13の容積は「角度90°」のときより大きくなり、吸入を続ける。
その後、第2のベーン10が吐出ポート2dに近づくが、冷凍サイクルの高圧(図示しない吐出弁を開くのに必要な圧力も含む)を圧縮室15の圧力が上回ると、吐出弁が開き圧縮室15の冷媒は、密閉容器103内に吐出される。密閉容器103内に吐出された冷媒は、電動要素102を通過して密閉容器103の上部に固定(溶接)された吐出管24から外部(冷凍サイクルの高圧側)に吐出される。したがって、密閉容器103内の圧力は高圧である吐出圧力となる。
第2のベーン10が吐出ポート2dを通過すると、圧縮室15に高圧の冷媒が若干残る(ロスとなる)。そして、「角度180°(図示せず)」で、圧縮室15が消滅したとき、この高圧の冷媒は吸入室13にて低圧の冷媒に変化する。なお、「角度180°」では吸入室13が中間室14に移行し、中間室14が圧縮室15に移行して、以降圧縮動作を繰り返す。
このように、ロータシャフト4の回転により、吸入室13は徐々に容積が大きくなり、ガスの吸入を続ける。以後、中間室14に移行するが、途中まで容積が徐々に大きくなり、更にガスの吸入を続ける。途中で、中間室14の容積は最大となり、吸入ポート1aに連通しなくなるので、ここでガスの吸入を終了する。
以後、中間室14の容積は徐々に小さくなり、ガスを圧縮する。その後、中間室14は圧縮室15に移行して、ガスの圧縮を続ける。所定の圧力まで圧縮されたガスは、シリンダ1、またはフレーム2やシリンダヘッド3の圧縮室15に開口する部分に形成された吐出ポート(例えば、吐出ポート2d)により吐出される。
以後、中間室14の容積は徐々に小さくなり、ガスを圧縮する。その後、中間室14は圧縮室15に移行して、ガスの圧縮を続ける。所定の圧力まで圧縮されたガスは、シリンダ1、またはフレーム2やシリンダヘッド3の圧縮室15に開口する部分に形成された吐出ポート(例えば、吐出ポート2d)により吐出される。
(ベーンアライナの回転動作)
図6は実施の形態1を示す図で、ベーンアライナ6、8の回転動作を示す横断面図である。図6の(a)は「角度0°」における図であって、矢印はベーンアライナ6、8の回転方向(図6では時計方向)を示している。但し、図6の(b)〜(d)では、ベーンアライナ6、8の回転方向を示す矢印は省略している。
ロータシャフト4の回転により、第1のベーン9及び第2のベーン10がシリンダ1の中心の周りに回転する(図5の(a)〜(d)参照)ことにより、第1のベーンと嵌合されたベーンアライナ6も第2のベーン10と嵌合されたベーンアライナ8も、図6の(a)〜(d)に示すように凹部3a内を、ベーンアライナ軸受部3bに支持されてシリンダ中心Ocを中心として回転する。
なお、この動作は凹部2a内をベーンアライナ軸受部2bに支持されて回転するベーンアライナ5、7についても同様である。
図6は実施の形態1を示す図で、ベーンアライナ6、8の回転動作を示す横断面図である。図6の(a)は「角度0°」における図であって、矢印はベーンアライナ6、8の回転方向(図6では時計方向)を示している。但し、図6の(b)〜(d)では、ベーンアライナ6、8の回転方向を示す矢印は省略している。
ロータシャフト4の回転により、第1のベーン9及び第2のベーン10がシリンダ1の中心の周りに回転する(図5の(a)〜(d)参照)ことにより、第1のベーンと嵌合されたベーンアライナ6も第2のベーン10と嵌合されたベーンアライナ8も、図6の(a)〜(d)に示すように凹部3a内を、ベーンアライナ軸受部3bに支持されてシリンダ中心Ocを中心として回転する。
なお、この動作は凹部2a内をベーンアライナ軸受部2bに支持されて回転するベーンアライナ5、7についても同様である。
以上の動作において、ロータシャフト4の回転により、油ポンプ31により油溜め104から冷凍機油25が吸い上げられ、給油路4hに送り出される。給油路4hに送り出された冷凍機油25は、給油路4iを通ってフレーム2の凹部2a、給油路4jを通ってシリンダヘッド3の凹部3aに送り出される。
凹部2a、3aに送り出された冷凍機油25は、ベーンアライナ軸受部2b、3bを潤滑するとともに、凹部2a、3aと連通したベーン逃がし部4f、4gに供給される。ここで、密閉容器103内の圧力は高圧である吐出圧力になっているため、凹部2a、3aおよびベーン逃がし部4f、4g内の圧力も吐出圧力となる。また、凹部2a、3aに送り出された冷凍機油25の一部は、フレーム2の主軸受部2cおよびシリンダヘッド3の主軸受部3cに供給される。
以上において、主軸受部2cに供給された冷凍機油25は、主軸受部2cの隙間を通ってフレーム2の上方の空間に吐き出された後、シリンダ1の外周部に設けた油戻し穴1cより、油溜め104に戻される。また、主軸受部3cに供給された冷凍機油25は、主軸受部2cの隙間を通って油溜め104に戻される。
また、ベーン逃がし部4f、4gを介して吸入室13、中間室14、圧縮室15に送り出された冷凍機油25も、最終的に冷媒とともに吐出ポート2dからフレーム2の上方の空間に吐き出された後、シリンダ1の外周部に設けた油戻し穴1cより、油溜め104に戻される。
また、油ポンプ31により給油路4hに送り出された冷凍機油25のうち、余剰な冷凍機油25はロータシャフト4の上方の排油穴4kから、フレーム2の上方の空間に吐き出された後、シリンダ1の外周部に設けた油戻し穴1cより、油溜め104に戻される。
また、ベーン逃がし部4f、4gを介して吸入室13、中間室14、圧縮室15に送り出された冷凍機油25も、最終的に冷媒とともに吐出ポート2dからフレーム2の上方の空間に吐き出された後、シリンダ1の外周部に設けた油戻し穴1cより、油溜め104に戻される。
また、油ポンプ31により給油路4hに送り出された冷凍機油25のうち、余剰な冷凍機油25はロータシャフト4の上方の排油穴4kから、フレーム2の上方の空間に吐き出された後、シリンダ1の外周部に設けた油戻し穴1cより、油溜め104に戻される。
(曲率比k)
ここで、ベーン先端部とシリンダ内周面の摺動を流体潤滑に確保するために必要な、ベーン先端部の半径とシリンダ内周面の半径の比について説明する。
図7は、ベーン先端部とシリンダ内周面の摺動部を拡大して示す横断面図である。図7において、シリンダ内周面1bの半径を「Rc」、ベーン先端部9aの半径を「Rv」、ベーン先端部9aとシリンダ内周面1bとの半径方向(シリンダ中心Sからの放射方向に同じ)の隙間を「Cr」とすると、これらの関係は(式1)で表され、ベーン先端部9aとシリンダ内周面1bの曲率比「k」は式(2)によって表すことができる。
Rc=Rv+Cr ・・・・・(式1)
k=Rv/Rc ・・・・・(式2)
ここで、kが1よりも大きい場合(ベーン先端部9aの半径Rvがシリンダ内周面1bの半径Rcよりも大きくなる場合)、ベーン先端部9aとシリンダ内周面1bとの隙間が逆クサビ形状となり、油膜圧力が発生しない。さらに、ベーン先端部9aの両端部が常にシリンダ内周面に片当たりするため、焼付きや異常摩耗の危険性があるため、kは1以下である必要がある。
ここで、ベーン先端部とシリンダ内周面の摺動を流体潤滑に確保するために必要な、ベーン先端部の半径とシリンダ内周面の半径の比について説明する。
図7は、ベーン先端部とシリンダ内周面の摺動部を拡大して示す横断面図である。図7において、シリンダ内周面1bの半径を「Rc」、ベーン先端部9aの半径を「Rv」、ベーン先端部9aとシリンダ内周面1bとの半径方向(シリンダ中心Sからの放射方向に同じ)の隙間を「Cr」とすると、これらの関係は(式1)で表され、ベーン先端部9aとシリンダ内周面1bの曲率比「k」は式(2)によって表すことができる。
Rc=Rv+Cr ・・・・・(式1)
k=Rv/Rc ・・・・・(式2)
ここで、kが1よりも大きい場合(ベーン先端部9aの半径Rvがシリンダ内周面1bの半径Rcよりも大きくなる場合)、ベーン先端部9aとシリンダ内周面1bとの隙間が逆クサビ形状となり、油膜圧力が発生しない。さらに、ベーン先端部9aの両端部が常にシリンダ内周面に片当たりするため、焼付きや異常摩耗の危険性があるため、kは1以下である必要がある。
(ゾンマーフェルト数S)
kが1以下の条件において、ベーン先端部とシリンダ内周面の相対運動に、2次元レイノルズ方程式を適用し数値解析により摺動部の潤滑特性を把握した。kをパラメータとした場合の偏心率εを解析的に算出し、潤滑状態を評価するための無次元数であるゾンマーフェルト数Sで整理した。ゾンマーフェルト数は(式3)で表される。
S=η・(N/P)・(Rc/Cr)2 ・・・・・(式3)
ここで、η:油の粘性係数
N:ベーンの回転数
P:ベーン先端部に作用する押付面圧
である。
ゾンマーフェルト数Sが決まることで、ベーン先端部9aとシリンダ内周面1bの潤滑特性は一義的に決定する。
kが1以下の条件において、ベーン先端部とシリンダ内周面の相対運動に、2次元レイノルズ方程式を適用し数値解析により摺動部の潤滑特性を把握した。kをパラメータとした場合の偏心率εを解析的に算出し、潤滑状態を評価するための無次元数であるゾンマーフェルト数Sで整理した。ゾンマーフェルト数は(式3)で表される。
S=η・(N/P)・(Rc/Cr)2 ・・・・・(式3)
ここで、η:油の粘性係数
N:ベーンの回転数
P:ベーン先端部に作用する押付面圧
である。
ゾンマーフェルト数Sが決まることで、ベーン先端部9aとシリンダ内周面1bの潤滑特性は一義的に決定する。
図8に潤滑解析結果を示す。ゾンマーフェルト数Sに対する無次元摩擦係数「μ(R/Cr)」、ベーン先端部9aの偏心率「ε」、ベーン先端部9aとシリンダ内周面1bの曲率比「k」を示している。
曲率比kが小さくなるとゾンマーフェルト数Sが小さくなる。ゾンマーフェルト数が小さくなることで、偏心率εが大きくなり、粘性抵抗が減少するため無次元摩擦係数「μ(R/Cr)」も小さくなる。しかし、同時に油膜の負荷容量が減少し、ゾンマーフェルト数Sが約0.2よりも小さくなると、ベーン先端部とシリンダ内周面との間で金属接触が発生し始め、無次元摩擦係数「μ(R/Cr)」は上昇に転じる。
すなわち、ベーン先端部9aとシリンダ内周面1bの曲率比kが「0.990」よりも小さくなると良好な潤滑状態を維持できなくなる。
なお、実際のベーン型圧縮機のベーンは20〜120rpsで回転し、ゾンマーフェルト数Sは概ね「0.24〜2000」の範囲にある。例えば、回転数120rps、潤滑油粘度10cPとしたときのゾンマーフェルト数Sは「0.29」となる。したがって、ゾンマーフェルト数が「0.24から2000」の範囲にあるベーン先端部9aとシリンダ内周面1bとの摺動において、流体潤滑状態を確保するためには、kは少なくとも「0.990よりも大きく、1よりも小さい値」である必要がある。
曲率比kが小さくなるとゾンマーフェルト数Sが小さくなる。ゾンマーフェルト数が小さくなることで、偏心率εが大きくなり、粘性抵抗が減少するため無次元摩擦係数「μ(R/Cr)」も小さくなる。しかし、同時に油膜の負荷容量が減少し、ゾンマーフェルト数Sが約0.2よりも小さくなると、ベーン先端部とシリンダ内周面との間で金属接触が発生し始め、無次元摩擦係数「μ(R/Cr)」は上昇に転じる。
すなわち、ベーン先端部9aとシリンダ内周面1bの曲率比kが「0.990」よりも小さくなると良好な潤滑状態を維持できなくなる。
なお、実際のベーン型圧縮機のベーンは20〜120rpsで回転し、ゾンマーフェルト数Sは概ね「0.24〜2000」の範囲にある。例えば、回転数120rps、潤滑油粘度10cPとしたときのゾンマーフェルト数Sは「0.29」となる。したがって、ゾンマーフェルト数が「0.24から2000」の範囲にあるベーン先端部9aとシリンダ内周面1bとの摺動において、流体潤滑状態を確保するためには、kは少なくとも「0.990よりも大きく、1よりも小さい値」である必要がある。
なお、ベーン型圧縮機200は、冷媒としてR134a、R290、R601、R1270などの低圧冷媒を対象としているが、そのほかにR410A、R404A、R407Cなどを使用してもよい。
以上に示したように、本実施の形態1では、先端部9aの円弧とシリンダ1のシリンダ内周面1bの法線が常にほぼ一致するように圧縮動作を行なうために必要なベーン(第1のベーン9、第2のベーン10)がシリンダ中心Ocを中心にして回転運動する機構を、ロータ部4aと回転軸部4b、4cを一体にした構成で実現できるため、小径の回転軸部4b、4cでもって支持することができる。このため、軸受摺動損失が低減し、且つ、ロータ部4aの外径や回転中心の精度が向上する。
よって、ロータ部4aとシリンダ1のシリンダ内周面1b間を狭い隙間で形成して漏れ損失を低減することができる。また、ゾンマーフェルト数Sが「0.24から2000の範囲」において、ベーン先端部9aの半径とシリンダ内周面1bの半径の曲率比kが「1以下であり、かつ0.990以上である」ことによって、ベーン先端部9aとシリンダ1のシリンダ内周面1bとの摺動を流体潤滑状態に確保することが可能となり、ベーン先端部9aの摺動損失が少なく、かつ潤滑性の良好なベーン型圧縮機200を提供することが可能となる。
よって、ロータ部4aとシリンダ1のシリンダ内周面1b間を狭い隙間で形成して漏れ損失を低減することができる。また、ゾンマーフェルト数Sが「0.24から2000の範囲」において、ベーン先端部9aの半径とシリンダ内周面1bの半径の曲率比kが「1以下であり、かつ0.990以上である」ことによって、ベーン先端部9aとシリンダ1のシリンダ内周面1bとの摺動を流体潤滑状態に確保することが可能となり、ベーン先端部9aの摺動損失が少なく、かつ潤滑性の良好なベーン型圧縮機200を提供することが可能となる。
1 シリンダ、1a 吸入ポート、1b シリンダ内周面、1c 油戻し穴、2 フレーム、2a 凹部、2b ベーンアライナ軸受部、2c 主軸受部、2d 吐出ポート、2e 溝部、3 シリンダヘッド、3a 凹部、3b ベーンアライナ軸受部、3c 主軸受部、4 ロータシャフト、4a ロータ部、4b 回転軸部、4c 回転軸部、4d ブッシュ保持部、4e ブッシュ保持部、4f ベーン逃がし部、4g ベーン逃がし部、4h 給油路、4i 給油路、4j 給油路、4k 排油穴、5 ベーンアライナ、5a ベーン保持部、6 ベーンアライナ、6a ベーン保持部、7 ベーンアライナ、7a ベーン保持部、7b ベーン保持溝、8 ベーンアライナ、8a ベーン保持部、8b ベーン保持溝、9 第1のベーン、9a 先端部、9b 背面溝、9c 薄肉部、10 第2のベーン、10a 先端部、10b 背面溝、11 ブッシュ、12 ブッシュ、13 吸入室、14 中間室、15 圧縮室、21 固定子、22 回転子、23 ガラス端子、24 吐出管、25 冷凍機油、26 吸入管、31 油ポンプ、32 最近接点、101 圧縮要素、102 電動要素、103 密閉容器、104 油溜め、200 ベーン型圧縮機、ε 偏心率、k 曲率比、Oc シリンダ中心、Or ロータ中心。
Claims (3)
- 軸方向の両端が開口している略円筒状のシリンダと、該シリンダの両端を閉塞するシリンダヘッドおよびフレームと、該シリンダヘッドおよびフレームによって回転自在に支持されたロータシャフトと、該ロータシャフトに進退自在に設置された1数以上のベーンと、を具備し、前記ロータシャフトの中心が前記シリンダの中心から偏位し、前記ベーンの先端が前記シリンダの内周面に近接した状態で進退することによって、前記ロータシャフトが回転した際、前記シリンダヘッドおよびフレームと前記シリンダの内周面と前記ロータシャフトと前記ベーンとによって圧縮室が形成されるベーン型圧縮機において、
前記ベーンの前記シリンダの内周面に近接する先端部の曲率半径(Rv)と、前記シリンダの内周面の曲率半径(Rc)との比である曲率比k(Rv/Rc)が、0.990以上、且つ、1以下(0.990≦k≦1)であって、
S=η・(N/P)・(Rc/Cr)2
ここで、η:油の粘性係数
N:ベーンの回転数
P:ベーン先端部に作用する押付面圧
Cr:ベーンの先端部とシリンダの内周面との間隙(Cr=Rc−Rv)
によって決まるゾンマーフェルト数(S)が0.24から2000の範囲(0.24≦S≦2000)であることを特徴とするベーン型圧縮機。 - 前記シリンダヘッドおよびフレームに、前記シリンダの中心と同じ中心を有する円形の凹部が形成され、前記シリンダの中心と同じ中心を有する円周上を移動自在で、前記ベーンに係合するベーンアライナが前記凹部に配置され、
前記ベーンは、前記ロータシャフトが回転した際、前記ベーンアライナによって前記シリンダの中心からの放射方向に向かうように回動させられることを特徴とする請求項1記載のベーン型圧縮機。 - 前記ロータシャフトの外周面に到達する略円柱状のブッシュ保持部が前記ロータシャフトに形成され、一対の略半円柱状のブッシュが前記ブッシュ保持部に回動自在に配置され、該一対のブッシュによって前記ベーンは挾持されることを特徴とする請求項1または2記載のベーン型圧縮機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012002807A JP2013142325A (ja) | 2012-01-11 | 2012-01-11 | ベーン型圧縮機 |
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JP2013142325A true JP2013142325A (ja) | 2013-07-22 |
Family
ID=49039044
Family Applications (1)
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JP (1) | JP2013142325A (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CH181039A (de) * | 1935-01-28 | 1935-11-30 | Rotorkompressoren A G | Rotationskompressor mit in einem Gehäuse mit zylindrischer Bohrung exzentrisch zur Zylinderachse beidseitig gelagertem zylindrischem Rotor. |
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JPS5629001A (en) * | 1979-08-18 | 1981-03-23 | Masaichi Hashino | Rotary piston mechanism |
WO2010150816A1 (ja) * | 2009-06-24 | 2010-12-29 | 富士フイルム株式会社 | 組成物、化合物及び被膜形成方法 |
-
2012
- 2012-01-11 JP JP2012002807A patent/JP2013142325A/ja active Pending
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