JP2013140388A - 光学シート - Google Patents
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Abstract
【課題】コントラストに優れる光学シートを提供する。
【解決手段】映像光源2より観察者側に配置され、該映像光源からの光を制御して観察者側に出射する複数の層を備える光学シートであって、複数の層のうちの少なくとも1層が、光を透過可能にシート面に沿って並列され、シート厚方向断面において、一方のシート面側に短い上底、他方のシート面側に長い下底を有する台形であるプリズム部12、12、…と、プリズム部間に光を吸収可能に並列され、シート厚方向断面において、シート厚方向に延在する辺がシート面の法線に対してθhの傾きを有するように形成される光吸収部13、13、…と、を具備する光学機能シート層11であり、プリズム部が屈折率Npを有する材料で形成され、短い上底の長さをxとし、光吸収部のシート面法線方向の距離をzとしたとき、z≧x/(tan(sin−1(Np・2(1/2))−1)−tanθh)が成立することを特徴とする。
【選択図】図3
【解決手段】映像光源2より観察者側に配置され、該映像光源からの光を制御して観察者側に出射する複数の層を備える光学シートであって、複数の層のうちの少なくとも1層が、光を透過可能にシート面に沿って並列され、シート厚方向断面において、一方のシート面側に短い上底、他方のシート面側に長い下底を有する台形であるプリズム部12、12、…と、プリズム部間に光を吸収可能に並列され、シート厚方向断面において、シート厚方向に延在する辺がシート面の法線に対してθhの傾きを有するように形成される光吸収部13、13、…と、を具備する光学機能シート層11であり、プリズム部が屈折率Npを有する材料で形成され、短い上底の長さをxとし、光吸収部のシート面法線方向の距離をzとしたとき、z≧x/(tan(sin−1(Np・2(1/2))−1)−tanθh)が成立することを特徴とする。
【選択図】図3
Description
本発明は、映像源より観察者側に配置されて映像光や外光を適切に制御することができる光学シートに関し、詳しくは、良好なコントラストを確保することができる光学シートに関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」と記載することがある。)等の平板状の映像源を用いた表示装置では、PDPよりも観察者側に光学シートが配置されている。この光学シートは、観察者に質の高い映像光を提供するために設けられている。そのため該光学シートは、光学機能シート層を有する場合がある。これは、シート面に沿って並列され、PDPからの映像光を透過させるプリズム部と、該プリズム部間に配置され、映像光や外光を適切に遮断又は反射してコントラストを向上させたり、ゴーストを抑制したりする光吸収部とを備えるものである(特許文献1等)。
当該プリズム部及び光吸収部はコントラスト、透過率及び視野角に大きな影響を与え、その形状的な特徴により観察者側に出射される映像光の性質が大きく変わってしまう。特に、高いコントラストを得るためには光吸収部をシート厚方向に長く(深く)形成すれば良いことは知られているが、製造上の制約や他の性能への影響が大きいので、単純に長くすることは好ましくない。しかしプリズム部及び光吸収部の形状との関係でコントラストを適切に向上させることについてこれまで検討がされてこなかった。
そこで本発明は上記問題点に鑑み、コントラストに優れる光学シートを提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
請求項1に記載の発明は、映像光源(2)より観察者側に配置され、該映像光源からの光を制御して観察者側に出射する複数の層を備える光学シートであって、複数の層のうちの少なくとも1層が、光を透過可能にシート面に沿って並列され、シート厚方向断面において、一方のシート面側に短い上底、他方のシート面側に長い下底を有する台形であるプリズム部(12、12、…)と、プリズム部間に光を吸収可能に並列され、シート厚方向断面において、シート厚方向に延在する辺がシート面の法線に対してθhの傾きを有するように形成される光吸収部(13、13、…)と、を具備する光学機能シート層(11)であり、プリズム部が屈折率Npを有する材料で形成され、短い上底の長さをxとし、光吸収部のシート面法線方向の距離をzとしたとき、次式
z≧x/(tan(sin−1(Np・2(1/2))−1)−tanθh)
が成立することを特徴とする光学シート(10、20)を提供することにより前記課題を解決する。
z≧x/(tan(sin−1(Np・2(1/2))−1)−tanθh)
が成立することを特徴とする光学シート(10、20)を提供することにより前記課題を解決する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光学シート(10、20)における光吸収部(13、13、…)は、該光吸収部を構成する材料のみで形成された6μm厚さのシートの透過率測定において、透過率が40〜70%となるような光吸収性能を有するように構成されていることを特徴とする。
ここで「透過率」は、測定対象のシートを配置する前後における輝度の比を意味し、最大で100%の値をとる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の光学シート(10、20)のシート厚方向断面において、光吸収部(13、13、…)は一方のシート面側に底辺を有する三角形であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の光学シート(10、20)のシート厚方向断面において、光吸収部(13、13、…)は一方のシート面側に長い下底、他方のシート面側に短い上底を有する台形であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学シート(10、20)におけるプリズム部(12、12、…)の上底と下底との間に具備される台形の斜辺がシート面の法線に対して0度より大きく10度以下であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学シート(10、20)におけるプリズム部(12、12、…)の台形の斜辺が折れ線状、又は曲線からなることを特徴とする。
ここで、斜辺が曲線状である場合における該曲線とシート面の法線との成す角は、次のように求める。上記曲線をシート厚方向に10等分し、得られる各曲線の端点を結び、直線を得る。そして得られた各直線とシート面の法線との成す角がいずれも0度より大きく10度以下である。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学シート(10、20)における光吸収部(13、13、…)に平均粒径が1μm以上の光吸収粒子を含有することを特徴とする。
ここで「平均粒径が1μm以上」であることにおける「平均粒径が1μm」とは、重量分布法による粒度測定で、粒径が0.5μm以上で、1.5μmより小さい粒子を対象とし、粒度分布において標準偏差が0.3以上であることを意味する。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の光学シート(10、20)における光吸収部(13、13、…)が屈折率Nbである材料により形成され、Np及びNbが1.49〜1.56の値であることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の光学シート(10、20)におけるNpとNbとの関係がNp≧Nbであることを特徴とする。
本発明によれば、コントラストに優れる光学シートを提供することができる。
本発明の上記した作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は第一の形態にかかる光学シート10の断面を示し、その層構成を模式的に表した図である。図1では、見易さのため繰り返しとなる符号は一部省略することがある(以降に示す各図において同じ。)。光学シート10は、光学機能シート層11と、基材層としてのPETフィルム層16と、粘着剤層17とを備えている。上記各層は図1で示した断面を維持して紙面奥/手前方向に延在する。以下に各層について説明する。
光学機能シート層11は、光学シート10のシートの厚さ方向断面においてシート面に沿って並列され、略台形であるプリズム部12、12、…と、該プリズム部12、12、…の間に配置された光吸収部13、13、…とを備えている。図2に2つの光吸収部13、13及びこれに隣接するプリズム部12、12、12に着目した拡大図を示した。図1、図2、及び適宜示した図を参照しつつ光学機能シート層11について説明する。
プリズム部12、12、…は一方のシート面側が上底、他方のシート面側が下底となるように配置された略台形断面を有する要素である。また、プリズム部12、12、…は、屈折率がNpである光透過性樹脂で構成されている。これは通常、電離放射線、紫外線等により硬化する特徴を有する例えばエポキシアクリレート等により形成されている。Npの大きさは特に限定されることはないが、適用材料の入手性の観点から1.49〜1.56であることが好ましい。従って当該プリズム部12、12、…内を映像光が透過することにより観察者に映像光が提供される。
光吸収部13、13、…は、プリズム部12、12、…の間に配置される部位である。光吸収部13、13、…はプリズム部12、12、…の上底側を底辺とし、これに対向する頂点がプリズム部12、12、…の下底側となるような略三角形形状である。該光吸収部13、13、…は、屈折率がNbである物質が充填されたバインダー部14と、該バインダー部14に混入された光吸収粒子15、15、…とを備えている。
当該光吸収部13、13、…に外光が入射して吸収されることにより、外光が映像光に及ぼす影響を減じることができ、コントラストを向上させることができる。
バインダー部14に充填されるバインダー材は、屈折率Nbである材料により構成される。Nbの大きさは特に限定されることはないが、上記Np以下であることが好ましい。これによりプリズム部12、12、…と光吸収部13、13、…との界面において所定の条件でここに入射した光を反射させることが可能となる。また、Nbの大きさは適用する材料の入手性の観点から1.49〜1.56であることが好ましい。そして該バインダー材として用いられるものも特に限定されることはないが、例えば、電離放射線、紫外線等により硬化する特徴を有するウレタンアクリレート等を挙げることができる。
光吸収粒子15、15、…は、入手性及び取扱いの観点から平均粒径が1μm以上の粒子が好ましく、これはカーボン等の顔料又は赤、青、黄等の染料にて所定の濃度に着色されている。これには例えば市販の着色樹脂微粒子を使用することもできる。当該光吸収粒子15、15、…の屈折率Nrは特に限定されるものではない。
ここで、光吸収部13、13、…の光吸収性能は目的によって適宜調整可能であるが、表示装置に適用する多くの場合において、必要な光吸収を確保する観点から、該光吸収部を構成する材料のみで形成された6μm厚さのシートの透過率測定において、透過率が40〜70%となるような光吸収性能を有するように構成されていることが好ましい。透過率が40〜70%とするための手段は特に限定されるものではないが、例えば光吸収粒子の含有量や光吸収性能を調整して適用することを挙げることができる。
さらに、光吸収部13、13、…の斜辺(シート厚さ方向に延在する2つの辺)のシート面法線に対する角度θhは目的に応じて変更可能であり、特に限定されるものではないが、通常の表示装置の場合、適切に外光及び映像光の反射、吸収をする観点から、0度より大きく10度以下であることが好ましく、0度より大きく6度以下であることがさらに好ましい。
さらに光学シート10は光学機能シート層11に関して以下のような特徴を有する。図3に当該特徴を説明するための図を示した。図3を参照しつつ光学機能シート層11の特徴について説明する。
一般に、異なる材料が積層されたフィルム等において、屈折率の異なる物質の界面に角度を有して入射した光は屈折して進行することが知られている。そしてその屈折の程度はスネルの法則にみられるように、界面を形成する2つの物質の屈折率によって決まる。すなわち界面を挟んで一方と他方において、屈折率Nとsinθとの積であるN・sinθが一定となるように光が進行する。ここで、θは光の入射面(界面)の法線に対する入射光の成す角度である。
一般に、異なる材料が積層されたフィルム等において、屈折率の異なる物質の界面に角度を有して入射した光は屈折して進行することが知られている。そしてその屈折の程度はスネルの法則にみられるように、界面を形成する2つの物質の屈折率によって決まる。すなわち界面を挟んで一方と他方において、屈折率Nとsinθとの積であるN・sinθが一定となるように光が進行する。ここで、θは光の入射面(界面)の法線に対する入射光の成す角度である。
図3に示したように、プリズム部12の上底の長さをx、光吸収部13の底辺の半分の長さをy、光吸収部13の深さ(厚さ方向長さ)をzとする。
ここで、光学シート10が備えられる表示装置に上方(紙面上側)から入射角45度で外光L1が入射した場面を考える。外光の入射角を45度としたのは、通常考えられる外光として天井に設けられた電灯を挙げることができ、他の外光も含めて平均すると外光の入射角45度で代表することが適切であることによる。
ここで、光学シート10が備えられる表示装置に上方(紙面上側)から入射角45度で外光L1が入射した場面を考える。外光の入射角を45度としたのは、通常考えられる外光として天井に設けられた電灯を挙げることができ、他の外光も含めて平均すると外光の入射角45度で代表することが適切であることによる。
外光L1が光学シート10内を進行するに際しては各層の界面において上記スネルの法則が成立するので、(式1)が一定値をとる(空気の屈折率N0=1)。
N0・sin45°=1・2(−1/2) (式1)
従って、当該L1が光学機能シート層11に達し、プリズム部12を透過する光L1’については次の(式2)が成立し、これを変形して(式3)を得ることができる。
Np・sinθ1=2(−1/2) (式2)
θ1=sin−1(Np・2(1/2))−1 (式3)
N0・sin45°=1・2(−1/2) (式1)
従って、当該L1が光学機能シート層11に達し、プリズム部12を透過する光L1’については次の(式2)が成立し、これを変形して(式3)を得ることができる。
Np・sinθ1=2(−1/2) (式2)
θ1=sin−1(Np・2(1/2))−1 (式3)
ここで、光L1’は、1つの光吸収部13の外光入射側端部から入射し、該光吸収部13の1つ下の光吸収部13の他端側端部に達するようにプリズム部12を進行する。これにより次の(式4)が成立し、これを変形して(式5)、(式6)を得る。
z・tanθ1=x+y (式4)
z・tanθ1=x+z・tanθh (式5)
z=x/(tanθ1−tanθh) (式6)
z・tanθ1=x+y (式4)
z・tanθ1=x+z・tanθh (式5)
z=x/(tanθ1−tanθh) (式6)
(式6)に上記(式3)により得られたθ1を代入することで次の(式7)を得ることができる。
z=x/(tan(sin−1(Np・2(1/2))−1)−tanθh)(式7)
光L1’は上記のように、図3の下側の光吸収部13の底面側端部にちょうど達する光なので、zがこれ以上大きいことにより当該光L1’は光吸収部13に吸収される。これにより良好なコントラストを得るためには、光吸収部13の深さzにおいて、次の式を満たすとよい。
z≧x/(tan(sin−1(Np・2(1/2))−1)−tanθh)(式8)
z=x/(tan(sin−1(Np・2(1/2))−1)−tanθh)(式7)
光L1’は上記のように、図3の下側の光吸収部13の底面側端部にちょうど達する光なので、zがこれ以上大きいことにより当該光L1’は光吸収部13に吸収される。これにより良好なコントラストを得るためには、光吸収部13の深さzにおいて、次の式を満たすとよい。
z≧x/(tan(sin−1(Np・2(1/2))−1)−tanθh)(式8)
これによればコントラストを良好とするためのプリズム部12、12、…及び光吸収部13、13、…の構造を得ることができる。従って(式8)を満たすことにより本発明の効果を奏する光学シート10を提供することができる。この中でも、(式7)が成立することが好ましい。これにより、適切なコントラストを得つつもこれに相反する性質である透過率や視野角も所定の大きさを確保することが可能となる。また、製造上の観点からはzができるだけ小さい方がよく、かかる意味からも(式7)が成立することが好ましい。
zの値の上限は特に限定されるものではないが、zの増加による材料費上昇の観点、及びシートの成形性の観点から400μm以下であることが好ましく、200μm以下がさらに好ましい。
zの値の上限は特に限定されるものではないが、zの増加による材料費上昇の観点、及びシートの成形性の観点から400μm以下であることが好ましく、200μm以下がさらに好ましい。
ここで、実際に光学シート10が表示装置に用いられる場合において、表示装置の大きさやこれが通常使用される環境等の観点から、2・y/(2・y+x)×100%で定義される光吸収部占有面積率は10〜50%であることが好ましい。また、上記zも100〜150μmである範囲が好ましい。
ここまで光学機能シート層11について説明したが、該光学機能シート層11の形状は、図1〜図3に示したように、プリズム部12、12、…が台形断面を有し、これらに挟まれて形成される光吸収部13、13、…は三角形断面を有している。しかし、適切に光を制御することができれば、これら形状は特に限定されることなく適宜適切な形状が採用される。図4に変形例を示した。図4は光学機能シート層11’における1つの光吸収部13’と、その両側に配置されるプリズム部12’、12’に注目して示した図である。図4からわかるように、光吸収部13’の断面における斜辺(プリズム部12’、12’の斜辺)は、1つの斜辺からではなく、2つの斜辺13a’、13a’、13b’、13b’から構成されている。すなわち断面において折れ線状の斜辺を有している。詳しくは、プリズム部12’、12’の上底(短い側の底)側(紙面左側)に配置される斜辺13a’、13a’は光学シートのシート面の法線に対して角度θh1を有している。一方、プリズム部12’、12’の下底(長い側の底)側(紙面右側)に配置される斜辺13b’、13b’は光学シートのシート面の法線に対して角度θh2を有している。
この角度θh1、θh2は、θh1>θh2の関係であるとともにいずれも0度より大きく10度以下の範囲であることが好ましい。さらに好ましい角度は0度より大きく6度以下である。また、2つの斜辺13a’、13b’は、光学機能シート層11’の厚み方向(紙面左右方向)にz1とz2に分ける位置で交差する。z1とz2とは同じ大きさであることが好ましい。
かかる場合においては、上記(式4)の「y」を「y’」とし、該y’を
y’=z1・tanθh1+z2・tanθh2 (式9)
とすれば上記他の式を用いることができる。ただし、z=z1+z2である。
y’=z1・tanθh1+z2・tanθh2 (式9)
とすれば上記他の式を用いることができる。ただし、z=z1+z2である。
当該変形例は、2つの斜辺により構成されている例であるが、さらに多くの斜辺で構成されることにより、断面において折れ線状であっても良い。さらにはこれが曲線状であっても良い。
本形態では、光吸収部が略三角形である場合を示して説明したが光吸収部の形状はこれに限定されるものではなく台形であってもよい。図5に、光吸収部が台形である例における光学シートの光学機能シート層11’’の光吸収部13’’及びこれに隣接するプリズム部12’’、12’’を示した。ここでは、図5のように光吸収部13’’が台形であり、このときには該台形における長い底辺(下底)をプリズム部12’’の上底側、短い底辺(上底)をプリズム部12’’の下底側に配置することができる。ここで図5にAで示した上底の長さは2〜25μmの範囲であることが好ましい。
この場合においても、上記(式1)〜(式8)を用いることができる。この場合には、(式4)における「y」を「y’’」とし、y’’を
y’’=z’’・tanθh’’ (式10)
とすればよい。
y’’=z’’・tanθh’’ (式10)
とすればよい。
図1に戻り、光学シート10の他の構成について説明する。PETフィルム層16は、該PETフィルム層16上に上記光学機能シート層11を形成するためのベースとなるフィルム層で、PETを主成分として形成されている。当該PETフィルム層16はPETを主成分として含有していれば良く、他の樹脂が含まれてもよい。ここで主成分とはPETフィルム層全体に対して50質量%以上を意味する。また、各種添加剤を添加してもよい。一般的な添加剤としては、フェノール系等の酸化防止剤、ラクトン系等の安定剤等を挙げることができる。
粘着剤層17は、後述するように例えばプラズマテレビ1に配置される他のシートや部材に光学シート10を接着させるための粘着剤が配置された層である。粘着剤層17に用いられる粘着剤は光を透過させるとともに、適切に光学シート10を他に接着させることができればその材質は特に限定されるものではない。これには例えばアクリル系の共重合体等を挙げることができ、その粘着力は例えば数N/25mm〜20N/25mm程度である。
光学シート10は、例えば次のように製造される。PETフィルム層16の一面側に、プリズム部の材料となる液状体を塗布する。次に、プリズム部形状を形成するロール金型とPETフィルムとの間に、上記プリズム部となる材料を挟んだ状態で紫外線を照射することにより硬化させてプリズム部12、12、…を形成する。そして、プリズム部12、12、…の間に、黒色の光吸収粒子が分散されたバインダー部の材料となる透明樹脂の液状体を充填し、スキージする等して余分な材料を取り除くとともに、紫外線を照射することで硬化させる。これにより光吸収部13、13、…が形成される。
図6は、第二の形態にかかる光学シート20の断面を示し、その層構成を模式的に表した図である。光学シート20は、光学機能シート層11と、基材層としてのPETフィルム層16と、粘着剤層17とを備えて形成されている。上記各層は図2に示した断面を維持して紙面奥/手前方向に延在する。
光学シート20は、粘着剤層17が光学機能シート層11の一面側で、PETフィルム層16が配置される面とは反対側に備えられることを特徴とする。粘着剤層17がこのように配置されても本発明の光学シートとすることができる。光学シート20に備えられる各層のついては、光学シート10における説明と共通するのでここでは説明を省略する。光学シート20のかかる層構成により、後述するように当該光学シート20をPDP2(図8参照)に直接貼り付けて積層させることが可能となる。
以上説明した本発明の光学シート10、20に具備される基材層については、必ずしもPETを材料とすることはなく、その他にもポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、又はポリトリメチレンテレフタレート樹脂(PTT)等の「ポリエステル系樹脂」を用いることができる。本実施形態では、性能に加え、量産性、価格、入手可能性等の観点からPETを主成分とする樹脂が好ましい材料であるとして説明した。
さらに光学シート10、20には、電磁波を遮断する層、赤外線を遮断する層、ネオン線を遮断する層、色調を補正する層、帯電を防止する層、反射を防止する層、及び防眩層等の機能フィルム層が備えられてもよい。このような層が備えられてもスネルの法則によれば屈折率と入射光の正弦との積が一定なので上記式は影響を受けることはない。
次に、以上のような本発明の光学シート10が表示装置であるプラズマテレビ1に取り付けられた時の構成について説明する。図7は光学シート10がPDP2の映像出射側に配置され、当該PDP2及び光学シート10がプラズマテレビ1に備えられたときの該PDP2及び光学シート10の層構成を模式的に示した図である。図7では紙面右が観察者側である。
図7に示したように、本発明の光学シート10は、映像源であるPDP2に対してBで示した間隙を有して観察者側に配置される。また粘着剤層17の観察者側には、ガラス板6やAS、ARの機能を有する各種層(3、4)が設けられている。ここで、「AS」とは「アンチスタティック」の略で帯電防止機能を意味する。「AR」とは「アンチリフレクション」の略で光の反射率を抑える機能をいう。また、ARの代わりにプリズム部表面のぎらつきを防止することができる機能である「アンチグレア(AG)」の層が備えられてもよい。
ここで、その性質上AR層が最も観察者側に配置されることが好ましく、ARとAGとが両方の性質を有する1枚のフィルムで構成されてもよい。また、他に備えられる層としてAS、AR、AGの各種層を例に挙げたが、その他必要に応じてさらに他の機能を有する層を備えることができる。これには例えば、電磁波を遮断する層、赤外線を遮断する層、ネオン線を遮断する層、調色層等を挙げることができる。このような層が備えられてもスネルの法則によれば屈折率と入射光の正弦との積が一定なので上記した各式は影響を受けることはない。
図8は、他のプラズマテレビ1’の例で光学シート20が適用された場合である。図8は図7に相当する図で、光学シート20がPDP2の映像出射側に配置され、当該PDP2及び光学シート20がプラズマテレビ1’に備えられたときの該PDP2及び光学シート20の層構成を模式的に示した図である。図8では紙面右が観察者側である。
図8からわかるように、プラズマテレビ1’では、光学シート20の粘着剤層17の上記配置により該光学シート20がPDP2の映像出射側に直接積層されている。これはいわゆる直貼り方式と称され、表示装置のさらなる薄型化をすることが可能となる。当該直貼り方式であってもよい。
以上のような構成を備える光学シートに関して、以下に実施例を示し、さらに詳しく説明する。ただし、本発明は実施例の範囲に限定されるものではない。
実施例として、図3に示したx、y、及びθhを一定とし、z(深さ)を変更した光学シートについてコントラスト、透過率、及び視野角を評価した。以下に条件、及び結果について説明する。
<試験試料>
試験に供された試料の仕様を表1に示した。表1においてNo.0には、上記(式7)により計算された深さzの値を示した。これによれば、z=115.0μmとなる。また、No.1の試料は光吸収部を備えない光学シートの例である。
試験に供された試料の仕様を表1に示した。表1においてNo.0には、上記(式7)により計算された深さzの値を示した。これによれば、z=115.0μmとなる。また、No.1の試料は光吸収部を備えない光学シートの例である。
<コントラスト>
コントラストの測定は次のようにおこなった。光学シートの画面中心に向けて上から45度の角度で、照度150lxとなるように外光を照射する。そして、PDPにより画面を白く表示させた場合と、黒画面とした場合との輝度の比をコントラストとした(自動変角光度計、村上色彩研究所製、GP−500)。輝度の測定位置は、画面から該画面の法線方向に所定の距離だけ離隔した位置である。ここで所定の距離は画面の高さ(上下方向大きさ)に対して3倍とした。
コントラストの測定は次のようにおこなった。光学シートの画面中心に向けて上から45度の角度で、照度150lxとなるように外光を照射する。そして、PDPにより画面を白く表示させた場合と、黒画面とした場合との輝度の比をコントラストとした(自動変角光度計、村上色彩研究所製、GP−500)。輝度の測定位置は、画面から該画面の法線方向に所定の距離だけ離隔した位置である。ここで所定の距離は画面の高さ(上下方向大きさ)に対して3倍とした。
<視野角特性>
視野角特性は各視野角における相対輝度を測定することによりおこなった。ここで視野角とは、画面の中心からの該画面の法線と、画面の中心へ向けた視線との角度を意味する。視野角の正負は図1における紙面上方を正、紙面下方を負としたものである。相対輝度とは、光学シートを配置しない場合における輝度を100%としたとき、光学シートを配置したときの輝度のこれに対する比率(割合)を意味する。測定は自動変角光度計(村上色彩研究所製、GP−500)により各角度についておこなった。評価は相対輝度がピークに対して50%になる視野角を調べることにより行った。
視野角特性は各視野角における相対輝度を測定することによりおこなった。ここで視野角とは、画面の中心からの該画面の法線と、画面の中心へ向けた視線との角度を意味する。視野角の正負は図1における紙面上方を正、紙面下方を負としたものである。相対輝度とは、光学シートを配置しない場合における輝度を100%としたとき、光学シートを配置したときの輝度のこれに対する比率(割合)を意味する。測定は自動変角光度計(村上色彩研究所製、GP−500)により各角度についておこなった。評価は相対輝度がピークに対して50%になる視野角を調べることにより行った。
<透過率>
透過率は正面相対輝度を得ることにより行った。これは光学シート正面における相対輝度である。ここで、相対輝度とは、光学シートを配置しない場合における輝度を100%とし、光学シートを配置したときの輝度のこれに対する比率(割合)を意味する。測定は自動変角光度計(村上色彩研究所製、GP−500)によりおこなった。
透過率は正面相対輝度を得ることにより行った。これは光学シート正面における相対輝度である。ここで、相対輝度とは、光学シートを配置しない場合における輝度を100%とし、光学シートを配置したときの輝度のこれに対する比率(割合)を意味する。測定は自動変角光度計(村上色彩研究所製、GP−500)によりおこなった。
表2及び図9〜図11に結果を示す。図9は光吸収部の深さとコントラストとの関係を示すグラフ、図10は光吸収部の深さと視野角との関係を示すグラフ、及び図11は光吸収部の深さと正面相対輝度との関係を示す図である。
表2、及び図9〜図11からわかるように、z=115.0以上においては概ね同じである高い水準のコントラストを得ることができる。すなわち本発明の構成の光学シートにすることにより確実に高い水準のコントラストを確保することができる。また、視野角及び透過率についてもz=115以上において概ねその値が安定していることがわかる。従って、性能としても安定した光学シートとなる。これにより例えば寸法誤差による性能変化の生じにくい安定した製品を製造することも可能である。
以上、現時点において最も実践的であり、かつ好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う光学シートも本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
1、1’ プラズマテレビ(表示装置)
2 プラズマディスプレイパネル(PDP、映像源)
10、20 光学シート
11、11’、11’’ 光学機能シート層
12 プリズム部
13 光吸収部
14 バインダー部
15 光吸収粒子
16 PETフィルム層
17 粘着剤層
2 プラズマディスプレイパネル(PDP、映像源)
10、20 光学シート
11、11’、11’’ 光学機能シート層
12 プリズム部
13 光吸収部
14 バインダー部
15 光吸収粒子
16 PETフィルム層
17 粘着剤層
Claims (9)
- 映像光源より観察者側に配置され、該映像光源からの光を制御して前記観察者側に出射する複数の層を備える光学シートであって、
前記複数の層のうちの少なくとも1層が、
光を透過可能にシート面に沿って並列され、シート厚方向断面において、一方のシート面側に短い上底、他方のシート面側に長い下底を有する台形であるプリズム部と、前記プリズム部間に光を吸収可能に並列され、前記シート厚方向断面において、前記シート厚方向に延在する辺が前記シート面の法線に対してθhの傾きを有するように形成される光吸収部と、を具備する光学機能シート層であり、
前記プリズム部が屈折率Npを有する材料で形成され、前記短い上底の長さをxとし、
前記光吸収部の前記シート面法線方向の距離をzとしたとき、次式
z≧x/(tan(sin−1(Np・2(1/2))−1)−tanθh)
が成立することを特徴とする光学シート。 - 前記光吸収部は、該光吸収部を構成する材料のみで形成された6μm厚さのシートの透過率測定において、透過率が40〜70%となるような光吸収性能を有するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学シート。
- 前記シート厚方向断面において、
前記光吸収部は前記一方のシート面側に底辺を有する三角形であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学シート。 - 前記シート厚方向断面において、
前記光吸収部は前記一方のシート面側に長い下底、前記他方のシート面側に短い上底を有する台形であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学シート。 - 前記プリズム部の前記上底と前記下底との間に具備される前記台形の斜辺が前記シート面の法線に対して0度より大きく10度以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学シート。
- 前記プリズム部の前記台形の斜辺が折れ線状、又は曲線からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学シート。
- 前記光吸収部に平均粒径が1μm以上の光吸収粒子を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学シート。
- 前記光吸収部が屈折率Nbである材料により形成され、前記Np及びNbが1.49〜1.56の値であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の光学シート。
- 前記Npと前記Nbとの関係がNp≧Nbであることを特徴とする請求項8に記載の光学シート。
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JP2013052999A JP2013140388A (ja) | 2013-03-15 | 2013-03-15 | 光学シート |
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JP2013200576A (ja) * | 2013-06-10 | 2013-10-03 | Dainippon Printing Co Ltd | 光学シート、及び該光学シートを備える表示装置 |
Citations (4)
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JP2004110002A (ja) * | 2002-08-29 | 2004-04-08 | Dainippon Printing Co Ltd | 透過型スクリーン用の拡散シート及び透過型スクリーン |
JP2004151592A (ja) * | 2002-10-31 | 2004-05-27 | Dainippon Printing Co Ltd | コントラスト向上シートおよび背面投射型スクリーン |
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-
2013
- 2013-03-15 JP JP2013052999A patent/JP2013140388A/ja active Pending
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