JP2013134097A - シンチレータパネル、放射線検出装置、及び、それらを用いた放射線検出システム - Google Patents
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Abstract
【課題】シンチレータで発生した光の利用効率がより良好なシンチレータパネルを提供する。
【解決手段】放射線を光電変換素子が感知可能な波長の光に変換するシンチレータ121を有するシンチレータパネル120であって、前記シンチレータパネル120の表面に複数の凸部を有し、複数の凸部のうち隣接する複数の凸部の間隔が、シンチレータ121で発生した光の波長の回折限界未満であることでシンチレータ121内での反射を抑制し、シンチレータ光利用効率を高めることが可能となる。
【選択図】図1
【解決手段】放射線を光電変換素子が感知可能な波長の光に変換するシンチレータ121を有するシンチレータパネル120であって、前記シンチレータパネル120の表面に複数の凸部を有し、複数の凸部のうち隣接する複数の凸部の間隔が、シンチレータ121で発生した光の波長の回折限界未満であることでシンチレータ121内での反射を抑制し、シンチレータ光利用効率を高めることが可能となる。
【選択図】図1
Description
本発明は、シンチレータパネル、放射線検出装置、及び、それらを用いた放射線検出システムに関する。
従来の放射線検出装置には、マトリクス状に複数配置された光電変換素子を有するセンサパネルに、放射線を光電変換素子が感知可能な波長の光に変換するシンチレータ層を有するシンチレータパネルを固定したものがある。特許文献1では、シンチレータと光電変換素子との光学的結合改善のために、センサパネルが光吸収を改善する凹凸付き受光面を含み、センサパネルとシンチレータ層との間にセンサパネル側から順に空隙と反射防止層とを設けた放射線検出装置が開示されている。
以上に述べた従来の放射線検出装置では、反射防止層と空隙の間で屈折率差がある場合、反射防止膜と空隙の間で光の反射が発生するおそれがある。そのため、シンチレータで発生した光がセンサパネルに到達する光量が低下し、シンチレータで発生した光をセンサパネルが利用する光の利用効率が低下するという課題があった。
本発明のシンチレータパネルは、放射線を光電変換素子が感知可能な波長の光に変換するシンチレータを有するシンチレータパネルであって、前記シンチレータパネルの表面が複数の凸部を有し、前記複数の凸部のうち隣接する複数の凸部の間隔が、前記シンチレータで発生した光の波長の回折限界未満であることを特徴とするものである。
また、本発明の放射線検出装置は、光電変換素子を有するセンサパネルと、放射線を前記光電変換素子が感知可能な波長の光に変換するシンチレータを有するシンチレータパネルと、を有し、前記シンチレータパネルの前記センサパネルと対向する表面の屈折率と異なる屈折率の部材を前記光電変換素子と前記表面との間に挟んで前記センサパネルに前記シンチレータが固定された放射線検出装置において、前記表面が複数の凸部を有し、前記複数の凸部のうち隣接する複数の凸部の間隔が、前記シンチレータで発生した光の波長の回折限界未満であることを特徴とするものである。
また、本発明の放射線検出装置は、光電変換素子を有するセンサパネルと、放射線を前記光電変換素子が感知可能な波長の光に変換するシンチレータを有するシンチレータパネルと、を有し、前記シンチレータパネルの前記センサパネルと対向する表面の屈折率と異なる屈折率の部材を前記光電変換素子と前記表面との間に挟んで前記センサパネルに前記シンチレータが固定された放射線検出装置において、前記表面が複数の凸部を有し、前記複数の凸部のうち隣接する複数の凸部の間隔が、前記シンチレータで発生した光の波長の回折限界未満であることを特徴とするものである。
本発明により、シンチレータで発生した光の利用効率がより良好なシンチレータパネル及び放射線検出装置を実現することが可能となる。
以下に、図1(a)、図1(b)、図2、図3(a)、及び、図3(b)を用いて本発明の放射線件検出装置の実施形態を詳細に説明する。まず、図1(a)は本発明の放射線検出装置の概略平面模式図であり、図1(b)は図1(a)のA−A’箇所における断面模式図である。図2は1画素あたりの断面を拡大した断面模式図である。図3(a)はシンチレータ表面の凹凸形状を説明する平面模式図であり、図3(b)は図3(a)のB−B’箇所における断面模式図である。
図1(a)及び図1(b)に示すように、放射線検出装置100は、筐体180内に、複数の画素112がマトリクス状に複数配列されたセンサパネル110と、センサパネル110に対向して配置されたシンチレータ121を有するシンチレータパネル120と、を含む。画素112には後述する光電変換素子202が少なくとも備えられており、画素112の幅となる光電変換素子の幅は、好適には50〜200μmである。センサパネル110とシンチレータパネル120は、少なくとも封止部130により接着固定される。放射線検出装置100は、駆動回路141を有する駆動用フレキシブル回路基板142と、駆動用プリント回路基板143と、信号処理回路151を有する信号処理用フレキシブル回路基板152と、信号処理用プリント回路基板153と、を更に含む。放射線検出装置100は、制御及び電源回路171を有するプリント回路基板172を更に含む。駆動用プリント回路基板143とプリント回路基板172はフレキシブル回路基板161により接続され、信号処理用プリント回路基板153とプリント回路基板172はフレキシブル回路基板162により接続される。
図1(b)及び図2に示すように、シンチレータパネル120は、放射線を光電変換素子202が感知可能な波長の光に変換するシンチレータ121を含む。シンチレータパネル120は、基材122と反射層123と絶縁層124とを含む支持体127と、被覆層125と、を更に含む。シンチレータ121は、放射線を光電変換素子202が感知可能な波長の光に変換するものであり、柱状結晶シンチレータや粒子状シンチレータが用いられ得る。柱状結晶シンチレータとしては、ヨウ化セシウム(CsI)等のアルカリハライドシンチレータに、タリウム(Tl)等の付活剤が添加され活性化されたもの(CsI:Tl)が用いられ得る。CsI:Tlとしては、平均厚さが300〜500μmで、柱状結晶の平均柱径が8μmで、ICP発光分析法で測定したTl濃度が約1.0mol%のものが好適に用いられ得る。粒子状シンチレータとしては、テルビウム(Tb)が微量添加された酸硫化ガドリニウム(Gd2O2S:Tb)が用いられ得る。基材122は、アモルファスカーボン(a−C)やアルミニウム(Al)等の放射線透過率の高い材料が好適に用いられ得る。反射層123は、シンチレータ121で発生した光をセンサパネル110側に反射させるものであり、銀(Ag)やAl等の、高い光反射率で且つ高い放射線透過率の材料が好適に用いられ得る。ただし、基材122にAlを用いた場合には、反射層123は省略することもできる。絶縁層123は、基材122や反射層123とシンチレータ121との間で電気化学的腐食が発生することを抑制するものであり、ポリパラキシリレン等の有機絶縁材料やSiO2等の無機絶縁材料が用いられ得る。例えば基材122にAlを用いた場合には、絶縁層123としてAl2O3を用いてもよい。被覆層125はシンチレータ121を湿度劣化等から保護するためのものであり、特に吸湿性の高いCsI:Tlではシンチレータ121を覆うように被覆層125を設けることが望ましい。被覆層125の材料としては、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂などの一般的な封止用有機材料や、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリアミド系等のホットメルト樹脂材料等を用い得るが、特に水分透過率の低い樹脂が望ましい。例えば、CVD蒸着で形成するポリパラキシリレンの有機樹脂や、ポリオレフィン系樹脂に代表されるホットメルト樹脂を好適に用いることができる。ホットメルト樹脂としては、厚さ15〜25μmのポリオレフィン系ホットメルト樹脂が好適に用いられ、その屈折率は1.47である。フッ素樹脂としては、厚さ4μmで、その屈折率は1.35であり、粘度が400cPsで、可視光に対して透明な液体樹脂である、フロロサーフFG−3020(フロロテクノロジー社製)を用いることが好ましい。なお、本実施形態では、シンチレータパネル120のセンサパネル110と対向する表面である、被覆層125のセンサパネル110と対向する表面に、微細な凹凸構造(凹部又は凸部)を有するサブ波長構造125aが設けられている。
図3(a)及び図3(b)に示すように、サブ波長構造125aは、最も近く隣り合う2つの凸部301の間隔Pが、シンチレータ121で発生した光の波長の回折限界未満(〜λ/2n)を呈する。このような構造を、サブ波長構造(Sub Wavelength Structure;SWS)と称する。ここで、λは光の波長、nは屈折率であり、回折限界とは、光が波の性質をもつためにその波長より小さいスケールを扱うことができないという限界のことである。これは、異なる屈折率を有する複数の部材間において、光は回折限界(〜λ/2n)未満の構造を、ほぼ 「平均値」 としてしか感じることができない。そのため、光が異なる屈折率の部材間で屈折率が緩やかに変化するように感じることとなるため、光にとって急激に屈折率が変化する界面がないこととなり、複数の部材間での反射が抑制される。一方、凸部301の間隔Pが、シンチレータ121で発生した光の波長の回折限界以上であれば、光は凸部301内で1波長を構成できることとなる。そのため、光と凸部301と他の物体との界面で反射することができ、光の透過量は低下してしまう。ここで、複数の部材間での反射は、2つの部材のうち屈折率の高い部材から屈折率の低い部材に向かって進む光の反射と、2つの部材のうち屈折率の低い部材から屈折率の高い部材に向かって進む光の反射と、を含む。シンチレータパネル120の表面をサブ波長構造125aとすることにより、シンチレータパネル120で発生した光がその表面で反射することによる、光のセンサパネルに到達する効率が低下することを抑制できる。それにより、高い光出力で且つ高解像度のシンチレータパネル及び放射線検出装置を提供できることとなる。本実施形態では、サブ波長構造125aは、凸部の間隔Pが200nmで高さHが300nmの半楕円形の形状としている。ここで、サブ波長構造125aは、一定の間隔Pで規則的に配列されていてもよく、又、不規則な間隔で配列された構造でもよい。その場合には、間隔の平均値がシンチレータ121から発する光の波長の回折限界未満であればよい。つまり、不規則な間隔で配列された構造の場合は、間隔Pを不規則な間隔の平均値とする。ここで、間隔Pは、凸部301の重心間の距離とする。
波長λは、シンチレータ121が発する光を有効利用するために、その最大発光波長とすることが好ましく、さらに有効利用するためには、シンチレータ121が発する光の最低発光波長とすることがより好ましい。ここで、最大発光波長とは、シンチレータが発する光の波長のうちの最も強度の高い波長であり、最低発光波長とは、シンチレータが発する光の波長のうち最も短い波長である。例えば、CsI:Tlをシンチレータとして用いた場合には、最大発光波長が550nmであるため、間隔P<275nmにおいて、ピーク波長に対して回折限界未満となる。GOS:Tbをシンチレータとして用いた場合には、代表的な最大発光波長が520〜580nmにあるため、間隔P<260nmにおいて最大発光波長に対して回折限界未満となる。凸部の高さHは、特に規定はないが、製造工程の簡略性を鑑みると、間隔Pと同等とすることが好ましい。また、間隔Pは、サブ波長構造を形成できる製造限界がその下限であり、半導体露光装置の露光限界である40nm以上となる。
センサパネル110は、ガラス基板などの絶縁性表面を有する基板111上に、マトリクス状に配置された複数の画素112と、配線113と、パッシベーション層114と、保護層115と、を含む。画素112は、光電変換素子202とスイッチ素子201とを含む。光電変換素子202は、層間絶縁層203を挟んでスイッチ素子201の上に配置されており、光電変換素子202の2つの電極の一方がスイッチ素子201に接続される。なお、本実施形態では、非晶質シリコン等の非単結晶半導体材料を用いたMIS型センサやPIN型フォトダイオード等の、薄膜半導体プロセスで形成される光電変換素子を用いている。スイッチ素子201は、基板111と光電変換素子202との間に配置されており、層間絶縁層203に設けられたコンタクトホールにおいて光電変換素子202と接続される。なお、本実施形態では、非晶質シリコンや多結晶シリコン等の非単結晶半導体材料を用いた薄膜トランジスタ等の、薄膜半導体プロセスで形成される薄膜半導体素子を用いている。画素112の幅は50〜200μmで、その幅を1ピッチとして周期的にマトリクス状に配列される。配線113は、画素112に接続されており、画素112を駆動するための駆動配線、画素112で発生した電気信号を伝送するための信号配線、光電変換素子にバイアスを供給するためのバイアス配線、のいずれかである。パッシベーション層114は、複数の画素112と配線113とを覆うように配置されており、後述するシンチレータ121から出射される光に対して高い透過率を示す無機材料が用いられる。この無機材料としては、SiNXやSiO2、TiO2 、LiF、Al2O3 、MgO等が好適に用いられ得る。好ましくは、パッシベーション層114として厚さ0.5μmの窒化シリコンを用い、その屈折率は1.90である。保護層115は、複数の画素112の上のパッシベーション層114を少なくとも覆うように配置されており、シンチレータ121から出射される光に対して高い透過率を示す有機樹脂が用いられる。この有機樹脂としては、ポリフェニレンサルファイド樹脂、フッ素樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等が用いられ得る。本実施形態では、保護層115に被覆層125とは異なる屈折率の材料を使用している。好ましくは、保護層115として厚さ7μmのポリイミド樹脂を用い、その屈折率は1.70である。なお、本実施形態では、シンチレータパネル120と対向するセンサパネル110の表面である、保護層115の表面に、サブ波長構造115aが設けられている。サブ波長構造115aは、サブ波長構造125aと同様のものである。ただし、サブ波長構造115aは本発明において必須ではなく、保護層115の表面は平坦であってもよい。また、保護層115を設けずに、パッシベーション層114のシンチレータ121側の表面をサブ波長構造としてもよい。その場合、例えば半導体露光装置を用いてドットパターンであるレジストをフォトリソグラフィー法により形成して、エッチングによりサブ波長構造とすることが好ましい。
本実施形態では、シンチレータパネル120とセンサパネル110との間に部材126を介して、封止部130でシンチレータパネル120とセンサパネル110が接着固定されている。本実施形態では部材126として厚さ25μmの空気の層(屈折率は1)が用いられているが、光透過性が高く被覆層125とは屈折率が異なる接着剤を用いてもよい。接着剤を用いる場合には、シンチレータパネルと120とセンサパネル110との密着性がより向上する。ただし、接着剤を用いる場合には、接着剤の厚み分光電変換素子とシンチレータ121との距離が大きり解像度が低下するおそれがあるため、解像度の点では空気の層の方がより好ましい。接着剤としては、サブ波長構造を転写するように、十分柔らかく、表面形状を追従可能であるものが好ましく、例えば、塗布時には液状であり、貼り合わせ後に熱硬化処理等により硬化可能な材料が好ましい。材料としては、例えば低粘度に調整されたシリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、エポキシ系樹脂等が用いられる。アクリル樹脂としては、厚さ25μmのアクリル系接着剤を用い、その屈折率は1.55であるものが好ましい。フッ素樹脂の接着剤としては、その屈折率は1.35であり、粘度が400cPsで、可視光に対して透明な液体樹脂である、フロロサーフFG−3020(フロロテクノロジー社製)を用いることが好ましい。また、部材126を用いずに、センサパネル110とシンチレータパネル120が、その間に部材126を介在させずに密着されてもよい。そのような場合、具体的には、被覆層125として液体樹脂をシンチレータ121の表面に塗布した後、液体樹脂が硬化する前にセンサパネル110と貼り合わせる。それにより、被覆層125の表面には、保護層115のサブ波長構造が転写される。その後、液体樹脂を硬化させて被覆層125を形成する。
封止部130は、シンチレータパネル120の耐湿性能向上のため、被覆層125と同様に水分透過率の低い材料、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂等を用いることが好ましい。
次に、図4(a)〜(c)、及び、図5(a)〜(d)を用いて、本発明の放射線検出装置の製造方法の一例を説明する。図4(a)〜(c)は本発明のシンチレータパネルの製造工程を説明するための断面図で、図5(a)〜(d)は、センサパネル及び放射線検出装置の製造工程を説明するための断面図である。
まず、図4(a)〜(c)を用いてシンチレータパネルの製造工程を説明する。図4(a)に示すように、基材122と反射層123と絶縁層124とが順に設けられた支持体127の絶縁層124上に形成されたシンチレータ121を覆うように層125’を形成する。次に、図4(b)に示すように、表面にサブ波長構造を有する型401を層125’のシンチレータ121側の表面に押し当てる。そして、図4(c)に示すように、型401を層125’の表面から除去し、シンチレータ121側の表面がサブ波長構造125aを有する被覆層125が形成される。以上により、表面がサブ波長構造125aを有するシンチレータパネル120が準備される。
次に図5(a)〜(d)を用いて、本発明のセンサパネル及び放射線検出装置の製造工程を説明する。まず、図5(a)に示すように、周知の半導体製造技術で基板111上に形成された複数の画素112と配線113を覆うように無機絶縁膜を形成し、無機絶縁膜に必要な箇所に開口を設けて、パッシベーション層114を形成する。そしてパッシベーション層114上に層115’を形成する。次に、図5(b)に示すように、表面にサブ波長構造を有する型401を層115’の表面に押し当てる。そして、図5(c)に示すように、型401を層115’の表面から除去し、表面がサブ波長構造115aを有する保護層115が形成される。以上により、表面がサブ波長構造115aを有するセンサパネル110が準備される。そして、部材126を介して、サブ波長構造125aがサブ波長構造115a及び画素112と対向するように、封止部130を用いてセンサパネル110とシンチレータパネル120とを接着固定する。その後、パッシベーション層114の開口において異方性導電部材などの接続部154を介して配線113に接続するように、センサパネル110に信号処理用フレキシブル回路基板152等の回路基板を電気実装する。以上により、図1(a)及び図1(b)に示す放射線検出装置が準備される。
なお、本実施形態では、光電変換素子やスイッチ素子に薄膜半導体プロセスで形成された素子を有するセンサパネルを用いたが、本発明はそれに限定されるものではない。単結晶シリコン等の単結晶半導体材料に光電変換素子等を形成したもの、例えばアクティブピクセルセンサやCCD等、を有するセンサパネルを使用してもよい。また、型401の代わりに半導体露光装置を用いてドットパターンであるレジストをフォトリソグラフィー法により形成して、ドライエッチングによりサブ波長構造とすることも可能である。また、被覆層125の表面にサブ波長構造125aを設けたが、本発明はそれに限定されるものではない。被覆層125を用いず、シンチレータ121のセンサパネル110側の表面にサブ波長構造を設けてもよく、つまり、シンチレータパネル120のセンサパネル110側の表面であればよい。このような構成は、シンチレータ121に耐湿性の高い粒子状シンチレータを用いた場合には、特に好ましい。粒子状シンチレータは、柱状結晶シンチレータに比べて散乱性が高いため、被覆層125を用いずにシンチレータ121とセンサパネル110との距離を小さくできることは、鮮鋭度の点で高い効果が得られる。
また、図6(a)及び図6(b)に示すように、センサパネル110とシンチレータパネル120との間に、グリッド機能を有する光吸収部材601を設けてもよい。ここで、図6(a)は他の実施形態に係る放射線検出装置を説明するための模式的平面図であり、図6(b)は図6(a)のc−c’箇所における断面図である。この光吸収部材601は、その正射影が少なくとも画素112の間の一部に位置するように、センサパネル110とシンチレータパネル120との間に配置される。光吸収部材601は、シンチレータ121で発した光を吸収し得る材料で構成され、黒色顔料等を混入した樹脂材料が好適に用いられ得る。また、この部材601が接着性を有することが好ましく、樹脂材料としてはシリコン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の接着性樹脂材料が好適に用いられ得る。また、アライメント精度よく画素112間の上に配置するためには、ディスペンサー、インクジェット、スクリーン印刷等の方法を用いて部材601を形成する必要がある。そのため樹脂材料は比較的低粘度である必要があり、樹脂の粘度が100Pa・s以下であると好ましく、さらに好ましくは50Pa・s以下である。更に、センサパネル110とシンチレータパネル120との距離を好適に規定するために、部材601はスペーサ機能を有することが好ましい。具体的な例としては、部材601としては、幅が40μmで高さが5μmで、黒色のエポキシ樹脂であるAE−901T−DA(味の素ファインテクノ社製)が用いられ得る。
次に、図7を用いて、本発明の放射線検出装置を用いた放射線検出システムを説明する。
放射線源であるX線チューブ6050で発生したX線6060は、患者あるいは被験者6061の胸部6062を透過し、本発明の放射線検出装置6040に含まれる変換部3の各変換素子12に入射する。この入射したX線には患者6061の体内部の情報が含まれている。X線の入射に対応して変換部3で放射線を電荷に変換して、電気的情報を得る。この情報はデジタルデータに変換され信号処理手段となるイメージプロセッサ6070により画像処理され制御室の表示手段となるディスプレイ6080で観察できる。
また、この情報は電話回線6090等の伝送処理手段により遠隔地へ転送でき、別の場所のドクタールームなど表示手段となるディスプレイ6081に表示もしくは光ディスク等の記録手段に保存することができ、遠隔地の医師が診断することも可能である。また記録手段となるフィルムプロセッサ6100により記録媒体となるフィルム6110に記録することもできる。
本発明の放射線検出装置から得られる画像信号を用いて、以下の方法で受光量と鮮鋭度とを評価することができる。本発明の放射線検出装置の受光量と鮮鋭度は、被覆層125の表面にサブ波長構造を有さない形態の受光量と鮮鋭度と比べていずれも良好な結果であった。
まず、受光量を評価する方法を以下に説明する。まず、放射線検出装置を評価装置にセットし、放射線源であるX線源と放射線検出装置との間に軟X線除去用の20mmピッチのAlフィルターをセットする。次いで放射線検出装置とX線源との距離を130cmに調整し、この状態でX線源の管電圧を80kV、管電流250mA、50msのパルス状のX線を放射線検出装置に照射し、画像を取得する。そして、X線照射中心の画像出力値より受光量を測定する。
また、鮮鋭度の指標としてMTF(Modulation Transfer Function)の評価の方法を以下に説明する。まず、放射線検出装置を評価装置にセットし、放射線源であるX線源と放射線検出装置との間に軟X線除去用の20mmピッチのAlフィルターをセットする。次いで放射線検出装置とX線源との距離を130cmに調整し、測定箇所にタングステン(W)製のMTFチャートをセットする。ここで使用するMTFチャートは、2LP/mmのものである。そして、この状態でX線源の管電圧を80kV、管電流250mA、50msのパルス状のX線を放射線検出装置に照射し、チャート画像を取得する。同様にMTFチャートをセットしない状態でも同様の照射条件でX線を放射線検出装置に照射し、画像を取得する。これらの画像を解析することにより、MTFを算出する。
100 放射線検出装置
110 センサパネル
120 シンチレータパネル
121 シンチレータ
123 被覆層
125a サブ波長構造
127 支持体
110 センサパネル
120 シンチレータパネル
121 シンチレータ
123 被覆層
125a サブ波長構造
127 支持体
Claims (11)
- 放射線を光電変換素子が感知可能な波長の光に変換するシンチレータを有するシンチレータパネルであって、
前記シンチレータパネルの表面が複数の凸部を有し、前記複数の凸部のうち隣り合う2つの凸部の間隔が、前記シンチレータで発生した光の波長の回折限界未満であることを特徴とするシンチレータパネル。 - 前記シンチレータを覆うように設けられた被覆層を更に有し、
前記表面は、前記被覆層の表面であり、
前記間隔は40nm以上であることを特徴とする請求項1に記載のシンチレータパネル。 - 前記シンチレータは、柱状結晶のアルカリハライドシンチレータであることを特徴とする請求項2に記載のシンチレータパネル。
- 前記シンチレータは、粒子状シンチレータであり、
前記表面は、前記シンチレータの表面であることを特徴とする請求項1に記載のシンチレータパネル。 - 光電変換素子を有するセンサパネルと、
放射線を前記光電変換素子が感知可能な波長の光に変換するシンチレータを有するシンチレータパネルと、
を有し、
前記シンチレータパネルの前記センサパネルと対向する表面の屈折率と異なる屈折率の部材を前記光電変換素子と前記表面との間に挟んで前記センサパネルに前記シンチレータが固定された放射線検出装置において、
前記表面が複数の凸部を有し、前記複数の凸部のうち隣り合う2つの凸部の間隔が、前記シンチレータで発生した光の波長の回折限界未満であることを特徴とする放射線検出装置。 - 前記センサパネルは、前記光電変換素子を含む画素がマトリクス状に複数配列されており、
前記部材は、前記シンチレータで発した光を吸収する光吸収部材を含み、
前記光吸収部材は、前記光吸収部材の正射影が少なくとも複数の前記画素の間の一部に位置するように、前記センサパネルと前記シンチレータパネルとの間に配置されることを特徴とする請求項5に記載の放射線検出装置。 - 前記部材は、空気であることを特徴とする請求項5又は6に記載の放射線検出装置。
- 前記シンチレータパネルは、前記シンチレータを覆うように設けられた被覆層を更に有し、
前記表面は、前記被覆層の前記センサパネルと対向する表面であり、
前記間隔は40nm以上であることを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の放射線検出装置。 - 前記シンチレータは、柱状結晶のアルカリハライドシンチレータであることを特徴とする請求項8に記載の放射線検出装置。
- 前記シンチレータは、粒子状シンチレータであり、
前記表面は、前記シンチレータの前記センサパネルと対向する表面であることを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の放射線検出装置。 - 請求項5から10のいずれか1項に記載の放射線検出装置と、
前記検出装置からの信号を処理する信号処理手段と、
前記信号処理手段からの信号を記録するための記録手段と、
前記信号処理手段からの信号を表示するための表示手段と、
前記信号処理手段からの信号を伝送するための伝送処理手段と、
を具備する放射線検出システム。
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