JP2013133910A - 車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アクチュエータの発生トルク検出手段を用いなくても、シフトバイワイヤ方式のパーキングロック装置の噛み合い状態の判定を精度よく行うことが可能な車両の制御装置を提供する。
【解決手段】シフトレンジがパーキングレンジにある場合にギヤの噛み合いにより駆動輪6a、6bの回転を阻止するロック状態に切り替えるパーキングアクチュエータ81、および、パーキングアクチュエータ81の回転位置を検出するエンコーダ82を有するパーキングロック装置8を備えた車両1において、シフトレンジがパーキングレンジにある場合に、パーキングアクチュエータ81の回転駆動およびその駆動力の解放を行い、駆動力の解放に伴うパーキングアクチュエータ81の駆動方向と反対方向への戻され量に基づいて、パーキングロック装置8のギヤの噛み合い状態を判定する。
【選択図】図7

Description

本発明は、シフトバイワイヤ方式のパーキングロック装置を備えた車両の制御装置に関する。
車両に備えられるパーキングロック装置として、駆動輪に連結される軸に設けられ、複数の歯を有するパーキングギヤと、このパーキングギヤの歯に噛合(係合)可能な突起を有するパーキングロックポールとを含むものがある。パーキングロック装置は、シフトレンジ(シフトポジション)がパーキングレンジ(Pレンジ)である場合には、パーキングギヤの歯とパーキングロックポールの突起とが噛み合うことにより、駆動輪の回転を阻止するロック状態(Pロック作動状態)に切り替えられる。一方、シフトレンジがPレンジ以外のレンジ(非Pレンジ)である場合には、パーキングギヤの歯とパーキングロックポールの突起との噛み合いが解除されることにより、駆動輪の回転を許容するアンロック状態(Pロック解除状態)に切り替えられる。
上述のようなパーキングロック装置の作動状態の切り替えを、運転者の操作に基づいて電気的に制御する、所謂シフトバイワイヤ(SBW)方式を採用したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。シフトバイワイヤ方式を採用したパーキングロック装置では、運転者のシフト操作(例えば、シフトレバーの操作、パーキングスイッチの操作など)を電気的に検出するシフト操作検出手段と、その運転者のシフト操作に基づいてシフトレンジを切り替えるレンジ切替手段とを備える。そして、シフトレンジがPレンジの場合には、アクチュエータによってパーキングロック装置がギヤの噛み合いによりロック状態に切り替えられる一方、シフトレンジが非Pレンジの場合には、アクチュエータによってパーキングロック装置がギヤの噛み合いを解除することによりアンロック状態に切り替えられるようになっている。
特開2009−041622号公報
ところで、上述したようなパーキングロック装置では、シフトレンジがPレンジにあるとき、場合によっては、パーキングギヤの歯の頂部とパーキングロックポールの突起の頂部とが当接しあい、パーキングギヤがパーキングロックポールに噛み合わない状態で停止することがある(例えば、図6参照)。上記特許文献1に記載のパーキングロック装置では、アクチュエータの発生トルクの大きさによってパーキングギヤとパーキングロックポールとの噛み合い状態を判定して、非噛み合い状態と判定されると、Pレンジにおける基準位置の学習制御を行わないようにしている。しかし、アクチュエータの発生トルク検出手段として、トルクセンサを用いた場合、専らアクチュエータの発生トルクを検出するためだけにトルクセンサを追加しなければならず、コストの増加、部品数の増加が懸念される。
本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、アクチュエータの発生トルク検出手段を用いなくても、シフトバイワイヤ方式のパーキングロック装置の噛み合い状態の判定を精度よく行うことが可能な車両の制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明は、運転者のシフト操作を電気的に検出するシフト操作検出手段と、前記運転者のシフト操作に基づいてシフトレンジを切り替えるレンジ切替手段と、前記シフトレンジがパーキングレンジにある場合にギヤの噛み合いにより駆動輪の回転を阻止するロック状態に切り替えるアクチュエータ、および、前記アクチュエータの回転位置を検出する回転位置センサを有するパーキングロック装置とを備えた車両の制御装置であって、前記シフトレンジがパーキングレンジにある場合に、前記アクチュエータの回転駆動およびその駆動力の解放を行い、前記駆動力の解放に伴う前記アクチュエータの前記駆動方向と反対方向への戻され量に基づいて、前記パーキングロック装置のギヤの噛み合い状態を判定することを特徴としている。
上記構成によれば、アクチュエータの発生トルク検出手段(例えば、トルクセンサ)を用いなくても、回転位置センサを用いることで、シフトバイワイヤ方式のパーキングロック装置の噛み合い状態の判定を精度よく行うことができ、コストの増加、部品数の増加を回避できる。
本発明において、前記アクチュエータを前記一方の方向へ回転駆動した場合に、その駆動力の解放に伴って発生する前記アクチュエータの第1の戻され量が、第1の閾値以上となるまで前記アクチュエータを回転駆動した位置を第1の戻され発生位置として検出し、前記アクチュエータを前記一方の方向と反対の方向へ回転駆動した場合に、その駆動力の解放に伴って発生する前記アクチュエータの第2の戻され量が、第2の閾値以上となるまで前記アクチュエータを回転駆動した位置を第2の戻され発生位置として検出し、前記第1、第2の戻され発生位置の差に基づいて、前記パーキングロック装置のギヤの噛み合い状態を判定することが好ましい。
上記構成によれば、アクチュエータの戻され発生位置差がパーキングロック装置の噛み状態と非噛み状態とで異なることを利用することで、パーキングロック装置のギヤの噛み合い状態の判定を容易かつ精度よく行うことができる。また、アクチュエータを一方の方向とその反対の方向の両方へそれぞれ回転駆動して、それぞれの戻され発生位置差に基づいてパーキングロック装置のギヤの噛み合い状態を判定しているので、アクチュエータ等のガタに起因する悪影響を抑制することができる。
ここで、前記アクチュエータを前記一方の方向へ回転駆動を、前記第1の戻され量が前記第1の閾値以上となるまで、複数回繰り返して行い、前記アクチュエータを前記反対の方向へ回転駆動を、前記第2の戻され量が前記第2の閾値以上となるまで、複数回繰り返して行うことが可能である。
また、前記パーキングロック装置の具体構成として、前記駆動輪に連結される軸に設けられ、複数の歯を有するパーキングギヤと、前記パーキングギヤの歯に噛合可能な突起を有するパーキングロックポールと、前記アクチュエータにより回転駆動されるシャフトと、前記シャフトの回転に伴って回転するディテントプレートと、前記ディテントプレートをシフトレンジに対応した特定の位置に弾性的に保持するディテントスプリングとを備え、前記ディテントスプリングの弾性力によって、前記駆動力の解放に伴う前記アクチュエータの戻され量が発生する構成とすることが可能である。この場合、前記ディテントスプリングの弾性力は、前記パーキングロック装置が噛み状態のときに比べ非噛み状態のときに大きくなるように作用しており、前記第1、第2の戻され発生位置の差が、判定値以上の場合には、前記パーキングロック装置のギヤが噛み状態であると判定し、前記第1、第2の戻され発生位置の差が、前記判定値未満の場合には、前記パーキングロック装置のギヤが非噛み状態であると判定することが好ましい。
また、本発明において、前記車両は、走行用駆動力源として少なくとも1つの電動機を備えており、前記電動機による車両の駆動系のガタ詰め制御を行う際に、前記パーキングロック装置のギヤの噛み合い状態の判定結果に応じてブレーキ制御の要否を判定することが好ましい。
上記構成によれば、車両の発進時、電動機を駆動して駆動系のガタ詰め制御を行う際に、パーキングロック装置のギヤの噛み合い状態の判定を行い、噛み状態であると判定された場合には、ブレーキ制御が不要であると判定される。これにより、ブレーキ制御を行わなくても、パーキングロック装置によって車両を停止させておくことができ、ブレーキ制御の作動回数を減らすことができる。
本発明によれば、アクチュエータの発生トルク検出手段を用いなくても、シフトバイワイヤ方式のパーキングロック装置の噛み合い状態の判定を精度よく行うことができ、コストの増加、部品数の増加を回避できる。
本発明の実施形態に係る車両を示す概略構成図である。 車両の制御系の一例を示すブロック図である。 車両に備えられるパーキングロック装置の一例を示す図である。 パーキングロック装置に設けられるディテントプレートの一例を示す図である。 噛み状態のときのパーキングギヤとパーキングロックポールとの位置関係の一例を示す図である。 非噛み状態のときのパーキングギヤとパーキングロックポールとの位置関係の一例を示す図である。 パーキングロック装置の噛み・非噛み判定制御の一例を示すフローチャートである。 噛み状態のときのパーキングアクチュエータに作用するディテントトルクの変化を示す図である。 非噛み状態のときのパーキングアクチュエータに作用するディテントトルクの変化を示す図である。
本発明を具体化した実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る車両1を示す概略構成図である。この実施形態では、走行用の駆動力源としてエンジン2とモータジェネレータMG1、MG2とを備えたハイブリッド車両に、本発明を適用した例について説明するが、本発明が適用される車両は、通常のエンジン車両、ハイブリッド車両、電動車両など、どのような形式の車両であってもよい。また、この実施形態では、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)方式の車両に本発明を適用した例について説明するが、本発明が適用される車両は、FR(フロントエンジン・リヤドライブ)方式の車両や、4WD方式の車両であってもよい。
図1に示すように、車両1は、前輪(駆動輪)6a、6bに駆動力を与えるための駆動系(動力伝達系)として、エンジン2と、エンジン2の出力軸としてのクランクシャフト2aにダンパ2bを介して接続された3軸式の動力分割機構3と、この動力分割機構3に接続された発電可能な第1モータジェネレータMG1と、動力分割機構3に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸3eにリダクション機構7を介して接続された第2モータジェネレータMG2とを備えている。リングギヤ軸3eは、ギヤ機構4および前輪用のデファレンシャルギヤ5を介して前輪6a、6bに接続されている。なお、駆動系の構成は一例であって、他の構成を採用してもよく、例えば、有段式あるいは無段式の自動変速機を有する構成を採用してもよい。
また、車両1は、駆動系全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット(以下、ハイブリッドECUという)10を備えている。
エンジン2は、ガソリン、軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関である。エンジン2の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)11により、エンジン2の燃料噴射制御、点火制御、吸入空気量調節制御などの運転制御が行われる。エンジンECU11は、ハイブリッドECU10と通信しており、このハイブリッドECU10からの制御信号によりエンジン2を運転制御すると共に、必要に応じてエンジン2の運転状態に関するデータをハイブリッドECU10に出力する。なお、エンジンECU11は、図示しないクランクポジションセンサからのクランクポジション信号に基づいてクランクシャフト2aの回転数、すなわち、エンジン2の回転数Neを演算する。
動力分割機構3は、サンギヤ3aとリングギヤ3bとキャリア3dとを回転要素として差動作用を行う遊星歯車機構として構成されている。具体的には、動力分割機構3は、外歯歯車のサンギヤ3aと、このサンギヤ3aと同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ3bと、サンギヤ3aに噛合すると共にリングギヤ3bに噛合する複数のピニオンギヤ3cと、複数のピニオンギヤ3cを自転かつ公転自在に保持するキャリア3dとを備えている。そして、キャリア3dにエンジン2のクランクシャフト2aが、サンギヤ3aに第1モータジェネレータMG1のロータ(回転子)が、リングギヤ3bにリングギヤ軸3eを介してリダクション機構7が、それぞれ連結されている。
第1モータジェネレータMG1が発電機として機能するときには、キャリア3dから入力されるエンジン2の駆動力が、サンギヤ3a側とリングギヤ3b側とにそのギヤ比に応じて分配される。一方、エンジン2の始動要求時にあっては、第1モータジェネレータMG1が電動機(スタータモータ)として機能し、この第1モータジェネレータMG1の駆動力がサンギヤ3aおよびキャリア3dを介してクランクシャフト2aに与えられて、エンジン2がクランキングされる。
リダクション機構7は、外歯歯車のサンギヤ7aと、このサンギヤ7aと同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ7bと、サンギヤ7aに噛合すると共にリングギヤ7bに噛合する複数のピニオンギヤ7cと、複数のピニオンギヤ7cを自転自在に保持するキャリア7dとを備えている。そして、キャリア7dがトランスミッションケースに固定されている一方、サンギヤ7aに第2モータジェネレータMG2のロータが、リングギヤ7bにリングギヤ軸3eが、それぞれ連結されている。
ギヤ機構4には、ギヤ軸4aに連結されたパーキングギヤ91と、このパーキングギヤ91と噛み合ってその回転を停止した状態でロックするパーキングロックポール92とを備えたパーキングロック機構9が取り付けられている。パーキングロック機構9は、ギヤの噛み合いによりパーキングロックを行うものである。パーキングロックポール92は、パーキング用電子制御ユニット(以下、パーキングECU14という)によりパーキングアクチュエータ81が駆動制御されることによって作動する。パーキングECU14は、ハイブリッドECU10と通信を行い、このハイブリッドECU10からの指令信号を受けてパーキングアクチュエータ81を制御する。パーキングアクチュエータ81は、パーキングロック機構9のギヤの噛み合い状態が変化するように回転駆動される。シフトレンジがパーキングレンジ(Pレンジともいう)にある場合には、パーキングアクチュエータ81の回転駆動によってパーキングギヤ91とパーキングロックポール92とが噛み合うことにより、駆動輪6a、6bの回転を機械的に阻止するロック状態(Pロック作動状態)に切り替えられる。一方、シフトレンジがPレンジ以外のレンジ(非Pレンジともいう)にある場合には、パーキングアクチュエータ81によってパーキングギヤ91とパーキングロックポール92との噛み合いが解除されることにより、駆動輪6a、6bの回転を許容するアンロック状態(Pロック解除状態)に切り替えられる。なお、パーキングロック機構9の具体的な構成については後述する。
モータジェネレータMG1、MG2は、いずれも発電機として駆動すると共に電動機として駆動することが可能な周知の同期発電電動機により構成されており、インバータ12、13、および昇圧コンバータ15を介してバッテリ16との間で電力のやりとりを行う。各インバータ12、13、昇圧コンバータ15、およびバッテリ16を接続する電力ライン17は、各インバータ12、13が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータジェネレータMG1、MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ16は、モータジェネレータMG1、MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータジェネレータMG1、MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ16は充放電されない。
モータジェネレータMG1、MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)20により駆動制御されている。モータECU20には、モータジェネレータMG1、MG2を駆動制御するために必要な信号、例えば、モータジェネレータMG1、MG2のロータの回転位置を検出する回転位置検出センサ21、22からの信号や、図示しない電流センサにより検出されるモータジェネレータMG1、MG2に供給される電流などが入力されている。モータECU20からは、インバータ12、13へスイッチング制御信号が出力されている。モータECU20は、ハイブリッドECU10と通信しており、このハイブリッドECU10からの制御信号によってモータジェネレータMG1、MG2を駆動制御すると共に、必要に応じてモータジェネレータMG1、MG2の運転状態に関するデータをハイブリッドECU10に出力する。
バッテリ16は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)25によって管理されている。バッテリECU25には、バッテリ16を管理するために必要な信号、例えば、バッテリ16の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧、バッテリ16の出力端子に接続された電力ライン17に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流、バッテリ16に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度などが入力されている。バッテリECU25は、必要に応じてバッテリ16の状態に関するデータを通信によりハイブリッドECU10に出力する。
また、バッテリECU25は、バッテリ16を管理するために、電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)を演算したり、演算した残容量と電池温度とに基づいてバッテリ16を充放電可能な最大許容電力である入出力制限Win、Woutを演算する。
駆動輪6a、6bには、ブレーキアクチュエータ31からの油圧により作動する油圧ブレーキ34a、34bが取り付けられている。ブレーキアクチュエータ31による油圧の調節は、ブレーキ用電子制御ユニット(以下、ブレーキECUという)30による駆動制御により行われている。ブレーキECU30は、ハイブリッドECU10と通信しており、このハイブリッドECU10からの制御信号によりブレーキアクチュエータ31を駆動制御すると共に、必要に応じてブレーキアクチュエータ31の状態や駆動輪6a、6bの状態に関するデータをハイブリッドECU10に出力する。これらブレーキECU30、ブレーキアクチュエータ31、および油圧ブレーキ34a、34bによって、ブレーキ装置が構成されている。
図2は、車両1の制御系の一例を示すブロック図であり、車両1に備えられるシフト操作装置60についても簡単に示している。図2に示すように、シフト操作装置60は、運転席の近傍に配置され、変位操作可能なシフトレバー(シフトノブ)61と、押し込み操作可能なPスイッチ(パーキングスイッチ)62とを備えている。
シフトレバー61は、前進走行用のドライブ位置(D位置)、アクセルオフ時の制動力(エンジンブレーキ)が大きくなる前進走行用のブレーキ位置(B位置)、後進走行用のリバース位置(R位置)、中立のニュートラル位置(N位置)が設定されており、運転者が所望の位置へシフトレバー61を変位させることが可能となっている。これらD位置、B位置、R位置、N位置の各位置はシフト位置センサ50によって検出され、シフト位置センサ50の出力信号(シフト位置信号)は、ハイブリッドECU10に入力される。
シフトレバー61を、D位置、B位置、R位置、N位置の各位置へ操作すると、シフトレバー61の各位置に対応するシフト位置信号に基づいて、シフトレンジが非Pレンジ(Dレンジ、Bレンジ、Rレンジ、Nレンジ)に設定される。つまり、シフトレンジがPレンジにある場合に、シフトレバー61の各位置に対応するシフト位置信号に基づいて、シフトレンジをPレンジから非Pレンジに切り替えるためのP解除切替要求信号が、ハイブリッドECU10からパーキングECU14へ出力される。これにより、パーキングアクチュエータ81が回転駆動され、パーキングギヤ91とパーキングロックポール92との噛み合いが解除されることにより、パーキングロック装置8がPロック解除状態に切り替えられる。
Pスイッチ62は、例えば、モーメンタリ式の押しボタンスイッチであって、運転者により押し込み操作される毎にPスイッチ信号をハイブリッドECU10へ出力する。シフトレンジが非PレンジにあるときにPスイッチ62が押されると、フットブレーキが踏まれており車両1が停止状態である等の所定の条件が満たされていれば、シフトレンジを非PレンジからPレンジに切り替えるためのPロック切替要求信号が、ハイブリッドECU10からパーキングECU14へ出力される。これにより、パーキングアクチュエータ81が回転駆動され、パーキングギヤ91とパーキングロックポール92とが噛み合うことにより、パーキングロック装置8がPロック作動状態に切り替えられ。
また、図2に示すように、ハイブリッドECU10は、CPU40、ROM41、RAM42、バックアップRAM43などを備えている。ROM41には、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPU40は、ROM41に記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて各種の演算処理を実行する。RAM42は、CPU40での演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリである。バックアップRAM43は、例えばイグニッションOFF時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
CPU40、ROM41、RAM42、およびバックアップRAM43は、バス46を介して互いに接続されると共に、入力インターフェース44および出力インターフェース45と接続されている。
入力インターフェース44には、シフト位置センサ50、運転者のON操作によりイグニッション信号を出力するイグニッションスイッチ51、アクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度Acc)を検出するアクセル開度センサ52、ブレーキペダルの踏み込み量を検出するブレーキペダルセンサ53、車体速度(車速V)を検出する車速センサ54、エンジン2の冷却水の温度を検出する水温センサ55などが接続されている。これにより、ハイブリッドECU10には、シフト位置センサ50からのシフト位置信号、イグニッションスイッチ51からのイグニッション信号、アクセル開度センサ52からのアクセル開度信号、ブレーキペダルセンサ53からのブレーキペダルポジション信号、車速センサ54からの車速信号、水温センサ55からの水温信号などが入力されるようになっている。
また、入力インターフェース44および出力インターフェース45には、エンジンECU11、パーキングECU14、モータECU20、バッテリECU25、およびブレーキECU30が接続されており、ハイブリッドECU10は、これらエンジンECU11、パーキングECU14、モータECU20、バッテリECU25、およびブレーキECU30との間で各種制御信号やデータのやりとりを行っている。
上記構成の車両1では、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて、駆動輪6a、6bに出力すべきトルク(要求トルク)を計算し、この要求トルクに対応する要求動力により走行するように、エンジン2とモータジェネレータMG1、MG2とが運転制御される。具体的には、燃料消費量の削減を図るために、要求駆動力が比較的低い運転領域にあっては、第2モータジェネレータMG2を利用して上記要求駆動力が得られるようにする。一方、要求駆動力が比較的高い運転領域にあっては、第2モータジェネレータMG2を利用すると共に、エンジン2を駆動し、これら駆動力源(走行用駆動力源)からの駆動力により、上記要求駆動力が得られるようにする。
より詳しくは、車両1の発進時や低速走行時等であってエンジン2の運転効率が低い場合には、第2モータジェネレータMG2のみにより走行(EV走行)を行う。また、車室内に配置された走行モード選択スイッチによって、運転者がEV走行モードを選択した場合にもEV走行を行う。
また、通常走行時には、例えば、動力分割機構3によりエンジン2の駆動力を2経路に分け(トルクスプリット)、一方で駆動輪6a、6bの直接駆動(直達トルクによる駆動)を行い、他方で第1モータジェネレータMG1を駆動して発電を行う。このとき、発生する電力で第2モータジェネレータMG2を駆動して駆動輪6a、6bの駆動補助を行う(電気パスによる駆動)。このように、動力分割機構3が差動機構として機能し、その差動作用によりエンジン2からの動力の主部を駆動輪6a、6bに機械的に伝達し、エンジン2からの動力の残部を第1モータジェネレータMG1から第2モータジェネレータMG2への電気パスを用いて電気的に伝達することにより、電気的に変速比が変更される電気式無段変速機としての機能が発揮される。これにより、駆動輪6a、6b(リングギヤ3b、7b)の回転数およびトルクに依存することなく、エンジン回転数およびエンジントルクを自由に操作することが可能となり、駆動輪6a、6bに要求される駆動力を得ながらも、燃料消費率が最適化されたエンジン2の運転状態を得ることが可能となる。
また、高速走行時には、さらにバッテリ(走行用バッテリ)16からの電力を第2モータジェネレータMG2に供給し、この第2モータジェネレータMG2の出力を増大させて駆動輪6a、6bに対して駆動力の追加(駆動力アシスト;力行)を行う。
また、減速時には、第2モータジェネレータMG2が発電機として機能して回生発電を行い、回収した電力をバッテリ16に蓄える。なお、バッテリ16の充電量が低下し、充電が特に必要な場合には、エンジン2の出力を増加して第1モータジェネレータMG1による発電量を増やしてバッテリ16に対する充電量を増加する。ただし、低速走行時においても必要に応じてエンジン2の駆動量を増加する制御を行う場合もある。例えば、上述のようにバッテリ16の充電が必要な場合や、エアコン等の補機を駆動する場合、エンジン2の冷却水の温度を所定温度まで上げる場合、車両1が急加速する場合などである。
また、車両1においては、車両1の運転状態やバッテリ16の状態によって、燃費を向上させるために、エンジン2を停止させる。そして、その後も、車両1の運転状態やバッテリ16の状態を検知して、エンジン2を再始動させる。このように、車両1においては、イグニッションスイッチ51がON位置である場合にも、エンジン2が間欠運転されるようになっている。
図3は、車両1に備えられるパーキングロック装置8の一例を示す図である。図4は、パーキングロック装置8に設けられるディテントプレート94の一例を示す図である。
この実施形態では、パーキングロック装置8としてシフトバイワイヤ方式のものが採用されており、図3に示すように、パーキングロック装置8は、パーキングアクチュエータ81、エンコーダ82、パーキングロック機構9などを備えている。パーキングアクチュエータ81およびエンコーダ82は、パーキングECU14に接続されている(図1参照)。
パーキングアクチュエータ81は、例えば、スイッチトリラクタンスモータ(SRモータ)により構成される。パーキングアクチュエータ81は、パーキングECU14からの指令(P切替制御指令)を受けてシフトバイワイヤシステムによってパーキングロック機構9を駆動する。エンコーダ82は、例えば、A相、B相、およびZ相の信号を出力するロータリエンコーダである。エンコーダ82は、パーキングアクチュエータ81と一体的に回転し、パーキングアクチュエータ81の回転位置を検出してその回転位置を表す信号、すなわち、パーキングアクチュエータ81の回転量(回転角度)に応じた計数値(エンコーダカウント)を取得するためのパルス信号をパーキングECU14へ出力する。パーキングECU14は、エンコーダ82から供給される信号を取得してパーキングアクチュエータ81の回転位置を把握し、パーキングアクチュエータ81を回転駆動するための通電の制御を行う。
パーキングロック機構9は、駆動輪6a、6bに連結されるギヤ軸4aに設けられ、複数の歯91aを有するパーキングギヤ91と、このパーキングギヤ91の歯91aに噛合可能な突起92aを有するパーキングロックポール92と、パーキングアクチュエータ81により回転駆動されるシャフト93と、このシャフト93の回転に伴って回転するディテントプレート94と、このディテントプレート94の回転に伴って動作するロッド95と、ディテントプレート94をシフトレンジに対応する特定の位置に弾性的に保持するディテントスプリング96と、ロッド95の一端部に設けられ、パーキングロックポール92に係合するテーパ部材98と、ロッド95に設けられ、テーパ部材98をその小径方向(図3のA方向)へ付勢するスプリング99とを備えている。スプリング99は、テーパ部材98の大径側の端部と、ロッド95に取り付けられたスナップリング95aとの間に圧縮状態で配設されている。なお、パーキングギヤ91の配置箇所は特に限定されず、駆動輪6a、6bに連結される軸であればそれ以外の箇所に配置してもよい。
ディテントプレート94は、シャフト93を介してパーキングアクチュエータ81の駆動軸に連結されている。ディテントプレート94は、ロッド95、ディテントスプリング96などと共に、パーキングアクチュエータ81により駆動される。ディテントプレート94の頂部には、1つの山部94cを挟んで2つの凹部94a、94bが形成されている。2つの凹部94a、94bのうち、一方(図4では左方)の凹部94aがPレンジに対応するP位置となっており、他方(図4では右方)の凹部94bが非Pレンジに対応する非P位置となっている。ディテントスプリング96の基端部がトランスミッションケースの一部に固定されている。ディテントスプリング96の先端部には、ころ97が回転可能に取り付けられており、ころ97がディテントプレート94の凹部94a、94bの一方に嵌合することで、ディテントプレート94の回転が規制されるようになっている。
パーキングロック装置8は、運転者の操作に基づいて、シフトレンジがPレンジにある場合には、パーキングギヤ91の歯91aとパーキングロックポール92の突起92aとが噛み合うロック状態(Pロック作動状態)に切り替えられる。これにより、駆動輪6a、6bの回転が阻止される。一方、シフトレンジが非Pレンジにある場合には、パーキングロック装置8のロック状態が解除される。つまり、パーキングロック装置8は、パーキングギヤ91の歯91aとパーキングロックポール92の突起92aとの噛み合いが解除されるアンロック状態(Pロック解除状態)に切り替えられる。これにより、駆動輪6a、6bの回転が許容される。
図3では、シフトレンジが非Pレンジにあり、パーキングロック装置8がアンロック状態に切り替えられている場合を示している。この図3に示す状態から、パーキングアクチュエータ81によりシャフト93をC方向へ回転させると、ディテントプレート94を介してロッド95がA方向へ押される。このロッド95の移動に伴い、ロッド95の一端部に設けられたテーパ部材98により、パーキングロックポール92がB方向へ押し上げられる。この際、ディテントプレート94の回転に伴って、ディテントプレート94の頂部に設けられた2つの凹部94a、94bのうち、非P位置に対応する凹部94bにあったディテントスプリング96のころ97は、山部94cを乗り越えて、P位置に対応する凹部94aへ移る。そして、ころ97が凹部94aに達するまでディテントプレート94が回転したとき、パーキングロックポール92は、パーキングギヤ91と噛み合う位置まで押し上げられる。これにより、パーキングギヤ91と連動して回転する駆動輪6a、6bの回転が機械的に阻止され、パーキングロック装置8がロック状態に切り替わる。
一方、シフトレンジがPレンジにあり、パーキングロック装置8がロック状態にある場合に、パーキングアクチュエータ81によりシャフト93をD方向へ回転させると、上記と逆の作動により、パーキングロック装置8が、図3に示すアンロック状態に切り替えられる。この際、ディテントプレート94の回転に伴って、ディテントプレート94の頂部に設けられた2つの凹部94a、94bのうち、P位置に対応する凹部94aにあったディテントスプリング96のころ97は、山部94cを乗り越えて、非P位置に対応する凹部94bへ移る。
上記構成のパーキングロック装置8において、パーキングECU14は、エンコーダ82により出力されたパルス信号に基づいてパーキングアクチュエータ81の回転量に応じたエンコーダカウントを取得する。また、パーキングECU14は、車両電源がONに切り替えられたとき、エンコーダカウントを0に設定し、その後のエンコーダ82からの信号出力に基づいて順次エンコーダカウントを更新する。また、パーキングECU14は、取得したエンコーダカウントを予め設定された目標エンコーダカウント(目標カウント値)に一致させるようにパーキングアクチュエータ81を制御する。この目標カウント値は、例えば、パーキングアクチュエータ81をP目標回転位置や非P目標回転位置に停止させるための予め実験的に求められて設定された目標値である。
ここで、シフトレンジがPレンジにあるとき、図5に示すように、パーキングギヤ91の隣り合う歯91a、91a間にパーキングロックポール92の突起92aが入り込み、パーキングギヤ91とパーキングロックポール92とが噛み合った状態(噛み状態ともいう)となる。このとき、図4の実線で示すように、ディテントプレート94のP位置に対応する凹部94a内に、ディテントスプリング96のころ97が完全に入り込んだ状態(ころ97が凹部94aの底壁94dまで落ち込んだ状態)となる。
しかし、シフトレンジがPレンジにあるとき、場合によっては、図6に示すように、パーキングギヤ91の歯91aの頂部とパーキングロックポール92の突起92aの頂部とが当接しあって、パーキングギヤ91とパーキングロックポール92とが互いに噛み合わない状態(非噛み状態ともいう)となることがある。このとき、パーキングロックポール92がB方向への移動が規制され、スプリング99が圧縮させられる。また、図4の二点鎖線で示すように、ディテントプレート94のP位置に対応する凹部94a内に、ディテントスプリング96のころ97が完全には入り込まない状態(ころ97が凹部94aの底壁94dまで落ち込まず、非P側壁94eに乗り上げている状態)となる。
この実施形態では、シフトレンジがPレンジにあるとき、パーキングロック装置8において、パーキングギヤ91とパーキングロックポール92とが噛み状態にあるか、あるいは非噛み状態にあるかを判定するようにしている。このパーキングロック装置8の噛み・非噛み判定制御(噛み合い状態の判定制御)について、図7のフローチャートを参照して説明する。図7に示すルーチンは、パーキングECU14において所定時間(例えば数msec)毎に繰り返して実行される。
まず、ステップST11において、噛み・非噛み判定要求があったか否かが判定される。噛み・非噛み判定要求がある場合としては、シフトレンジがPレンジに切り替えられた場合や、エンジン2の始動時や冷間時、後述する駆動系のガタ詰め制御などを行う場合がある。例えば、Pスイッチ62が押された場合にハイブリッドECU10からパーキングECU14へ出力される上述のPロック切替要求信号の有無に基づいて、噛み・非噛み判定要求の有無を判定することが可能である。
そして、噛み・非噛み判定要求がなく、ステップST11でNO判定された場合には、このルーチンを終了する。一方、噛み・非噛み判定要求があり、ステップST11でYES判定された場合には、ステップST12に移行し、パーキングアクチュエータ81を一方の方向へ所定量(所定角度)X1だけ回転駆動する。この場合、パーキングECU14によってパーキングアクチュエータ81への通電が制御され、上記X1に相当するエンコーダカウント分だけパーキングアクチュエータ81をD方向(図3、図4参照)へ駆動する。X1は、予め適合等によって設定される値であり、X1だけパーキングアクチュエータ81を駆動したのみでは、パーキングロック装置8の噛み状態と非噛み状態とが変化しないような微小な値に設定されている。なお、X1の値を学習制御によって逐次更新するようにしてもよい。例えば、パーキングアクチュエータ81の駆動回数(ステップST12〜ST14を繰り返す回数)が少なすぎたり多すぎたりしないように、X1の値を更新するようにすればよい。
そして、パーキングアクチュエータ81をD方向へX1だけ駆動した後、ステップST13において、パーキングアクチュエータ81への通電を停止し、パーキングアクチュエータ81のD方向への駆動力(駆動トルク)を解放する。
次に、ステップST14において、パーキングアクチュエータ81の駆動力解放に伴って発生する戻され量R1(第1の戻され量)が、予め定められた閾値(第1の閾値)Y1以上であるか否かが判定される。このパーキングアクチュエータ81の戻され量R1は、ディテントスプリング96の弾性力(ディテントトルク)によってパーキングアクチュエータ81が駆動方向の反対方向(この場合、図3、図4のC方向)へ戻される量(回転角度)であり、エンコーダ82によって検出される。閾値Y1は、ディテントスプリング96のディテントトルクや、パーキングアクチュエータ81等の摩擦力などに応じて、パーキングロック装置8の噛み状態と非噛み状態とを誤判定しないような値に予め設定される。
ここで、ディテントスプリング96のディテントトルクは、ころ97、ディテントプレート94、およびシャフト93を介して、パーキングアクチュエータ81に作用している。この場合、ディテントスプリング96のディテントトルクは、ころ97をディテントプレート94の凹部94a、94b内に入り込ませる(落ち込ませる)方向へ作用しており、このディテントトルクによってパーキングアクチュエータ81が上記の駆動方向とは反対の方向へ付勢される。このディテントトルクは、ころ97が凹部94a、94b内に完全に入り込んだ状態(凹部94a、94bの最低位置に位置する状態)のとき最小となり、この状態に対してころ97が上方に位置するほど大きくなるという特性を有する。
具体的には、ステップST12では、ディテントスプリング96のディテントトルクに抗して、パーキングアクチュエータ81がD方向へ駆動される。ここで、パーキングアクチュエータ81の内部の減速機構や、パーキングアクチュエータ81の出力軸とシャフト93との連結部には、ガタが存在するため、パーキングアクチュエータ81への通電後、シャフト93は、直ちには回転されず、上記のガタが詰められた後、回転し始める。このように、パーキングアクチュエータ81への通電を開始してから、上記のガタが詰められるまでの間は、シャフト93は回転しないので、パーキングアクチュエータ81に作用するディテントスプリング96のディテントトルクは変化しない(図8、図9参照)。
そして、上記のガタが詰められた後は、シャフト93がディテントスプリング96のディテントトルクに抗して回転されるようになり、パーキングアクチュエータ81に対し、図8、図9に示すようなディテントトルクが作用する。図8、図9は、パーキングアクチュエータ81に作用するディテントトルクの変化を示す図であり、図8は噛み状態のときの一例を示し、図9は非噛み状態のときの一例を示している。なお、図8、図9の説明は後で行う。
そして、次のステップST13では、パーキングアクチュエータ81のD方向への駆動力が解放されるので、ディテントスプリング96のディテントトルクによってパーキングアクチュエータ81がその駆動方向とは反対のC方向へ戻されることになる。この場合、上記のガタが詰められるまでの間は、パーキングアクチュエータ81のC方向への戻され量R1は0となる。一方、上記のガタが詰められた後は、パーキングアクチュエータ81に作用するディテントスプリング96のディテントトルクに応じて、パーキングアクチュエータ81のC方向への戻され量R1が決定される。具体的には、パーキングアクチュエータ81に作用するディテントスプリング96のディテントトルクが、パーキングアクチュエータ81等の摩擦力(フリクショントルク)を上回った分だけ、パーキングアクチュエータ81がC方向へ戻される。ただし、パーキングアクチュエータ81に作用するディテントスプリング96のディテントトルクが、パーキングアクチュエータ81等の摩擦力以下の場合には、パーキングアクチュエータ81のC方向への戻され量R1は0となる。
そして、次のステップST14では、パーキングアクチュエータ81の駆動力解放に伴うC方向への戻され量R1が閾値Y1以上であるか否かが判定され、YES判定の場合には、ステップST15に移行する。一方、ステップST14でNO判定された場合には、ステップST12に戻り、ステップST14においてYES判定されるまで(パーキングアクチュエータ81のC方向への戻され量R1が閾値Y1以上であると判定されるまで)、ステップST12、ST13の処理を繰り返し実行する。
ここで、2回目以降のステップST12では、パーキングアクチュエータ81のD方向への駆動量は、上記所定量X1に、前回のステップST13で発生したパーキングアクチュエータ81のC方向への戻され量R1を上乗せした量[X1+R1]に設定される。そして、例えば、N回目(Nは自然数)のステップST12でパーキングアクチュエータ81を駆動した後、パーキングアクチュエータ81が初期位置P0(図8、図9参照)からD方向へ到達する距離(回転角度)は、合計で所定量X1のN倍の値に相当する距離となる。
次に、ステップST15において、パーキングアクチュエータ81の閾値Y1以上の戻され量R1が発生した位置を、戻され発生位置(第1の戻され発生位置)P1として検出する。この戻され発生位置P1は、ステップST12のパーキングアクチュエータ81の駆動を行った後(ステップST13のパーキングアクチュエータ81の駆動力解放を行う前)に到達した位置である。例えば、N回のパーキングアクチュエータ81の駆動を行った場合、上記初期位置P0から戻され発生位置P1までの距離(回転角度)は、上記所定量X1のN倍に相当する距離となる。パーキングアクチュエータ81の戻され発生位置P1はエンコーダ82により検出され、パーキングECU14に記憶される。
次に、ステップST16〜ST19の処理を順次実行する。ステップST16〜ST19では、上述したステップST12〜ST15と略同様の処理が行われるようになっている。ステップST16〜ST19では、パーキングアクチュエータ81の駆動方向およびディテントトルクによるパーキングアクチュエータ81の戻され方向が、上述したステップST12〜ST15とは反対の方向となっている。
まず、ステップST16において、パーキングアクチュエータ81をC方向へ所定量(所定角度)X2だけ回転駆動する。この場合、パーキングECU14によってパーキングアクチュエータ81への通電が制御され、上記X2に相当するエンコーダカウント分だけパーキングアクチュエータ81をC方向へ駆動する。なお、初回のステップST16のみ、パーキングアクチュエータ81を上記初期位置P0まで戻し、その後、パーキングアクチュエータ81をC方向へX2だけ駆動する。X2は、上記X1と同様に、予め適合等によって設定される値であり、X2だけパーキングアクチュエータ81を駆動したのみでは、パーキングロック装置8のギヤの噛み合い状態が変化しないような微小な値に設定されている。なお、X2の値も、上記X1と同様に、を学習制御によって逐次更新するようにしてもよい。
この場合にも、パーキングアクチュエータ81への通電を開始してから、上記のガタが詰められるまでの間は、シャフト93は回転せず、パーキングアクチュエータ81に作用するディテントスプリング96のディテントトルクは変化しない(図8、図9参照)。そして、上記のガタが詰められた後は、シャフト93がディテントスプリング96のディテントトルクに抗して回転されるようになり、パーキングアクチュエータ81に対し、図8、図9に示すようなディテントトルクが作用する。
そして、パーキングアクチュエータ81をC方向へX2だけ駆動した後、ステップST17において、パーキングアクチュエータ81への通電を停止し、パーキングアクチュエータ81のC方向への駆動力(駆動トルク)を解放する。
次に、ステップST18において、パーキングアクチュエータ81の駆動力解放に伴って発生する戻され量R2(第2の戻され量)が、予め定められた閾値(第2の閾値)Y2以上であるか否かが判定される。このパーキングアクチュエータ81の戻され量R2は、ディテントスプリング96のディテントトルクによってパーキングアクチュエータ81が駆動方向とは反対の方向(この場合、図4のD方向)へ戻される量(回転角度)であり、エンコーダ82によって検出される。閾値Y2は、ディテントスプリング96のディテントトルクや、パーキングアクチュエータ81等の摩擦力などに応じて、パーキングロック装置8の噛み状態と非噛み状態とを誤判定しないような値に予め設定される。
この場合にも、ステップST17でパーキングアクチュエータ81のC方向への駆動力が解放されるので、ディテントスプリング96のディテントトルクによってパーキングアクチュエータ81がその駆動方向とは反対のD方向へ戻される。そして、上記のガタが詰められるまでの間は、パーキングアクチュエータ81のD方向への戻され量R2は0となる。一方、上記のガタが詰められた後は、パーキングアクチュエータ81に作用するディテントスプリング96のディテントトルクに応じて、パーキングアクチュエータ81のD方向への戻され量R2が決定される。具体的には、パーキングアクチュエータ81に作用するディテントスプリング96のディテントトルクが、パーキングアクチュエータ81等の摩擦力を上回った分だけ、パーキングアクチュエータ81がD方向へ戻される。ただし、パーキングアクチュエータ81に作用するディテントスプリング96のディテントトルクが、パーキングアクチュエータ81等の摩擦力以下の場合には、パーキングアクチュエータ81のD方向への戻され量R2は0となる。
そして、ステップST18では、パーキングアクチュエータ81の駆動力解放に伴うD方向への戻され量R2が閾値Y2以上であるか否かが判定され、YES判定の場合には、ステップST19に移行する。一方、ステップST18でNO判定された場合には、ステップST16に戻り、ステップST18においてYES判定されるまで(パーキングアクチュエータ81のD方向への戻され量R2が閾値Y2以上であると判定されるまで)、ステップST16、ST17の処理を繰り返し実行する。
この場合にも、2回目以降のステップST16では、パーキングアクチュエータ81のC方向への駆動量は、上記所定量X2に、前回のステップST17で発生したパーキングアクチュエータ81のD方向への戻され量R2を上乗せした量[X2+R2]に設定される。このため、例えば、M回目(Mは自然数)のステップST16でパーキングアクチュエータ81を駆動した後、パーキングアクチュエータ81が上記初期位置P0(図8、図9参照)からC方向へ到達する距離は、合計で所定量X2のM倍の値に相当する距離となる。
そして、ステップST19において、パーキングアクチュエータ81の閾値Y2以上の戻され量R2が発生した位置を、戻され発生位置(第2の戻され発生位置)P2として検出する。この戻され発生位置P2は、ステップST16のパーキングアクチュエータ81の駆動を行った後(ステップST17のパーキングアクチュエータ81の駆動力解放を行う前)に到達した位置である。例えば、M回のパーキングアクチュエータ81の駆動を行った場合、上記初期位置P0から戻され発生位置P2までの距離(回転角度)は、上記所定量X2のM倍に相当する距離となる。パーキングアクチュエータ81の戻され発生位置P2はエンコーダ82により検出され、パーキングECU14に記憶される。
続いて、ステップST20〜ST22において、パーキングアクチュエータ81の戻され発生位置差に基づいて、パーキングロック装置8が噛み状態にるか、非噛み状態にあるかが判定される。
まず、ステップST20において、ステップST15、ST19で記憶したパーキングアクチュエータ81の戻され発生位置P1、P2が読み出され、これらの差(戻され発生位置差)が計算される。そして、パーキングアクチュエータ81の戻され発生位置差の絶対値|P1−P2|が、予め定められた閾値(判定値)Z1以上であるか否かが判定される。この場合、戻され発生位置P1、P2は、上記初期位置P0(図8、図9参照)を挟んで互いに反対側に位置で発生するため、例えば、上記初期位置P0を基準位置とすれば、図8、図9に示すように、戻され発生位置P1、P2の一方が正の方向に位置し、他方が負の方向に位置することになる。閾値Z1は、ディテントスプリング96のディテントトルクや、パーキングアクチュエータ81等の摩擦力などに応じて、パーキングロック装置8の噛み状態と非噛み状態とを誤判定しないような値に予め設定される。
そして、上記の絶対値|P1−P2|が閾値Z1以上である場合(YES判定の場合)には、パーキングロック装置8が噛み状態にあると判定される(ステップST21)。一方、上記の絶対値|P1−P2|が閾値Z1未満である場合(NO判定の場合)には、パーキングロック装置8が非噛み状態にあると判定される(ステップST22)。
以上述べたように、この実施形態では、ディテントスプリング96のディテントトルクによるパーキングアクチュエータ81の戻され量に基づいて、より具体的には、パーキングアクチュエータ81の戻され発生位置差に基づいて、パーキングロック装置8のギヤの噛み合い状態を判定している。これにより、パーキングアクチュエータ81の発生トルク検出手段(例えば、トルクセンサ)を用いなくても、回転位置センサとしてのエンコーダ82を用いることで、パーキングロック装置8のパーキングギヤ91とパーキングロックポール92との噛み・非噛みの判定を精度よく行うことができる。この点について、図8、図9を参照して説明する。図8、図9は、パーキングアクチュエータ81の駆動量(回転位置)とパーキングアクチュエータ81に作用するディテントトルクとの関係を示している。図8、図9では、1つの実線の矢印がパーキングアクチュエータ81の1回の駆動を表しており、右方向(正方向)が図3、図4のD方向に対応し、左方向(負方向)が図3、図4のC方向に対応している。尚、ディテントトルクによるパーキングアクチュエータ81の戻しについては、戻され量R1、R2が閾値Y1、Y2以上となる場合のみを破線の矢印で示している。
まず、パーキングロック装置8が噛み状態のとき、図5に示すように、パーキングギヤ91の隣り合う歯91a、91a間にパーキングロックポール92の突起92aが入り込んでおり、図4の実線で示すように、ディテントプレート94のP位置に対応する凹部94a内にディテントスプリング96のころ97が完全に入り込んだ状態となっている。この状態では、ころ97が凹部94aの最低位置に位置しており、ディテントスプリング96のディテントトルクが最小となる。このため、パーキングロック装置8が噛み状態のとき、パーキングアクチュエータ81の駆動を行った場合(ステップST12、ST16)、図8に示すように、パーキングアクチュエータ81に作用するディテントスプリング96のディテントトルクが、図9に示す非噛み状態の場合に比べて緩やかに変化する。
そして、図8に示す場合、ディテントスプリング96のディテントトルクによるパーキングアクチュエータ81の戻され量R1、R2が、閾値Y1、Y2に達するのに必要なパーキングアクチュエータ81の駆動量が、図9に示す非噛み状態の場合に比べて大きくなる。つまり、上記戻され発生位置P1、P2に達するのに必要なパーキングアクチュエータ81の駆動量が、図9に示す非噛み状態の場合に比べて大きくなる。その結果、パーキングアクチュエータ81の戻され発生位置差の絶対値|P1−P2|が、図9に示す非噛み状態の場合に比べて大きくなる。
一方、パーキングロック装置8が非噛み状態のとき、図6に示すように、パーキングギヤ91の歯91aの頂部とパーキングロックポール92の突起92aの頂部とが当接しあっており、図4の二点鎖線で示すように、ディテントプレート94のP位置に対応する凹部94a内にディテントスプリング96のころ97が完全には入り込まない状態となっている。この状態では、ころ97が凹部94aの最低位置よりも高い位置に位置しており、ディテントスプリング96のディテントトルクが、図4の実線で示す場合に比べて大きくなっている。このため、パーキングロック装置8が非噛み状態のとき、パーキングアクチュエータ81の駆動を行った場合(ステップST12、ST16)、図9に示すように、パーキングアクチュエータ81に作用するディテントスプリング96のディテントトルクが、図8に示す噛み状態の場合に比べて急激に変化する。
そして、図9に示す場合、ディテントスプリング96のディテントトルクによるパーキングアクチュエータ81の戻され量R1、R2が、閾値Y1、Y2に達するのに必要となるパーキングアクチュエータ81の駆動量が、図8に示す噛み状態の場合に比べて小さくなる。つまり、上記戻され発生位置P1、P2に達するのに必要なパーキングアクチュエータ81の駆動量が、図8に示す噛み状態の場合に比べて小さくなる。その結果、パーキングアクチュエータ81の戻され発生位置差の絶対値|P1−P2|が、図8に示す噛み状態の場合に比べて小さくなる。
このように、パーキングアクチュエータ81の戻され発生位置差の絶対値|P1−P2|がパーキングロック装置8の噛み状態と非噛み状態とで異なっている。これにより、上記の絶対値|P1−P2|を閾値Z1と比較することで、パーキングロック装置8のパーキングギヤ91とパーキングロックポール92との噛み・非噛みの判定を容易かつ精度よく行うことができる。したがって、シフトバイワイヤ方式のパーキングロック装置8に既存のエンコーダ82を用いて噛み・非噛みの判定を行うことができ、パーキングアクチュエータ81の発生トルク検出手段を追加しなくてもよくなり、コストの増加、部品数の増加を回避できる。
さらに、ハイブリッド車両等において駆動系のガタ詰め制御を行う際に、上述したようなパーキングロック装置8の噛み・非噛み判定制御を行い、その判定結果に応じてブレーキ制御(ECB制御)の要否を判定することで、ブレーキ制御の作動回数を減らすことができる。この点について以下に説明する。
上述した車両1では、動力分割機構3、ギヤ機構4、リダクション機構7等におけるギヤ同士の間にガタ(バックラッシ等)が存在しており、車両発進時に、アクセル操作に先立って第2モータジェネレータMG2に初期トルクを与えることにより、上記のガタ詰めを行うようにしている。
この駆動系のガタ詰め制御を行う際には、車両1が停止している必要がある。そこで、車両の発進時に、駆動系のガタ詰め制御を行う際に、上述したようなパーキングロック装置8の噛み・非噛み判定制御を行って、その判定結果に応じてブレーキ制御の要否を判定する。そして、非噛み状態であると判定された場合には、ブレーキ制御が必要であると判定され、ブレーキECU30により油圧ブレーキ34a,34bを作動させることによって車両1を停止させる。一方、噛み状態であると判定された場合には、ブレーキ制御が不要であると判定される。これにより、ブレーキ制御を行わなくてもパーキングロック装置8によって車両1を停止させておくことができ、ブレーキ制御の作動回数を減らすことができる。
−他の実施形態−
本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内および当該範囲と均等の範囲で包含されるすべての変形や応用が可能である。
上記実施形態では、パーキングアクチュエータ81を、ステップST12でD方向(図3等参照)へ回転駆動し、ステップST16でC方向(図3等参照)へ回転駆動したが、パーキングアクチュエータ81を逆の順序で回転駆動させてもよい。具体的には、パーキングアクチュエータ81をまずC方向へ回転駆動して、戻され発生位置を取得し、次にD方向へ回転駆動して、戻され発生位置を取得し、これらの戻され発生位置差を計算するようにしてもよい。
なお、パーキングアクチュエータ81は、上述したパーキングアクチュエータ81のガタに起因する誤判定を防止する観点から、C方向およびD方向の両方へそれぞれ回転駆動することが好ましい。具体的には、上記のガタにより、パーキングアクチュエータ81の初期位置P0(図8等参照)と、戻され発生位置P1、P2(図8等参照)との相対距離が分からないため、パーキングアクチュエータ81をC方向およびD方向の一方にしか回転駆動しない場合、ギヤの噛み合い状態を誤判定する可能性がある。しかし、パーキングアクチュエータ81をC方向およびD方向の両方へそれぞれ回転駆動して、それぞれの戻され発生位置P1、P2を取得し、これらの戻され発生位置差に基づいてパーキングロック装置8のギヤの噛み合い状態を判定することによって、上記のガタに起因する悪影響を抑制することができる。
また、パーキングアクチュエータ81の上記のガタ量を記憶させることによって、次回以降の判定制御の際のガタ詰めを短時間で行うことができ、判定制御に要する時間を短縮できる。図8、図9の例では、ディテントスプリング96のディテントトルクが変化しない部分が上記のガタ量に相当する。上記のガタ量を初回の判定制御の際に検知し、パーキングECU14に記憶しておくことによって、2回目以降の判定制御に要する時間を短縮できる。例えば、2回目以降の判定制御の際、ステップST12のパーキングアクチュエータ81のD方向への回転駆動は上述した場合と同様にX1ずつ行い、ステップST16のパーキングアクチュエータ81のC方向への回転駆動の際、上記のガタ量が詰まる分だけパーキングアクチュエータ81を駆動すればよい。例えば、図8、図9のP3の位置までパーキングアクチュエータ81の一度の駆動で到達するようにすればよい。
上記実施形態では、ディテントスプリング96のディテントトルクによるパーキングアクチュエータ81の戻され量R1、R2が、閾値Y1、Y2以上となった場合に、戻され発生位置P1、P2を取得するようにした。しかし、これに限らず、ディテントスプリング96のディテントトルクによるパーキングアクチュエータ81の戻され速度(つまり、単位時間当たりの戻され量)が閾値以上となった場合に、戻され発生位置を取得するようにしてもよい。
上述したハイブリッドECU10、パーキングECU14等の制御系の構成は一例であって、それ以外の構成を採用することも可能である。例えば、パーキングECU14以外のECUによって、上述したようなパーキングロック装置8の噛み・非噛み判定制御を実行するようにしてもよい。
上記実施形態では、Pスイッチ62の押し込み操作によりシフトレンジのPレンジへの切り替えを行うようにしたが、シフトレバー61の操作位置の1つにパーキング位置を設定し、シフトレバー61をパーキング位置に変位させる操作によりシフトレンジをPレンジに切り替えるようにしてもよい。また、ディテントプレート94に、非Pレンジに対応する凹部として、Dレンジ、Rレンジ、Nレンジにそれぞれ対応する凹部が個別に設けられていてもよい。
本発明は、シフトバイワイヤ方式のパーキングロック装置を備えた車両において、パーキングロック装置のギヤの噛み合い状態を判定する技術に利用可能である。
1 車両
6a、6b 駆動輪
8 パーキングロック装置
9 パーキングロック機構
14 パーキングECU
81 パーキングアクチュエータ
82 エンコーダ(回転位置センサ)
91 パーキングギヤ
91a 歯
92 パーキングロックポール
92a 突起
94 ディテントプレート
94a、94b 凹部
96 ディテントスプリング

Claims (6)

  1. 運転者のシフト操作を電気的に検出するシフト操作検出手段と、
    前記運転者のシフト操作に基づいてシフトレンジを切り替えるレンジ切替手段と、
    前記シフトレンジがパーキングレンジにある場合にギヤの噛み合いにより駆動輪の回転を阻止するロック状態に切り替えるアクチュエータ、および、前記アクチュエータの回転位置を検出する回転位置センサを有するパーキングロック装置とを備えた車両の制御装置であって、
    前記シフトレンジがパーキングレンジにある場合に、前記アクチュエータの回転駆動およびその駆動力の解放を行い、前記駆動力の解放に伴う前記アクチュエータの前記駆動方向と反対方向への戻され量に基づいて、前記パーキングロック装置のギヤの噛み合い状態を判定することを特徴とする車両の制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両の制御装置において、
    前記アクチュエータを前記一方の方向へ回転駆動した場合に、その駆動力の解放に伴って発生する前記アクチュエータの第1の戻され量が、第1の閾値以上となるまで前記アクチュエータを回転駆動した位置を第1の戻され発生位置として検出し、
    前記アクチュエータを前記一方の方向と反対の方向へ回転駆動した場合に、その駆動力の解放に伴って発生する前記アクチュエータの第2の戻され量が、第2の閾値以上となるまで前記アクチュエータを回転駆動した位置を第2の戻され発生位置として検出し、
    前記第1、第2の戻され発生位置の差に基づいて、前記パーキングロック装置のギヤの噛み合い状態を判定することを特徴とする車両の制御装置。
  3. 請求項2に記載の車両の制御装置において、
    前記アクチュエータを前記一方の方向へ回転駆動を、前記第1の戻され量が前記第1の閾値以上となるまで、複数回繰り返して行い、
    前記アクチュエータを前記反対の方向へ回転駆動を、前記第2の戻され量が前記第2の閾値以上となるまで、複数回繰り返して行うことを特徴とする車両の制御装置。
  4. 請求項2または3に記載の車両の制御装置において、
    前記パーキングロック装置は、前記駆動輪に連結される軸に設けられ、複数の歯を有するパーキングギヤと、前記パーキングギヤの歯に噛合可能な突起を有するパーキングロックポールと、前記アクチュエータにより回転駆動されるシャフトと、前記シャフトの回転に伴って回転するディテントプレートと、前記ディテントプレートをシフトレンジに対応した特定の位置に弾性的に保持するディテントスプリングとを備え、前記ディテントスプリングの弾性力によって、前記駆動力の解放に伴う前記アクチュエータの戻され量が発生する構成とされていることを特徴とする車両の制御装置。
  5. 請求項4に記載の車両の制御装置において、
    前記ディテントスプリングの弾性力は、前記パーキングロック装置のギヤが噛み状態のときに比べ非噛み状態のときに大きくなるように作用しており、
    前記第1、第2の戻され発生位置の差が、判定値以上の場合には、前記パーキングロック装置のギヤが噛み状態であると判定し、
    前記第1、第2の戻され発生位置の差が、前記判定値未満の場合には、前記パーキングロック装置のギヤが非噛み状態であると判定することを特徴とする車両の制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の車両の制御装置において、
    前記車両は、走行用駆動力源として少なくとも1つの電動機を備えており、
    前記電動機による車両の駆動系のガタ詰め制御を行う際に、前記パーキングロック装置のギヤの噛み合い状態の判定結果に応じてブレーキ制御の要否を判定することを特徴とする車両の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017052315A (ja) * 2015-09-07 2017-03-16 株式会社豊田自動織機 パーキングロック機構及びパーキングロック方法
CN114423976A (zh) * 2019-09-13 2022-04-29 莱纳玛公司 紧凑的驻车锁组件

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