JP2013133551A - ボトム用衣料 - Google Patents

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Abstract

【課題】着脱し易く、運動時の動きを妨げず、運動時の特定の筋肉の***を妨げず、かつ、関節安定効果に優れるボトム衣料を提供すること。
【解決手段】伸張率80%における伸張応力が経方向および緯方向の平均で2.5〜7.0Nの高応力編地で主として構成されるボトム用衣料であって、膝部、臀部、大腿四頭筋部、腓腹筋部および前頚骨筋部のうち少なくとも2箇所の少なくとも一部が、伸張率80%における伸張応力が経方向および緯方向の平均で0.5N以上2.5N未満の低応力編地で構成され、該高応力編地と該低応力編地の伸張率80%における経方向および緯方向の平均伸張応力の差が1.0〜6.5Nであることを特徴とするボトム用衣料。
【選択図】図1

Description

本発明ははきやすく、動きやすく、サポート性に優れるボトム用衣料に関する。
運動時の筋肉のサポート効果を高めたり、衝撃を緩和したり、筋疲労を抑制する目的でコンプレッションウエアの開発が行われてきている。さらにガードル等のインナーにおいても同様の機能を持つものも求められてきている。特にタイツやスパッツなどのボトム用衣料では運動時の振動や衝撃を緩和する目的で緊締部を設ける衣料が各種検討されている。
例えば運動機能向上及び障害防止等を目的に、体表面側に***している筋肉を保護し、静脈還流を促す筋ポンプ作用により、筋肉から乳酸等の疲労原因物質をより早く取り除き、筋肉疲労を軽減又は予防する下肢部保護用衣料(下記特許文献1参照)、及び、編地の本体部に緊締部を有し、大腿部の大腿四頭筋に対して強い緊締力をかけることで、筋肉を効果的に鍛えるボトム衣料(下記特許文献2参照)が知られている。
特許文献1では筋肉の筋腹部分に立体的に膨らみをもたせた弱圧接部を設けているため、ダーツやギャザーをとると部分的に浮きが生じ、筋肉部へのフィット性が損なわれ、また、縫い目部分が皮膚に強く食い込んだり、生地の伸びを抑制するために運動時筋肉の***が妨げられるという問題点があった。いずれの衣料も緊締部を設けており、着脱しづらく、動きにくいという問題点もあった。特に膝部や臀部は人が曲げた場合皮膚が最大約50%伸びることが知られているが、通常、タイツ等のボトム衣料は着用時にも伸ばされているため、膝部等の曲げによる皮膚の伸張が加算されると、生地の伸びが少ない場合にははきづらく動きにくいという問題があった。また、運動時に使用する大腿四頭筋、腓腹筋等の筋肉部が押さえられている場合には動きに伴う筋肉の***が起こりにくく、十分な力が発揮しづらいという問題があった。さらにボトム衣料中に伸びづらい部分があるとからだのいろいろな動きに追随しづらく、可動域が小さくなるという問題もあった。
特許2721649号公報 特許3924586号公報
本発明は、着脱し易く、常にフィットしながらも、運動時の動きを妨げず、運動時の筋肉の***を妨げないために、非常に動きやすく、かつ、関節安定効果や振動抑制効果にも優れるボトム衣料を提供することを課題とする。
本発明者らは、主として高応力編地で構成されながら膝部、臀部および筋肉部の少なくとも一部を低応力編地にすることで上記目的が達成できることを見出し、本発明に至った。すなわち本発明は以下の通りである。
[1]伸張率80%における伸張応力が経方向および緯方向の平均で2.5〜7.0Nの高応力編地で主として構成されるボトム用衣料であって、膝部、臀部、大腿四頭筋部、腓腹筋部および前頚骨筋部のうち少なくとも2箇所の少なくとも一部が、伸張率80%における伸張応力が経方向および緯方向の平均で0.5N以上2.5N未満の低応力編地で構成され、該高応力編地と該低応力編地の伸張率80%における経方向および緯方向の平均伸張応力の差が1.0〜6.5Nであることを特徴とするボトム用衣料。
[2]高応力編地の伸張応力22.1Nにおける伸張率が経方向および緯方向とも100%以上である上記[1]に記載のボトム用衣料。
[3]高応力編地の伸張率80%における伸張応力の経方向および緯方向の比が0.7〜1.8、伸張率80%まで伸張した際の伸張回復率が経方向および緯方向とも85%以上である上記[1]または[2]に記載のボトム用衣料。
[4]低応力編地の伸張率80%における伸張応力の経方向および緯方向の比が0.7〜1.8、伸張率80%まで伸張した際の伸張回復率が経方向および緯方向とも85%以上である上記[1]〜[3]のいずれか一項に記載のボトム用衣料。
[5]レッグ部を有し、該レッグ部の29.4N荷重時の伸張率が45%以上である上記[1]〜[4]のいずれか一項に記載のボトム用衣料。
本発明のボトム衣料は着脱し易く、常にフィットしながらも運動時の動きを妨げず、運動時の特定の筋肉の***を妨げないために、非常に動きやすく、かつ、関節安定効果や振動抑制効果にも優れる。
また、スポーツ用途だけでなく、ガードル等のインナーウエア、又は介護用衣料としても使用可能である。
本発明のボトム衣料における編地の配置形態の一例を示す図である。 本発明のボトム衣料における編地の配置形態の別の一例を示すである。 本発明のボトム衣料における編地の配置形態の別の一例を示すである。 従来の部分的に緊締部を有するボトム衣料における編地の配置形態の一例を示す図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のボトム衣料を構成する編地には、弾性糸が少なくとも一部の領域において配されている。経編の場合はラッセル又はトリコットにより弾性糸が挿入又はルーピングされている組織が好適に用いられるが伸びの良さからトリコット編地が特に好ましい。丸編の場合は弾性糸がルーピングされているものが好ましい。
本発明のボトム衣料を主として構成する編地は、伸張率80%における伸張応力が経方向および緯方向の平均で2.5〜7.0Nの高応力編地である。伸張応力の測定は、テンシロン引張り試験機を使用し、10cmの把持間隔で把持した2.5cm巾の編地を引張速度300mm/分で伸張し、伸張率が80%の応力を読み取り、経方向および緯方向の値を平均する(以下、経緯平均伸張応力、又は単に平均伸張応力ともいう)。当該平均伸張応力が2.5Nより小さい場合にはサポート力が小さく、関節部の衝撃緩和効果が小さい。また、当該平均伸張応力が7.0Nを超えると着脱しにくく、動作時に動きにくいため、好ましくない。当該平均伸張応力は好ましくは2.7〜5.0Nであり、さらに好ましくは3.0〜4.5Nである。
本発明のボトム衣料は、主として上記高応力編地から構成され、膝部、臀部、大腿四頭筋部、腓腹筋部、前頚骨筋部のうち少なくとも2箇所の少なくとも一部が、伸張率80%における伸張応力が経方向および緯方向の平均で0.5N以上2.5N未満の低応力編地で構成されることを特徴としている。好ましくは0.7〜2.3Nであり、さらに好ましくは1.0〜2.0Nである。
膝部、臀部は曲げ動作により、皮膚が最大50%伸ばされる部位である。従ってこれらの部位を上記の平均伸張応力が2.5N未満の低応力編地で構成することにより、曲げ動作時の抵抗が小さくなり、格段に曲げ動作がしやすくなり、可動域が大きくなる。しかもまわりが高応力編地であるために動作時に関節の安定性を保つことができる。しかし、低応力編地の平均伸張応力が0.5Nよりも小さくなるとサポート性に劣り、動作が安定しにくいため好ましくない。
大腿四頭筋、腓腹筋、前頚骨筋は下肢の運動時に筋肉の***が起こりやすい部位である。これらの部位を上記の低応力編地で構成することにより、動作時の筋肉の***を妨げず、十分な力が発揮されやすい。これらの部位においてもまわりが高応力編地であるために下肢の安定性を保つことができ、衝撃緩衝効果を損ないにくい。
低応力編地が配置される部位はこれら5箇所のうち2箇所以上であればよく、5箇所全てでも良い。これら5箇所以外の部位に配置されていても良い。それぞれの部位において当該箇所すべてを覆う必要は無く、膝部、臀部の関節部のみや大腿四頭筋、腓腹筋の大きい筋肉部分のみに配置されていても上述の効果が期待できる。大腿四頭筋に配置する場合には大腿直筋、または外側広筋を覆うことが好ましい。低応力編地の総面積は製品面積の5〜40%が好適である。
本発明の一例としてタイツでの例を図1に示す。図中、膝部(1)、臀部(2)、大腿四頭筋部(3)、腓腹筋部(4)、前頚骨筋部(5)に相当する部分が、伸張率80%における伸張応力が経方向および緯方向の平均で0.5N以上2.5N未満の低応力編地で構成されている。また、ガードルでの例を図2に示す。図中、臀部(2)、大腿四頭筋部(3)が、伸張率80%における伸張応力が経方向および緯方向の平均で0.5N以上2.5N未満の低応力編地で構成されている。低応力編地が配置される部位の形状は特に限定されず、円形や多角形、不定形であってもよく、図3に示すように、複数の編地の組み合わせであっても良い。
本発明のボトム用衣料において、高応力編地と低応力編地の経方向および緯方向の平均伸張応力の差は1.0〜6.5Nであることを特徴としている。好ましくは1.0〜5.0Nであり、さらに好ましくは1.3〜4.0Nである。高応力編地と低応力編地の経方向および緯方向の平均伸張応力の差が1.0N未満では筋肉部とその周囲の応力差が小さいので、関節を安定させ、筋肉***が行いやすくする効果が十分ではない。高応力編地と低応力編地の応力の差を設けずにタックやギャザーによるパターンで応力差を設ける方法は生地が重なったり、浮いたりするため、フィット性を損ね、好ましくない。また、縫い目が皮膚に食い込んだり、生地伸びを損ねるため好ましくない。
逆に、6.5Nを超えると、隣接する編地の応力差が大きいために、衣料着用時伸びの斑によって皺が発生することがあるため好ましくない。
これら高応力編地と低応力編地は、それぞれ別々に編成された編地を縫製等により繋ぎ合わせて形成されてもよく、一枚の編地の中で応力が異なるように編成されたものでも良い。編地を組み合わせる場合、高応力編地と低応力編地の境界部分の縫製は伸びを損ねないようにする必要がある。また、縫い代が嵩張らないようにすることも肝要である。縫製部で伸びが抑制されると本発明の効果が発揮されがたくなる。縫い目部分には伸びの大きい縫い方を行う他、伸びのあるミシン糸や伸びのあるテープを使用する方法が好ましい。
本発明のボトム衣料において使用できる弾性糸としては、ポリウレタン系、ポリエーテルエステル系等の弾性糸が挙げられる。例えばポリウレタン系弾性糸では、乾式紡糸又は溶融紡糸により得られるものが使用できる。弾性糸は、用いるポリマー及び紡糸方法には特に限定されない。弾性糸の破断伸度は、編地に配したときに良好な伸縮性を有するために、例えば400%〜1000%であることが好ましい。上記破断伸度はJIS L1013 8.5.1 引っ張り強さ及び伸び率に記載された方法で測定される値である。また弾性糸は、伸縮性に優れること、例えば染色加工時のプレセット工程の通常処理温度180℃近辺で伸縮性を損なわないことが好ましい。また、弾性糸に特殊ポリマー又は粉体を添加することにより、高セット性、抗菌性、吸湿性、吸水性等の機能性を付与した弾性糸も使用可能である。弾性糸の繊度については、10〜700dtex(デシテックス、以下同じ記号を使用する)程度の繊維の使用が可能であり、弾性糸でルーピングを行なう場合は、20〜150dtex程度の弾性糸の使用が好ましく、ラッセル編機を使用して弾性糸の挿入編成を行なう場合は、70〜700dtexの弾性糸の使用が好ましい。
本発明のボトム衣料を構成する編地は、弾性糸の他に非弾性糸を含有できる。非弾性糸としては、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維、さらに、キュプラ、レーヨン、綿、竹繊維等のセルロース系繊維、羊毛等の獣毛繊維等、あらゆる繊維の使用が可能である。また、合成繊維においてはブライト糸、セミダル糸、フルダル糸等を任意に使用でき、繊維の断面形状としては丸型、楕円型、W型、繭型、中空糸等任意の断面形状が可能である。また、繊維の形態は特に限定されず、原糸、及び仮撚等を施した捲縮加工糸が使用できる。さらに、長繊維、紡績糸、2種以上の繊維の撚糸、カバーリング、エアー混繊等により混合した複合糸の使用が可能である。さらには、繊維製造時の混合でなく、編機上で2種以上の繊維を混合することも可能で、経編機では、2種以上の繊維をそれぞれに対応する筬を準備して編成すればよい。非弾性糸の繊度としては、例えば20〜160dtexが可能であり、編地の破裂強度及び厚み感の観点から、20〜110dtexの繊維の使用が好ましい。
本発明の効果をさらに高めるには、経方向および緯方向の80%伸張応力比(経方向伸張応力/緯方向伸張応力)が0.7〜1.8の編地を高応力編地として使用することが好ましい。経方向および緯方向のバランスに優れることで、からだのあらゆる動きに対して非常によく追随し、抵抗になるのを防ぐ。バランスが崩れると、動作によっては伸びづらく、動きにくい部分が生じてしまう。好ましくは0.8〜1.6であり、さらに好ましくは0.8〜1.5である。
さらに、高応力編地の伸張率80%まで伸張した際の伸張回復率は経方向および緯方向とも85%以上であることが好ましい。伸張回復率に優れることで常に一定の応力でのサポートが可能になる。なお、伸張回復率は、テンシロン引張り試験機を使用し、10cmの把持間隔で把持した2.5cm巾の編地を引張速度300mm/分で伸張・回復を3回繰り返し、伸張率80%までの往路応力、復路応力を測定し、得られた伸張回復曲線から3回目の残留伸び(%)を読み取り、下記式により算出する。
伸張回復率(%)={[80−(残留伸び)]÷80}×100
また、高応力編地の伸張応力22.1Nにおける伸張率は経方向および緯方向とも100%〜400%であることが好ましい。ここでの伸張率はテンシロン引張り試験機を使用し、10cmの把持間隔で把持した2.5cm巾の編地を引張速度300mm/分で応力が22.1Nとなるまで伸張したときの伸張率(%)である。経方向および緯方向とも100%以上の伸張率を有することで着脱時や動作時のからだのあらゆる動きに対して、突っ張り感が生じず、動きやすく好ましいが400%を超えるとサポート性に欠ける。
低応力編地においても、経方向および緯方向の80%伸張応力比(経方向伸張応力/緯方向伸張応力)が0.7〜1.8、伸張率80%まで伸張した際の伸張回復率が経方向および緯方向とも85%以上、伸張応力22.1Nにおける伸張率が経方向および緯方向とも100%〜400%であることが好ましい。
さらにボトム衣料中に伸びづらい部分があるとからだのいろいろな動きに追随しづらく、可動域が小さくなるため、足首までのレッグ部を有するボトム衣料のレッグ部の伸張率は45%以上であることが好ましく、50%以上あるとさらに好ましく、150%以下であることが好ましい。さらに、臀部、太腿部、膝部、ふくらはぎ部の各部位のよこ方向の伸張率も45%以上であることが好ましく、50%以上あるとさらに好ましく、150%以下であることが好ましい。45%以上あれば体のいろいろな動きに追随しやすく、可動域が大きくなる。150%を超えると伸びすぎて履きづらく、サポート性にも欠ける。これらの伸張率は、大竹工作所製タイツ用寸法測定機もしくはパンスト用寸法測定機を用いて製品の状態で29.4N(3kgf)荷重時の長さを計測し、伸張前後の長さから[{(伸張後の長さ−伸張前の長さ)/(伸張前の長さ)}×100]で計算する。レッグ部の長さは股部から足首までの長さをいい、製品の足首側端部1cmのところから股部までの長さを生地が2重の状態で計測する。上記各部のよこ方向の長さは、製品の各部を2重の状態で端1cmのところを把持し、29.4N荷重時の長さを計測し、2倍する。臀部は股部とウエスト部を結ぶ線のウエストから1/2の位置、太腿部、膝部、ふくらはぎ部はそれぞれ股部と足首を結ぶ線の足首から70%、50%、15%の位置にて計測する。
本発明のボトム衣料においては緊締部や伸びにくい縫い目を設けないことが好ましいが、緊締部や縫い目を設ける場合においても、上記伸張率を確保できるように緊締部を細くする、伸びる糸で縫う等の工夫を行うことが好ましい。
以下、本発明を実施例で具体的に説明する。なお、実施例において編地応力の測定等は下記により行った。
(1)平均伸張応力、経緯伸張応力比、伸張回復率
テンシロン引張り試験機を使用し、10cmの把持間隔で把持した2.5cm巾の編地を引張速度300mm/分で伸長・回復を3回繰り返し、伸張率80%までの往路応力、復路応力を測定し、経方向及び緯方向それぞれについて伸張回復曲線を描く。伸張1回目における伸張率80%の応力を読み取り、経方向及び緯方向を平均して平均伸張応力とし、経方向/緯方向を算出して経緯伸張応力比とした。伸張回復曲線から3回目の残留伸び(%)を読み取り、経方向及び緯方向それぞれについて、下記式により伸張回復率(%)を算出した。
伸張回復率(%)={[80−(残留伸び)]÷80}×100
(2)伸張率
テンシロン引張り試験機を使用し、把持間隔10cmで把持した幅2.5cmの編地を300mm/分の速度で応力が22.1Nとなるまで伸張したときの伸張率(%)を測定した。
(3)製品各部の伸張率
大竹工作所製タイツ用寸法測定機もしくはパンスト用寸法測定機を用いて製品の状態で3kgf荷重時のレッグ部、臀部、太腿部、膝部、ふくらはぎ部の長さを計測し、伸張前後の長さから[{(伸張後の長さ−伸張前の長さ)/(伸張前の長さ)}×100]で計算する。レッグ部は股部から足首までの長さをいい、製品の端1cmのところからの長さを生地が2重の状態で計測する。よこ方向の長さは製品の各部を2重の状態で端1cmのところを把持し、29.4N荷重時の長さを計測し、2倍する。臀部は股部とウエスト部を結ぶ線のウエストから1/2の位置、太腿部、膝部、ふくらはぎ部はそれぞれ股部と足首を結ぶ線の足首から70%、50%、15%の位置にて計測する。
(4)関節衝撃性
加速度評価システム(インタークロス社製)を用いて、タイツを着用したモニターの足首(踝の2cm上)および膝(膝中央の体側側)にセンサーを取り付け、高さ10cm程度の負担にならないジャンプを5回行い、鉛直方向の加速度の最大値を測定し、{(膝での最大値/足首での最大値)×100(%)}を算出し、5回のジャンプについて平均した。この値が小さい程、衝撃緩和効果が大きいことを示す。
(5)着用感
はきやすさ、動きやすさ、締め付け感についてモニター5名で以下の基準で評価した。
<はきやすさ>
5:非常にはきやすい
4:はきやすい
3:どちらともいえない
2:ややはきにくい
1:非常にはきにくい
<動きやすさ>
5:非常に動きやすい
4:動きやすい
3:どちらともいえない
2:やや動きにくい
1:非常に動きにくい
<締め付け感>
5:サポート感に優れ、非常に快適である
4:サポート性を有し、快適である
3:サポート感が弱いか、またはサポート感を有するが快適ではない
2:サポート感がほとんど無いか、またはサポート感があっても締め付けが強くてやや不快である
1:サポート感が全く無いか、またはサポート感があっても締め付けが強すぎで非常に不快である
[実施例1]
高応力編地として、28ゲージのシングルトリコット機を用いて、フロント筬及びミドル筬に44dtex/36fのポリエステルフィラメントをそれぞれ1イン1アウトで通糸し、バック筬に78dtexのポリウレタン繊維をフルセットで通糸し、フロントの組織を4−5/3−2/1−0/2−3、ミドルの組織を2−1/3−4/5−6/4−3、バックの組織を1−0/1−2/2−3/2−1で編成し、生機を得た。
低応力編地として、32ゲージのシングルトリコット機を用いて、フロント筬に33dtex/48fのポリエステルフィラメントを、バック筬に22dtexのポリウレタン繊維をそれぞれフルセットで通糸し、フロントの組織を4−5/3−2/1−0/2−3、バックの組織を1−0/1−2/2−3/2−1で編成し、生機を得た。
これらの生機を80℃でリラックス精錬を行い、190℃で熱セットを行い、さらに100℃で染色、150℃で仕上げ処理を実施し編地を得た。
得られた編地を用いて、図1に示すパターンでメンズMサイズのタイツを作成し、Mサイズの5名の男性モニターで着用試験を行った。なお、低応力編地の使用割合はタイツ全体の25%であった。評価結果を編地および衣料の特性と共に表1に示す。非常にはきやすく、動きやすく、締め付け感も良好であり、衝撃緩和効果もあった。
[実施例2]
実施例1と同様の編地を低応力部、高応力部にそれぞれ用いて、図3のパターンでメンズMサイズのタイツを作成し、実施例1と同様に評価した。なお、低応力編地の使用割合はタイツ全体の22%であった。評価結果を編地および衣料の特性と共に表1に示す。非常にはきやすく、動きやすく、締め付け感も良好であり、衝撃緩和効果もあった。
[実施例3]
実施例1と同様の編地を低応力部、高応力部にそれぞれ用いて、図2のパターンで女性Mサイズ(身長155−165cm)ガードルを作成し、女性モニターにより実施例1と同様に評価した。なお、低応力編地の使用割合はガードル全体の18%であった。評価結果を編地および衣料の特性と共に表1に示す。非常にはきやすく、動きやすく、締め付け感も良好であった。
[実施例4]
高応力編地として、28ゲージのシングルトリコット機を用いて、フロント筬に44dtex/24fのポリエステルフィラメント、バック筬に78dtexのポリウレタン繊維をそれぞれフルセットで通糸し、フロントの組織を2−3/1−0、バックの組織を1−0/1−2で編成し、生機を得た。
低応力編地として、28ゲージのシングルトリコット機を用いてでフロント筬に33dtex/48fのポリエステルフィラメント、バック筬に33dtexのポリウレタン繊維をそれぞれフルセットで編成し、フロントの組織を2−3/1−0、バックの組織を1−0/1−2で編成し生機を得た。
これらの生機を実施例1と同様に染色加工し、図1のパターンでメンズMサイズのタイツを作成し、実施例1と同様に評価した。なお、低応力編地の使用割合はタイツ全体の24%であった。評価結果を編地および衣料の特性と共に表1に示す。はきやすく、動きやすく、締め付け感もまずまず良好であり、衝撃緩和効果もあった。
[比較例1]
実施例4の高応力編地を用いて図1のタイツで低応力部分の切り替えのないタイツを作成し、実施例1と同様に評価した。評価結果を編地および衣料の特性と共に表1に示す。ややはき難く、動きにくく、締め付け感が強くやや不快であった。
[比較例2]
実施例4の高応力編地で主として構成され、さらに図4に示す緊締部を有するメンズMサイズのタイツを作成した。筋締部には、28ゲージのシングルトリコット機を用いて、フロント筬に84dtex/36fのポリエステルフィラメント、バック筬に84dtex/36fのポリエステルフィラメントをそれぞれフルセットで通糸し、フロントの組織を1−0/1−2、バックの組織を1−2/1−0で編成し、生機を得、この生機を実施例1と同様に染色加工して得た編地を用いた。この編地は経方向、緯方向とも伸張率80%未満で破断するものであって、22.1N荷重時の伸張率は経53%、緯46%であった。なお、緊締部の割合はタイツ全体の8%であった。得られたタイツを実施例1と同様に評価した結果を編地および衣料の特性と共に表1に示す。伸びが悪く、はき難く、動きにくく不快であった。
[比較例3]
実施例1の低応力編地のみを用いて、図1のタイツで全てが低応力編地で構成されたタイツを作成し、実施例1と同様に評価した結果を編地および衣料の特性と共に表1に示す。サポート感が弱く、はきやすく、動きやすかったがやや頼りなく、衝撃緩和効果が弱いタイツであった。
Figure 2013133551
本発明のボトム衣料は着脱し易く、運動時の動きを妨げず、運動時の特定の筋肉の***を妨げないために、非常に動きやすく、かつ、関節安定効果や振動抑制効果にも優れる。
また、スポーツ用途だけでなく、ガードル等のインナーウエア、又は介護用衣料としても使用可能で着用時の振動抑制効果により、疲労軽減及びケガ防止の効果を有する。
1 膝部に配された低応力編地部分
2 臀部に配された低応力編地部分
3 大腿四頭筋部に配された低応力編地部分
4 腓腹筋部に配された低応力編地部分
5 前頚骨筋に配された低応力編地部分
10 高応力編地部分
20 緊締部

Claims (5)

  1. 伸張率80%における伸張応力が経方向および緯方向の平均で2.5〜7.0Nの高応力編地で主として構成されるボトム用衣料であって、膝部、臀部、大腿四頭筋部、腓腹筋部および前頚骨筋部のうち少なくとも2箇所の少なくとも一部が、伸張率80%における伸張応力が経方向および緯方向の平均で0.5N以上2.5N未満の低応力編地で構成され、該高応力編地と該低応力編地の伸張率80%における経方向および緯方向の平均伸張応力の差が1.0〜6.5Nであることを特徴とするボトム用衣料。
  2. 高応力編地の伸張応力22.1Nにおける伸張率が経方向および緯方向とも100%以上である請求項1に記載のボトム用衣料。
  3. 高応力編地の伸張率80%における伸張応力の経方向および緯方向の比が0.7〜1.8、伸張率80%まで伸張した際の伸張回復率が経方向および緯方向とも85%以上である請求項1または2に記載のボトム用衣料。
  4. 低応力編地の伸張率80%における伸張応力の経方向および緯方向の比が0.7〜1.8、伸張率80%まで伸張した際の伸張回復率が経方向および緯方向とも85%以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載のボトム用衣料。
  5. レッグ部を有し、該レッグ部の29.4N荷重時の伸張率が45%以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載のボトム用衣料。
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