JP2012140719A - ボトム衣料 - Google Patents

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夏海 平良
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Abstract

【課題】運動時の動きを妨げず、筋肉の振動を抑制することにより、筋肉への障害及びエネルギーロスを低減させ、疲労軽減効果が期待できるボトム衣料を提供すること。
【解決手段】弾性糸を少なくとも一部の領域において含有する布帛によって形成されているボトム衣料であって、弾性糸を含有する伸縮部と、ボトム衣料を伸長したときに少なくとも1つの伸長方向において該伸縮部よりも大きい伸長応力を示す帯状の緊締部と、を少なくとも有し、着用時の左右それぞれの大腿後部に対応する部位において、該緊締部が、交差部及び分岐部の少なくともいずれかを有して2以上の方向に延びている、ボトム衣料。
【選択図】図1

Description

本発明は、主に運動時着用するのに好適なボトム衣料に関するものである。
ジョギング及びウォーキング等の運動の際に下肢の人体表面にほぼ密着して着用されるスパッツ、パンツ、タイツ等のボトム衣料は公知である。このようなボトム衣料において、運動機能向上及び障害防止等を目的に、体表面側に***している筋肉を保護し、静脈還流を促す筋ポンプ作用により、筋肉から乳酸等の疲労原因物質をより早く取り除き、筋肉疲労を軽減又は予防する下肢部保護用衣料(特許文献1)、及び、編地の本体部に緊締部を有し、大腿部の大腿四頭筋に対して強い緊締力をかけることで、筋肉を効果的に鍛えるボトム衣料(特許文献2)が知られている。
特許2721649号公報 特許3924586号公報
これらのボトム衣料により、対象とする筋肉に対する筋肉疲労軽減及び筋肉鍛錬の効果を発現することができるが、歩行又は走行等による脚全体の筋肉疲労及び運動負荷を軽減するという点では不十分であった。
特に、大腿筋のうち、脚後部に配されている屈筋群(大腿二頭筋・半腱様筋・半模様筋)は、ハムストリングスと呼ばれ、運動機能に大きく作用する筋肉群であるが、屈筋群を効果的にトレーニングする方法がなく、また運動負荷により障害を受けやすいとされている。しかし、従来のボトム衣料では、運動時の動きを妨げずに脚部筋肉の振動を抑制し、疲労低減させる機能を付与することは検討されていなかった。
本発明は、運動時に着用し、運動時の動きを妨げず、脚部筋肉、特に大腿筋中の屈筋群(以下、単に屈筋群と称する)の振動を抑制することにより、筋肉への障害及びエネルギーロスを低減させ、疲労軽減効果が期待できるボトム衣料を提供することを課題とする。
本発明者は、運動時に生じる筋肉の振動が、筋肉への障害及びエネルギーロスを発生させる可能性が高いことに着目し、筋肉、特に屈筋群の振動を抑制するコンプレッション性能を有するボトム衣料の開発を行なった。
そして本発明者は、弾性糸を含有する布帛からなり、人体表面に密着して着用された際に大腿後部で帯状の高応力の緊締部が1箇所以上で交差しているボトム衣料により、上記目的が達成できることを見出し、本発明に至った。すなわち本発明は以下の通りである。
[1] 弾性糸を少なくとも一部の領域において含有する布帛によって形成されているボトム衣料であって、
弾性糸を含有する伸縮部と、ボトム衣料を伸長したときに少なくとも1つの伸長方向において該伸縮部よりも大きい伸長応力を示す帯状の緊締部と、を少なくとも有し、
着用時の左右それぞれの大腿後部に対応する部位において、該緊締部が、交差部及び分岐部の少なくともいずれかを有して2以上の方向に延びている、ボトム衣料。
[2] 該伸縮部を構成する布帛と該緊締部を構成する布帛とが接合されている、[1]に記載のボトム衣料。
[3] 該伸縮部及び該緊締部が1枚布からなる、[1]又は[2]に記載のボトム衣料。
[4] 該交差部及び該分岐部の少なくともいずれかが、着用時の股下5〜25cmに対応する位置に少なくとも1つ存在するように形成されている、[1]〜[3]のいずれかに記載のボトム衣料。
[5] 該緊締部の幅が1.0〜5.0cmである、[1]〜[4]のいずれかに記載のボトム衣料。
[6] ボトム衣料を伸長したときに、少なくとも1つの伸長方向において、該緊締部の伸長応力の、該伸縮部の伸長応力に対する比が、2.0〜5.0である、[1]〜[5]のいずれかに記載のボトム衣料。
本発明のボトム衣料は、ジョギング、ウォーキング等の運動時に着用することで、運動時の衝撃により生じる可能性がある筋肉、特に屈筋部の障害防止及びエネルギーロス軽減の効果を有する。
また、スポーツ用途だけでなく、ガードル等のインナーウエア、又は介護用衣料としても使用可能で、それぞれの用途における着用時の筋肉(特に屈筋部)振動を抑えることにより、疲労軽減及びケガ防止の効果を有する。
本発明のボトム衣料における緊締部の配置形態の一例を示す。 本発明のボトム衣料における緊締部の配置形態の他の一例(2箇所以上で交差する例)を示す。 本発明のボトム衣料における緊締部の配置形態の他の一例(不連続部が形成される例)を示す。
以下、本発明について詳細に説明する。なお筋肉振動としては、筋肉のみが振動する場合、及び筋肉と脂肪との両方が振動する場合があるが、本発明ではこれらを含めて筋肉振動と表記する。
本発明は、弾性糸を少なくとも一部の領域において含有する布帛によって形成されているボトム衣料であって、弾性糸を含有する伸縮部と、ボトム衣料を伸長したときに少なくとも1つの伸長方向において該伸縮部よりも大きい伸長応力を示す帯状の緊締部と、を少なくとも有し、着用時の左右それぞれの大腿後部に対応する部位において、該帯状の緊締部が、交差部及び分岐部の少なくともいずれかを有して2以上の方向に延びている、ボトム衣料を提供する。なお大腿後部とは、大腿部のうち人体後方の部分全体を示す。
本発明におけるボトム衣料とは、下半身の股下から2つに分かれ、脚部、少なくとも膝上までを筒状に覆う形状の衣料である。股下丈は例えば30cm以上が好ましい。
本発明のボトム衣料を構成する布帛においては、弾性糸が少なくとも一部の領域において配されている。布帛は編地でも織物でも良いが、編地であることが好ましい。経編の場合はラッセル又はトリコットにより弾性糸の挿入又はルーピングにより製造され、丸編の場合は弾性糸のルーピングで製造されるものが好ましい。
本発明のボトム衣料を構成する布帛は、高伸長応力(以下、本明細書において特記なく「応力」というときは伸長応力を意味する)の緊締部を有している。高応力の緊締部と、弾性糸を含有する伸縮部とを設ける方法としては任意の方法が挙げられる。例えば、緊締力(伸長応力)の異なる複数の布帛を所望の形状に裁断して例えば接着又は縫製により接合することによって緊締部と伸縮部とを設ける方法、及び後述のように一枚布の中に緊締部と伸縮部とを設ける方法が挙げられる。
本発明においては、ボトム衣料を伸長したときに少なくとも1つの伸長方向において緊締部が伸縮部よりも大きい伸長応力を有するように該ボトム材料を構成する。より典型的には、緊締部が伸縮部よりも大きい伸長応力を有する伸長方向が、帯状の緊締部の長手方向、又は交差部若しくは分岐部に向かう方向等であることにより、着用時の筋肉への障害及びエネルギーロスの低減効果が良好に得られる。
例えば、布帛編成時に、伸縮性を有する地組織と、該地組織よりも高応力の部分とを編成することによって、1枚の布帛(一枚布)の中に、伸縮部、及び該伸縮部よりも高応力の緊締部を設けることが可能である。このような一枚布を用いて形成されたボトム衣料であれば、着用時の縫製部の違和感が解消されるため好ましい。編地編成時に緊締部を編成する方法としては公知の方法が挙げられ、例えば、丸編機を使用し、緊締部は地編部(本発明において伸縮部となる)に比べて編目を小さくして編成するか、又は、特開2006−28648号公報に示されるように、フロート組織により編成する方法、又は、特開2010−7208号公報に示されるように、高応力部に熱融着糸を編み込んで、編成後に熱融着糸を融着して高応力部を設ける方法等が挙げられる。これらの編成は、ジャカード機能を有し、編糸の切替が容易な編機(例えばサントニー社製 SM8−8 TOP2等)の使用により可能であり、このような編機によれば容易に好適な編地の編成が可能である。
また、経編機を使用する場合は、ジャガード機能を有する編機を使用し、バック筬に弾性糸、ミドル筬に地組織を編成する非弾性糸、ジャカード機能を持つフロント筬に非弾性糸を配置して、高応力部はジャカード機能により、フロント筬の非弾性糸の振り幅を大きくして編成する方法により高応力部の編成が可能である。なお、ジャカード機能を有する編機でなくても、筬の振り幅が10cm程度振れる編機の使用によっても高応力部の編成は可能で、ジャカード編機と同様にバック筬に弾性糸、ミドル筬に非弾性糸を配して地編部を編成し、フロント筬に高応力部の幅分のみ非弾性糸、又は弾性糸を筬通しして、編成時に筬の振りにより例えばX字等に編成する方法が行なえる。これら経編の場合は、ジャカード機能を有する、例えばカールマイヤー社製RSJ5(4)/1、又は、RSJ5(4)/1ELの使用が適している。
本発明のボトム衣料において使用できる弾性糸としては、ポリウレタン系、ポリエーテルエステル系等の弾性糸が挙げられる。例えばポリウレタン系弾性糸では、乾式紡糸又は溶融紡糸により得られるものが使用できる。弾性糸は、用いるポリマー及び紡糸方法には特に限定されない。弾性糸の破断伸度は、編地に配したときに良好な伸縮性を有するために、例えば400%〜1000%であることが好ましい。上記破断伸度はJIS L1013 8.5.1 引っ張り強さ及び伸び率に記載された方法で測定される値である。また弾性糸は、伸縮性に優れること、例えば染色加工時のプレセット工程の通常処理温度180℃近辺で伸縮性を損なわないことが好ましい。また、弾性糸に特殊ポリマー又は粉体を添加することにより、高セット性、抗菌性、吸湿性、吸水性等の機能性を付与した弾性糸も使用可能である。弾性糸の繊度については、10〜700dtex(デシテックス、以下同じ記号を使用する)程度の繊維の使用が可能であり、弾性糸でルーピングを行なう場合は、20〜150dtex程度の弾性糸の使用が好ましく、ラッセル編機を使用して弾性糸の挿入編成を行なう場合は、70〜700dtexの弾性糸の使用が好ましい。
本発明のボトム衣料を構成する布帛は、弾性糸の他に非弾性糸を含有できる。非弾性糸としては、ポリエステル系繊維(ポリトリメチレンテレフタレート等)、ポリアミド系繊維、ポリプロピレン等の合成繊維、さらに、キュプラ、レーヨン、綿、竹繊維等のセルロース系繊維、羊毛等の獣毛繊維等、あらゆる繊維の使用が可能である。また、これらの素材で形成されたブライト糸、セミダル糸、フルダル糸等を任意に使用できる。繊維の断面形状としては丸型、楕円型、W型、繭型、中空糸等任意の断面形状が可能である。また、繊維の形態は特に限定されず、原糸、及び仮撚等を施した捲縮加工糸が使用できる。さらに、長繊維、紡績糸、2種以上の繊維を撚糸、カバーリング、エアー混繊等により混合した複合糸としての使用が可能である。さらには、繊維製造時の混合でなく、編機上で2種以上の繊維を混合することも無論可能で、経編機では、2種以上の繊維をそれぞれに対応する筬を準備して編成すればよい。非弾性糸の繊度としては、例えば20〜160dtexが可能であり、編地の破裂強度及び厚み感の観点から、20〜110dtexの繊維の使用が好ましい。なお、綿及び羊毛については、それぞれ当業者に公知の換算式により使用繊維の太さを求めれば良い。
本発明のボトム衣料には、伸縮部(低応力の部分(例えば編地部分)と、緊縮部(部分的に帯状に形成される高応力の部分(例えば編地部分))が配されている。緊締部以外の部分(例えば編地部分)は、全て伸縮部であってもよく、伸縮部と非伸縮部とであってもよい。非伸縮部は、例えば非弾性糸のみで形成できる。
伸縮部の80%伸長応力は例えば2.9〜14.7Nであることが好ましい。該伸長応力が2.9N以上である場合、着用時に身体を締め付ける力が十分であり、防振効果を良好に発揮できる点で有利であり、14.7N以下である場合着用時の締付けが過大にならない点で有利である。緊締部の80%伸長応力(特に好ましくは帯状形状の長手方向の80%伸長応力)は、伸縮部の80%伸長応力よりも大きいことを前提に7.8〜49.0Nであることが好ましい。該伸長応力が7.8N以上である場合防振効果の点で有利であり、49.0N以下である場合、着用者の動作を妨げない点で有利である。
ボトム衣料を伸長したときに、少なくとも1つの伸長方向において、緊締部の伸長応力の伸縮部の伸長応力に対する比である応力比は、2.0〜5.0であることが好ましく、より好ましくは2.5〜4.0である。すなわち上記応力比とは、高応力の緊締部と低応力の伸縮部とを同方向(すなわちボトム衣料における方向として)に伸長したときの伸長応力の比であり、例えば、ボトム衣料を着用時の上下方向に対して斜め方向に伸長する場合には、緊締部及び伸縮部の該斜め方向での伸長応力の比が上記応力比となる。応力の測定方法は後述の実施例の項にて詳細に示す。なお好ましい例として、最も応力比の値が大きくなる伸長方向での該応力比が上記範囲内であることができる。
本発明において、緊締部の形状は帯状であり、好ましくは1.0〜5.0cmの幅を有する。緊締部の幅及び形状は必ずしも均一でなくてもよい。例えば1本の帯状の緊締部は直線又は曲線等の線状でもよく、不連続部を有するドット状であってもよく、帯状の中で凹凸及び/又は幅の広狭があってもよい。具体的には、帯状の緊締部の幅が最も広い部分で5.0cm以下であり最も狭い部分で1.0cm以上であることが好ましい。幅が1.0cm未満の箇所では振動を抑制する効果が低下する場合があり、5.0cmより広い箇所では運動時の筋肉の動きを妨げる可能性がある。緊締部の幅は、より好ましくは1.5〜4.5cm、特に好ましくは2.0〜4.0cmである。
本発明においては、着用時の左右それぞれの大腿後部に対応する部位(以下、単に大腿後部と称することもある)において、緊締部が、少なくとも、交差部及び分岐部の少なくともいずれかを有して2以上の方向に延びている。これにより、ボトム衣料において緊締部が少なくとも2方向の伸長に対して高応力を与えることができる。このような緊締部は、ボトム衣料の着用時に、筋肉(より具体的には大腿筋、特に屈筋群を含む脚部筋肉全体)の振動を抑制することができ、従って筋肉の障害及びエネルギーロスの低減効果を良好に付与する。交差部を有する形状としては、具体的にはX形状を例示でき、分岐部を有する形状としては、具体的にはY形状及びT形状等を例示できる。なお緊締部は、図3を参照して後述するように、例えば特に交差部及び分岐部の近傍等において、本発明の効果を損なわない範囲で一部途切れて不連続部を有していてもよい。なお本明細書において交差部及び分岐部とは、2以上の方向に延びる帯形状(不連続部を有する態様においては該不連続部がないと仮定したときに仮想される帯形状)が重なり合う部分である。
緊締部は、例えば、大腿後部に対応する部位において、内腿上部側から外腿下部側に延びる部分と外腿上部側から内腿下部側に延びる部分とが互いに交差するX形状を少なくとも有して延びていることができる。この場合、筋肉の振動の抑制効果が特に良好である。
以下に、図1〜3を参照して本発明における緊締部の配置形態の例についてより具体的に説明する。図1〜3は、ボトム衣料において着用時に人体後方側となる面を示している。本発明の一態様においては、例えば図1に示すように、緊締部1と伸縮部2とを有し股分岐部3から下部に左右に分かれているボトム衣料において、着用時の左右それぞれの大腿後部に対応する部位に形成された2本の緊締部1が互いに交差部4で交差している。本発明の別の態様においては、例えば図2に示すように、緊締部1が左右各2箇所の交差部4で交差している。本発明における緊締部の交差部及び分岐部が多いほど防振効果が高くなるが、交差部及び分岐部が多すぎると着用者の筋肉の動きを妨げる可能性があるため、交差部及び分岐部は合わせて左右各1〜3箇所であることが好ましい。なお図2に示す態様では、緊締部1が更に分岐部5を有して分岐している。本発明の更に別の態様においては、例えば図3に示すように、交差部4において、緊締部1の1つの部分が連続して延びるとともに、他の部分が該交差部4を跨ぐように一部途切れて不連続部を有している。この場合、不連続部における、1の部分と他の部分との非接触部の長さ6は、未着用の製品において、0.5cm以内であることが好ましい。なお上記非接触部の長さは、非接触部における最も狭い部分の長さである。
本発明においては、上記の交差部又は分岐部が、着用時の股下5〜25cmに対応する位置に少なくとも1つ存在するように形成されていることが好ましい。上記の股下の位置は、製品の設計サイズにほぼ合致する着用者(例えば、Mサイズの製品であれば身長165〜175cmの着用者)が着用した状態での股下の位置(すなわち、股分岐部から踝方向にて測定される位置)を指し、股下5〜25cmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは10〜20cmの範囲である。なお、交差部又は分岐部の少なくとも一部分が上記の位置に存在すればよいが、より好ましくは、交差部又は分岐部の中心を基準とする。例えば図1の交差部中心Cに示すように、緊締部の交差部が延びる上下方向及び左右方向の中間点を中心とする。分岐部においても同様に上下方向及び左右方向の中間点を中心とする。特に、交差部及び分岐部の幅はボトム衣料上下方向に1.0〜5.0cmであることが好ましい。また交差部及び分岐部は、ボトム衣料左右方向にそれぞれの中心から5.0cm以内に入っていることが好ましく、より好ましくは3.0cm以内である。また、左右の脚で緊締部の形状が必ずしも同じでなくてもよい。
本発明のボトム衣料における緊締部と伸縮部との比率は特に限定されないが、脚部後身頃部の股下5〜25cmの領域における、全面積に対する緊締部の面積比は5〜50%であることが好ましい。より好ましくは10〜35%、特に好ましくは15〜25%である。この領域における緊締部の面積比が5%以上であり上述の交差部又は分岐部を有していれば、筋肉振動抑制効果の点で有利であり、50%以下であれば、筋肉の動きを妨げない点で有利である。
以下、本発明を実施例で具体的に説明する。なお、実施例において防振性の評価、編地応力の測定等は下記により行った。なお表1中に示す交差部位置とは、股下の位置(すなわち、股分岐部から踝方向にて測定される位置)である。
(1)防振性
実施例で得られた編地を用いて、Mサイズの脚部にフィットするスパッツを縫製し、これをMサイズの被験者が着用し、膝丈の高さの台上に片足のつま先を乗せ、乗せた片足を地面に強く降ろして、その時の大腿後部の筋肉の振動を200コマ/秒以上の高速カメラにて撮影し、筋肉の振動状態を下記評価基準にて目視判定した。合格は○及び△である。
○ : 筋肉振動が僅かで、ほとんど振動が見られない
△ : 少し筋肉振動している。○と×との中間、又は、○に近い振動である。
× : 大きく筋肉が振動し、素脚とほぼ同等である。
(2)応力比
伸縮部(高伸度部)と緊締部(低伸度部)との伸長応力を測定し、下記式により応力比を求めた。
応力比=緊締部の応力(cN)/伸縮部の応力(cN)
なお、応力の測定においては、テンシロン引張り試験機を使用し、幅2.5cm、長さ(把持間隔)10cmの編地を、300m/minの速度で80%伸長まで伸長し、80%伸長時の応力を測定した。例えば、緊締部の応力を製品経方向(これはボトム衣料着用時の上下方向である)にて測定した場合は、伸縮部も同じ製品経方向で応力を測定する等、緊締部と伸縮部とでボトム衣料に対して同じ方向の応力を測定し、それぞれの応力とした。なお、幅2.5cm、長さ10cmの規定の大きさの編地採取が困難な場合は、緊締部、及び伸縮部の採取可能な同じ寸法で試料作製し、上記式により応力比とした。なお、緊締部は、X形状等、2以上の方向に延びて設けられているため、交差部を除いて緊締部の各長手方向に対応する伸長方向で緊締部と伸縮部との応力を求め、緊締部と伸縮部との応力の比が最も大きくなる方向の比率を応力比とした。
(3)着用感
実施例で得られたボトム衣料の着用感を、実着用により、防振性を除く締め付け感のみの着用感に関して以下の基準で評価した。下記基準で3以上であれば、ソフトな風合いで着用感を阻害しない。数値が高いほど好ましい。
5 : しっかりした締め付け感が有り快適である。
4 : 十分な締め付け感が有る。
3 : 不快な締め付け感ではない。
2 : 締め付けがやや緩い、あるいはやや強く、長時間の着用は不快である。
1 : 締め付けが緩すぎ、あるいは強すぎ、極めて不快である。
[実施例1]
仕掛け巾130インチの28ゲージ/インチのコンピュータジャカードラッセル機を使用し、図1に示すような、1枚の編地中に高応力の緊締部1と低応力の伸縮部2とを有し、緊締部が大腿後部において左右各1箇所で交差しているロングスパッツ用編地を編成した。編成に当たり、各筬と糸種、及び編成条件設定を下記のように行った。
J1(ジャカード筬):ナイロン33dtex/24f(フィラメント:以下同じ表示とする)を使用し、基本組織(ラッセル表記:以下同じ表示とする)を24/42/24/20/02/20とした。
L2(地筬):ナイロン33dtex/24fを使用し、組織を42/46/42/24/20/24とした。
L3(地筬):ロイカ(旭化成せんい株式会社製、ポリウレタン弾性糸:以下同じ表示とする)HSタイプ235dtexを使用し、組織を22/66/22/44/00/44とした。
L4(地筬):ロイカHSタイプ44dtexを使用し、組織を22/44/00/22/00/44とした。
これらの設定により編成を行った。ここで、J1とはジャカード筬であり、2枚の筬に、ゲージに相当する糸本数を2分割して1本交互に糸通しして、2枚のジャカード筬で編成する基本組織をジャカード機構によりガイドが移動して柄形成された。
以上のような糸配列、組織、及びジャカ−ド運動により、編地経方向が製品の経方向となるようにして図1に示す柄の編成を行い、製編して得られた編地に染色及び仕上げ加工を行った。
こうして得た弾性経編地を用い、編地経方向を製品経方向として、かつ、高応力の緊締部が交差している部分が大腿後部となるようにスパッツを縫製した。本スパッツの脚部後身頃部の股下5〜25cmの領域における、全面積に対する緊締部の面積比は22%であった。これを着用した結果、動き易い上に太腿後部の筋肉振動が抑えられた製品であった。
[実施例2〜10、比較例1〜4]
実施例1において、弾性糸の振り幅、編成時のランナー、及び弾性糸の繊度を変更して応力を変更した編地、さらに、緊締部の位置を変更して各種の編地を製造した。
得られた編地の性能を評価した。結果を表1に示す。
[実施例11]
実施例1において、編地の編成に際し、高応力の緊締部を有しない低応力の伸縮部のみの編地を編成し、図1の緊締部に相当する部分は、前記で得られる高応力部に相当する編地を使用し、編地緯方向が製品経方向となるように緊締部の形状に裁断し、平2本ミシンによりスパッツに縫製して製品とした。
得られた製品の性能を評価した。結果を表1に示す。本発明による製品は適度な締め付け感を有し、また、太腿後部の筋肉振動が抑えられた製品であった。
[実施例12]
同一の給糸口において任意に編み糸の変更が可能な釜径14インチ、28ゲージのコンピュータ制御丸編機(SANTONI社製 SM8−8 TOP2)を使用して編地を作製し、図2に示すような、大腿後部において高応力の緊締部が左右各2箇所で交差している編地を編成して膝下までのスパッツを製造した。
編成ではスパッツのウエスト部として、弾性糸(商品名ロイカCRタイプ)155dtexに、ナイロン加工糸33dtex/10fを撚り数500T/mでカバーリングした被覆弾性糸と、弾性糸(商品名ロイカCRタイプ)22dtexに、ナイロン加工糸56dtex/48fを撚り数600T/mでカバーリングした被覆弾性糸とを1本交互で編成し、次いで腹部と脚部とを有する身頃部の編成を行った。身頃部では、低応力の伸縮部2は、ナイロン加工糸56dtex/48fに、弾性糸(商品名ロイカCRタイプ)17dtexに、ナイロン加工糸13dtex/7fを撚り数600T/mでカバーリングした被覆弾性糸を天竺組織のプレーティグ編みにより編成し、身頃部の緊締部1は、編組織をニット(K)とミス(W)とが混在するように編成し、3コース毎に1コース熱融着糸55dtex(商品名グリロン:エムスケミー・ジャパン製)を加えて熱融着糸も同時に編み込まれるよう、カットボスにより編成を行い、製品1着分の生機とした。
編成で得られた1着分の編地を染色前にプレセットするに際し、筒状に編成された編地の幅より約10%程度幅の広いボディ形状を模った型枠を編地中に入れたまま、スチームセットが可能な連続型枠セット機を使用し、120℃で1分間スチームセットを行った。次いで、ウエスト部の始末、脚部端部の縫製を行なった後、パドル染色機を使用してナイロンの染色を行い、脱水、乾燥後、ボディサイズに模った型枠にセットし、110℃30秒でスチームセットして製品とした。
得られた製品の性能を評価した。結果を表1に示す。本発明による製品はソフトで適度な締め付け感を有する上に太腿後部の筋肉振動が抑えられた製品であった。
Figure 2012140719
本発明のボトム衣料は、ジョギング、ウォーキング等の運動時に着用することで、運動時の衝撃により生じる可能性がある筋肉、特に屈筋部の障害防止及びエネルギーロス軽減の効果を有する。
また、スポーツ用途だけでなく、ガードル等のインナーウエア、又は介護用衣料としても使用可能で、それぞれの用途における着用時の筋肉(特に屈筋部)振動を抑えることにより、疲労軽減及びケガ防止の効果を有する。
1 緊締部
2 伸縮部
3 股分岐部
4 交差部
5 分岐部
6 非接触部の長さ
C 交差部中心

Claims (6)

  1. 弾性糸を少なくとも一部の領域において含有する布帛によって形成されているボトム衣料であって、
    弾性糸を含有する伸縮部と、ボトム衣料を伸長したときに少なくとも1つの伸長方向において該伸縮部よりも大きい伸長応力を示す帯状の緊締部と、を少なくとも有し、
    着用時の左右それぞれの大腿後部に対応する部位において、該緊締部が、交差部及び分岐部の少なくともいずれかを有して2以上の方向に延びている、ボトム衣料。
  2. 該伸縮部を構成する布帛と該緊締部を構成する布帛とが接合されている、請求項1に記載のボトム衣料。
  3. 該伸縮部及び該緊締部が1枚布からなる、請求項1又は2に記載のボトム衣料。
  4. 該交差部及び該分岐部の少なくともいずれかが、着用時の股下5〜25cmに対応する位置に少なくとも1つ存在するように形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のボトム衣料。
  5. 該緊締部の幅が1.0〜5.0cmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のボトム衣料。
  6. ボトム衣料を伸長したときに、少なくとも1つの伸長方向において、該緊締部の伸長応力の、該伸縮部の伸長応力に対する比が、2.0〜5.0である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のボトム衣料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH10280209A (ja) * 1997-04-01 1998-10-20 Wacoal Corp 下肢部保護衣料
WO2004091328A1 (ja) * 2003-04-15 2004-10-28 Wacoal Corp. 股付き衣類

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