JP2013133176A - 乗客コンベア - Google Patents
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Abstract
【課題】モールの脱着作業性を向上させた乗客コンベアを提供する。
【解決手段】モール10下面に案内溝10aを設け、案内溝10aと嵌合する案内ピース12と案内ピース12とモール10を固定する隠しボルト11をデッキベース5とスカートガード4を介して固定し、モール10の端部に設けた角度θに沿って上方から案内ピース12と案内溝10aが嵌合するように挿入し、モール10前面に設けた長穴10bを用いて隠しボルト11を締付けてモール10を固定する。
【選択図】図4
【解決手段】モール10下面に案内溝10aを設け、案内溝10aと嵌合する案内ピース12と案内ピース12とモール10を固定する隠しボルト11をデッキベース5とスカートガード4を介して固定し、モール10の端部に設けた角度θに沿って上方から案内ピース12と案内溝10aが嵌合するように挿入し、モール10前面に設けた長穴10bを用いて隠しボルト11を締付けてモール10を固定する。
【選択図】図4
Description
本発明は、乗客を階床間に亘って搬送するエスカレーターや、動く歩道などの乗客コンベアに係り、特にその欄干の内側デッキ部に設けたモールに関する。
従来、乗客コンベアにおいて欄干の内側デッキ部にモールを設けて、内側デッキやスカートガードをデッキベースに固定する取付ネジの抜け止めや、乗客の身体の一部がスカートガードとステップ間に挟まれる危険性の回避を図る構造が知られている。
特許文献1には、乗客の身体の一部がスカートガードとステップ間に挟まれるという危険性の回避と衣服等の損傷を生じさせない乗客コンベアの欄干が開示されている。無端状に走行するステップ側方に設けられたスカートガードの上方に立設された欄干パネルと、欄干パネルとスカートガードとの間に設けられた内側デッキを有する欄干において、内側デッキのスカートガード側の端部をスカートガードとほぼ面一となるようにデッキベースに固定し、スカートガード上端をデッキベースに固定し、内側デッキのデッキベースへの固定部とスカートガード上端のデッキベースへの固定部とをモールにより覆い、モール内に収納される隠しボルトによりモールをデッキベースに固定している。
また、特許文献2には、内側デッキを取外すことなくステップの脱着を行えるようにしたエスカレーターの欄干が開示されている。無端状に走行するステップ側方に立設されデッキベースに第一のネジにより固定されたスカートガードと、その上方に立設された欄干パネルと、欄干パネルとスカートガードとの間に設けられた内側デッキとからなる欄干において、内側デッキのスカートガード側折り曲げ端部をスカートガードと面一となるようにデッキベースに第二のネジにより固定し、第二のネジ及び第一のネジをステップ側に突出するモールにより覆い、かつモール内に収納されるボルトによりモールをデッキベースに固定した構成が開示されている。
また、特許文献3には、内デッキカバーを固定するネジが緩んで乗客を負傷させたり、抜け落ちて内デッキカバーが外れる不具合を解決する乗客コンベアのネジ抜け止め金具が開示されている。ネジ抜け止め金具は、内デッキカバーの下端部を固定するネジのネジ穴位置に、内デッキカバーの表面側の抜け阻止片と裏面側の落下阻止片とで略U字形をなし、抜け阻止片内には切込み部を有するネジ固定片を備えている。
特許文献1及び2の構成では、これらは何れも内側デッキ、スカートガード取付ネジを覆うようにモールを設けることでネジの抜けを防止する構造としており、且つ、モールをステップ側に突出することでスカートガードとステップの隙間への乗客の接近を防ぎ、挟まれるリスクを回避する構造としている。
モール固定用の隠しボルトをモール表側から固定する場合は、隠しボルトが過度に緩んだ時に隠しボルト頭部が露出することが懸念される。また、隠しボルトをモールに設けた溝に挿入して固定する場合は、隠しボルトの緩みによる頭部露出は防止できるものの、予め固定箇所全数の隠しボルトをモールに挿入し、且つ隠しボルトの位置決めを行う必要があり、モールの脱着作業に時間を要する。
また、特許文献3の構成では、内デッキカバーの固定ネジが緩む不具合を解決する乗客コンベアのネジ抜け止め金具を開示しているが、モールの取付け作業性については特に触れていない。
本発明はこのような点に着目してなされたもので、その目的とするところは、モールが本来持つスカートガードとステップ間に乗客の身体が挟まれるという危険性の回避、衣服等の損傷を生じさせないといった重要な機能を損なうことなく、脱着作業性を向上させたモールを備えた乗客コンベアを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、無端状に走行するステップと、ステップの両側に設けられた欄干パネルを有する一対の欄干と、ステップの側方に立設され上端をデッキベースに第一ネジにより固定されたスカートガードと、欄干パネルとスカートガードとの間に設けられ、スカートガード側においてデッキベースに固定された内側デッキとを有し、内側デッキのスカートガード側の端部をスカートガードとほぼ面一にデッキベースに第二ネジにより固定した乗客コンベアにおいて、第一ネジ及び第二ネジを覆ってステップ側に突出するよう設けられ下面に案内溝を有するモールと、モールを固定するために予めデッキベースの所定位置に取付けた隠しボルトと、隠しボルトに取付けてモールの案内溝と嵌合する案内ピースとを備え、モールを欄干上方から案内溝と案内ピースとが嵌合するように挿入して固定したことを特徴とする。
また、乗客コンベアにおいて、モールと案内ピースに、互いに係合する係合部を形成し、隠しボルトをデッキベースに固定する際に、係合部によりモールを案内ピースによってデッキベースに固定したことを特徴とする。
また、乗客コンベアにおいて、更にモール同士の継目に角度θを設け、モールの長手方向に対してモール同士の継目を傾斜させて設けたことを特徴とする。
また、請求項1乃至3のいずれかに記載された乗客コンベアにおいて、乗客コンベアがエスカレーターであり、モールの長手方向と、上階側に設けられるモールの下階側の継目とが成す角度θを、0°<θ<90°としたことを特徴とする。
また、乗客コンベアにおいて、35°≦θ≦80°としたことを特徴とする。
また、乗客コンベアにおいて、角度θは、モール同士の継目の角度が鉛直方向よりも時計回り方向に回転した角度であることを特徴とする。
また、乗客コンベアにおいて、乗客コンベアが動く歩道であり、モールの長手方向と、モール同士の継目とが成す角度θを、35°≦θ≦80°としたことを特徴とする。
このように構成した本発明では、隠しボルトと共に予めデッキベースに仮固定したモール用案内ピースと嵌合するように上方からモールを挿入した後、隠しボルトを締めることで容易にモールの固定ができる。この構成により、内側デッキ取付ネジ、スカートガード取付ネジの抜け止めや乗客の身体がスカートガードとステップ間に挟まれる危険性の回避を図るといったモールの基本機能を損なうことなく、モールに隠しボルトを挿入して位置決めを行うという従来の作業が不要となり作業性が向上するという効果を達成することができる。
また、モールを上方から挿入する構造において懸念される乗客コンベア乗客の荷物等がモールとステップ間に挟まり、モールが突き上げられて外れるという事象を防ぐことができるという更なる効果を達成することができる。
本発明によれば、無端状に走行するステップの両側に設けられた欄干パネルを有する一対の欄干と、ステップの側方に立設され上端をデッキベースに第一ネジにより固定されたスカートガードと、欄干パネルとスカートガードとの間に設けられ、スカートガード側においてデッキベースに固定された内側デッキとを有し、内側デッキのスカートガード側の端部をスカートガードとほぼ面一にデッキベースに第二ネジにより固定した乗客コンベアにおいて、第一ネジ及び第二ネジを覆ってステップ側に突出するよう設けられ下面に案内溝を有するモールと、モールを固定するために予めデッキベースの所定位置に取付けた隠しボルトと、隠しボルトに取付けてモールの案内溝と嵌合する案内ピースとを備え、モールを欄干上方から案内溝と案内ピースとが嵌合するように挿入して固定したことにより、ネジ抜け止めや挟まれ防止といったモールが本来有する機能を損なうことなく、モールの脱着作業に要する時間を短縮することができるという効果が得られ、また、乗客コンベアのモールを取り付ける箇所(エスカレーターの傾斜部や動く歩道のステップ移動部分など)が長いものであればより顕著な効果を得ることができる。
以下、本発明に係る乗客コンベアの実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の実施例では、乗客コンベアの一例としてエスカレーターに適用した例に説明するが、これに限られず動く歩道に適用しても良い。
図1に示すエスカレーターの全体構成において、エスカレーター1は、無端状に連結されて移動するステップ2を備え、ステップ2の両側に一対の欄干3が立設して設けられている。
図2、図3において、ステップ2と欄干3との間には、ステップ2の側方と僅かな隙間を空けてスカートガード4がほぼ垂直に設けられている。スカートガード4は上部がデッキベース5に対して皿ネジ6により固定されている。
欄干3には欄干パネル7が立設され、欄干パネル7の内面とスカートガード4の上側縁部との間に内側デッキ8がステップ2に向かって傾斜するように設けられている。内側デッキ8の下端部は、デッキベース5の上端に重ね合わされ、ネジ9によりデッキベース5に固定されている。
内側デッキ8の固定用のネジ9を覆うように設けたモール10は、例えばアルミ押出し材から形成され、略凸状断面を有してステップ2側に突出して形成され、モール10内に収納される隠しボルト11によりスカートガード4を介してデッキベース5に固定される。モール10の下面には、その長手方向と交差する方向に、下方に開口部を有する案内溝10aが形成されている。
図2、図3に示すように、隠しボルト11は案内ピース12を介してデッキベース5に固定される。案内ピース12はモール10に設けた案内溝10aと嵌合する形状を持ち、案内ピース12を貫通して隠しボルト11が挿入されモール10と共にデッキベース5に固定される。
図4はモール10の装着過程を示す。2つの連続するモール10の継目において、モール10端部はモール長手方向に対し鋭角θをもって斜めに形成される。モール長手方向とモール10継目が成す角度θが0°<θ<90°となるようにする。
スカートガード4には、図3に示す様に予め皿ネジ6および隠しボルト11用の長穴4aが設けられ、内側デッキ8にはネジ9用のノッチ穴8aが設けられている。モール10には隠しボルト11締付用に長穴10bが設けられている。デッキベース5にはモール10の長穴10b、内側デッキ8のノッチ穴8aに対応するように長穴5aが設けられている。
図4のY−Y断面図である図5、図4のZ−Z断面図である図6に示す様に、欄干部分の組立て時は、スカートガード4上端をデッキベース5に重ね合わせ、皿ネジ6にて固定する。このとき皿ネジ6はスカートガード4表面から突出することはない。次に、内側デッキ8の下端部をデッキベース5に重ね合わせ、ネジ9にて固定する。
次に、隠しボルト11をモール10用の案内ピース12に挿入して、スカートガード4の長穴4aを介してデッキベース5に仮固定する。このとき、モール10の内側には係合溝10cが形成され、案内ピース12上部には、係合溝10cと係合する係合リブ12aが形成されている。そしてモール10に設けた案内溝10aと案内ピース12とが嵌合するようにモール10継目に設けた角度θに沿って欄干3上方から挿入し、隠しボルト11をモール10前面に設けた長穴10bを用いて工具等により締付けし、モール10を固定する。
従って、モール10の係合溝10cと案内ピース12の係合リブ12aが係合することにより、モール10は確実にデッキベース5に固定される。長穴10bの長穴の幅は、隠しボルト11がモール10表面に脱落しないように幅が狭く形成されている。但し工具等は長穴10bを通すことができ、これにより隠しボルト11を締結することができる。
これにより、デッキベース5にステップ2側に突出したモール10を確実に固定することで乗客の身体がスカートガード4とステップ2との間に挟まれることを予防できる。
またモール10を皿ネジ6及びネジ9を覆うように取付け、モール10を隠しボルト11によりデッキベース5に固定するため、皿ネジ6及びネジ9の頭部が緩みによりモール表面に露出することはなく、衣服等の引掛かりによる損傷を生じることはない。
更に、隠しボルト11を案内ピース12を介して、予めデッキベース5側のモール長穴10bに対応した所定位置に仮固定する構成としたことにより、モール10に隠しボルト11を挿入した後に位置決めする予備作業が不要となる。
更に、隠しボルト11を案内ピース12を介して、予めデッキベース5側のモール長穴10bに対応した所定位置に仮固定する構成としたことにより、モール10に隠しボルト11を挿入した後に位置決めする予備作業が不要となる。
また、図7に示す様に、モール10継目の角度θをモール10の長手方向に対して、0°<θ<90°とした構成とすることで、モール10をデッキベース5から外れにくくすることができる。例えば、モール10がエスカレーター乗客の例えばキャリーバックの車輪13等の荷物によりモール10下端方向から水平方向の押圧力14を受けた時に、モール10に作用する水平方向の押圧力15の分力15a及び15bはいずれもモール継部を押し付ける方向に作用するため、モール10をデッキベース5から外れにくくすることができる。尚、ここで分力15bはモール10の長手方向の分力であり、分力15aはモール10の長手方向に対して垂直な方向の分力である。角度θ=90°の場合は、分力15aを受けることができないが、角度θ<90°であれば分力15aを受けることができる。角度θの上限としては、θ≦80°であることが望ましい。また、角度θの下限は、あまり小さいと継目が長くなるので、35°≦θであることが望ましい。
さらに、エスカレーターの場合には、θ≦55°であることが望ましい。一般的に、エスカレーターの傾斜角度は30°であり、θ≦55°とすることで、モール10継目の角度が鉛直方向よりも時計回り方向に回転した角度になるので、図7の状況においてモール10がより外れにくくなる。尚、エスカレーターの場合、角度θは、モール10の長手方向と、上階側に設けられるモール10の下階側の継目とが成す角度とする。
また、動く歩道の場合は、垂直方向に働く力に対向するために、θ≦80°であることが望ましい。角度θの下限は、あまり小さいと継目が長くなるので、35°≦θであることが望ましい。
1:エスカレーター
2:ステップ
3:欄干
4:スカートガード
5:デッキベース
6:皿ネジ
7:欄干パネル
8:内側デッキ
9:ネジ
10:モール
11:隠しボルト
12:案内ピース
13:キャリーバック車輪
14:キャリーバック車輪がモールを押す押圧力
15:モールに作用する力
2:ステップ
3:欄干
4:スカートガード
5:デッキベース
6:皿ネジ
7:欄干パネル
8:内側デッキ
9:ネジ
10:モール
11:隠しボルト
12:案内ピース
13:キャリーバック車輪
14:キャリーバック車輪がモールを押す押圧力
15:モールに作用する力
Claims (7)
- 無端状に走行するステップと、該ステップの両側に設けられた欄干パネルを有する一対の欄干と、前記ステップの側方に立設され上端をデッキベースに第一ネジにより固定されたスカートガードと、前記欄干パネルと前記スカートガードとの間に設けられ、前記スカートガード側において前記デッキベースに固定された内側デッキとを有し、該内側デッキの前記スカートガード側の端部を前記スカートガードとほぼ面一に前記デッキベースに第二ネジにより固定した乗客コンベアにおいて、
前記第一ネジ及び前記第二ネジを覆って前記ステップ側に突出するよう設けられ下面に案内溝を有するモールと、該モールを固定するために予め前記デッキベースの所定位置に取付けた隠しボルトと、該隠しボルトに取付けて前記モールの案内溝と嵌合する案内ピースとを備え、前記モールを欄干上方から前記案内溝と前記案内ピースとが嵌合するように挿入して固定したことを特徴とする乗客コンベア。 - 請求項1に記載された乗客コンベアにおいて、前記モールと前記案内ピースに、互いに係合する係合部を形成し、前記隠しボルトを前記デッキベースに固定する際に、前記係合部により前記モールを前記案内ピースによって前記デッキベースに固定したことを特徴とする乗客コンベア。
- 請求項1又は2に記載された乗客コンベアにおいて、更に前記モール同士の継目に角度θを設け、前記モールの長手方向に対して前記モール同士の継目を傾斜させて設けたことを特徴とする乗客コンベア。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載された乗客コンベアにおいて、前記乗客コンベアがエスカレーターであり、前記モールの長手方向と、上階側に設けられる前記モールの下階側の継目とが成す角度θを、0°<θ<90°としたことを特徴とする乗客コンベア。
- 請求項4に記載された乗客コンベアにおいて、35°≦θ≦80°としたことを特徴とする乗客コンベア。
- 請求項4に記載された乗客コンベアにおいて、前記角度θは、前記モール同士の継目の角度が鉛直方向よりも時計回り方向に回転した角度であることを特徴とする乗客コンベア。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載された乗客コンベアにおいて、前記乗客コンベアが動く歩道であり、前記モールの長手方向と、前記モール同士の継目とが成す角度θを、35°≦θ≦80°としたことを特徴とする乗客コンベア。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017030909A (ja) * | 2015-07-31 | 2017-02-09 | 株式会社日立ビルシステム | 乗客コンベア、乗客コンベアのモールディング取付構造及びモールディング取付方法 |
JP2017061357A (ja) * | 2015-09-24 | 2017-03-30 | 株式会社日立製作所 | 乗客コンベア |
JP2021116165A (ja) * | 2020-01-27 | 2021-08-10 | 株式会社日立製作所 | 乗客コンベア用スカートモール先端キャップ |
Family Cites Families (3)
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JP2000044152A (ja) * | 1998-07-23 | 2000-02-15 | Otis Elevator Co | マンコンベアのインナレッジ取付構造 |
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- 2011-12-26 JP JP2011282727A patent/JP2013133176A/ja active Pending
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2012
- 2012-12-25 CN CN2012105722359A patent/CN103171962A/zh active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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