JP2013115243A - コンデンサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 誘電体磁器が希土類元素、Mn、Mgを含み、チタン酸バリウムの結晶粒子9が、粒界から20nmの深さの範囲におけるマグネシウムの濃度勾配が0.05原子%/nm以上である第1結晶群の結晶粒子9aと、粒界から20nmの深さの範囲におけるマグネシウムの濃度勾配が0.03原子%/nm以下である第2結晶群の結晶粒子9bとを有しており、第1の結晶群を構成する結晶粒子9aおよび前記第2の結晶群を構成する結晶粒子を合わせた平均粒径が0.15〜0.40μmであり、誘電体磁器の研磨面に見られる第1の結晶群を構成する結晶粒子9aの面積をa、第2の結晶群を構成する結晶粒子9bの面積をbとしたときに、b/(a+b)が0.4〜0.7である。
【選択図】図2
Description
小さいコンデンサを得ることができる。
さの範囲におけるマグネシウムの濃度勾配が0.03原子%/nm以下である第2結晶群の結晶粒子9bとを有している。
子9bが比誘電率の電圧依存性を小さくできる性質を有していることに起因して、直流電圧を印加したときの比誘電率の温度変化率が小さいものとなり、また、結晶粒子9aの性質である高誘電率化も同時に図ることが可能となる。
その割合は、第1の結晶群を構成する結晶粒子9aの面積をa、第2の結晶群を構成する結晶粒子9bの面積をbとしたときに、b/(a+b)が0.4〜0.7である。
を準備する。
を回復するために行うものである。その温度は結晶粒子9の粒成長を抑えつつ再酸化量を高めるという理由から900〜1100℃が好ましい。こうして高温負荷状態においても比誘電率の温度変化率の小さい誘電体磁器を得ることができる。
℃/hの降温速度で冷却してコンデンサ本体を作製した。このコンデンサ本体のサイズは積層セラミックコンデンサの型式で1608型に適合するサイズとした。誘電体層の平均厚みは1.2μm、内部電極層の1層の有効面積は0.92mm2であった。ここで、有効面積とは、コンデンサ本体の異なる方向の端面に露出するように形成される内部電極層同士が重なる面積のことである。
<評価>
得られた積層セラミックコンデンサについて以下の評価を行った。ここで、比誘電率、誘電損失、静電容量の温度特性の評価はいずれも試料数10個とし、その平均値を求めた。
(1)比誘電率
静電容量を温度25℃、周波数1.0kHz、測定電圧1Vrmsの測定条件で測定し、得られた静電容量から誘電体層の厚み、内部電極層の全面積および真空の誘電率をもとに換算して求めた。
(2)誘電損失
静電容量と同条件で測定した。
(3)静電容量の温度特性
静電容量を温度85℃で測定して25℃のときの静電容量に対する変化率を求めた。また、2Vの直流電圧を印加して、85℃での静電容量を測定し、無負荷(DC=0V)状態かつ25℃のときの静電容量に対する変化率を求めた(以下、高温負荷状態での比誘電率の温度変化率という。)。
(4)高温負荷試験
温度140℃において、印加電圧9.45Vの条件で行った。高温負荷試験での試料数は各試料30個とし、故障確率が50%に達したときの時間である平均故障時間を調べた。
(5)第1の結晶群を構成する結晶粒子および第2の結晶群を構成する結晶粒子からなる結晶粒子の平均粒径
誘電体磁器の断面を透過電子顕微鏡にて観察可能となる状態まで研磨(イオンミリング)した研磨面について、透過電子顕微鏡にて映し出されている画像をコンピュータに取り込んで、その画面上で対角線を引き、その対角線上に存在する結晶粒子の輪郭を画像処理し、各粒子の面積を求め、同じ面積をもつ円に置き換えたときの直径を算出し、算出した結晶粒子約50個の平均値として求めた。測定の結果、作製した試料の結晶粒子の平均粒径はいずれも用いたチタン酸バリウム粉末の平均粒径に相当する値となっていた。
(6)結晶粒子中のマグネシウムの濃度勾配および結晶粒子比(b/(a+b))の測定
結晶粒子中のマグネシウムの濃度分布については、誘電体磁器の断面を研磨した後、透過型電子顕微鏡に付設のモニターに映し出された画像上で結晶粒子が約30個入る円を描き、円内および円周にかかった結晶粒子を選択し、元素分析機器を付設した透過型電子顕微鏡を用いて元素分析を行った。このとき選択する結晶粒子は、その輪郭から画像処理にて各粒子の面積を求め、同じ面積をもつ円に置き換えたときの直径を算出し、求めた結晶粒子の直径が平均粒径の±60%の範囲にある結晶粒子とした。分析を行うときの電子線のスポットサイズは約1nmとし、分析する箇所は結晶粒子の粒界付近から中央部の中心の位置までの範囲で、その中心へ向けて引いた直線上のほぼ等間隔に位置する点とし、粒界付近と、粒界からおおよそ20nmの深さにおいて分析した値から求めた。この場合、結晶粒子の粒界(0〜1nm)におけるマグネシウムの濃度から深さ19〜21nmにおけるマグネシウムの濃度を引いた値(マグネシウムの濃度)を、その分析した範囲(例えば、20nm−0nm=20nm)の距離で除して、濃度勾配を求めた。この分析を各試
料5箇所行って平均値を求めた。
(7)試料の組成分析
得られた焼結体である試料の組成分析はICP分析および原子吸光分析により行った。この場合、得られた誘電体磁器を硼酸と炭酸ナトリウムと混合し溶融させたものを塩酸に溶解させて、まず、原子吸光分析により誘電体磁器に含まれる元素の定性分析を行い、次いで、特定した各元素について標準液を希釈したものを標準試料として、ICP発光分光分析にかけて定量化した。また、各元素の価数を周期表に示される価数として酸素量を求めた。なお、マンガンについてはMnOに換算して求めた。分析した結果、誘電体層の組成はいずれの試料についても調合組成に一致していた。調合組成と特性の結果を表1に示した。
3・・・・外部電極
5・・・・誘電体層
7・・・・内部電極層
11・・・粒界相
9・・・・結晶粒子
9a・・・第1の結晶群を構成する結晶粒子
9b・・・第2の結晶群を構成する結晶粒子
Claims (2)
- チタン酸バリウムの結晶粒子を含み、マグネシウムと、マンガンと、イットリウム、ジスプロシウム、ホルミウムおよびエルビウムから選ばれる1種の希土類元素(RE)とを含有する誘電体磁器からなる誘電体層を備えたコンデンサであって、前記誘電体磁器が、前記チタン酸バリウムを構成するチタン100モルに対して、
前記マグネシウムをMgO換算で0.3〜1.5モル、
前記マンガンをMnO換算で0.05〜0.3モル、
イットリウム,ジスプロシウム,ホルミウムおよびエルビウムから選ばれる1種の前記希土類元素(RE)をRE2O3換算で0.3〜0.6モル含み、
前記結晶粒子は、粒界から20nmの深さの範囲における前記マグネシウムの濃度勾配が0.05原子%/nm以上である第1結晶群と、粒界から20nmの深さの範囲における前記マグネシウムの濃度勾配が0.03原子%/nm以下である第2結晶群とを有し、
前記第1の結晶群を構成する結晶粒子および前記第2の結晶群を構成する結晶粒子を合わせた平均粒径が0.15〜0.40μmであるとともに、
前記誘電体磁器の研磨面に見られる前記第1の結晶群を構成する結晶粒子の面積をa、前記第2の結晶群を構成する結晶粒子の面積をbとしたときに、b/(a+b)が0.4〜0.7であることを特徴とするコンデンサ。 - 前記誘電体磁器が、前記チタン酸バリウムを構成するチタン100モルに対して、さらにバナジウムをV2O5換算で0.05〜0.20モル含有することを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ。
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CN106518052A (zh) * | 2015-09-10 | 2017-03-22 | 华中科技大学 | 一种制备细晶钛酸钡热敏陶瓷的方法及其产品 |
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-
2011
- 2011-11-29 JP JP2011260286A patent/JP5832255B2/ja active Active
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