JP5743813B2 - 誘電体磁器およびコンデンサ - Google Patents

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Description

本発明は、チタン酸バリウムを主成分として形成される誘電体磁器と、それを誘電体層とするコンデンサに関する。
近年、高輝度の青色の発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)が開発されたことにより高視認性を達成可能なフルカラーのLED表示装置とともに、LEDを発光源とする照明機器の開発が急速に進みつつある。
このようなLEDを用いた電子機器では、AC−DCコンバータを用いて商用電源からLEDを駆動するための直流電圧を生成させる方式が採用されているが、AC−DCコンバータは、商用電源(100V)の交流電圧から所望の直流の出力電圧を生成してLEDを駆動する回路であり、このような回路に用いられる整流回路には制御回路素子としての電界効果型トランジスタ(MOSFET)とともにコンデンサが搭載されている(例えば、特許文献1を参照)。
ところが、このようなLEDを用いた電子機器では、印加される電圧が高いことに加え、発光時の発熱による温度変化が大きいことから、コンデンサとしては高電圧かつ高温でも広い温度範囲において比誘電率の変化率の小さいコンデンサが要求されている。
特開2011−35112号公報
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、比誘電率の温度変化率の小さい誘電体磁器とそれを用いたコンデンサを提供することを目的とする。
本発明の誘電体磁器は、チタン酸バリウムを主成分とする主結晶粒子間に酸化イッテルビウムの結晶粒子が存在してなるとともに、チタン100モルに対してマグネシウムをMgO換算で0.5〜3.0モル含有してなり、X線回折チャートにおいて、チタン酸バリウムの面指数(110)の回折強度に対する酸化イッテルビウムの面指数(222)の回折強度が0.5〜3.0%であることを特徴とする。

本発明のコンデンサは、複数の電極層と、該電極層内に配置された請求項1に記載の誘電体磁器からなる誘電体層と、を有することを特徴とする。
本発明のコンデンサは、前記誘電体磁器が、バナジウムと、マンガンと、イットリウム、ホルミウムおよびエルビウムのうち少なくとも1種の第1の希土類元素と、テルビウム、ディスプロシウムおよびガドリニウムから選ばれる少なくとも1種の第2の希土類元素とを含み、前記チタン100モルに対して、前記バナジウムをV換算で0.01〜0.5モル、前記マグネシウムをMgO換算で0.5〜2.5モル、前記マンガンをMnO換算で0.1〜0.5モル、前記第1の希土類元素をRE換算で0.5〜2.0モル、前記第2の希土類元素をRE換算で0.2〜3.0モル含有することが望ましい。
本発明のコンデンサは、前記チタン100モルに対して、前記バナジウムをV換算で0.05〜0.1モル、前記マグネシウムをMgO換算で2.0〜2.5モル、前記マンガンをMnO換算で0.2〜0.5モル、前記第1の希土類元素をRE換算で0.5〜1.0モル、前記第2の希土類元素をRE換算で0.5〜1.0モル含有するとともに、前記誘電体磁器のX線回折チャートにおいて、チタン酸バリウムの面指数(110)の回折強度に対する酸化イッテルビウムの面指数(222)の回折強度が1.6〜2.2%であることが望ましい。
本発明によれば、比誘電率の温度変化率の小さい誘電体磁器とそれを用いたコンデンサを得ることができる。
(a)は、本実施形態の誘電体磁器をコンデンサに適用した一例を示す概略断面図であり、(b)は、(a)のコンデンサを構成する誘電体層の一部を拡大した結晶粒子および粒界相の状態を示す模式図である。
次に、本実施形態の誘電体磁器をコンデンサに適用した例について、図1の概略断面図をもとに詳細に説明する。図1(a)は、本実施形態の誘電体磁器をコンデンサに適用した一例を示す概略断面図であり、(b)は、(a)のコンデンサを構成する誘電体層の一部を拡大した結晶粒子および粒界相の状態を示す模式図である。
本実施形態のコンデンサは、コンデンサ本体1の両端部に外部電極3が形成されている。外部電極3は、例えば、CuもしくはCuとNiの合金ペーストを焼き付けて形成されている。
コンデンサ本体1は、複数の電極層7と、この電極層7間に配置された誘電体磁器からなる誘電体層5と、を有するものであり、誘電体層5と電極層7とが交互に積層され構成されている。図1では誘電体層5と電極層7との積層状態を単純化して示しているが、本実施形態のコンデンサは誘電体層5と電極層7とが数百層にも及ぶ積層体となっている。
誘電体磁器からなる誘電体層5は、結晶粒子9と粒界相11とから構成されており、その平均厚みは5μm以下、特に、4μm以下が望ましく、これによりコンデンサを小型、高容量化することが可能となる。なお、静電容量のばらつきの低減および容量温度特性の安定化並びに高温負荷寿命の向上という点で、誘電体層5の平均厚みは1μm以上であることが望ましい。
このコンデンサの誘電体層5を構成する誘電体磁器は、チタン酸バリウムを主成分とする主結晶粒子9aと酸化イッテルビウムの結晶粒子9bとを有するとともに、チタン100モルに対してマグネシウムをMgO換算で0.5〜3.0モル含有してなり、X線回折チャートにおいて、チタン酸バリウムの面指数(110)の回折強度に対する酸化イッテルビウムの面指数(222)の回折強度が0.5〜3.0%である。
これにより、本実施形態のコンデンサは、25℃を基準にしたときの比誘電率の温度変化率が−55〜125℃において±15%以内を示すものとなり、広い温度範囲においても比誘電率の変化の小さいものにできる。
このコンデンサにおける誘電体層5を構成する誘電体磁器が上記のように広い温度範囲
において安定な比誘電率の温度特性を示すのは、誘電体磁器中にマグネシウムを含有していることにより、主成分であるチタン酸バリウムにマグネシウムが固溶し、純粋なチタン酸バリウムが持つキュリー温度(約125℃)を70〜90℃付近に移動させ、このようなキュリー温度を有するチタン酸バリウムを主成分とする結晶粒子9a間に、常誘電性を示す酸化イッテルビウムの結晶粒子9bを所定の割合で共存させたことにより、キュリー温度付近における比誘電率の極大化を抑えることができたことに起因する。
なお、このコンデンサの誘電体層5を構成する誘電体磁器に対し、チタン100モルに対するマグネシウムの含有量がMgO換算で0.5モルより少ない場合、またはX線回折チャートにおいて、チタン酸バリウムの面指数(110)の回折強度に対する酸化イッテルビウムの面指数(222)の回折強度が0.5%より低い場合には、25℃を基準にしたときの比誘電率の温度変化率が−55〜125℃において±15%以内を満足できなくなる。
また、チタン100モルに対するマグネシウムの含有量がMgO換算で3.0モルより多い場合には、キュリー温度が70℃よりも低温側にシフトするために、25℃を基準にしたときの比誘電率の温度変化率が高温側(125℃)で大きくなり、±15%以内を満足できなくなるおそれがある。
また、X線回折チャートにおいて、チタン酸バリウムの面指数(110)の回折強度に対する酸化イッテルビウムの面指数(222)の回折強度が3.0%より高い場合には、常誘電性を示す酸化イッテルビウムの結晶粒子9bの割合の増加から−55〜125℃の温度域における比誘電率の急な変化は見られなくなるものの、低温側から高温側に向けて比誘電率が低下していく(比誘電率の温度曲線が25℃を基準にしたときに時計回りに動く)ため、この場合にも、25℃を基準にしたときの比誘電率の温度変化率が−55〜125℃において±15%以内を満足できなくなるおそれがある。
ここで、チタン酸バリウムを主成分とする主結晶粒子9aとは、チタン酸バリウムの結晶粒子中に少なくともマグネシウムを微量含んだものであり、また、このような結晶粒子が主結晶粒子9aであるとは、誘電体磁器のX線回折チャートにおいて、チタン酸バリウムのメインピークの回折強度が他の結晶相の回折強度よりも高いものを言う。主結晶粒子9aを構成するチタン酸バリウムは、誘電体磁器中に90モル%以上含有されているものが好ましい。
また、このコンデンサでは、誘電体層5を構成する誘電体磁器が、さらに、バナジウムと、マンガンと、イットリウム、ホルミウムおよびエルビウムのうち少なくとも1種の第1の希土類元素と、テルビウム、ディスプロシウムおよびガドリニウムから選ばれる少なくとも1種の第2の希土類元素とを含み、チタン100モルに対して、バナジウムをV換算で0.01〜0.5モル、マグネシウムをMgO換算で0.5〜2.5モル、マンガンをMnO換算で0.1〜0.5モル、第1の希土類元素をRE換算で0.5〜2.0モル、第2の希土類元素をRE換算で0.2〜3.0モル含有することが望ましい。
これにより、室温(25℃)における比誘電率が1800以上、誘電損失が2.0%以下であり、比誘電率の温度特性がX7Rを満足し、高温負荷試験(温度を170℃、電圧を170Vとしたときに、平均故障時間が30時間以上である場合、温度:125℃、電圧:定格電圧の1.5倍、試験時間:1000時間以上において不良の無いものと判定できる。)で寿命特性に優れたコンデンサを得ることができる。
さらに、本実施形態のコンデンサにおいては、誘電体層5を構成する誘電体磁器が、チ
タン100モルに対して、バナジウムをV換算で0.05〜0.1モル、マグネシウムをMgO換算で2.0〜2.5モル、マンガンをMnO換算で0.2〜0.5モル、第1の希土類元素をRE換算で0.5〜1.0モル、第2の希土類元素をRE換算で0.5〜1.0モル含有するとともに、誘電体磁器のX線回折チャートにおいて、チタン酸バリウムの面指数(110)の回折強度に対する前記酸化イッテルビウムの面指数(222)の回折強度が1.6〜2.2%であることが望ましい。
誘電体磁器を上記組成にすると、室温(25℃)における比誘電率が1800以上、誘電損失が1.7%以下であり、25℃を基準にしたときの比誘電率の温度変化率が−55〜125℃において±13%以内にすることができる。
また、本実施形態の誘電体磁器は所望の誘電特性を維持できる範囲であれば焼結性を高めるための助剤としてガラス成分を含有させても良い。
電極層7は、高積層化しても製造コストを抑制できるという点で、ニッケル(Ni)や銅(Cu)などの卑金属が望ましく、特に、本発明における誘電体層5との同時焼成が図れるという点でニッケル(Ni)がより望ましい。
次に、本実施形態の誘電体磁器を誘電体層に適用したコンデンサを製造する方法について説明する。まず、原料粉末として、純度が99質量%以上のチタン酸バリウム粉末(以下、BT粉末という。)に、MgO粉末と、Yb粉末とを添加して混合する。このとき、用いるBT粉末の比表面積は2〜8m/gであるのがよく、また、BT粉末を構成するBaとTiとのモル比は0.999〜1.008の範囲であることが望ましい。このとき原料粉末の組成は、BT粉末100モルに対して、MgO粉末を0.5〜3.0モル、Yb粉末を0.05〜2.0モルの割合とする。さらには、必要に応じて所望の誘電特性を維持できる範囲で焼結助剤としてガラス粉末を添加して誘電体粉末を得る。なお、ガラス粉末の添加量は、BT粉末を100質量部としたときに0.5〜2質量部が良い。また、BT粉末の平均粒径は0.20〜0.25μmであるものが好適であり、BT粉末の平均粒径が0.20〜0.25μmであると、焼成温度の適正化により、BT粉末に対してマグネシウムおよび酸化イッテルビウムの固溶を抑制することができるとともに、チタン酸バリウムを主成分とする主結晶粒子9aと酸化イッテルビウムの結晶粒子9bとを共存させることが可能になる。
また、誘電体磁器の組成を、BT粉末100モルに対して、MgO粉末を0.5〜2.5モル、Yb粉末を0.05〜1.5モルに加えて、V粉末を0.01〜0.5モル、MnCO粉末を0.1〜0.5モル、Y粉末、Ho粉末およびEr粉末から選ばれる少なくとも1種を0.5〜2.0モルおよびTb粉末、Dy粉末およびGd粉末から選ばれる少なくとも1種を0.2〜3.0モル添加したものとすると、高誘電率かつ低誘電損失であり、高温負荷寿命に優れたコンデンサを得ることができる。このときテルビウムの酸化物粉末についてはTb粉末を用いるのがよい。
次に、上記した誘電体粉末に専用の有機ビヒクルを加えてセラミックスラリを調製し、次いで、ドクターブレード法やダイコータ法などのシート成形法を用いてセラミックグリーンシートを形成する。この場合、セラミックグリーンシートの厚みは誘電体層5の高容量化のための薄層化、高絶縁性を維持するという点で1.5〜8μmが好ましい。
次に、得られたセラミックグリーンシートの主面上に矩形状の電極パターンを印刷して形成する。電極パターンとなる導体ペーストはNi、Cuもしくはこれらの合金粉末が好適である。
次に、電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを所望枚数重ねて、その上下に電極パターンを形成していないセラミックグリーンシートを複数枚、上下層が同じ枚数になるように重ねてシート積層体を形成する。この場合、シート積層体中における電極パターンは、長手方向に半パターンずつずらしてある。
次に、シート積層体を格子状に切断して、電極パターンの端部が露出するようにコンデンサ本体成形体を形成する。このような積層工法により、切断後のコンデンサ本体成形体の端面に電極パターンが交互に露出されるように形成できる。
次に、コンデンサ本体成形体を脱脂した後焼成する。焼成温度は、本実施形態におけるBT粉末への添加剤の固溶の制御および結晶粒子の粒成長の抑制、ならびに酸化イッテルビウムの結晶粒子9bを生成させるという理由から1100〜1200℃が好ましい。
また、焼成後に、再度、弱還元雰囲気にて熱処理を行う。この熱処理は還元雰囲気中での焼成において還元された誘電体磁器を再酸化し、焼成時に還元されて低下した絶縁抵抗を回復するために行うものである。その温度は結晶粒子9の粒成長を抑えつつ再酸化量を高めるという理由から900〜1100℃が好ましい。こうしてX7R特性を示すコンデンサを作製することができる。
次に、このコンデンサ本体1の対向する端部に、外部電極ペーストを塗布して焼付けを行い外部電極3を形成する。また、この外部電極3の表面には実装性を高めるためにメッキ膜を形成しても構わない。
このようにして得られる本実施形態のコンデンサを構成する誘電体磁器は、平均粒径が0.20〜0.25μmのBT粉末を用い、これに上述したように、MgO粉末を添加しているために、誘電体磁器中に形成されるチタン酸バリウムを主成分とする主結晶粒子9aはコアシェル構造を有するものとなっており、また、酸化イッテルビウム粉末を添加して、誘電体磁器中にチタン酸バリウムを主成分とする主結晶粒子9aとともに酸化イッテルビウムの結晶粒子9bを共存させているために、静電容量の温度変化率の小さいコンデンサを得ることができる。
また、本実施形態のコンデンサを構成する誘電体磁器として、V粉末、MnCO粉末、第1の希土類元素の酸化物粉末および第2の希土類元素の酸化物粉末を添加して、各成分の固溶を制御したものとすると、高い印加電圧でも、高誘電率、低誘電損失であり、かつ高温負荷寿命に優れたコンデンサを得ることができる。
まず、原料粉末として、BT粉末、V粉末、MgO粉末、Y粉末、Ho粉末、Er粉末、Tb粉末、Dy粉末、Gd粉末、MnCO粉末およびYb粉末を準備した。これらの各種原料粉末を表1、表4および表6に示す割合で混合した。このときV粉末、MgO粉末、Y粉末、Ho粉末、Er粉末、Tb粉末、Dy粉末、Gd粉末、MnCO粉末およびYb粉末の割合は、BT粉末を100モルとしたときの割合である。また、BT粉末は平均粒径が0.20μmのものを用いた。V粉末、MgO粉末、Y粉末、Dy粉末、Ho粉末、Tb粉末、Dy粉末、Gd粉末、MnCO粉末およびYb粉末は平均粒径が0.1μmのものを用いた。焼結助剤はSiO=55,BaO=20,CaO=15,LiO=10(モル%)組成のガラス粉末を用いた。ガラス粉末の添加量はBT粉末100質量部に対して1質量部とした。
次に、これらの原料粉末を直径5mmのジルコニアボールを用いて、溶媒としてトルエンとアルコールとの混合溶媒を添加し湿式混合した。
次に、湿式混合した粉末を、ポリビニルブチラール樹脂と、トルエンおよびアルコールの混合溶媒中に投入し、直径5mmのジルコニアボールを用いて湿式混合しセラミックスラリを調製し、ドクターブレード法により平均厚みが6μmのセラミックグリーンシートを作製した。
次に、セラミックグリーンシートの上面にNiを主成分とする矩形状の電極パターンを複数形成した。電極パターンを形成するための導体ペーストは、平均粒径が0.3μmのNi粉末100質量部に対してBT粉末を少量添加したものを用いた。
次に、電極パターンを印刷したセラミックグリーンシートを200枚積層し、その上下面に電極パターンを印刷していないセラミックグリーンシートをそれぞれ20枚積層し、プレス機を用いて温度60℃、圧力10Pa、時間10分の条件で密着させて、シート積層体を作製し、しかる後、各シート積層体を、所定の寸法に切断してコンデンサ本体成形体を形成した。
次に、コンデンサ本体成形体を大気中で脱バインダ処理した後、水素−窒素中、1150℃で2時間焼成してコンデンサ本体を作製した。また、試料は、続いて、窒素雰囲気中1000℃で4時間再酸化処理をした。このコンデンサ本体の大きさは2.0×1.25×1.25mm、誘電体層の平均厚みは4μm、内部電極層の1層の有効面積は1.7mmであった。なお、有効面積とは、コンデンサ本体の異なる端面にそれぞれ露出するように積層方向に交互に形成された内部電極層同士の重なる部分の面積のことである。
次に、焼成したコンデンサ本体をバレル研磨した後、コンデンサ本体の両端部にCu粉末とガラスを含んだ外部電極ペーストを塗布し、850℃で焼き付けを行い外部電極を形成した。その後、電解バレル機を用いて、この外部電極の表面に、順にNiメッキ及びSnメッキを行い、積層型のコンデンサを作製した。
次に、これらのコンデンサについて以下の評価を行った。評価はいずれも試料数10個とし、その平均値から求めた。比誘電率および誘電損失は静電容量を温度25℃、周波数1.0kHz、測定電圧1Vrmsで測定し、誘電体層の厚みと電極層の有効面積から求めた。高温負荷試験は、HALT試験で代用し、温度170℃、印加電圧170Vの条件で行った。HALT試験での試料数は各試料20個とし、平均故障時間を算出した。
チタン酸バリウムの(110)面の回折強度と、酸化イッテルビウムの(222)面の回折強度との比の測定は、Cukαの管球を備えたX線回折装置を用いて、角度2θ=20〜45°の範囲で測定し、ピーク強度の比から求めた。測定した試料はX線回折チャートから見ていずれもチタン酸バリウムを主成分とする結晶粒子が主結晶粒子となっているものであった。
また、得られた焼結体である試料の組成分析はICP(Inductively Coupled Plasma)分析および原子吸光分析により行った。この場合、得られた誘電体磁器を硼酸と炭酸ナトリウムと混合し溶融させたものを塩酸に溶解させて、まず、原子吸光分析により誘電体磁器に含まれる元素の定性分析を行い、次いで、特定した各元素について標準液を希釈したものを標準試料として、ICP分析にかけて定量化した。分析した誘電体磁器の組成は、調合組成に一致するものであった。なお、Tb粉末を用いて作製した試料は、焼成後においてTb換算した値が調合時のモル数の2倍相当量となっていた。また、調
合におけるBT粉末100モルに対する各添加成分の割合は、焼成後におけるチタン100モルに対する割合に対応するものとなっていた。調合組成を表1、3、5に、上記評価の結果を表2、4および6に示す。
Figure 0005743813
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表1〜6の結果から明らかなように、試料No.1−2〜8、1−10〜17、1−19〜36、2−2〜8、2−10〜17、2−19〜36、3−2〜8、3−10〜17および3−19〜36では、25℃を基準にしたときの比誘電率の温度変化率が−55〜125℃において±15%以内である温度特性を示した。
また、誘電体磁器が、バナジウムと、マンガンと、マグネシウムと、イットリウム、ホルミウムおよびエルビウムのうち少なくとも1種の第1の希土類元素と、テルビウム、ディスプロシウムおよびガドリニウムから選ばれる少なくとも1種の第2の希土類元素とを含み、チタン100モルに対して、バナジウムをV換算で0.01〜0.5モル、マグネシウムをMgO換算で0.5〜2.5モル、マンガンをMnO換算で0.1〜0.5モル、第1の希土類元素をRE換算で0.5〜2.0モル、第2の希土類元素をRE換算で0.2〜3.0モル含有するものである1−2〜7、1−10〜12、1−15〜17、1−20〜23、1−30〜33、1−35、1−36、2−2〜7、2−10〜12、2−15〜17、2−20〜23、2−30〜33、2−35、2−36、3−2〜7、3−10〜12、3−15〜17、3−20〜23、3−30〜33、3−35および3−36では、室温(25℃)における比誘電率が1800以上、誘電損失が2.0%以下、比誘電率の温度特性がX7Rを満足し、温度を170℃、電圧を170Vとした高温負荷試験での平均故障時間が30時間以上であった。
さらに、誘電体磁器が、チタン100モルに対して、バナジウムをV換算で0.05〜0.1モル、マグネシウムをMgO換算で2.0〜2.5モル、マンガンをMnO換算で0.2〜0.5モル、第1の希土類元素をRE換算で0.5〜1.0モル、第2の希土類元素をRE換算で0.5〜1.0モル含有するとともに、誘電体磁器のX線回折チャートにおいて、チタン酸バリウムの面指数(110)の回折強度に対する酸化イッテルビウムの面指数(222)の回折強度が1.6〜2.2%である試料No.1−4〜6、1−12、1−15、1−21、1−27、1−27、1−28、1−31、2−4〜6、2−12、2−15、2−21、2−27、2−27、2−28、2−31、3−4〜6、3−12、3−15、3−21、3−27、3−27、3−28、3−31では、室温(25℃)における比誘電率が1800以上、誘電損失が1.7%以下であり、25℃を基準にしたときの比誘電率の温度変化率が−55〜125℃において±13%以内を示した。
これに対し、試料No.1−1、1−9、2−1、2−9、3−1および3−9では、25℃を基準にしたときの比誘電率の温度変化率が−55〜125℃において±15%を満足しないものであった。
1 コンデンサ本体
3 外部電極
5 誘電体層
7 電極層
9 結晶粒子
9a チタン酸バリウムを主成分とする結晶粒子
9b 酸化イッテルビウムの結晶粒子
11 粒界相

Claims (4)

  1. チタン酸バリウムを主成分とする主結晶粒子間に酸化イッテルビウムの結晶粒子が存在してなるとともに、チタン100モルに対してマグネシウムをMgO換算で0.5〜3.0モル含有してなり、X線回折チャートにおいて、チタン酸バリウムの面指数(110)の回折強度に対する酸化イッテルビウムの面指数(222)の回折強度が0.5〜3.0%であることを特徴とする誘電体磁器。
  2. 複数の電極層と、該電極層間に配置された請求項1に記載の誘電体磁器からなる誘電体層と、を有することを特徴とするコンデンサ。
  3. 前記誘電体磁器が、バナジウムと、マンガンと、イットリウム、ホルミウムおよびエルビウムのうち少なくとも1種の第1の希土類元素と、テルビウム、ディスプロシウムおよびガドリニウムから選ばれる少なくとも1種の第2の希土類元素とを含み、前記チタン100モルに対して、
    前記バナジウムをV換算で0.01〜0.5モル、
    前記マグネシウムをMgO換算で0.5〜2.5モル、
    前記マンガンをMnO換算で0.1〜0.5モル、
    前記第1の希土類元素をRE換算で0.5〜2.0モル、
    前記第2の希土類元素をRE換算で0.2〜3.0モル含有することを特徴とする請求項2に記載のコンデンサ。
  4. 前記チタン100モルに対して、
    前記バナジウムをV換算で0.05〜0.1モル、
    前記マグネシウムをMgO換算で2.0〜2.5モル、
    前記マンガンをMnO換算で0.2〜0.5モル、
    前記第1の希土類元素をRE換算で0.5〜1.0モル、
    前記第2の希土類元素をRE換算で0.5〜1.0モル含有するとともに、
    前記誘電体磁器のX線回折チャートにおいて、チタン酸バリウムの面指数(110)の回折強度に対する酸化イッテルビウムの面指数(222)の回折強度が1.6〜2.2%であることを特徴とする請求項3に記載のコンデンサ。
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