JP2013113421A - 流路規定部材および流体定量送出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高精度に量を規定して流体を送出する。
【解決手段】円筒状部材4と円柱状部材2とを有し、円柱状部材2を中心軸10周りに回転することで、第1貫通孔群4αと溝部2bとが接続される第1の接続状態と、第2貫通孔群4βと溝部2bとが接続される第2の接続状態と、第1の接続状態と第2の接続状態との間における、溝部2bが円筒状部材4の内周面4eで塞がれている閉塞状態とが切り替えられる流路規定部材20である。第1の状態において溝部2bに充填された流体を、第2の状態において第2貫通孔群から吐出させ、溝部2bに対応する量の流体を排出する。
【選択図】図1
【解決手段】円筒状部材4と円柱状部材2とを有し、円柱状部材2を中心軸10周りに回転することで、第1貫通孔群4αと溝部2bとが接続される第1の接続状態と、第2貫通孔群4βと溝部2bとが接続される第2の接続状態と、第1の接続状態と第2の接続状態との間における、溝部2bが円筒状部材4の内周面4eで塞がれている閉塞状態とが切り替えられる流路規定部材20である。第1の状態において溝部2bに充填された流体を、第2の状態において第2貫通孔群から吐出させ、溝部2bに対応する量の流体を排出する。
【選択図】図1
Description
本発明は、流体の経路を規定する部材、およびそれを用いた、流体の量を規定して定量で送出する流体定量送出装置に関する。
従来から、例えば半導体製造プロセス等におけるレジスト塗布工程等、様々な分野において、レジスト等の流体の流路を規定する部材や、所定量の流体を定量ずる送出する装置が求められている。
例えば特許文献1には、ステンレス材からなる金属バルブを有して構成された、液体を定量して吐出する装置が開示されている。特許文献1に開示された装置では、流路内にバルブを配置し、流路を流れる液体の流速と、バルブの開閉タイミングとによって、バルブの下流側へ吐出する流体の量を規定している。
しかしながら、ステンレス材等の金属バルブでは、耐摩耗性が比較的低く、このバルブから生じた金属成分が、吐出する液体にコンタミネーションとして混入することもあった。また、磨耗によって液体の吐出量が変化することもあり、液体吐出装置としての寿命は比較的短いものであった。また、流体の流速等が、例えば流体に圧力をかけるためのポンプの劣化による圧力変動や、流路内のコンタミネーション付着等に起因した流路内の変動等に応じて変化しやすく、バルブの開閉タイミングを制御しても、十分高い精度で液体を定量して吐出することができないといった課題があった。
本発明は、かかる課題を解決することを目的とする。
本発明は、流体の流路を規定する部材であって、円筒状部材と、該円筒状部材の内側に挿入された、外周面に溝部が設けられた円柱状部材とを有し、前記円筒状部材は、外周面と内周面との間を貫通した貫通孔を複数備え、前記円柱状部材を中心軸周りに回転することで、複数の前記貫通孔のうちの一部の前記貫通孔からなる第1貫通孔群と前記溝部とが接続される第1の接続状態と、前記第1貫通孔群とは異なる複数の前記貫通孔からなる第2貫通孔群と前記溝部とが接続される第2の接続状態と、前記第1の接続状態と前記第2の接続状態との間における、前記溝部が前記円筒状部材の内周面で塞がれている閉塞状態とが切り替えられることを特徴とする流路規定部材を提供する。
本発明はまた、前記流路規定部材の前記円柱状部材を中心軸周りに回転させて、前記第1の接続状態とした後に前記閉塞状態を経て前記第2の接続状態に切り替える回転手段と、前記第1の接続状態において、前記第1貫通孔群を構成する前記貫通孔の少なくとも1つから前記溝部に流体を流入させつつ前記第1貫通孔群の他の前記貫通孔から前記流体をオーバーフローさせる流体供給手段と、前記第2の接続状態において、前記第2貫通孔群を構成する前記貫通孔の少なくとも1つを介して前記溝部に気体を流入させて、流入させた該気体の圧力によって前記溝部内の前記流体を前記第2貫通孔群の他の前記貫通孔から
排出させる流体排出手段とを備えることを特徴とする流体定量送出装置を、併せて提供する。
排出させる流体排出手段とを備えることを特徴とする流体定量送出装置を、併せて提供する。
本発明の流路規定部材は、円柱状部材を中心軸周りに回転することで、複数の貫通孔のうちの一部の貫通孔からなる第1貫通孔群と溝部とが接続される第1の接続状態と、第1貫通孔群とは異なる複数の貫通孔からなる第2貫通孔群と溝部とが接続される第2の接続状態と、第1の接続状態と第2の接続状態との間における、溝部が円筒状部材の内周面で塞がれている閉塞状態とが切り替えられることで、第1の状態において溝部に供給された流体を、第2の状態において第2貫通孔群から排出させることができる。溝部に供給される流体の量は、溝部の形状に応じた一定量とすることができ、第1の状態から閉塞状態を経て第2の状態へと変化させることで、第2貫通孔群から流体を、高精度に量を規定して定量で排出することができる。
また、本発明の流体定量送出装置は、回転手段が、流路規定部材の円柱状部材を中心軸周りに回転させて、第1の接続状態とした後に閉塞状態を経て第2の接続状態に切り替える。流体供給手段が、第1の接続状態において、第1貫通孔群を構成する貫通孔の少なくとも1つから溝部に流体を流入させつつ第1貫通孔群の他の貫通孔から流体をオーバーフローさせ、流体排出手段が、第2の接続状態において、第2貫通孔群を構成する貫通孔の少なくとも1つを介して溝部に気体を流入させて、流入させた気体の圧力によって溝部内の流体を第2貫通孔群の他の前記貫通孔から排出させることで、流体を、高精度に量を規定して定量で送出することができる。
本発明の流路規定部材の実施形態の一例、および本発明の流体定量送出装置の実施形態の一例について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の流路規定部材の実施形態の一例である流路規定部材20について説明する図であり、(a)は流路規定部材20の正面図と側面図、(b)は流路規定部材20を構成する円筒状部材4の正面図と側面図、(c)は流路規定部材20を構成する円柱状部材2の正面図と側面図である。
流路規定部材20は、流体の流路を規定する部材であって、円筒状部材4と、円筒状部材4の内側に挿入された円柱状部材2とを有している。円柱状部材2は、外周面2aに溝部2bが設けられている。円筒状部材4は、外周面4fと内周面4eとの間を貫通した4つの貫通孔4a〜4eを備えている。
円柱状部材2は、溝部2bが中心軸10に沿って設けられている。円筒状部材4は、第
1貫通孔群4αを構成する貫通孔4aと貫通孔4bとが、中心軸10に沿って配列しており、第2貫通孔群4βを構成する貫通孔4cと4dとが、第1貫通孔群4αとは周方向で異なる位置に、中心軸10に沿って配列している。本実施形態の流路規定部材20では、第1貫通孔群4αと第2貫通孔群4βとが、中心軸10に対してそれぞれ線対称となる位置に配置されている。
1貫通孔群4αを構成する貫通孔4aと貫通孔4bとが、中心軸10に沿って配列しており、第2貫通孔群4βを構成する貫通孔4cと4dとが、第1貫通孔群4αとは周方向で異なる位置に、中心軸10に沿って配列している。本実施形態の流路規定部材20では、第1貫通孔群4αと第2貫通孔群4βとが、中心軸10に対してそれぞれ線対称となる位置に配置されている。
図2(a)〜(c)は、図1に示す流路規定部材20の各種状態を示している。流路規定部材20は、例えば図中の矢印Rで示すように、円柱状部材2を中心軸10周りに回転させることで、4つの貫通孔のうち貫通孔4aと貫通孔4bからなる第1貫通孔群4αと溝部2bとが接続される第1の接続状態と、貫通孔4cと貫通孔4dとからなる第2貫通孔群4βと溝部2bとが接続される第2の接続状態と、第1の接続状態と第2の接続状態との間における、溝部2bが円筒状部材4の内周面4eで塞がれている閉塞状態とが切り替えられる。図2(a)は第1の接続状態、図2(b)は閉塞状態、図2(c)は第2の接続状態をそれぞれ示している。
図3は、本発明の流体定量送出装置の実施形態の一例である、流路規定部材20を備えて構成される流体定量送出装置1について説明する概略構成図である。図3に示す実施形態を例に、流路規定部材20および装置1についてより詳細に説明する。
装置1は、流路規定部材20と、流路規定部材20の円柱状部材2を中心軸10周りに回転させて、第1の接続状態と、閉塞状態と、第2の接続状態とを順次切り替える回転手段12と、第1の接続状態において貫通孔4aから溝部2bに流体Fを流入させつつ、貫通孔4bから流体Fをオーバーフローさせる流体供給手段14と、第2の接続状態において、第2貫通孔群を構成する貫通孔4cを介して溝部2bに気体Gを流入させて、流入させた気体Gの圧力によって、溝部内2bの流体Fを貫通孔4dから排出させる流体排出手段16とを備えている。
本例の流体定量送出装置1は、例えば図示しない半導体製造システムに用いられるレジスト塗布装置に備えられており、流体排出手段16によって排出された流体Fは、半導体製造システムが備えるレジスト吐出ノズル19に送られる。本例では、流体Fとして、半導体製造工程に用いられるレジスト液を用いている。
流体供給手段14は、図示しない薬液タンクと、いわゆる公知のコンプレッサーを備えた圧縮空気供給機構とを備えてている。流体供給手段14は、薬液タンクに貯留されている流体Fに対し、圧縮空気供給機構によって圧力を印加し、この印加した圧力によって流体Fを流路規定部材20へ供給する。流路規定部材20と流体供給手段14とは、貫通孔4aに接続した配管6a、および貫通孔4bに接続した配管6bを介して接続されている。流体供給手段14は、図2(a)に示す第1の状態において、配管6aを介して貫通孔4aから溝部2bに流体Fを流入させつつ、貫通孔4bから流体Fをオーバーフローさせる。本実施形態では、貫通孔4bからオーバーフローした流体Fは、配管6bを介して流体供給手段14の薬液タンクに還流される。
流体排出手段16は、いわゆる公知のコンプレッサーを備えた、図示しない圧縮空気供給機構を供え、圧縮した気体Gを流路規定部材20へ供給する。流路規定部材20と流体排出手段16とは、貫通孔4cに接続した配管6c介して接続されており、図2(c)に示す第2の状態において、配管6cを介して貫通孔4cから溝部12に気体Gを流入させて、流入させた気体Gの圧力によって、溝部内2bの流体Fを貫通孔4dから排出させる。貫通孔6dは、貫通孔4dに接続した配管6dを介して吐出ノズル19と接続されている。配管6a、6b、6c、6dは、貫通孔4a、4b、4c、4dのそれぞれと、高いシール性を保つよう接合部材(不図示)によって接合されている。接合部材としては、金
属製のろう材、耐熱製の樹脂などが挙げられる。
属製のろう材、耐熱製の樹脂などが挙げられる。
流体定量送出装置1では、回転手段12によって円柱状部材2を中心軸10周りに回転(R)せて、第1の接続状態と、閉塞状態と、第2の接続状態とを切り替えることで、溝部2bの体積と回転数に応じた所定量の流体Fを、吐出ノズル19に向けて送出することができる。
流体定量送出装置1の各部は、このレジスト塗布装置が備える制御部と接続されており、流体供給手段14において流体Fに印加する圧力の大きさや、流体排出手段16において気体Gに印加する圧力の大きさ、回転手段12による円筒状部材2の回転速度や回転タイミング等が、この図示しない制御部によって制御されている。
流体定量送出装置1において、所定量の流体Fを吐出ノズル19に向けて送出する際は、まず、図2(a)に示す第1の接続状態となり、貫通孔4aから溝部2bに流体Fが流入し、貫通孔4bから流体Fがオーバーフローする。
次に、回転手段12によって円柱状部材2が回転され、図2(b)に示す閉塞状態となる。閉塞状態では、溝部2bが円筒状部材4の内周面4eによって閉塞され、第1の接続状態を経て溝部2b内に充填された流体Fは、筒状部材4の内周面4eと溝部2bで形成される空間に溜まった状態を維持しながら、円柱状部材2の回転に伴って移動する。流路規定部材20において、円柱状部材2の溝部2bと筒状部材4の内周面4eとでできる空間の体積は一定であり、溝部2bの体積と同量の流体Fが、回転に伴って移動する。
次に、回転手段12によって円柱状部材2がさらに度回転され、図2(c)に示す第2の接続状態となる。第2の接続状態では、第2貫通孔群を構成する貫通孔4cを介して溝部2bに気体Gが流入し、流入した気体Gの圧力によって、溝部内2b内の流体Fが貫通孔4dから排出される。本例では、回転手段12によって円柱状部材2が180度回転する間に、第1の接続状態から閉塞状態を経て第2の接続状態に至る一連の状態を経ることで、第2の接続状態において溝部12bと同じ体積の流体Fを吐出ノズル19に向けて送出することができる。装置1の回転手段12の動作を制御して、円柱状部材2の回転回数を所定回転数に調整することで、溝部12bの体積と回転数とに応じた所定量(所定体積)の流体Fを、吐出ノズル19に送出することができる。
流路規定部材20について、さらに説明する。図4および図5は、流路規定部材20について説明する概略断面図である。図4では、円筒状部材4の内周面4eと、円柱状部材2の外周面2aとの間隙について説明する図であり、中心軸10方向に沿った円柱状部材2の径の変化を、実際より誇張して示している。図5は、円筒状部材4の内周面4eと円柱状部材2の外周面2aとを拡大して示している。
図4に示すように、円筒状部材4の内周面4eと、円柱状部材2の外周面2aの溝部2b以外の部位との間隙は、中心軸10に沿った端部の側が、軸方向に沿った中央部に比べて大きく、例えば、端部側の間隙Bが5μm、中央部での間隙Aが3μmとなっている。筒状部材4の内周面4eと円柱状部材2の外周面2aとの間隙が大きいほど、円柱状部材2の回転抵抗はより小さくなる。すなわち、比較的小さな力で、スムーズに回転させることが可能となる。一方、筒状部材4の内周面4eと円柱状部材2の外周面2aとの間隙が小さいほど、流体Fのシール性はより高くなる。すなわち、この間隙が狭いほど、この間隙から漏れ出す流体の量は比較的少なくなる。流路規定部材20では、中央部のクリアランスを比較的小さくし、流体Fのシール性を充分高くするとともに、軸方向の端部側のクリアランスを比較的大きくして、円柱状部材2を回転させる際の抵抗(回転抵抗)を比較的小さくしている。
シール性を比較的高くして、円柱状部材2と筒状部材4の間隙からの流体Fの漏れ量を比較的少なくするため、溝部2b以外の部位における、円柱状部材2と筒状部材4との間隙が6μm以下であることが好ましい。本例の流路規定部材20によれば、流体を封止するためのシール機構(リーク防止用のシールテープや、リーク防止用の樹脂材)を用いることなく円柱状部材2と筒状部材4と、の2つの部材のみをもって、流体Fの漏れ出しが比較的少ない流路規定部材20を構成している。
流路規定部材20は、円柱状部材2および筒状部材4の両方が、ジルコニアまたはジルコニア強化アルミナ(ZTA)によって形成されていることが好ましい。ジルコニアおよびZTAは、耐磨耗性が比較的高く、円柱状部材2の外周面2aと筒状部材4の内周面4eとの間で、2つの部材が摺接した場合の磨耗の程度が比較的少ない。流路規定部材20は耐摩耗性が高く、長期にわたって安定した一定量の流体を送出することができる。円柱状部材2および筒状部材4は、少なくともいずれか一方がジルコニアまたはジルコニア強化アルミナを主成分とする材料で構成されていればよい。ジルコニアを主成分とするとは、例えばジルコニアを60質量%以上含んでなることをいう。
図5に示すように、円柱状部材2の外周面2aは、円周方向に沿って連続した研削条痕を有し、筒状部材4の内周面4eも同様に研削条痕を有している。このような研削状痕は、例えば円柱状部材2の場合であれば、円柱状部材2を例えば中心軸周りに回転させつつ、外周面2aに研削用部材を当接させて行う、いわゆる外周面ホーニング加工によって外周面2aが研削加工されて研削条痕が形成される。円筒状部材4の研削条痕は、円筒状部材4の内周面4eに研削用部材を当接させて行う、いわゆる内周面ホーニング加工によって形成される。
一般的なセラミック材料は、例えば金属等と比較すると破壊靱性値が比較的小さいが、ジルコニアおよびZTAは、セラミックスの中でも比較的破壊靱性値が大きい。このため、ジルコニアは、研削加工した際に、研削後の表面の欠陥(ボイド等)が比較的少なく、表面が鏡面になり易い傾向を有している。また、一方、ジルコニアおよびジルコニア強化アルミナは、セラミックスの中で比較的破壊靱性値が大きいため、研削面に、塑性流動型の研削条痕を生じやすい。すなわち、研削加工によって形成された円柱状部材2の外周面には、円柱状部材2の周方向に沿って比較的長く、細かい凹部および凸部が存在している。また、筒状部材4の内周面4eも、いわゆる内周面ホーニング加工によって形成されている。この内周面4eにも、周方向に沿って比較的長く延びた研削条痕が生じている。
流路規定部材20では、円柱状部材2の外周面2aおよび筒状部材4の内周面4eに、それぞれ研削条痕が形成されている。このため、円柱状部材2の外周面2aと筒状部材4の内周面4eとが近づくような力がかかった場合であっても、研削条痕の凸部が先に当接し、研削条痕の凹部全体が密着し難い。このため、微視的に見れば、円柱状部材2の外周面2aと筒状部材4の内周面4eとの間に適度なクリアランスが保たれ、円柱状部材2の回転抵抗が比較的低い状態に保たれる。また、円柱状部材2の外周面2aと筒状部材4の内周面4eとに、それぞれ研削条痕が形成されているので、円柱状部材2の外周面2aの表面積と、筒状部材4の内周面4eの表面積とは、いずれも比較的大きくなっている。すなわち、円柱状部材2と筒状部材4との間隙(クリアランス)においては、円柱状部材2と筒状部材4との距離に比べて、流体Fが接触する表面積が比較的大きくなっている。このため、この間隙に進入した流体Fに発生する表面張力が大きく、この間隙からの流体Fの漏れ出しが抑止されている。
なお、円柱状部材2の外周面2aの輪郭曲線要素の平均長さRSmを5μm以上とすれば、液体の封止性を比較的高くすることができる。また、円柱状部材2の外周面2aの輪
郭曲線要素の平均長さRSmを8μm以下とすれば、筒状部材4と円柱状部材2とが当接することで生じるコンタミネーションの量を、比較的少なくすることができる。なお、この輪郭曲線要素の平均長さ(RSm)とは、JIS B0601−2001に準拠した値である。輪郭曲線要素の平均長さ(RSm)の測定には、例えば、株式会社小坂研究所 表面粗さ測定器 サーフコーダSE−2300を用いて、基準長さ0.4mmでカットオフ値を0.08mmとすればよい。なお、輪郭曲線要素の平均長さ(RSm)は、JIS
B0601−2001に準拠した値であればよく、上記測定器を用いた値でなくとも構わない。
郭曲線要素の平均長さRSmを8μm以下とすれば、筒状部材4と円柱状部材2とが当接することで生じるコンタミネーションの量を、比較的少なくすることができる。なお、この輪郭曲線要素の平均長さ(RSm)とは、JIS B0601−2001に準拠した値である。輪郭曲線要素の平均長さ(RSm)の測定には、例えば、株式会社小坂研究所 表面粗さ測定器 サーフコーダSE−2300を用いて、基準長さ0.4mmでカットオフ値を0.08mmとすればよい。なお、輪郭曲線要素の平均長さ(RSm)は、JIS
B0601−2001に準拠した値であればよく、上記測定器を用いた値でなくとも構わない。
なお、軸部材の外周面および外郭部材の内周面に、研削条痕が形成されているとは、上記輪郭曲線要素の平均長さ(RSm)が4μm以上であることをいう。
流路規定部材20では、円柱状部材2または円筒状部材4の少なくとも一方がジルコニアまたはジルコニア強化アルミナからなる場合は、ジルコニアの結晶相のうち、単斜晶率が5mol%以下であることが好ましい。単斜晶率の測定方法としては、円柱状部材2の外周面2aのX線回折により結晶構造を解析することで算出することができる。X線回折による結晶構造の解析には、例えば、スペクトリス株式会社製PW3050を用い、測定条件2θ=26°〜36°の範囲で、X線出力40kVの50mAで測定すればよい。
例えばジルコニアは、加工ストレスによって、表面が相変態することが知られている。例えば、正方晶が応力を受けることで相変態し、単斜晶に変化するわけであるが、それに伴い体積膨張を引き起こし、表面に劣化した層が形成されることがある。あるいは加工によって破壊変質層が形成されることがある。加工によって破壊変質層が形成されている表面では、表面のジルコニア結晶が比較的脱粒しやすい。
円柱状部材2の外周面2aのジルコニア結晶相の単斜晶率を5mol%以下とすれば、ホーニング加工等の物理的な加工を経て外周面2aの表面に付着する、ジルコニア粒子の脱粒等を比較的低く抑えることができる。円柱状部材2の外周面2aのジルコニア結晶相の単斜晶率を5mol%以下とすることで、表面のジルコニア結晶の脱粒を比較的少なくすることができる。円柱状部材2の外周面2aのジルコニア結晶相の単斜晶率を5mol%以下とすれば、排出される流体Fに混入するコンタミネーションを、比較的低く抑えることができる。
なお、流路規定部材20に含ジルコニアの結晶相が含まれる場合は、円柱状部材2、筒状部材4のいずれも、ジルコニアはY2O3を焼結助剤とする部分安定化ジルコニアが好ましい。この場合、円柱状部材2および筒状部材4のいずれも、Y2O3の含有量が2〜6mol%の範囲が好ましい。Y2O3の含有量を2〜6mol%の範囲とすると、正方晶から単斜晶への相変態し難くなり、摺接面は比較的高い耐摩耗性や耐食性を発揮することができる。Y2O3含有ジルコニアからなる流路規定部材20は、耐摩耗性が比較的高く、流体Fへのコンタミネーションの混入量も比較的少なくなる。なお、耐摩耗性や耐食性を、より高くするには、Y2O3の含有量を2〜4mol%の範囲とすることが、さらに好ましい。
以上、本発明の実施形態の一例について説明したが、本発明は上記の例に特に限定されない。例えば、本発明の流体定量送出装置は、上述したレジスト塗布装置等に限らず、半導体製造装置や、各種分析装置、医療機器など、様々な装置に用いることができる。流路規定部材で流路を規定する流体の種類についても特に限定されない。例えば、酸性溶液やアルカリ性溶液等の各種薬液や、血液等であってもよい。また、流路規定部材における貫通孔の配置位置や溝部の形状等も、特に限定されない。第1貫通孔群を構成する複数の貫通孔と、第2貫通孔群を構成する複数の貫通孔とを、それぞれ円柱状部材の中心軸に対し
て傾けて配列させるとともに、溝部材も同様に中心軸に対して傾けて配列してもよい。第1貫通孔群や第2貫通孔群の配置位置も特に限定されない。例えば中心軸周りに所定角度ずつ離れた位置に、第1貫通孔群と第2貫通孔群とを交互に配置してもよい。例えば、この所定角度を90°とした場合、第1貫通孔群と第2貫通孔群とは、それぞれ2つずつとなるが、第1貫通孔群と第2貫通孔群の数も限定されない。本発明は上記の実施形態の例に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
て傾けて配列させるとともに、溝部材も同様に中心軸に対して傾けて配列してもよい。第1貫通孔群や第2貫通孔群の配置位置も特に限定されない。例えば中心軸周りに所定角度ずつ離れた位置に、第1貫通孔群と第2貫通孔群とを交互に配置してもよい。例えば、この所定角度を90°とした場合、第1貫通孔群と第2貫通孔群とは、それぞれ2つずつとなるが、第1貫通孔群と第2貫通孔群の数も限定されない。本発明は上記の実施形態の例に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
1 流体定量送出装置
2 円柱状部材
2a 外周面
2b 溝部
4 円筒状部材
4a〜4e 貫通孔
4f 外周面
4e 内周面
4α 第1貫通孔群
4β 第2貫通孔群
10 中心軸
12 回転手段
14 流体供給手段
16 流体排出手段
20 流路規定部材
F 流体
2 円柱状部材
2a 外周面
2b 溝部
4 円筒状部材
4a〜4e 貫通孔
4f 外周面
4e 内周面
4α 第1貫通孔群
4β 第2貫通孔群
10 中心軸
12 回転手段
14 流体供給手段
16 流体排出手段
20 流路規定部材
F 流体
Claims (5)
- 流体の流路を規定する部材であって、
円筒状部材と、該円筒状部材の内側に挿入された、外周面に溝部が設けられた円柱状部材とを有し、
前記円筒状部材は、外周面と内周面との間を貫通した貫通孔を複数備え、
前記円柱状部材を中心軸周りに回転することで、
複数の前記貫通孔のうちの一部の前記貫通孔からなる第1貫通孔群と前記溝部とが接続される第1の接続状態と、
前記第1貫通孔群とは異なる複数の前記貫通孔からなる第2貫通孔群と前記溝部とが接続される第2の接続状態と、
前記第1の接続状態と前記第2の接続状態との間における、前記溝部が前記円筒状部材の内周面で塞がれている閉塞状態と
が切り替えられることを特徴とする流路規定部材。 - 前記溝部が、軸方向に沿って設けられており、
前記第1貫通孔群を構成する複数の前記貫通孔が、前記軸方向に沿って配列しており、
前記第2貫通孔群を構成する複数の前記貫通孔が、前記第1貫通孔群とは周方向で異なる位置に、前記軸方向に沿って配列していることを特徴とする請求項1記載の流路規定部材。 - 前記円筒状部材の内周面と、前記円柱状部材の外周面の前記溝部以外の部位との間隙は、軸方向の中央部に比べて端部の側で大きいことを特徴とする請求項1または2記載の流路規定部材。
- 前記円筒状部材および前記円柱状部材は、ジルコニアを主成分とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の流路規定部材。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の流路規定部材と、
前記流路規定部材の前記円柱状部材を中心軸周りに回転させて、前記第1の接続状態とした後に前記閉塞状態を経て前記第2の接続状態に切り替える回転手段と、
前記第1の接続状態において、前記第1貫通孔群を構成する前記貫通孔の少なくとも1つから前記溝部に流体を流入させつつ前記第1貫通孔群の他の前記貫通孔から前記流体をオーバーフローさせる流体供給手段と、
前記第2の接続状態において、前記第2貫通孔群を構成する前記貫通孔の少なくとも1つを介して前記溝部に気体を流入させて、流入させた該気体の圧力によって前記溝部内の前記流体を前記第2貫通孔群の他の前記貫通孔から排出させる流体排出手段と
を備えることを特徴とする流体定量送出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011262891A JP2013113421A (ja) | 2011-11-30 | 2011-11-30 | 流路規定部材および流体定量送出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011262891A JP2013113421A (ja) | 2011-11-30 | 2011-11-30 | 流路規定部材および流体定量送出装置 |
Publications (1)
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JP2013113421A true JP2013113421A (ja) | 2013-06-10 |
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ID=48709134
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2011262891A Pending JP2013113421A (ja) | 2011-11-30 | 2011-11-30 | 流路規定部材および流体定量送出装置 |
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JP (1) | JP2013113421A (ja) |
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2011
- 2011-11-30 JP JP2011262891A patent/JP2013113421A/ja active Pending
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