JP2013108918A - 管台溶接部防食補修方法 - Google Patents

管台溶接部防食補修方法 Download PDF

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Abstract

【課題】溶接に用いる合金の溶接割れを防止するとともに、水中環境下での補修作業を可能とした管台溶接部防食補修方法を提供する。
【解決手段】原子炉容器1の管台6と冷却材配管7との溶接部の内周面に対して防食のために合金を肉盛溶接する管台溶接部防食補修方法として、溶接部の内周面に対し、回転工具14を回転させつつ移動させて690系ニッケル基合金を摩擦撹拌することにより該溶接部の内周面に肉盛溶接部15を形成する摩擦撹拌溶接を採用した。
【選択図】図5

Description

本発明は、管台溶接部防食補修方法に関する。
原子力発電所ではその安全性や信頼性を確保するために、定期的に配管や圧力容器の検査が行われている。
例えば、低合金鋼からなる管台とステンレス鋼からなる冷却材配管とは、一般的に管台の端部に600系ニッケル基合金を肉盛溶接する一方、冷却材配管にステンレス鋼からなるセーフエンドと呼ばれる短管を溶接し、管台の肉盛溶接部分とセーフエンドとを600系ニッケル基合金により溶接することにより接続されている。
この原子炉容器の管台と冷却材配管との溶接部(以下、管台溶接部という)においては、一次冷却材に接液している600系ニッケル基合金に経年劣化による割れが発生するおそれがあることが知られている。
そのため、定期点検時などにおいて予防保全対策としてこの600系ニッケル基合金からなる管台溶接部の内周面に対して耐食性に優れた690系ニッケル基合金を肉盛溶接することで、600系ニッケル基合金が一次冷却材に接液しないようにする環境遮断クラッディングを行う場合がある。
そして、上述した予防保全対策としては、管台とセーフエンドとの溶接部に対し、その内周面を全周にわたって一様に研削した後、この研削した箇所に耐食性に優れた690系ニッケル基合金を肉盛溶接(クラッディング)することが知られている。
ここで、690系ニッケル基合金をクラッディングする工法としては、管台が低合金鋼からなることから、管台とセーフエンドとの溶接部に対して690系ニッケル基合金を溶接する際に発生する熱によって管台に硬化層が発生することを防止するため、常温テンパービード溶接を採用したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。これは自動TIG溶接装置による遠隔自動溶接により行われている。
なお、常温テンパービード溶接は気中環境下で行う必要があるため、近年、テンパービード溶接により防食補修を行う場合には、原子炉キャビティ内を満水とした後、原子炉容器の上蓋を取り外し、上部炉心構造物及び下部炉心構造物をキャビティ内に仮置きし、その後、管内溶接部を気中環境下とするためにステンレス鋼からなる大型の円筒容器を原子炉容器の上部に設置し、円筒容器内及び原子炉容器内の水を少なくとも管台の内部が気中環境となる程度まで抜く作業を行う必要があった(例えば、特許文献2参照)。
特許第3970469号公報 特開2007−3442号公報
しかしながら、従来の管台溶接部防食補修方法においては、上述したように気中環境下で施工を行うため、大型の円筒容器が必要となるとともに、この大型の円筒容器内の水抜き作業を行う必要があり、施工作業が煩雑となるという問題があった。
また、690系ニッケル基合金は耐食性に優れるものの、溶接時に割れやすいという特性を有し、自動TIG溶接装置で遠隔自動溶接を行う場合、溶接割れのおそれがあるという問題があった。
このようなことから本発明は、溶接に用いる合金の溶接割れを防止するとともに、水中環境下での補修作業を可能とした管台溶接部防食補修方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための第1の発明に係る管台溶接部防食補修方法は、原子炉容器に設けられる管台と被固定部材との溶接部の表面に対して防食のために合金を肉盛溶接する管台溶接部防食補修方法であって、前記溶接部の表面に対し、回転工具を回転させつつ移動させて前記合金を摩擦撹拌することにより該溶接部の表面に前記合金を肉盛溶接することを特徴とする。
上記の課題を解決するための第2の発明に係る管台溶接部防食補修方法は、第1の発明に係る管台溶接部防食補修方法において、前記溶接部の表面を研削して開先を形成した後、前記開先に前記合金を肉盛溶接することを特徴とする。
上記の課題を解決するための第3の発明に係る管台溶接部防食補修方法は、第2の発明に係る管台溶接部防食補修方法において、前記開先に前記合金からなる板状の溶加材を埋め込んだ後、前記回転工具を回転させつつ移動させて前記溶加材を摩擦撹拌することにより前記溶加材を肉盛溶接することを特徴とする。
上記の課題を解決するための第4の発明に係る管台溶接部防食補修方法は、第2の発明に係る管台溶接部防食補修方法において、前記回転工具が前記合金からなる消耗式の回転工具であり、前記開先に対して前記回転工具を回転させつつ移動させて前記回転工具自体を軟化させることにより前記開先に前記合金を肉盛溶接することを特徴とする。
上記の課題を解決するための第5の発明に係る管台溶接部防食補修方法は、第1ないし第4のいずれか一つの発明に係る管台溶接部防食補修方法において、前記合金として690系ニッケル基合金を用いることを特徴とする。
上記の課題を解決するための第6の発明に係る管台溶接部防食補修方法は、第5の発明に係る管台溶接部防食補修方法において、前記管台の前記回転工具の回転に伴う熱に影響される部分が800℃以上1000℃以下となるように施工条件を管理することを特徴とする。
上記の課題を解決するための第7の発明に係る管台溶接部防食補修方法は、第5の発明に係る管台溶接部防食補修方法において、前記管台の前記回転工具の回転に伴う熱に影響される部分が700℃以下となるように施工条件を管理することを特徴とする。
上記の課題を解決するための第8の発明に係る管台溶接部防食補修方法は、第1ないし第7のいずれか一つの発明に係る管台溶接部防食補修方法において、前記溶接部が前記管台と冷却材配管との溶接部であって、前記溶接部の内周面に対し、前記合金を肉盛溶接することを特徴とする。
上記の課題を解決するための第9の発明に係る管台溶接部防食補修方法は、第1ないし第7のいずれか一つの発明に係る管台溶接部防食補修方法において、前記溶接部が炉内計装筒として機能する前記管台と前記原子炉容器の下鏡との溶接部であって、前記溶接部の前記原子炉容器内部側の表面部分に対し、前記合金を肉盛溶接することを特徴とする。
上述した本発明に係る管台溶接部防食補修方法によれば、自動TIG溶接装置による遠隔自動溶接に690系ニッケル基合金を用いたとしても溶接割れが発生するおそれがなく、原子炉容器の安全性及び信頼性をより向上させることができる。
また、摩擦撹拌溶接は水中でも施工が可能であるため、気中環境を創出する必要がなく、大型の円筒容器の設置、及びこの円筒容器内の水抜き作業を行う必要がなくなり、作業性を向上させることができる。
原子炉容器を示す部分断面図である。 図1のII部拡大図である。 図2のIII部拡大図である。 本発明の第1の実施例に係る管台溶接部防食補修方法において管台溶接部内周面を切削した状態を示す説明図である。 本発明の第1の実施例に係る管台溶接部防食補修方法における防食補修工程を示す説明図である。 本発明の第1の実施例に係る管台溶接部防食補修方法の一例を示す説明図である。 本発明の第2の実施例に係る管台溶接部防食補修方法において管台溶接部内周面を切削した状態を示す説明図である。 本発明の第2の実施例に係る管台溶接部防食補修方法の一例を示す説明図である。 本発明の第2の実施例に係る管台溶接部防食補修方法における防食補修工程を示す説明図である。 図10(a)は図1の部分拡大図、図10(b)は図10(a)の部分拡大図である。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る管台溶接部防食補修方法の一実施例を説明する。
図1ないし図5を用いて本発明に係る管台溶接部防食補修方法の第1の実施例について説明する。
図1に示すように、原子炉容器1は、 原子炉容器本体2と原子炉容器上部蓋3とから構成されており、 原子炉容器本体2には燃料4や制御棒5等の炉内構造物が格納されているとともに、低合金鋼からなる管台6が形成されている。管台6はステンレス鋼からなる被固定部材としての冷却材配管7に接続される部分であり、冷却材配管7Aに接続されて一次冷却材が導入される入口管台6Aと、冷却材配管7Bに接続されて一次冷却材が排出される出口管台6Bとがある。以下、入口管台6A、出口管台6Bを総称する場合は管台6と呼称し、冷却材配管7A,7Bを総称する場合は冷却材配管7と呼称する。
図2及び図3に示すように、管台6と冷却材配管7とは、管台6の先端に600系ニッケル基合金を肉盛溶接してなる肉盛溶接部8を形成する一方、冷却材配管7の先端にステンレス鋼からなる短管であるセーフエンド9を溶接により接続し、この肉盛溶接部8とセーフエンド9とを600系ニッケル基合金により溶接することにより接続されている。以下、肉盛溶接部8とセーフエンド9との間の溶接部分を周溶接部10と呼称する。なお、管台6の内周面には、耐食性を向上させるためにステンレス鋼からなる内張り11が施されている。
なお、本実施例に係る管台溶接部防食補修方法において、管台溶接部に対して防食補修を行う場合は、まず、図示しない原子炉キャビティ内を満水とし、原子炉容器上部蓋3を取り外して燃料4や制御棒5等の炉内構造物をキャビティ内に仮置きした後、図示しない自動TIG溶接装置を用いて遠隔自動溶接により行うものとする。
以下、図4ないし図6を用いて管台溶接部に対して防食補修を行う手順を説明する。防食補修は、図4に示すように、まず、管台溶接部、より具体的には少なくとも600系ニッケル基合金からなる肉盛溶接部8及び周溶接部10の表面を例えば周方向にわたって一様に研削し、溝(以下、開先という)12を形成する。例えば、図4に示す例において開先12は、四段階の深さを有する階段状の開先面を有している。
以下、開先12の最も深い部分を一層目12a、一層目12aの次に深い部分を二層目12b、二層目12bの次に深い部分を三層目12c、三層目12cの次に深い部分を四層目12dと呼称する。
開先12を形成したら、続いて、図5(a)に示すように、開先12の一層目12aに、該一層目12aの形状に合わせた690系ニッケル基合金からなる板状の溶加材13Aを埋め込んだ後、図5(b)に示すように、円柱状の本体部14aの先端に本体部14aより小径で軸方向長さが溶加材13の厚さとおおむね同様の長さである接合用ピン14bを有する回転工具14を用いて摩擦撹拌溶接(Friction Stir Welding:FSW)により溶加材13Aを開先12に撹拌接合する。
より具体的には、図6に示すように、開先12の一層目12aに溶加材13Aを埋め込み、この溶加材13Aを拘束した状態で回転工具14を自転させ、接合用ピン14bを溶加材13Aに接触させる。接合用ピン14bの回転による摩擦熱で溶加材13Aが軟化したら接合用ピン14bを溶加材13Aに押し込み、接合用ピン14bの回転を維持しつつ、回転工具14を管台6の周方向に所定長さ(例えば一周)移動させる。その後、管台6の軸方向へ所定長さ(例えば、回転工具14の直径分)だけ回転工具14を移動させ、再び管台8の周方向に所定長さ移動させる。これを繰り返して溶加材13Aを開先12の一層目12aに接合する。これにより、開先12の一層目12aに対応する部分に690系ニッケル基合金からなる肉盛溶接部15Aが形成される。
続いて、図5(c)に示すように、二層目12bに、該二層目12bの形状に合わせた690系ニッケル基合金からなる板状の溶加材13Bを埋め込んだ後、図5(d)に示すように、摩擦撹拌溶接により溶加材13Aを撹拌接合する。これにより、開先12の二層目12bに対応する部分まで690系ニッケル基合金からなる肉盛溶接部15Bが形成される。
同様に、図5(e)〜図5(h)に示すように、三層目12c、四層目12dに対応する部分についてもそれぞれ690系ニッケル基合金からなる板状の溶加材13C、13Dを撹拌接合する。これにより、開先12の三層目12c、四層目12dに対応する部分まで690系ニッケル基合金からなる肉盛溶接部15C,15D(肉盛溶接部15Cに溶加材13Dを加えた部分)が形成される。
以上により、管台6と冷却材配管7との溶接部に対する防食補修が完了する。なお、本実施例において回転工具14はセラミック等からなる非消耗工具を用いるものとする。
上述した本実施例に係る管台溶接部防食補修方法によれば、管台溶接部に対する防食補修を摩擦撹拌溶接により行うことから、自動TIG溶接装置による遠隔自動溶接に690系ニッケル基合金を用いたとしても溶接割れが発生するおそれがなく、原子炉容器の安全性及び信頼性をより向上させることができる。
また、摩擦撹拌溶接は水中でも施工が可能であるため、気中環境を創出する必要がなく、大型の円筒容器の設置、及びこの円筒容器内の水抜き作業を行う必要がなくなり、作業性を向上させることができる。
なお、本実施例においては、開先12を四層からなる階段状の形状としたが、開先12の形状は必要に応じて幅及び深さを設定すればよく、例えば、一層ないし三層又は五層以上であってもよく、または、開先12を形成することなく管台溶接部の内周面に対して周方向に一様に防食補修を行ってもよい。
図7ないし図9を用いて本発明の第2の実施例に係る管台溶接部防食補修方法について説明する。本実施例に係る管台溶接部防食補修方法は、図1ないし図6に示し上述した第1の実施例に係る管台溶接部防食補修方法に比較して、回転工具として消耗式工具を用いる点が異なっている。以下、第1の実施例において説明した部材と同一の部材については同一の符号を付して重複する説明は省略し、異なる点を中心に説明する。
以下、図7ないし図9を用いて管台溶接部に対して防食補修を行う手順を説明する。本実施例においては、管台溶接部に対して防食補修を行う場合、まず、図7に示すように、管台溶接部の表面を例えば周方向にわたって一様に研削し、溝(以下、開先という)16を形成する。例えば、図7に示す例においては開先16は断面が概ね弧状となるように形成されている。
開先16を形成したら、続いて、図8及び図9(a)に示すように、開先16の表面に、690系ニッケル基合金からなる円柱状の回転工具17Aを用いて摩擦撹拌溶接(Friction Stir Welding:FSW)を行い、開先16の表面に対して肉盛溶接部18Aを形成する。
具体的には、図8に示すように、開先16の表面の形状に応じてその直径等を選択した回転工具17Aを回転させ、回転工具17Aの先端を周溶接部10の表面に接触させる。回転工具17Aの回転による摩擦熱で回転工具17A自体が軟化したら、回転工具17Aの回転を維持しつつ、回転工具17Aを管台6の周方向に所定長さ(例えば一周)移動させる。これにより回転工具17A自体が溶接の材料となり、図9(b)に示すように開先16に一層目の肉盛溶接部18Aが形成される。
続いて、図9(c)に示すように、一層目の肉盛溶接部18Aの上部の形状に対応した直径を有し、690系ニッケル基合金からなる円筒状の回転工具17Bを回転させ、回転工具17B自体を溶接の材料としつつ周方向に移動させて二層目の肉盛溶接部18Bを形成する。三層目の肉盛溶接部18C、四層目の肉盛溶接部18Dについても同様に、図9(e)〜図9(h)に示すように開先16の形状に応じた直径を有し、690系ニッケル基合金からなる円筒状の回転工具17C,17Dを回転させ、この回転工具17C,17D自体を溶接の材料としつつ周方向に移動させて肉盛溶接部18C,18Dを形成する。以上により、管台溶接部に対する防食補修が完了する。
上述した本実施例に係る管台溶接部防食補修方法によれば、第1の実施例に係る管台溶接部防食補修方法による効果に加えて、溶加材をセットする工程が不要となるため、作業性がより向上する。
なお、本実施例においては四層に分けて肉盛溶接を行う例を示したが、必要に応じて一層〜三層とする、又は5層以上とすることも可能であり、または、開先16を形成することなく管台溶接部の内周面に対して周方向に一様に防食補修を行ってもよい。
また、本実施例においては、回転工具として異なる直径を有する複数の回転工具17A〜17Dを用いる例を示したが、本実施例は回転工具として例えば耐食性を有する690系ニッケル基合金等の合金からなる消耗式工具を用いることを特徴とするものであり、回転工具の直径は同一であっても複数であっても構わない。
以下、本発明の第3の実施例に係る管台溶接部防食補修方法について説明する。本実施例は、第1の実施例又は第2の実施例に係る管台溶接部防食補修方法において、回転工具14(又は17)の回転に伴って発生する熱によって影響を受ける管台6の部分(以下、熱影響部という)の温度が800℃以上1000℃以下となるように施工条件を管理するものである。その他の構成は第1の実施例又は第2の実施例に係る管台溶接部防食補修方法と同様であり、以下、同一の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
本実施例に係る管台溶接部防食補修方法では、回転工具14(又は17)の回転に伴って発生する熱により、低合金鋼からなる管台6の熱影響部に硬化層が生じた場合に、テンパービード効果を得ることができる。具体的には、一層目の肉盛溶接を行う際に生じた硬化層を、二層目の肉盛溶接を行う際に焼き戻すことにより解消し、二層目の肉盛溶接を行う際に生じた硬化層を、三層目の肉盛溶接を行う際に焼き戻すことにより解消し、三層目の肉盛溶接を行う際に生じた硬化層を、四層目の肉盛溶接を行う際に焼き戻すことにより解消することができる。
このように、本実施例に係る管台溶接部防食補修方法によれば、第1又は第2の発明に係る原子炉容器管台防食補修方法による効果に加えて、溶接後熱処理を行う必要がなくなり、より作業性を向上させることができる。
以下、本発明の第4の実施例に係る管台溶接部防食補修方法について説明する。本実施例は、第1の実施例又は第2の実施例に係る管台溶接部防食補修方法において、回転工具14(又は17)の回転に伴って発生する熱によって影響を受ける管台6の部分(以下、熱影響部という)の温度が700℃以下となるように施工条件を管理するものである。その他の構成は第1の実施例又は第2の実施例に係る管台溶接部防食補修方法と同様であり、以下、同一の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
本実施例に係る管台溶接部防食補修方法によれば、上述した第1の実施例又は第2の実施例に係る管台溶接部防食補修方法による効果に加えて、回転工具14(又は17)の回転に伴って発生する熱により、低合金鋼からなる管台6の熱影響部に硬化層が生じることを予防し、溶接後熱処理を行う必要がなくなるため、より作業性を向上させることができる。
なお、上述した第1ないし第4の実施例においては予防保全対策として管台溶接部の内周面に対して周方向に一様に防食補修を行う例を示したが、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、管台溶接部の一部に対して防食補修を行う、または、管台溶接部に発生したクラックの補修を行う場合は、管台溶接部のクラックが発生した部分を必要に応じて研削し、研削した部分に対して例えば600系ニッケル基合金又は690系ニッケル基合金で局所補修溶接を行い、その後、上述した防食補修を行うなど、防食補修を行う範囲は必要に応じて設定可能である。
さらに、上述した第1ないし第4の実施例においては、原子炉容器1に形成された管台6と、被固定部材としての冷却材配管7との溶接部の内周面に対し、摩擦撹拌溶接により690系ニッケル基合金を肉盛溶接することで防食補修を施す例を示したが、本発明は管台6と冷却材配管7との溶接部に限らず、原子炉容器1に設けられる管台と、この管台に固定される被固定部材との溶接部の冷却材に接液する部分に対し、防食補修のために肉盛溶接を行う際の溶接方法として適用可能である。
例えば、図1に示す原子炉において炉内計装筒として機能する管台19は、ステンレス鋼もしくはニッケル基合金からなり、図10(a)に示すように炭素鋼もしくは低合金鋼からなる原子炉容器1の下鏡(被固定部材)20に貫通されて下鏡20の内面にニッケル基合金により溶接されている。ここで、管台19と下鏡20とは、原子炉容器1の下鏡20に肉盛溶接を行った後、ニッケル基合金により溶接されるものとし、図10中、符号21は溶接部、符号22は肉盛溶接部を表している。
このような管台19と下鏡20との溶接部に対しても、図10(b)に示すように一次冷却材に接液する原子炉容器内部側の表面部分を切削して溝(以下、開先という)23を形成し、この開先23に690系ニッケル基合金からなる溶加材24を撹拌接合により肉盛溶接することにより、上述した作用効果が得られる。
本発明は、管台溶接部防食補修方法に適用して好適なものである。
1 原子炉容器
2 原子炉容器本体
3 原子炉容器上部蓋
4 燃料
5 制御棒
6,6A,6B 管台
7,7A,7B 冷却材配管
8 肉盛溶接部
9 セーフエンド
10 周溶接部
11 内張り
12,16,23 開先
13,24 溶加材
14,17 回転工具
15,18,22 肉盛溶接部
19 管台(炉内計装筒)
20 下鏡
21 ニッケル基合金溶接部

Claims (9)

  1. 原子炉容器に設けられる管台と該管台に固定される被固定部材との溶接部の表面に対して防食のために合金を肉盛溶接する管台溶接部防食補修方法であって、
    前記溶接部の表面に対し、回転工具を回転させつつ移動させて前記合金を摩擦撹拌することにより該溶接部の表面に前記合金を肉盛溶接する
    ことを特徴とする管台溶接部防食補修方法。
  2. 前記溶接部の表面を研削して開先を形成した後、前記開先に前記合金を肉盛溶接する
    ことを特徴とする請求項1記載の管台溶接部防食補修方法。
  3. 前記開先に前記合金からなる板状の溶加材を埋め込んだ後、前記回転工具を回転させつつ移動させて前記溶加材を摩擦撹拌することにより前記溶加材を肉盛溶接する
    ことを特徴とする請求項2記載の管台溶接部防食補修方法。
  4. 前記回転工具が前記合金からなる消耗式の回転工具であり、
    前記開先に対して前記回転工具を回転させつつ移動させて前記回転工具自体を軟化させることにより前記開先に前記合金を肉盛溶接する
    ことを特徴とする請求項2記載の管台溶接部防食補修方法。
  5. 前記合金として690系ニッケル基合金を用いる
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の管台溶接部防食補修方法。
  6. 前記管台の前記回転工具の回転に伴う熱に影響される部分が800℃以上1000℃以下となるように施工条件を管理する
    ことを特徴とする請求項5記載の管台溶接部防食補修方法。
  7. 前記管台の前記回転工具の回転に伴う熱に影響される部分が700℃以下となるように施工条件を管理する
    ことを特徴とする請求項5記載の管台溶接部防食補修方法。
  8. 前記溶接部が前記管台と冷却材配管との溶接部であって、
    前記溶接部の内周面に対し、前記合金を肉盛溶接する
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の管台溶接部防食補修方法。
  9. 前記溶接部が炉内計装筒として機能する前記管台と前記原子炉容器の下鏡との溶接部であって、
    前記溶接部の前記原子炉容器内部側の表面部分に対し、前記合金を肉盛溶接する
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の管台溶接部防食補修方法。
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