JP2013101914A - 燃料電池及びその運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】過酸化水素濃度をリアルタイムで確実に検出することができ、電解質膜等の劣化を有効に抑制し、燃料電池を良好な状態で運転制御することを可能にする。
【解決手段】燃料電池10の運転方法は、電解質膜・電極構造体24に直接設けられた過酸化水素濃度検出センサ60により、発電中の過酸化水素濃度を検出する工程と、検出された前記過酸化水素濃度に基づいて、前記燃料電池10の運転条件を設定する工程とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、アノード電極とカソード電極との間に電解質膜を挟持する電解質膜・電極構造体と、セパレータとが積層される燃料電池及びその運転方法に関する。
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる固体高分子電解質膜を採用している。この燃料電池は、固体高分子電解質膜の両側に、それぞれ電極触媒(電極触媒層)と多孔質カーボン(ガス拡散層)からなるアノード電極及びカソード電極を配設した電解質膜・電極構造体(MEA)を、セパレータ(バイポーラ板)によって挟持する発電セルを構成している。通常、燃料電池では、発電セルを所定の数だけ積層した燃料電池スタックが、例えば、車載用燃料電池スタックとして使用されている。
この種の燃料電池では、燃料ガスがアノード側からカソード側に固体高分子電解質膜を透過する一方、酸化剤ガスが前記カソード側から前記アノード側に前記固体高分子電解質膜を透過する場合がある。
このため、アノード側及びカソード側では、水素と酸素とが反応して過酸化水素(H22)が発生し易い(H2+O2→H22)。この過酸化水素は、電極中のカーボン担体や白金(Pt)上で分解し、例えば、ヒドロキシラジカル(・OH)等の活性物質が発生する。これにより、固体高分子電解質膜及び電極触媒を劣化させるという問題がある。
そこで、例えば、特許文献1に開示されている燃料電池の運転システムが知られている。この特許文献1は、水素を含む燃料ガスが供給される燃料極と、酸素を含む酸化剤ガスが供給される酸素極と、該燃料極と該酸素極との間に挟装された電解質と、からなる電極接合体がセパレータを介して複数個積層されて構成された燃料電池の運転システムに関するものである。
そして、燃料極から排出される燃料極側出ガス、燃料極側回収水、酸素極から排出される酸素極側出ガス、酸素極側回収水のうち少なくとも一つ以上に含まれる過酸化水素の濃度を測定する過酸化水素濃度測定手段と、前記過酸化水素濃度測定手段により測定された過酸化水素濃度値が、予め設定された上限値以下であるかどうかを判断する判断手段と、前記過酸化水素濃度値が前記上限値を超えたと判断された場合に、過酸化水素の生成が抑制されるよう燃料電池の運転条件である電流密度、燃料ガスの圧力、前記燃料極のガスの過剰率、前記酸素極のガスの過剰率、前記燃料ガスの相対湿度、及び、酸化剤ガスの相対湿度、のうち少なくとも一つを制御する運転条件制御手段とを備えている。
これにより、電池性能の低下の一因となる過酸化水素の生成状態を把握することができ、必要に応じて運転条件を制御することで、電池性能の低下を招くことなく、燃料電池を長期間にわたり安定して運転することができる、としている。
特許第4554163号公報
上記の特許文献1では、燃料極から排出される燃料極側出ガス等、又は酸素極から排出される酸素極側出ガス等に含まれる過酸化水素の濃度を測定している。このため、燃料極や酸素極で発生する過酸化水素の濃度を、リアルタイムで直接的に検出することができない。従って、燃料電池の運転条件を、実際の過酸化水素濃度に対応して高精度に制御することができないという問題がある。
本発明は、この種の問題を解決するものであり、過酸化水素濃度をリアルタイムで確実に検出することができ、電解質膜等の劣化を有効に抑制し、燃料電池を良好な状態で運転制御することが可能な燃料電池及びその運転方法を提供することを目的とする。
本発明は、アノード電極とカソード電極との間に電解質膜を挟持する電解質膜・電極構造体と、セパレータとが積層される燃料電池及びその運転方法に関するものである。
この運転方法は、電解質膜・電極構造体に直接設けられた過酸化水素濃度検出センサにより、発電中の過酸化水素濃度を検出する工程と、検出された前記過酸化水素濃度に基づいて、燃料電池の運転条件を設定する工程とを有している。
また、この運転方法では、予め取得された過酸化水素濃度と燃料電池電圧との関係からマップを作製し、前記マップから得られる前記燃料電池電圧に基づいて、燃料電池の制御を行うことが好ましい。
さらに、この運転方法では、予め取得された過酸化水素濃度と燃料電池電圧との関係から得られるマップは、少なくとも燃料電池のガス流路形状又は電解質膜・電極構造体の特性に対応して補正されることが好ましい。
さらにまた、この燃料電池では、電解質膜・電極構造体には、発電中の過酸化水素濃度を検出する過酸化水素濃度検出センサが直接設けられている。
また、この燃料電池では、電解質膜・電極構造体の外周に設けられる電位センサを備えることが好ましい。
本発明によれば、過酸化水素濃度検出センサが、電解質膜・電極構造体に直接設けられているため、前記電解質膜・電極構造体に発生する過酸化水素の濃度を迅速且つ確実に検出することができる。これにより、過酸化水素濃度をリアルタイムで確実に検出することが可能になり、電解質膜等の劣化を有効に抑制して燃料電池を良好な状態で運転制御することができる。
本発明の第1の実施形態に係る燃料電池の運転方法が実施される燃料電池システムの概略構成説明図である。 前記燃料電池の要部分解斜視説明図である。 前記燃料電池を構成する電解質膜・電極構造体の要部断面説明図である。 前記電解質膜・電極構造体に組み込まれる過酸化水素濃度検出センサの説明図である。 他の過酸化水素濃度検出センサの正面説明図である。 前記他の過酸化水素濃度検出センサの断面説明図である。 別の過酸化水素濃度検出センサの正面説明図である。 前記別の過酸化水素濃度検出センサの断面説明図である。 さらに別の過酸化水素濃度検出センサの正面説明図である。 前記さらに別の過酸化水素濃度検出センサが組み込まれた電解質膜・電極構造体の断面説明図である。 図10に示す前記電解質膜・電極構造体の別の構成を示す断面説明図である。 サイクリックボルタグラムの説明図である。 校正曲線の説明図である。 燃料電池の発電条件を示すマップである。 高負荷高流量発電条件から低負荷低流量発電条件に変更される際の制御説明図である。 電位と過酸化水素濃度との関係説明図である。 他の運転方法のタイミングチャートである。 別の運転方法のタイミングチャートである。 同一発電条件で過酸化水素濃度が低下する際の制御説明図である。 さらに他の運転方法のタイミングチャートである。 また別の運転方法のタイミングチャートである。 本発明の第3の実施形態に係る燃料電池を構成する電解質膜・電極構造体の要部断面説明図である。 さらにまた別の運転方法のタイミングチャートである。 また他の運転方法のタイミングチャートである。 またさらに他の運転方法のタイミングチャートである。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池10の運転方法が実施される燃料電池システム12は、例えば、燃料電池電気自動車等の燃料電池車両に搭載される車載用燃料電池システムを構成する。
燃料電池システム12は、複数の燃料電池10が積層される燃料電池スタック14と、前記燃料電池スタック14に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給装置16と、前記燃料電池スタック14に燃料ガスを供給する燃料ガス供給装置18と、前記燃料電池スタック14に冷却媒体を供給するための冷却媒体供給装置20と、前記燃料電池システム12全体の制御を行う制御部(ECU)22とを備える。
図2に示すように、燃料電池10は、電解質膜・電極構造体24を第1セパレータ26及び第2セパレータ28で挟持する。第1セパレータ26及び第2セパレータ28は、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、めっき処理鋼板、あるいはその金属表面に防食用の表面処理を施した金属板や、カーボン部材等で構成されている。
図2及び図3に示すように、電解質膜・電極構造体24は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜30と、前記固体高分子電解質膜30を挟持するアノード電極32及びカソード電極34とを備える。固体高分子電解質膜30は、フッ素系電解質の他、HC(炭化水素)系電解質が使用される。
例えば、カソード電極34の外周端部は、アノード電極32の外周端部よりも外側に突出するとともに、前記アノード電極32は、固体高分子電解質膜30の一方の面に配置される。アノード電極32は、固体高分子電解質膜30の外周を額縁状に露呈させる。なお、アノード電極32は、固体高分子電解質膜30と同一の平面寸法に設定されてもよい。カソード電極34は、固体高分子電解質膜30の他方の面に配置され、前記固体高分子電解質膜30の外周端部は、前記カソード電極34の外周端部よりも外方に突出する。なお、固体高分子電解質膜30は、カソード電極34と同一の平面寸法に設定されてもよい。
以下、電解質膜・電極構造体24の製法を説明するが、この製法に限定されるものではない。アノード電極32は、固体高分子電解質膜30の一方の面に接合される電極触媒層と、前記電極触媒層に積層されるガス拡散層とを設ける。カソード電極34は、固体高分子電解質膜30の他方の面に接合される電極触媒層と、前記電極触媒層に積層されるガス拡散層とを設ける。
電極触媒層は、カーボンブラックに白金粒子又は白金合金を担持した触媒粒子又は白金ブラックや白金合金等で形成し、イオン導伝性バインダーとして高分子電解質を使用し、この高分子電解質の溶液中に前記触媒粒子を均一に混合して作製された触媒ペーストを、固体高分子電解質膜30の両面に印刷、塗布又は転写やスプレーすることによって構成される。また、ガス拡散層に触媒ペーストを塗布し、その後に固体高分子電解質膜30と一体化してもよい。あるいは、ガス拡散層に電極触媒を付けたGDE(ガス拡散電極)を、固体高分子電解質膜30に付けてもよい。
電解質膜・電極構造体24は、固体高分子電解質膜30の外周を周回する樹脂製枠部材36を備える。樹脂製枠部材36は、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PPA(ポリフタルアミド)、LCP、PES、PEEK、PFA等で構成される。なお、樹脂製枠部材36は、使用しなくてもよい。
図2に示すように、燃料電池10の矢印C方向(図2中、鉛直方向)の上端縁部には、積層方向である矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給するための酸化剤ガス入口連通孔38aと、燃料ガス、例えば、水素含有ガスを供給するための燃料ガス入口連通孔40aとが、矢印B方向(水平方向)に配列して設けられる。
燃料電池10の矢印C方向の下端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガスを排出するための燃料ガス出口連通孔40bと、酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス出口連通孔38bとが、矢印B方向に配列して設けられる。
燃料電池10の矢印B方向の一端縁部には、冷却媒体を供給するための一対の冷却媒体入口連通孔42aが設けられるとともに、前記燃料電池10の矢印B方向の他端縁部には、前記冷却媒体を排出するための一対の冷却媒体出口連通孔42bが設けられる。
第1セパレータ26の電解質膜・電極構造体24に向かう面26aには、酸化剤ガス入口連通孔38aと酸化剤ガス出口連通孔38bとに連通する酸化剤ガス流路46が設けられる。第2セパレータ28の電解質膜・電極構造体24に向かう面28aには、燃料ガス入口連通孔40aと燃料ガス出口連通孔40bとに連通する燃料ガス流路48が形成される。酸化剤ガス流路46及び燃料ガス流路48は、鉛直方向に向かって酸化剤ガス及び燃料ガスを流通させる。
第1セパレータ26の面26aとは反対の面26bと、第2セパレータ28の面28aとは反対の面28bとの間には、冷却媒体入口連通孔42aと冷却媒体出口連通孔42bとに連通する冷却媒体流路50が形成される。冷却媒体流路50は、水平方向に向かって冷却媒体を流通させる。
第1セパレータ26の面26a、26bには、この第1セパレータ26の外周端部を周回して、第1シール部材52が一体化されるとともに、第2セパレータ28の面28a、28bには、この第2セパレータ28の外周端部を周回して、第2シール部材54が一体化される。
第1シール部材52及び第2シール部材54は、例えば、EPDM、NBR、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、スチレンゴム、クロロプレーン又はアクリルゴム等のシール材、クッション材、あるいはパッキン材が用いられる。
第2セパレータ28には、燃料ガス入口連通孔40aを燃料ガス流路48に連通する供給孔部56と、前記燃料ガス流路48を燃料ガス出口連通孔40bに連通する排出孔部58とが形成される。
電解質膜・電極構造体24には、過酸化水素濃度検出センサ60が直接設けられる。過酸化水素濃度検出センサ60は、例えば、アノード電極32の電極面内に、前記アノード電極32と固体高分子電解質膜30との間に介装されるとともに、該アノード電極32の外周縁部に位置して、複数、設けられてもよい。
過酸化水素濃度検出センサ60は、図3に示すように、発電領域のアノード電極32と固体高分子電解質膜30との間の他、発電領域のカソード電極34と前記固体高分子電解質膜30との間、及びアノード電極32の端部やカソード電極34の端部又は前記固体高分子電解質膜30中に設置してもよい。
図2及び図4に示すように、過酸化水素濃度検出センサ60は、例えば、長尺薄板状のPt電極62に絶縁被膜64を設ける。Pt電極62は、めっき、スパッタ、イオンビームアシスト等で形成してもよい。Pt電極62は、例えば、1μm〜50μmの厚さを有する一方、絶縁被膜64は、絶縁性を有し、耐熱水性、耐酸性及び耐熱性に優れるとともに、フレキシブルな材料で形成される。例えば、パーフルオロスルホン酸系樹脂やポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、液晶ポリマー(LCP)、ポリイミド、フッ素系電解質膜、炭化水素系電解質膜等で形成されて、膜厚が5μm以上に設定されることが好ましい。なお、Pt電極62の形状は、長尺状に限定されることはない。また、Pt電極62の絶縁被膜64に覆われた部分は、Ptに限定されるものではなく、例えば、先端(後述する検出部63)のみがPtで、他の部分がカーボン材で構成されてもよい。
Pt電極62の先端部には、絶縁被膜64の一面内を切り欠いて検出部63が設けられる。検出部63は、例えば、2mm2〜40mm2の有効断面積に設定される。検出部63の表面は、絶縁被膜64よりも厚さ方向外部に突出し、固体高分子電解質膜30に接触可能に構成される。検出部63の表面は、フッ素系電解質膜や炭化水素系電解質膜等で被覆形成されてもよい。Pt電極62の後端側には、導電ライン66の一端が接続され、この導電ライン66の他端は、制御部22に接続される。
過酸化水素濃度検出センサ60は、以下に示すように、種々の構成を採用することができる。なお、過酸化水素濃度検出センサ60の形状は、以下に示す構成に限定されるものではない。
図5及び図6に示す過酸化水素濃度検出センサ60aは、Pt電極62aを有するとともに、前記Pt電極62aの一端部には、平面寸法が大きく設定された検出部63aが設けられる。検出部63aの面積を十分に確保してPtの使用量を削減することが好ましい。Pt電極62aは、検出部63aを外部に露呈して絶縁被膜64aにより被膜される。なお、絶縁被膜64aは、2枚の、例えば、ポリイミドシート64a1、64a2間にPt電極62aを挟んで一体化される。検出部63aは、フッ素系電解質膜又は炭化水素系電解質膜等のイオン交換膜から成る被膜層67aにより被膜される。Pt電極62aの他端部には、銅線等の導電ライン66aが接続される。
図7及び図8に示すように、過酸化水素濃度検出センサ60bは、Pt電極62bを有し、前記Pt電極62bの一端部には、平面寸法が大きな検出部63bが設けられる。Pt電極62bの他端部には、導電ライン66bが接続される。Pt電極62bは、絶縁被膜64bにより、被膜されるとともに、前記絶縁被膜64bは、例えば、2枚の長さの異なるポリイミドシート64b1、64b2間に前記Pt電極62bを挟持して一体化される。
長尺側のポリイミドシート64b1は、Pt電極62bよりも長尺に構成され、検出部63bの一方の面を覆って配置される一方、短尺側のポリイミドシート64b2は、前記検出部63bの他方の面を外部に露呈する。ポリイミドシート64b2側の端部から検出部63bを覆って、フッ素系電解質膜又は炭化水素系電解質膜等のイオン交換膜から成る被膜層67bが設けられる。
過酸化水素濃度検出センサ60bでは、被膜層67b側は、アノード電極32と固体高分子電解質膜30との間で、前記固体高分子電解質膜30に対向してもよく、又は前記アノード電極32に対向してもよい。さらに、被膜層67b側は、カソード電極34と固体高分子電解質膜30との間でもよい。
図9及び図10に示すように、過酸化水素濃度検出センサ60cは、Pt電極62cを有するとともに、前記Pt電極62cの一端部には、平面寸法の大きな検出部63cが設けられる。Pt電極62cの他端部には、導電ライン66cが接続される。Pt電極62cは、絶縁被膜64cにより検出部63c以外の部分が被膜される。絶縁被膜64cは、例えば、ポリイミドシート64c1、64c2間にPt電極62cを挟持して一体化される。
図10に示すように、電解質膜・電極構造体24aを構成する固体高分子電解質膜30は、2枚の膜部材30a、30bを接合して構成されるとともに、前記膜部材30a、30b間に過酸化水素濃度検出センサ60cが挟持される。
図10では、絶縁被膜64cが膜部材30a、30b間に挟持されているが、これに限定されるものではない。例えば、図11に示すように、Pt電極62cのみが膜部材30a、30b間に挟持され、絶縁被膜64cは、前記膜部材30a、30bの外方に位置して設けられていてもよい。
本発明では、過酸化水素濃度検出センサ60、60a、60b及び60cのいずれを使用してもよく、以下の各実施形態では、単に過酸化水素濃度検出センサ60という。
図3に示すように、電解質膜・電極構造体24には、必要に応じて、電位センサ68が設けられる。電位センサ68は、過酸化水素濃度検出センサ60と同様に、複数箇所に設定され、各部位における電位を検出するとともに、検出された電位信号が制御部22に送られる。
図1に示すように、酸化剤ガス供給装置16は、大気からの空気を圧縮して供給するエアコンプレッサ(ポンプ)70を備え、前記エアコンプレッサ70が空気供給流路72に配設される。空気供給流路72には、加湿器74と、バルブ76を介して前記加湿器74をバイパスするバイパス流路78とが設けられ、燃料電池スタック14の酸化剤ガス入口連通孔38aに連通する。酸化剤ガス出口連通孔38bには、空気排出流路80が連通する。空気排出流路80は、背圧制御弁82を介装して希釈器84に接続される。
燃料ガス供給装置18は、高圧水素を貯留する高圧水素タンク86を備え、この高圧水素タンク86は、水素供給流路88を介して燃料電池スタック14の燃料ガス入口連通孔40aに連通する。水素供給流路88には、バルブ90及びエゼクタ92が設けられる。
燃料電池スタック14の燃料ガス出口連通孔40bには、オフガス流路94が連通する。このオフガス流路94は、気液分離器96に接続されるとともに、前記気液分離器96には、液体成分を排出するドレン流路98と、気体成分を排出する気体流路100とが設けられる。気体流路100は、循環路102を介してエゼクタ92に接続される一方、パージ弁104の開放作用下に、希釈器84に連通する。ドレン流路98は、バルブ106を介して希釈器84に連通する。
冷却媒体供給装置20は、燃料電池スタック14の冷却媒体入口連通孔42aと冷却媒体出口連通孔42bとに連通し、冷却媒体を循環供給する冷却媒体循環路108を備える。冷却媒体循環路108には、冷却媒体入口連通孔42a側に近接して冷却ポンプ110が配置されるとともに、冷却媒体出口連通孔42bに近接してラジエータ112が配置される。
空気供給流路72、空気排出流路80、水素供給流路88及びオフガス流路94には、それぞれ圧力計114a、114b、114c及び114dが配置される。空気供給流路72及び水素供給流路88には、湿度計116a、116bが配置される。空気排出流路80、気体流路100及び冷却媒体循環路108には、温度計118a、118b及び118cが配置される。
このように構成される燃料電池システム12の動作について、以下に説明する。
図1に示すように、酸化剤ガス供給装置16を構成するエアコンプレッサ70を介して空気供給流路72に酸化剤ガス(空気)が送られる。この酸化剤ガスは、加湿器74を通って加湿された後、又は、バイパス流路78を通って前記加湿器74をバイパスした後、燃料電池スタック14の酸化剤ガス入口連通孔38aに供給される。
一方、燃料ガス供給装置18では、バルブ90の開放作用下に、高圧水素タンク86から水素供給流路88に燃料ガス(水素ガス)が供給される。この燃料ガスは、エゼクタ92を通った後、燃料電池スタック14の燃料ガス入口連通孔40aに供給される。
また、冷却媒体供給装置20では、冷却ポンプ110の作用下に、冷却媒体循環路108から燃料電池スタック14の冷却媒体入口連通孔42aに純水やエチレングリコールオイル等の冷却媒体が供給される。
図2に示すように、酸化剤ガスは、酸化剤ガス入口連通孔38aから第1セパレータ26の酸化剤ガス流路46に導入され、矢印C方向に移動して電解質膜・電極構造体24のカソード電極34に供給される。一方、燃料ガスは、燃料ガス入口連通孔40aから供給孔部56を通って第2セパレータ28の燃料ガス流路48に導入される。燃料ガスは、燃料ガス流路48に沿って矢印C方向に移動し、電解質膜・電極構造体24のアノード電極32に供給される。
従って、各電解質膜・電極構造体24では、カソード電極34に供給される酸化剤ガスと、アノード電極32に供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費されて発電が行われる。
次いで、カソード電極34に供給されて消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス出口連通孔38bに沿って矢印A方向に排出される。同様に、アノード電極32に供給されて消費された燃料ガスは、排出孔部58を通り燃料ガス出口連通孔40bに沿って矢印A方向に排出される。
また、冷却媒体入口連通孔42aに供給された冷却媒体は、第1セパレータ26と第2セパレータ28との間の冷却媒体流路50に導入された後、矢印B方向に流通する。この冷却媒体は、電解質膜・電極構造体24を冷却した後、冷却媒体出口連通孔42bから排出される。
図1に示すように、酸化剤ガス出口連通孔38bに排出された酸化剤ガスは、空気排出流路80を流通して希釈器84に導入される。一方、燃料ガス出口連通孔40bに排出されたオフガス(一部が消費された燃料ガス)は、オフガス流路94から気液分離器96に導入される。オフガスは、水分が除去された後、気体流路100から循環路102を介してエゼクタ92に吸引される。
また、冷却媒体出口連通孔42bに排出された冷却媒体は、冷却媒体循環路108を通ってラジエータ112により冷却される。さらに、冷却媒体は、冷却ポンプ110の作用下に、燃料電池スタック14に循環供給される。
次いで、本発明の第1の実施形態に係る運転方法について、以下に説明する。
先ず、電解質膜・電極構造体24に直接装着された過酸化水素濃度検出センサ60により、過酸化水素濃度を計測するために、電気化学測定を用いて、図12に示すサイクリックボルタグラム(電流−電位曲線)を取得した。具体的には、印加した電位を横軸に、応答電流値を縦軸にし、過酸化水素濃度の違いによるサイクリックボルタメトリー(CV)の評価を行った。
これにより、各過酸化水素濃度における酸化電流に対する校正曲線(図13参照)の他、種々の発電条件が取得された。例えば、過酸化水素濃度10ppmにおける最高酸化電流値I1が得られ、過酸化水素濃度20ppmにおける最高酸化電流値I2が得られた。この得られた燃料電池10の運転条件(I、II、III、IV、i、ii、iii、iv)は、図14に示すように、過酸化水素濃度(a、b、c、d)に対応したマップとして制御部22のメモリに記憶される。
ここで、運転条件としては、燃料電池スタック14に供給される酸化剤ガスの流量、露点及び圧力、前記燃料電池スタック14から排出される酸化剤ガスの露点及び圧力、前記燃料電池スタック14に供給される燃料ガスの流量、露点及び圧力、前記燃料電池スタック14から排出されるオフガス(燃料ガス)の露点及び圧力、前記燃料電池スタック14に供給される冷却媒体の温度、並びに該燃料電池スタック14から排出される冷却媒体の温度等が含まれる。
そこで、燃料電池システム12が発電運転している際、制御部22では、各過酸化水素濃度検出センサ60による検出電流から算出される過酸化水素濃度を計測及び把握している。過酸化水素濃度検出センサ60は、1個又は複数個を配置しており、その中、検出された最も変化の大きい過酸化水素濃度が採用される。発電条件によって、最も変化の大きい電解質膜・電極構造体24の場所が異なる。また、経験的に、過酸化水素濃度を最も効率よく検出できる場所の一カ所にのみ、過酸化水素濃度検出センサ60を配置してもよい。なお、高濃度の値を用いてもよい。
その際、例えば、図15に示すように、高負荷高流量発電条件から低負荷低流量発電条件に変更されると、アノード側の燃料ガス量の低下と相対的な酸素の割合の増加とによって、部分的に高電位となる部分が生じ、過酸化水素濃度が低下し易い。
ここで、過酸化水素濃度(H22%)と電位(燃料電池電圧)とは、図16に示す関係を有している。この関係は、上記のマップとして制御部22のメモリに記憶されており、このマップから得られる燃料電池電圧に基づいて、燃料電池10の制御が行われる。なお、マップは、燃料電池10のガス流路形状、電解質膜・電極構造体24の特性、第1セパレータ26や第2セパレータ28の形状又は各連通孔形状に対応して、最適値となるように補正される。
図16に示すように、低電位域では、過酸化水素の生成が増加する。従って、図15に示すように、高負荷高流量発電条件から低負荷低流量発電条件に移行する際に、供給される燃料ガス流量が減少すると、電位上昇し過酸化水素からラジカル等の活性物質が発生し易くなる。
そこで、第1の実施形態では、過酸化水素濃度検出センサ60により過酸化水素濃度が減少したことが検出されると、制御部22では、予め記憶されているマップ(図14参照)に基づいて、燃料ガス流量を増量させる制御が行われる。具体的には、過酸化水素濃度の減少が発生しない比較的低い電位領域で、燃料ガス量のマップに基づいて燃料ガス流量を増量させる制御(修復制御)が行われる。これにより、アノード電位が急激に高電位になることがなく、活性物質の発生を良好に抑制することができるという効果が得られる。
また、酸化剤ガス量のマップに基づいて、酸化剤ガス圧力を減少させる制御(修復制御)を行うことができる。図17に示すように、酸化剤ガス圧力を減少させることにより、カソード電位の上昇を抑え、前記カソード電位が急激に高電位になることがない。このため、活性物質の発生を良好に抑制することが可能になる。
さらにまた、図18に示すように、過酸化水素濃度が減少した際に、カソード側及びアノード側に供給される反応ガスの湿度を低下させることにより、過酸化水素濃度の低下を抑制することができる。このため、アノード電位及びカソード電位の上昇を抑制することが可能になる。
また、低負荷低流量発電条件から高負荷高流量発電条件に変更される際には、過酸化水素濃度の急激な減少が発生した場合、水素流量を増加させることにより、前記過酸化水素濃度を通常濃度にすることができる。なお、過酸化水素濃度を通常濃度にする際には、例えば、カソード側に供給される反応ガスの湿度を下げる等により対応することができる。
なお、積層体に過酸化水素濃度検出センサ60を設けた電解質膜・電極構造体を複数個配してもよい。また、過酸化水素濃度検出センサ60の形態は、各実施形態に限定されるものではなく、他の検出原理によるセンサを用いてもよい。
ところで、燃料電池システム12では、同一発電条件で発電継続していても、外乱等の影響で結露水が発生する場合がある。この結露水は、電位変化の要因となり、過酸化水素濃度が変化したり、活性物質が発生したりする要因となり易い。
このため、本発明の第2の実施形態に係る運転方法では、図19に示す制御が行われる。すなわち、制御部22は、一定発電運転時に、例えば、ガス流路に結露水が発生して過酸化水素濃度の変化を検出すると、予め記憶されているマップ(図14参照)に基づいて、所望の運転制御を実施する。具体的には、過酸化水素濃度の低下を検出すると、電位上昇を抑制するために、燃料ガス流量の増加、酸化剤ガス流量の増加、カソード側及びアノード側に供給される反応ガスの湿度低下等の制御の他、図示しないが、冷却媒体温度の上昇制御を組み合わせた制御(修復制御)が行われる。従って、過酸化水素濃度の低下に伴う電位上昇によって活性物質が発生することを、有効に抑制することができる。
また、電解質膜・電極構造体24には、必要に応じて電位センサ68が設けられている。このため、発電時に、過酸化水素の生成が急激に増加する低電位域になった際には、運転条件を変更することにより、過酸化水素の急激な増加を抑制することが可能になる(図16参照)。
この場合、燃料電池システム12では、複数の過酸化水素濃度検出センサ60は、電解質膜・電極構造体24に直接設けられている。このため、電解質膜・電極構造体24の種々の場所で発生する過酸化水素の濃度を迅速且つ確実に検出することができる。これにより、過酸化水素濃度をリアルタイムで確実に検出することが可能になり、固体高分子電解質膜30等の劣化を有効に抑制し、燃料電池10を良好な状態で制御することができるという効果が得られる。
さらにまた、図3に示すように、電解質膜・電極構造体24には、過酸化水素濃度検出センサ60と電位センサ68とが設けられている。このため、例えば、アノード電極32側の端部に設置された過酸化水素濃度検出センサ60により、過酸化水素濃度を計測しながら、前記過酸化水素濃度検出センサ60に併設された電位センサ68によって電位上昇の有無が検出される。
そして、図20に示すように、電位センサ68を介して電位上昇が検出されるとともに、過酸化水素濃度の減少が検出されると、前記過酸化水素濃度の減少に伴って、ラジカル等の活性物質が発生し易い。このため、例えば、燃料ガス流量を増量させることにより、アノード電位を元に戻し、活性物質の濃度の低減を図ることができる。なお、燃料ガス流量の増量に代えて、例えば、アノード側の湿度を上昇させることによって過酸化水素濃度の低減を図ることもできる。
さらにまた、アノード側で過酸化水素濃度の低下が確認された際に、冷却媒体の温度を低下させることもできる。図21に示すように、冷却媒体温度を低下させることにより、酸化剤ガスや燃料ガスに含有されている蒸気を飽和させ、結露水を生成させることによって固体高分子電解質膜30から過酸化水素を溶出させる。そして、固体高分子電解質膜30の近傍に設置された過酸化水素濃度検出センサ60により濃度を確認し、即時対応することができる。
その際、電位及び圧力損失等も計測することにより、結露水のコントロールと発電安定性を両立させた条件で運転することが可能になる。ここで、一定発電中に、上記の現象が発生した際には、酸化剤ガス流量を増量させることにより対応することもできる。
図22は、本発明の第3の実施形態に係る燃料電池120を構成する電解質膜・電極構造体122の要部断面説明図である。なお、第1の実施形態に係る燃料電池10を構成する電解質膜・電極構造体24と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
電解質膜・電極構造体122は、固体高分子電解質膜30をアノード電極32a及びカソード電極34aで挟持する。アノード電極32aの外周端部は、カソード電極34aの外周端部よりも外方に突出する。すなわち、アノード電極32a及びカソード電極34aの寸法は、第1の実施形態のアノード電極32a及びカソード電極34aの寸法とは逆に設定される。
固体高分子電解質膜30上には、アノード電極32a側の面及びカソード電極34a側の面にそれぞれ複数の過酸化水素濃度検出センサ60及び電位センサ68が電極端部及び電極内部等の所定の位置に、且つ、所定の個数ずつ設置される。また、電位センサ68は、必要に応じて設けられている。
これにより、第3の実施形態では、過酸化水素濃度検出センサ60を介して、電解質膜・電極構造体122に発生する過酸化水素の濃度を迅速且つ確実に検出することができ、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
例えば、図23に示すように、カソード電極34a側に設置された過酸化水素濃度検出センサ60により過酸化水素濃度の上昇が確認された際、前記カソード電極34aに供給される酸化剤ガス流量を増量させる。このため、過酸化水素濃度が有効に低減される。
一方、過酸化水素濃度の低減を抑制するためには、図24に示すように、カソード電極34a側に供給される酸化剤ガス圧力を減少させることにより対応することができる。
さらにまた、過酸化水素濃度の上昇が確認された際に、酸化剤ガスの湿度を上昇させることにより、前記過酸化水素濃度の低減を図ることができる。
また、図21の制御と同様に、冷却媒体の温度を低下させることにより、固体高分子電解質膜30から過酸化水素を溶出させることにより、結露水のコントロールと発電安定性を両立した条件で運転することも可能である。
さらに、図25では、カソード電極34a側に設置された過酸化水素濃度検出センサ60に、電位センサ68が併設されており、前記電位センサ68によってカソード電位が検出される。そして、カソード電位の減少が検出されるとともに、過酸化水素濃度の上昇が確認された際、カソード電極34aに供給される酸化剤ガス流量を増量させる。このため、過酸化水素濃度が有効に低減されて所望の濃度に確実に調整することができる。
10、120…燃料電池 12…燃料電池システム
14…燃料電池スタック 16…酸化剤ガス供給装置
18…燃料ガス供給装置 20…冷却媒体供給装置
22…制御部
24、24a、122…電解質膜・電極構造体
26、28…セパレータ 30…固体高分子電解質膜
32、32a…アノード電極 34、34a…カソード電極
46…酸化剤ガス流路 48…燃料ガス流路
50…冷却媒体流路
60、60a〜60c…過酸化水素濃度検出センサ
62、62a〜62c…Pt電極 64、64a〜64c…絶縁被膜
66、66a〜66c…導電ライン 68…電位センサ

Claims (5)

  1. アノード電極とカソード電極との間に電解質膜を挟持する電解質膜・電極構造体と、セパレータとが積層される燃料電池の運転方法であって、
    前記電解質膜・電極構造体に直接設けられた過酸化水素濃度検出センサにより、発電中の過酸化水素濃度を検出する工程と、
    検出された前記過酸化水素濃度に基づいて、前記燃料電池の運転条件を設定する工程と、
    を有することを特徴とする燃料電池の運転方法。
  2. 請求項1記載の運転方法において、予め取得された前記過酸化水素濃度と燃料電池電圧との関係からマップを作製し、前記マップから得られる前記燃料電池電圧に基づいて、前記燃料電池の制御を行うことを特徴とする燃料電池の運転方法。
  3. 請求項2記載の運転方法において、予め取得された前記過酸化水素濃度と燃料電池電圧との関係から得られる前記マップは、少なくとも前記燃料電池のガス流路形状又は前記電解質膜・電極構造体の特性に対応して補正されることを特徴とする燃料電池の運転方法。
  4. アノード電極とカソード電極との間に電解質膜を挟持する電解質膜・電極構造体と、セパレータとが積層される燃料電池であって、
    前記電解質膜・電極構造体には、発電中の過酸化水素濃度を検出する過酸化水素濃度検出センサが直接設けられることを特徴とする燃料電池。
  5. 請求項4記載の燃料電池において、前記電解質膜・電極構造体の外周に設けられる電位センサを備えることを特徴とする燃料電池。
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