JP2007005000A - 燃料電池システムの制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電解質膜の劣化を抑制する燃料電池システムを提供する。
【解決手段】電解質膜と、電解質膜を挟持する燃料極と酸化剤極と、を有する燃料電池を備えた燃料電池システムにおいて、アイドル停止などの燃料電池システムの停止時に、電解質のクロスリークを検出し、燃料極への水素の供給と酸化剤極への空気の供給を停止し、かつ電解質膜のクロスリーク量が所定量よりも多くなった場合に、燃料電池1の電圧を一旦低下させ、その後に再び燃料電池の電圧を高くすることで、クロスリークによって発生する過酸化水素をすみやかに分解する。
【選択図】図4

Description

本発明は燃料電池システムの制御方法に関するものである。
例えば燃料電池を車両に搭載した場合には、燃料電池車両の燃費を向上するために車両のアイドル停止時には、新たな水素または空気などの反応ガスを供給せずに燃料電池の出力をゼロ、つまり燃料電池を開回路電圧(open circuit voltage、以下、OCVとする)として保持する。
燃料電池を開回路電圧で保持した場合に、100h程度で燃料電池の単位セルあたりの電圧が0.9Vよりも低くなる。これは燃料電池において電解質膜を水素、または酸素がクロスリークすることにより、燃料極に酸素が、または酸化剤極に水素が混入し、燃料極、または酸化剤極で水素と酸素が反応して過酸化水素(以下、H22とする)が生成され、H22によって電解質を劣化させるためである。
そこで燃料電池の電圧を1.4VなどのOCV(0.95V程度)よりも高くすることでH22を効果的に分解する方法が非特許文献1に開示されており、この方法によってH22を分解することが可能である。
稲葉稔「固体高分子形燃料電池の研究開発固体高分子形燃料電池の劣化要因に関する研究」H13年度新エネルギー・産業技術総合開発機構報告書、平成14年3月
しかし、燃料電池の通常のOCVは0.95V程度であり、H22を効果的に分解するには外部より電圧を印加する必要があり、燃料電池システムのエネルギー効率が悪くなる。
さらに、OCV程度(0.8〜1.0V)の電圧下においては、酸化剤極中の触媒として例えば白金を用いた場合には、白金の表面に酸化被膜が形成され、また上述のような1.4V程度と比べて電位が低いので、H22の分解速度が遅くなり、H22によって電解質が劣化し、燃料電池を劣化させる、といった問題点がある。
本発明ではこのような問題点を解決するために発明されたもので、外部より電圧を印加せずにエネルギー効率の良い燃料電池システムによってH22を分解し、燃料電池の劣化を抑制することを目的とする。
本発明では、電解質膜と、電解質膜を挟持する燃料極と酸化剤極とを有する燃料電池と、燃料極に水素を供給する水素供給手段と、酸化剤極に酸化剤を供給する酸化剤供給手段と、を備えた燃料電池システムにおいて、例えばアイドル停止状態などの燃料電池システムの停止時に、電解質膜のクロスリークを検出するクロスリーク検出手段と、水素供給手段と酸化剤供給手段とからの水素と酸化剤との供給を停止し、かつ電解質膜のクロスリーク量が所定量を超えた場合に、前記燃料電池の電圧を第1所定電圧まで低下させた後に、燃料電池の電圧を第1所定電圧よりも高くする電圧調整手段を備える。
本発明によると、燃料電池システムの燃料電池の出力をゼロとする例えばアイドル運転停止時に、外部より電圧を印加させずにクロスリークによって発生するH22を速やかに分解することができる。
本発明の第1実施形態の燃料電池システムの概略構成について図1を用いて説明する。この実施形態は、燃料電池1と、燃料電池1の後述する燃料極41に水素を供給する水素ボンベ(水素供給手段)2と、燃料電池1の発電反応に使用されなかった排出水素を再び燃料極41に循環させる循環ポンプ3と、燃料電池1の後述する酸化剤極42に空気を供給するコンプレッサ(酸化剤供給手段)4と、燃料電池1によって発電した電力を消費する例えば抵抗などの負荷5と、燃料電池1の電圧を検出する電圧センサ6と、燃料電池1の出力を制御する出力制御手段7と、を備える。
また、水素ボンベ2から燃料電池1の燃料極41に水素を供給する水素供給路10と、燃料電池1の発電に使用されなかった排出水素を再び燃料極41に環流させる循環流路11と、排出水素中の水素濃度が低くなった場合に排出水素を水素消費手段(図示せず)に送る水素排出路12と、を備える。なお、水素ボンベ2と燃料極41との間にはバルブV1を備え、水素排出路12にはバルブV2を備える。また、コンプレッサ4から酸化剤極42に空気を供給する空気供給路13と、燃料電池1の発電に使用されなかった排出空気を燃料電池システムの外部へ排出する空気排出路14と、を備える。バルブV2を開閉することにより排出水素を環流させるか、または水素消費手段に送るかを選択的に切り替える。
また、燃料電池システムに要求される出力に基づいて、循環ポンプ3と、コンプレッサ4と、出力制御手段7と、バルブV1、V2と、を制御するコントローラ20を備える。
燃料電池1は単位セル30を複数積層して構成される。単位セル30について図2の概略構成図を用いて説明する。
単位セル30は、固体高分子電解質膜(以下、電解質膜とする)31と、電解質膜31を挟持するアノード触媒層32とカソード触媒層33と、アノード触媒層32の外側に設けたアノードガス拡散層34と、カソード触媒層33の外側に設けたカソードガス拡散層35と、を備える。また、アノードガス拡散層34の外側に設けられ、水素流路36を有するアノードセパレータ37と、カソードガス拡散層35の外側に設けられ、空気流路38を有するカソードセパレータ39を備える。さらに水素または空気がリークしないようにエッジシール40を備える。なお、図示しないが、単位セル30を冷却する冷却水が流れる冷却水流路を設けても良い。
この実施形態ではアノード触媒層32とアノードガス拡散層34とを燃料極41とし、カソード触媒層33とカソードガス拡散層35とを酸化剤極42とする。
電解質膜31は、例えばデュポン社製のNafion(登録商標)などのパーフルオロスルホン酸などの高分子電解質膜である。
アノード触媒層32とカソード触媒層33とは、触媒として白金を担持するカーボンブラックである。なお、触媒としては白金に限られることはない。
アノードガス拡散層35とカソードガス拡散層35は、例えばカーボンペーパ、カーボンクロスを使用する。
出力制御手段7は、燃料電池1の出力を制御する装置であり、燃料電池1の出力をステップ状に切り替え可能な装置である。つまり燃料電池1と負荷5との電気的な接続を選択的に切り替え可能な装置である。なお、出力制御手段7は、例えばモータ(図示せず)と電気的に接続し、モータで消費される電力に応じて、燃料電池1の出力を制御する。
コントローラ20は燃料電池システムで消費される電力に基づいて燃料電池1の出力を算出し、出力制御手段7に燃料電池1の出力値を信号として伝達する。また、バルブV1、V2の開度、循環ポンプ3とコンプレッサ4との回転数などを制御し、燃料極41、酸化剤極42に供給される水素量、または空気量を調整する。
燃料電池1の運転中には単位セル30において、電解質膜31を通って燃料極41へ空気が混入し、また酸化剤極42へ水素が混入するクロスリークが生じる。クロスリークが生じると、燃料極41、酸化剤極42の両極において水素と酸素がそれぞれ反応して、H22が生成される。後述するように、カソード触媒層33ではH22が分解されやすいため、H22の濃度はアノード触媒層32の方が高くなる。従って、H22は、電解質膜31の中を、アノード触媒層32からカソード触媒層33の側に濃度拡散により移動する。
このとき、燃料極41、酸化剤極42で生成されたH22は、高分子構造の電解質膜31を劣化させるおそれがあるが、生成されたH22は電位の観点から言うと、電位の高いカソード触媒層33の触媒によって分解することができる。従って、電解質膜31を介してカソード触媒層33に移動してきたH22は、基本的にはカソード触媒層33において分解される。アノード触媒層32は、H22が分解される電位(約0.6V)よりも低いため、H22の分解は殆ど生じない。上記のように、電位の高いカソード触媒層33においてH22は分解されやすい。しかしながら、電位が高いと白金の表面に酸化被膜が形成されるためにH22は分解されにくくなる。一方、燃料電池1に要求される出力が比較的高い通常の運転時には、燃料電池1の電圧は低くなる。つまり、カソード触媒層33の電位は低くなる。このとき、カソード触媒層33では、触媒である白金の表面に形成されていた酸化被膜が還元され、酸化被膜の形成量が少なくなる。とりわけ0.7V以上であれば、H22は速やかに分解される。そのため電解質膜31の劣化は抑制される。
しかし、燃料電池1から取り出す出力がゼロとなるアイドル停止時には、燃料電池1の電圧が0.95V程度と高くなり、酸化剤極42の電位が高くなる。これによりカソード触媒層33では、白金の表面に酸化被膜が形成される。白金の表面に酸化被膜が形成されると、白金の活性が低下する。そのためクロスリークによってH22が生成された場合に、H22を分解する機能が低下し、H22によって電解質膜31の劣化が生じる。この実施形態では、アイドル停止時に生じる電解質膜31の劣化を抑制する。
次にコントローラ20によって行う燃料電池システムの制御について図3のフローチャートを用いて説明する。この実施形態の制御はアイドル停止時に行う制御である。なお、通常の運転時には出力制御手段7によって燃料電池1と負荷5とは電気的に切断されている。
ステップS100では、燃料電池システムにおいてアイドル停止の信号を受けると、バルブV1、V2を閉じて、循環ポンプ3を動作させて排出水素のみを燃料極41に環流させる。直前まで循環ポンプ3が稼働している場合は、継続して稼働させる。また、コンプレッサ4を停止し、酸化剤極42への空気の供給を停止する。このとき電解質膜31においてクロスリークが生じていない場合には、燃料電池1の電圧は比較的高く維持される。しかし、クロスリークが生じると、燃料極41、酸化剤極42においてH22が生成される。そのためクロスリークが生じると、燃料極41では水素が減少して酸素が増し、また、酸化剤極42では空気中の酸素が減少して水素が増すために、燃料電池1の電圧が低下する。
ステップS101では、電圧センサ6によって燃料電池1の電圧を検出し、燃料電池1の単位セル30あたりの電圧Vを算出する。そして電圧Vが所定電圧(所定量、第2所定電圧)V1よりも低くなるとステップS102へ進む。
ここで、図4に電解質膜における温度に対するクロスリーク相対量特性を示す。図4において、ガスの相対湿度をα%とした場合の電解質膜Aのクロスリーク相対量を実線で示し、ガスの相対湿度をα%とした場合の電解質膜Bのクロスリーク相対量を一点鎖線で示す。また、電解質膜Aにおいてガスの相対湿度をβ%(α<β)とした場合のクロスリーク相対量を破線で示す。なお、電解質膜Aと電解質膜Bは異なる種類の電解質膜であり、膜の厚さは同じ厚さとする。
図4によると、相対湿度をα%とした場合に電解質膜Aと電解質膜Bとはクロスリーク量が異なっており、ともに温度が高くなるとクロスリーク量は増加する。また、同じ電解質膜Aを用いた場合でも相対湿度が高くなるとクロスリーク量も増加する。
以上のように、電解質膜31の種類、水素または空気の湿度や温度など使用条件によって電解質膜31におけるクロスリーク量は変化する。この実施形態では、図4に示すマップから使用する電解質膜31に応じて所定電圧V1を設定する。所定電圧V1は燃料電池1においてクロスリークが生じているかどうかを判定する電圧であり、この実施形態では所定電圧V1を0.92Vとする(ステップS101がクロスリーク検出手段を構成する)。
ステップS102では、出力制御手段7によって燃料電池1と負荷5とを電気的に接続し、出力制御手段7によって燃料電池1の最大出力の5%に相当する出力を取り出す。なお、燃料電池1の最大出力の5%に相当する出力までの到達時間は1秒とする。取り出した出力は負荷5によって消費される。
ここで燃料電池1の単位セル30あたりの電圧をOCVと所定電圧との間で電圧を繰り返し変化させた場合、つまり燃料電池1の出力をゼロとする状態から、単位セル30あたりの電圧が所定電圧となる出力まで繰り返し変化させた場合の単位セル30あたりの電圧と、カソード触媒層33の電気化学的表面積(以下、ECAとする)の変化量と、の関係を図5に示す。なお、所定電圧は単位セル30の電圧が高い順番にA、B、C、D、Eの5つの種類の電圧とし、各電圧に対応する燃料電池1から取り出す出力の大きさをそれぞれ出力が小さい順番にa、b、c、d、eとする。また、カソード触媒層33のECAの変化量は、サイクリックボルタンメトリーによって得られるカソード触媒層33のECAとOCVのECAとの比率で示す。ECAの変化量は比率が大きくなる程、カソード触媒層33の白金の溶出が多くなることを示す。
図5によると燃料電池1をOCVに保持するよりも、OCVと所定電圧との間で電圧変化を繰り返した方が、白金の溶出が多くなる。また、所定電圧を低くする程、白金の溶出量が多くなる。OCVから所定電圧まで単位セル30の電圧を低下させることで、カソード触媒層33の電位が低下し、カソード触媒層33の白金の表面に形成された酸化被膜が還元され、乖離する。その後に再び単位セル30の電圧を高くすると、カソード触媒層33が高電位となり、白金に酸化被膜が形成されるまでの間に白金がイオン化し、カソード触媒層33から溶出する。そのためOCVと所定電圧との間で電圧変化を繰り返すと、カソード触媒層33の電位変化と白金の酸化還元の繰り返しにより、カソード触媒層33から白金が溶出する。
また、所定電圧をBよりも小さく、つまり燃料電池1から取り出す出力をbよりも大きくした場合には、ECAの変化量が大きくなり、白金の溶出量の増加割合が多くなる。さらに所定電圧をDよりも小さくすると、ECAの変化量は小さく、つまり白金の溶出量の増加割合が小さくなる。
以上により、所定電圧(第1所定電圧)をB以上、つまり燃料電池1から取り出す出力をb以下とすることで、白金の溶出を低減でき、さらに白金の表面の酸化被膜の一部を還元することで、クロスリークにより生成されるH22を分解し、電解質膜31の劣化を抑制することができる。
ステップS102において燃料電池1の出力を燃料電池1の最大出力の5%と設定したしたが、これは燃料電池1の出力がb以下となるように設定するものである。燃料電池1の出力はb以下となればよいが、燃料電池1の出力をbと近くすることが望ましい。なお、燃料電池1の出力bは予め実験などによって設定するが、ここでは単位セル30あたりの電圧が0.78V以上となるような出力とする。
ステップS103では、単位セル30あたりの電圧が所定電圧Bとなると、出力制御手段7によって燃料電池1と負荷5との電気的な接続をステップ状に切断し、燃料電池1から取り出す出力をゼロとする。出力をゼロとした後、循環ポンプ3は継続して稼働させても良いし停止しても良いが、アノード触媒層32において水素欠乏が発生すると、水素欠乏したアノード触媒層32に対向するカソード触媒層33の電位が上昇してカーボン腐食が発生するため、アノード触媒層32で水素欠乏が生じないように、循環ポンプ3を制御することが望ましい。これにより酸化剤極42の電位が高くなり、カソード触媒層33では再び白金の表面に酸化被膜が形成される(ステップS102とステップS103が電圧調整手段を構成する)。
なお、この制御中に例えばアクセルの踏み込みなどによる燃料電池1からの出力取り出し信号を受けた場合には、この制御を中止し、信号に基づいて燃料電池1で発電を開始する。
また、ステップS102において燃料電池1の出力を燃料電池1の最大出力の5%としたが、これに限られることはなく、電解質膜31の劣化を抑制し、白金の溶出を抑制する燃料電池1の出力に設定する。
以上の制御によって、燃料電池システムのアイドル停止時に、電解質膜31でのクロスリーク量が多くなると、燃料電池1を負荷5と一時的に接続し、燃料電池1の電圧を低下させ、燃料極41、酸化剤極42の電位を下げ、白金の表面の酸化被膜を還元する。これにより触媒である白金の活性を上げ、クロスリークによって生成したH22を分解することができる。
本発明の第1実施形態の効果について説明する。
ここで単位セル30をOCVに保持した場合と、OCVから所定電圧Bまでの間で電圧をサイクル変化させた場合と、の燃料極41と酸化剤極42とから排出されるドレイン水中に含まれるフッ素イオン(F-)の排出速度の相対比較結果を図6に示す。なおフッ素イオンの排出速度は単位セル30をOCVに保持した場合を1とする。
図6に示すように、OCVから所定電圧Bまでの間で電圧をサイクル変化させた場合には、フッ素イオンの排出速度が抑制される。つまり、燃料極41と酸化剤極42では共に電解質膜31の劣化が抑制されることがわかる。
この実施形態では、燃料電池システムのアイドル停止時に、単位セル30あたりの電圧が所定電圧V1よりも低くなると、燃料電池1の電圧を一時的に低下させる。これにより、燃料極41と酸化剤極42、特に酸化剤極42の白金の表面に形成される酸化被膜の一部を還元して白金の活性を上げることで、水素、または空気のクロスリークにより生成されたH22を分解し、電解質膜31の劣化を抑制することができる。
燃料電池1の電圧を低下させる場合に、白金の溶出が少なくなる範囲、例えば単位セル30あたりの電圧が図4に示すB以上となる範囲で電圧を変化させて、白金の表面に酸化被膜を乖離させるので、アノード触媒層32、カソード触媒層33における白金の溶出を少なくし、かつクロスリークによって生成されたH22を分解し、電解質膜31の劣化を抑制することができる。
また、燃料電池1の電圧を低下させる場合に、短い時間、例えば1秒で燃料電池1の電圧を低下させるので、電圧を低下させる際にアノード触媒層32で消費する水素の量を極力少なくすることができるため、燃料電池システムのエネルギー効率を良くすることができる。
燃料電池1の電圧を一旦低下させた後に、再び高くする場合にモータ5と燃料電池1との電気的な接続をステップ状に切断することで、白金の表面に酸化被膜を瞬間的に形成することができ、白金の溶出を抑制することができる。
次に本発明の第2実施形態について図7の概略構成図を用いて説明する。
この実施形態は、第1実施形態の燃料電池システムにおいて、負荷5に代えて燃料電池1と出力制御手段7により電気的に接続する二次電池(電力充放電手段)8を備える。その他の構成は第1実施形態と同じ構成なので、ここでの説明は省略する。
二次電池8は、例えばリチウムイオン電池やニッケル水素電池、または電気二重層キャパシタなどであり、燃料電池システムから取り出す出力に応じて充放電を行う。
次にコントローラ20によって行う燃料電池システムの制御について図8のフローチャートを用いて説明する。
ステップS200とステップS201は第1実施形態のステップS100とステップS101と同じ制御なので、ここでの説明は省略する。
ステップS202では、出力制御手段7によって燃料電池1と二次電池8とを電気的に接続し、燃料電池1の最大出力の5%に相当する出力を取り出す。なお、燃料電池1の最大出力の5%に相当する出力までの到達時間は1秒とする。これにより燃料電池1の電圧を低下させ、カソード触媒層33の白金の表面に形成された酸化被膜の一部を還元して白金の活性を上げることで、クロスリークにより生成されたH22を分解することができる。さらに燃料電池1から二次電池8に充電を行い燃料電池システムのエネルギー効率を良くすることができる。なお、出力制御手段7によって、二次電池8における充電効率が良くなるように、燃料電池1の出力と、到達時間を制御して充電することが望ましい。
ステップS203では、単位セル30あたりの電圧が所定電圧Bとなると、出力制御手段7によって燃料電池1と二次電池8との電気的な接続を切断し、燃料電池1の出力をゼロとする。これにより、燃料電池1の電圧を高くし、カソード触媒層33の白金の表面に酸化被膜を形成する。
ステップS204では、電圧センサ6によって燃料電池1の電圧を検出し、単位セル30あたりの電圧Vと所定電圧V2とを比較する。そして電圧Vが所定電圧V2よりも高い場合には、ステップS201へ戻り、上記制御を繰り返す。一方、電圧Vが所定電圧V2よりも低い場合には本制御を終了する。電圧Vが所定電圧V2よりも低くなると、燃料極41の水素または酸化剤極42の空気中の酸素が少なくなり、クロスリークが抑制されることで、電解質膜31の劣化が生じないと判断する。好ましくは、第1の実施形態に記載した通り、酸化剤極におけるカーボン腐食の観点から、酸化剤極42の空気中の酸素が少なくなる状態が良い。なお、所定電圧V2は電解質膜31の劣化と、白金の溶出、または次回の運転開始時のカソード触媒層33におけるカーボン腐食などを考慮して設定され、ここでは0.6Vとする。
以上の制御により、アイドル停止時に燃料電池1の電圧を低下させる場合に、燃料電池1と二次電池8とを電気的に接続することで、燃料電池1によって発電された電力を二次電池8へ充電する。
本発明の第2実施形態の効果について説明する。
この実施形態では、アイドル停止時に燃料電池1の電圧を低下させてクロスリークにより生成されたH22を分解する場合に、燃料電池1と二次電池8とを電気的に接続し、燃料電池1の電圧を低下させ、燃料電池1によって生じる電力を二次電池8に充電することで、燃料電池システムのエネルギー効率を良くすることができる。
次に本発明の第3実施形態の燃料電池システムについて図9を用いて説明する。
この実施形態の燃料電池システムは第2実施形態に加えてタイマ(時間計測手段)9を備える。そのたの構成については第2実施形態と同じ構成なので、ここでの説明は省略する。
次にコントローラ20によって行う燃料電池システムの制御について図10のフローチャートを用いて説明する。
ステップS300では、燃料電池システムにおいてアイドル停止の信号を受けると、バルブV1、V2を閉じて、循環ポンプ3を所定の回転数で間欠的に動作させて排出水素のみを燃料極41に環流させる。また、コンプレッサ4を停止し、酸化剤極42への空気の供給を停止する。このとき電解質膜31においてクロスリークが生じていない場合には、燃料電池1の電圧は比較的高く維持される。しかし、クロスリークが生じると、燃料極41、酸化剤極42においてH22が生成される。そのため燃料極41では水素が減少して酸素が増し、酸化剤極42では空気中の酸素が減少して水素が増すために、燃料電池1の電圧が低下する。循環ポンプ3を所定の回転数で間欠的に動作させることで、循環ポンプ3を動作させるために必要なエネルギーを低減することができる。
ステップS301では、燃料電池システムにおいてアイドル停止を行ってからの時間tをタイマ9によって測定し、時間tが所定時間t1を経過したかどうか判定する。そして時間tが所定時間t1を経過すると、ステップS302へ進む。所定時間t1は、図4に示すマップなどに基づいて設定される時間であり、アイドル停止を行ってから電解質膜31におけるクロスリークの量が所定量を超える時間である。
ステップS302ではからステップS304までの制御は第2実施形態のステップS202からステップS204までの制御と同じなので、ここでの説明は省略する。
以上の制御によって、アイドル停止時に燃料電池1の電圧を低下させる場合に、燃料電池1と二次電池8とを電気的に接続することで、燃料電池1によって発電された電力を二次電池8へ充電する。
本発明の第3実施形態の効果について説明する。
この実施形態では、第2実施形態の効果に加えて、循環ポンプ3を間欠的に運転することで、循環ポンプ3で消費される電力を少なくすることができ、燃料電池システムのエネルギー効率を良くすることができる。
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内でなしうるさまざまな変更、改良が含まれることは言うまでもない。
燃料電池自動車に搭載する燃料電池システムに利用することができる。
本発明の第1実施形態の燃料電池システムの概略構成図である。 本発明の第1実施形態の単位セルの概略構成図である。 本発明の第1実施形態のアイドルストップ状態における制御を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態の電解質膜における温度に対するクロスリーク相対量を示すマップである。 本発明の第1実施形態の単位セルの電圧変化に対するカソード触媒層の電気化学的表面積の変化量を示すマップである。 本発明の第1実施形態の単位セルをOCVに保持した場合と、OCVから所定電圧Bまで間で電圧をサイクル変化させた場合と、のフッ素イオンの排出速度を示すマップである。 本発明の第2実施形態の燃料電池システムの概略構成図である。 本発明の第2実施形態のアイドルストップ状態における制御を示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態の燃料電池システムの概略構成図である。 本発明の第3実施形態のアイドルストップ状態における制御を示すフローチャートである。
符号の説明
1 燃料電池
2 水素ボンベ(水素供給手段)
3 循環ポンプ
4 コンプレッサ(酸化剤供給手段)
5 負荷
6 電圧センサ
7 出力制御手段
8 二次電池(電力充放電手段)
20 コントローラ
30 単位セル
31 固体高分子電解質膜(電解質膜)
32 アノード触媒層
33 カソード触媒層
41 燃料極
42 酸化剤極

Claims (8)

  1. 電解質膜と、前記電解質膜を挟持する燃料極と酸化剤極とを有する燃料電池と、
    前記燃料極に水素を供給する水素供給手段と、
    前記酸化剤極に酸化剤を供給する酸化剤供給手段と、を備えた燃料電池システムにおいて、
    前記電解質膜のクロスリークを検出するクロスリーク検出手段と、
    前記燃料電池システムの停止時に、前記水素供給手段と前記酸化剤供給手段とからの前記水素と前記酸化剤との供給を停止し、かつ前記電解質膜のクロスリーク量が所定量を超えた場合に、前記燃料電池の電圧を第1所定電圧まで低下させた後に、前記燃料電池の電圧を前記第1所定電圧よりも高くする電圧調整手段を備えたことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記クロスリーク検出手段は、前記燃料電池の電圧を検出する電圧センサを備え、
    前記電圧調整手段は、前記燃料電池システムの停止時に、前記水素供給手段と前記酸化剤供給手段とからの前記水素と前記酸化剤の供給を停止し、かつ前記燃料電池の電圧が前記第1所定電圧よりも高い第2所定電圧よりも低くなった場合に、前記燃料電池の電圧を前記第1所定電圧まで低下させることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記クロスリーク検出手段は、前記水素供給手段と前記酸化剤供給手段とからの前記水素と前記酸化剤の供給を停止してからの時間を計測する時間計測手段を備え、
    前記電圧調整手段は、前記燃料電池システムの停止時に、前記水素供給手段と前記酸化剤供給手段とからの前記水素と前記酸化剤の供給を停止し、かつ前記水素供給手段と前記酸化剤供給手段とからの前記水素と前記酸化剤との供給を停止してからの時間が所定時間よりも長くなると前記燃料電池の電圧を前記第1所定電圧まで低下させることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. 前記電圧調整手段は、前記燃料電池から出力を取り出して前記燃料電池の電圧を前記第1所定電圧まで低下させた後に、前記燃料電池からの出力の取り出しを停止して前記燃料電池の電圧を前記第1所定電圧よりも高くすることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
  5. 前記電圧調整手段は、前記燃料電池からの出力の取り出しをステップ状に停止することを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
  6. 前記燃料電池と電気的に接続する電力充放電手段を備え、
    前記燃料電池から前記電力充放電手段へ充電を行うことで、前記燃料電池の電圧を前記第1所定電圧まで低下させることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
  7. 前記燃料極から排出された排出水素を前記燃料極に環流させる循環ポンプを備え、
    前記水素供給手段と前記酸化剤供給手段とからの前記水素と前記酸化剤との供給を停止した場合に、前記循環ポンプを連続的ないしは間欠的に動作させることを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
  8. 前記第1所定電圧は、0.78V以上であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
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