JP2013096899A - 光ファイバ母材の屈折率分布測定方法及び屈折率分布測定装置 - Google Patents

光ファイバ母材の屈折率分布測定方法及び屈折率分布測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】脈理がある光ファイバ母材に対して簡便な測定で精度の高い光ファイバ母材の屈折率分布測定方法及び屈折率分布測定装置を提供する。
【解決手段】光ファイバ母材20の屈折率分布測定装置10は、異なる2波長λ、λの単色光を出射する第1、第2レーザ11、12と、光ファイバ母材20を透過した透過光の光強度分布を計測する光検出器であるCCDアレイ21と、光検出器により検出された光強度分布から透過偏向角Φを求め、屈折率分布n(r)を算出する計算装置22と、を備えている。そして、光ファイバ母材20の一横断面を透過した各波長λ、λ毎の透過光の光強度分布を測定し、2つの単色光の光強度分布の比較から透過偏向角Φを計測して、透過偏向角Φの一群から光ファイバ母材20の屈折率分布n(r)を求める。
【選択図】図1

Description

本発明は、VAD法(気相軸付け法)やOVD法(外付け法)などにより製造した光ファイバ母材の屈折率分布測定方法及び屈折率分布測定装置に関する。
光ファイバ母材の屈折率分布を測定する方法として、光ファイバ母材にレーザ光を透過させ、その透過したレーザ光の屈折角を測定することにより屈折率分布を求める方法が知られている。このような方法で屈折率分布を求める装置は、プリフォームアナライザとも呼ばれる。
しかしながら、VAD法やOVD法で製造した光ファイバ母材には、製造時の周期的な回転やトラバースにより、主成分のシリカガラスにドーパントとして添加するゲルマニウムの添加濃度などに、周期的な変動が生じる。このような濃度不均一により生じる屈折率の不均一性は脈理と呼ばれる。このような脈理があると、プリフォームアナライザによる光学的な屈折率分布の測定時に、レーザ光の透過光を光ファイバ母材の径方向や軸方向に回折、散乱させることになり、正確な屈折率分布が得られない、と言う問題がある。
このような脈理を有する光ファイバ母材の屈折率分布測定方法として、例えば、主の一次元センサの両サイドに副の一次元センサを配置して、透過光強度に応じて透過光の検知方法を適宜選択することで、脈理を有する光ファイバ母材の屈折率分布を高分解能で迅速に測定できる屈折率分布測定方法が知られている(特許文献1参照)。
また、その他の脈理を有する光ファイバ母材の屈折率分布測定方法としては、細長いスリットを配置して高次回折光を遮断するもの(特許文献2参照)、脈理によって生じる回折効果を実質的に除去するように、モニター光の波長を脈理間隔よりも大きくなるように選定するもの(特許文献3参照)、スクリーン投影された母材透過光の強度分布データに基づいて母材透過屈折後の光位置を決定して屈折率分布を算出する方法(特許文献4参照)、光ファイバ母材の背景に置いた背景画像を光ファイバ母材に透かして撮影する方法(特許文献5参照)などが知られている。
特開平5−60653号公報 特開平6−347372号公報 特許第2802362号公報 特開2002−62221号公報 特許第3712662号公報
ところで、光ファイバ母材の脈理には、大きく分けて2種類ある。すなわち、OVD法やMCVD法などで作製される光ファイバ母材の軸方向に沿って直線状に整列するタイプと、VAD法などで作製される光ファイバ母材の軸方向に砲弾状に並ぶタイプである。いずれの脈理も、光ファイバ母材の軸方向に対して直角方向から母材内に入った入射光を回折、散乱させる。
このような様々な脈理の存在を考えた場合、例えば特許文献1の光ファイバ母材の屈折率分布測定方法では、光ファイバ母材軸に沿って直線状に形成された脈理を有する光ファイバ母材の回折光を両サイドに設けた副センサでは検知できないため、屈折率分布の測定精度が低下する、と言う問題が生じる。
また、特許文献2の光ファイバ母材の屈折率分布測定方法では、光ファイバ母材軸に対して砲弾状に形成された脈理を有する光ファイバ母材の場合、細長スリットで高次回折光を遮断できないため、特許文献1同様に、有効な屈折率分布の測定ができない。
また、特許文献3の光ファイバ母材の屈折率分布測定方法では、特殊光を使用しているため、光ファイバ母材の外径が大径化すると透過光量が低下して、有意な屈折率分布の測定ができないと考えられる。
また、特許文献4の光ファイバ母材の屈折率分布測定方法では、断面が円形の光ファイバ母材の場合、透過光量の重心が必ずしも正確な透過光の中心位置とならないと考えられる。
更に、特許文献5の光ファイバ母材の屈折率分布測定方法では、画像合成等の画像処理が膨大となり、屈折率分布の算出に時間が掛かるものと考えられる。
本発明の目的は、脈理を有する光ファイバ母材に対して簡便な測定で精度の高い屈折率分布を求めることができる光ファイバ母材の屈折率分布測定方法及び屈折率分布測定装置を提供することにある。
上記課題を解決することができる本発明に係る光ファイバ母材の屈折率分布測定方法は、光ファイバ母材の側面から単色光を走査し、該単色光の透過光を測定することにより光ファイバ母材の屈折率分布を求める光ファイバ母材の屈折率分布測定方法であって、異なる2波長以上の複数波長の単色光を使用し、前記光ファイバ母材の一横断面を透過する各波長毎の透過光の光強度分布から透過偏向角を計測して、該透過偏向角の一群から前記光ファイバ母材の屈折率分布を求めることを特徴としている。
また、本発明に係る光ファイバ母材の屈折率分布測定方法は、前記単色光が、互いに波長間隔の離れた2つ以上の単一波長の光であり、各波長毎に計測される該透過光の強度ピークを比較して、異なる波長間におけるピークポジションの位置ずれが最も小さい強度ピークの偏向角を、前記透過偏向角として採用することを特徴としている。
また、本発明に係る光ファイバ母材の屈折率分布測定方法は、前記異なる2波長以上の複数波長の間の関係が、各波長をλ、λとしたとき、 1.90λ≧λ≧1.05λ を満たすことを特徴としている。
また、本発明に係る光ファイバ母材の屈折率分布測定方法は、前記単色光が、レーザ光であることを特徴としている。
また、上記課題を解決することができる本発明に係る光ファイバ母材の屈折率分布測定装置は、異なる2波長以上の複数波長の単色光源を有し、複数波長の内の1波長の単色光を選択して光ファイバ母材へ向けて出射する単色光照射装置と、前記光ファイバ母材を透過した透過光の光強度分布を計測する光検出器と、該光検出器により検出された光強度分布から透過偏向角を求め、屈折率分布を算出する計算装置と、を備え、前記光ファイバ母材の一横断面を透過した各波長毎の透過光の光強度分布を測定し、該光強度分布の比較から透過偏向角を計測して、該透過偏向角の一群から前記光ファイバ母材の屈折率分布を求めることを特徴としている。
本発明に係る光ファイバ母材の屈折率分布測定方法及び屈折率分布測定装置によれば、異なる2波長以上の複数波長の単色光を使用して、前記光ファイバ母材の一横断面を透過する各波長毎の透過光の光強度分布から、脈理を有する光ファイバ母材であっても、その透過偏向角を簡便に計測することができる。また、この計測結果から、脈理を有する光ファイバ母材の精度の高い屈折率分布を求めることができる。
本発明に係る光ファイバ母材の屈折率分布測定装置の概略構成図である。 図1の光ファイバ母材を透過したレーザ光の偏向角を示す模式図である。 図1の測定装置を用いて測定された、2波長の透過光(回折光)の一例を示す光強度分布図である。 本発明に係る光ファイバ母材の屈折率分布測定方法により測定した一実施例を示すグラフであり、(a)は透過偏向角分布を示し、(b)は透過偏向角分布から算出した比屈折率差を示す。 従来の光ファイバ母材の屈折率分布測定方法の一つであるピーク位置測定方式により測定した一例を示すグラフであり、(a)は透過偏向角分布を示し、(b)は透過偏向角分布から算出した比屈折率差を示す。 従来の光ファイバ母材の屈折率分布測定方法の一つである重心検出方式により測定した一例を示すグラフであり、(a)は透過偏向角分布を示し、(b)は透過偏向角分布から算出した比屈折率差を示す。
以下、本発明の一実施形態である光ファイバ母材の屈折率分布測定方法及び屈折率分布測定装置について図面を参照して説明する。なお、上記したように脈理には、OVD法やMCVD法などで作製される光ファイバ母材の軸方向に沿って直線状に整列するタイプと、VAD法などで作製される光ファイバ母材の軸方向に砲弾状に並ぶタイプがあるが、本発明はこれら脈理のタイプに限定されず、いずれの製造方法により作製された光ファイバ母材に対しても適用できる。
本実施形態の光ファイバ母材の屈折率分布測定装置10は、すす付け法により反応容器内で出発ガラスロッドにガラス微粒子を堆積させてガラス微粒子堆積体を作製し、そのガラス微粒子堆積体を脱水・焼結して透明化させた光ファイバ母材、若しくはその他の方法で作製した光ファイバ母材の屈折率分布を測定するプリフォームアナライザである。
図1に示すように、本実施形態の屈折率分布測定装置10は、単色光の一つであるレーザ光源を用い、第1レーザ11及び第2レーザ12の2つのレーザ光源を備えている。加えて、第1レーザ11及び第2レーザ12の前方に、レーザ光を遮断又は通過させるシャッタ13が配置されている。また、第1レーザ11側のシャッタ13前方には、レーザ光を反射させるミラー15が配置されている。
また、屈折率分布測定装置10は、第2レーザ12側のシャッタ13前方に、レーザ光を所定方向に反射又は通過させる合波器14が配置されている。第1レーザ11からの単色光による測定時には、第2レーザ12のレーザ光をシャッタ13で遮断させ、第1レーザ11のレーザ光をミラー15により水平方向に配置された合波器14へ反射させると共に、合波器14で第2レーザ12のレーザ光軸と一致する出射方向に反射させる。第2レーザ12からの単色光による測定時には、第1レーザ11のレーザ光をシャッタ13で遮断させると共に、第2レーザ12のレーザ光を合波器14で通過させる。なお、第1レーザ11、第2レーザ12、シャッタ13、合波器14、ミラー15を総称して単色光照射装置とする。
また、屈折率分布測定装置10は、第1レーザ11又は第2レーザ12からのレーザ光を集光させる第1集光レンズ16と、被検体を透過したレーザ光を集光させる第2集光レンズ17が配置されている。加えて、透過光を集光する集光レンズ17の焦点距離だけ離れた前方に、被検体を透過したレーザ光の偏向角を検知する光検出器であるCCDアレイ21が配置されている。また、CCDアレイ21により検出された光強度分布を計算処理する計算装置22が配置されている。
更に、屈折率分布測定装置10は、被検体である光ファイバ母材20が2つの集光レンズ16,17の間に配置される。光ファイバ母材20は、中心軸上にコア部と、その外周にクラッド部とを有している。この光ファイバ母材20は、クラッド部と同じ屈折率を有するマッチングオイル18が充填されたマッチングセル19内に保持されている。マッチングセル19は、レーザ光に対して直交するX軸方向に、不図示の駆動装置を介して移動可能であり、光ファイバ母材20の一横断面上をレーザ光により走査させることができる。
光ファイバ母材20を透過した透過光は、集光レンズ17で集光されてCCDアレイ21に入射する。CCDアレイ21は集光レンズ17から焦点距離だけ離れて配置されており、透過光の偏向角Φ(図2参照)はCCDアレイ21上の透過光のX軸方向の位置情報と等価となる。この位置情報は計算装置22に取り込まれ、計算装置22は、取り込まれた透過光の位置情報と、駆動装置からの光ファイバ母材20の位置情報とを用いて屈折率分布n(r)を算出する。
光ファイバ母材20の屈折率分布n(r)は、図2に示すように、光ファイバ母材の半径r、レーザ光のX軸方向へのオフセット量x、測定範囲の最も外側の点a、透過光の偏向角分布Φ(x)とすると、一般的に次式に示すアーベル変換式から求めることができる。なお、図2では、マッチングセル19とCCDアレイ21との間にある集光レンズは省略している。


クラッド部との比屈折率差Δn(r)は、このn(r)より
Δn(r)≒(n(r)−n(a))/n(a)
から求めることができる。
図3に示すように、光ファイバ母材20を透過した透過光は、上述したように光ファイバ母材20中の脈理の影響を受けて複数の回折光を発生させる。通常は0次光(非回折光)の強度が大きくなるが、条件によっては回折光の強度の方が大きくなる場合もあり、その場合、最大ピークポジションの位置を採るピーク位置測定方式では、正しい透過偏向角Φを得ることができないことになる。また、複数のピークポジションの平均光強度の位置を採る重心検出方式では、回折光がプラス側、マイナス側で対称に生じれば問題ないが、非対称の場合は同様に、正しい透過偏向角Φを得ることができないことになる。
本願発明者らは、異なる2つの波長λ、λのレーザ光を用いることにより上記のような問題を解決し、精度の高い屈折率分布n(r)の測定を簡便に行えることを見出した。
すなわち、本願発明では、回折光に関しては異なる波長の光に対して各々偏向角Φが異なるが、非回折光(0次光)に関しては異なる波長の光であっても偏向角Φは同じになることを利用している。
図3に示すように、例えば透過光の最大強度を有するのが1次回折光である場合、透過光Pの最大強度を有するプラス1次回折光のピーク位置(+P)と、透過光Qの最大強度を有するプラス1次回折光のピーク位置(+Q)は明らかにずれている。また、図中左側に存在する透過光Pのマイナス1次回折光のピーク位置(−P)と、透過光Qのマイナス1次回折光のピーク位置(−Q)も明らかにずれている。2次以降の回折光も、同様にピーク位置はずれている。
これに対して、図中中央の透過光Pの0次光のピーク位置(±P)と透過光Qの0次光のピーク位置(±Q)は一致している(図中矢印)。このピーク位置(±P、±Q)が脈理の影響を受けない、非回折の透過光の偏向角である。このように、2波長のレーザ光を用い、ピークが一致する位置を求めることにより、正しい透過偏向角(0次光の偏向角)を求めることができる。
このような判別方法によって、光ファイバ母材に脈理があっても、非回折光の偏向角である正確な透過偏向角分布Φ(x)を求めることができる。この透過偏向角分布Φ(x)を上記一般式に従って変換することにより、脈理の影響を受けずに光ファイバ母材の屈折率分布n(r)を算出することができる。
次に、レーザ光の波長として、どのような波長を用いれば良いかについて説明する。
本実施形態における一方のレーザ光の波長λと他方のレーザ光の波長λとの波長間隔は、ピーク位置を明確に区別できるように概ね30nm以上離れている方が好ましい。
これは、次のように説明できる。
上述した透過光Pの1次回折光のピーク位置(+P)と透過光Qの1次回折光のピーク位置(+Q)との差をΔΦ、透過光Pの0次光のピーク位置(±P)と1次回折光のピーク位置(+P)との差Φと、透過光Qの0次光のピーク位置(±Q)と1次回折光のピーク位置(+Q)との差Φとの平均をΦAVEとすると、明確に2波長のピーク位置を区別するためには、下記条件式を満たす必要がある。
ΔΦ/ΦAVE≧0.05
一方、光ファイバ母材20の脈理の周期をΛとすると、脈理の影響を受けた波長λ、λの光の1次偏向角Φ、Φの回折条件は、次式で表される。
ΛsinΦ=λ、ΛsinΦ=λ
前記条件式にこの回折条件の式を入れて計算すると、
{sin−1(λ/Λ)−sin−1(λ/Λ)}/{sin−1(λ/Λ)+sin−1(λ/Λ)}/2≧0.05
この式を整理して近似すると、
sin−1(λ/Λ)≧1.05sin−1(λ/Λ)
λ≫Λλ≫Λとして
λ/Λ≧1.05λ/Λより
λ≧1.05λ
この式を満たすような波長λと波長λを選択することにより、各々波長の1次回折光のピーク位置を明確に区別することができる。例えば、一方の単色光の波長を633nmとすると、他方の波長は602nmより短波長又は664nmより長波長とすれば良く、上記したように波長間隔は、概ね30nm以上離れていれば良いことになる。
ただし、波長λと波長λの1次回折光のピーク位置が離れ過ぎても、一方の波長の2次回折光のピーク位置と近づいてしまうため、判別し難くなってしまう。つまり、透過光Pの1次回折光(+P)に対して、透過光Q側を1次回折光(+Q)ではなく、2次回折光(+Q)の方が近くなってしまう可能性がある。そのため、透過光Pの1次回折光(+P)と透過光Qの2次回折光(+Q)との関係を上記条件式に適用して同様に計算することができる。
波長λの光の1次偏向角Φと、波長λの光の2次偏向角Φの回折条件は、次式で表される。
ΛsinΦ=λ、ΛsinΦ=2λ
前記条件式に上記同様回折条件の式を入れて計算すると、
{sin−1(2λ/Λ)−sin−1(λ/Λ)}/{sin−1(2λ/Λ)+sin−1(λ/Λ)}/2≧0.05
この式を整理して近似すると、
sin−1(2λ/Λ)≧1.05sin−1(λ/Λ)
λ≫Λλ≫Λとして
2λ/Λ≧1.05λ/Λより
1.90λ≧λ
よって、上式と合わせて、2波長は下記関係式を満たす関係にあれば良いことになる。
1.90λ≧λ≧1.05λ
上述したように本実施形態の光ファイバ母材の屈折率分布測定方法は、異なる2波長λ、λの単色光を使用して、光ファイバ母材20の中心軸に対して直角な一横断面を透過するように単色光を走査し、光ファイバ母材20を透過した単色光の各波長毎の光強度分布を測定する。そして、測定した光強度分布から非回折光の透過偏向角Φを計測し、該透過偏向角Φの一群から光ファイバ母材20の屈折率分布n(r)を算出する。
このように光ファイバ母材20の屈折率分布n(r)の測定を行う際に、所定の波長間隔を有する2波長λ、λの単色光を用いることで、単一波長で測定した透過光のみではできなかった複数の回折光と非回折光(0次光)との区別が可能となり、透過偏向角Φを正確に求めることができ、脈理を有する光ファイバ母材20に対して簡便な測定で精度の高い屈折率分布n(r)を求めることができる。
また、単色光として互いに波長間隔の離れた2つの単一波長λ、λを用い、光ファイバ母材20を透過する透過光の光強度分布を測定し、各波長毎に計測される該透過光の強度ピークを比較して、異なる波長間におけるピークポジションの位置ずれが最も小さい強度ピークの偏向角を透過偏向角Φとして採用する。このように2波長λ、λの透過光のピーク位置を比較することで、正しい偏向角位置である、非回折光(0次光)の透過偏向角の位置を容易に割り出すことができる。
また、本実施形態の光ファイバ母材の屈折率分布測定装置10は、異なる2波長λ、λの単色光源を有し、これらの波長の内の1波長の単色光を光ファイバ母材20へ向けて出射する第1、第2レーザ11、12と、光ファイバ母材20を透過した透過光の光強度分布を計測する光検出器であるCCDアレイ21と、光検出器により検出された光強度分布から透過偏向角を求め、屈折率分布を算出する計算装置22と、を備えている。そして、光ファイバ母材20の中心軸に対して直角な一横断面を透過するように単色光を走査し、光ファイバ母材20の一横断面を透過した各波長毎の透過光の光強度分布を測定する。そして、複数の単色光の光強度分布の比較から非回折光の透過偏向角Φを算出して、この透過偏向角Φの一群から光ファイバ母材20の屈折率分布n(r)を求める。
次に、本発明の光ファイバ母材の屈折率分布測定方法により測定した一実施例について説明する。実施例、比較例とも、下記光ファイバ母材を使用して透過偏向角Φを計測し、その透過偏向角Φから屈折率分布n(r)を算出して、透過偏向角Φ及び屈折率分布n(r)の基準値と比較して検証する。なお、比較例1では、最大ピークポジションの位置を採るピーク位置測定方式、比較例2では、複数のピークポジションの平均光強度の位置を採る重心検出方式を用いて透過偏向角を計測し、屈折率分布n(r)を算出する。
<被検体>
光ファイバ母材
<実施例>
第1レーザ;波長(λ)500nmのレーザ(単色光)、第2レーザ;波長(λ)630nmのレーザ(単色光)
<比較例1>
ピーク位置測定方式、単一レーザ;波長(λ)630nmのレーザ(単色光)
<比較例2>
重心検出方式、単一レーザ;波長(λ)630nmのレーザ(単色光)
具体的には、実施例では、図1〜図3に示したように、光ファイバ母材20を保持したマッチングセル19をレーザ光に対して直角なX軸方向に段階的にオフセット移動させ、各オフセット位置xで異なる2波長λ、λのレーザ光を出射させる。そして、光ファイバ母材20の一横断面を透過する各透過光をCCDアレイ21に回折光分布(光強度分布)として形成する。この2波長の回折光分布を比較して、0次光のピークポジションを確定して透過偏向角分布Φ(x)を計測する。この透過偏向角分布Φ(x)を上記アーベル変換式に代入して光ファイバ母材20の屈折率分布n(r)を求める。
比較例1のピーク位置測定方式は、最大強度となるピークポジションの位置から透過偏向角Φを決めて、光ファイバ母材20の屈折率分布n(r)を求める。比較例2の重心検出方式は、複数あるピークポジションの平均光強度となる位置から透過偏向角Φを求めて、光ファイバ母材20の屈折率分布n(r)を求める。その結果、図4〜図6に示すような結果を得る。なお、図4〜図6の横軸は正規化しており、“0”は母材の軸中心、“1”は母材外径の位置を表している。また、図4〜図6の(b)の縦軸は、比屈折率差Δn(r)としている。
図4に示す実施例では、(a)に示すようにレーザ光のオフセット量(走査量)に対して正しい透過偏向角分布Φ(x)が計測されており、計測値に基づいて(b)に示すように良好な屈折率分布(比屈折率差Δn(r))が算出されていることが分かる。
これに対して、図5に示す比較例1のピーク位置測定方式では、(a)に示すようにピークポジションとなる偏向角Φが正しい(0次光)の透過偏向角Φからずれる位置が出てくるため、(b)に示すように全体的に正常値(点線)よりも小さく屈折率分布(比屈折率差Δn(r))が算出されていることが分かる。
また、図6に示す比較例2の重心検出方式では、(a)に示すようにピークポジションとなる透過偏向角Φが全体的に正しい値に比べて小さくなるため、(b)に示すように母材中心ほど正常値(点線)よりも小さく屈折率分布(比屈折率差Δn(r))が算出されていることが分かる。
上記結果から、光ファイバ母材20の屈折率分布n(r)の測定において、ピーク位置測定方式や重心検出方式による比較例では脈理の影響により正しい屈折率分布n(r)が測定できていないのに比べて、実施例では、脈理の有無に関わらず、簡便な方法で精度の高い屈折率分布測定を行えることが分かる。
なお、本発明の光ファイバ母材の屈折率分布測定方法及び屈折率分布測定装置は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が自在である。例えば、本実施形態では、2つの単色光源であるレーザを切り替えて透過偏向角Φを計測する屈折率分布測定装置を一例に説明したが、1つのレーザで2種類以上の波長を発振できる複数波長発振タイプの単色光照射装置を使用することも可能である。この場合、2つの波長の切り替えは、バンドパスフィルタの切り替え等により行うことができる。
また、本実施形態では切替え装置として合波器を一例に説明したが、合波器の代わりに、別のミラーを単色光の光軸上に挿入及び引出す等によって単色光の切り替えを行うことも可能である。
また、本実施形態では光ファイバ母材を移動させる走査方法を一例に説明したが、光ファイバ母材を固定してレーザを移動させる走査方法も可能である。
その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
10…屈折率分布測定装置、11…第1レーザ、12…第2レーザ、13…シャッタ、14…合波器、15…ミラー、16…第1集光レンズ、17…第2集光レンズ、18…マッチングオイル、19…マッチングセル、20…光ファイバ母材、21…CCDアレイ(光検出器)、22…計算装置

Claims (5)

  1. 光ファイバ母材の側面から単色光を走査し、該単色光の透過光を測定することにより光ファイバ母材の屈折率分布を求める光ファイバ母材の屈折率分布測定方法であって、
    異なる2波長以上の複数波長の単色光を使用し、前記光ファイバ母材の一横断面を透過する各波長毎の透過光の光強度分布から透過偏向角を計測して、該透過偏向角の一群から前記光ファイバ母材の屈折率分布を求めることを特徴とする光ファイバ母材の屈折率分布測定方法。
  2. 請求項1に記載の光ファイバ母材の屈折率分布測定方法において、
    前記単色光は、互いに波長間隔の離れた2つ以上の単一波長の光であり、各波長毎に計測される該透過光の強度ピークを比較して、異なる波長間におけるピークポジションの位置ずれが最も小さい強度ピークの偏向角を、前記透過偏向角として採用することを特徴とする光ファイバ母材の屈折率分布測定方法。
  3. 請求項1又は2に記載の光ファイバ母材の屈折率分布測定方法において、
    前記異なる2波長以上の複数波長の間の関係が、各波長をλ、λとしたとき、
    1.90λ≧λ≧1.05λ
    を満たすことを特徴とする光ファイバ母材の屈折率分布測定方法。
  4. 請求項1から3の何れか一項に記載の光ファイバ母材の屈折率分布測定方法において、
    前記単色光は、レーザ光であることを特徴とする光ファイバ母材の屈折率分布測定方法。
  5. 異なる2波長以上の複数波長の単色光源を有し、複数波長の内の1波長の単色光を選択して光ファイバ母材へ向けて出射する単色光照射装置と、
    前記光ファイバ母材を透過した透過光の光強度分布を計測する光検出器と、
    該光検出器により検出された光強度分布から透過偏向角を求め、屈折率分布を算出する計算装置と、を備え、
    前記光ファイバ母材の一横断面を透過した各波長毎の透過光の光強度分布を測定し、該光強度分布の比較から透過偏向角を計測して、該透過偏向角の一群から前記光ファイバ母材の屈折率分布を求めることを特徴とする光ファイバ母材の屈折率分布測定装置。
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