JP2013083837A - 正帯電性トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】長期間にわたって印字する場合であっても、形成画像の画像濃度が所望する値を下回ることが抑制できる、正帯電性トナーを提供することを目的とする。
【解決手段】少なくとも結着樹脂、着色剤、及び電荷制御剤を含むトナー母粒子の表面に、正帯電性の無機微粒子が表面に付着した結晶性樹脂微粒子が付着している静電潜像現像用トナーについて、無機微粒子の質量(X)と、結晶性樹脂微粒子の質量(Y)と、トナー母粒子の質量(Z)とを、所定の関係を満たすものとする。
【選択図】なし

Description

本発明は、正帯電性トナーに関する。
一般に電子写真法においては、静電潜像担持部(感光体)の表面をコロナ放電等により帯電させた後、レーザ等により露光して静電潜像を形成し、この静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成し、さらにこのトナー像を記録媒体に転写して高品質な画像を得ている。通常トナー像の形成に使用するトナーには熱可塑性樹脂等の結着樹脂に、着色剤、電荷制御剤、離型剤、磁性材料等を混合して混練、粉砕、分級を行い平均粒子径5〜10μmのトナー粒子としたものが用いられる。そしてトナーに流動性を付与したり、トナーの帯電量の制御を行ったり、転写されずに感光体上に残留したトナーのクリーニング性を向上させたりする目的で、シリカや酸化チタン等の無機微粒子がトナーに外添されている。
近年、このような画像形成方法において用いられるトナーにおいて、無機微粒子に加え、樹脂微粒子をトナー表面に付着させたものが使用されている。樹脂微粒子は、トナーの結着樹脂と帯電系列が近く、トナーの帯電不良を抑制する効果があるため、かかるトナーを使用すると、形成画像におけるかぶりの発生や、画像形成装置内でのトナーの飛散を抑制することが可能である。
無機微粒子と樹脂微粒子とを外添させたトナーとしては、例えば、無機粒子及び結晶性樹脂粒子とが外添され、結晶性樹脂の融解温度が55℃以上100℃以下であるトナーが提案されている(特許文献1)。
特開2011−17913号公報
しかし、特許文献1記載のトナーでは、印字率の低い印刷が長時間にわたって行われる場合、現像装置内でトナーが長時間撹拌されることにより、トナーの表面から樹脂微粒子が離脱することがある。この場合、トナー表面に付着する樹脂微粒子が減少し、樹脂微粒子が果たしているトナーに対するスペーサー効果が損なわれることで、トナー粒子同士、トナーとキャリアと、又はトナーと画像形成装置の各種部材とが付着しやすくなり、形成画像の画像濃度が所望する値を下回ったり、トナーの転写性の低下が問題となる。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、長期間にわたって印字する場合であっても、形成画像の画像濃度が所望する値を下回ることを抑制できる、正帯電性トナーを提供することを目的とする。
本発明者らは、少なくとも結着樹脂、着色剤、及び電荷制御剤を含むトナー母粒子の表面に、正帯電性の無機微粒子が表面に付着した結晶性樹脂微粒子が付着している静電潜像現像用トナーについて、無機微粒子の質量(X)と、結晶性樹脂微粒子の質量(Y)と、トナー母粒子の質量(Z)とを、所定の関係を満たすものとすることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) 少なくとも結着樹脂、着色剤、及び電荷制御剤を含トナー母粒子の表面に、正帯電性の無機微粒子が表面に付された結晶性樹脂微粒子が付されており、
前記無機微粒子の質量(X)と、前記結晶性樹脂微粒子の質量(Y)との質量比率((X)/(Y))が、5〜100%であり、
前記トナー母粒子の質量(Z)に対する、前記無機微粒子の質量と前記結晶性樹脂微粒子の質量の合計((X)+(Y))の質量比率(((X)+(Y))/(Z))が、0.1〜2.0%である、正帯電性トナー。
(2) 前記正帯電性の無機微粒子が、正帯電性シリカである、(1)記載の正帯電性トナー。
(3) 前記質量比率((X)/(Y))が、10〜80%である、(1)又は(2)記載の正帯電性トナー。
(4) 前記質量比率(((X)+(Y))/(Z))が、0.5〜1.5%である、(1)〜(3)のいずれか1記載の正帯電性トナー。
本発明によれば、長期間にわたって印字する場合であっても、形成画像の画像濃度が所望する値を下回ることが抑制できる、正帯電性トナーを提供することを目的とする。
高化式フローテスターによる軟化点の測定方法を説明する図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨を限定するものではない。
本発明の正帯電性トナー(以下、単にトナーともいう)は、
少なくとも結着樹脂、着色剤、及び電荷制御剤を含トナー母粒子の表面に、正帯電性の無機微粒子が表面に付された結晶性樹脂微粒子が付されており、
前記無機微粒子の質量(X)と、前記結晶性樹脂微粒子の質量(Y)との質量比率((X)/(Y))が、5〜100%であり、
前記トナー母粒子の質量(Z)に対する、前記無機微粒子の質量と前記結晶性樹脂微粒子の質量の合計((X)+(Y))の質量比率(((X)+(Y))/(Z))が、0.1〜2.0%である、正帯電性トナーに関する。
また、本発明のトナーは、所望により、その表面に、結晶性樹脂微粒子とともに、結晶性微粒子以外の他の無機微粒子が外添剤として付されたものであってもよい。さらに、本発明のトナーは、所望のキャリアと混合して2成分現像剤として用いることもできる。
以下、本発明の正帯電性トナーについて、必須、又は任意の成分である、結着樹脂、着色剤、電荷制御剤、離型剤、正帯電性無機微粒子により処理された結晶性樹脂微粒子、及び結晶性樹脂微粒子以外の他の外添剤と、正帯電性トナーの製造方法と、本発明のトナーを2成分現像剤として用いる場合に使用するキャリアとについて、順に説明する。
[結着樹脂]
本発明の正帯電性トナーは、結着樹脂、着色剤、及び電荷制御剤を含み、必要に応じ、離型剤等の成分が配合されたトナー母粒子の表面に、正帯電性無機微粒子が付着した結晶性樹脂微粒子が付着したものである。トナー母粒子に含まれる結着樹脂は、従来からトナー粒子の結着樹脂として用いられている樹脂であれば特に制限されない。結着樹脂の具体例としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの樹脂の中でも、トナー中の着色剤に対する分散性、トナーの帯電性、用紙に対する定着性の面から、スチレンアクリル系樹脂、及びポリエステル樹脂が好ましい。以下、スチレンアクリル系樹脂、及びポリエステル樹脂について説明する。
スチレンアクリル系樹脂は、スチレン系単量体とアクリル系単量体との共重合体である。スチレン系単量体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン等が挙げられる。アクリル系単量体の具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸iso−ブチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
ポリエステル樹脂は、アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合ないし共縮重合によって得られるものを使用することができる。ポリエステル系樹脂を合成する際に用いられる成分としては、以下のアルコール成分やカルボン酸成分が挙げられる。
2価又は3価以上のアルコール成分の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノール類;ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の3価以上のアルコール類が挙げられる。
2価又は3価以上のカルボン酸成分の具体例としては、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、あるいはn−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等のアルキル又はアルケニルコハク酸等の2価カルボン酸;1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸等の3価以上のカルボン酸等が挙げられる。これらの2価又は3価以上のカルボン酸成分は、酸ハライド、酸無水物、低級アルキルエステル等のエステル形成性の誘導体として用いてもよい。ここで、「低級アルキル」とは、炭素原子数1から6のアルキル基を意味する。
結着樹脂がポリエステル樹脂である場合の、ポリエステル樹脂の軟化点は、80〜150℃であることが好ましく、90〜140℃がより好ましい。
結着樹脂としては、定着性が良好であることから熱可塑性樹脂を用いることが好ましいが、熱可塑性樹脂単独で使用するだけでなく、熱可塑性樹脂に架橋剤や熱硬化性樹脂を添加することができる。結着樹脂内に一部架橋構造を導入することにより、定着性を低下させることなく、トナーの保存安定性、形態保持性、耐久性等を向上させることができる。
熱可塑性樹脂とともに使用できる熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂やシアネート系樹脂が好ましい。好適な熱硬化性樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテル型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、シアネート樹脂等が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、2種以上を組み合わせて使用できる。
結着樹脂のガラス転移点(Tg)は、50〜65℃が好ましく、50〜60℃がより好ましい。結着樹脂のガラス転移点が低すぎる場合、画像形成装置の現像部の内部でトナー同士が融着したり、保存安定性の低下により、トナー容器の輸送時や倉庫等での保管時にトナー同士が一部融着したりする場合がある。また、ガラス転移点が高すぎる場合、結着樹脂の強度が低下し、潜像担持部(像担持体:感光体)にトナーが付着しやすい。ガラス転移点が高すぎる場合、トナーが低温で良好に定着しにくい傾向がある。
なお、結着樹脂のガラス転移点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、比熱の変化点から求めることができる。より具体的には、測定装置としてセイコーインスツルメンツ株式会社製示差走査熱量計DSC−6200を用い、吸熱曲線を測定することで求めることができる。測定試料10mgをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを使用し、測定温度範囲25〜200℃、昇温速度10℃/minで常温常湿下にて測定して得られた吸熱曲線よりガラス転移点を求めることができる。
[着色剤]
正帯電性トナーに含まれる着色剤は、トナー粒子の色に合わせて、公知の顔料や染料を用いることができる。トナーに添加する好適な着色剤の具体例としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、アニリンブラック等の黒色顔料;黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ等の黄色顔料;赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジGK等の橙色顔料;ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B等の赤色顔料;マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等の紫色顔料;紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC等の青色顔料;クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等の緑色顔料;亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等の白色顔料;バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等の体質顔料が挙げられる。これらの着色剤は、トナーを所望の色相に調整する目的等で2種以上を組み合わせて用いることもできる。
着色剤の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。具体的には、結着樹脂100質量部に対して、1〜10質量部が好ましく、3〜7質量部がより好ましい。
[電荷制御剤]
電荷制御剤は、トナーの帯電レベルや、トナーを所定の帯電レベルに短時間で帯電可能か否かの指標となる帯電立ち上がり特性を向上させ、耐久性や安定性に優れたトナーを得る目的で使用される。本発明のトナーは正帯電性のトナーであるため、正帯電性の電荷制御剤が使用される。
正帯電性の電荷制御剤の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、従来よりトナーに使用されている電荷制御剤から適宜選択できる。正帯電性の電荷制御剤の具体例としては、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、オルトオキサジン、メタオキサジン、パラオキサジン、オルトチアジン、メタチアジン、パラチアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアジン、1,3,4−オキサジアジン、1,2,6−オキサジアジン、1,3,4−チアジアジン、1,3,5−チアジアジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、1,2,4,6−オキサトリアジン、1,3,4,5−オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン等のアジン化合物;アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリ−ンBH/C、アジンディ−プブラックEW、及びアジンディーブラック3RL等のアジン化合物からなる直接染料;ニグロシン、ニグロシン塩、ニグロシン誘導体等のニグロシン化合物;ニグロシンBK、ニグロシンNB、ニグロシンZ等のニグロシン化合物からなる酸性染料;ナフテン酸又は高級脂肪酸の金属塩類;アルコキシル化アミン;アルキルアミド;ベンジルメチルヘキシルデシルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩が挙げられる。これらの正帯電性の電荷制御剤の中では、より迅速な立ち上がり性が得られる点で、ニグロシン化合物が特に好ましい。これらの正帯電性の電荷制御剤は、2種以上を組み合わせて使用できる。
4級アンモニウム塩、カルボン酸塩、又はカルボキシル基を官能基として有する樹脂も正帯電性の電荷制御剤として使用できる。より具体的には、4級アンモニウム塩を有するスチレン系樹脂、4級アンモニウム塩を有するアクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するスチレン−アクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するポリエステル系樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン系樹脂、カルボン酸塩を有するアクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン−アクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するポリエステル系樹脂、カルボキシル基を有するスチレン系樹脂、カルボキシル基を有するアクリル系樹脂、カルボキシル基を有するスチレン−アクリル系樹脂、カルボキシル基を有するポリエステル系樹脂等の1種又は2種以上が挙げられる。これらの樹脂の分子量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、オリゴマーであってもポリマーであってもよい。
正帯電性の電荷制御剤として使用できる樹脂の中では、帯電量を所望の範囲内の値に容易に調節することができる点から、4級アンモニウム塩を官能基として有するスチレン−アクリル系共重合樹脂がより好ましい。4級アンモニウム塩を官能基として有するスチレン−アクリル系共重合樹脂において、スチレン単位と共重合させる好ましいアクリル系コモノマーの具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸iso−ブチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
また、4級アンモニウム塩としては、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ジアルキル(メタ)アクリルアミド、又はジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドから第4級化の工程を経て誘導される単位が用いられる。ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、ジアルキル(メタ)アクリルアミドの具体例としてはジメチルメタクリルアミドが挙げられ、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの具体例としては、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドが挙げられる。また、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシ基含有重合性モノマーを重合時に併用することもできる。
正帯電性の電荷制御剤の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。正帯電性の電荷制御剤の使用量は、典型的には、トナー全量を100質量部とした場合に、1.5〜15質量部が好ましく、2.0〜8.0質量部がより好ましく、3.0〜7.0質量部が特に好ましい。電荷制御剤の使用量が過少である場合、所定の極性にトナーを安定して帯電させ難いため、形成画像の画像濃度が所望する値を下回ったり、形成画像の画像濃度を長期にわたって維持できなくなったりする場合がある。また、かかる場合、電荷制御剤が均一に分散し難く、形成画像におけるかぶりや潜像担持部の汚染が起こりやすくなる。電荷制御剤の使用量が過多である場合、耐環境性の悪化による、高温高湿下でのトナーの帯電不良が生じやすく、その結果として形成画像における画像不良や、潜像担持部のトナーによる汚染等が起こりやすくなる。
[離型剤]
正帯電性トナーは、定着性や耐オフセット性を向上させる目的で、離型剤を含んでいてもよい。トナーに添加する離型剤の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。離型剤としてはワックスが好ましく、ワックスの例としては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、フッ素樹脂系ワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、エステルワックス、モンタンワックス、ライスワックス等が挙げられる。これらの離形剤は2種以上を組み合わせて使用できる。かかる離型剤をトナーに添加することにより、オフセットや像スミアリング(画像をこすった際の画像周囲の汚れ)の発生をより効率的に抑制することができる。
離型剤の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。具体的な離型剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、1〜5質量部が好ましい。離型剤の使用量が過少である場合、形成画像におけるオフセットや像スミアリングの発生の抑制について所望の効果が得られない場合があり、離型剤の使用量が過多である場合、トナー同士の融着によってトナーの保存安定性が低下する場合がある。
[正帯電性無機微粒子により処理された結晶性樹脂微粒子]
本発明のトナーでは、その表面に正帯電性の無機微粒子が付された、正帯電性無機微粒子により処理された結晶性樹脂微粒子が外添剤として用いられる。以下、結晶性樹脂微粒子、正帯電性無機微粒子、正帯電性無機微粒子による処理について説明する。
結晶性樹脂微粒子の材料の結晶性樹脂は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、結晶性ポリエステル樹脂が好ましい。結晶性ポリエステル樹脂微粒子は、粒子強度が高いため耐熱保存性に優れ、トナーの流動性を良好にし、また、溶融時の結着樹脂との相溶性に優れるので好ましい。なお、他の結晶性樹脂としては、パラフィン樹脂や側鎖結晶性アクリル樹脂等が挙げられる。
結晶性樹脂微粒子の材料として、結晶性ポリエステル樹脂が用いられる場合、その結晶性指数は0.90以上1.10未満であり、0.98〜1.05であるのが好ましい。ポリエステル樹脂の結晶性指数は、単量体であるアルコール成分やカルボン酸成分の、種類、及び使用量を適宜調整することにより、調整できる。結晶性ポリエステル樹脂微粒子は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
結晶性ポリエステル樹脂の結晶性指数は、ポリエステル樹脂の軟化点と融解熱の最大ピーク温度との比(軟化点/融解熱の最大ピーク温度)により求めることができる。ポリエステル樹脂の軟化点は後述するフローテスターによって測定され、融解熱の最大ピーク温度は上述する示差走査熱量計(DSC)によって測定される。
<軟化点測定方法>
高化式フローテスター(CFT−500D(株式会社島津製作所製))により軟化点の測定を行う。測定試料作成用の成形型にトナー約1.8gを充填し、4MPaの圧力を印加して、直径1cm長さ2cmの円柱状のトナーのペレットを作成する。得られたペレットをフローテスターにセットし、プランジャー荷重:30kg、ダイ穴直径:1mm、ダイ長さ:1mm、昇温速度4℃/分、測定温度範囲70〜160℃で軟化点を測定する。フローテスターの測定により得られた、温度(℃)とストローク(mm)とに関するS字カーブより、軟化点を読み取る。
軟化点の読み取り方を、図1により説明する。ストロークの最大値をSとし、低温側のベースラインのストローク値をSとする。S字カーブにおいて、ストロークの値が(S+S)/2となる温度を、測定試料の軟化点とする。
結晶性ポリエステル樹脂微粒子は、アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合や共縮重合によって得られるものを使用できる。ポリエステル樹脂を合成する際に用いられる成分としては、以下のアルコール成分やカルボン酸成分が挙げられる。
アルコール成分としては2価又は3価以上のアルコールを使用できる。2価又は3価以上のアルコール成分の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノール類;ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の3価以上のアルコール類が挙げられる。
これらのアルコール成分のなかでは、ポリエステル樹脂の結晶化を促進しやすいことから、炭素原子数2〜8の脂肪族ジオールが好ましい。脂肪族ジオールの中では、ポリエステルの結晶化をより促進しやすいことから炭素原子数2〜8のα,ω−アルカンジオールがより好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂を得るためには、アルコール成分中の炭素原子数2〜10の脂肪族ジオールが80モル%以上であるのが好ましく、90モル%以上であるのがより好ましい。また、結晶性ポリエステルを得るためには、アルコール成分に最も多量に含まれる成分(単一の化合物)の含有量が70モル%以上であるのが好ましく、90モル%以上であるのがより好ましく、100モル%であるのが最も好ましい。
カルボン酸成分としては2価又は3価以上のカルボン酸を使用できる。2価又は3価以上のカルボン酸成分の具体例としては、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、1,10−デカンジカルボン酸、マロン酸、あるいはn−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等のアルキル又はアルケニルコハク酸等の2価カルボン酸;1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸等の3価以上のカルボン酸等が挙げられる。これらの2価又は3価以上のカルボン酸成分は、酸ハライド、酸無水物、低級アルキルエステル等のエステル形成性の誘導体として用いてもよい。ここで、「低級アルキル」とは、炭素原子数1から6のアルキル基を意味する。
これらのカルボン酸成分の中では、ポリエステル樹脂の結晶化を促進しやすいことから、炭素原子数2〜16の脂肪族ジカルボン酸が好ましく、炭素原子数2〜16のα,ω−アルカンジカルボン酸がより好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂を得るためには、カルボン酸成分中の炭素原子数2〜16の脂肪族ジカルボン酸が70モル%以上であるのが好ましく、90モル%以上であるのがより好ましい。また、結晶性ポリエステルを得るためには、カルボン成分に最も多量に含まれる成分(単一の化合物)の含有量が70モル%以上であるのが好ましく、90モル%以上であるのがより好ましく、100モル%であるのが最も好ましい。
結晶性樹脂微粒子の融点は、110〜130℃、軟化点は120〜140℃が好ましい。なお、上述するように、結晶性樹脂微粒子の融点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定でき、軟化点は、フローテスターによって測定できる。
結晶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、500〜10000であるのが好ましい。
結晶性樹脂微粒子の平均一次粒子径は、50〜1000nmが好ましい。結晶性樹脂微粒子の平均一次粒子径は、結晶性樹脂微粒子を重合法により調製する場合、重合条件の調整により調整できる。また、結晶性樹脂微粒子を粉砕法によって調整する場合、粉砕条件や、分級条件を適宜調整することにより、結晶性樹脂微粒子の平均一次粒子径を調整することができる。結晶性樹脂微粒子の平均一次粒子径は、電気泳動光散乱光度計(ELS−800(大塚電子株式会社製))により、樹脂微粒子の体積平均粒子径(D50)として測定できる。
また、平均一次粒子が1000nmを超える市販の結晶性樹脂微粒子を用いて、粒子径が50〜1000nmに調整された結晶性樹脂微粒子を調製することもできる。具体的には、平均一次粒子径1000nm超の結晶性樹脂微粒子を、界面活性剤を含む水中に分散させ、加熱温度、加熱時間、pH等を調整しながら、分散液を撹拌することによって、所望の粒子径の結晶性樹脂微粒子が得られる。
(正帯電性無機微粒子)
正帯電性無機微粒子は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。正帯電性を有する無機微粒子の具体例としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、及びチタン酸バリウム等の無機酸化物が挙げられる。中でも、正帯電性のシリカ微粒子を用いるのが好ましい。正帯電性のシリカ微粒子を用いることにより、結晶性樹脂微粒子に良好に正帯電性を付与することができる。
無機微粒子は一般的に負に帯電する傾向があり、特にシリカは強い負帯電性を示す。そこで、これらの無機微粉末を結晶性樹脂微粒子に付着させる場合、その表面に正帯電性の極性基が導入された無機微粒子を用いる。
正帯電性のシリカ微粒子としては、正帯電性の極性基を有するアミノシランカップリング剤等の窒素原子を含む官能基を有するシランカップリング剤や、窒素原子を含む側鎖を有するシリコーンオイル等によって表面処理されたシリカ微粒子が挙げられる。これらのシリカ微粒子は、シリカ微粉末表面にアミノ基等の正帯電性の極性基を有するため、正帯電性を示す。
正帯電性無機微粒子の平均一次粒子径は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。典型的には、20nm以下が好ましく、10〜20nmがより好ましい。正帯電性無機微粒子の粒子径が20nm超の場合、結晶性樹脂微粒子との付着力が低下し、正帯電性無機微粒子が、結晶性樹脂微粒子から離れてトナー母粒子に移行し、現像性が低下する。
(正帯電性無機微粒子による処理)
正帯電性無機微粒子を結晶性樹脂微粒子の表面に付着させる方法は特に限定されず、従来知られる方法から適宜選択できる。正帯電性無機微粒子による結晶性樹脂微粒子の処理方法との具体例としては、ヘンシェルミキサーやナウターミキサー等の混合機によって、正帯電性無機微粒子と、結晶性微粒子とを混合する方法が挙げられる。
結晶性樹脂微粒子に付着させる正帯電性無機微粒子の質量(X)と、結晶性樹脂微粒子の質量(Y)との質量比率((X)/(Y))は、5〜100%であり、10〜80%が好ましい。質量比率((X)/(Y))が過少である場合、結晶性樹脂微粒子が負に帯電されやすく、低印字率で長期間の印刷を行うと、現像器内でトナーから剥離した負に帯電した結晶性樹脂微粒子が、正帯電している潜像担持部(像担持体:感光体)の非画像部に現像されてしまう。そうすると、現像器内の結晶性樹脂微粒子の量が減少してしまうため、トナーにおける、結晶性樹脂微粒子によるスペーサー効果が損なわれ、トナーの転写性が低下しやすい。
これに対して、質量比率((X)/(Y))が100%超の場合、結晶性樹脂微粒子に対して過剰な正帯電性無機微粒子が、現像器内で遊離しやすい。この状態で、高印字率で長期間の印刷を行うと、現像器内で正極性に帯電した正帯電性無機微粒子が、弱く負帯電したトナー母粒子の表面に移行しやすい。この場合、トナーが過度に正帯電されやすくなり、形成画像の画像濃度が所望する値を下回りやすくなる。
一方、正帯電性無機微粒子の質量(X)と、結晶性樹脂微粒子の含有量(Y)との質量の合計((X)+(Y))の、トナー母粒子の質量(Z)に対する質量比率(((X)+(Y))/(Z))は、0.1〜2.0%であり、0.3〜1.8%がより好ましく、0.5〜1.5%がより好ましい。質量比率(((X)+(Y))/(Z))が過小である場合、そもそも、結晶性樹脂微粒子の絶対量が不足しているため、トナー母粒子は結晶性樹脂微粒子によるスペーサー効果が得られず、トナーの転写性が低下しやすい。また、質量比率(((X)+(Y))/(Z))が過大である場合、現像器内で遊離する正帯電性無機微粒子が増加しやすく、トナーが過度に正帯電されやすくなり、形成画像の画像濃度が所望する値を下回りやすくなる。
また、正帯電性無機微粒子の付着前の結晶性樹脂微粒子のBET比表面積(X)と、正帯電性無機微粒子の付着後の結晶性樹脂微粒子のBET比表面積(Y)との比である、BET比表面積比率((Y)/(X))が、1.05〜1.5であることが好ましく、1.1〜1.4であることがより好ましい。結晶性樹脂微粒子のBET比表面積は、例えば、比表面積測定装置(HM MODEL−1208(株式会社マウンテック製))等を用いて測定できる。BET比表面積比率((Y)/(X))をかかる範囲とすることにより、長期間に渡り印字を行う場合でも、形成画像の画像濃度が所望する値を下回りにくいトナーを得やすい。
[結晶性樹脂微粒子以外の他の外添剤]
本発明の正帯電性トナーは、本発明の目的を阻害しない範囲で、トナーの流動性、保存安定性、クリーニング性等を改良する目的で、正帯電性無機微粒子が付着された結晶性樹脂微粒子とともに、他の無機微粒子を外添剤としてトナー母粒子の表面に付着させてもよい。
外添剤として使用される無機微粒子の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、従来からトナー用に使用されている無機微粒子から適宜選択できる。好適な外添剤の具体例としては、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の金属酸化物が挙げられる。これらの外添剤は、2種以上を組み合わせて使用できる。
他の無機微粒子の平均一次粒子径は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、典型的には0.01μm以上1.0μm以下が好ましい。
他の無機微粒子の体積固有の抵抗値は、その表面に酸化スズ及び酸化アンチモンからなる被覆層を形成し、被覆層の厚さや、酸化スズと酸化アンチモンとの比率を変えることにより調整できる。また、他の無機微粒子は、疎水化処理したものを用いることができる。
[正帯電性トナーの製造方法]
正帯電性トナーは、トナー母粒子の表面に、外添剤として前述の正帯電性無機微粒子が付着した結晶性樹脂微粒子を付着させることにより製造される。
正帯電性トナーのトナー母粒子は、結着樹脂に、着色剤、及び電荷制御剤と、必要に応じて、離型剤等の任意の成分とを配合した後に、粉砕・分級により所望の粒子径に調整して得られる。なお、結着樹脂に、着色剤、離型剤、電荷制御剤等を配合する際に、磁性粉を配合することも出来る。かかる場合、磁性粉の使用量は結着樹脂100質量部に対して5質量%以下であるのが好ましい。
結着樹脂に、着色剤、電荷制御剤、離型剤等の成分を配合してトナー母粒子を製造する方法は、結着樹脂中にこれらの成分を良好に分散できる限り特に限定されない。トナー母粒子の好適な製造方法の具体例としては、結着樹脂と、着色剤、電荷制御剤、離型剤等の成分とを混合機等により混合した後、一軸又は二軸押出機等の混練機により結着樹脂と結着樹脂に配合される成分とを溶融混練し、冷却された混練物を粉砕・分級する方法が挙げられる。トナー母粒子の平均粒子径は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、一般的には5〜10μmが好ましい。
外添剤をトナー母粒子の表面に付着させる方法は特に限定されず、従来知られる方法から適宜選択できる。具体的には、外添剤の粒子がトナー母粒子に埋め込まれないように処理条件を調整し、ヘンシェルミキサーやナウターミキサー等の混合機によって、外添剤による処理が行われる。
[キャリア]
正帯電性トナーは、所望のキャリアと混合して2成分現像剤として使用することもできる。2成分現像剤を調製する場合、磁性キャリアを用いるのが好ましい。
正帯電性トナーを2成分現像剤とする場合の好適なキャリアとしては、キャリア芯材が樹脂により被覆されたものが挙げられる。キャリア芯材の具体例としては、鉄、酸化処理鉄、還元鉄、マグネタイト、銅、ケイ素鋼、フェライト、ニッケル、コバルト等の粒子や、これらの材料とマンガン、亜鉛、アルミニウム等との合金の粒子、鉄−ニッケル合金、鉄−コバルト合金等の粒子、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、チタン酸リチウム、チタン酸鉛、ジルコン酸鉛、ニオブ酸リチウム等のセラミックスの粒子、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、ロッシェル塩等の高誘電率物質の粒子、樹脂中に上記磁性粒子を分散させた樹脂キャリア等が挙げられる。
キャリア芯材を被覆する樹脂の具体例としては、(メタ)アクリル系重合体、スチレン系重合体、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体、オレフィン系重合体(ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、セルロース樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等)、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリアセタール樹脂、アミノ樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は2種以上を組み合わせて使用できる。
キャリアの粒子径は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、電子顕微鏡により測定される粒子径で、20〜120μmが好ましく、25〜80μmがより好ましい。
キャリアの見掛け密度は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。見掛け密度は、キャリアの組成や表面構造によって異なるが、典型的には、2000〜2500kg/mが好ましい。
本発明の正帯電性トナーを2成分現像剤として用いる場合、トナーの含有量は、2成分現像剤の質量に対して、3〜20質量%が好ましく、5〜15質量%が好ましい。2成分現像剤におけるトナーの含有量をかかる範囲とすることにより、適度な画像濃度を維持し、トナー飛散の抑制によって画像形成装置内部の汚染や転写紙等へのトナーの付着を抑制できる。
以上説明した、本発明の正帯電性トナーによれば、長期間の印刷であっても、形成画像の画像濃度が所望する値を下回ることを抑制し、長期間の低印字率による印刷であっても、結晶性樹脂微粒子によるトナーに対するスペーサー効果を維持し、トナーの転写性の低下を抑制できる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
〔製造例1〕
(結晶性樹脂微粒子aの製造例)
結晶性樹脂(ハイワックス100P(三井化学株式会社製、分子量900、融点116℃、軟化点121℃))100質量部、蒸留水900質量部、界面活性剤(モノステアリン酸エチレングリコール)2質量部を、クレアミックス(エム・テクニック株式会社製)に投入し、90℃、10000回転/分の回転速度で10分間、分散を行い、結晶性樹脂微粒子の分散液を得た。次いで、分散液を40℃まで冷却した後、真空乾燥機にて、25℃で分散液を真空乾燥して、粒子径200nm、BET比表面積50m/gの結晶性樹脂微粒子aを得た。結晶性樹脂微粒子aの平均一次粒子径、BET比表面積は、下記方法に従って測定した。
<平均一次粒子径測定方法>
電気泳動光散乱光度計(ELS−800(大塚電子株式会社製))により、結晶性樹脂微粒子の体積平均粒子径(D50)を測定した。
<BET比表面積測定方法>
BET比表面積測定装置(HM MODEL−1208(株式会社マウンテック製))を用い、試料1gを専用セルに入れ、BET比表面積を測定した。
〔製造例2〕
〔結晶性樹脂微粒子b、cの製造例〕
クレアミックスの回転速度を3000回転/分に変えた他は、製造例1と同様にして、粒子径1000nm、BET比表面積5m/gの結晶性樹脂微粒子bを得た。
〔製造例3〕
クレアミックスの回転速度を20000回転/分に変えた他は、製造例1と同様にして、粒子径50nm、BET比表面積80m/gの結晶性樹脂微粒子cを得た。
〔実施例1〕
(正帯電性無機微粒子により処理された結晶性樹脂微粒子Aの調製)
結晶性樹脂微粒子a100質量部と、正帯電性無機微粒子(正帯電性シリカ、REA200(日本アエロジル株式会社製、平均一次粒子径12nm))20質量部とを、マルチパーパスミキサー(MP5(日本コークス工業株式会社製))により混合して、正帯電性無機微粒子を結晶性樹脂微粒子aの表面に付着させて、結晶性樹脂微粒子Aを得た。結晶性樹脂微粒子aのBET比表面積(X)と、結晶性樹脂微粒子AのBET比表面積(Y)の比率((Y)/(X))は、1.40であった。
(トナー母粒子調製)
結着樹脂として、スチレン−アクリル系共重合体(SE−0040(積水化学工業株式会社製))100質量部、着色剤として、カーボンブラック(MA−100(三菱化学株式会社製))6質量部、電荷制御剤として、ニグロシン化合物(N−07(オリヱント化学工業株式会社製))4重量部、ワックスとして、カルナバワックス(カルナバ1号(東亜化成株式会社製))4重量部を、ヘンシェルミキサーにて混合した。得られた混合物を2軸押出機にて溶融混練した後に冷却し、ハンマーミルにて粗粉砕した。粗粉砕された粉体を機械式粉砕機にてさらに微粉砕した後に、気流式分級機により分級し、体積平均粒子径6.8μmのトナー母粒子を得た。
(トナー調製)
得られたトナー母粒子、及び、トナー母粒子100質量部に対して1質量%の結晶性樹脂微粒子Aと、1.5質量%の酸化チタン(JR−405(テイカ株式会社製))とを、翼周速度3000回転/分、混合時間10分、ジャケット冷却水温5℃の条件にてヘンシェルミキサー(FM−20B(日本コークス株式会社製))により混合して、結晶性樹脂微粒子Aと、酸化チタンとをトナー母粒子の表面に付着させてトナーを得た。
(2成分現像剤調製)
TASKalfa5500i(複合機(京セラミタ株式会社製))用の現像剤に使用されているキャリアと、外添処理されたトナーとを、現像剤全量の質量に対してトナーの比率が12質量%となるように混合し、ボールミルにて30分処理して2成分現像剤を調製した。得られた2成分現像剤を用いて、下記方法に従って、実施例1のトナーについて低濃度印字試験と、標準濃度印字試験とを行った。表2に実施例1のトナーの低濃度印字試験と、標準濃度印字試験との試験結果を記す。
<低濃度印字試験>
常温常湿環境(20℃、65%RH)にて、複合機(TASKalfa5500i(京セラミタ株式会社製))によりベタ画像を印字して初期画像を得た。その後、常温常湿環境(20℃、65%RH)にて原稿濃度0.2%で1万枚連続印字した後に、ベタ画像を印字した。初期画像、及び1万枚印字後に印字されたベタ画像の画像濃度を、反射濃度計(RD914、グレタグマクベス社製)により測定した。評価結果より、初期画像の画像濃度(ID1)と、1万枚連続印字後の画像濃度(ID2)との画像濃度差(ID1−ID2)を算出した。画像濃度差0.2以上を「×」と判定し、画像濃度差0.1以上0.2未満を「△」と判定し、画像濃度差0.03以上0.1未満を「○」と判定し、画像濃度差0.03未満を◎と判定した。判定について、×以外を合格とした。
<標準濃度印字試験>
常温常湿環境(20℃、65%RH)にて、複合機(TASKalfa5500i(京セラミタ株式会社製))によりベタ画像を印字して初期画像を得た。その後、常温常湿環境(20℃、65%RH)にて原稿濃度5%で1万枚連続印字した後に、ベタ画像を印字した。初期画像、及び1万枚印字後に印字されたベタ画像の画像濃度を、反射濃度計(RD914、グレタグマクベス社製)により測定した。評価結果より、初期画像の画像濃度(ID1)と、1万枚連続印字後の画像濃度(ID2)との画像濃度差(ID1−ID2)を算出した。画像濃度差0.2以上を「×」と判定し、画像濃度差0.1以上0.2未満を「△」と判定し、画像濃度差0.03以上0.1未満を「○」と判定し、画像濃度差0.03未満を「◎」と判定した。判定について、×以外を合格とした。
〔実施例2〕
結晶性樹脂微粒子aに変えて、結晶性樹脂微粒子bを用いることと、正帯電性無機微粒子の使用量を10質量部に変えることの他は、実施例1と同様にして、結晶性樹脂微粒子Bを得た。結晶性樹脂微粒子Aを、結晶性樹脂微粒子Bに変えることの他は、実施例1と同様にして、トナー母粒子、トナー、及び2成分現像剤を調製した。実施例2のトナーについて実施例1と同様に評価を行った。実施例2のトナーの評価結果を、表1、及び表2に記す。
〔実施例3〕
結晶性樹脂微粒子aに変えて、結晶性樹脂微粒子bを用いることと、正帯電性無機微粒子の使用量を5質量部に変えることの他は、実施例1と同様にして、結晶性樹脂微粒子Cを得た。結晶性樹脂微粒子Aを、結晶性樹脂微粒子Cに変えることの他は、実施例1と同様にして、トナー母粒子、トナー、及び2成分現像剤を調製した。実施例3のトナーについて実施例1と同様に評価を行った。実施例3のトナーの評価結果を、表1、及び表2に記す。
〔実施例4〕
結晶性樹脂微粒子aに変えて、結晶性樹脂微粒子cを用いることと、表1に記載の正帯電性無機微粒子(正帯電性シリカ、REA90(日本アエロジル株式会社製、20nm))80質量部を用いることの他は、実施例1と同様にして、結晶性樹脂微粒子Dを得た。結晶性樹脂微粒子Aを、結晶性樹脂微粒子Dに変えることの他は、実施例1と同様にして、トナー母粒子、トナー、及び2成分現像剤を調製した。実施例4のトナーについて実施例1と同様に評価を行った。実施例3のトナーの評価結果を、表1、及び表2に記す。
〔実施例5〕
結晶性樹脂微粒子aに変えて、結晶性樹脂微粒子cを用いることと、表1に記載の正帯電性無機微粒子(正帯電性シリカ、REA90(日本アエロジル株式会社製、20nm))100質量部を用いたことの他は、実施例1と同様にして、結晶性樹脂微粒子Eを得た。結晶性樹脂微粒子Aを、結晶性樹脂微粒子Eに変えることの他は、実施例1と同様にして、トナー母粒子、トナー、及び2成分現像剤を調製した。実施例5のトナーについて実施例1と同様に評価を行った。実施例3のトナーの評価結果を、表1、及び表2に記す。
〔比較例1〕
結晶性樹脂微粒子aをそのまま、結晶性樹枝微粒子Fとして用いた。結晶性樹脂微粒子Aを、結晶性樹脂微粒子Fに変えることの他は、実施例1と同様にして、トナー母粒子、トナー、及び2成分現像剤を調製した。比較例1のトナーについて実施例1と同様に評価を行った。比較例1のトナーの評価結果を、表1、及び表2に記す。
〔比較例2〕
正帯電性無機微粒子(正帯電性シリカ、REA200(日本アエロジル株式会社製、平均一次粒子径12nm))の使用量を4質量部に変えることの他は、実施例1と同様にして、結晶性樹脂微粒子Gを得た。結晶性樹脂微粒子Aを、結晶性樹脂微粒子Gに変えることの他は、実施例1と同様にして、トナー母粒子、トナー、及び2成分現像剤を調製した。比較例2のトナーについて実施例1と同様に評価を行った。実施例3のトナーの評価結果を、表1、及び表2に記す。
〔比較例3〕
正帯電性無機微粒子(正帯電性シリカ、REA200(日本アエロジル株式会社製、平均一次粒子径12nm))の使用量を110質量部に変えることの他は、実施例1と同様にして、結晶性樹脂微粒子Hを得た。結晶性樹脂微粒子Aを、結晶性樹脂微粒子Hに変えることの他は、実施例1と同様にして、トナー母粒子、トナー、及び2成分現像剤を調製した。比較例2のトナーについて実施例1と同様に評価を行った。比較例3のトナーの評価結果を、表1、及び表2に記す。
〔比較例4〕
結晶性樹脂微粒子Aの使用量を、トナー母粒子100質量部に対して0.05質量部に変えることの他は、実施例1と同様にして、トナー母粒子、トナー、及び2成分現像剤を調製した。比較例2のトナーについて実施例1と同様に評価を行った。比較例4のトナーの評価結果を、表1、及び表2に記す。なお、比較例4は、低濃度印字試験、及び標準濃度印字試験のいずれにおいても、初期画像で十分な画像濃度が得られなかったため、その後の連続印字試験は行わなかった。
〔比較例5〕
正帯電性無機微粒子(シリカ(正帯電なし)、RY200(日本アエロジル株式会社製、12nm))20質量部を用いることの他は、実施例1と同様にして、結晶性樹脂微粒子Jを得た。結晶性樹脂微粒子Aを、結晶性樹脂微粒子Jに変えることの他は、実施例1と同様にして、トナー母粒子、トナー、及び2成分現像剤を調製した。比較例5のトナーについて実施例1と同様に評価を行った。比較例5のトナーの評価結果を、表1、及び表2に記す。
Figure 2013083837
Figure 2013083837
実施例1〜5のトナーに使用された、結晶性樹脂微粒子は、未処理の結晶性樹脂微粒子100質量部に対して、5〜100質量部の正帯電性シリカがその表面に付着したものである。このため、実施例1〜5のトナーは、結晶性樹脂微粒子の負帯電性の影響が抑制され、低印字濃度での長期間の印字であっても、トナーでの結晶性樹脂微粒子によるスペーサー効果が損なわれず、所望の画像濃度を維持することができた。
比較例1、及び2のトナーは、正帯電性シリカの使用量が過少であり、低印字濃度で長期間印字する場合に、現像器内での結晶性樹脂微粒子の減少を抑制しにくい。このため、比較例1、及び2のトナーでは、徐々に、トナーでの結晶性樹脂微粒子によるスペーサー効果が損なわれ、所望の画像濃度を維持できなくなった。
比較例3のトナーは、正帯電性シリカの使用量が過多である。このため、トナーに含まれる遊離の正帯電性シリカの含有量が多く、トナー母粒子に正帯電性シリカが付着しやすい。この場合、トナーが過度に正帯電されやすくなり、印字期間が延びるとともに、形成画像の画像濃度が低下しやすくなった。
比較例4のトナーでは、トナー母粒子に対する、正帯電性シリカがその表面に付された結晶性樹脂微粒子の使用量が少ないため、結晶性樹脂微粒子による十分なスペーサー効果が得られず、低濃度印字試験、及び標準濃度印字試験のいずれにおいても、初期画像で十分な画像濃度が得られなかった。また、比較例5のトナーは、正帯電性のない無機微粒子を表面に付された結晶性樹脂微粒子を用いている。このため、低印字濃度で長期間印字する場合に、現像器内での結晶性樹脂微粒子の減少を抑制しにくい。このため、比較例5のトナーでは、徐々に、トナーでの結晶性樹脂微粒子によるスペーサー効果が損なわれ、所望の画像濃度を維持できなくなった。

Claims (4)

  1. 少なくとも結着樹脂、着色剤、及び電荷制御剤を含トナー母粒子の表面に、正帯電性の無機微粒子が表面に付された結晶性樹脂微粒子が付されており、
    前記無機微粒子の質量(X)と、前記結晶性樹脂微粒子の質量(Y)との質量比率((X)/(Y))が、5〜100%であり、
    前記トナー母粒子の質量(Z)に対する、前記無機微粒子の質量と前記結晶性樹脂微粒子の質量の合計((X)+(Y))の質量比率(((X)+(Y))/(Z))が、0.1〜2.0%である、正帯電性トナー。
  2. 前記正帯電性の無機微粒子が、正帯電性シリカである、請求項1記載の正帯電性トナー。
  3. 前記質量比率((X)/(Y))が、10〜80%である、請求項1又は2記載の正帯電性トナー。
  4. 前記質量比率(((X)+(Y))/(Z))が、0.5〜1.5%である、請求項1〜3のいずれか1項記載の正帯電性トナー。
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