JP2013083504A - スクリ−ニング方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プロアドレノメジュリンN−末端20ペプチド(PAMP:ProadrenomedullinN−terminal20peptide)及び/又はアドレノメジュリン2/インテルメジン(ADM2/IMD:Adrenomedullin2/Intermedin)結合受容体を介するシグナル伝達系への不活性化作用を指標とすることにより、優れた美白成分を精度よく、かつ簡便に選択することが出来る。さらにかかる成分を含有した組成物は、優れた色素沈着予防又は改善作用を発揮する。
【選択図】図1
Description
<1> プロアドレノメジュリンN−末端20ペプチド(PAMP:Proadrenomedullin N−terminal 20 peptide)及び/又はアドレノメジュリン2/インテルメジン(ADM2/IMD:Adrenomedullin2/Intermedin)結合受容体を介するシグナル伝達系への不活性化作用を指標とする、メラニン産生抑制剤のスクリ−ニング方法。
<2> 被験物質を細胞に添加することにより、前記被験物質のPAMP及び/又はADM2/IMD結合受容体を介するシグナル伝達系の不活性化作用を評価する、<1>に記載のメラニン産生抑制剤のスクリ−ニング方法であって、
前記被験物質添加前及び/又は添加後にPAMP及び/又はADM2/IMD結合受容体を介するシグナル伝達系の活性化因子を付与した場合、及び前記被験物質を添加せずにPAMP及び/又はADM2/IMD結合受容体を介するシグナル伝達系の活性化因子を付与した場合のメラニン産生量、チロシナ−ゼの酵素活性、チロシナ−ゼ遺伝子発現量、c−AMP産生量、PAMP及び/又はADM2/IMD結合受容体遺伝子発現、PAMP及び/又はADM2/IMD結合受容体蛋白質発現量、PAMP及び/又はIMD結合受容体親和性を比較し、前記PAMP及び/又はADM2/IMD結合受容体を介するシグナル伝達系の不活性化作用を評価する、メラニン産生抑制剤のスクリ−ニング方法。
<3> 前記PAMP及び/又はADM2/IMD 結合受容体を介するシグナル伝達系の活性化因子の付与が、PAMP添加、ADM2/IMD添加であることを特徴とする、<2>に記載のメラニン産生抑制剤のスクリ−ニング方法。
<4> 被験物質を細胞に添加することにより、前記被験物質のPAMP及び/又はADM2/IMD結合受容体を介するシグナル伝達への不活性化作用を評価する、<1>に記載のメラニン産生抑制剤のスクリ−ニング方法であって、
前記被験物質を添加した場合、及び前記被験物質を添加しない場合のPAMP及び/又はADM2/IMD結合受容体遺伝子発現、PAMP及び/又はADM2/IMD結合受容体蛋白質発現量又は結合受容体親和性を比較し、前記PAMP及び/又はADM2/IMD受容体結合を介するシグナル伝達系への不活性化作用を評価する、メラニン産生抑制剤のスクリ−ング方法。
<5> 前記PAMP及び/又はADM2/IMD結合受容体が、カルシトニン受容体様受容体(CRLR:Calcitonin receptor−modifying protein)と、受容体活性化調節蛋白1〜3(RAMP1〜3:Receptor activity−modifying protein1〜3)より形成される受容体、又は、MrgX2受容体である、<1>〜<4>の何れかに記載のメラニン産生抑制剤のスクリ−ニング方法。
<6> 前記PAMP及び/又はADM2/IMD結合受容体遺伝子発現量が、CRLR及び/又はRAMPmRNA、MrgX2mRNAの少なくとも1種以上である、<3>〜<5>の何れかに記載のメラニン産生抑制剤のスクリ−ニング方法。
<7> メラノサイト単独培養、又はケラチノサイト及びメラノサイトの共培養系を使用する、<1>〜<6>の何れかに記載のメラニン産生抑制剤のスクリ−ニング方法。
<8> <1>〜<7>の何れかに記載のメラニン産生抑制剤のスクリ−ニング方法により選択されたメラニン産生抑制剤を含有する、美白用組成物。
<9> 皮膚外用剤である、<8>に記載の美白用組成物。
<10> 化粧料(但し、医薬部外品を含む)である、<8>又は<9>に記載の美白用組成物。
<11> <1>〜<7>に記載のメラニン産生抑制剤のスクリ−ニング方法によりメラニン産生抑制作用を有すると判別された成分を含有させる、美白組成物の設計方法。
本発明のメラニン産生抑制剤のスクリ−ニング方法は、PAMP及び/又はADM2/IMDシグナル伝達系への不活性化作用を指標とするメラニン産生抑制剤のスクリ−ニング方法であることを特徴とする。PAMPは、アミノ酸プレプロホルモンのN末端領域より生合成される生理活性ペプチドである。一方、ADM2/IMDは、アミノ酸プレプロホルモンより生合成されるADMと同様のカルシトニン遺伝子関連ペプチドファミリ−に属しADM類似構造を有するアミノ酸である。PAMP及びAMD2/IMDにより発現する生理活性に関しては様々な研究がなされているが、解明されていない部分も多い。PAMP及びADM2/IMDが結合親和性を示す受容体としては、主に、カルシトニン受容体様受容体(CRLR)及び受容体活性化調節蛋白(RAMP1〜3)により形成される複合体受容体が知られている。PAMP及びADM2/IMDは、前記のCRLR及びRAMP1〜3により形成される3種類の受容体に対し親和性を示すことが明らかにされているが、特に、CRLR及びRAMP1より形成される複合体受容体に対し高い受容体親和性を示す。また、PAMPが高い結合親和性を示す受容体としては、MrgX2受容体の存在も報告されている。
以下に説明するスクリ−ニング方法は、本発明の内、特に、PAMP及び/又はADM2/IMDシグナル伝達によるメラニン産生機構を活性化した細胞に被験物質を添加し、細胞のメラニン産生量を測定することを特徴とするスクリ−ニング方法である。PAMP及び/又はADM2/IMDシグナル伝達系を活性化することにより、細胞のメラニン産生量は増加する(図1及び図2)。従って、PAMP及び/又はAMD2/IMDシグナル伝達系を活性化する条件を意図的に設定し(なるべくメラニン産生に影響するその他の因子を排除する)、その条件下における被験物質のメラニン産生に与える影響(メラニン産生抑制作用)を観測することで、実質上被験物質のPAMP及び/又はADM2/IMD結合受容体を介するシグナル伝達系への不活性化作用を評価することにもなる。即ち、本スクリ−ニング方法は、PAMP及び/又はADM2/IMDシグナル伝達系の活性化因子を付与する工程、及びメラニン産生量を測定する工程を含むことが重要となる。
(i)評価に使用する細胞に、PAMP及び/又はADM2/IMDシグナル伝達系の活性化因子を付与する
(ii)被験物質を添加する(比較対照として被験物質を添加せずにPAMP及び/又はADM2/IMDシグナル伝達系の活性化因子を付与した細胞も用意する)
(iii)被験物質の添加及び非添加の場合のメラニン産生量を測定する
(iv)測定したメラニン産生量を比較して、被験物質のPAMP及び/又はADM2/IMDシグナル伝達系の不活性化作用を評価する
(v)測定したメラニン産生量、又は評価したメラニン産生抑制作用を、予め設定した基準に基づいて判定し、被験物質を判別する
また、メラニン産生抑制作用を算出するために用いる測定値も1種類に限定されず、メラニン産生量との関係性が明らかにされている複数種類の値を測定し、任意の処理方法によって算出してもよい。
以下に説明するスクリ−ニング方法は、本発明のメラニン産生抑制剤のスクリ−ニング方法の内、特にメラノサイト等のPAMP及び/又はADM2/IMDシグナル伝達系を有する細胞に被験物質を添加し、PAMP及び/又はADM2/IMD結合受容体遺伝子発現量、PAMP及び/又はADM2/IMD結合受容体蛋白質発現量、PAMP及び/又はADM2/IMD結合受容体結合親和性などのPAMP及び/又はADM2/IMDシグナル伝達系の不活性化作用を測定することを特徴とするスクリ−ニング方法である。
(i)評価に使用する細胞(PAMP及び/又はADM2/IMDシグナル伝達系を活性化した状態又は活性化していない状態のいずれでもよい)に、被験物質を添加する(比較対照として被験物質を添加していない細胞も用意する)
(ii)被験物質の添加及び非添加の場合のPAMP及び/又はADM2/IMD結合受容体遺伝子発現量、PAMP及び/又はADM2/IMD結合受容体蛋白質発現量、PAMP及び/又はADM2/IMD結合受容体結合親和性を測定する
(iii)測定したPAMP及び/又はADM2/IMD結合受容体遺伝子発現量、PAMP及び/又はADM2/IMD結合受容体蛋白質発現量、PAMP及び/又はADM2/IMD結合受容体結合親和性を比較し、被験物質のPAMP及び/又はADM2/IMDシグナル伝達系の不活性化作用を評価する
(iv)評価したメラニン産生抑制作用を、予め設定した基準に基づいて判定し、被験物質を判別する
また、PAMP及びADM2/IMD結合受容体結合親和性は、例えば、非特許文献1に記載の方法に従って測定することが出来る。
また、PAMP及び/又はADM2/IMDシグナル伝達系の不活性化作用を評価するために用いるPAMP及び/又はADM2/IMD 結合受容体遺伝子発現量、PAMP及び/又はADM2/IMD 結合受容体蛋白質発現量、PAMP及び/又はADM2/IMD 結合受容体結合親和性も1種に限定されず、複数種類測定して、任意の処理方法によりPAMP及び/又はADM2/IMDシグナル伝達系の不活性化作用を算出してもよい。さらに、上記(ii)の工程において測定されたPAMP及び/又はADM2/IMD 結合受容体遺伝子発現量、PAMP及び/又はADM2/IMD 結合受容体蛋白質発現量を直接用い、スクリ−ニングを行ってもよく、上記(iii)の工程を必要としないものでもよい。
以下に説明するスクリ−ニング方法は、本発明の内、特にメラノサイト等の細胞に被験物質を添加し、PAMP及び/又はADM2/IMDシグナル伝達系の不活性化の指標となるc−AMPなどの細胞内情報伝達物質量変化を測定することを特徴とするメラニン産生抑制剤のスクリ−ニング方法である。PAMP及び/又はADM2/IMD結合受容体は、G−蛋白質共役型受容体に分類されるため、その活性化度合い(不活性化度合い)をc−AMP等の二次情報伝達物質産生量により把握することが出来る。c−AMP産生量は、PAMP及び/又はADM2/IMD結合受容体以外の受容体にも影響されるため、PAMP及び/又はADM2/IMD結合受容体を介するシグナル伝達系の活性化に係るc−AMP産生を特異的に観測できる条件を設定することが必要である。即ち、本スクリ−ニング方法は、PAMP及び/又はADM2/IMDシグナル伝達系の活性化因子を付与する工程、及びc−AMPを測定する工程を含むことが重要となる。
(i)評価に使用する細胞に、PAMP及び/又はADM2/IMDシグナル伝達系の活性化因子を付与する
(ii)被験物質を添加する(比較対照として被験物質を添加せずPAMP及び/又はADM2/IMDシグナル伝達系の活性化因子を付与した細胞も用意する)
(iii)被験物質の添加及び非添加の場合のc−AMP産生量を測定する
(iv)測定したc−AMP産生量を比較して、被験物質のPAMP及び/又はADM2/IMD結合受容体を介するシグナル伝達系の不活性化作用を評価する
(v)測定したc−AMP産生量、又は評価したc−AMP産生抑制作用を、予め設定した基準に基づいて判定し、被験物質を判別する
以下の手順に従い、PAMP、ADM2/IMD添加によるメラノサイトの産生量及び細胞数への影響を検討した。48穴プレ−トに正常ヒトメラノサイト(NHEM)(倉敷紡績株式会社)1.5×104(cells/well)の密度で播種し、播種24時間後、合成PAMP(ペプチド研究所、4292-v)および、ADM2/IMD(ペプチド研究所、4421-s)を2(μM)になる様に添加し、さらに0.25(μCi/well)の[14C]−2−Thiouracilを添加した。CO2インキュベ−タ−にて72時間培養後、Cell Counting Kit−8(株式会社 同仁研究所)を用い、細胞数を測定後、液体シンチレ−ションカウンタ−(アロカ株式会社)により[14C]−2−Thiouracilの取り込みを測定した。結果を図1及び図2に示す。図1及び図2において、縦軸は、メラニン産生量又は細胞数を表す。また、メラニン産生量又は細胞数は、PAMP、ADM2/IMD非添加群におけるメラニン産生量又は細胞数を100%とした場合の百分率で表示した。
以下の手順に従い、PAMP、ADM2/IMD添加によるメラノサイトのRAMP1、 RAMP3、CRLR遺伝子発現量への影響を検討した。48穴プレ−トに、正常ヒトメラノサイト(NHEM)(倉敷紡績株式会社)1.5×104(cells/well)の密度で播種し、播種24時間後、合成PAMP(ペプチド研究所、4278−s)およびADM2/IMD(ペプチド研究所、4421-s)を2(μM)となる様に添加し、CO2インキュベ−タ−にて24時間培養し、Buffer RLT(QIAGEN社)により細胞を溶解し回収した。細胞回収後、RNeasy Mini Kit(QIAGEN社)を用いmRNAを抽出し、SuperScript VILO cDNA synthesis Kit(Invitrogen社)を用いcDNA(プライマ−配列は、非公開)を合成し、QuantiTect Primer Assay(QIAGEN社)を用い、リアルタイムPCR法によりmRNA発現量を測定した。各遺伝子のmRNA発現量は、TBP(内在性コントロ−ル、プライマ−配列は、配列表1に記載)のmRNA発現量を測定し、TBPのmRNA発現量との比率で算出した。結果を図3及び図4に示す。図3及び図4において、縦軸は、RAMP1, RAMP3, CRLRのmRNA発現量を表す。また、各発現量は、PAMP, ADM2/IMD非添加群における発現量を100%とした場合の百分率で表示した。
以下の手順に従い、ケラチノサイト及びメラノサイト共培養系における紫外線照射によるメラニン産生量変化を調べた。更に、ケラチノサイト及びメラノサイト共培養系における紫外線照射により増加したメラニン産生量に対するADM2/IMD産生遺伝子発現を特異的に阻害するsi−RNA添加の影響を調べた。
1)48穴プレ−トに、正常ヒトケラチノサイト(NHEK)(倉敷紡績株式会社)を、7.0×104(cells/well)の密度で、また、正常ヒトメラノサイト(NHEM)(倉敷紡績株式会社)を2.6×104(cells/well)の密度でHumedia−KG2培地(倉敷紡績株式会社)を用いて播種し、24時間培養した(UV非照射群)。
2)si−RNA溶液を、Hs_ADM2_7 FlexiTube siRNA(QIAGEN社)si−RNA溶液添加24時間、48時間後に東芝FL20S・E-30/DMRランプで65mJ/cm2の紫外線(UV−B)を照射した(UV照射+si-RNA添加群)。その後14C-thiouracilを0.25μCi/well添加した。
3)比較対照群として、紫外線照射を行い、si−RNAを添加しない群(UV照射群)を設定した。
4)さらに48時間培養後Cell Counting Kit-8(株式会社 同仁化学研究所)を用い、細胞数を測定後、液体シンチレ−ションカウンタ−(アロカ株式会社)により14Cの取り込みを測定した。メラニン量は、UV照射群から回収した細胞の放射線量を100%とした場合の、UV非照射群又はUV照射+si−RNA添加群から回収した細胞の放射線量の百分率として算出した。即ち、各細胞内に取り込まれた放射線量が小さい程、メラニン量が小さいと判断することが出来る。結果を図5に示す。
上述した本発明のメラニン産生抑制剤のスクリ−ニング方法によって、メラニン産生抑制効果に優れるメラニン産生抑制剤を選択することが明らかであるが、本スクリ−ニング方法により選択されたメラニン産生抑制剤を用い調製された美白用組成物、及び本スクリ−ニング方法を利用して美白用組成物を設計する方法も本発明である。本発明の美白用組成物及び美白用組成物の設計方法は、上述したスクリ−ニング方法によって選択されたメラニン産生抑制剤を用いるものであれば、その他の構成については特に限定されず、公知の調製方法を適宜用いることが出来る。
以下の手順に従い、メラニン産生抑制剤のスクリ−ニング操作を行った。48穴プレ−トに正常ヒトメラノサイト(NHEM)(倉敷紡績株式会社)1.5×104(cells/well)の密度で播種し、播種24時間後、合成PAMP、ADM2/IMD(ペプチド研究所)を最終濃度2μMになる様に添加し、さらに被験物質を培地中に最終濃度1%となる様に添加した。さらに0.25(μCi/well)の[14C]−2−Thiouracilを添加した。CO2インキュベ−タ−にて72時間培養後、Cell Counting Kit−8(株式会社 同仁研究所)を用い、細胞数を測定後、液体シンチレ−ションカウンタ−(アロカ株式会社)により[14C]−2−Thiouracilの取り込みを測定した。メラニンが合成された場合、Thiouraciが取り込まれ、放射活性が増加するため、放射活性の測定で合成されたメラニン量の比較が可能となる。尚、比較対照のために、PAMP又はADM2/IMD非添加群、被験物質非添加群でも同様な処理を行い、1)PAMP又はADM2/IMD(+)被験物質(−)群、2)PAMP又はADM2/IMD(+)被験物質(+)群、3)PAMP又はADM2/IMD(−)被験物質(+)群、4)PAMP又はADM2/IMD(−)被験物質(−)群のメラニン産生量を検出した。これらの各群のメラニン産生量デ−タを用い、以下の[数4]の計算式を用いて、被験物質のメラニン産生抑制作用を算出した。
以下の手順に従い、メラニン産生抑制剤のスクリ−ニング操作を行った。尚、本スクリ−ニング法に使用した被験物質は、モクセイ科オリ−ブ属オリ−ブより得られる植物抽出物およびシソ科ハナハッカ属マジョラムより得られる植物抽出物であり、丸善製薬株式会社より購入した市販の植物抽出物である。
48穴プレ−トに正常ヒトメラノサイト(NHEM)(倉敷紡績株式会社)1.5×104(cells/well)の密度で播種し、播種24時間後、PAMP(ペプチド研究所、4278−s)およびADM2/IMD(ペプチド研究所、4421-s))を最終濃度2μMとなる様添加、被験物質を培地中に最終濃度1%となる様に添加しCO2インキュベ−タ−にて24時間培養し、Buffer RLT(QIAGEN社)により細胞を溶解し回収した。細胞回収後、RNeasy Mini Kit(QIAGEN社)を用いmRNAを抽出し、SuperScript VILO cDNA synthesis Kit(Invitrogen社)を用いcDNA(プライマ−配列は、非公開)を合成し、QuantiTect Primer Assay(QIAGEN社)を用い、リアルタイムPCR法によりRAMP1mRNA発現量を測定した。また、ADM結合受容体を介する作用を有さない美白剤のアルブチン10μg/mL(シグマ株式会社)について、同様の操作によりRAMP1mRNA発現量を測定した。RAMP1mRNA発現量は、TBP(内在性コントロ−ル、プライマ−配列は、配列表1に記載)のmRNA発現量を測定し、TBPのmRNA発現量との比率で算出した。結果を図6及び図7に示す。図6及び図7において、縦軸はRAMP1mRNA発現量を表す。また、各々サンプルのRAMP1mRNA発現量は、ADM及び被験物質非添加群のRAMP1mRNA発現量を100%とした場合の百分率で表示した。
以下の手順に従い、本発明のメラニン産生抑制剤のスクリ−ニング方法により選択されたメラニン産生抑制剤を含有する美白用組成物(皮膚外用剤)を作製した。即ち、表1及び表2の処方成分(A)に記載の各成分を合わせ、室温下に溶解した。一方、処方成分(B)に記載された各成分を室温下に溶解し、これを前記(A)に記載された成分の混合物を加え可溶化し、本発明の美白用組成物(皮膚外用剤1及び2)を得た。また、本発明のメラニン産生抑制剤を水に置換した比較例1を作製した。
表4及び表5に示す処方に従い、健康食品1を作製した。即ち、処方成分を10重量部の水と共に転動相造粒(不二パウダル株式会社製「ニュ−マルメライザ−」)し、打錠して錠剤状の健康食品を得た。尚、表中の数値の単位は、重量部を表す。本健康食品は、優れた色素沈着予防又は改善効果を示していた。
Claims (11)
- プロアドレノメジュリンN−末端20ペプチド(PAMP:Proadrenomedullin N−terminal 20 peptide)及び/又はアドレノメジュリン2/インテルメジン(ADM2/IMD:Adrenomedullin2/Intermedin)結合受容体を介するシグナル伝達系への不活性化作用を指標とする、メラニン産生抑制剤のスクリ−ニング方法。
- 被験物質を細胞に添加することにより、前記被験物質のPAMP及び/又はADM2/IMD結合受容体を介するシグナル伝達系の不活性化作用を評価する、請求項1に記載のメラニン産生抑制剤のスクリ−ニング方法であって、
前記被験物質添加前及び/又は添加後にPAMP及び/又はADM2/IMD結合受容体を介するシグナル伝達系の活性化因子を付与した場合、及び前記被験物質を添加せずにPAMP及び/又はADM2/IMD結合受容体を介するシグナル伝達系の活性化因子を付与した場合のメラニン産生量、チロシナ−ゼの酵素活性、チロシナ−ゼ遺伝子発現量、c−AMP産生量、PAMP及び/又はADM2/IMD結合受容体遺伝子発現、PAMP及び/又はADM2/IMD結合受容体蛋白質発現量、PAMP及び/又はIMD結合受容体親和性を比較し、前記PAMP及び/又はADM2/IMD結合受容体を介するシグナル伝達系の不活性化作用を評価する、メラニン産生抑制剤のスクリ−ニング方法。 - 前記PAMP及び/又はADM2/IMD 結合受容体を介するシグナル伝達系の活性化因子の付与が、PAMP添加、ADM2/IMD添加であることを特徴とする、請求項2に記載のメラニン産生抑制剤のスクリ−ニング方法。
- 被験物質を細胞に添加することにより、前記被験物質のPAMP及び/又はADM2/IMD結合受容体を介するシグナル伝達への不活性化作用を評価する、請求項1に記載のメラニン産生抑制剤のスクリ−ニング方法であって、
前記被験物質を添加した場合、及び前記被験物質を添加しない場合のPAMP及び/又はADM2/IMD結合受容体遺伝子発現、PAMP及び/又はADM2/IMD結合受容体蛋白質発現量又は結合受容体親和性を比較し、前記PAMP及び/又はADM2/IMD受容体結合を介するシグナル伝達系への不活性化作用を評価する、メラニン産生抑制剤のスクリ−ング方法。 - 前記PAMP及び/又はADM2/IMD結合受容体が、カルシトニン受容体様受容体(CRLR:Calcitonin receptor−modifying protein)と、受容体活性化調節蛋白1〜3(RAMP1〜3:Receptor activity−modifying protein1〜3)より形成される受容体、又は、MrgX2受容体であることを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載のメラニン産生抑制剤のスクリ−ニング方法。
- 前記PAMP及び/又はADM2/IMD結合受容体遺伝子発現量が、CRLR及び/又はRAMPmRNA、MrgX2mRNAの少なくとも1種以上である、請求項3〜5の何れか1項に記載のメラニン産生抑制剤のスクリ−ニング方法。
- メラノサイト単独培養、又はケラチノサイト及びメラノサイトの共培養系を使用する、請求項1〜6の何れか1項に記載のメラニン産生抑制剤のスクリ−ニング方法。
- 請求項1〜7の何れかに記載のメラニン産生抑制剤のスクリ−ニング方法により選択されたメラニン産生抑制剤を含有する、美白用組成物。
- 皮膚外用剤である、請求項8に記載の美白用組成物。
- 化粧料(但し、医薬部外品を含む)である、請求項8又は9に記載の美白用組成物。
- 請求項1〜7に記載のメラニン産生抑制剤のスクリ−ニング方法によりメラニン産生抑制作用を有すると判別された成分を含有させる、美白組成物の設計方法。
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