JP2013082280A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】ベルトを構成するスチールコードとコーティングゴムの長期接着性に優れた耐久性の高い空気入りタイヤ。
【解決手段】カーカスと、該カーカスのタイヤ半径方向外側に配設したベルトとを備え、該ベルトがコーティングゴムで被覆したスチールコードの層からなる空気入りタイヤにおいて、該ベルトのタイヤ半径方向外側に、25℃、相対湿度50%において、5質量%以上の吸湿量となる吸着剤をゴム成分100質量部に対して、1〜30部配合したゴム組成物からなるゴム部材を配置したことを特徴とする空気入りタイヤで、吸着剤は低結晶性層状粘土鉱物と非晶質物質アルミニウムケイ酸塩複合体からなる吸着剤等である。
【選択図】図1
【解決手段】カーカスと、該カーカスのタイヤ半径方向外側に配設したベルトとを備え、該ベルトがコーティングゴムで被覆したスチールコードの層からなる空気入りタイヤにおいて、該ベルトのタイヤ半径方向外側に、25℃、相対湿度50%において、5質量%以上の吸湿量となる吸着剤をゴム成分100質量部に対して、1〜30部配合したゴム組成物からなるゴム部材を配置したことを特徴とする空気入りタイヤで、吸着剤は低結晶性層状粘土鉱物と非晶質物質アルミニウムケイ酸塩複合体からなる吸着剤等である。
【選択図】図1
Description
本発明は、スチールコードで補強したベルトを備える空気入りタイヤに関する。さらに詳しくは、スチールコードと該コードを被覆するゴムとの接着耐久性を長期間保持し、ベルトの耐久性を向上させた空気入りタイヤに関するものである。
近年、自動車の足廻りを支えるタイヤに限らず、ベルト、ホース等のゴム製品には金属製の補強材が必要に応じて使用されている。タイヤでは、カーカス及びベルトの少なくとも一方の補強材料としてスチールコードを用いたスチールコード補強タイヤが、広く用いられるようになってきた。スチールコード補強タイヤにおいては、スチールコードと該コードを被覆するゴムとの接着性を確保することが重要であり、この接着層が破壊されれば致命的なタイヤ故障の原因となるので、スチールコードとゴムとの接着性を向上せたゴム組成物が提案されている(特許文献1及び2)。また、ゴムとの接着性を高め、その補強効果を高めるため、スチールコードには黄銅、亜鉛等でメッキを施し、ゴム組成物には接着促進剤として有機酸のコバルト塩等を配合することが行われている。
しかしながら、この有機酸のコバルト塩を多量に用いる場合には、加硫直後の接着性、すなわち初期接着性には優れるものの、ゴムの熱劣化とそれによる水の生成が促進され、あるいは外部から侵入した水分によって接着層が劣化し、耐劣化接着性に劣るという不都合があった。最近では、加硫中に、スチールコード上の黄銅メッキとゴム層間に接着層を形成させるには適度の水分を必要とすることがわかり、例えば接着促進剤としてコバルト塩を除く特定の有機酸金属塩と含水無機塩とを含有させたスチールコード接着用ゴム組成物が提案されている(特許文献3)。
しかしながら、この有機酸のコバルト塩を多量に用いる場合には、加硫直後の接着性、すなわち初期接着性には優れるものの、ゴムの熱劣化とそれによる水の生成が促進され、あるいは外部から侵入した水分によって接着層が劣化し、耐劣化接着性に劣るという不都合があった。最近では、加硫中に、スチールコード上の黄銅メッキとゴム層間に接着層を形成させるには適度の水分を必要とすることがわかり、例えば接着促進剤としてコバルト塩を除く特定の有機酸金属塩と含水無機塩とを含有させたスチールコード接着用ゴム組成物が提案されている(特許文献3)。
また、トレッドのタイヤ径方向内側に配置したトレッドアンダークッションゴムや、キャップ・ベース構造のトレッドにおけるベースゴムに、多孔質無機充填剤や扁平クレーを配合してなるゴム組成物を適用し、該多孔質無機充填剤が水分を吸着することにより、ベルト層への水分の浸入を防ぐ技術が知られている(特許文献4及び5)。しかしながら、多孔質無機充填剤の吸湿能力には限界があり、限界まで吸湿した場合、更にベルト層への水分の浸入を防ぐことはできず、さらなる水分侵入の抑制が必要である。
さらに、トレッドには制動性、操縦安定性、騒音性、乗り心地性、燃費性等を考慮したゴム組成物を用いる必要があるため、トレッドの組成を変更するには一定の制限がある。
本発明は、上記のような状況下で、タイヤ外部からのベルト層への水分の侵入を抑制して、スチールコードと該コードを被覆するゴムとの接着耐久性を長期間保持し、ベルト層の湿熱耐久性を向上させた空気入りタイヤを提供することを目的とするものである。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、スチールコードと該コードを被覆するコーティングゴムで構成した少なくとも2枚のベルト層からなるベルトを備えた空気入りタイヤにおいて、ベルトのタイヤ半径方向外側に配置するゴム部材に水蒸気透過度の低いゴム組成物を用いることで、ベルト層の湿熱耐久性を向上させ得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の空気入りタイヤは、ベルトのタイヤ半径方向外側に配置するゴム部材に、補強用充填剤として25℃相対湿度50%での吸着量が5質量%以上の吸着剤(高吸湿性充填剤)をゴム成分100質量部に対して1〜30質量部含有するゴム組成物を用いたことを特徴とする。
本発明の空気入りタイヤの好適例においては、前記ゴム部材がトレッドアンダークッションゴム及びキャップ・ベース構造のトレッドにおけるベースゴムの少なくとも一方である。
本発明によれば、ベルトのタイヤ半径方向外側に配置するゴム部材に、ゴム成分に高吸湿性充填剤を配合してなる水蒸気透過度の低いゴム組成物を用いることにより、トレッド表面からの水分の透過を抑制し、ベルト層の湿熱耐久性を向上させた空気入りタイヤが得られる。
上記タイヤは、輸送・保管時に高温・高湿度の劣悪な環境下に長期間置かれても、ベルト層の耐久性が充分高いため、輸送・保管時の温度・湿度を調整する特別な設備を要しない。また、近年、車外にスペアタイヤを取り付けることが増加しているが、本発明のタイヤをスペアタイヤとすることにより、屋外で長期間保管した後のスペアタイヤの耐久性を新品に近い状態に維持することができる。
上記タイヤは、輸送・保管時に高温・高湿度の劣悪な環境下に長期間置かれても、ベルト層の耐久性が充分高いため、輸送・保管時の温度・湿度を調整する特別な設備を要しない。また、近年、車外にスペアタイヤを取り付けることが増加しているが、本発明のタイヤをスペアタイヤとすることにより、屋外で長期間保管した後のスペアタイヤの耐久性を新品に近い状態に維持することができる。
本発明は、一枚以上のカーカスプライからなるカーカスと、該カーカスのタイヤ半径方向外側にスチールコードと該コードを被覆するコーティングゴムで構成した少なくとも2枚以上のベルト層からなるベルトとを備え、該ベルトのタイヤ半径方向外側に配置するゴム部材に、25℃相対湿度50%での吸着量が5質量%以上の吸着剤(高吸湿性充填剤)を配合したゴム組成物を用いることを特徴とする。ここで、ベルトのタイヤ半径方向外側に配置するゴム部材としては、トレッドアンダークッションゴム及びキャップ・ベース構造のトレッドにおけるベースゴム等が挙げられる。
上記高吸着性充填剤を配合してなるゴム組成物は、高吸着性充填剤が水分の透過を阻害するため、水蒸気透過度が低い。従来、長期間放置、特に高温高湿度環境下での長期放置の間に、トレッド表面から透過してくる水分によって、ベルト層を構成するコーティングゴム中の水分率が増加し、スチールコードとコーティングゴムとの接着力が低下し、特にトレッドの溝底部では、該溝底部からベルトまでの距離が短いため問題であった。これに対し、本発明のタイヤにおいては、高吸着性充填剤を配合してなる水蒸気透過度の低いゴム組成物を用いたゴム部材が、ベルトのタイヤ半径方向外側に配置されているため、トレッド表面からの水分の透過を抑制して、スチールコードとコーティングゴムとの接着力が低下するのを防止し、ベルトの耐久性を向上させることができる。
上記ゴム部材用ゴム組成物に用いる高吸着性充填剤は、25℃、相対湿度50%において、5質量%以上、好ましくは10質量%以上の吸着量となる吸着剤である。使用できる吸着剤は、25℃、相対湿度50%において、5質量%以上の吸着量を有するものであればよく、特に制限はないが、例えば、天然イモゴライト、合成チューブ状アルミニウムケイ酸塩および近年開発された低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウムケイ酸塩複合体などを好ましく挙げることができる。これらは単独でもよく、2種以上組合せて用いてもよい。
これらの吸着剤を上記ゴム部材用ゴム組成物の充填剤として使用すると水蒸気透過度の低く、ゴムとスチールコードとの接着力の低下を防止に優れたゴム組成物が得られ、ベルトの耐久性を向上させる。
これらの吸着剤を上記ゴム部材用ゴム組成物の充填剤として使用すると水蒸気透過度の低く、ゴムとスチールコードとの接着力の低下を防止に優れたゴム組成物が得られ、ベルトの耐久性を向上させる。
合成チューブ状アルミニウムケイ酸塩は、無機ケイ素化合物溶液と無機アルミニウム溶液を所定のケイ素/アルミニウム比率になるよう混合した溶液中でシリカ・アルミナ系前駆体を形成した後、共存イオンを取り除いて、加熱熟成後生成、析出する固形分を回収、洗浄して得られるチューブ状アルミニウムケイ酸塩で、例えば特開2001−64010に製造方法が開示されている。
また、天然のチューブ状アルミニウムケイ酸塩であるイモゴライトも使用でき、市販のものを使用することができる。
また、天然のチューブ状アルミニウムケイ酸塩であるイモゴライトも使用でき、市販のものを使用することができる。
次に、低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウムケイ酸塩複合体の非晶質アルミニウムケイ酸塩は水和ケイ酸アルミニウムであり、低結晶性層状粘土鉱物は、水酸化アルミニウムからなる単層または数層程度のギブサイトあるいは層方向の積層をほとんど示さない低結晶性の層状粘土鉱物である。この複合体は、無機ケイ素化合物溶液と無機アルミニウム溶液を所定のケイ素/アルミニウム比率になるよう混合し、pH調整したあと脱塩処理したものを10℃以上で加熱することにより得られ、相対湿度60%で45質量%以上の水蒸気を吸着する性能を有する高吸着性物質で、例えばWO2009/084632に開示されている。
このような高吸湿性充填剤は、その吸湿性や吸水性により多少水分を含んでいるため、加硫時にこの水分が放出されて、スチールコードとゴム相との間の接着層の形成に有効に作用し、初期接着性を向上させる。また、水分が放出された高吸湿性充填剤は、水分の透過を阻止するので、これを配合したゴム組成物を用いたゴム部材をベルトのタイヤ半径方向外側に配置されたタイヤでは、ベルト層の水分による接着層の破壊が抑制され、ベルトの接着耐久性が向上する。
これらの高吸湿性充填剤の配合量は、ゴム成分100質部に対して、1〜30質量部であり、好ましくは、ゴム成分100質量部に対して、5〜20質量部である。充填剤の配合量が1部未満では接着性向上効果が得られず、30部以上では未加硫ゴムの粘度が高くなり、ベースゴムの精錬作業性が悪くなる。
上記ベルトのタイヤ半径方向外側に配置するゴム部材用ゴム組成物のゴム成分としては、特に制限はないが、天然ゴム(NR)やジエン系合成ゴムが挙げられる。ここで、該ジエン系合成ゴムとしては、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチル系ゴム等が挙げられる。なお、ブチル系ゴムとしては、ブチルゴム(IIR)の他、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム等のハロゲン化ブチルゴムがある。これらゴム成分は単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ゴム成分は、ブチル系ゴムを10質量%以上含むのが好ましく、10〜50質量%含むのが更に好ましい。ゴム成分中のブチル系ゴムの含有量が10質量%未満では、上記ゴム部材が水分の透過を抑制する効果が小さく、50質量%を超えると、隣接するゴム、例えば、ベルトのコーティングゴムやキャップ・ベース構造のトレッドにおけるキャップゴム等との接着力が不足し、剥離等が起こり得る。
一方、ベルト層は、スチールコードとコーティングゴムとからなり、特に制限はなく、従来スチールコード補強タイヤのベルト層に慣用されているものを用いることができる。 コーティングゴム用ゴム組成物のゴム成分としては、天然ゴムや合成ゴムが挙げられ、合成ゴムとしては、例えばポリブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、好ましくは臭素化ブチルゴム、パラメチルスチレン基を有するブチルゴム(具体的にはイソブチレンとp−ハロゲン化メチルスチレンとの共重合体等)、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)等が挙げられる。該ゴム成分は、一種単独で用いても、二種以上を組み合わせて用いてもよいが、スチールコードとの接着性及びコーティングゴムの破壊特性の観点から、天然ゴム及び/又はイソプレンゴムを50質量%以上含有するのが好ましい。
さらに、上記コーティングゴム用ゴム組成物には、従来スチールコードのコーティングゴム用ゴム組成物において慣用されている各種接着促進剤を適宜配合することができる。 接着促進剤としては、有機酸の金属塩、RHS系(レゾルシノール−ヘキサメトキシメチルメラミン/シリカ)等が挙げられ、このなかでも、有機酸金属塩が好ましく、有機酸のコバルト塩が特に好ましい。有機酸としては、飽和、不飽和、あるいは直鎖状、分岐状の何れでもよく、具体的には、ネオデカン酸、ステアリン酸、ナフテン酸、ロジン、トール油酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。
また、本発明のタイヤに使用するゴム部材用ゴム組成物及びコーティング用ゴム組成物には、前記各成分以外に、ゴム業界で通常使用される配合剤を通常の配合量で適宜配合することができる。具体的には、カーボンブラック等の充填剤、アロマオイル等の軟化剤、加硫剤、ジフェニルグアニジン等のグアニジン類、メルカプトベンゾチアゾール等のチアゾール類、N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等のスルフェンアミド類、テトラメチルチウラムジスルフィド等のチウラム類などの加硫促進剤、酸化亜鉛等の加硫促進助剤、ポリ(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン)、フェニル−α−ナフチルアミン等のアミン類などの老化防止剤、スコーチ防止剤、ステアリン酸等である。
ベルト層を構成するスチールコードとしては、コーティングゴムとの接着性を良好にするために、黄銅,亜鉛、あるいはこれにニッケルやコバルトを含有する合金でメッキ処理されているものが好ましく、黄銅メッキ処理が施されているものが特に好ましい。黄銅メッキ中のCu含有率は、良好で安定な接着性を実現する観点から、75質量%以下が好ましく、55〜70質量%が更に好ましい。なお、スチールコードの撚り構造については特に制限はない。
次に、本発明のタイヤの実施態様を図面に基づき説明する。図1は、本発明の空気入りタイヤの一実施態様を示す断面図である。
図1に示すタイヤは、左右一対の一対のビード部1及び一対のサイドウォール部2と、両サイドウォール部2に連なるトレッド部3とを有し、前記一対のビード部1内に埋設したビードコア4間にトロイド状に延在して、これら各部1、2、3を補強するラジアルカーカス5と、該カーカス5のタイヤ半径方向外側に配置された少なくとも2枚のベルト層からなるベルト6とを具える。図示例のトレッド部3は、タイヤ半径方向最外側に位置するキャップゴム7と、その半径方向内側のベースゴム8と、該ベースゴム8の半径方向内側のトレッドアンダークッションゴム9とを有する。本発明のタイヤは、キャップゴム7とベースゴム8とが単一層を形成していてもよく、トレッドアンダークッションゴム9が省略されていてもよい。
図1に示すタイヤは、左右一対の一対のビード部1及び一対のサイドウォール部2と、両サイドウォール部2に連なるトレッド部3とを有し、前記一対のビード部1内に埋設したビードコア4間にトロイド状に延在して、これら各部1、2、3を補強するラジアルカーカス5と、該カーカス5のタイヤ半径方向外側に配置された少なくとも2枚のベルト層からなるベルト6とを具える。図示例のトレッド部3は、タイヤ半径方向最外側に位置するキャップゴム7と、その半径方向内側のベースゴム8と、該ベースゴム8の半径方向内側のトレッドアンダークッションゴム9とを有する。本発明のタイヤは、キャップゴム7とベースゴム8とが単一層を形成していてもよく、トレッドアンダークッションゴム9が省略されていてもよい。
本発明のタイヤにおいては、上記ベースゴム8及びトレッドアンダークッションゴム9の少なくとも一方に、上述したゴム成分に高吸湿性充填剤を配合してなる水蒸気透過度の低いゴム組成物を用いるのが好ましく、これにより、トレッド表面からの水分の透過を抑制して、ベルトを構成するスチールコードとコーティングゴムとの接着力が低下するのを防止する。
本発明のタイヤのベルトのタイヤ半径方向外側に配置するゴム部材用ゴム組成物の製造方法は、特に限定されず、通常行なわれる方法により、高吸湿性充填剤を単独でゴム成分に添加し、他の配合成分と共にバンバリーミキサー、ロール、インターナルミキサー等の混練り機を用いて混練りすることによって得られ、成形加工後、加硫を行い、該ゴム部材として用いられる。
本発明の空気入りタイヤは、スチールコードとの接着性が高く、耐久性に優れている。 このタイヤに充填する気体としては、空気の外、窒素等の不活性ガスが使用できる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳しく説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1〜4及び比較例1〜5
スチールコードとコーティングゴムとからなるベルト層とトレッドとの間に、トレッドアンダークッションゴムとして、幅158mm、厚さ0.5mmの表1に示す配合処方のゴム組成物からなるゴムシートを貼り、タイヤを加硫成形した。該タイヤのサイズは185/60R14である。次に、加硫成形されたタイヤを、温度100℃、湿度95%に保持した恒温恒湿槽中に5週間放置して劣化させ、劣化後のスチールコードとコーティングゴムとの耐熱劣化接着性を以下のようにして求めた。
また、作業性の指標として各ゴム組成物の未加硫粘度を求めた。
これらの結果を表1に示す。
スチールコードとコーティングゴムとからなるベルト層とトレッドとの間に、トレッドアンダークッションゴムとして、幅158mm、厚さ0.5mmの表1に示す配合処方のゴム組成物からなるゴムシートを貼り、タイヤを加硫成形した。該タイヤのサイズは185/60R14である。次に、加硫成形されたタイヤを、温度100℃、湿度95%に保持した恒温恒湿槽中に5週間放置して劣化させ、劣化後のスチールコードとコーティングゴムとの耐熱劣化接着性を以下のようにして求めた。
また、作業性の指標として各ゴム組成物の未加硫粘度を求めた。
これらの結果を表1に示す。
(1)耐熱劣化接着性
ASTM D4776−1996に準拠して、スチールコードを引抜いた際の引抜き力を測定し、比較例1を100として指数表示した。指数値が大きくなる程、スチールコードとコーティングゴムとの接着力が強いことをさす。
(2)未加硫粘度
JIS K6300−1994に従い、Lローターを使用して、予熱1分、ローター作動時間4分、温度130℃の条件でムーニー粘度(ML1+4、130℃)を測定し、比較例1を100として指数で表示した。この数値が大きい程、未加硫粘度が低く作業性が良好である。
ASTM D4776−1996に準拠して、スチールコードを引抜いた際の引抜き力を測定し、比較例1を100として指数表示した。指数値が大きくなる程、スチールコードとコーティングゴムとの接着力が強いことをさす。
(2)未加硫粘度
JIS K6300−1994に従い、Lローターを使用して、予熱1分、ローター作動時間4分、温度130℃の条件でムーニー粘度(ML1+4、130℃)を測定し、比較例1を100として指数で表示した。この数値が大きい程、未加硫粘度が低く作業性が良好である。
注
*1 BR01〔JSR(株)製〕
*2 N550〔東海カーボン(株)製〕
*3 吸湿性充填剤1 イモゴライト(組成SiO2・Ai2O3・2H2O)
*4 吸湿性充填剤2 低結晶性層状粘度鉱物と非晶質アルミニウムケイ酸塩複合体
ハスクレイHC500〔戸田工業(株)製〕
*5 アンチゲン6C〔住友化学(株)製〕
*6 ノクセラーNS−P〔大内新興化学工業(株)製〕
表1の実施例から、高吸湿性充填剤を配合したゴム組成物をトレッドアンダークッションゴムに用いることにより、該トレッドアンダークッションゴムの水蒸気透過性が低いため、比較例1に比べ、高温・高湿度環境下放置後のスチールコードとコーティングゴムとの接着力を向上させることができ、しかもゴム組成物の加工性も良好なことが分かる。
一方、比較例2〜5のタイヤは、トレッドアンダークッションゴム用ゴム組成物が高吸湿性充填剤を本発明の範囲外で配合したゴム組成物で、スチールコードとコーティングゴムとの接着力を向上し、かつ作業性が良好なゴム組成物は得られていない。
本発明のベルト層を備えたタイヤは耐劣化性に優れ、乗用自動車や重荷重車両のタイヤとして好適に利用できる。
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 トレッド部
4 ビードコア
5 ラジアルカーカス
6 ベルト
7 キャップゴム
8 ベースゴム
9 トレッドアンダークッションゴム
2 サイドウォール部
3 トレッド部
4 ビードコア
5 ラジアルカーカス
6 ベルト
7 キャップゴム
8 ベースゴム
9 トレッドアンダークッションゴム
Claims (9)
- 1枚以上のカーカスプライからなるカーカスと、該カーカスのタイヤ半径方向外側に配設した2枚以上のベルト層からなるベルトとを備え、該ベルト層がコーティングゴムで被覆したスチールコードよりなる空気入りタイヤにおいて、該ベルトのタイヤ半径方向外側に、25℃、相対湿度50%において、5質量%以上の吸湿量となる吸着剤をゴム成分100質量部に対して、1〜30部配合したゴム組成物からなるゴム部材を配置したことを特徴とする空気入りタイヤ。
- 吸着剤が、吸着量15質量%以上の吸着剤であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 吸着剤が、アルミニウムケイ酸塩である請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
- 吸着剤が、天然イモゴライトである請求項3に記載の空気入りタイヤ。
- 吸着剤が、合成チューブ状アルミニウムケイ酸塩である請求項3に記載の空気入りタイヤ。
- 吸着剤が、低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウムケイ酸塩複合体である請求項3に記載の空気入りタイヤ。
- 吸着剤をゴム成分100質量部に対して、5〜20質量部配合したゴム組成物を前記ゴム部材に用いた請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- ゴム部材がトレッドアンダークッションであることを特徴とする請求項1〜7に記載の空気入りタイヤ。
- ゴム部材がキャップ・ベース構造のトレッドにおけるベースゴムであることを特徴とする請求項1〜7に記載の空気入りタイヤ。
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KR20230055186A (ko) * | 2021-10-18 | 2023-04-25 | 넥센타이어 주식회사 | 타이어 벨트 고무 조성물 및 이를 포함하는 타이어 |
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