JP2013074731A - 内接ギアポンプユニット - Google Patents

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祐樹 獅子原
Atsushi Kubo
厚 久保
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大輔 尾▲崎▼
Yuichi Miura
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Abstract

【課題】低回転から高回転まで、ロータの回転角度をより高精度に検出することが可能な内接ギアポンプユニットを提供する。
【解決手段】インナギア31とアウタギア32と電動モータとモータ制御手段60と磁界検出手段51Aとを備え、電動モータは周方向に複数の磁極が配置されたロータ33と複数のコイルとを有し、モータ制御手段は、コイルに通電するための通電手段と、通電していないコイルに発生する誘起電圧を検出可能な誘起電圧検出手段と、を各コイルに対応させて有しており、出力軸の回転時において、磁界検出手段からの検出信号に基づいて検出した第1検出ロータ角度と、出力軸の回転時において、通電していないコイルに対応する誘起電圧検出手段からの検出信号に基づいて検出した第2検出ロータ角度とを求め、第1検出ロータ角度と第2検出ロータ角度に基づいて補正した第1検出ロータ角度に基づいてそれぞれのコイルへの通電を制御する。
【選択図】図3

Description

本発明は、アウタギアの内歯にインナギアの外歯を内接させた構造を有して流体の吸入と吐出を行う内接ギアポンプユニットに関する。
従来、車両のエンジンの作動時において、各種機構の潤滑、作動、制御等を行うオイルを供給するために、自動変速機にメカニカルポンプが組み込まれることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また近年では、走行していた車両が一時停止した際、エンジンを一時停止させるアイドリングストップシステムを搭載した車両が増加傾向にある。
アイドリングストップシステムを搭載した車両では、エンジンの一時停止(アイドルストップ)に伴ってメカニカルポンプの動作が停止するため、自動変速機内のクラッチ機構等にオイルを供給することができなくなる。そこで、アイドリングストップシステムが搭載された車両の中には、メカニカルポンプに加えて、エンジン停止時においても自動変速機内のクラッチ機構等にオイルを供給できる電動ポンプを自動変速機の外部に設けている車両がある。
特開平9−25809号公報
メカニカルポンプが組み込まれている自動変速機の外部に、別体の電動ポンプを設ける場合、車両によっては配置スペースの確保が困難となる場合がある。
また、アイドリングストップにてエンジンの回転が停止した場合に所望されるオイルの要求量は、エンジン停止時であるため、エンジンの回転時と比較すると少量である。従って、エンジン停止時に要求されるオイルを電動ポンプの回転にて供給する場合、比較的低回転で電動ポンプを回転させることになる。
なお、電動ポンプを回転させる際は、ポンプ負荷等に対して効率良く回転させるために、ロータの回転角度を検出しながら各コイルへの通電タイミング等を適切に制御している。
ロータの回転角度を検出する方法には、以下の2通りの方法がある。
(方法1)通電していないコイルに発生する正弦波状の誘起電圧を検出し、誘起電圧が0[V]を横切るタイミング(いわゆるゼロクロス点)を検出することで、該当するコイルの位置に対するロータの磁極の位置(すなわちロータの回転角度)を検出する方法。
(方法2)磁界の方向を検出可能な磁界検出手段(例えばホールセンサ)をロータに対して所定角度間隔で配置しておき、当該磁界検出手段の検出信号に基づいて、磁界検出手段の位置に対するロータの磁極の位置(すなわちロータの回転角度)を検出する方法。
上記の(方法1)では、通電していないコイルに発生する誘起電圧を利用しているため、ロータの回転が低速の場合、正弦波状の誘起電圧の振幅が小さくなり、正しいゼロクロス点を検出できない場合がある。
また上記(方法2)では、磁界検出手段を所定の電気角(例えば電気角120°)の間隔、且つ、コイル配置位置に対して所定の電気角(例えば、対応する相のコイル配置位置に対し電気角60°)で配置しなければならない。ここで、ロータには、6個や8個等、多くの磁極が配置されている。磁界検出手段を配置する前記所定の電気角に相当する物理的な角度は、磁極の数が多くなるほど小さくなり、精度よく取り付けることが困難になる。
従って上記の(方法2)では、磁界検出手段の取付誤差が生じやすく、各コイルへの通電タイミングに適切なタイミングからのずれが生じる恐れがある。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、低回転から高回転まで、ロータの回転角度をより高精度に検出することが可能な内接ギアポンプユニットを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る内接ギアポンプユニットは次の手段をとる。
まず、本発明の第1の発明は、外周面に外歯を有してエンジンの出力軸の外周面に外嵌されるインナギアと、前記インナギアの前記外歯と噛合する内歯を内周面に有するアウタギアと、前記インナギアまたは前記アウタギアの一方を駆動可能な電動モータと、前記電動モータを制御するモータ制御手段と、前記電動モータの磁界の方向を検出可能な磁界検出手段と、を備え、前記インナギアまたは前記アウタギアの一方には、ワンウェイクラッチを介して前記出力軸の回転動力が伝達され、前記電動モータは、周方向に複数の磁極が配置されたロータと、複数のコイルと、を有する。
そして前記モータ制御手段は、コイルに通電するための通電手段と、通電していないコイルに発生する誘起電圧を検出可能な誘起電圧検出手段と、を各コイルに対応させて有しており、前記出力軸の回転時において、前記磁界検出手段からの検出信号に基づいて検出した前記ロータの回転角度である第1検出ロータ角度と、前記出力軸の回転時において、通電していないコイルに対応する前記誘起電圧検出手段からの検出信号に基づいて検出した前記ロータの回転角度である第2検出ロータ角度と、を求め、前記第1検出ロータ角度と前記第2検出ロータ角度に基づいて前記第1検出ロータ角度を補正し、補正した前記第1検出ロータ角度に基づいてそれぞれの前記コイルへの通電を制御する。
この第1の発明によれば、誘起電圧検出手段からの検出信号に基づいて検出した第2検出ロータ角度を用いて、磁界検出手段からの検出信号にに基づいて検出した第1検出ロータ角度を補正する。
従って、この補正した第1検出ロータ角度を用いることで、低回転から高回転まで、ロータの回転角度をより正確に検出することができる。
次に、本発明の第2の発明は、上記第1の発明に係る内接ギアポンプユニットであって、前記出力軸には、回転数を検出可能な回転検出手段が設けられている。
そして前記モータ制御手段は、前記回転検出手段からの検出信号に基づいて前記出力軸の回転数を検出し、検出した回転数が所定回転数以上となった場合に、前記第1検出ロータ角度と前記第2検出ロータ角度とに基づいて、前記磁界検出手段の配置位置の誤差を求め、求めた誤差に基づいて前記第1検出ロータ角度を補正し、補正した前記第1検出ロータ角度に基づいてそれぞれの前記コイルへの通電を制御する。
誘起電圧検出手段からの検出信号に基づいてロータの回転角度を検出する際、誘起電圧の振幅が大きいほど、より正確なゼロクロス点を検出することができる。
この第2の発明によれば、出力軸の回転数が所定回転数以上となった場合に、第1検出ロータ角度と第2検出ロータ角度との誤差を求めることで、第1検出ロータ角度を、より正確な角度として得ることができる。
これにより、第1検出ロータ角度を補正する補正量を、より正確に求めることができる。
ポンプハウジング10に対する内接ギアポンプユニット30(メカニカルポンプと電動ポンプを一体化したポンプ)の配置位置、及び内接ギアポンプユニット30の構造の一実施の形態を説明する断面図である。 出力軸20の外周面にワンウェイクラッチK1を介してインナギア31が外嵌されている状態の例を説明する図である。 電動モータを構成する磁極、コイル(34A〜34L)、磁界検出手段(51A〜51C)、モータ制御手段60の構成及び接続等を説明する図である。 モータ制御手段60の処理手順の例を説明するフローチャートである。 メカニカルポンプと電動ポンプを別々のポンプとして構成した例を説明する断面図である。
以下に本発明を実施するための形態を図面を用いて説明する。
まず図1〜図4を用いて、エンジンの出力軸20からワンウェイクラッチK1を介してインナギア31からアウタギア32を機械的に回転駆動するメカニカルポンプと、モータ制御手段60からコイル34A〜34Lの通電を制御してアウタギア32からインナギア31を電動モータにて電気的に回転駆動する電動ポンプとが一体的に構成された内接ギアポンプユニット30の例を説明する。
●[内接ギアポンプユニット30の全体構造(図1)とワンウェイクラッチK1の構造(図2)]
図1の断面図に示すように、ポンプハウジング10は、ハウジング体11、12が結合されることで構成され、エンジンのケーシング(図示省略)にボルト等にて固定される。
ハウジング体11、12が対向する位置には、内接ギアポンプユニット30を収容可能なポンプ収容空間が形成されている。そしてハウジング体11には、内接ギアポンプユニット30がオイルを吸入するための吸入ポート、内接ギアポンプユニット30がオイルを吐出するための吐出ポートが形成されている。
また内接ギアポンプユニット30は、インナギア31、アウタギア32、ロータ33、ステータ34等を有している。
インナギア31は、図2に示すように外周面に外歯31Tを有してワンウェイクラッチK1を介してエンジンの出力軸20の外周面に外嵌されている。なお本実施の形態の例では、出力軸20には出力軸20と一体となって回転するスリーブ21が嵌め込まれており、スリーブ21の外周面にインナギア31が外嵌されている。また、ワンウェイクラッチK1の構造については後述する。また本実施の形態の説明では、外歯が7歯の例を説明する。またインナギア31は、図3に示すように回転軸Zi回りに回転し、回転軸Ziは出力軸20の回転軸ZCと同じである。
アウタギア32は、図3に示すように、インナギア31の外歯31Tに噛合する内歯32Tを内周面に有している。また本実施の形態の説明では、内歯が8歯の例を説明する。またアウタギア32は、図3に示すようにインナギア31の回転軸Ziに対して偏心した位置となる回転軸Zo回りに回転する。
ロータ33は、図3に示すように、アウタギア32の外周面に複数の磁極が交互に配置されて構成されており、アウタギア32と一体となって回転する。また本実施の形態の説明では、磁極数(N極とS極の合計)が8個の例を説明する。この場合、各N極及びS極は、45°(360°/8)の間隔で交互に配置されている。
ステータ34は、図3に示すように鉄心部34Zとコイル34A〜34Lにて構成され、ロータ33の外周面に対向するように配置され、ポンプハウジング10に固定される。なお、本実施の形態の説明では、8極のロータに対して、12個のコイル(34A〜34L)を備えたステータの例を説明する。
次に図2を用いてワンウェイクラッチK1の構造について説明する。
エンジンの出力軸20には、一体となって回転するスリーブ21が嵌め込まれている。
スリーブ21の外周面において、インナギア31の内周面と対向する位置には、所定角度間隔でクラッチ溝21Aが形成されている。本実施の形態では、90°間隔でクラッチ溝21Aが円周方向に形成されている。
クラッチ溝21Aは、一方の回転方向(図2の例では時計回りの方向)の面には、クラッチ溝21Aの底面からスリーブ21の外周面に向かって傾斜面21Cが形成されている。また他方の回転方向(図2の例では反時計回りの方向)の面には、クラッチ溝21Aの底面からスリーブ21の外周面に向かって垂直面21Bが形成されている。
インナギア31の内周面において、スリーブ21の外周面と対向する位置には、所定間隔でピン収容空間31Cが形成されている。本実施の形態の例では、90°間隔でピン収容空間31Cが形成されている。各ピン収容空間31Cには、弾性部材31Bとクラッチピン31Aが収容されている。そしてクラッチピン31Aは、出力軸20の回転軸ZC(すなわちインナギア31の回転軸Zi)の方向に向けて弾性部材31Bにて付勢されており、クラッチピン31Aは、ピン収容空間31Cから回転軸ZCの方向に突出可能であるとともに、ピン収容空間31C内に収容可能である。
上記の構成にて、図2(B)に示すように、インナギア31に対して出力軸20(すなわちスリーブ21)が、相対的に時計回り方向(図2(B)におけるRR方向)に回転した場合は、クラッチピン31Aがクラッチ溝21Aの垂直面21Bに係合し、出力軸20(スリーブ21)とインナギア31とが一体となって回転する。
また、図2(C)に示すように、インナギア31に対して出力軸20(すなわちスリーブ21)が、相対的に反時計回り方向(図2(C)におけるRL方向)に回転した場合は、クラッチピン31Aがクラッチ溝21Aの傾斜面21Cから外周面へと移動可能であり、出力軸20(スリーブ21)に対してインナギア31が空回りすることができる。
以上の構成にて、エンジンの出力軸20が回転している場合は、出力軸20はインナギア31に対して相対的に時計回り方向に回転し、電動モータを動作させなくても、ワンウェイクラッチK1が係合されてインナギア31が機械的に回転駆動され、インナギア31の回転に伴ってアウタギア32が回転駆動される。従ってエンジンの出力軸20が回転している場合、内接ギアポンプユニット30は、出力軸20(スリーブ21)にて機械的に回転駆動されるメカニカルポンプとして動作する。
また出力軸20の回転が停止している場合、モータ制御手段60は、コイル34A〜34Lの各々を適切なタイミングで通電し、ロータ33(すなわちアウタギア32)を電気的に出力軸20に対して相対的に反時計回りに回転駆動する。そしてアウタギア32の回転に伴ってインナギア31が回転駆動される。このとき、出力軸20はインナギア31に対して相対的に反時計回りに回転し、ワンウェイクラッチK1が係合しないので、インナギア31は出力軸20(スリーブ21)に対して空回りする。従って出力軸20の回転が停止している場合、内接ギアポンプユニット30は、モータ制御手段60にて電気的に回転駆動される電動ポンプとして動作する。
なお、出力軸20が回転している場合であっても、出力軸20による機械的な回転よりもより高速にロータ33を電気的に回転駆動することも可能であり、この場合、電動ポンプとして動作する。
●[電動ポンプの制御システムの構成(図3)]
次に図3を用いて、内接ギアポンプユニット30を電動ポンプとして機能させる際の制御システム(ロータ33を電気的に回転駆動するための入出力)の構成及び接続等について説明する。なお図3では、ワンウェイクラッチK1の記載を省略している。
ロータ33には、ステータ34の各コイル34A〜34Lに対向するように複数のN極とS極が交互に配置されている。
またロータ33とステータ34にて構成された電動モータを制御するモータ制御手段60は、CPU61、通電手段64A、64B、誘起電圧検出手段65A、65B、検出回路62等を有している。
コイル34Aには、通電手段64Aと誘起電圧検出手段65Aが接続されている。またコイル34Bには、同様に、通電手段64Bと誘起電圧検出手段65Bが接続されている。そしてコイル34C〜34Lにも同様に通電手段と誘起電圧検出手段が接続されるが、図示省略する。
そして各通電手段は、モータ制御手段60のCPU61からの制御信号に基づいて接続されたコイルに電流を供給する。また各誘起電圧検出手段は、接続されているコイルが通電されていない場合に発生した正弦波状の誘起電圧に基づいた信号(例えばゼロクロス点を通過した際に1パルスを発生する信号や、正弦波そのもの)をCPU61に入力する。
モータ制御手段60のCPU61は、適切なタイミングにて順番に通電手段に制御信号を出力し、適切な順番で各コイルに通電してロータ33を回転駆動する。また、CPU61は、通電していないコイルに対応する誘起電圧検出手段からの検出信号を取り込み、ロータ33の磁極の位置(すなわち回転角度)を検出することができる。
またステータ34には、所定の電気角の間隔で、磁界検出手段51A〜51Cが、ロータ33の外周面に対向する位置に配置されている。そして磁界検出手段51A〜51Cの検出信号のそれぞれは、CPU61に取り込まれる。なお図3の例では、8個の磁極に対して磁界検出手段51A〜51Cを、電気角120°間隔で、且つ、コイル配置位置に対して電気角60°で配置した場合の例を示している。図3の例に示しているように、電気角は、物理的な角度よりも小さな角度となる。従って、磁界検出手段の取付誤差が生じやすくなり、各コイルへの通電タイミングに適切なタイミングからのずれが生じる可能性がある。
またエンジンの出力軸20には、エンジン制御等に用いるためのエンジン回転検出手段52が設けられており、CPU61は、検出回路62を介してエンジン回転検出手段52の検出信号を取り込み、出力軸20の回転数を検出することが可能である。
近年の車両では、エンジン制御コンピュータにてエンジンを制御することが必須であり、エンジン回転検出手段52を必ず備えているので、このエンジン回転検出手段52の検出信号を流用する。
内接ギアポンプユニット30をモータ制御手段60にて電気的に回転駆動する場合、適切な順番及び適切な通電時間にて、各コイルを順番に制御してロータ33を回転駆動する。なお、効率良くロータ33を回転駆動するには、ポンプの負荷等によるロータ33の回転の遅れ(あるいは回転の進み)を適切に検出し、ロータ33の現在の回転角度に応じて、各コイルへの通電タイミング及び通電時間等を制御している。
ここで、ロータ33の回転角度を検出するには、通電していないコイルに対応する誘起電圧検出手段からの検出信号に基づいたゼロクロス点を検出する(方法1)と、磁界検出手段からの検出信号に基づいて検出する(方法2)の2通りがある。
(方法1)では、モータのトルク定数や逆起電圧定数によって異なるが、例えばロータ33の回転が300rpm以下等の低回転では、誘起電圧の振幅が小さく、正しいゼロクロス点を検出できないという欠点がある。
また(方法2)では、磁界検出手段の取付位置の誤差の影響により、各コイルへの通電タイミングに適切なタイミングからのずれが生じ得るという欠点がある。
本願は、磁界検出手段にて検出したロータ33の回転角度を用いて、ロータ33の低回転から高回転まで全回転域で電気的な回転駆動を制御するとともに、磁界検出手段の取付位置の誤差の影響による各コイルへの通電タイミングのずれを補正するものであり、その方法について以下に説明する。
●[モータ制御手段60の処理手順(図4)]
次に図4を用いて、図3に示す制御システムにおけるCPU61の処理手順について説明する。
図4に示す処理は、磁界検出手段にて検出したロータ回転角度を、誘起電圧検出手段にて検出したロータ回転角度に基づいて補正する補正量を求める処理である。なお、図4に示す補正量を求める処理は、エンジンの始動後に1回のみ実行しても良いし、定期的(例えば一定時間毎)に実行しても良い。
ステップS10にて、CPU61は、電動モータを駆動していない時におけるモータ回転数を検出し、ステップS20に進む。この場合、CPU61は、エンジン回転検出手段52の検出信号を取り込み、出力軸20の回転数を求めてロータ33の回転数に換算してモータ回転数とする。図3の例では、出力軸20の回転と同一回転でインナギア31が回転し、インナギア31が1回転するとアウタギア32は7/8回転するので(この場合、インナギア:7歯、アウタギア:8歯)、出力軸20の回転数*7/8がロータ回転数である。
ステップS20では、CPU61は、モータ回転数が閾値より大きいか否かを判定し、モータ回転数が閾値より大きい場合(Yes)はステップS30に進み、閾値以下である場合(No)はステップS10に戻る。なお、ステップS10に戻ることなく処理を終了し、所定時間経過後の次回の処理開始タイミングで再度、本処理を実行するようにしてもよい。
なお、閾値とする回転数には、正しいゼロクロス点を検出可能となる誘起電圧の振幅が得られる回転数が設定され、モータのトルク定数や逆起電圧定数によって異なるが、本実施の形態では、例として300rpmを設定している。
ステップS30に進んだ場合、CPU61は、通電していないコイルに対応する誘起電圧検出手段からの検出信号に基づいて、ゼロクロス点の時刻を検出する。そして当該ゼロクロス点に相当した回転角度に相当する磁界検出手段からの検出信号が出力される時刻を検出する。そしてゼロクロス点から検出した時刻と、磁界検出手段から検出した時刻との時間差を求める。
あるいは、ゼロクロス点を検出した時点において、磁界検出手段からの検出信号に基づいて磁界検出手段によるロータの回転角度を検出する。そして、ゼロクロス点に相当するロータの回転角度と、磁界検出手段にて検出したロータの回転角度との差を求める。
続くステップS40では、CPU61は、ステップS30にて求めた時間差を角度差に換算する。なお、ステップS30にて角度差を求めた場合はステップS40は省略される。
そしてステップS50では、CPU61は、ステップS40(またはステップS30)にて求めた角度差を補正量として設定し、処理を終了する。
そしてモータ制御手段60は、図4に示す処理手順とは別の処理手順にて、ロータ33を回転駆動する際、磁界検出手段51A〜51Cを用いて検出したロータ回転角度である第1検出ロータ角度を、ステップS50にて設定した補正量にて補正して補正第1検出ロータ角度を求め、求めた補正第1ロータ角度を用いて、各コイルへの通電タイミング及び通電時間等を制御する。
●[メカニカルポンプと電動ポンプとを別々のポンプとして構成した内接ギアポンプユニット330の例(図5)]
以上の説明では、メカニカルポンプと電動ポンプとが一体的に構成された内接ギアポンプユニット30の例を説明した。
次に図5を用いて、エンジンの出力軸20の回転軸ZC方向に、メカニカルポンプ230と電動ポンプ130とが並列に配置された内接ギアポンプユニット330について説明する。なお図5は、回転軸ZCを通る平面にて切断した断面図を示している。
電動ポンプ130は、電動側インナギア131と、電動側アウタギア132と、ロータ133と、ステータ134等にて構成されている。
電動側インナギア131は、スリーブ21に対して回転可能(空回り可能)となるようにに嵌め込まれて図3に示すインナギア31と同様に、外周面に外歯を有しており、回転軸ZC回りに回転可能である。
電動側アウタギア132は、図3に示すアウタギア32と同様に、電動側インナギア31の外歯に噛合する内歯を内周面に有しており、電動側インナギア131の回転軸ZCに対して偏心した位置の回転軸回りに回転可能である。
ロータ133は、図3に示すロータ33と同様に、電動側アウタギア132の外周面に取り付けられて電動側アウタギア132と一体となって回転し、複数の磁極(N極、S極)が配置されている。
ステータ134は、図3に示すステータ34と同様に、ポンプハウジング10(ハウジング体13、14にて構成)に固定され、鉄心部134Zと複数のコイル134A等とを有している。
なお、図3に示す磁界検出手段51A〜51L、エンジン回転検出手段52、モータ制御手段60も同様に備えているが、図示は省略する。
メカニカルポンプ230は、メカ側インナギア231と、メカ側アウタギア232と、にて構成されている。
メカ側インナギア231は、スリーブ21と一体となって回転するように嵌め込まれ、外周面に外歯を有しており、回転軸ZC回りに回転する。
メカ側アウタギア232は、メカ側インナギア231の外歯に噛合する内歯を内周面に有しており、メカ側インナギア231の回転軸ZCに対して偏心した位置の回転軸回りに回転する。
またメカ側アウタギア232と電動側アウタギア132はワンウェイクラッチK2を介して接続されている。
図5(B)及び(C)に示すように、ワンウェイクラッチK2は、メカ側アウタギア232における電動側アウタギア132と対向する面に形成されたピン収容空間232Cと、ピン収容空間232C内に収容されている弾性部材232Bとクラッチピン232Aと、電動側アウタギア132におけるメカ側アウタギア232と対向する面に形成されたクラッチ溝132Aにて構成されている。
なお、当該ワンウェイクラッチK2は、図2に示した構造のピン収容空間31C、弾性部材31B、クラッチピン31A、クラッチ溝21Aと同様であるので説明を省略する。
当該ワンウェイクラッチK2は、メカ側アウタギア232がエンジンの回転方向(図5(B)におけるRR方向)に回転している場合はワンウェイクラッチK2が係合して電動側アウタギア132を同方向に機械的に回転駆動する。また、例えばメカ側アウタギア232が停止している場合、電動側アウタギアを電動モータ(ロータ133とステータ134にて構成)にてエンジンの回転方向と同方向に回転駆動すると、ワンウェイクラッチK2は空回り状態となる。
上記のワンウェイクラッチK2を有することで、エンジンの出力軸20及びスリーブ21が回転すると、メカ側インナギア231が機械的に回転駆動され、メカ側インナギア231の回転に伴ってメカ側アウタギア232が回転してメカニカルポンプ230が動作する。また、ワンウェイクラッチK2にてメカ側アウタギア232の動力が電動側アウタギア132に伝達され、電動側アウタギア132が機械的に回転駆動される。そして電動側アウタギア132の回転に伴って電動側インナギア131が回転して電動ポンプ130が動作する。なお、出力軸20(スリーブ21)が回転している場合であっても、電動モータを回転駆動してメカ側アウタギア232の回転よりも高速で電動側アウタギア132を回転させることもできる。
また、エンジンの出力軸20及びスリーブ21の回転が停止した場合、モータ制御手段60からコイルへの通電を制御してロータ133を回転駆動することで電動側アウタギア132を電気的に回転駆動することができる。そして電動側アウタギア132の回転に伴って電動側インナギア131が回転して電動ポンプ130が動作する。
また電動ポンプ130の吸入口の近傍には電動側吸入ポート117が形成されており、メカニカルポンプ230の吸入口の近傍にはメカ側吸入ポート115が形成されている。
また電動ポンプ130の吐出口の近傍には電動側吐出ポート118が形成されており、メカニカルポンプ230の吐出口の近傍にはメカ側吐出ポート116が形成されている。
そして、電動ポンプ130とメカニカルポンプ230との間には、メカニカルポンプ230を介して電動側吸入ポート117と電動側吐出ポート118が連通しないように、及び電動ポンプ130を介してメカ側吸入ポート115とメカ側吐出ポート116が連通しないように、遮蔽板140が設けられている。
なお遮蔽板140には、電動側吸入ポート117とメカ側吸入ポート115とを連通する連通孔144が形成されており、電動側吐出ポート118とメカ側吐出ポート116とを連通する連通孔145が形成されている。
なお、モータ制御手段(図示省略)のCPUの処理手順は、図4を用いて説明した内容と同じであるので、説明を省略する。
以上、図1〜図4を用いて説明したメカニカルポンプと電動ポンプとを一体化した(一体型の)内接ギアポンプユニット30では、エンジンの出力軸20の回転動力が、ワンウェイクラッチK1を介してインナギア31に伝達される。
また、図5を用いて説明したメカニカルポンプ230と電動ポンプ130とを別体で構成して軸方向に並列配置した(並列型の)内接ギアポンプユニット330では、エンジンの出力軸20の回転動力が、メカ側アウタギア232とワンウェイクラッチK2を介して電動側アウタギア132に伝達される。
そして一体型の内接ギアポンプユニット30と並列型の内接ギアポンプユニット330のどちらも、磁界検出手段からの検出信号に基づいて検出した第1検出ロータ角度と、誘起電圧検出手段からの検出信号に基づいて検出した第2検出ロータ角度と、に基づいて補正量を求め、第1検出ロータ角度を補正した補正第1検出ロータ角度を用いて各コイルへの通電を制御する。
これにより、誘起電圧のゼロクロス点を検出できない低回転から高回転まで全回転域において、磁界検出手段の誤差よりも小さな誘起電圧検出手段の誤差と同等の精度にて、ロータの回転角度を検出可能であり、より効率よくロータを回転駆動させることができる。
本発明の内接ギアポンプユニット30、330は、本実施の形態で説明した外観、構成、構造、処理手順等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
また本発明の内接ギアポンプユニット30、330において、アウタギア及びインナギアの歯数は、本実施の形態にて説明した歯数に限定されず、種々の歯数を設定することができる。
また、ロータの磁極の数、及びステータのコイルの数は、種々の数に設定することができる。
また、図1〜4の説明では、電動ポンプのロータ33がアウタギア32に連結されている例を説明したが、ロータ33をインナギア31に連結した構造としてもよい。
本発明の内接ギアポンプユニット30、330は、例えば車両に用いる種々のオイルポンプとして利用することができる他にも、種々の流体の吸入と吐出を行う種々の機械のポンプとして利用することができる。
また、以上(≧)、以下(≦)、より大きい(>)、未満(<)等は、等号を含んでも含まなくてもよい。
また、本実施の形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。
10 ポンプハウジング
20 出力軸
21 スリーブ
30 内接ギアポンプユニット
31 インナギア
32 アウタギア
33 ロータ
34 ステータ
34A〜34L コイル
34Z 鉄心部
51A〜51C 磁界検出手段
52 エンジン回転検出手段
60 モータ制御手段
61 CPU
64A、64B 通電手段
65A、65B 誘起電圧検出手段
130 電動ポンプ
131 電動側インナギア
132 電動側アウタギア
133 ロータ
134 ステータ
140 遮蔽板
230 メカニカルポンプ
231 メカ側インナギア
232 メカ側アウタギア
330 内接ギアポンプユニット
K1、K2 ワンウェイクラッチ
Zi インナギアの回転軸
Zo アウタギアの回転軸
ZC 出力軸の回転軸

Claims (2)

  1. 外周面に外歯を有してエンジンの出力軸の外周面に外嵌されるインナギアと、
    前記インナギアの前記外歯と噛合する内歯を内周面に有するアウタギアと、
    前記インナギアまたは前記アウタギアの一方を駆動可能な電動モータと、
    前記電動モータを制御するモータ制御手段と、
    前記電動モータの磁界の方向を検出可能な磁界検出手段と、を備え、
    前記インナギアまたは前記アウタギアの一方には、ワンウェイクラッチを介して前記出力軸の回転動力が伝達され、
    前記電動モータは、周方向に複数の磁極が配置されたロータと、複数のコイルと、を有し、
    前記モータ制御手段は、
    コイルに通電するための通電手段と、通電していないコイルに発生する誘起電圧を検出可能な誘起電圧検出手段と、を各コイルに対応させて有しており、
    前記出力軸の回転時において、前記磁界検出手段からの検出信号に基づいて検出した前記ロータの回転角度である第1検出ロータ角度と、
    前記出力軸の回転時において、通電していないコイルに対応する前記誘起電圧検出手段からの検出信号に基づいて検出した前記ロータの回転角度である第2検出ロータ角度と、を求め、
    前記第1検出ロータ角度と前記第2検出ロータ角度に基づいて前記第1検出ロータ角度を補正し、補正した前記第1検出ロータ角度に基づいてそれぞれの前記コイルへの通電を制御する、
    内接ギアポンプユニット。
  2. 請求項1に記載の内接ギアポンプユニットであって、
    前記出力軸には、回転数を検出可能な回転検出手段が設けられており、
    前記モータ制御手段は、
    前記回転検出手段からの検出信号に基づいて前記出力軸の回転数を検出し、
    検出した回転数が所定回転数以上となった場合に、前記第1検出ロータ角度と前記第2検出ロータ角度とに基づいて、前記磁界検出手段の配置位置の誤差を求め、
    求めた誤差に基づいて前記第1検出ロータ角度を補正し、補正した前記第1検出ロータ角度に基づいてそれぞれの前記コイルへの通電を制御する、
    内接ギアポンプユニット。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020060495A (ja) * 2018-10-12 2020-04-16 多摩川精機株式会社 ギャップ偏調型回転センサ

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