JP2013069487A - コネクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ランスによって端子金具を係止するとともに、端子金具がキャビティに収容されてランスが弾性変形したときに、キャビティに設けられた固定係止面に、ランスに形成された可動係止面を係止させる。
【選択図】 図6
Description
端子金具(例えば、後述する端子金具200)を収容可能なキャビティ(例えば、後述するキャビティ120)が形成されたコネクタハウジング(例えば、後述するコネクタハウジング110)を有するコネクタ(例えば、後述するコネクタ100)であって、
前記キャビティの正規位置(例えば、後述する図6(a)に示す位置)に収納された前記端子金具を係止する端子金具係止部を有するランスであって、前記端子金具との接触により変形可能なランス(例えば、後述するランス150)と、
前記キャビティを構成する壁面(例えば、後述する内壁下面122)に設けられた固設係止部(例えば、後述する固設係止部140)と、を有し、
前記ランスは、前記端子金具が前記キャビティに収容されて前記ランスが変形することによって、少なくとも一部が前記固設係止部と向かい合う位置に移動可能な可動係止面(例えば、後述する可動係止面152)を有することである。
前記ランスは、前記キャビティに沿った長尺な形状を有し、
前記キャビティを構成する壁面に連結する第1の端部(例えば、後述する端部154)と、前記ランスの長手方向に沿って前記第1の端部から離隔した位置に形成された第2の端部(例えば、後述する可動係止面152)とを有し、
前記第2の端部から延出し、変形可能な脚部(例えば、後述する脚部166a及び166b)を有することである。
前記キャビティは、前記端子金具が前記キャビティに挿入される挿入端部(例えば、後述する挿入孔130)を有し、
前記端子金具が前記キャビティに収容された状態で前記端子金具に力が加えられたときに、前記可動係止面は前記固定係止面によって係止されることである。
前記脚部は、前記第2の端部から離隔する向きに延出する第1の脚体(例えば、後述する脚部166a)と、前記第1の脚体に略平衡に形成された第2の脚体(例えば、後述する脚部166b)とを有し、
前記第1の脚体と前記第2の脚体との間に間隙を有して前記固設係止部が位置し、
前記端子金具が前記キャビティに収容されたときに、前記ランスと前記第1の脚体と前記第2の脚体とが変形し、前記可動係止面は、少なくとも一部が前記固定係止面と向かい合うことである。
図1は、コネクタ100の概略を示す外観斜視図である。
コネクタ100は、コネクタハウジング110からなる。コネクタハウジング110は、非導電性かつ弾性変形可能な合成樹脂、例えば、PBT(polybutylene terephthalate(ポリブチレンテレフタレート))からなる。本実施の形態で説明するコネクタ100は、雌型コネクタであり、雄型コネクタ(図示せず)と着脱可能な構造となっている。コネクタ100に雄型コネクタが連結されたときには、電気的接続が形成される。
端子金具200は、導電性を有する金属からなる。端子金具200は、金属板を所定の形状に打ち抜いたあとに折り曲げ加工等を施すことで形成される。図6(a)に示すように、端子金具200は、端子金具200の前後方向に開口する略箱型をなす接続部230と、電線(図示せず)の端末に圧着接続可能なバレル部240とを連ねて構成されている。なお、本明細書において、端子金具200の前側とは、後述するキャビティ120の挿入孔130に対応する側をいい、端子金具200の後側とは、後述するキャビティ120の終端部132に対応する側をいう。
図2及び図3は、キャビティ120の内部を示す斜視図である。図4は、キャビティ120の内部を示す断面図である。
内壁下面122は、一のキャビティ120の底面を構成する。内壁下面122には、後述する固設係止部140が固設されている。上述したように、端子金具200がキャビティ120に挿入されたときに、端子金具200は、内壁下面122によって案内される。
<固設係止部140>
固設係止部140は、略直方体の形状を有する。固設係止部140は、後述する内壁上面124に向かって突出するように形成されている。固設係止部140は、固定係止面142とテーパー面144とを有する。
内壁上面124は、内壁下面122と互いに向かい合うように、具体的には、略平行に形成されている。内壁上面124は、一のキャビティ120の天部を構成する。内壁上面124は、略平坦に形成されている。端子金具200がキャビティ120に挿入されたときに、端子金具200は内壁上面124によって案内される。
内壁下面122と内壁上面124との間には、中間体128が形成されている。中間体128は、略薄板状の形状を有する。中間体128は、内壁下面122と内壁上面124と略平行に形成されている。中間体128は、接合部134を介して2つの内壁側面126a及び126bに連結するように形成されている。すなわち、中間体128は、2つの内壁側面126a及び126bによって支持されるように形成されている。
このように、キャビティ120に中間体128を形成することによって、中間体128と内壁下面122との間に間隙136を形成することができる。間隙136を形成することにより、金型成型によってキャビティ120の内部にランス150と固定係止面142とを形成することができる。すなわち、後述するように、挿入孔130側から成型するための金型(図示せず)(以下、前側金型と称する)と、終端部132側から成型するための金型(図示せず)(以下、後側金型と称する)との2つの金型によって、ランス150と固定係止面142との双方を形成することができる。このようにすることで、コネクタ100の成型工程を簡素かつ容易にすることができる。
ランス150は、コネクタ100の一部であり、コネクタ100と同様の材料からなる。具体的には、ランス150は、弾性変形可能な材料、たとえば、PBT(polybutylene terephthalate(ポリブチレンテレフタレート))からなる。
ランス150は、端部154から延出部156を有する。延出部156は、キャビティ120の長手方向に沿って長尺な形状を有する。延出部156は、端部154から離れるに従って徐々に厚さが厚くなるように形成されている。このようにすることで、端部154を中心にして延出部156を撓みやすくできるとともに、延出部156の強度を確保することができる。また、コネクタ100を金型で成型する場合には、成型したコネクタ100から金型を抜き易くできる。
ランス150の延出部156の上面168には、突出部158が内壁上面124に向かって突出するように形成されている。上面168は、キャビティ120の内壁上面124と向かい合うように形成された面である。突出部158には、係止部160と平坦部162とテーパー部164と可動係止面152とが形成されている。
係止部160は、ランス150の上面168に対して略垂直にかつランス150の短手方向に沿って形成されている。係止部160によって段差が形成される。係止部160には、端子金具200の係止端部230が係止される(図6(a)参照)。
平坦部162は、ランス150が自然状態であるときには、内壁上面124や内壁下面122に対して略平行に形成されている。後述するように、端子金具200が取り付けられるときには、端子金具200の接続部230やスタビライザ250が平坦部162と接触しながら(擦れながら)移動する。平坦部162は、接続部230やスタビライザ250が円滑に移動できるように形成されている。
テーパー部164は、ランス150の上面168に対して所定の角度をなして形成されている。具体的には、端部154から離れるに従って徐々に、キャビティ120の内壁下面122に向かうように形成されている。すなわち、端部154から離れて後述する可動係止面152に向かうに従って、突出部158の厚さが徐々に薄くなるように形成されている。このように、テーパー部164を形成したことにより、端子金具200がコネクタ100に取り付けられるときに、端子金具200を円滑に突出部158に案内して導くことができる(図5参照)。
可動係止面152は、ランス150の端部154から最も離隔した位置に形成されている平面である。可動係止面152は、ランス150が自然状態であるときには、キャビティ120の長手方向に対して略垂直に、かつ内壁下面122及び内壁上面124に対しても略垂直になるように形成されている。可動係止面152は、延出部156が撓むことによって、内壁下面122に向かって変位することができる。可動係止面152が内壁下面122に向かって変位したときには、可動係止面152の少なくとも一部が、固定係止面142と向かい合うことができる(図6(a)及び(b)参照)。
図3に示すように、ランス150の端部154から最も離隔した位置に形成されている可動係止面152には、2つの脚部166a及び166bが連結して形成されている。2つの脚部166a及び166bもコネクタ100の一部であり、コネクタ100と同様の材料からなる。具体的には、脚部166a及び166bは、弾性変形可能な材料、たとえば、PBT(polybutylene terephthalate(ポリブチレンテレフタレート))からなる。
ランス150は、中間体128と2つの脚部166a及び166bとによって支持されている。2つの脚部166a及び166bは、撓むことができるように所望の厚さに形成されている。端子金具200がコネクタ100に取り付けられる過程では、ランス150の延出部156が弾性変形して撓むとともに、2つの脚部166a及び166bも弾性変形して撓む(図5)。また、端子金具200がコネクタ100に最終的に取り付けられた状態でも、ランス150と、2つの脚部166a及び166bとは弾性変形して撓んだ状態となる(図6(a))。このように、ランス150は、中間体128と2つの脚部166a及び166bとによって支持され、ランス150の延出部156の撓みと2つの脚部166a及び166bの撓みとによって弾性変形できる。
図4は、ランス150の自然状態を示す。ランス150の自然状態とは、端子金具200などによって力がなんら加えられておらず、ランス150の延出部156が撓んで弾性変形していない状態をいう。後述するように、端子金具200がキャビティ120に取り付けられる過程や取り付けられた状態では、端子金具200の接続部230やスタビライザ250によってランス150が押圧され、ランス150の延出部156は撓んで弾性変形する。ランス150の延出部156が弾性変形した状態では、延出部156には、延出部156が自然状態に戻ろうとする復元力が生ずる。同様に、2つの脚部166a及び166bが弾性変形した状態では、2つの脚部166a及び166bにも自然状態に戻ろうとする復元力が生ずる。したがって、端子金具200がキャビティ120に取り付けられた後、端子金具200がキャビティ120から取り外された場合には、これらの復元力によってランス150は自然状態に戻ることができる。
図5並びに図6(a)及び(b)を用いて端子金具200をコネクタ100に取り付ける過程について説明する。端子金具200は、操作者によって、端子金具200の第1の端部210を先頭にして、キャビティ120の挿入孔130から挿入されて(図5参照)、第1の端部210がキャビティ120の終端部132に到達して当接するまで押入される(図6(a)参照)。第1の端部210がキャビティ120の終端部132に到達したときに、端子金具200はキャビティ120の正規位置に位置づけられて、端子金具200の取り付けが完了する。
図5は、端子金具200を挿入孔130からキャビティ120に挿入してコネクタ100に取り付ける途中の状態を示す断面図である。この状態は、端子金具200の接続部230がテーパー部164と接触し、突出部158が内壁下面122に向かって変位して、ランス150が変形した状態である。
端子金具200が終端部132に向かってさらに進み、端子金具200の接続部230が、テーパー部164から離隔し、テーパー部164と接触しなくなったときには、ランス150は端子金具200による押圧状態から解放される。すなわち、ランス150は、延出部156と2つの脚部166a及び166bとの弾性変形により生じていた復元力によって、元の自然状態に戻るように、内壁上面124に向かって変位する。
さらに、端子金具200が終端部132に向かって進むにしたがって、端子金具200のスタビライザ250は、テーパー部164と接触しながら終端部132に向かって徐々に移動しつつ、テーパー部164を内壁下面122に向かって徐々に押し下げる。テーパー部164が押し下げられることによって、ランス150の延出部156は、徐々に内壁下面122に向かって撓む。ランス150が撓むことによって、突出部158は内壁下面122に向かって変位する。
端子金具200を挿入孔130からキャビティ120に挿入してコネクタ100に取り付ける過程では、上述したように、テーパー部164は、端子金具200の接続部230と接触したり、端子金具200のスタビライザ250と接触したりする。この接触により、突出部158には、キャビティ120の終端部132に向かう力が加わる。この力によって、ランス150が不適切な姿勢になる場合もある。
図6(a)に示すように、端子金具200の第1の端部210がキャビティ120の終端部132に到達すると、端子金具200のコネクタ100への取り付けは完了する。この状態で、終端部132に向かう力を端子金具200に加えたとしても、端子金具200の第1の端部210がキャビティ120の終端部132に当接するので、端子金具200は、さらに移動することはできない。このときのキャビティ120内における端子金具200の位置が、端子金具200の正規位置である。
上述したように、端子金具200の第1の端部210が、キャビティ120の終端部132に到達したときに、端子金具200はキャビティ120内の正規位置に至る。端子金具200がキャビティ120内の正規位置に到達したときには、端子金具200のスタビライザ250がランス150の係止部160と係合する。すなわち、端子金具200の正規位置とは、端子金具200の第1の端部210が、キャビティ120の終端部132に到達し、端子金具200のスタビライザ250がランス150の係止部160と係合する状態となった位置である。
図6(a)に示すように、端子金具200の第1の端部210が、キャビティ120の終端部132に到達して、正規位置に到達した状態では、ランス150と、2つの脚部166a及び166bとは、弾性変形して内壁下面122に向かって撓んだ状態となる。このような状態となることによって、ランス150が内壁下面122に向かって変位し、ランス150の可動係止面152も内壁下面122に向かって変位する。すなわち、ランス150の可動係止面152が内壁下面122に向かって変位することで、可動係止面152の最も低い辺170は、固定係止面142の最も高い辺146よりも低い位置に位置することになる。この可動係止面152の変位により、ランス150の可動係止面152は、固定係止面142と向かい合う状態となる(図6(a)のB部)。このような状態となることで、ランス150の可動係止面152は、固設係止部140の固定係止面142と係合可能な状態となる。
端子金具200をコネクタ100から取り外す必要が生じた場合には、所定の治具(図示せず)をキャビティ120に挿入して、端子金具200とランス150との係止を解除することによって端子金具200を取り外すことができる。
また、端子金具200をコネクタ100から取り外す作業をする場合でなくても、端子金具200に接続されている電線を介して取り外す方向の力が端子金具200に加えられる場合がある。このような場合には、コネクタ100に端子金具200が取り付けられた状態を維持する必要がある。
コネクタ100の製造工程を迅速かつ簡便にするために、コネクタハウジング110を金型によって形成するのが好ましい。具体的には、前側金型(挿入孔130側から成型するための金型)(図示せず)と、後側金型(終端部132側から成型するための金型)(図示せず)との2つの金型によってコネクタ100を成型するのが好ましい。このような金型によってコネクタ100を成型することにより、安価かつ大量に製造することも可能になる。
本実施の形態では、ランス150の自然状態では、可動係止面152の最も低い辺170は、固定係止面142の最も高い辺146よりも高い位置に位置し、端子金具200の第1の端部210が、キャビティ120の終端部132に到達して、正規位置に到達した状態では、可動係止面152の最も低い辺170は、固定係止面142の最も高い辺146よりも低い位置に位置する場合を示したが、ランス150の自然状態では、可動係止面152の最も低い辺170は、固定係止面142の最も高い辺146よりも低い位置に位置するように構成してもよい。端子金具200が正規位置に到達したときに、可動係止面152の最も低い辺170が、固定係止面142の最も高い辺146よりも低い位置に位置し、可動係止面152の少なくとも一部が、固定係止面142と向かい合うことができる状態になればよい。可動係止面152の少なくとも一部が、固定係止面142と向かい合うことによって、可動係止面152が固定係止面142に向かって移動した場合であっても、可動係止面152は固定係止面142によって係止され、端子金具200がキャビティ120から引き抜かれることを防止することができる。
120 キャビティ
150 ランス
200 端子金具
Claims (4)
- 端子金具を収容可能なキャビティが形成されたコネクタハウジングを有するコネクタであって、
前記キャビティの正規位置に収納された前記端子金具を係止する端子金具係止部を有するランスであって、前記端子金具との接触により変形可能なランスと、
前記キャビティを構成する壁面に設けられた固設係止部と、を有し、
前記ランスは、前記端子金具が前記キャビティに収容されて前記ランスが変形することによって、少なくとも一部が前記固設係止部と向かい合う位置に移動可能な可動係止面を有するコネクタ。 - 前記ランスは、前記キャビティに沿った長尺な形状を有し、
前記キャビティを構成する壁面に連結する第1の端部と、前記ランスの長手方向に沿って前記第1の端部から離隔した位置に形成された第2の端部とを有し、
前記第2の端部から延出し、変形可能な脚部を有する請求項1に記載のコネクタ。 - 前記キャビティは、前記端子金具が前記キャビティに挿入される挿入端部を有し、
前記端子金具が前記キャビティに収容された状態で前記端子金具に力が加えられたときに、前記可動係止面は前記固定係止面によって係止される請求項2に記載のコネクタ。 - 前記脚部は、前記第2の端部から離隔する向きに延出する第1の脚体と、前記第1の脚体に略平衡に形成された第2の脚体とを有し、
前記第1の脚体と前記第2の脚体との間に間隙を有して前記固設係止部が位置し、
前記端子金具が前記キャビティに収容されたときに、前記ランスと前記第1の脚体と前記第2の脚体とが変形し、前記可動係止面は、少なくとも一部が前記固定係止面と向かい合う請求項2に記載のコネクタ。
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