JP2013067849A - Cu−Co−Si系銅合金条及びその製造方法 - Google Patents

Cu−Co−Si系銅合金条及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】疲労特性を向上させたCu−Co−Si系銅合金条及びその製造方法を提供する。
【解決手段】Co:0.5〜3.0質量%,Si:0.1〜1.0質量%を含有し、Co/Siの質量比:3.0〜5.0であって、残部が銅および不可避的不純物からなり、表面の硬さA(Hv)と、圧延平行方向の厚み中央における硬さB(Hv)との比A/Bが1.03以上であるCu−Co−Si系銅合金条である。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子材料などの電子部品の製造に好適に使用可能なCu−Co−Si系銅合金条及びその製造方法に関する。
電子機器のコネクタ等の材料として、強度と導電率に優れたCu銅合金条が広く用いられている。ところで、近年、電子機器のコネクタにおいて高電流化が進んでおり、良好な曲げ性を有し,55%IACS以上の導電率、600MPa以上の耐力を有することが必要と考えられている。また、はんだ性を確保するため、コネクタ材料には良好なめっき性やはんだ濡れ性が求められる。
しかしながら、60%IACS以上の導電率をNi-Si系銅合金で達成することは難しく,Co-Si系銅合金の開発が進められてきた。Co-Siを含む銅合金はCo2Siの固溶量が少ないため、Ni-Si系銅合金よりも導電率を高くすることができる。
このCo-Si系銅合金として、介在物の大きさを2μm以下として粗大な析出物を少なくすることで、めっき密着性に優れた銅合金が開示されている(特許文献1)。
特開2008-056977号公報
ところで、近年、リレーや、フローティング機構を有する可動コネクタに使用される金属材料には、繰り返し曲げに耐える疲労特性が要求される。しかしながら、Cu−Co−Si系銅合金条の疲労特性を向上させる技術は未だ開発されていない。なお、フローティング可能なコネクタは、例えば特開2009-230945号公報に記載されている。
すなわち、本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、疲労特性を向上させたCu−Co−Si系銅合金条及びその製造方法の提供を目的とする。
本発明のCu−Co−Si系銅合金条は、Co:0.5〜3.0質量%,Si:0.1〜1.0質量%を含有し、Co/Siの質量比:3.0〜5.0であって、残部が銅および不可避的不純物からなり、表面の硬さA(Hv)と、圧延平行方向の厚み中央における硬さB(Hv)との比A/Bが1.03以上である。
Ni、Cr、Mg、Mn、Ag、P、Sn、Zn、As、Sb、Be、B、Ti、Zr、Al及びFeよりなる群から選ばれる1種以上を合計0.001〜2.5質量%含有することが好ましい。
本発明のCu−Co−Si系銅合金条の製造方法は、Co:0.5〜3.0質量%,Si:0.1〜1.0質量%を含有し、Co/Siの質量比:3.0〜5.0であって、残部が銅および不可避的不純物からなるCu−Co−Si系銅合金条の製造方法であって、インゴットの熱間圧延の仕上厚みを20mm以上とし,熱間圧延後に850℃から400℃まで20℃/min以上75℃/min以下で空冷する。
本発明によれば、疲労特性を向上させたCu−Co−Si系銅合金条が得られる。
銅合金条の圧延平行方向に沿う断面の組織を模式的に示す図である。 実施例3の試料の圧延平行方向の厚み中央の走査電子顕微鏡像(2次電子像)である。 実施例3の試料の圧延平行方向の表面の走査電子顕微鏡像(2次電子像)である。
以下、本発明の実施形態に係るCu−Co−Si系銅合金条について説明する。なお、本発明において%とは、特に断らない限り、質量%を示すものとする。
まず、銅合金条の組成の限定理由について説明する。
<Co及びSi>
Co及びSiは、時効処理を行うことによりCoとSiが微細なCoSiを主とした金属間化合物の析出粒子を形成し、合金の強度を著しく増加させる。また、時効処理でのCoSiの析出に伴い、導電性が向上する。ただし、Co濃度が0.5%未満の場合、またはSi濃度が0.1(Co%の1/5)%未満の場合は、他方の成分を添加しても所望とする強度が得られない。また、Co濃度が3.0%を超える場合、またはSi濃度が1.0(Co%の1/3)%を超える場合は十分な強度が得られるものの、導電性が低くなり、更には強度の向上に寄与しない粗大なCo−Si系粒子(晶出物及び析出物)が母相中に生成し、曲げ加工性、エッチング性およびめっき性の低下を招く。よって、Coの含有量を0.5〜3.0質量%とする。好ましくは、Coの含有量を1.0〜2.0質量%とする。同様に、Siの含有量を0.1〜1.0質量%とする。好ましくは、Siの含有量を0.2〜0.7質量%とする。
Co/Siの質量比を3.0〜5.0とすると、析出硬化後の強度と導電率を共に向上させることができる。Co/Siの質量比が3.0未満であるとCoSiとして析出しないSiの濃度が多くなって導電率が低下する。Co/Siの質量比が5.0を超えるとCoSiとして析出しないCoの濃度が多くなって導電率が低下する。
さらに、Ni、Cr、Mg、Mn、Ag、P、Sn、Zn、As、Sb、Be、
B、Ti、Zr、Al及びFeよりなる群から選ばれる1種以上を合計0.001〜2.5質量%含有することが好ましい。これら元素は強度上昇に寄与する。これら元素の合計量が0.001質量%未満であると、上記効果が得られない場合がある。又、これら元素の合計量が2.5質量%を超えると導電率が低下したり、熱間圧延で割れる場合がある。
本発明のCu−Co−Si系銅合金条の厚みは特に限定されないが、例えば0.03〜0.6mmとすることができる。
次に、銅合金条の硬さの規定について説明する。本発明者らは、Cu−Co−Si系銅合金条を種々の条件で製造したときの疲労特性を調査、解析した結果、以下の知見を得た。
つまり、図1に示すように、銅合金条の圧延平行方向RDの厚み中央Cの組織M1の硬さB(Hv)を低くし、表面の組織M2の硬さA(Hv)を高くし、比A/Bを1.03以上とする。このようにすると、銅合金条の表面が中央より硬くなり、疲労特性が良好となる。
A/Bが1.03未満であると、銅合金条の表面が中央より十分に硬くならず、疲労特性を向上させることが難しい。なお、A/Bの上限は特に制限されないが、例えば1.3程度である。
ここで、「圧延平行方向の厚み中央」は、図1に示すように、圧延平行方向に沿う断面にて、試料の厚み方向の中央部をいう。銅合金条の圧延平行方向の厚み中央における硬さB(Hv)は、図1の圧延平行方向RDに沿う断面Sを機械研磨し、この断面Sにおいて、厚み中央Cに沿う5か所の位置R1につき、JIS-Z-2244に従い、マイクロビッカース硬さ試験を、荷重:0.098Nで測定する。
又、銅合金条の表面の硬さA(Hv)は、上記断面Sにおいて、表面から板厚の10%となる位置で、かつ表面に平行な5か所の位置R2につき、硬さBと同様にして測定する。
硬さA、Bとも、それぞれ5か所の測定値を平均する。
本発明のCu−Co−Si系銅合金条は、インゴットを熱間圧延する際の仕上げ厚みを20mm以上とし、熱間圧延した後、850℃から400℃まで20℃/min以上75℃/min以下の冷却速度で空冷し、冷間圧延、溶体化処理、時効処理、仕上圧延、および必要に応じて歪取り焼鈍して製造することができる。
熱間圧延の仕上げ厚みが20mm以上であるものをその後に空冷すると、材料の板厚方向中央部(芯部)の冷却速度が表面と比べて遅くなり、表面に比べて芯部に多数の析出物が析出する。従って、この材料をさらに冷間圧延して溶体化処理すると、析出物が少ない表面により多くの添加元素(Co及びSi)が固溶する。このため、溶体化処理後の時効処理において、表面の方が析出硬化して硬さも高くなる。
熱間圧延の仕上げ厚みが20mmを下回ると、板厚中央部と表面部の冷却速度に差異が生じなくなり、結果として銅合金条の表面が中央より十分に硬くならずに疲労特性が向上しない。
熱間圧延後の冷却速度が75℃/minを超えると、材料の板厚方向中央部(芯部)も急激に冷却されて析出物の数が少なくなる。その結果、添加元素(Co及びSi)が芯部にも固溶し、銅合金条の表面が中央より十分に硬くならずに疲労特性が向上しない。
熱間圧延後の冷却速度は遅いほど好ましいが、あまり遅いと析出物が粗大になりすぎて、溶体化処理時の固溶量が少なくなり、所望の強度が得られなくなるので、熱間圧延後の冷却速度の下限を20℃/minとすると好ましい。
例えば、インゴットを仕上げ厚みが20mm以上となるように熱間圧延した後、850℃から400℃まで20℃/min以上75℃/min以下で空冷すると上記効果がえられる。空冷時の冷却速度は、例えば熱風炉を用いて大気中の温度を管理することで行うことができる。
なお、溶体化処理後の時効処理の温度は、所定組成の合金について強度が最大となる温度以下とするとよい。具体的には、(1)所定の時効温度における時効時間と、時効後の試料の強度との関係を予め求めておき、強度が最大となる時効時間を取得するか、又は(2)、所定の時効時間における時効温度と、時効後の試料の強度との関係を予め求めておき、強度が最大となる時効温度を取得する。そして、このように取得した時効時間又は時効温度以下で時効処理を行うと、固溶量が多い表面の強度の方が高くなる。時効後の試料の強度が最大となる時効温度又は時効時間を超えて時効すると,固溶量の多い表面部が先に過時効となって強度が低下し,中央部(芯部)との強度差が得られなくなる。好ましい時効温度、時効時間の範囲は、450〜550℃で1〜30時間である。
電気銅を原料とし、大気溶解炉を用いて表1に示す組成の銅合金を溶製し、厚さ100mm×幅200mmのインゴットに鋳造した。このインゴットを950℃で表1の板厚になるまで熱間圧延を行った後、400℃まで20℃/min以上75℃/min以下の冷却速度で空冷し、その後、0.375mmまで冷間圧延を行った。さらに、850〜1000℃で60秒の溶体化処理、時効処理(450〜550℃で15時間)を順に行った。その後、最終仕上げ圧延を行った後、300℃で60秒の歪取り焼鈍を行い、0.3mmの厚みの試料を製造した。
<引張強さ(TS)>
引張試験機により、JIS−Z2241に従い、圧延方向と平行な方向における引張強さ(TS)を測定した。
<0.2%耐力(YS)>
引張試験機により、JIS−Z2241に従い、圧延方向と平行な方向における0.2%耐力(YS)を測定した。
<導電率(%IACS)>
得られた試料の導電率(%IACS)を4端子法により測定した。
<疲労特性>
JIS-Z-2273に従い、各試料について150N/mm2の両振り応力を107回繰り返して加えて試験し,破断の無かったものを○,破断したものを×とした。
<硬さA、B>
上記した方法で、圧延平行方向の厚み中央における硬さB(Hv)と、表面の硬さA(Hv)とを求めた。
得られた結果を表1に示す。
表1から明らかなように、20mm以上の板厚で熱間圧延を終了し、熱間圧延の仕上げ厚みを20mm以上とし、熱間圧延した後、空冷した各実施例の場合、A/Bが1.03以上となり疲労特性が向上した。又、引張強さが650MPa以上、導電率が55%IACS以上に向上した。
一方、熱間圧延の仕上げ厚みを20mm未満とし、熱間圧延後に空冷した比較例9の場合、A/Bが1.03未満となり、疲労特性が低下した。これは、板厚中央部と表面部の冷却速度に差異が生じなくなり、結果として銅合金条の表面が中央より十分に硬くならなかったためと考えられる。熱間圧延後に75℃/minを超える冷却速度で水冷した比較例10の場合、A/Bが1.03未満となり、疲労特性が低下した。これは、材料の板厚方向中央部(芯部)も急激に冷却されて析出物が少なくなった結果、添加元素(Co及びSi)が芯部にも固溶し、銅合金条の表面が中央より十分に硬くならなかったためと考えられる。
熱間圧延後に熱風炉を用いて20℃/min未満の冷却速度で空冷した比較例11の場合、A/Bが1.03未満となり、疲労特性が低下した。これは、冷却が遅すぎて芯部と表面の冷却速度に差が生じなくなり、結果として銅合金条の表面が中央より十分に硬くならなかったためと考えられる。
RD 圧延平行方向
C 厚み中央
M1 厚み中央の組織
M2 表面の組織

Claims (3)

  1. Co:0.5〜3.0質量%,Si:0.1〜1.0質量%を含有し、Co/Siの質量比:3.0〜5.0であって、残部が銅および不可避的不純物からなり、
    表面の硬さA(Hv)と、圧延平行方向の厚み中央における硬さB(Hv)との比A/Bが1.03以上であるCu−Co−Si系銅合金条。
  2. Ni、Cr、Mg、Mn、Ag、P、Sn、Zn、As、Sb、Be、B、Ti、Zr、Al及びFeよりなる群から選ばれる1種以上を合計0.001〜2.5質量%含有する請求項1記載のCu−Co−Si系銅合金条。
  3. Co:0.5〜3.0質量%,Si:0.1〜1.0質量%を含有し、Co/Siの質量比:3.0〜5.0であって、残部が銅および不可避的不純物からなるCu−Co−Si系銅合金条の製造方法であって、
    インゴットの熱間圧延の仕上厚みを20mm以上とし,熱間圧延後に850℃から400℃まで20℃/min以上75℃/min以下で空冷するCu−Co−Si系銅合金条の製造方法。
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