JP2013062346A - Iii族窒化物半導体発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】発光スペクトルの幅が広く、発光効率の高いIII 族窒化物半導体発光素子を実現すること。
【解決手段】実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子は、サファイア基板10を有し、サファイア基板10上にnコンタクト層11、ホールブロック層12、発光層13、pクラッド層14、pコンタクト層15が順に積層されている。ホールブロック層12は、厚さ100Åのn−AlGaNからなる。発光層13は、InGaNからなる井戸層130と、GaNからなる障壁層131とを1ペアとして、4ペア繰り返し積層したMQW構造である。井戸層130は、nコンタクト層11に近い側から順に井戸層130−1、130−2、130−3、130−4として、井戸層130−i(1≦i≦4)のIn組成比をxi(単位は%、以下も同様)とすれば、x1>x2>x3>x4となるよう井戸層130−1〜130−4は構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光スペクトルの幅が広く、発光効率の高いIII 族窒化物半導体発光素子に関する。
2011年現在、青色LEDと黄色蛍光体とを組み合わせた白色発光パッケージが一般照明用のLED電球などとして利用され、白熱電球に比べて発光効率が高く長寿命であることなどから急速に普及し始めている。
この白色発光パッケージにおいて、蛍光体の励起効率を安定させるためには、青色LEDの発光スペクトルが広いことが望まれる。
発光スペクトルの広いIII 族窒化物半導体発光素子として、たとえば特許文献1、2がある。特許文献1には、III 族窒化物半導体層の上面に傾斜角度の異なる複数の傾斜面を設け、その傾斜面に沿って発光層を形成することが示されている。傾斜面の角度が異なると、その上に位置する発光層の領域の発光波長が異なる。その結果、III 族窒化物半導体発光素子は複数の発光波長で発光することとなり、発光スペクトルが広がる。
また、特許文献2には、MQW構造の発光層を有したIII 族窒化物半導体発光素子において、発光層の各井戸層のバンドギャップがn型層側に向かうにつれて小さくなっていくように構成することが示されている。このような構成の発光層とすれば、各井戸層へキャリア分布が広がり、各井戸層での発光波長が異なるため、発光スペクトルを広くすることができる。
特開2010−182832 特開2004−128443
しかし、特許文献1では、III 族窒化物半導体層上面に傾斜角度の異なる傾斜面を設ける必要があるが、このような構造となるよう結晶成長させたり加工したりすることは技術的に難易度が高く、高コストであり、実用的な方法ではない。
また、特許文献2の方法では、キャリアの分布が広がることでホールのn型層側へのオーバーフローが発生してしまい、発光層へのキャリア注入効率が低下して発光効率が低下してしまう。
そこで本発明の目的は、発光スペクトルが広く、発光効率の高いIII 族窒化物半導体発光素子を実現することである。
第1の発明は、nコンタクト層と、nコンタクト層上部に位置し、InGaNからなる井戸層とGaNまたはAlGaNからなる障壁層とが交互に複数回繰り返し積層されたMQW構造の発光層と、を有したIII 族窒化物半導体発光素子において、nコンタクト層と発光層との間に、厚さ5〜100Åのn−AlGaNからなるホールブロック層を有し、各井戸層のIn組成比は、nコンタクト層側から遠い井戸層ほどIn組成比が小さい、ことを特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子である。
第5の発明は、nコンタクト層と、nコンタクト層上に接して位置し、InGaNからなる井戸層とGaNまたはAlGaNからなる障壁層とが交互に複数回繰り返し積層されたMQW構造の発光層と、を有したIII 族窒化物半導体発光素子において、各井戸層のIn組成比は、nコンタクト層に最も近い1番目の井戸層から、nコンタクト層に3〜10番目に近い井戸層までの各井戸層についてはIn組成比が一定の所定値であり、それ以降の各井戸層については、In組成比が所定値よりも小さく、かつ、nコンタクト層側から遠い井戸層ほどIn組成比が小さい、ことを特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子である。
第1、5の発明において、発光層の構造は、InGaNからなる井戸層とGaNまたはAlGaNからなる障壁層が複数回繰り返し積層されたMQW構造であれば従来知られている任意の構造でよい。たとえば、井戸層と障壁層との間に、井戸層と同一温度で成長させるGaNまたはAlGaNからなるキャップ層を設けてもよい。キャップ層を設けることにより、障壁層形成時の昇温において井戸層からのInの蒸発を抑制することができる。
発光層の井戸層と障壁層の繰り返し回数は、第1、5の発明において4〜20回とすることが望ましい。繰り返し回数がこの範囲であれば、発光効率をより効果的に向上させることができる。
第1の発明において、ホールブロック層のAl組成比は、10〜30%とすることが望ましい。より効果的にホールのオーバーフロー発生を抑制することができるとともに、電子のトンネルを阻害せず、発光層へのキャリア注入効率を向上させることができる。より望ましいホールブロック層のAl組成比は20〜30%である。また、ホールブロック層は、Si濃度が5×1017〜1×1019/cm3 となる程度にSiがドープされていることが望ましい。この範囲でSiがドープされていると、素子の抵抗を低減することができ、駆動電圧の低下を図ることができる。また、ホールブロック層は、厚さ5〜50Åとすることがより望ましい。厚さをこの範囲とすれば、より効果的にホールのオーバーフロー発生を抑制することができるとともに、電子のトンネルを阻害せず、発光層へのキャリア注入効率を向上させることができる。
第5の発明において、In組成比を一定とする井戸層は、nコンタクト層に最も近い1番目の井戸層から、nコンタクト層に3〜8番目に近い井戸層までとすることがより望ましい。より効果的にホールのオーバーフロー発生を抑制することができるとともに、電子のトンネルを阻害せず、発光層へのキャリア注入効率を向上させることができる。さらに望ましくはnコンタクト層に3〜5番目に近い井戸層までである。
第1、5の発明において、最もnコンタクト層に近い井戸層のIn組成比、すなわち最もIn組成比の高い井戸層のIn組成比(第5の発明における所定値)は、15〜30%とすることが望ましい。15%よりも低いと発光スペクトルを十分に広げることができず、30%よりも高いと井戸層の結晶性が悪化してしまう。より望ましくは20〜30%である。最もnコンタクト層から遠い井戸層のIn組成比、すなわち最もIn組成比の低い井戸層のIn組成比は、5〜20%とすることが望ましい。5%よりも低いと、井戸層にキャリアを閉じ込めることが難しく、20%よりも高いと、発光スペクトルを十分に広げることができない。より望ましくは10〜20%である。また、最もIn組成比の高い井戸層のIn組成比と、最もIn組成比の低い井戸層のIn組成比との差は、5〜20%とすることが望ましい。この範囲であれば、発光スペクトルを十分に広くすることができるとともに、発光効率の低下を抑制することができる。また、隣接する井戸層間でのIn組成比の差(第5の発明においてはIn組成比が一定である区間を除く)は、1〜5%とすることが望ましい。発光スペクトルがより連続的でなめらかとなるためである。
第2の発明は、第1の発明において、ホールブロック層は、Al組成比が10〜30%であることを特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子である。
第3の発明は、第1の発明または第2の発明において、ホールブロック層は、厚さが5〜50Åであることを特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子である。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明において、発光層の井戸層と障壁層の繰り返し回数は、4〜20回であることを特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子である。
第6の発明は、第5の発明において、In組成比が一定であるのは、nコンタクト層に3〜8番目に近い井戸層までであることを特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子である。
第7の発明は、第5の発明または第6の発明において、発光層の井戸層と障壁層の繰り返し回数は、4〜20回であることを特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子である。
第1、5の発明のように、各井戸層のIn組成比の分布を、nコンタクト層側から離れるにしたがってIn組成比が減少していく分布とすることでキャリア分布が広がり、幅の広い発光スペクトルを得ることができる。しかし、キャリア分布が広がる結果、ホールのオーバーフローが発生するため、第1の発明ではnコンタクト層と発光層との間に厚さ10〜100Åのn−AlGaNからなるホールブロック層を設けることにより、第5の発明ではnコンタクト層側の3〜10層の各井戸層のIn組成比を一定とすることにより、オーバーフローを抑制している。この結果、発光層へのキャリアの注入効率が保持され、発光効率の向上を図ることができる。
実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子の構成を示した図。 発光層13の構成を示した図。 ホールブロック層12および発光層13のバンド図。 実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子の発光スペクトルを示した図。 実施例2のIII 族窒化物半導体発光素子の構成を示した図。 発光層23の構成を示した図。 発光層23のバンド図。
以下、本発明の具体的な実施例について図を参照に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
図1は、実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子の構成について示した図である。実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子は、サファイア基板10を有し、サファイア基板10上にAlNからなるバッファ層(図示しない)を介してnコンタクト層11、ホールブロック層12、発光層13、pクラッド層14、pコンタクト層15が順に積層されている。pコンタクト層15表面の一部領域には、その表面からnコンタクト層11に達する深さの溝が形成されていて、その溝の底面に露出したnコンタクト層11上にはn電極16が設けられている。また、pコンタクト層15上の溝形成部を除くほぼ全面にはITOからなる透明電極17が設けられ、透明電極17上にはp電極18が設けられている。
サファイア基板10のnコンタクト層11側表面にドット状、ストライプ状などの凹凸パターンを設け、光取り出し効率の向上を図るようにしてもよい。成長基板としてサファイア基板以外にも、SiC、Si、ZnO、スピネル、GaN、Ga2 3 などを用いることができる。
nコンタクト層11は、厚さ4μm、Si濃度2×1018/cm3 のn−GaNからなる。n電極16とのコンタクト抵抗をより低減するために、nコンタクト層11をSi濃度の異なる複数の層で構成してもよい。
ホールブロック層12は、厚さ100Å、Si濃度2×1018/cm3 、Al組成比20%のn−AlGaNからなる。
なお、ホールブロック層12の厚さおよびAl組成比は、電子をトンネルすることができ、かつホールをブロックすることができる厚さ、Al組成比であればよく、具体的には厚さ5〜100Å、Al組成比10〜30%であればよい。より望ましくは厚さ5〜50Å、Al組成比20〜30%である。また、ホールブロック層12のSi濃度は5×1017〜1×1019/cm3 の範囲であればよい。
ホールブロック層12とnコンタクト層11との間には、静電耐圧性を高めるためにESD層を設けてもよい。ESD層は、たとえば以下のような構成である。nコンタクト層11側から順に、第1ESD層、第2ESD層、第3ESD層の3層構造とし、第1ESD層は、発光層13側の表面に1×108 /cm2 以下のピットが形成され、厚さが200〜1000nm、Si濃度が1×1016〜5×1017/cm3 のGaNで構成され、第2ESD層は、発光層13側の表面に2×108 /cm2 以上のピットが形成され、厚さが50〜200nm、キャリア濃度が5×1017/cm3 以下のGaNで構成され、第3ESD層は、Si濃度(/cm3 )と膜厚(nm)の積で定義される特性値が0.9×1020〜3.6×1020(nm/cm3 )のGaNで構成する。このようにESD層を構成すれば、静電耐圧特性を向上させつつ、発光効率や信頼性を向上させることができ、電流のリークを減少させることができる。
発光層13は、図2のように、InGaNからなる井戸層130と、GaNからなる障壁層131とを1ペアとして、4ペア繰り返し積層したMQW構造である。井戸層130は、nコンタクト層11に近い側から順に井戸層130−1、130−2、130−3、130−4とする。井戸層130−1のIn組成比をx1(単位は%、以下も同様)、井戸層130−2のIn組成比をx2、井戸層130−3のIn組成比をx3、井戸層130−4のIn組成比をx4とすれば、x1>x2>x3>x4となるよう井戸層130−1〜130−4は構成されている。つまり、nコンタクト層11に近いほどIn組成比が高く、離れるほどIn組成比が低くなるように井戸層130が構成されている。
x1は15〜30%であることが望ましい。15%よりも低いと発光スペクトルを十分に広げることができず、30%よりも高いと井戸層130−1の結晶性が悪化してしまう。より望ましくは20〜30%である。x4は5〜20%であることが望ましい。5%よりも低いと、井戸層130−4にキャリアを閉じ込めることが難しく、20%よりも高いと、発光スペクトルを十分に広げることができない。より望ましくは10〜20%である。また、x1とx4との差は、5〜20%とすることが望ましい。この範囲であれば、発光スペクトルを十分に広くすることができるとともに、発光効率の低下を抑制することができる。隣接する井戸層130間の差、つまりx1とx2の差、x2とx3の差、およびx3とx4の差は、1〜5%とすることが望ましい。発光スペクトルがより連続的でなめらかとなるためである。
なお、実施例1の発光層13では、障壁層131としてGaNを用いているが、AlGaNを用いてもよい。AlGaNを用いる場合、Al組成比は5〜10%とすることが望ましい。また、井戸層130と障壁層131との間に、井戸層130と同じ温度で形成されるキャップ層を設けるようにしてもよい。障壁層131形成時の昇温において井戸層130中のInが蒸発してしまうのを抑制することができる。また、実施例1では井戸層130と障壁層131の繰り返し回数は4回としたが、4〜20回であれば、発光効率を十分に高めることができる。
pクラッド層14は、厚さ2nm、Mg濃度5×1019/cm3 のp−AlGaN層と、厚さ2nm、Mg濃度5×1019/cm3 のp−InGaN層とを1単位として、これを7単位繰り返し積層させた超格子構造である。ただし、最初に形成する層、すなわち、発光層13に接する層をp−InGaN層とし、最後に形成する層、すなわち、pコンタクト層15に接する層をp−AlGaN層としている。pクラッド層14は、p−AlGaNからなる単層であってもよい。
pコンタクト層15は、厚さ10nm、Mg濃度1.0×1021/cm3 のp−GaNからなる。結晶性向上と透明電極17とのコンタクト抵抗低減とを両立させるために、pコンタクト層15をMg濃度の異なる複数の層で構成してもよい。たとえば、pクラッド層14側から順に、Mg濃度1〜3×1019/cm3 で厚さ320ÅのGaNからなる第1pコンタクト層、Mg濃度4〜6×1019/cm3 で厚さ320ÅのGaNからなる第2pコンタクト層、Mg濃度1〜2×1020/cm3 で厚さ80ÅのGaNからなる第3pコンタクト層、の3層構造としてもよい。また、透明電極17と接する第3pコンタクト層は、GaNではなくInGaNとしてもよい。仕事関数が透明電極17に近くなるため、コンタクト抵抗をさらに低減することができる。
透明電極17は、pコンタクト層15表面のほぼ全面に設けられている。透明電極17には、ITO以外にもICO(セリウムドープの酸化インジウム)やIZO(亜鉛ドープの酸化インジウム)などの透明酸化物導電体材料や、Auなどの金属薄膜を用いることができる。
n電極16、p電極18は、電流拡散性を向上させるために、ワイヤがボンディングされるパッド部と、面内に配線状(たとえば格子状、櫛歯状、放射状)に広がり、パッド部と接続する配線状部と、を有する構造としてもよい。
図3は、実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子のIII 族窒化物半導体層(nコンタクト層11からpコンタクト層15まで順に積層された層)についてのバンド図を示している。図3のように、発光層13の井戸層130のIn組成比がnコンタクト層11から離れるにしたがって減少していくため、バンドギャップはnコンタクト層11から離れるにしたがって次第に大きくなっていっている。井戸層130のバンドギャップをこのような分布とすると、III 族窒化物半導体中の電子とホールの移動度の違い(電子の移動度に対してホールの移動度は小さい)に起因して、発光層13中の各井戸層130−1〜130−4にキャリア分布が広がる。そして、各井戸層130−1〜130−4での発光波長が異なることから、幅の広い発光スペクトルを得ることができる。
しかし、キャリア分布が広がる結果、ホールのnコンタクト層11側へのオーバーフローが発生してしまう。そこで実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子では、厚さ100Å、Al組成比20%のn−AlGaNからなるホールブロック層12を設けることにより、ホールのオーバーフローを抑制している。ホールをブロックする効果は、Al組成比が高いほど、つまりバンドギャップが大きいほど高く、ホールブロック層12が厚いほど高くなる。一方でAl組成比が高すぎたり、ホールブロック層12が厚すぎると、電子が発光層13へ注入される効率が低下する。そのため、ホールブロック層12の厚さを100Å、Al組成比を20%としている。このようにホールブロック層12を設けることにより、発光層13へのキャリアの注入効率が保持され、その結果発光効率の向上を図ることができる。
図4は、実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子の発光スペクトルを示したグラフである。駆動電流をそれぞれ20mA、100mA、200mAとした場合である。いずれの場合にも、半値幅がおよそ40nmという幅広い発光スペクトルであることがわかる。また、発光スペクトルの形状は、連続的でなめらかであり、複数のピークを有するような形状ではないことがわかる。また、駆動電流によってスペクトル形状が変化していることがわかる。これは、実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子を黄色蛍光体を混合した樹脂により封止した白色発光パッケージを作成した場合に、駆動電流によって白色発光パッケージの色度を調整可能であることを示している。
以上のように、実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子では、発光層13の井戸層130−1〜130−4のIn組成比をnコンタクト層11から遠い井戸層130ほどIn組成比が低くなるように構成し、さらにnコンタクト層11と発光層13との間に厚さ100Å、Al組成比20%のホールブロック層12を設けている。これにより、幅の広い発光スペクトルを有し、かつ発光効率の高いIII 族窒化物半導体発光素子を実現している。
図5は、実施例2のIII 族窒化物半導体発光素子の構成について示した図である。図5のように、実施例2のIII 族窒化物半導体発光素子は、実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子において、ホールブロック層12を省き、発光層13に替えて以下に詳述する発光層23を設けた構成である。
発光層23は、図6に示すように、InGaNからなる井戸層230と、GaNからなる障壁層231とを1ペアとして、10ペア繰り返し積層したMQW構造である。井戸層230は、nコンタクト層11に近い側から順に井戸層230−1、230−2、230−3、・・・、230−10とする。井戸層230−i(1≦i≦10)のIn組成比をyi(単位は%)とすれば、y1=y2=y3である。つまり、nコンタクト層11側から1番目〜3番目の井戸層230−1〜230−3は同じIn組成比(発光波長が450nmとなる組成比)である。また、y3>y4>y5>・・・>y9>y10である。y10は発光波長が420nmとなる組成比である。つまり、nコンタクト層11側から4番目以降の井戸層230−4〜230−10については、いずれも井戸層230−3よりもIn組成比が低く、かつnコンタクト層11に近いほどIn組成比が高く、離れるほどIn組成比が低くなるように井戸層230−4〜230−10が構成されている。
なお、実施例2の発光層23では、障壁層231としてGaNを用いているが、AlGaNを用いてもよい。AlGaNを用いる場合、Al組成比は5〜10%とすることが望ましい。また、井戸層230と障壁層231との間に、井戸層230と同じ温度で形成されるキャップ層を設けるようにしてもよい。障壁層231形成時の昇温において井戸層230中のInが蒸発してしまうのを抑制することができる。また、実施例2では井戸層230と障壁層231の繰り返し回数を10回としたが、4〜20回であれば、十分に発光効率を向上させることができる。
図7は、実施例2のIII 族窒化物半導体発光素子のIII 族窒化物半導体層(nコンタクト層11からpコンタクト層15まで順に積層された層)についてのバンド図を示している。図7のように、井戸層230は、nコンタクト層11側から1番目〜3番目の井戸層230−1〜230−3についてはIn組成比が一定であるため、バンドギャップは一定である。また、nコンタクト層11側から4番目以降の井戸層230−4〜230−10については、In組成比がnコンタクト層11から離れるにしたがって減少していくため、バンドギャップはnコンタクト層11から離れるにしたがって次第に大きくなっていっている。井戸層230−4〜230−10のバンドギャップをこのような分布とすると、III 族窒化物半導体中の電子とホールの移動度の違い(電子の移動度に対してホールの移動度は小さい)に起因して、発光層23中の各井戸層230−4〜230−10にキャリア分布が広がる。そして、各井戸層230−4〜230−10での発光波長が異なることから、幅の広い発光スペクトルを得ることができる。
しかし、キャリア分布が広がる結果、ホールのnコンタクト層11側へのオーバーフローが発生してしまう。そこで実施例2のIII 族窒化物半導体発光素子では、井戸層230−4よりもIn組成比が高く、かつ一定である井戸層230−1〜230−3をnコンタクト層11側に設けている。この井戸層230−1〜230−3において、オーバーフローしようとするホールを電子と接合させることで、ホールのオーバーフローを抑制している。その結果、発光層23へのキャリアの注入効率が保持され、その結果発光効率の向上を図ることができる。
なお、ホールのオーバーフローを抑制する効果は、nコンタクト層11側のIn組成比を一定とする井戸層230の数が多いほど高くなる。一方でIn組成比を一定とする井戸層230の数が多すぎると、nコンタクト層11から離れた側の井戸層に達する電子が少なくなり、発光層23中のキャリア分布が偏り発光スペクトルの幅が狭くなってしまう。そのため、In組成比を一定とする井戸層230はnコンタクト層11側から数えて1番目から3〜10番目までとするのが望ましい。この範囲であれば、効率的にホールのオーバーフローを抑制して発光効率を向上させつつ、幅の広い発光スペクトルを得ることができる。より望ましくは3〜8番目、さらに望ましくは3〜5番目までである。
実施例1、2のIII 族窒化物半導体発光素子はフェイスアップ型の素子であったが、本発明はこれに限定するものではなく、従来知られている任意の構造のIII 族窒化物半導体発光素子に適用することができる。たとえば、フリップチップ型の素子や、導電性基板を用いたり、レーザーリフトオフなどの技術によって基板を除去するなどして縦方向に導通をとる構造とした素子などにも本発明は適用することができる。そして、実施例1、2と同様に、幅広い発光スペクトルを得つつ、発光効率を向上させることができる。なお、フリップチップ型の素子やレーザーリフトオフによる素子の場合、In組成比が高い井戸層側から光を取り出すこととなるが、In組成比が高い井戸層での光の吸収はわずかであり、問題なく光を取り出すことができる。
本発明のIII 族窒化物半導体発光素子は、照明装置への利用に特に有効である。
10:サファイア基板
11:nコンタクト層
12:ホールブロック層
13、23:発光層
14:pクラッド層
15:pコンタクト層
16:n電極
17:透明電極
18:p電極
130、230:井戸層
131、231:障壁層

Claims (7)

  1. nコンタクト層と、nコンタクト層上部に位置し、InGaNからなる井戸層とGaNまたはAlGaNからなる障壁層とが交互に複数回繰り返し積層されたMQW構造の発光層と、を有したIII 族窒化物半導体発光素子において、
    nコンタクト層と発光層との間に、厚さ5〜100Åのn−AlGaNからなるホールブロック層を有し、
    各前記井戸層のIn組成比は、前記nコンタクト層側から遠い井戸層ほどIn組成比が小さい、
    ことを特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子。
  2. 前記ホールブロック層は、Al組成比が10〜30%であることを特徴とする請求項1に記載のIII 族窒化物半導体発光素子。
  3. 前記ホールブロック層は、厚さが5〜50Åであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のIII 族窒化物半導体発光素子。
  4. 前記発光層の前記井戸層と前記障壁層の繰り返し回数は、4〜20回であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のIII 族窒化物半導体発光素子。
  5. nコンタクト層と、nコンタクト層上に接して位置し、InGaNからなる井戸層とGaNまたはAlGaNからなる障壁層とが交互に複数回繰り返し積層されたMQW構造の発光層と、を有したIII 族窒化物半導体発光素子において、
    各前記井戸層のIn組成比は、前記nコンタクト層に最も近い1番目の前記井戸層から、前記nコンタクト層に3〜10番目に近い前記井戸層までの各前記井戸層についてはIn組成比が一定の所定値であり、それ以降の各前記井戸層については、In組成比が前記所定値よりも小さく、かつ、前記nコンタクト層側から遠い井戸層ほどIn組成比が小さい、
    ことを特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子。
  6. In組成比が一定であるのは、前記nコンタクト層に3〜8番目に近い前記井戸層までであることを特徴とする請求項5に記載のIII 族窒化物半導体発光素子。
  7. 前記発光層の前記井戸層と前記障壁層の繰り返し回数は、4〜20回であることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のIII 族窒化物半導体発光素子。
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