JP2013060892A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジン10の燃焼制御システムのコストを低減させることのできる制御装置を提供する。
【解決手段】ECU64内のパワートランジスタの直近に、第1のサーミスタを設ける。この第1のサーミスタによれば、エンジン10の運転状態と連動する温度を検出することができる。そして、第1のサーミスタによって検出される温度に基づき、エンジン10の温度を推定する。詳しくは、第1のサーミスタによって検出される温度が高いほど、エンジン10の温度を高く推定する。そして、推定されたエンジン10の温度に基づき、燃料噴射弁30による燃料噴射制御を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関の燃焼状態を制御する制御装置に関する。
従来、内燃機関の温度が内燃機関の燃焼状態に及ぼす影響が大きいことに鑑み、内燃機関の温度に基づき燃料噴射弁による燃料噴射制御を行う技術が知られている。こうした技術としては、例えば下記特許文献1,2に見られるように、内燃機関の温度と相関を有する内燃機関の冷却水温度を検出する水温センサや、内燃機関の温度と相関を有するエンジンオイルの温度や内燃機関の壁温(機温)を検出する温度センサをエンジンに取り付け、上記センサの検出値に基づき燃料噴射制御を行う技術が知られている。
特開2011―153608号公報 特開2009―191712号公報
ところで、上記水温センサや油温センサ等、燃焼制御用に内燃機関の温度を把握するためのセンサを設けると、内燃機関の制御システムのコストを増大させるおそれがある。これは、センサを取り付けるためのエンジンの一部に対する加工工程の追加や、センサの取り付け工程の追加、更には配線用のワイヤの追加等に起因する。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、内燃機関の制御システムのコストを低減させることのできる制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、内燃機関の運転状態を制御する制御装置であって、前記内燃機関の運転時において機関燃焼に伴い上昇変化する温度を検出する第1温度検出部と、該第1温度検出部での温度検出結果を入力する制御部とを備え、前記制御部は、少なくとも前記第1温度検出部での温度検出結果を前記内燃機関の温度基本量とし、該温度検出結果に基づき前記内燃機関の運転状態を制御することを特徴とする。
上記発明では、内燃機関の運転時において機関燃焼に伴い上昇変化する温度を検出する第1温度検出部を制御装置に備えている。第1温度検出部の温度検出結果は、内燃機関の温度と相関を有するため、上記検出結果によれば内燃機関の温度基本量を把握することができる。
こうした上記発明によれば、例えば内燃機関にこの温度を検出するセンサを取り付ける構成と比較して、センサを取り付けるための加工工程、センサの取り付け工程及び制御装置(ECU)への配線接続を廃止すること等ができる。すなわち、内燃機関の制御システムのコストを低減させることができる。
なお、上記発明において、上記制御部は、上記第1温度検出部での温度検出結果のみに基づき上記内燃機関の温度を算出することなどができる。
また、上記制御装置は、内燃機関に設けられた燃焼制御用のアクチュエータに電気的に接続され、上記アクチュエータの駆動状態を制御するものである。さらに、第1温度検出部は、例えば制御装置のケース内に又は該ケースに一体化して設けられる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記内燃機関は、燃焼サイクルごとに給電及び給電停止が実施される燃焼制御用のアクチュエータを備え、前記アクチュエータに対する給電及び給電停止を操作すべく開閉駆動され、その開閉駆動に伴い発熱する駆動素子を備え、前記第1温度検出部は、前記駆動素子の温度を検出する素子温度検出手段であることを特徴とする。
内燃機関の運転状態において、内燃機関での燃焼が繰り返されると、その燃焼に応じて内燃機関の温度が上昇する。一方で、制御装置においては、燃焼サイクルごとの燃焼のためにアクチュエータへの給電が行われ、その際、駆動素子が駆動されることで発熱が生じる。この場合、こうした内燃機関での発熱と制御装置での発熱とに相関を持たせることにより、内燃機関の温度を、エンジン等に設けたセンサにより直接検出しなくても、制御装置に設けた温度検出部により上記温度基本量としての駆動素子の温度を検出することができる。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記アクチュエータは、前記内燃機関の燃焼室において点火プラグに放電火花を生じさせる点火装置であることを特徴とする。
点火プラグに対する給電又は給電の停止を操作すべく開閉駆動される駆動素子を流れる電流は通常、制御装置内の他の素子等を流れる電流よりも大きい傾向にある。ここで、上記発明では、点火装置に対する給電及び給電停止を操作すべく開閉駆動される駆動素子を温度検出対象とする。こうした上記発明によれば、温度検出部の温度変化幅が大きくなるため、内燃機関の温度の把握精度を向上させることができる。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明において、前記内燃機関の運転時において機関燃焼に伴い上昇変化する温度を検出するとともに、前記第1温度検出部よりも温度に対する応答変化が小さい第2温度検出部を備え、前記制御部は、前記内燃機関の運転状態から停止状態への移行後において、前記第2温度検出部での温度検出結果に基づき前記内燃機関の温度を算出する停止後温度算出手段を備えることを特徴とする。
上記制御装置に備えられた第1温度検出部による温度検出結果を内燃機関の温度として用いる構成では、内燃機関の始動に際し、例えば内燃機関のソーク時間(前回停止からの経過時間)によっては、内燃機関の実際の温度と、第1温度検出部の検出値によって把握される温度とに差異が生じることが考えられる。この理由としては、内燃機関の停止後において、内燃機関の実際の温度と、第1温度検出部での検出温度(例えば駆動素子の温度)とでは低下速度が相違し、例えば前者の方が後者に比べて遅いことがあると考えられるためである。このため、内燃機関の始動時に内燃機関の温度に基づいて燃料噴射量を増量制御する構成において、ソーク時間が比較的短い再始動時に制御誤差が生じることが懸念される。
この点、上記発明では、内燃機関の停止後において、第1温度検出部よりも温度に対する応答変化が小さい第2温度検出部での温度検出結果に基づき内燃機関の温度を算出する。このため、内燃機関の停止後において、内燃機関の実際の温度の低下を考慮しつつ、その実際の温度に近い温度の検出が可能となる。これにより、内燃機関の再始動時において燃料増量制御の制御誤差が生じるといった不都合を抑制することができる。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記第1温度検出部は、前記制御装置において、燃焼サイクルごとに給電及び給電停止が実施される燃焼制御用のアクチュエータを駆動する駆動素子の近傍に設けられ、前記第2温度検出部は、前記制御装置において、前記駆動素子に対して前記第1温度検出部よりも離間した位置に設けられていることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項4又は5記載の発明において、前記停止後温度算出手段は、前記内燃機関の運転状態から停止状態への移行後において、前記第1温度検出部での温度検出結果を、前記第2温度検出部での温度検出結果により補正し、その補正の結果に基づいて前記内燃機関の温度を算出することを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発明において、前記内燃機関の排気通路に設けられ、排気の酸素濃度を検出する酸素濃度センサを備える内燃機関の制御システムに適用され、前記制御部は、前記酸素濃度センサの検出値に基づき、前記内燃機関の燃焼室に供給される吸気及び燃料噴射弁から供給される燃料の混合気の空燃比をその目標値に制御すべく前記燃料噴射弁を通電操作することを特徴とする。
上記発明では、酸素濃度センサの検出値に基づき上記態様にて燃料噴射弁を通電操作することで、内燃機関の排気特性の低下を好適に抑制することができる。
請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の発明において、前記制御部は、自動2輪車に搭載されることを特徴とする。
自動2輪車は、例えば乗用車などの4輪自動車と比較して、内燃機関の搭載構造が異なり、4輪自動車の場合には、自動車前部や後部に設けられ車両ボディの一部で囲まれた空間部(エンジンルーム)に内燃機関が搭載されるのに対し、自動2輪車の場合には、車両ボディに囲まれることなく内燃機関が搭載される。この点を考慮すると、4輪自動車の場合には、内燃機関の温度が、燃焼に伴う発熱分とエンジンルーム内の熱蓄積分とに依存したものになるのに対し、自動2輪車の場合には、内燃機関の温度が、エンジンルーム内の熱蓄積分に依存したものでなく、概ね燃焼に伴う発熱分に依存したものになる。このため、制御装置に備えられる温度検出部によって把握される温度と、内燃機関の温度との相関を定めやすい。このため、上記発明は、温度検出部の検出値に基づく燃料噴射弁の通電操作量を設定する場合における適合作業の工数を低減させることなどができる。
請求項9記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の発明において、前記内燃機関の燃焼室に供給される吸気量を調節するスロットルバルブを備える内燃機関の制御システムに適用され、前記制御システムは、前記スロットルバルブの開度を検出するスロットルセンサ又は前記燃焼室に供給される吸気圧を検出する吸気圧センサを備えていないことを特徴とする。
上記発明では、制御システムのコスト低減を図るべく、スロットルセンサ又は吸気圧センサを備えない構成を採用している。
一実施形態にかかるシステム構成図。 一実施形態にかかる制御装置及び点火システムの構成図。 一実施形態にかかるDJマップを示す図。 一実施形態にかかるFAF初期値マップを示す図。 一実施形態にかかるFLAF学習値記憶マップを示す図。 一実施形態にかかる始動時噴射制御処理等の概要を示す図。 一実施形態にかかるエンジン温度及びパワトラ温度の計測結果を示す図。 一実施形態にかかる燃料噴射制御処理の手順を示すフローチャート。 一実施形態にかかるエンジン温度補正処理の概要を示す図。 その他の実施形態にかかるサーミスタの設置態様を示す図。
以下、本発明にかかる制御装置を空冷式単気筒エンジンが搭載された車両(自動2輪車)に適用した一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態にかかる燃焼制御システムの全体構成を示す。
図示されるエンジン10は、4ストロークガソリンエンジンである。すなわち、このエンジン10は、吸気・圧縮・膨張・排気の4行程を1燃焼サイクルとして運転される。
エンジン10の吸気通路12には、上流側から順に、エアクリーナ14、スロットルバルブ16、及び吸気通路12の圧力(吸気圧)を検出する吸気圧センサ18が設けられている。スロットルバルブ16は、その開度(スロットル開度)が調節されることで、エンジン10の燃焼室20へと供給される空気量(吸気量)を調節するための部材である。詳しくは、スロットル開度は、ユーザによって操作される図示しないアクセルグリップの操作に応じて調節される。なお、吸気通路12には、スロットルバルブ16の上流側と下流側とが連通するようにバイパス通路22が接続されている。バイパス通路22には、エンジン10のアイドル運転時におけるエンジン回転速度を制御すべく、バイパス通路22を流れる吸気量を調節する電磁弁(アイドルスピードコントロールバルブ24)が設けられている。また、本実施形態では、燃焼制御システムのコスト低減を図るべく、スロットル開度を検出するセンサ(スロットルセンサ)を備えていない。
吸気通路12のうち、吸気圧センサ18の下流側の吸気ポート近傍には、燃料ポンプ26によって燃料タンク28から汲み上げられた燃料を上記吸気ポート近傍に噴射供給する電磁駆動式の燃料噴射弁30が設けられている。燃料噴射弁30から噴射供給された燃料と吸気との混合気は、吸気バルブ32の開動作によって燃焼室20に供給される。
燃焼室20に供給された混合気は、燃焼室20に突出する点火プラグ34の放電火花によって着火され、燃焼に供される。混合気の燃焼によって発生するエネルギは、ピストン36を介してエンジン10の出力軸(クランク軸38)の回転エネルギとして取り出される。なお、燃焼に供された混合気は、排気バルブ40の開動作によって、排気として排気通路42に排出される。なお、上記クランク軸38には、クランク軸38の回転エネルギを動力供給源として発電する図示しない発電機(交流発電機)が機械的に接続されている。
クランク軸38付近には、クランク軸38の回転角度を検出するクランク角度センサ44が設けられている。詳しくは、クランク角度センサ44は、クランク軸38と一体で回転するロータの外周部に所定間隔で複数設けられた突起がこのセンサを横切るときに、矩形状のクランク信号を出力する。
上記排気通路42には、排気浄化を行うための排気後処理システムとして、排気中のNOx、HC及びCOを浄化する三元触媒46が設けられている。また、排気通路42において、三元触媒46の上流側には、排気中の酸素濃度に応じて2値的に出力値を変化させる酸素濃度センサ(以下、O2センサ48)が設けられている。O2センサ48は、排気中の実際の酸素濃度に基づいて混合気の空燃比が理論空燃比に対して小さい値である(リッチ)か大きい値である(リーン)かを検出するものである。詳しくは、O2センサ48の出力値がリッチ・リーン判定電圧(例えば0.45V)よりも大きい場合は、上記空燃比がリッチであるとし、小さい場合にはリーンであるとする。
なお、本実施形態では、燃焼制御システムのコストの低減を図るべく、O2センサ48を活性化させるためのヒータを内蔵しないO2センサ(ヒータレスO2センサ)を採用している。
次に、本実施形態にかかる点火システム(フルトランジスタ式点火システム)の構成について図2を用いて詳述する。
図示されるように、上記点火プラグ34には、点火装置としての点火コイル50を構成する2次コイル52の一端が接続され、2次コイル52の他端は、点火コイル50を構成する1次コイル54の一端に接続されている。また、1次コイル54の上記一端は12Vのバッテリ56に接続され、1次コイル54の他端は、スイッチング素子としてのパワートランジスタ58のコレクタ及びエミッタを介して接地されている。
上記パワートランジスタ58に加えて、マイクロコンピュータ(以下、マイコン60)、パワートランジスタ58の温度(パワトラ温度Tsw)を検出するサーミスタ(以下、第1のサーミスタ59)、及びマイコン60付近の温度(マイコン温度Tmc)を検出するサーミスタ(第2のサーミスタ62)は、後述する電子制御装置(ECU64)内に収容される基板64a(プリント基板)上に実装されている。具体的には、基板64aのうちパワートランジスタ58の実装される面において、第1のサーミスタ59は、パワートランジスタ58の直近に実装され、第2のサーミスタ62は、パワートランジスタ58から離間して且つマイコン60の直近に実装されている。
こうした構成において、パワートランジスタ58のベースに入力されるマイコン60からのオン点火信号によってパワートランジスタ58がオンされると、バッテリ56から供給される1次電流が1次コイル54に流れる。1次コイル54への通電後、オン点火信号の停止によってパワートランジスタ58がオフされると、2次コイル52に高電圧が誘起され、点火プラグ34の中心電極34aと接地電極34bとの間に放電火花が生じる。なお、本実施形態では、1燃焼サイクル毎にオン点火信号が1回出力される。
図1の説明に戻り、上記吸気圧センサ18や、クランク角度センサ44、更にはO2センサ48等の出力信号は、ECU64(マイコン60)に入力される。ECU64は、マイコン60を主体として構成されて且つ上記基板64a等がケース(樹脂ケース)に収容されてなるものである。ECU64は、上記各センサからの入力信号に基づき、燃料噴射弁30による燃料噴射制御処理や、点火プラグ34による点火制御処理等、エンジン10の燃焼制御処理を行う。なお、本実施形態において、ECU64は、自動2輪車のシート下部に収容されている。
上記燃料噴射制御処理について説明すると、まず、クランク角度センサ44の出力値から算出されるエンジン回転速度と、吸気圧センサ18の出力値に基づき算出される吸気圧とから、燃料噴射弁30の基本噴射時間を算出する。ここでは、基本噴射時間が長くなるほど、燃料噴射弁30からの燃料噴射量が多くなる傾向にある。本実施形態では、図3に示すように、エンジン回転速度NE及び吸気圧PMと関係付けられた基本噴射時間TPDが規定されるマップ(DJマップ)を用いて基本噴射時間TPDを算出する(図中、単位はμsec)。ここで、基本噴射時間TPDは、基本的には、混合気の空燃比を目標空燃比(例えば理論空燃比)とするための時間が設定される。
そして、O2センサ48の出力値に基づき空燃比を目標空燃比に近づけるための補正係数を算出し、この補正係数によって基本噴射時間TPDを補正するO2フィードバック制御処理を行う。詳しくは、O2フィードバック制御処理は、エンジン10機差や経時変化が排気特性に及ぼす影響を抑制するための処理であり、より詳しくは、実行条件が成立していると判断される期間において、O2センサ48の出力がリッチ側出力からリーン側出力に反転すると判断されるまで、基本噴射時間を徐々に短くするような補正量を算出する。一方、O2センサ48の出力がリーン側出力からリッチ側出力に反転すると判断されるまで、基本噴射時間を徐々に長くするような補正量を算出する。
上記実行条件は、エンジン10の運転状態が急変しないと想定される状況であること等の観点から定められ、具体的には、吸気圧PMが規定範囲内にあること、及びエンジン回転速度が規定範囲内(例えば800〜6000rpm)であること等の論理積が真であるとの条件として定められる。このため、O2フィードバック制御領域以外の領域においてエンジン10機差等が排気特性に及ぼす影響が懸念される。
そこで、本実施形態では、O2フィードバック制御処理が実行される運転領域以外の領域において、エンジン10機差や経時劣化が基本噴射時間TPDに及ぼす影響を抑制すべく、さらに、基本噴射時間TPDを下式(1)のように補正している。
τ=TPD×(DFAF+1)×FLTHE …(1)
DFAF=FLAF−FAF …(2)
上式において、FAFは、図4に示すように、基本噴射時間TPDを決めたときの補正量初期設定値(O2F/B補正設定値)であり、固定値である。また、FLAFは、図5に示すように、O2フィードバック制御処理で求めるO2F/B学習値であり、更新されていく。また、DFAFは、エンジン10機差等に起因するO2F/B補正設定値のずれ量である。なお、FLTHEは、エンジン温度が燃焼状態に及ぼす影響を抑制するための補正係数であり、エンジン温度が低いほど大きく設定される。また、上記O2F/B学習値FLAF、最新のDFAF、及び上記O2F/B学習値FLAFの学習が完了した運転領域を表すフラグは、ECU64内の不揮発性メモリに記憶される。ここで、DFAF及びO2F/B学習値FLAFは、次回のO2F/B学習値FLAFが求まるまで使用される。
ここで、上記O2F/B学習値の学習について説明すると、まず、O2フィードバック制御処理が実行される状況下、実際の空燃比を目標空燃比に近づけるように燃料噴射量を増減する場合におけるO2センサ48の出力値に基づき、O2F/B学習値を算出する。更には、O2フィードバック制御処理において、運転領域に応じてリッチ・リーン判定電圧(例えば0.45V)をシフトさせて、リッチであるかリーンであるかを判定するリッチシフト制御処理又はリーンシフト制御処理が実施され、O2F/B学習値は「1.00」以外の値がとれるようになっている。
次に、吸気圧PM及びエンジン回転速度NEで規定される運転領域のうち、既に学習された運転領域に対応するDFAFを用いて、未だ学習がなされていない運転領域の学習値を定める処理を行う。詳しくは、図5を用いて例示すると、既に学習された運転領域(PM=20、NE=1200)に対応するDFAF「−0.02」をこの運転領域に隣接する運転領域(PM=20、NE=800)に反映させる場合、未だ学習されていない運転領域(PM=20、NE=800)の基本噴射時間TPDを最新のDFAFに「1.00」を加算した値「0.98」で補正し、これにより燃料噴射量を定める。
なお、既に学習された運転領域は、その運転領域におけるO2F/B学習値をそのまま反映(DFAF=FLAF−1)する。また、未だ学習がなされていない運転領域におけるO2F/B学習値FLAFを反映させる対象となる隣接運転領域は、エンジン回転速度方向に限らず、吸気圧方向に隣接する運転領域であってもよい。
そして、上記態様にて基本噴射時間を補正することで、燃料噴射時間の指令値を算出する。そして、上記指令値に基づき燃料噴射弁30を通電操作することで、上記指令値に応じた燃料が燃料噴射弁30から噴射される。こうした燃料噴射制御によれば、エンジン10機差や経年変化に対する排気特性の低下を抑制することが可能となる。
なお、燃料噴射弁30からの燃料噴射量の算出精度の更なる向上を図るためには、燃焼室20に供給される吸気温を検出する吸気温センサを備え、このセンサの検出値に基づき上記基本噴射時間を補正することも考えられる。本実施形態では、燃焼制御システムのコストの低減を図るべく、吸気温センサを備えていない構成を採用している。このため、吸気温が基本噴射時間の算出精度に及ぼす影響をO2フィードバック制御処理によって吸収している。
また、上記燃料噴射量の算出精度の更なる向上を図るためには、基本噴射時間の算出に用いるマップとして、DJマップと、エンジン回転速度及びスロットル開度と関係付けられた基本噴射時間が規定されるマップ(αNマップ)とをスロットル開度の大小に応じて選択する制御ロジックも考えられる。本実施形態では、上述したようにスロットルセンサを備えない構成を採用しているため、上記DJマップのみを用いた燃料噴射制御を行っている。
さらに、ECU64は、燃料噴射制御処理として、エンジン温度(例えば、エンジン10のシリンダ壁温)に基づき、排気特性の低下を抑制するための処理を行っている。詳しくは、エンジン10の冷間始動時の排気特性の低下を抑制すべく、始動時噴射制御処理及び始動後増量補正処理を行っている。
始動時噴射制御処理は、例えばエンジン10が始動を開始したタイミング(クランキング開始タイミング)からエンジン回転速度が所定回転速度を超えるまでの期間において、燃焼室20に供給される吸気量によらずエンジン温度に応じて燃料噴射弁30からの燃料噴射時間(始動時噴射量)を設定する処理である。具体的には、図6(a)に示すように、エンジン温度Tengが低いほど、始動時噴射量が多く設定される。
また、始動後増量補正処理は、例えばエンジン回転速度が上記所定回転速度を超えた後において、図6(b)に示すように、エンジン温度Tengが低いほど、基本噴射時間を長くするような補正量を算出する処理である。
ここで、本実施形態では、上記燃料噴射制御処理に用いるエンジン温度Tengを、第1のサーミスタ59によって検出されるパワトラ温度Tswに基づき推定するエンジン温度推定処理を行う。以下、図7を用いて、エンジン温度推定処理について説明する。
図7に、エンジン温度及びパワトラ温度Tsw等の推移の計測結果を示す。なお、図中、時刻t4以前ではエンジン10が運転状態とされ、時刻t4以降ではエンジン10が停止状態とされている。また、図中、エンジン温度の計測結果は、シリンダ壁温と相関が高いエンジンオイルの温度の計測結果である。
本実施形態において、パワトラ温度Tswに基づきエンジン温度を推定可能なのは、パワトラ温度Tswとエンジン温度とが正の相関を有するためである。詳しくは、図中、エンジン10が運転状態とされる期間中の時刻t1,t2,t3における測定結果からわかるように、パワトラ温度Tswとエンジン温度とが正の相関を有する。ここで、パワトラ温度Tswとエンジン温度とが正の相関を有するのは、以下の理由による。
つまり、パワートランジスタ58は、エンジン10(クランク軸38)の回転に同期して通電・点火を繰り返す。ここで、エンジン10の始動後において燃焼回数が増えていくと、パワートランジスタ58の積算発熱量が増え、パワトラ温度Tswが次第に上昇し、また、エンジン回転速度が上昇すると更にパワトラ温度Tswは上昇する。このとき、エンジン温度も次第に上昇することになり、結果としてパワトラ温度Tswとエンジン温度とが正の相関を有することとなる。
なお、エンジン温度及びパワトラ温度Tswは、発熱と放熱とのバランスにより概ね所定温度に収束することとなる。
また、パワトラ温度Tswによれば、エンジン温度を精度よく推定することができる。これは、パワートランジスタ58のオン・オフ操作に伴う温度上昇が、ECU64内の素子等の温度うちパワトラ温度Tswが最も大きく、温度変化幅が大きくなることによるものである。
図8に、本実施形態にかかる燃料噴射制御処理の手順を示す。この処理は、例えばユーザのイグニッションキーのオン操作をトリガとして、マイコン60によって実行される。
この一連の処理では、まず、ステップS10において、エンジン10の始動に先立ち、パワトラ温度Tswとマイコン温度Tmcとの温度差ΔTが第1の規定値αを上回るか否かを判断する。ここで、上記温度差ΔTは、具体的には、パワトラ温度Tswからマイコン温度Tmcを減算した値として算出する。この処理は、エンジン10が前回停止されてからの経過時間(ソーク時間)が長いか否かを判断するための処理であり、より具体的には、後述するエンジン温度補正処理を行う必要があるか否かを判断するための処理である。ここで、上記温度差ΔTを用いてソーク時間が長いか否かを判断可能なのは、以下の理由による。
つまり、本実施形態では、エンジン10が運転状態とされる場合において、パワトラ温度Tswの上昇速度がマイコン温度Tmcの上昇速度よりも高い(先の図7参照)。これは、マイコン温度Tmcよりもパワトラ温度Tswの方が熱源であるパワートランジスタ58に近い位置の温度であること等に起因する。また、パワートランジスタ58における消費電力がマイコン60の消費電力よりも大きい傾向にあることにも起因する。これにより、エンジン10の運転中は、マイコン温度Tmcよりもパワトラ温度Tswの方が高くなる。
そして、その後、エンジン10が停止状態とされる場合において、パワトラ温度Tswの下降速度がマイコン温度Tmcの下降速度よりも高い。これは、第1のサーミスタ59の検出対象となる位置付近の熱容量が第2のサーミスタ62の検出対象となる位置付近の熱容量よりも小さいこと等に起因する。
パワトラ温度Tsw及びマイコン温度Tmcの上述した推移によれば、エンジン10の燃焼制御が停止されてからの経過時間が短いほど、マイコン温度Tmcに対してパワトラ温度Tswが高くなる傾向にある。このため、上記温度差ΔTによれば、ソーク時間が長いか否かを判断することができる。
ステップS10において肯定判断された場合には、ステップS12に進み、エンジン推定処理によって推定されたエンジン温度Tengに基づく始動時噴射制御処理等を行ったのち、通常の燃料噴射制御処理を行う。
ここで、エンジン温度Tengの具体的な推定手法について説明すると、パワトラ温度Tswと関係付けられたエンジン温度Tengが規定されるマップ(又は数式)を用いてエンジン温度Tengを推定する手法を採用すればよく、例えば、エンジン回転速度やバッテリ56電圧、単位時間当たりの通電時間積算値を算出パラメータに含めて推定精度を上げてもよい。なお、上記マップは、エンジン10が停止状態とされる場合においてエンジン温度Teng及びパワトラ温度Tsw同士が略同一となる定常状態(例えば常温:25℃)からエンジン10の燃焼が開始された場合におけるパワトラ温度Tsw及ぶエンジン温度Tengの推移の計測結果等に基づき作成される。ここで、エンジン温度Teng及びパワトラ温度Tsw同士が略同一となる定常状態からの各温度の推移を用いるのは、エンジン温度Tengを推定するための基準となる温度を把握するためである。すなわち、こうした手法によれば、上記基準となる温度をパワトラ温度Tswとすることができる。
一方、上記ステップS10において否定判断された場合には、ステップS14に進み、エンジン温度補正処理を行う。この処理は、ソーク時間が短い場合においてエンジン温度推定処理によるエンジン温度Tengの推定誤差を除去するための処理である。
つまり、ソーク時間が短いと、エンジン温度及びパワトラ温度Tswの低下が所定温度(例えば外気温)まで低下しきっておらず、エンジン温度及びパワトラ温度Tswが略同一となっていないことがある。この場合、実際のエンジン温度とパワトラ温度Tswとの関係が、エンジン温度推定処理に用いるマップを作成するときのエンジン温度及びパワトラ温度Tswの関係からずれることがある。詳しくは、同一のパワトラ温度Tswに対して、マップ作成時に想定したエンジン温度(先の図7の時刻t1の温度参照)と、ソーク時間が短い場合のエンジン温度(時刻t5の温度参照)とが相違する。この場合、エンジン温度推定処理によって推定されたエンジン温度Tengが実際のエンジン温度からずれることとなる。
特に、始動時噴射制御処理を行う場合、エンジン温度が低い領域におけるエンジン温度の変化に対する始動時噴射量の変化度合いが、エンジン温度が高い領域における上記変化度合いよりも大きいため、排気特性の悪化が深刻なものとなるおそれがある。
こうした問題を解決すべく、上記エンジン温度補正処理を行うことで、排気特性の悪化を回避する。
ここで、本実施形態では、エンジン温度補正処理として、エンジン10の始動指示がなされたタイミングにおける上記温度差ΔTに基づき、エンジン温度の推定値を補正する処理を行う。ここで、上記温度差ΔTに基づきエンジン温度の推定値を補正可能なのは、以下の理由による。
エンジン10の燃焼が停止された場合、エンジン温度が漸減するとともに、上記温度差ΔTも漸減することとなる。こうした点に着目すれば、エンジン温度が漸減される状況下において、エンジン温度と上記温度差ΔTとを関係づけることが可能となる。このため、上記温度差ΔTに基づき実際のエンジン温度Tengとエンジン温度Tengの推定値とのずれを把握することができ、エンジン温度Tengの推定値を補正することが可能となる。
なお、本実施形態では、図9に示すように、上記温度差ΔTと関連付けられたエンジン温度の補正量ΔTengが規定されるテーブルを用いてエンジン温度Tengを補正する。具体的には、上記テーブルを燃焼制御システムの仕様毎に適合し、上記テーブルを用いて算出される上記補正量ΔTengをエンジン温度Tengの推定値に加算することで、エンジン温度Tengの推定値を補正すればよい。ちなみに、上記温度差ΔTがある程度小さいならば、上記補正量ΔTengを0としてもよい。
また、エンジン温度補正処理は、パワトラ温度Tswに基づくエンジン温度Tengの推定値と実際のエンジン温度Tengとのずれが十分に小さくなると想定される時間の経過後に終了される。
図8の説明に戻り、続くステップS16では、パワトラ温度Tswが第2の規定値βを上回るか否かを判断する。ここで、上記第2の規定値βは、ECU64の信頼性の低下を回避する観点から設定される値であり、より具体的には、基板64a上の素子等の信頼性を維持可能な温度の上限値に設定される。
ステップS16において肯定判断された場合には、ステップS18に進み、パワトラ温度Tswを低下させる処理を行う。この処理は、ECU64の信頼性の低下を回避すべく、パワートランジスタ58の発熱量を低下させる処理である。具体的には、例えば、エンジン回転速度を低下させてパワートランジスタ58の単位時間当たりのオン回数を低下させる処理とすればよい。
なお、上記ステップS16において否定判断された場合や、ステップS18の処理が完了する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)ECU64内に第1のサーミスタ59を設け、第1のサーミスタ59によって検出されるパワトラ温度Tswに基づきエンジン温度を推定した。こうした構成によれば、ECU64内に第1のサーミスタ59を実装する工程、及びエンジン温度Tengの推定にかかる制御ロジック等を追加するという簡易な手法によって、エンジン温度Tengを直接検出するセンサや、上記センサを取り付けるための加工工程、センサの取り付け工程、更にはECU64への配線接続を廃止することができる。これにより、燃焼制御システムのコストを低減させるとともに、燃焼制御システムの小型化を図ることができる。
また、エンジン温度Tengの推定にパワトラ温度Tswを用いたため、エンジン温度Tengの推定精度を向上させることもできる。
さらに、従来の燃料噴射制御処理のDJマップを基本とする制御ロジックやαNマップを流用することなどもできる。
(2)上記温度差ΔTの絶対値が第1の規定値αを上回ると判断された場合、エンジン温度補正処理を行った。これにより、エンジン温度Tengの推定誤差に起因する排気特性の低下を好適に回避することができる。
(3)O2フィードバック制御処理を行った。これにより、排気特性の低下を好適に回避することができる。
また、O2フィードバック制御処理の補正係数の変化量に基づく制御処理を行った。これにより、エンジン10機差や経時変化への対応を可能とすることができ、排気特性の低下をより好適に回避することもできる。
(4)上記燃焼制御システムを自動2輪車に適用した。自動2輪車は、内燃機関がボディに囲まれることなく搭載される。このため、エンジン10が周囲の補機等から受ける熱の影響が少なく、エンジン温度の推定値と、実際のエンジン温度との相関を定めやすい。このため、エンジン温度推定処理に用いるマップの作成する場合における適合作業の工数を低減させることなどができる。
(その他の実施形態)
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記実施形態において、第2のサーミスタ62を、ECU64内の基板64a上において放熱抑制のためのケース部材内に収容した状態で配置してもよい。この場合、エンジン10の停止後にECU64内の放熱が行われる際に、第2のサーミスタ62の温度低下が制限されるため、実際のエンジン温度の低下と、第2のサーミスタ62の検出温度の低下とを合わせることが可能となる。
こうした構成において、エンジン10の運転状態では、第1のサーミスタ59によってエンジン温度を推定し、エンジン10の運転の停止後には、第2のサーミスタ62によってエンジン温度を推定する構成としてもよい。
・上記実施形態では、エンジン10の停止後において上記温度差ΔTが時間経過とともに漸減するような構成としたがこれに限らない。例えば、マイコン温度Tmcの低下速度がパワトラ温度Tswの低下速度よりも低い場合、これら温度が所定温度に収束するまでにマイコン温度Tmcとパワトラ温度Tswとの大小関係が逆転することも考えられる。このとき、上記温度差ΔTは、漸減して0となった後、負の値になることとなる。こうした場合であっても、上記温度差ΔTに対応させて補正量ΔTengを定めることで、エンジン温度の推定誤差を小さくできると考えられる。
なお、上記構成の場合、先の図8のステップS10において、ソーク時間が長いか否かは、例えば、マイコン温度Tmcの応答速度をエンジン温度及びパワトラ温度Tswに対して十分に低く設定して且つ、ECU64の起動時においてマイコン温度Tmcの変化速度の絶対値が略0であるか否かで判断すればよい。
・温度検出手段としては、サーミスタに限らず、例えば、温度検出対象の温度に応じた信号(出力電圧)を出力する感温ダイオードであってもよい。ただし、燃焼制御システムのコストの低減を図る観点からは、上記サーミスタを用いることが望ましい。
・第1のサーミスタ59の設置位置としては、上記実施形態に例示したもの(図10(e)参照)に限らない。例えば、図10(a)〜図10(c)に示すように、第1のサーミスタ59をパワートランジスタ58に接触させて設けてもよい。具体的には、例えば、図10(a),(b)に示すように、パワートランジスタ58の表面(上面)に設けたり、図10(c)に示すように、パワートランジスタ58の側面に設けたりすればよい。
また、上記設置位置としては、基板64aのうちパワートランジスタ58が実装される面(表面)に限らず、第1のサーミスタ59によって検出される温度がパワートランジスタ58の温度と相関を有する位置に設置されることを条件として、図10(d)に示すように、パワートランジスタ58が実装されない面(裏面)に設置してもよい。
また、サーミスタの設置位置としては、ECU64の内部に限らず、例えば、ECU64の表面(樹脂ケースの表面)であってもよい。この場合、サーミスタの検出対象となる部位の温度の応答速度は、上記パワトラ温度Tswよりも低くて且つマイコン温度Tmcよりも高くなると考えられる。
さらに、上記実施形態において、パワートランジスタ58に温度を検出するセンサを内蔵してもよい。
・エンジン温度を推定するために用いる温度としては、パワトラ温度Tswに限らず、例えば、マイコン温度Tmcであってもよい。ただし、エンジン温度の推定精度を確保する観点からは、上記パワトラ温度Tswを用いることが望ましい。
また、エンジン温度を推定するために用いる温度としては、点火システムにおけるパワートランジスタの温度に限らない。例えば、燃料噴射弁の駆動回路内のパワートランジスタの温度であってもよい。この場合、単位時間当たりにおけるパワートランジスタのオン時間が長くなったり、単位時間当たりの上記オン回数が多くなったりするほど、単位時間当たりの燃料噴射弁30からの燃料噴射量が多くなり、エンジン温度が高くなる傾向にある。すなわち、燃料噴射弁の駆動回路内のパワートランジスタの温度は、エンジン温度と相関を有する。
・上記実施形態では、エンジン温度推定処理によって推定されたエンジン温度に基づき、始動時噴射制御等を行ったがこれに限らない。例えば、エンジン温度推定処理を行わずに、パワトラ温度Tswに基づき始動時噴射制御等を行ってもよい。これは、例えば、パワトラ温度Tswと関係付けられた始動時噴射量が規定されるマップを用いて始動時噴射量を算出することで実現することができる。
・上記実施形態では、パワトラ温度Tsw及びエンジン温度同士が略同一となる定常状態からのこれら温度の推移に基づきエンジン温度推定処理で用いるマップを作成したがこれに限らない。例えば、パワトラ温度Tsw及びエンジン温度同士が定常状態であるなら、パワトラ温度Tsw及びエンジン温度同士が相違する状態からのこれら温度の推移に基づきマップを作成してもよい。
・本願発明が適用される内燃機関としては、空冷式のものに限らず、水冷式のものであってもよい。また、内燃機関としては、単気筒のものに限らず多気筒を有するものであってもよい。さらに、内燃機関としては、火花点火式のものに限らず圧縮着火式のものであってもよい。この場合、上述した燃料噴射弁の駆動回路のパワートランジスタの温度に基づくエンジン温度推定処理を行えばよい。
・上記実施形態において、燃焼制御システムとして、スロットルセンサを備えて且つ吸気圧センサを備えない構成を採用してもよい。この場合、基本噴射時間はαNマップを用いて算出されることとなる。
・上記実施形態において、アイドルスピードコントロールバルブ24を廃止してもよい。
・発熱素子としては、パワートランジスタに限らず、例えば、MOSトランジスタやIGBTであってもよい。
・本願発明が適用される車両としては、自動2輪車(バイク)に限らず、自動4輪車等であってもよい。
10…エンジン、16…スロットルバルブ、18…吸気圧センサ、30…燃料噴射弁、34…点火プラグ、48…O2センサ、58…パワートランジスタ、59…第1のサーミスタ、62…第2のサーミスタ、64…ECU(制御装置の一実施形態)。

Claims (9)

  1. 内燃機関の運転状態を制御する制御装置であって、
    前記内燃機関の運転時において機関燃焼に伴い上昇変化する温度を検出する第1温度検出部と、該第1温度検出部での温度検出結果を入力する制御部とを備え、
    前記制御部は、少なくとも前記第1温度検出部での温度検出結果を前記内燃機関の温度基本量とし、該温度検出結果に基づき前記内燃機関の運転状態を制御することを特徴とする制御装置。
  2. 前記内燃機関は、燃焼サイクルごとに給電及び給電停止が実施される燃焼制御用のアクチュエータを備え、
    前記アクチュエータに対する給電及び給電停止を操作すべく開閉駆動され、その開閉駆動に伴い発熱する駆動素子を備え、
    前記第1温度検出部は、前記駆動素子の温度を検出する素子温度検出手段であることを特徴とする請求項1記載の制御装置。
  3. 前記アクチュエータは、前記内燃機関の燃焼室において点火プラグに放電火花を生じさせる点火装置であることを特徴とする請求項2記載の制御装置。
  4. 前記内燃機関の運転時において機関燃焼に伴い上昇変化する温度を検出するとともに、前記第1温度検出部よりも温度に対する応答変化が小さい第2温度検出部を備え、
    前記制御部は、前記内燃機関の運転状態から停止状態への移行後において、前記第2温度検出部での温度検出結果に基づき前記内燃機関の温度を算出する停止後温度算出手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の制御装置。
  5. 前記第1温度検出部は、前記制御装置において、燃焼サイクルごとに給電及び給電停止が実施される燃焼制御用のアクチュエータを駆動する駆動素子の近傍に設けられ、
    前記第2温度検出部は、前記制御装置において、前記駆動素子に対して前記第1温度検出部よりも離間した位置に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の制御装置。
  6. 前記停止後温度算出手段は、前記内燃機関の運転状態から停止状態への移行後において、前記第1温度検出部での温度検出結果を、前記第2温度検出部での温度検出結果により補正し、その補正の結果に基づいて前記内燃機関の温度を算出することを特徴とする請求項4又は5記載の制御装置。
  7. 前記内燃機関の排気通路に設けられ、排気の酸素濃度を検出する酸素濃度センサを備える内燃機関の制御システムに適用され、
    前記制御部は、前記酸素濃度センサの検出値に基づき、前記内燃機関の燃焼室に供給される吸気及び燃料噴射弁から供給される燃料の混合気の空燃比をその目標値に制御すべく前記燃料噴射弁を通電操作することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の制御装置。
  8. 前記制御部は、自動2輪車に搭載されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の制御装置。
  9. 前記内燃機関の燃焼室に供給される吸気量を調節するスロットルバルブを備える内燃機関の制御システムに適用され、
    前記制御システムは、前記スロットルバルブの開度を検出するスロットルセンサ又は前記燃焼室に供給される吸気圧を検出する吸気圧センサを備えていないことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の制御装置。
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