JP2013060688A - 水着 - Google Patents

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Abstract

【課題】速く泳ぐことを可能とするとともに、身体の動きを大きく阻害せず着脱が容易な水着を提供する。
【解決手段】本発明の水着は、腹部から大腿部の前側にかけて延在する前側部材2と、臀部から大腿部の後側にかけて延在する後側部材3とが接合されている水着1であって、後側部材3は、前側部材2よりも50%伸長時および/または30%伸長時の伸長応力が大きい。また、後側部材3は、50%伸長時および/または30%伸長時において、着用者の身長方向の伸長応力が、着用者の横方向の伸長応力よりも大きいことが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は水着に関するものである。
従来、競泳用水着として、着用者の身体の部分に応じて伸縮率の異なる部材が用いられた水着が知られている。例えば、特許文献1には、伸縮度の強い部材が、着用者の背中から両脚の後側にかけて延び、両大腿部および両足首上部を周方向に囲むように設けられた水着が開示され、特許文献2には、伸長率の大きい部材が着用者の前面側の下方に配置され、伸長率の小さい部材が着用者の前面側の上方および背面側に配置された水着が開示されている。これらの水着は、伸縮度の強いあるいは伸長率の大きい部材を所望する部分に配することで、水泳時に好適な姿勢を維持することを狙いとしており、その結果として、水に対する抵抗を低くし、速く泳ぐことを可能とするものである。
特開2007−314931号公報 特表2008−280656号公報
従来の競泳用水着においては、着用者の身体を主に横方向(胴や脚の周方向)に強く締め付けることで、身体の上方(頭上方向)からの投影面積を減少させたり、姿勢を安定させたりして、速く泳ぐことを可能とすることを目指している。しかし、このような競泳用水着としての従来の機能を高めようとすると、水着は着用者に対する圧迫の強すぎるものとなり、身体の動きを阻害したり着脱が困難となるといった問題が生じる。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、速く泳ぐことを可能とするとともに、身体の動きを大きく阻害せず着脱が容易な水着を提供することにある。
前記課題を解決することができた本発明の水着とは、腹部から大腿部の前側にかけて延在する前側部材と、臀部から大腿部の後側にかけて延在する後側部材とが接合されている水着であって、後側部材が前側部材よりも50%伸長時の伸長応力が大きいところに特徴を有する。また、本発明の水着は、腹部から大腿部の前側にかけて延在する前側部材と、臀部から大腿部の後側にかけて延在する後側部材とが接合されている水着であって、後側部材が前側部材よりも30%伸長時の伸長応力が大きいところに特徴を有する。さらにまた、本発明の水着は、腹部から大腿部の前側にかけて延在する前側部材と、臀部から大腿部の後側にかけて延在する後側部材とが接合されている水着であって、後側部材が前側部材よりも50%伸長時の伸長応力および30%伸長時の伸長応力が大きいところに特徴を有する。本発明の水着は、後側部材の伸長応力を高めることにより、股関節伸展時の出力が向上し、あるいは股関節の伸展がサポートされ、速く泳ぐことが可能となる。また、前側部材の伸長応力を後側部材の伸長応力より小さくすることで、着用者が股関節を動かすことや水着を着脱することが容易になる。
後側部材は、着用者の身長方向の50%伸長時の伸長応力が、着用者の横方向の50%伸長時の伸長応力よりも大きいことが好ましい。また、後側部材は、着用者の身長方向の30%伸長時の伸長応力が、着用者の横方向の30%伸長時の伸長応力よりも大きいことも好ましい。さらにまた、後側部材は、着用者の身長方向の50%伸長時の伸長応力が着用者の横方向の50%伸長時の伸長応力よりも大きく、着用者の身長方向の30%伸長時の伸長応力が着用者の横方向の30%伸長時の伸長応力よりも大きいことも好ましい。後側部材について、特に身長方向の伸長応力を高くすることで、着用者の臀部から大腿部の後側にかけて身長方向に強くテンションがかけられ、その結果、水泳時の股関節伸展による出力が向上し、あるいは股関節の伸展が効果的にサポートされるようになる。また、後側部材について、横方向の伸長応力を身長方向の伸長応力より小さくすることで、水着に脚や胴を通しやすくなり、水着の着脱が容易になる。
後側部材は、着用者の身長方向の50%伸長時の伸長応力が7.0N以上、および/または、着用者の身長方向の30%伸長時の伸長応力が4.0N以上であることが好ましい。また、前側部材は、着用者の身長方向および横方向の50%伸長時の伸長応力が6.0N以下、および/または、着用者の身長方向および横方向の30%伸長時の伸長応力が3.8N以下であることが好ましい。さらに、後側部材は、胴回りの周長の25%以上75%以下の範囲を覆い、大腿部回りの周長の25%以上75%以下の範囲を覆っていることが好ましい。
本発明の水着としては、膝上までのスパッツタイプまたはショートジョンタイプが挙げられる。
本発明の水着は、後側部材が前側部材よりも伸長応力が大きいため、股関節伸展時の出力が向上し、あるいは股関節の伸展がサポートされ、速く泳ぐことが可能となるとともに、着用者が股関節を動かすことや水着を着脱することが容易になる。
本発明の水着の一実施態様として、スパッツタイプの水着の概略図を表す。 本発明の水着の一実施態様として、ショートジョンタイプの水着の概略図を表す。
本発明の水着は、泳ぐ際のキック時に、あるいはスタート時やターン時に必要とされる股関節伸展時の出力を向上させることにより、速く泳ぐことを可能とすることを目指すものであり、臀部から大腿部の後側にかけて延在する後側部材の伸長応力が、腹部から大腿部の前側にかけて延在する前側部材の伸長応力よりも、大きいところに特徴を有する。本発明の水着は、後側部材の伸長応力を高めることにより股関節伸展時の出力が向上し、あるいは股関節の伸展がサポートされるようになるとともに、前側部材の伸長応力を後側部材の伸長応力より小さくすることで、着用者が身体(特に股関節)を動かすことや水着を着脱することが容易になる。
例えば従来の水着においては、着用者の横方向(胴や脚の周方向)の伸長応力を高めることにより着用者の身体を締め付けて、それにより身体の上方(頭上方向)からの投影面積を減少させたり、筋肉の振動を抑制させたり、あるいは姿勢を安定させたりして、速く泳ぐことを可能とすることを目指している。しかし、着用者の横方向(胴や脚の周方向)の伸長応力を高めて競泳用水着としての機能を高めようとすると、水着は着用者に対する圧迫の強すぎるものとなり、身体の動きを阻害したり着脱が困難となるといった問題が生じるおそれがある。しかし本発明の水着は、後側部材の伸長応力を前側部材の伸長応力より大きくすることで、従来の水着の機能を保ちつつ、股関節伸展時の出力を高めたり、あるいは股関節の伸展がサポートされ、より速く泳ぐことを可能とする。また、着用者の胴回りと大腿部回りに伸長応力の大きい後側部材と伸長応力の小さい前側部材の両方を設けることにより、身体(特に股関節)を動かしたり水着の着脱することが容易になる。
本発明の水着は、着用した際に着用者の腹部および臀部から大腿部にかけて覆うものであれば、その形状は特に限定されず、例えば、着用者の腹部および臀部から膝上までを覆うスパッツタイプ、着用者の腹部および臀部から足首までを覆うロングスパッツタイプ、着用者の上半身から膝上までを覆うショートジョンタイプ、着用者の上半身から足首までを覆うロングジョンタイプ、着用者の首から下の手首および足首までほぼ全身を覆うフルボディタイプ等が挙げられる。
本発明の水着において、前側部材は、着用者の腹部から大腿部の前側にかけて延在する部分を覆い、後側部材は、着用者の臀部から大腿部の後側にかけて延在する部分を覆う。そして、前側部材と後側部材が互いに接合されて、着用者の腹部または臀部から大腿部にかけて延在する下半身部分を形成している。従って、着用者の腹部または臀部から大腿部においては、胴回りおよび大腿部回りが前側部材と後側部材のいずれか一方のみで覆われることはなく、前側部材と後側部材とが協同して胴回りおよび大腿部回りを覆うこととなる。本発明の水着は、このように前側部材と後側部材が接合されることにより、胴回りと大腿部回りが伸長応力の大きい部材のみで覆われることがなくなり、股関節を動かすことが容易になるとともに水着の着脱も容易になる。また、伸長応力の大きい部材を臀部から大腿部の後側にかけて延在するように設けることで、着用者の臀部から大腿部の後側にかけてテンションがかけられ、その結果、水泳時の股関節伸展による出力が向上したり、股関節の伸展が効果的にサポートされるようになる。
なお、本発明の水着は、腹部から大腿部の前側にかけて延在する前側部材と臀部から大腿部の後側にかけて延在する後側部材とが互いに接合されているものであり、例えば、腹部または臀部から大腿部にかけて一様な伸長応力を発現するように単一の材料から構成され、そこに臀部から大腿部の後側の部分にかけて別の補強部材(例えば、ポリウレタンテープ等の伸縮性部材)が取り付けられる水着とは異なる。補強部材を取り付ける場合、補強部材が剥がれたりして水着の耐久性が低下したり、補強部材を取り付けた部分でフィット性が低下したり通気性が阻害されて、着用感が低下するおそれがある。
前側部材および/または後側部材は、大腿部より下方に(例えば、膝下や足首まで)延在していてもよく、腹部または臀部より上方に(例えば、肩や首まで)延在していてもよい。また、前側部材および/または後側部材はそれぞれ、複数の部材が繋がって形成されたものでもよい。
図1および図2には、本発明の水着の例を示した。図1はスパッツタイプの水着を表し、図2はショートジョンタイプの水着を表している。
図1に示した水着1は、腹部から大腿部の前側にかけて延在する前側部材2と、臀部から大腿部の後側にかけて延在する後側部材3とが接合されて形成されている。
図2に示した水着11は、腹部から大腿部の前側にかけて延在する前側部材12と、臀部から大腿部の後側にかけて延在する後側部材13とが接合されて、下半身部分が形成されている。水着11の上半身部分は、前側部材12が腹部から肩まで上半身の前側を覆うように延在し、後側部材13が臀部から背中まで上半身の後側を部分的に覆うように延在し、前側部材12と後側部材13とが着用者の体側に沿って接合されて形成されている。また、水着11の上半身部分は、前側部材12の上部と後側部材13の上部が伸縮性の肩紐で接続されている。
本発明の水着は、図1および図2に示すように、水着の裾が膝上に位置するスパッツタイプやショートジョンタイプの水着が好ましい。このような水着であれば、2011年4月現在の国際水泳連盟(FINA)の規定を満たすものとなり、競泳用水着として好適に使用できる。
図1および図2には、前側部材が着用者の前側半分を覆い、後側部材が着用者の後側半分を覆うように形成された水着を示したが、前側部材と後側部材が身体の周囲を覆う範囲は、図1および図2に示した実施態様に限定されない。本発明の水着においては、着用者の腹部または臀部から大腿部において、胴回りの一部を前側部材が覆い他部を後側部材が覆うとともに、大腿部回りの一部を前側部材が覆い他部を後側部材が覆っていればよく、前側部材と後側部材が胴回りと大腿部回りを覆う範囲の割合は特に限定されない。しかし、伸長応力の大きい後側部材と伸長応力の小さい前側部材を適切に配置して、本発明の水着による効果を確実に奏するようにするために、後側部材は、胴回りの周長の25%以上75%以下の範囲(より好ましくは33%以上67%以下の範囲)を覆い、大腿部回りの周長の25%以上75%以下の範囲(より好ましくは33%以上67%以下の範囲)を覆うことが好ましい。同様に、前側部材は、胴回りの周長の25%以上75%以下の範囲(より好ましくは33%以上67%以下の範囲)を覆い、大腿部回りの周長の25%以上75%以下の範囲(より好ましくは33%以上67%以下の範囲)を覆うことが好ましい。なお、前記割合は、水着の非伸長状態における割合である。
本発明の水着においては、後側部材が前側部材よりも大きい伸長応力を有しているが、具体的には、前側部材と後側部材について、同一の伸長条件で着用者の身長方向の伸長応力および横方向の伸長応力をそれぞれ測定したとき、後側部材の身長方向の伸長応力または横方向の伸長応力のいずれか一方が、前側部材の身長方向の伸長応力および横方向の伸長応力の両方よりも大きくなればよい。なお、着用者の身長方向とは、着用者の頭から足にかけての方向を意味し、着用者の横方向とは、着用者の左右方向を意味する。従って、横方向は身長方向に対し直交している。前側部材と後側部材についての着用者の身長方向および横方向とは、水着が着用者によって着用された状態で定められる方向を意味する。
伸長応力は、50%伸長時および/または30%伸長時の伸長応力を測定する。従って、本発明の水着は、50%伸長時の伸長応力が前側部材よりも後側部材の方が大きく、あるいは30%伸長時の伸長応力が前側部材よりも後側部材の方が大きく、さらにあるいは、50%伸長時の伸長応力と30%伸長時の伸長応力の両方が前側部材よりも後側部材の方が大きいものである。好ましくは、本発明の水着は、30%〜50%の伸長範囲の全てにおいて、同程度の伸長時の伸長応力が前側部材よりも後側部材の方が大きくなる。
伸長応力は、測定対象となる試験片を引張試験機で引っ張り、その際の応力を測定することにより求める。具体的には、1インチ(2.54cm)の幅で切り出した試験片を、つかみ間隔が100mmとなるように留め具間に固定する。そして、試験片を引張速度200mm/分で引っ張りながら、留め具間の距離が130mmになったときの応力と150mmになったときの応力を測定する。留め具間の距離が130mmのときの応力を30%伸長時の応力とし、留め具間の距離が150mmのときの応力を50%伸長時の応力とする。
本発明の水着において、30%伸長させた条件で伸長応力を測定するのは、競泳用水着が一般に臀部において25%〜35%程度伸ばされた状態で着用されるためである。すなわち、30%伸長時の伸長応力を規定することで、泳ぐ際のキック時の股関節伸展をサポートし、泳速度を効果的に高めることが可能となる。
本発明の水着において、50%伸長させた条件で伸長応力を測定するのは、水泳の際に、スタート時やターン時に股関節を屈曲させると水着の臀部が50%程度伸ばされるためである。競泳用水着は、上述したように、臀部において25%〜35%程度伸ばされた状態で着用され、さらに、スタートやターン時に股関節を屈曲させると臀部の皮膚は15%〜25%程度伸びる。つまり、着用者が水着を着用した状態で股関節を屈曲させると、水着の臀部は50%程度伸ばされることとなる。従って、50%伸長時の伸長応力を規定することで、水泳の際のスタート時やターン時に股関節を伸展させることによる出力を効果的に高めることが可能となる。
本発明の水着では、後側部材は、着用者の身長方向の50%伸長時の伸長応力が、着用者の横方向の50%伸長時の伸長応力よりも大きいことが好ましい。また、後側部材は、着用者の身長方向の30%伸長時の伸長応力が、着用者の横方向の30%伸長時の伸長応力よりも大きいことも好ましい。さらにまた、後側部材は、着用者の身長方向の50%伸長時の伸長応力が着用者の横方向の50%伸長時の伸長応力よりも大きく、かつ、着用者の身長方向の30%伸長時の伸長応力が着用者の横方向の30%伸長時の伸長応力よりも大きいことも好ましい。より好ましくは、後側部材は、30%〜50%の伸長範囲の全てにおいて、同程度の伸長時の身長方向の伸長応力が横方向の伸長応力よりも大きくなる。後側部材について、特に身長方向の伸長応力を高くすることで、着用者の臀部から大腿部の後側にかけて身長方向に強くテンションがかけられ、その結果、水泳時の股関節伸展による出力が向上し、あるいは股関節の伸展が効果的にサポートされるようになる。また、後側部材について、横方向の伸長応力を身長方向の伸長応力より小さくすることで、水着に脚や胴を通しやすくなり、水着の着脱が容易になる。
後側部材は、着用者の身長方向の50%伸長時の伸長応力が7.0N以上であることが好ましく、8.0N以上がより好ましい。また、後側部材は、着用者の身長方向の30%伸長時の伸長応力が4.0N以上であることが好ましく、4.5N以上であることがより好ましい。後側部材の身長方向の50%伸長時の伸長応力が7.0N以上であれば、競泳選手が本発明の水着を着用することにより、スタート時やターン時の股関節伸展による出力を効果的に向上しやすくなる。また、後側部材の身長方向の30%伸長時の伸長応力が4.0N以上であれば、競泳選手が本発明の水着を着用することにより、水泳のキック時の股関節伸展がサポートされ、泳速度が効果的に向上しやすくなる。例えば従来の水着においては、水着を構成する部材の50%伸長時の伸長応力はせいぜい6.0N程度であり、30%伸長時の伸長応力はせいぜい3.8N程度であった。しかし、本発明の水着は、前側部材とは別に後側部材を設けることにより、股関節の伸展に特に影響を及ぼす臀部から大腿部の後側にかけての部分に高いテンションをかけて、後側部材に高い伸長応力を付与することが可能となる。なお、後側部材の身長方向の伸長応力を大きくし過ぎても股関節の可動が阻害されるおそれがあることから、後側部材の身長方向の50%伸長時の伸長応力は30N以下が好ましく、20N以下がより好ましく、また、後側部材の身長方向の30%伸長時の伸長応力は18N以下が好ましく、12N以下がより好ましい。
後側部材の着用者の横方向の伸長応力は、上述したように、着用者の身長方向の伸長応力よりも小さいことが好ましく、より好ましくは、後側部材は、同一の伸長条件で着用者の横方向の伸長応力が身長方向の伸長応力の70%〜95%の大きさとなる。後側部材がこのように構成されていれば、水着の着脱が容易になるとともに、水着を着用した状態で身体をスムーズに動かすことが容易になる。
前側部材は、着用者の身長方向および横方向の50%伸長時の伸長応力が6.0N以下であることが好ましく、また、着用者の身長方向および横方向の30%伸長時の伸長応力が3.8N以下であることが好ましい。前側部材の身長方向および横方向の伸長応力がこのように定められれば、後側部材の伸長応力が大きくなっても、着用者が股関節を動かしたり水着を着脱することが容易に行えるようになる。一方、前側部材はある程度着用者の腹部や大腿部の前側を締め付けるように作用することが好ましいことから、前側部材の身長方向および横方向の50%伸長時の伸長応力は3.0N以上が好ましく、4.0N以上がより好ましく、また、前側部材の身長方向および横方向の30%伸長時の伸長応力は2.0N以上が好ましく、2.5N以上がより好ましい。
本発明の水着は、上記のように前側部材と後側部材が構成される限り、前側部材と後側部材を構成する材料は特に限定されない。例えば、前側部材と後側部材は、弾性糸から形成された織物や編物で構成されればよい。織物の織組織は特に限定されず、公知の織組織を採用すればよい。織物の織組織としては、平織、綾織、朱子織等が挙げられる。編物の編組織も特に限定されず、公知の編組織を採用すればよい。編物の編組織としては、平編、ゴム編、両面編、ハーフ編等が挙げられる。弾性糸としては、ポリウレタン糸等が挙げられ、例えば、ポリウレタン糸の太さや化学構造を適宜選択することにより織物や編物の伸長応力を変えることができる。また、織物の織組織や編物の編組織を適宜選択することによっても、織物や編物の伸長応力を変えることができる。
前側部材と後側部材を構成する織物や編物は、弾性糸と非弾性糸とから形成されていてもよい。この場合、例えば、弾性糸と非弾性糸とを含む複合糸から織物や編物を形成し、弾性糸と非弾性糸の混率を調整することによって、織物や編物の伸長応力を変えることができる。非弾性糸としては、ポリエステル糸やナイロン糸等を用いることができる。複合糸としては、弾性糸が非弾性糸で被覆されたコアスパンヤーンを用いることが好ましく、このような複合糸を用いれば織物や編物の肌触りが良好となる。
本発明の水着においては、前側部材と後側部材は織物から構成されていることが好ましい。織物では、経糸と緯糸とで用いる糸を変えたり、経糸と緯糸の織密度を変えることで、伸長方向によって伸長応力に違いを出すことが容易になるためである。つまり、前側部材と後側部材が織物から構成されていれば、着用者の身長方向の伸長応力と着用者の横方向の伸長応力をそれぞれ任意に設定することが容易になる。
前側部材と後側部材は、例えば次のように構成される。すなわち、前側部材と後側部材はそれぞれ、ポリウレタン糸を芯糸に用いナイロン糸を鞘糸に用いたコアスパンヤーンから形成された平織物から構成される。このとき、前側部材には、44デシテックスのポリウレタン糸にナイロン糸5本で構成された17デシテックスの糸を被覆させたコアスパンヤーンを用い、後側部材には、44デシテックスのポリウレタン糸にナイロン糸7本で構成された24デシテックスの糸を被覆させたコアスパンヤーンを用いる。その結果、各糸の混率は、前側部材ではナイロン糸62%/ポリウレタン糸38%となり、後側部材ではナイロン糸66%/ポリウレタン糸34%となる。このように前側部材と後側部材を構成することにより、後側部材の伸長応力を前側部材より大きくすることができる。さらに、後側部材について、身長方向の糸の織密度を横方向の糸の織密度より大きくすることで、身長方向の伸長応力を横方向の伸長応力より大きくすることができる。なお、前側部材と後側部材は当該構成例に限定されない。
前側部材と後側部材の接合は、熱融着、超音波接着、接着剤、縫合等により行えばよい。前側部材と後側部材の接合を縫合により行う場合は、例えば、前側部材と後側部材を1つの連続した織物または編物から構成し、前側部材と後側部材とで互いに織組織または編組織を変える態様も縫合に含まれる。また、接着剤には粘着テープも含まれる。なお、前側部材と後側部材のように伸縮性のある部材どうしの接合には、簡便に強固な接合が可能となる点から、超音波接着を採用することが好ましい。さらに、前側部材と後側部材とを接合した接合部には、接合部に沿う方向に対して伸縮性が比較的高く、当該方向に直交する方向に対して伸縮性が低いストレッチテープを接合部に接着することが好ましい。このようにストレッチテープを接合部に接着することにより、接合部の目開きの発生を防止できるようになる。
本発明の水着は、水着の肌面側に、裾に沿って滑り止め材が備えられていることが好ましい。なお「裾」とは、着用者の脚を通す脚開口部の縁を意味する。本発明の水着は、臀部から大腿部の後側にかけて伸長応力の大きい後側部材で構成されているため、水着の裾が後側の部分だけ上方に引っ張られやすくなって、裾の部分で着用者の肌に対する水着の密着性が低下するおそれがある。従って、水着の肌面側に裾に沿って滑り止め材を設けることにより、裾の部分での着用者の肌に対する水着の密着性が向上し、見栄えも良くなる。
滑り止め材としては、天然ゴム、シリコーン、ポリウレタン等の従来公知の弾性体を用いてもよい。しかし、より高い滑り止め効果を持たせるためには、滑り止め材として、繊維径が1μm以下のナノ繊維を含む糸から構成された織布、編布、または不織布を用いることが好ましく、繊維径が1μm以下のナノ繊維を含む糸から構成された織布を用いることがより好ましい。
以下に、実施例を示すことにより本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
(1)股関節伸展最大トルクの測定
本発明の水着として水着Aを用意し、比較対象として水着Bを用意した。水着Aと水着Bはいずれもスパッツタイプの水着である。水着Aは、図1に示すように、腹部から大腿部の前側にかけて延在する前側部材と臀部から大腿部の後側にかけて延在する後側部材とが接合されて形成され、前側部材の身長方向の50%伸長時の伸長応力が5.6N、30%伸長時の伸長応力が3.6N、前側部材の横方向の50%伸長時の伸長応力が4.9N、30%伸長時の伸長応力が3.4N、後側部材の身長方向の50%伸長時の伸長応力が8.3N、30%伸長時の伸長応力が5.0N、後側部材の横方向の50%伸長時の伸長応力が7.0N、30%伸長時の伸長応力が4.5Nであった。水着Bは単一の材料から構成され、身長方向の50%伸長時の伸長応力が5.6N、30%伸長時の伸長応力が3.6N、横方向の50%伸長時の伸長応力が4.9N、30%伸長時の伸長応力が3.4Nであった。
5人の被験者に水着Aまたは水着Bを着用してもらい、水着Aまたは水着Bを着用した状態で等速性股関節伸展最大トルクを測定した。等速性股関節伸展最大トルクは、米国BIODEX MEDICAL SYSTEMS社製の等速性筋力測定装置を用いて測定した。測定条件は、60°/秒、120°/秒、180°/秒の3条件で行った。5人の被験者が水着Aまたは水着Bを着用した状態で、それぞれ5回等速性股関節伸展最大トルクを測定し、水着Aと水着Bについて、それぞれ全測定の平均値を算出した。表1に示すように、本発明の水着である水着Aでは、従来の水着である水着Bよりも、股関節伸展最大トルクの値が大きくなった。従って、本発明の水着を着用することにより、股関節伸展時の出力を向上させることができることが分かった。
Figure 2013060688
(2)スタート跳び出し速度の測定
5人の被験者に水着Aまたは水着Bを着用してもらい、プールのスタート台からのスタート跳び出し速度を測定した。スタート台にはフォースプレートを設置して、これにより力積を測定し、スタート時の水平跳び出し速度を求めた。水着Bでは5人の平均の水平跳び出し速度が464.3cm/秒となったのに対し、水着Aでは5人の平均の水平跳び出し速度が470.6cm/秒となった。水着Aを着用することで、スタート時の速度を速くすることができた。
(3)キック時の水中移動速度の測定
5人の被験者に水着Aまたは水着Bを着用してもらい、ドルフィンキックで泳いだときの移動速度を測定した。移動速度は、被験者の泳ぐ様子を水中カメラで撮影することにより求めた。水着Bでは5人の平均の水中移動速度が180.7cm/秒となったのに対し、水着Aでは5人の平均の水中移動速度が183.0cm/秒となった。水着Aを着用することで、泳ぐ速度(キック時の速度)が速くなった。
(4)競泳タイムの測定
大学水泳部に所属する被験者14人に水着Aまたは水着Bを着用してもらい、クロールで泳いだときのスタートから15m通過のタイムを測定した。水着Bでは、14人の平均タイムが6.50秒となったのに対し、水着Aでは14人の平均タイムが6.43秒となり、0.07秒速い結果となった。また、14人中12人が水着Aを着用した時の方が速いタイムであった。
1,11: 水着
2,12: 前側部材
3,13: 後側部材

Claims (10)

  1. 腹部から大腿部の前側にかけて延在する前側部材と、臀部から大腿部の後側にかけて延在する後側部材とが接合されている水着であって、
    前記後側部材は、前記前側部材よりも、50%伸長時の伸長応力が大きいことを特徴とする水着。
  2. 前記後側部材は、着用者の身長方向の50%伸長時の伸長応力が、着用者の横方向の50%伸長時の伸長応力よりも大きい請求項1に記載の水着。
  3. 腹部から大腿部の前側にかけて延在する前側部材と、臀部から大腿部の後側にかけて延在する後側部材とが接合されている水着であって、
    前記後側部材は、前記前側部材よりも、30%伸長時の伸長応力が大きいことを特徴とする水着。
  4. 前記後側部材は、着用者の身長方向の30%伸長時の伸長応力が、着用者の横方向の30%伸長時の伸長応力よりも大きい請求項3に記載の水着。
  5. 腹部から大腿部の前側にかけて延在する前側部材と、臀部から大腿部の後側にかけて延在する後側部材とが接合されている水着であって、
    前記後側部材は、前記前側部材よりも、50%伸長時の伸長応力および30%伸長時の伸長応力が大きいことを特徴とする水着。
  6. 前記後側部材は、着用者の身長方向の50%伸長時の伸長応力が着用者の横方向の50%伸長時の伸長応力よりも大きく、着用者の身長方向の30%伸長時の伸長応力が着用者の横方向の30%伸長時の伸長応力よりも大きい請求項5に記載の水着。
  7. 前記後側部材は、着用者の身長方向の50%伸長時の伸長応力が7.0N以上、および/または、着用者の身長方向の30%伸長時の伸長応力が4.0N以上である請求項1〜6のいずれか一項に記載の水着。
  8. 前記前側部材は、着用者の身長方向および横方向の50%伸長時の伸長応力が6.0N以下、および/または、着用者の身長方向および横方向の30%伸長時の伸長応力が3.8N以下である請求項1〜7のいずれか一項に記載の水着。
  9. 前記後側部材は、胴回りの周長の25%以上75%以下の範囲を覆い、大腿部回りの周長の25%以上75%以下の範囲を覆う請求項1〜8のいずれか一項に記載の水着。
  10. 前記水着は、膝上までのスパッツタイプまたはショートジョンタイプである請求項1〜9のいずれか一項に記載の水着。
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