JP2013060570A - 変性ポリウロン酸又はその塩 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた界面活性能を有する変性ポリウロン酸又はその塩を提供する。
【解決手段】〔1〕下記一般式(1)で表される変性ポリウロン酸又はその塩である。
Figure 2013060570

(式中、R1は、水素原子、炭素数1〜40の炭化水素基等を示し、Xは、酸素原子、硫黄原子、又は−NH−基を示し、〔m/(m+n)〕は0.3〜1.0である。分子内に存在する複数のR1は同一でも異なっていてもよいが、R1の全てが同時に水素原子であることはない。)
【選択図】なし

Description

本発明は、変性ポリウロン酸又はその塩に関する。
エマルションは、化粧品、食物製品、医薬品等を含む各種産業において、重要性を増しているが、時間経過に伴い乳化状態が不安定になるという問題があった。この問題を改善するために、各種の試みが行われてきた。その1つとして、多糖類と疎水化剤とを反応させて得られる疎水変性多糖等をエマルション中に配合する方法が知られている。
疎水変性多糖としては、例えば特許文献1には、ヒドロキシアルキル基を有する水溶性セルロースエーテルと炭素数6〜26のアルキル基を有するグリシジルエーテルを反応させて、変性セルロースエーテルを製造する方法が記載されている。
また、特許文献2には、カルボキシメチルセルロース金属塩とハロゲン化アルキルとを反応させて得られる、カルボキシメチルアルキルセルロースの製造方法が記載されている。
特許文献3には、結晶化度が30%以下の低結晶性のセルロース誘導体をN−オキシル化合物の存在下で酸化反応を行うことで、セルロース主鎖を構成するアンヒドログルコース単位のC6位一級水酸基を選択的に酸化させるポリウロン酸塩の製造方法が記載されている。
特許文献4には、N−オキシル化合物、酢酸マンガン等の一次酸化体及び過酢酸等の最終酸化体を、pH4未満のセルロースエステル混合物に添加して、セルロースのアンヒドログルコース単位のC6ヒドロキシルをホルミル基又はカルボキシ基に転化する変性ポリウロン酸塩の製造方法が記載されている。
特開平3−12401号公報 特開平4−130101号公報 特開2009−263641号公報 特表2007―515515号公報
特許文献1に記載の変性セルロースエーテルは増粘剤として利用されるが、親水性基が水酸基のみであるために、界面活性能は十分とは言えない。
特許文献2の方法で得られる疎水変性カルボキシメチルアルキルセルロースは医薬品コーティング剤として利用されるものであるが、親水性基がランダムに導入されているため、界面活性能は不十分である。
特許文献3の方法で得られるポリウロン酸塩は、無機物等に対する分散性能を有するが、疎水性基を有しておらず界面活性能は低い。
特許文献4の方法で得られるポリウロン酸塩は、疎水基がランダムに導入されているため、界面活性能は不十分である。
本発明は、優れた界面活性能を有する変性ポリウロン酸又はその塩を提供することを課題とする。
本発明者らは、特定の構造を有する変性ポリウロン酸又はその塩が、優れた界面活性能を発現できることを見出した。
すなわち本発明は、下記一般式(1)で表される変性ポリウロン酸又はその塩を提供する。
Figure 2013060570
(一般式(1)中、R1は、水素原子、炭素数1〜40の炭化水素基、−CH2−CH(OH)−R2基、又は−CH2−CH(OH)―CH2−O−R2基(R2は炭素数1〜40の炭化水素基)を示し、Xは、酸素原子、硫黄原子、又は−NH−基を示す。mは、下記一般式(2)で表される、アンヒドログルクロン酸及び/又はその誘導体の平均重合度を示し、nは、アンヒドログルコースの平均重合度を示す数であって、〔m/(m+n)〕は0.3〜1.0である。分子内に存在する複数のR1は同一でも異なっていてもよいが、全てが同時に水素原子であることはない。)
Figure 2013060570
(一般式(2)中、X及びR1は前記と同じ意味を示す。)
本発明によれば、優れた界面活性能を有する変性ポリウロン酸又はその塩を提供することができる。
〔変性ポリウロン酸〕
本発明の変性ポリウロン酸は、一般式(1)で表される構造を有し、形式上、ポリウロン酸のカルボキシ基に疎水性基が直接又は連結基を介して導入された構造を有する。
Figure 2013060570
(一般式(1)中、R1は、水素原子、炭素数1〜40の炭化水素基、−CH2−CH(OH)−R2基、又は−CH2−CH(OH)―CH2−O−R2基(R2は炭素数1〜40の炭化水素基)を示し、Xは、酸素原子、硫黄原子、又は−NH−基を示す。mは、下記一般式(2)で表される、アンヒドログルクロン酸及び/又はその誘導体の平均重合度を示し、nは、アンヒドログルコースの平均重合度を示す数であって、〔m/(m+n)〕は0.3〜1.0である。分子内に存在する複数のR1は同一でも異なっていてもよいが、全てが同時に水素原子であることはない。)
Figure 2013060570
(一般式(2)中、X及びR1は前記と同じ意味を示す。)
一般式(1)において、R1が炭素数1〜40の炭化水素基である場合、界面活性能の観点から、炭化水素基の炭素数は3〜36が好ましく、炭素数4〜24がより好ましく、炭素数5〜18が特に好ましい。
炭化水素基としては、直鎖又は分岐のアルキル基、直鎖又は分岐のアルケニル基、又はアリール基等が挙げられる。これらの中では、製造及び界面活性能の観点から、直鎖又は分岐したアルキル基又はアルケニル基が好ましく、直鎖又は分岐したアルキル基がより好ましく、直鎖のアルキル基が更に好ましい。
直鎖アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基、n−イコシル基、n−ドコシル基、n−テトラコシル基、n−トリアコンチル基、n−ヘキサトリアコンチル基、n−テトラコンチル基等が挙げられる。
分岐アルキル基の具体例としては、イソへキシル基、イソヘプチル基、イソオクチル基、イソノニル基、3,5−ジメチルオクチル基、イソデシル基、イソステアリル基,2−ヘキシルデシル基、2−オクチルドデシル、2−ヘプチルウンデシル基、2−デシルテトラデシル基、2−ドデシルヘキサデシル基、2−テトラデシルオクタデシル基、2−テトラデシルベヘニル基等が挙げられる。
アリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントラニル基、ターフェニル基、ピレニル基、キノリル基、キノキサニル基、ベンゾキノキサニル基、ピリミジン基、ピロール基、フラニル基、チオフェニル基等が挙げられる。
一般式(1)において、R1が−CH2−CH(OH)−R2基、又は−CH2−CH(OH)―CH2−O−R2基(R2は炭素数1〜40の炭化水素基)である場合、R2は、炭素数1〜40の炭化水素基であり、R2の好適態様、具体例は、R1が炭素数1〜40の炭化水素基である場合の好適態様、具体例と同じである。
一般式(1)のXは、製造の容易さ、製造時の設備負荷、及び原料の入手容易性の観点から、酸素原子又は−NH−基が好ましい。
一般式(1)において、R1が水素でない場合、本発明の変性ポリウロン酸の界面活性能の観点から炭素数1〜40の炭化水素基であることが好ましく、炭素数4〜24の直鎖又は分岐したアルキル基又はアルケニル基がより好ましく、炭素数5〜18の直鎖又は分岐したアルキル基又はアルケニル基が更に好ましく、炭素数5〜18の直鎖又は分岐したアルキル基がより更に好ましく、炭素数5〜18の直鎖アルキル基が特に好ましい。
一般式(1)において、R1である炭素数1〜40の炭化水素基、及びR2である炭素数1〜40の炭化水素基は、本発明の変性ポリウロン酸を高分子界面活性剤として用いた場合に、疎水性基として働くと考えられる。そこで、R1が炭素数1〜40の炭化水素基である場合の炭化水素基、及びR2である炭素数1〜40の炭化水素基を、以下単に「疎水性基」ともいい、−CH2−CH(OH)−R2基、又は−CH2−CH(OH)―CH2−O−R2基において、炭化水素基を除く残部を以下「連結基」ともいう。
疎水性基の置換度は、界面活性能及び水溶性の観点から、0.01〜0.9が好ましく、0.05〜0.7がより好ましく、0.1〜0.5が更に好ましい。ここで、疎水性基の置換度とは、本発明の変性ポリウロン酸の疎水性基、即ち炭素数1〜40の炭化水素基の数の1分子あたりの平均値(a)を、一般式(1)におけるmとnの和で除した数、すなわち(m+n)に対する前記炭化水素基の数の1分子あたりの平均値(a)の比〔a/(m+n)〕を意味する。
疎水性基の置換度は、実施例に記載の1H−NMR測定から算出することができる。
界面活性能及び水溶性の観点からは、〔m/(m+n)〕の値は0.3〜1.0である。〔m/(m+n)〕の値は0.5以上が好ましく、0.6以上が更に好ましく、その上限は、製造の容易さから、0.99以下が好ましく、0.95以下がより好ましい。
〔m/(m+n)〕の値は、疎水性基の置換度と後述する変性ポリウロン酸のカルボキシ基置換度の和として得ることができる。
本発明において変性ポリウロン酸のカルボキシ基の置換度(以下「カルボキシ基置換度(MPU)」ともいう)は、界面活性能及び水溶性の観点から、0.1〜0.99が好ましく、0.3〜0.9がより好ましく、0.4〜0.8が更に好ましい。ここで、カルボキシ基置換度(MPU)とは、変性ポリウロン酸一分子あたりのカルボキシ基の数を、変性ポリウロン酸の主鎖を構成する糖ユニットの数で除した数をいい、変性ポリウロン酸の中和滴定に要した塩基性化合物の当量数を用いて算出される。具体的には、実施例記載の中和滴定法により測定された、変性ポリウロン酸単位重量当りのカルボキシ基の量から、下記計算式(1)によって求められた値である。
カルボキシ基置換度(MPU)=(162.1+B×x)×A/(1−14.0×A) (1)
ここで、Aは中和滴定によって求められたカルボキシ基の量(mol/g)であり、Bは疎水性基と連結基の分子量の和であり、xは疎水性基の置換度である。ここで、分子内に多種の疎水性基または連結基が存在する場合、前記Bは平均値を用いる。
なお、中和に用いられる塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属水酸化物、アンモニアやアミン化合物等が挙げられる。
本発明の変性ポリウロン酸の重量平均分子量(Mw)は、水への溶解性及び界面活性能の観点から、5000〜50万が好ましく、5000〜30万がより好ましく、5000〜20万が更に好ましく、6000〜10万がより更に好ましく、1万〜5万が特に好ましい。なお、重量平均分子量(Mw)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により、溶離液として、0.2Mリン酸緩衝液/アセトニトリル=90/10(容量比)を使用し、プルラン換算の分子量として求める。詳細については、実施例に記載のとおりである。
本発明の変性ポリウロン酸は、含有するカルボキシ基の一部又は全部が塩となっていてもよい。対イオンの種類には特に限定はなく、具体的には、リチウムイオン、カリウムイオン、ナトリウムイオン等のアルカリ金属イオン;マグネシウムイオン、カルシウムイオン等のアルカリ土類金属イオン;アンモニウムイオン;ジメチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の水酸基が置換していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を有する1〜3級アミンのプロトン化物;テトラメチルアンモニウムイオン、ジメチルジエタノールアンモニウムイオン等の水酸基が置換していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を有する4級アンモニウムイオン等が挙げられる。
本発明の変性ポリウロン酸の塩の水溶性の観点から、対イオンは、リチウムイオン、カリウムイオン、ナトリウムイオン等のアルカリ金属イオン及びアンモニウムイオンが好ましく、入手性及び製造時の取り扱い性の容易さの観点から、カリウムイオン、ナトリウムイオン、及びアンモニウムイオンがより好ましく、ナトリウムイオンが更に好ましい。
変性ポリウロン酸の塩中に、複数のカルボキシ基の塩がある場合、対イオンの種類は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
〔変性ポリウロン酸の製造方法〕
本発明の変性ポリウロン酸は、ポリウロン酸に疎水性基を導入することで得ることができる。
原料となるポリウロン酸(以下「原料ポリウロン酸」ともいう)は、セルロースを構成するアンヒドログルコースにおけるC6位の水酸基の一部又は全部が酸化された構造をしていれば、天然物又はその抽出物であっても、化学的に合成したもの又は酵素や微生物等を用いて合成したものであってもよい。
(原料ポリウロン酸)
原料ポリウロン酸は、含有するカルボキシ基の一部又は全部が塩となっていてもよい。対イオンの種類、及びその好ましい様態は、前記変性ポリウロン酸の塩の対イオン及びその好ましい様態と同様である。
原料ポリウロン酸のカルボキシ基置換度(以下「カルボキシ基置換度(PU)」ともいう)は、界面活性能及び水溶性の観点から、0.3以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、0.6以上が更に好ましい。その上限は1.0以下であるが、製造の容易さから、0.99以下が好ましく、0.95以下がより好ましい。
ここで、カルボキシ基置換度(PU)とは、原料ポリウロン酸一分子あたりのカルボキシ基の数を、ポリウロン酸の主鎖を構成する糖ユニットの数で除した数をいい、ポリウロン酸の中和滴定に要した塩基性化合物の当量数を用いて算出される。具体的には、実施例記載の中和滴定法により測定された、ポリウロン酸単位重量当りのカルボキシ基の量から、下記計算式(2)によって求められた値である。
カルボキシ基置換度(PU)=162.1×D/(1−14.0×D) (2)
ここで、Dは中和滴定によって求められたカルボキシ基の量(mol/g)である。
なお、中和に用いられる塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属水酸化物、アンモニアやアミン化合物等が挙げられる。
カルボキシ基置換度(PU)は、前記〔m/(m+n)〕の値と略同一である。
ポリウロン酸の重量平均分子量は、水への溶解性及び界面活性能の観点から、5000〜50万が好ましく、5000〜20万がより好ましく、6000〜10万が更に好ましく、1万〜5万がより更に好ましい。なお、重量平均分子量は、変性ポリウロン酸の重量平均分子量と同様の方法で測定することができる。
原料ポリウロン酸は、入手容易性の観点から、セルロースを構成するアンヒドログルコースにおけるC6位一級水酸基の、一部又は全てを酸化して得たものであることが好ましく、更に得られる変性ポリウロン酸の水溶性の観点から、該セルロースが、低結晶性のセルロースであることが好ましい。
(低結晶性のセルロース)
本発明において「低結晶性のセルロース」とは、セルロースの構造においてアモルファス部の割合が多い状態を示し、具体的には下記計算式(3)から得られる結晶化度が30%以下のセルロースであることを意味する。
結晶化度(%) =[(I22.6−I18.5)/I22.6]×100 (3)
〔I22.6は、X線回折における格子面(002面)(回折角2θ=22.6°)の回折強度を示し、I18.5は、アモルファス部(回折角2θ=18.5°)の回折強度を示す。〕
本指数は、セルロースのI型結晶の002面におけるX線回折強度とアモルファス部の回折強度の比を、その指標としている。従って、セルロース中に含まれる結晶形がI型のみであれば、理論上、結晶化度は0〜100%の値となる。実際にはセルロース中には複数の結晶形が存在するため、I型以外の結晶も十分に破壊されアモルファス化されている場合は、負の値も採り得るが、本願においては上記計算式(3)で負の値が得られた場合は、結晶化度は0%とみなす。
この結晶化度が30%以下であれば、セルロースの酸化反応は極めて良好に進行し、疎水性基導入後に得られる本発明の変性ポリウロン酸の水溶性も良好なものとなり、高い界面活性能を発現できる。酸化反応の反応性の観点から、結晶化度は30%以下が好ましく、20%以下がより好ましく、0〜10%が更に好ましく、結晶化度が0%であるセルロースを用いることが特に好ましい。
(低結晶性のセルロースの製造)
原料となる低結晶性のセルロースの入手方法に特に制限はないが、パルプ等、入手容易なセルロース含有原料中のセルロースは、通常結晶化度60%以上の結晶性の高いセルロースである。よって、入手容易性の観点から、結晶が60%以上のセルロース含有原料を粉砕機で粉砕処理して、セルロースを低結晶化して低結晶性のセルロースを得る方法が好ましい。
セルロース含有原料としては、各種木材チップ、各種樹木の剪定枝材、間伐材、枝木材、建築廃材、工場廃材等の木材類;木材から製造されるウッドパルプ、綿の種子の周囲の繊維から得られるコットンリンターパルプ等のパルプ類;新聞紙、段ボール、雑誌、上質紙等の紙類;稲わら、とうもろこし茎等の植物茎・葉類;籾殻、パーム殻、ココナッツ殻等の植物殻類等が挙げられる。これらの中では、本発明の変性ポリウロン酸の界面活性能の観点、及び製造時の生産性の観点からパルプ類や木材類が好ましい。
本発明に用いられるセルロース含有原料は、生産性の観点から、該原料中の水を除いた残余の成分中のセルロース含有量が20質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることが更に好ましく、75質量%以上がより更に好ましい。セルロース含有量の上限は100質量%である。市販のパルプはセルロース純度が高く、該パルプから水分を除く残余の成分量とセルロース含有量は略同一である。本発明においては、パルプから水分を除いた量を、セルロース含有量とみなす。
セルロースの低結晶化に用いられる粉砕機としては、媒体式粉砕機が好ましい。媒体式粉砕機には容器駆動式粉砕機と媒体撹拌式粉砕機とがある。容器駆動式粉砕機としては転動ミル、振動ミル、遊星ミル、遠心流動ミル等が挙げられる。これらの中では、粉砕効率が高く、生産性の観点から、振動ミルが好ましい。媒体撹拌式粉砕機としてはタワーミル等の塔型粉砕機;アトライター、アクアマイザー、サンドグラインダー等の撹拌槽型粉砕機;ビスコミル、パールミル等の流通槽型粉砕機;流通管型粉砕機;コボールミル等のアニュラー型粉砕機;連続式のダイナミック型粉砕機等が挙げられる。これらの中では、粉砕効率が高く、生産性の観点から、撹拌槽型粉砕機が好ましい。
粉砕機の種類は「化学工学の進歩 第30集 微粒子制御」(社団法人化学工学会東海支部編、1996年10月10日発行、槇書店)を参照することができる。
粉砕機の媒体の材質に特に制限はなく、例えば、鉄、ステンレス、アルミナ、ジルコニア、炭化珪素、チッ化珪素、ガラス等が挙げられる。
粉砕機の媒体がボールの場合には、ボールの外径としては、好ましくは0.1〜100mm、より好ましくは0.5〜50mmの範囲である。ボールの大きさが上記の範囲であれば、所望の粉砕力が得られるとともに、ボールのかけら等が混入してセルロース含有原料が汚染されることなく効率的にセルロースを低結晶化させることができる。
媒体としては、ボール以外にもロッド等の媒体を用いることができる。媒体としてロッドを用いる場合、ロッドの直径の好ましい範囲は、前記媒体がボールである場合のボールの外径と同じである。
媒体の充填率は、粉砕機の機種により好適な充填率が異なるが、好ましくは10〜97%、より好ましくは15〜95%の範囲である。充填率がこの範囲内であれば、セルロース含有原料と媒体との接触頻度が向上するとともに、媒体の動きを妨げずに、低結晶化の効率を向上させることができる。ここで充填率とは、粉砕機の攪拌部の容積に対する媒体の見かけの体積をいう。
粉砕機で処理するセルロース含有原料の大きさに特に制限はないが、操作上の観点から1μm〜50mmが好ましく、5μm〜20mmがより好ましく、7μm〜10mmが特に好ましい。
処理時間としては、粉砕機の種類、媒体の種類、大きさ及び充填率等により一概に決定できないが、結晶化度を低下させる観点から、好ましくは0.01〜50hr、より好ましくは0.05〜20hr、更に好ましくは0.1〜10hrである。処理温度は、特に制限はないが、熱による劣化を防ぐ観点から、好ましくは5〜250℃、より好ましくは10〜200℃である。
低結晶性のセルロースの重合度は、得られる本発明の変性ポリウロン酸の水への溶解速度及び界面活性能の観点から、銅−アンモニア法により得られる粘度平均重合度で、好ましくは10〜1000、より好ましくは20〜500、更に好ましくは30〜200である。
低結晶性のセルロースの平均粒径は、酸化反応の進行を容易にする観点から、レーザー回折/散乱式粒度分布測定により得られる平均粒径(メジアン径)で、300μm以下が好ましく、150μmがより好ましく、50μm以下が更に好ましく、操作性の観点から、20μm以上が好ましく、25μm以上がより好ましい。
(セルロースの酸化によるポリウロン酸の製造)
セルロースを構成するアンヒドログルコースにおけるC6位一級水酸基の一部又は全てを酸化する方法としては、(i)白金触媒を用いる酸素による酸化反応、(ii)窒素酸化物による酸化反応などがあり、(ii)の具体例としては、硝酸またはN−オキシル化合物を用いる酸化反応等が挙げられる。これらの中では、反応の位置選択性の高さ、均質性、及びより温和な条件で酸化反応を円滑に進行させる観点から、N−オキシル化合物を触媒として用い、さらに必要に応じて共酸化剤や助触媒を用いて酸化反応を行う方法が好ましい。
N−オキシル化合物は、ヒンダードアミンのN−酸化物であり、特にアミノ基のα位に嵩高い基を有する複素環式のN−オキシル化合物がより好ましい。
(N−オキシル化合物)
複素環式のN−オキシル化合物としては、炭素数1又は2のアルキル基を有するピペリジンオキシル化合物、ピロリジンオキシル化合物、及びイミダゾリンオキシル化合物、アザアダマンタン化合物から選ばれる1種以上が好ましい。
これらの中では、反応性の観点から、炭素数1又は2のアルキル基を有するピペリジンオキシル化合物が好ましく、2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン−1−オキシル、4−アルコキシ−2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン−1−オキシル、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン−1−オキシル、4−アミノ−2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン−1−オキシル等のジ−tert−アルキルニトロキシル化合物等が挙げられる。これらのピペリジンオキシル化合物の中では、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルが更に好ましく、2,2,6,6テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)が特に好ましい。
本発明におけるN−オキシル化合物の量は、触媒量であればよく、低結晶性のセルロースに対して、好ましくは0.001〜10質量%、より好ましくは0.01〜9質量%、より好ましくは0.1〜8質量%、更に好ましくは0.5〜5質量%である。
(共酸化剤等)
本発明においては、N−オキシル化合物の還元体を酸化するため共酸化剤を使用することもできる。共酸化剤としては、溶媒をアルカリ性域に調整した場合の溶解度や反応速度等の観点から、酸素又は空気、過酸化物、ハロゲン、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸、過ハロゲン酸及びそれらのアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、ハロゲン酸化物、窒素酸化物等が挙げられる。
共酸化剤の使用量は、所望するポリウロン酸のカルボキシ基置換度に応じて選択すればよく、また反応条件によって酸化反応収率が異なるため一概には決められないが、原料である低結晶性のセルロースのアンヒドログルコース単位1モルに対し、0.1〜10.0モル用いることが好ましく、0.5〜5.0モル用いることがより好ましい。
また、酸化反応をより一層効率よく行うため、助触媒として、臭化ナトリウム、臭化カリウム等の臭化物や、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム等のヨウ化物等を用いることができる。助触媒の量は、その機能を発揮できる有効量であればよく、特に制限はない。
(溶媒)
酸化反応は、低結晶性のセルロースを溶媒に分散させて行うのが好ましい。その溶媒としては、水の他、イソプロパノール、イソブタノール、tert−ブタノール等の炭素数1〜6、好ましくは炭素数3〜6のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の炭素数3〜6のケトン、直鎖又は分岐状の炭素数1〜6の飽和炭化水素又は不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素、炭素数2〜5の低級アルキルエーテル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒等が挙げられる。上記溶媒は、単独で又は2種以上を混合して用いることができるが、セルロースの酸化反応の反応性の観点から、水、炭素数1〜6のアルコール、炭素数3〜6のケトン及び炭素数2〜5の低級アルキルエーテル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒が好ましく、更に溶媒の酸化反応により酸化剤が消費するのを避ける観点から、水、炭素数3〜6の2級又は3級アルコールがより好ましく、境負荷低減の観点から、水が更に好ましい。
溶媒の使用量は、低結晶性のセルロースを分散できる有効量であればよく、特に制限はないが、低結晶性のセルロースに対して1.0〜500重量倍使用することが好ましく、2.0〜100重量倍使用することがより好ましい。
(酸化反応条件)
酸化反応の温度は、反応の選択性、副反応の抑制の観点から、好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下、更に好ましくは20℃以下であり、その下限は、好ましくは−5℃以上である。
また、反応系のpHは共酸化剤の性質に合わせることが好ましく、例えば、共酸化剤として次亜塩素酸ナトリウムを用いる場合、反応系のpHはアルカリ側とすることが好ましく、pH7〜pH13が好ましく、pH10〜13がより好ましい。
(精製)
上記酸化反応で得られるポリウロン酸は、触媒として用いるTEMPO等のN−オキシル化合物や副生塩を含む。そのまま次工程の疎水性基の導入を行なってもよいが、次工程の疎水基の導入を行う前に、ポリウロン酸の精製を行って、ポリウロン酸の純度を上げることもできる。精製法としては、酸化反応における溶媒の種類、生成物の酸化の程度、精製の程度により最適な方法を採用することができる。例えば、良溶媒として水、貧溶媒としてメタノール、エタノール、アセトン等を用いた再沈殿、ヘキサン等の水と相分離する溶媒へのTEMPO等の抽出、及び塩のイオン交換、透析等による精製等が挙げられる。
(原料ポリウロン酸への疎水性基の導入)
原料ポリウロン酸への疎水性基の導入は、原料ポリウロン酸のカルボキシ基又はその塩と疎水化剤を反応させることにより行うことができる。
疎水化剤としては、炭素数1〜40の炭化水素基を有するグリシジルエーテル、エポキシド、ハロゲン化物、酸ハロゲン化物、アルコール、1級アミン、及びチオールが挙げられる。
炭素数1〜40の炭化水素基の好適態様、具体例は、一般式(1)のR1が炭素数1〜40の炭化水素基である場合の好適態様、具体例と同じである。
ハロゲン化物のハロゲン元素としては、反応性の観点から、ヨウ素及び臭素が好ましい。
疎水化剤として、炭素数1〜40の炭化水素基を有するグリシジルエーテル、又はエポキシドを用いた場合、原料ポリウロン酸のカルボキシ基に、それぞれ−CH2−CH(OH)−R2基、又は−CH2−CH(OH)―CH2−O−R2基を導入することができる。
また、疎水化剤として、炭素数1〜40の炭化水素基を有するハロゲン化物、アルコール、1級アミン又はチオールを用いた場合は、原料ポリウロン酸のカルボキシ基の一部又は全部に炭素数1〜40の炭化水素基を導入することができる。
疎水化剤は、単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて用いることもできる。
化学的安定性及び疎水化剤の反応性の観点から、疎水化剤としては、炭素数1〜40、好ましくは炭素数4〜24の炭化水素基を有する、1級アミン、グリシジルエーテル、エポキシド、及びハロゲン化物が好ましく、炭素数4〜12のアルキル基を有する1級アミン、及び炭素数10〜20のアルキル基を有するハロゲン化物がより好ましく、炭素数5〜10のアルキル基を有する1級アミンが更に好ましい。
疎水化剤の使用量は、所望する疎水性基の置換度に応じて選択すればよく、また反応条件によって反応収率が異なるため、一概には決められないが、原料であるポリウロン酸のカルボキシ基のモル数の総和に対し、0.01〜10倍モル使用することが好ましく、0.05〜5倍モル使用することがより好ましく、0.1〜2倍モル使用することが更に好ましい。
原料ポリウロン酸のカルボキシ基又はその塩と疎水化剤の反応には、必要に応じて触媒、縮合剤、溶媒を使用することができる。
触媒としては、特には限定されないが、アリカリ金属、アルカリ土類金属、又はテトラアルキル(アルキル基の炭素数;1〜6)4級アンモニウムの水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、及びトリフルオロホウ素等が挙げられる。
縮合剤としては、特には限定されないが、「合成化学シリーズ ペプチド合成」(丸善株式会社発行)P116記載、又はTetrahedron,57,1551(2001)記載の縮合剤等が挙げられる。
溶媒としては、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等の炭素数1〜4の低級アルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の炭素数3〜6のケトン、ジメチルスルホキシド、ジプロピルスルホキシド等の炭素数2〜8のスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、ピリジン、N−メチル−2−ピロリドン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジン、ピペリジン、ピロリジン、キノリン、イソキノリン、4−ジメチルアミノピリジン等が挙げられる。これらの中では、環境負荷低減の観点から、水が好ましい。上記溶媒は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
原料ポリウロン酸への疎水性基導入反応の反応温度は、原料セルロースの熱安定性、及び疎水化剤の反応性の観点から、0〜200℃が好ましく、20℃〜100℃がより好ましい。また、反応時間は0.5〜50時間が好ましい。
得られた変性ポリウロン酸又はその塩は、そのまま高分子活性剤として使用することもできるし、エタノール等で洗浄を行った後に使用することもできる。
以下の実施例において、変性ポリウロン酸の重量平均分子量、疎水性基の置換度、カルボキシ基置換度(MPU)、表面張力、及び原料ポリウロン酸のカルボキシ基置換度(PU)の測定は、以下の方法により行った。
(1)重量平均分子量の測定
変性ポリウロン酸の重量平均分子量(Mw)は、株式会社日立製作所製、L−6000型高速液体クロマトグラフィーを使用し、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって測定した。
検出器:ショーデックスRI SE−61示差屈折率検出器
カラム:東ソー株式会社製、G4000PWXL+G2500PWXL
溶離液:0.2Mリン酸緩衝液(pH7.0)/アセトニトリル=90/10(容量比)で0.5g/100mlの濃度に調整し、20μlを用いた。
カラム温度:40℃
流速:1.0ml/分
標準ポリマー:プルラン
(2)疎水性基の置換度の測定
変性ポリウロン酸を重水で0.1g/10gの濃度に調製し、1H−NMRスペクトルを測定した。装置はVarian社製 Mercury400(400MHz)を用いて測定を行った。3.0〜4.5ppmの多糖骨格由来の積分値と0.5〜2.0ppmのアルキル基由来の積分値の比より、疎水性基の置換度を算出した。なお、疎水性基がアリール基である場合には、0.5〜2.0ppmのアルキル基由来の積分値に代えて、6.5〜8.0ppmのアリール基由来の積分値との比から算出することができる。
(3)カルボキシ基置換度(MPU)の測定
変性ポリウロン酸の2%水溶液を50g調整し、6N塩酸にてpHを1以下とした。この酸性溶液をエタノール500mLに投入し、生じた沈殿物を回収、エタノールで数回洗浄、乾燥した。得られた変性ポリウロン酸を0.1g精秤し、イオン交換水30mLに溶解又は分散させ、フェノールフタレインを指示薬として0.1N水酸化ナトリウム水溶液で滴定し、変性ポリウロン酸単位重量あたりのカルボキシ基の量を求め、このカルボキシ基の量から、前記計算式(1)によりカルボキシ基置換度(MPU)を算出した。
(4)カルボキシ基置換度(PU)の測定
ポリウロン酸の2%水溶液を50g調整し、6N塩酸にてpHを1以下とした。この酸性溶液をエタノール500mLに投入し、生じた沈殿物を回収、エタノールで数回洗浄、乾燥した。得られたポリウロン酸を0.1g精秤し、イオン交換水30mLに溶解又は分散させ、フェノールフタレインを指示薬として0.1N水酸化ナトリウム水溶液で滴定し、ポリウロン酸単位重量あたりのカルボキシ基の量を求め、このカルボキシ基の量から、前記計算式(2)によりカルボキシ基置換度(PU)を算出した。
(5)表面張力の測定
実施例又は比較例で得られた化合物1〜10の各々の0.1%水溶液を20g調製し、12時間静置した後に、Wilhelmyの白金プレート法にて表面張力を測定した。
測定装置:Kruss社製、Tensiometer K100
測定温度:25℃
実施例1(化合物1の合成)
(酸化工程)
セルロースパウダー(KCフロック W−400G、日本製紙ケミカル株式会社製)3gを遊星ボールミル(Fritsch社製)で10分間粉砕(回転数400rpm)、10分間静置する操作を6回繰り返し、低結晶性のセルロースパウダー(結晶化度0%)を得た。
pHメータを備えた1Lビーカーに2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル(商品名:TEMPO、アルドリッチ社製)0.20g、水100g、低結晶性のセルロースパウダー3gを加え、攪拌子を用い200rpmの回転数で攪拌した。温度を25℃に保ち、11%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(和光純薬工業株式会社製)29gを滴下して投入した。酸化反応が進行するに従い、pHが低下するので、溶液のpHを8.5付近にするため、0.5N水酸化ナトリウム水溶液をマイクロチューブポンプを用いて徐々に添加した。次亜塩素酸ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液を滴下終了した段階で、反応混合物はほぼ均一透明になっていた。
反応終了後は、エタノール1Lに注ぎ、白色固体を沈殿させた。沈殿物を回収し、アセトンで洗浄した後に、40℃で乾燥することで、白色のポリウロン酸ナトリウム塩3gを得た。
得られた化合物を13C−NMRで測定した結果(Varian社製 Mercury400,測定周波数;100MHzにて測定)、セルロース骨格を構成するアンヒドログルコースの水酸基が置換したC6位のカーボンに由来する60ppm付近のピークが消滅し、180ppm付近にC6位のカーボンが酸化されたピークが観察された。この結果より、セルロースのC6位のカーボンが選択的に酸化されたことを確認した。
(疎水化工程)
撹拌機、ジムロート還流器、温度計を備えた4つ口セパラブルフラスコ中に、上記方法で合成したポリウロン酸ナトリウム塩(カルボキシ基置換度(PU)=0.90、重量平均分子量=2万)3g(15mmol)をイオン交換水30gに溶解させた。1N塩酸を加えpHを3に調整した後に、n−へキシルアミンを1.5g(15mmol)、イソプロピルアルコール22.5g、4−(4、6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリドn水和物4.6g(和光純薬工業株式会社製)を加え、室温で3時間攪拌した。得られた溶液500mLのイソプロピルアルコールに滴下し、沈殿物を回収することにより変性ポリウロン酸を得た。得られた変性ポリウロン酸をイオン交換水30gに分散させ、1N 水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0に中和後、アセトン200mLに滴下し、沈殿物を回収することにより変性ポリウロン酸ナトリウム塩を得た(化合物1)。
得られた化合物1の1H−NMRスペクトル(Varian社製 Mercury400、測定周波数;400MHzにて測定)は3.0〜4.5ppm付近に糖骨格、0,5〜1.5ppm付近にアルキル基に由来するピークを示した。また、得られた化合物1のIRスペクトル(株式会社堀場製作所社製,FT-700にて測定)は、1600cm-1付近にカルボン酸イオンに相当するピークに加え、1650cm-1にアミド基に相当するピークが観察された。以上GPC、1H−NMRスペクトル、IRスペクトルの結果より、化合物1が前記一般式(1)で表される変性ポリウロン酸の塩であることを確認した。
得られた化合物1の重量平均分子量は2万、疎水性基の置換度は0.29、カルボキシ基置換度(MPU)は0.61であった。0.1%水溶液の表面張力は32mN/mであった。
得られた化合物の重量平均分子量、カルボキシ基置換度(MPU)、疎水性基の置換度を表面張力測定の結果と合わせて表1に示す。
化合物1については、水溶液の濃度を変えて表面張力測定を行なった。各濃度における表面張力をまとめて表2に示す。
実施例2(化合物2の合成)
(酸化工程)
撹拌機、ジムロート還流器、温度計を備えた4つ口セパラブルフラスコ中に、実施例1の酸化工程に記載の方法に準じた方法によりポリウロン酸ナトリウムを得た。得られたポリウロン酸ナトリウム塩25.4gを、イオン交換水600gに溶解させ、35%塩酸を用いてpHを2.0に調整し白色沈殿を得た。得られた白色沈殿物をアセトンで洗浄することでポリウロン酸(カルボキシ基置換度(PU)=0.81、重量平均分子量=2万)を得た。得られたポリウロン酸2.1g(13mmol)をイオン交換水30gに溶解させた後、10%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を24.6g加え、pH8に調整した後に凍結乾燥することで、ポリウロン酸のテトラブチルアンモニウム塩を得た。
(疎水化工程)
得られた化合物にジメチルスルホキシド80ml、1−ヨードドデカン0.86g(3mmol)を加え、室温で24時間攪拌した。得られた混合物をアセトン400mLに注ぎ、白色固体を得た。得られた白色個体にイオン交換水80mLを加え均一溶解させた後に、1N塩酸を用いてpH2.0に調整し、その後アセトン400mLに注ぎ、白色固体を得た。得られた白色固体にイオン交換水80mLを加え、1N水酸化ナトリウム水溶液でpH8.0に調整した後に、アセトン400mLに注ぎ変性ポリウロン酸ナトリウム塩(化合物2)を得た。
得られた化合物2の1H−NMRスペクトルは3.0〜4.5ppm付近に糖骨格、0.5〜1.5ppm付近にアルキル基に由来するピークを示した。また、得られた化合物2のIRスペクトルは、1600cm-1付近にカルボン酸イオンに相当するピークに加え、1750cm-1にエステル基に相当するピークが観察された。以上GPC、1H−NMRスペクトル、IRスペクトルの結果より、化合物2が前記一般式(1)で表される変性ポリウロン酸の塩であることが確認された。
得られた化合物2の重量平均分子量は24000、疎水性基の置換度は0.23、カルボキシ基置換度(MPU)は0.58であった。
得られた化合物の重量平均分子量、カルボキシ基置換度(MPU)、疎水性基の置換度を表1に示す。
実施例3(化合物3の合成)
疎水化工程で用いたn−ヘキシルアミンの量を表1記載の量に変えたこと以外は、実施例1と同様の方法で合成を行って化合物3を得た。化合物の同定も実施例1と同様に行なって、化合物3が前記一般式(1)で表される変性ポリウロン酸の塩であることを確認した。得られた化合物の重量平均分子量、カルボキシ基置換度(MPU)、疎水性基の置換度を表面張力測定の結果と併せて表1に示す。
Figure 2013060570
実施例4〜6(化合物4〜6の合成)
疎水化工程で使用したハロゲン化アルキルの種類、量を表2記載の量に変えたこと以外は、実施例2と同様の方法で合成を行って化合物4〜6を得た。化合物の同定も実施例2と同様に行なって、化合物4〜6のいずれも、前記一般式(1)で表される変性ポリウロン酸の塩であることを確認した。得られた化合物の重量平均分子量、カルボキシ基置換度(MPU)、疎水性基の置換度を表面張力測定の結果と併せて表2に示す。
Figure 2013060570
比較例1〜3(化合物7〜9の合成)
疎水化工程の原料としてポリウロン酸塩を使わずカルボキシメチルセルロース(CMC)を用いたこと、n−へキシルアミンの量を表3記載の量に変えたこと以外は、実施例1と同様の方法で合成を行って化合物7〜9を得た。なお、原料に用いたCMCは、日本製紙ケミカル社製サンローズFT−1(カルボキシメチル化度;0.9、重量平均分子量;60万)を酸で低分子量化したものを用いた。得られた化合物の重量平均分子量、カルボキシメチル化度、疎水性基の置換度を表面張力測定の結果と併せて表3に示す。
なおここで、疎水性基の置換度は変性ポリウロン酸の疎水性基の置換度の測定法と同様、1H−NMR測定により行い、カルボキシメチル化度は、原料CMCのカルボキシメチル化度と疎水基の置換度の差を、得られた化合物のカルボキシメチル化度とみなした。
化合物7については、水溶液の濃度を変えて表面張力測定を行なった。各濃度における表面張力をまとめて表4に示す。なお、表4の化合物7については、濃度30000mg/kgにおいては著しく増粘したため、表面張力測定を行わなかった。
比較例4(化合物10の合成)
疎水性基の導入を行わなかった点を除き、実施例1と同じ操作を行なって、化合物10を得た。
得られた化合物10の重量平均分子量は20000、カルボキシ基置換度(PU)は0.9であった。0.1%水溶液の表面張力は69mN/mであった。得られた化合物の重量平均分子量、カルボキシ基置換度(PU)を表面張力測定の結果と併せて表3に示す。
Figure 2013060570
Figure 2013060570
表1〜3の実施例と比較例の比較から、本発明の変性ポリウロン酸は、所定の濃度における表面張力が低く、高い界面活性能を有していることが明らかである。
また、表4の結果から、本発明の変性ポリウロン酸は、疎水基を導入したCMCに比べて到達可能な表面張力の値も低く、高い界面活性能を有していることが分かる。
本発明の変性ポリウロン酸又はその塩は、優れた界面活性能を有するため、高分子界面活性剤として好適に使用することができる。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で表される変性ポリウロン酸又はその塩。
    Figure 2013060570
    (一般式(1)中、R1は、水素原子、炭素数1〜40の炭化水素基、−CH2−CH(OH)−R2基、又は−CH2−CH(OH)―CH2−O−R2基(R2は炭素数1〜40の炭化水素基)を示し、Xは、酸素原子、硫黄原子、又は−NH−基を示す。mは、下記一般式(2)で示されるアンヒドログルクロン酸及び/又はその誘導体の平均重合度を示し、nは、アンヒドログルコースの平均重合度を示す数であって、〔m/(m+n)〕は0.3〜1.0である。分子内に存在する複数のR1は同一でも異なっていてもよいが、全てが同時に水素原子であることはない。)
    Figure 2013060570
    (一般式(2)中、X及びR1は前記と同じ意味を示す。)
  2. 重量平均分子量が5000〜50万である、請求項1に記載の変性ポリウロン酸又はその塩。
  3. 一分子あたりの炭化水素基の平均数(a)の、(m+n)に対する比〔a/(m+n)〕が0.01〜0.9である、請求項1又は2に記載の変性ポリウロン酸又はその塩。
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