JP2013057733A - 電子ディスプレイ用光学フィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】構成部材であるガラス基板の全反射を防ぐことで、電子ディスプレイ前面に取り付けられた際により良質なコントラスト画像が長期間劣化することなく得られる電子ディスプレイ用光学フィルタを提供する。
【解決手段】C光源による視感透過率が25〜60%である電子ディスプレイ用光学フィルタであって、厚さが0.7〜5.0mmであり、かつC光源による視感透過率が40〜85%であるガラス基板と、前記ガラス基板に積層された少なくとも1種の機能層とを有する電子ディスプレイ用光学フィルタ。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子ディスプレイ用光学フィルタに関する。
プラズマディスプレイ等、蛍光体を使用する電子ディスプレイでは、赤・緑・青色発光蛍光体がディスプレイの表面に配置されている。ところが、これら蛍光体自体の色は白色で拡散反射率が高いため、照明や太陽光等により十分に明るい場所で電子ディスプレイの画像を視聴すると、外光が電子ディスプレイの表面で反射して、良好な明暗コントラストが得られない。そこで、外光の反射成分を除去してコントラストを向上させるために、電子ディスプレイの前面に、可視光線を吸収しその透過率を下げるような光学フィルタが用いられている。
このような光学フィルタとしては、従来から、透明なガラス基板と有機系の色素や無機系の色素を使用した着色樹脂層を構成部材に含む構成のフィルタが用いられており、可視光透過率を25〜60%程度に抑え、明暗コントラストが良好である。これらの電子ディスプレイ用光学フィルタにおいては、透明なガラス基板が用いられ、着色樹脂層の構成に特徴を持たせることでコントラストの向上を図っている(特許文献1参照)。
ここで、上記透明ガラス基板を構成部材に含む光学フィルタでは、ディスプレイの表面にガラスの質感を付与することや、ガラスへ枠を印刷することができるため、デザイン性を向上させる観点から好んで使用される一方で、暗い環境で精細な画像を表示させた場合、透明ガラス基板内で画像が反射を繰り返す(ガラスの表面(ガラスと空気の界面)で光が反射することが繰り返される)ことで画質が劣化する問題があった。
また、着色樹脂層には一般に有機染料や有機顔料が用いられるが、光や熱、湿度などの外部要因によりこれら染料や顔料が劣化する問題があり、劣化を抑えるために、紫外線吸収層などを設けるなどの対策が施されているが、劣化の抑制には限界があった。
一方、ブラウン管ディスプレイでは、構成材料に特徴を有する着色ガラス板を単体で用いてコントラスト向上のための光学フィルタとする技術が知られている(特許文献2参照)。この光学フィルタでは着色ガラス板を用いることでガラスの反射を防止している。しかし、例えば、プラズマディスプレイ用の光学フィルタでは近赤外線吸収フィルムや電磁波遮蔽フィルム等の機能性フィルムと積層して用いられることが一般的であり、可視光透過率を下げる目的以外で使用されるこれらの機能性フィルムによってもある程度、可視光透過率が低下することから、光学フィルタ全体としての可視光透過率の調整や色設計は、調整が容易な着色樹脂層において行われている。このような光学フィルタに、着色ガラス板を用いると反射は防止できるものの、光学フィルタ全体としての可視光透過率の調整や色設計が困難なため、これまで使用されていなかった。
特許第4507756号公報 特公昭61−58410号公報
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、構成部材であるガラス基板の反射を防ぐことで、電子ディスプレイ前面に取り付けられた際にコントラストが良好な画像が長期間劣化することなく得られる電子ディスプレイ用光学フィルタの提供を目的とする。
本発明の電子ディスプレイ用光学フィルタは、C光源による視感透過率が25〜60%である電子ディスプレイ用光学フィルタであって、厚さが0.7〜5.0mmであり、かつC光源による視感透過率が40〜85%であるガラス基板と、前記ガラス基板に積層された少なくとも1種の機能層とを有することを特徴とする。
本発明の電子ディスプレイ用光学フィルタは、構成部材であるガラス基板の反射が防止されたものであり、電子ディスプレイ前面に取り付けられた際に、コントラストが良好な画像を長期間劣化することなく提供できる電子ディスプレイ用光学フィルタである。 また本発明の光学フィルタは、光学フィルタの視感透過率と構成部材としてのガラス基板の視感透過率との差を十分に持たせることができるため、各種機能層との組合せの自由度が大きい光学フィルタである。
本発明の電子ディスプレイ用光学フィルタが適用された電子ディスプレイの一例を示す断面図である。 本発明の電子ディスプレイ用光学フィルタの実施形態の一例を示す断面図である。
本発明の電子ディスプレイ用光学フィルタの実施の形態について図面を参照しながら以下に説明する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されない。
図1は本発明の電子ディスプレイ用光学フィルタ(以下、単に「光学フィルタ」という)が適用された電子ディスプレイの一例を示す断面図である。
本発明の光学フィルタ10は、電子ディスプレイ20において表示パネル21の前面に、不要な発光成分を除去するために設置される光学フィルタとして用いられ、C光源による視感透過率が25〜60%に調整された光学フィルタである。以下、本明細書においては、C光源による視感透過率を、必要に応じて、単に視感透過率という。
本発明の光学フィルタが適用される電子ディスプレイ20としては、ブラウン管ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機・無機ELディスプレイ、FEDディスプレイ等の、視感透過率が25〜60%程度に調整された光学フィルタが通常使用されている電子ディスプレイであれば、特に制限なく適用可能である。なお、本発明の光学フィルタは、プラズマディスプレイの光学フィルタとして用いた場合に、特に顕著な効果を発揮できる。
すなわち、プラズマディスプレイにおいては、ディスプレイパネルからの表示画像をコントラストよく視認できるように調整する効果が大きい。
以下に、本発明の電子ディスプレイ用光学フィルタをプラズマディスプレイ用として用いた場合の実施形態を例にして具体的に説明する。図2は本発明の電子ディスプレイ用光学フィルタの実施形態の一例を示す断面図である。
光学フィルタ10は、図1に示す通り電子ディスプレイ、この場合は、プラズマディスプレイ20における表示パネル21の前面に配置される。図2に示す光学フィルタ10は視認側、すなわち電子ディスプレイを視認する人間が存在する側(視認側)から順に、ガラス基板1、着色層2、電磁波遮蔽層3を有する。図2に示す光学フィルタ10においては、機能層として、着色層2と電磁波遮蔽層3の2層を有する。なお、本明細書において、光学フィルタ10の上記視認側の反対側を、非視認側という。
本発明の光学フィルタにおいては、上記の通り、光学フィルタとしての視感透過率は25〜60%であり、構成部材として用いるガラス基板は厚さが0.7〜5.0mm、かつ視感透過率が40〜85%である。
本発明の光学フィルタにおいては、構成部材として上記特性のガラス基板を用いることで、従来の透明ガラス基板を用いた際に発生していたガラス基板内での反射を防止できる。さらに、得られる光学フィルタと構成部材としてのガラス基板との視感透過率に十分な差を持たせることができ、ともに用いる各種機能層との組合せの自由度を増すことができ、光学フィルタとしての視感透過率や透過光の色調の設計を容易とした。また、従来の光学フィルタにおいては、有機系の色素を用いて視感透過率を低減させていたところ、光等に対する劣化の点で課題があったが、本発明の光学フィルタによればガラス基板が視感透過率を低減する機能を相当な割合で担っていることから、使用する有機系色素の量を低減でき、長期にわたり品質が維持できる。
また、光学フィルタとほぼ同一の平面に黒色系メタルフレームを配置して、光学フィルタの全面を露出させたフラットサーフェイスデザインの電子ディスプレイにおいて、光学フィルタを構成する透明ガラス基板の端縁部にある面取り部の表面で乱反射(散乱)が起こり、視認側から光学フィルタ端縁部の周囲が白く光って見える現象が知られている。本発明の光学フィルタにおいては、ガラス基板として上記光学特性を有するガラス基板を用いたことにより、上記光学フィルタ端縁部の周囲が白く光って見える現象の発生を抑制できる。
すなわち、視感透過率が40〜85%であるガラス基板を用いることで、ガラス基板内で光が吸収されることから、ガラスに入射した光がガラスの表面で反射する量が抑えられ、ガラス基板の端縁部に到達する光の量が少なくなるため、白く光って見えない。
本発明の光学フィルタにおいて、ガラス基板1の厚さは、テレビの重量の増加を防ぐ点から薄い方が好ましいが、フィルタの支持体としての強度を維持する必要がある。そのため、ガラス基板1の厚さは、0.7〜5.0mmの範囲で設定され、用いられる光学フィルタの要求特性に応じてこの範囲内で適宜調整される。なお、ガラス基板1の厚さは、1.1〜4.0mmであることが好ましく、2.5〜3.5mmがより好ましい。
ガラス基板1の視感透過率は、反射を防ぐためにある程度低い方が好ましいが、同時に、透過率を下げる目的以外で使用される各種機能層を積層した状態での透過率を25〜60%に調整する必要があるため、40〜85%の範囲で設定され、用いられる光学フィルタの要求特性に応じてこの範囲内で適宜調整される。なお、ガラス基板1の視感透過率は、50〜75%が好ましく、55〜70%がより好ましい。
また、ガラス基板1については、本発明の光学フィルタ10が透過光の色調について以下の特性を有することが好ましいことから、これを実現するために、そのC光源による透過光色度が、JIS Z8701(1999年)に定義されるXYZ表色系における色座標(x,y)で、0.250≦x≦0.350、0.250≦y≦0.350が好ましい。ガラス基板1における上記色座標(x,y)は、0.260≦x≦0.340、0.260≦y≦0.340がより好ましく、0.270≦x≦0.330、0.270≦y≦0.330が特に好ましい。
すなわち、電子ディスプレイに用いられる光学フィルタでは、人が視認する際に画像に影響を与えないように、C光源を用いて測定される透過光が無彩色であることが求められる。本発明の光学フィルタにおいては、具体的には、C光源による透過光色度が、JIS Z8701(1999年)に定義されるXYZ表色系における色座標(x,y)で、(x,y)=(0.310±0.100,0.316±0.100)が好ましい。
上記の光学特性を有するガラス基板1としては、例えば、従来用いられている透明なガラス基板が有する強度等の特性をそのまま保持しながら、上記光学特性を具現化するために、該透明なガラス基板を作製する際のガラス組成に着色成分を加えて作製されたガラス基板が挙げられる。
具体的には、酸化物基準の質量%表示で、SiOを65〜75%、Alを0〜5%、CaOを5〜15%、MgOを0〜10%、ただし、CaOとMgOの合計が6〜15%、NaOを10〜18%、KOを0〜5%、ただし、NaOとKOを合計で10〜20%、含有するガラス組成を基本組成とし、これにさらに着色成分として、Feを0.1〜0.5%、CoOを0.003〜0.02%、Seを0.0005〜0.001%、NiOを0〜0.002%含有するガラス組成のガラス基板が挙げられる。
上記ガラスの基本組成は、ガラスのネットワークフォーマであるSiO、およびアルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、Alからなる、ソーダライムガラスの組成であって、これらの組成割合が、ガラスの熔解性、成形性または粘度特性、失透性、耐候性などの特性を決定する。
なお、ガラスの基本組成を構成する各成分の含有量の規定理由は以下の通りである。
SiOについては、含有量が65質量%以上では耐候性が十分であり、75質量%以下では透明である。SiOの好ましい含有量は、70〜74質量%である。
アルカリ金属酸化物であるNaOおよびKOはフラックスである。NaOの含有量が18質量%以下であり、NaOとKOの合計含有量が20質量%以下であると、耐候性が十分である。NaOの含有量が10質量%以上であったり、NaOとKOの合計含有量が10質量%以上であると、熔解性が十分である。
Oの含有量が5質量%以下であるとガラスの熔解温度が上昇しすぎず適度であり、KOはNaOに比して高価であるので経済性の観点からも好ましい。
アルカリ金属酸化物の好ましい含有量は、NaOについては11〜15質量%、KOについては0〜1質量%、NaOとKOの合計含有量については12〜16質量%である。
アルカリ土類金属酸化物であるCaOとMgOは、上記アルカリ金属酸化物と同様にフラックスとして、また耐候性向上のために添加される成分である。CaOの含有量が5質量%以上であり、CaOとMgOの合計含有量が6質量%以上であると、耐候性が十分である。CaOの含有量が15質量%以下、MgOの含有量が10質量%以下、またはCaOとMgOの合計量が15質量%以下の場合には失透しにくい。
アルカリ土類金属酸化物の好ましい含有量は、CaOについては5〜10質量%、MgOについては1〜5質量%、CaOとMgOの合計含有量については8〜12質量%である。
Alはガラスの粘性の調節および耐候性向上のために添加される成分である。Alの含有量が5質量%以下であると熔解性が十分である。Alの好ましい含有量は、1〜2質量%である。
着色成分については、Fe、CoOおよびSeを上記の量で組合せて含有することにより、ガラス基板とした際に視感透過率が40〜85%であり、透過光の色度が上記色座標(x,y)において、0.250≦x≦0.350、0.250≦y≦0.350の範囲にできる。NiOは、色度を上記範囲に調整するのに有用な成分であり、フロート法によりガラス基板を生産する際には0.002質量%以下で配合すると、硫化ニッケルを生成せずガラス基板の製造が容易である。
着色成分のより好ましい含有量は酸化物基準の質量%で、Feが0.18〜0.22%、CoOが0.0031〜0.0040%、Seが0.0006〜0.0009%、NiOが0〜0.0004%である。
ガラス基板1のガラス組成は基本的に上記基本成分および着色成分からなり、ガラス基板とした際に上記光学特性が得られる範囲で、上記成分以外の他の成分を含有してもよい。例えば、清澄剤としてSO、Sb、AS、Clをそれぞれ0.5質量%以下の量で、着色調整または安定剤としてTiO、ZnOをそれぞれ0.5質量%以下の量で、SnOを0.1質量%以下の量で含有してもよい。
また、上記ガラスの基本組成は上記と同様にして、着色成分として、V、MnO、Fe、CoOを組合せて使用し、得られるガラス基板の光学特性が本発明の範囲となるように配合量を調整することで上記ガラス基板1を作製することもできる。
なお、ガラス基板1は従来公知の方法に従って、上記組成のガラス原料を調合し、溶融、成形、冷却することによって製造できる。製造方法としては、フロート法でもよく、フュージョン法でもよい。
また、上記のガラス組成はソーダライムガラスを基本組成としているが、得られるガラス基板の光学特性を本発明の範囲とすることを条件として、光学フィルタとして使用可能な特性を有するホウ珪酸ガラス等の基本組成に上記同様に着色成分を添加したガラス組成でもよい。なお、本発明においては、上記光学特性を有するガラス基板として市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、旭硝子社製、商品名「サンユーログレー」、「サンユーロブロンズ」等が挙げられる。
本発明の光学フィルタにおいては、上記ガラス基板とこれに積層される少なくとも1種の機能層によって、視感透過率が25〜60%の範囲で所望の値に設定される。ガラス基板に積層される機能層が有する機能としては、例えば、電磁波遮蔽機能、近赤外線カット機能、色調機能、反射防止機能、コントラスト向上機能、防眩機能(アンチグレア機能)等が挙げられる。機能層としては、設計によって、上記機能の1種を有する機能層であってもよく、2種以上の機能を兼ね備えた機能層であってもよい。また、本発明の光学フィルタが有する機能層は、上記ガラス基板とともに用いて光学フィルタの視感透過率を25〜60%の範囲に設定できる機能層であれば、種類や層数は限定されない。
なお、本発明の光学フィルタにおいては、上記ガラス基板との組合せにおいて光学フィルタの視感透過率の調整を容易にする観点から機能層として着色層を有することが好ましい。本明細書においては、少なくとも視感透過率を調整する目的で着色成分を含有し、その種類や量を調整することで視感透過率を調整する機能を有する層を着色層という。本発明の光学フィルタにおいて、上記着色層は、有機系色素の使用量を減少させることで、長期にわたって劣化のない安定した品質を維持できる観点から、視感透過率は40%以上が好ましく、50%以上がより好ましく、55%以上が特に好ましい。
着色層の視感透過率については、上記ガラス基板およびこれと組合せて設けられる上記各種機能層の視感透過率に合わせて、適宜調整される。機能層の種類にもよるが、通常、着色層以外の各種機能層の視感透過率は、50〜95%程度に設定されていることから、光学フィルタが複数の機能層を有する場合には、着色層の視感透過率は100%に近く設定される場合もある。しかし、後述のように着色層は、光学フィルタのC光源による透過光色度の調整にも寄与していることから、視感透過率の上限については90%が好ましく、80%がより好ましい。
本発明の光学フィルタにおいては、上記のように有機系色素の含有量を低減化する構成とすることで、キセノン光を、300〜400nmの波長域で積算した照射強度として50W/mで500時間照射した際に生じる透過光色度の変化が、JIS Z8701(1999年)に定義されるXYZ表色系における色座標(x,y)のyの照射前に対する照射後の変化量Δyとして、0.010以下とできる。
ここで、図2に示す光学フィルタ10においては、上記ガラス基板1とこれに積層された機能層として、着色層2および電磁波遮蔽層3を有する。
電磁波遮蔽層3は、電子ディスプレイから放射される電磁波をカットする機能を有する機能層であり、電子ディスプレイ用の光学フィルタが通常有する機能層である。
電磁波遮蔽層3は、例えば、透明基体上にスパッタ法により電磁波遮蔽膜が形成されたものである。透明基体は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、アクリル系樹脂、あるいはポリカーボネート系樹脂からなる。これらの中でもポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロースが、透明性や加工性の観点から好適である。電磁波遮蔽膜としては、例えば、金属酸化物(InとSnとの酸化物、TiとZnとの酸化物、AlとZnとの酸化物、酸化ニオブ等)の層と金属(Ag、Ag合金等)の層とが交互に積層された構造で、金属層の層数がnであり、金属酸化物層の層数がn+1(ただし、nは1以上の整数である。)であるものが用いられる。また、電磁波遮蔽層3としては、例えば、透明基体上に銅がメッシュ状に形成されたものであってもよい。通常、このような電磁波遮蔽層3は、透明基体上に銅箔を貼りあわせた後、メッシュ状に加工することにより製造される。
上記電磁波遮蔽層3としては、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、電磁波遮蔽エッチングメッシュフィルムとして、凸版印刷社製、商品名「TPT18A1−E4206」、大日本印刷社製、商品名「AR42YS0S−100」等が挙げられる。
電磁波遮蔽層3の層厚は、上記いずれの構成においても、透明基体の厚さが占める割合が殆どであり、50〜200μmの間で調整できる。また、上記いずれの構成のものでも、通常その視感透過率は概ね80〜95%の範囲にある。
図2に示される光学フィルタ10において、着色層2は、上記ガラス基板1と該着色層2および上記電磁波遮蔽層3とを組み合わせて構成される光学フィルタ10としての視感透過率を上記範囲、すなわち25〜60%の範囲に調整する機能を有する。
着色層2は、例えば、透明なバインダー樹脂中に着色成分が均一に分散した構成を有する。ガラス基板1上に着色層2および電磁波遮蔽層3を積層するにあたって、各層を透明粘着剤等で接着してもよく、例えば、上記着色層2のバインダー樹脂として透明粘着剤を用いることで、ガラス基板1に電磁波遮蔽層3を、着色層2を介して接着でき、好ましい。光学フィルタにおいて、着色層2は、通常このような着色粘着剤層として形成される。
粘着剤としては、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ブタジエン系粘着剤、ウレタン系粘着剤等が挙げられ、特にアクリル系粘着剤が好ましい。
着色層2が有する着色成分としては、具体的には、可視光の特定波長域の一部を吸収し、透過可視光の色調を変えることで、視感透過率の低減とともに透過光の色調補正が可能な着色成分であることが好ましい。以下、このような着色成分を色調補正色素という。上記の通り、着色層2において配合する色調補正色素の種類や量を調整することで、該着色層2と上記ガラス基板1と電磁波遮蔽層3との組合せで得られる光学フィルタ10の視感透過率を25〜60%にできる。
また、上記の通り光学フィルタ10のC光源による透過光色度が、上記色座標(x,y)で、(x,y)=(0.310±0.100,0.316±0.100)であることが好ましく、ガラス基板1としてC光源による透過光色度が上記色座標(x,y)で、0.250≦x≦0.350、0.250≦y≦0.350の範囲にあるガラス基板が好ましく用いられ、着色層2においてはこのガラス基板1とさらには電磁波遮蔽層3との積層体である光学フィルタとして上記視感透過率の範囲内で上記色座標(x,y)が実現できるように、色調補正色素の種類や量を調整することが好ましい。
着色層2が含有する色調補正色素としては、例えば、アゾ系、縮合アゾ系、ジイモニウム系、フタロシアニン系、アンスラキノン系、インジゴ系、ペリノン系、ペリレン系、ジオキサジン系、キナクリドン系、メチン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、ピロール系、チオインジゴ系、ポルフィリン系、テトラアザポルフィリン系等の周知の有機顔料および有機染料、無機顔料が好ましく挙げられる。
色調補正色素の中でも、耐光性が良好であるとともに粘着剤との相溶性または分散性が良好な色素、例えば、アンスラキノン系色素、キノフタロン系色素、およびテトラアザポルフィリン系色素から選ばれる1種、または2種以上を適宜組み合わせて用いことが好ましい。アンスラキノン系色素、およびテトラアザポルフィリン系色素から選ばれる1種、または2種以上を適宜組み合わせて用いことがより好ましい。
アンスラキノン系色素としては、例えば、日本化薬社製の商品名「Kayaset Violet A−R」、「Kayaset Blue N」、「Kayaset Blue FR」、「Kayaset Green A−B」等の市販品が挙げられる。
また、テトラアザポルフィリン系色素としては、例えば、山田化学社製の商品名「TAP−2」「TAP−18」「TAP−45」等の市販品が挙げられる。
テトラアザポルフィリン系色素は、プラズマディスプレイパネルが発する波長590nm付近のオレンジ色の不要光を効率的に吸収できるため好ましい。また、耐久性の観点からは、アンスラキノン系色素が好ましい。テトラアザポルフィリン系色素およびアンスラキノン系色素を組み合わせて用いることがより好ましい。
着色層2における色調補正色素の含有量は、着色層2に求められる視感透過率に合わせて調整される。例えば、図2に示す光学フィルタ10の例では、ガラス基板1および電磁波遮蔽層3に合わせて着色層2の視感透過率は40〜90%とすることが好ましい。この場合、用いる色調補正色素の種類により、色調補正色素の含有量は、粘着剤固形分100質量部に対して、0.01〜15質量部が好ましく、0.05〜10質量部がより好ましい。また、用いる色調補正色素は、光学フィルタ10における透過光色度の設計により、ガラス基板1の透過光色度を考慮して選択される。複数の色調補正色素を用いる場合は、光学フィルタ10における透過光色度に対する影響を考慮して各色素の配合量を調整する。
着色層2は、必要に応じて、上記機能を損なわない範囲でさらに近赤外線吸収色素、光安定剤、紫外線吸収剤等を含有してもよい。
近赤外線吸収色素は、プラズマディスプレイから放射される近赤外線によりリモコンや伝送系光通信に発生する誤動作を防止するために、近赤外線を吸収する目的で用いられる。近赤外線吸収色素としては、例えば、ポリメチン系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、アミニウム系色素、イモニウム系色素、ジイモニウム系色素、アンスラキノン系色素、ナフトキノン系色素、インドールフェノール系色素、アゾ系色素、トリアリルメタン系色素、酸化タングステン系色素等が挙げられる。熱線吸収や電子機器のノイズ防止の用途には、最大吸収波長が750〜1100nmである近赤外線吸収色素が好ましく、アミニウム系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、ジイモニウム系色素、酸化タングステン系色素が特に好ましい。
近赤外線吸収色素は1種類でもよく、2種以上を混合して用いてもよい。近赤外線吸収色素の耐久性の観点から、1種類のみまたは2種以上のフタロシアニン系色素を組み合わせて用いることが好ましい。また、耐久性の観点に加え、近赤外線を十分にかつ効率的に吸収できることから、2種以上のフタロシアニン系色素を組み合わせて用いることがより好ましい。また、ジイモニウム系色素も近赤外線を効率的に吸収できることから好ましい。
フタロシアニン系色素の中でも、粘着剤組成物の近赤外線吸収性が高くなることから、800〜1100nmに極大吸収波長を有する近赤外線吸収色素であることが好ましい。800〜1100nmに極大吸収波長を有するフタロシアニン系色素としては、例えば、日本触媒社製、商品名「イーエクスカラーIR−12」、商品名「イーエクスカラーIR−14」、「イーエクスカラーIR−20」、「イーエクスカラーIR−915」、商品名「TX−EX−906B」、商品名「TX−EX−910B」)等の市販品が挙げられる。
近赤外線吸収色素を配合する場合は、着色層2の視感透過率が上記範囲となるように、上記色調補正色素の含有量とこの近赤外線吸収色素の含有量を適宜調整する。また、近赤外線吸収色素を配合することによる光学フィルタ10における透過光色度に対する影響を考慮した配合量とする。
光安定剤としては、公知の光安定剤を用いることができ、特にジチオール錯体系の光安定剤が好適に用いられる。ジチオール錯体は、自身の安定性に優れ、色素、特にフタロシアニン系色素に対するクエンチャー効果、すなわちフタロシアニン系色素の光に対する安定性を向上させる効果に優れるために好ましい。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、オキザニリド系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、無機系紫外線吸収剤等が好ましく挙げられる。
上記光安定剤や紫外線吸収剤は、着色層2に求められる他の物性を確保しながら、これら光安定剤や紫外線吸収剤がその機能を発揮できる量の範囲で配合される。
また、着色層2の層厚は、材料の使用量を削減する観点から薄い方が好ましいが、薄過ぎるとスジやムラの発生が生じるため、0.1〜50μmが好ましく、1〜30μmがより好ましい。
さらに、図2に示すプラズマディスプレイ用の光学フィルタ1には、図示しないが、必要に応じて、かつ本発明の趣旨に反しない限度において、上に例示した各種機能層を設けることができる。
例えば、上記電磁波遮蔽層3の上にコントラスト向上機能を有するコントラスト向上層を設けることができる。コントラスト向上層としては、例えば、平行に並設された複数の直線状の暗色部と、これら暗色部間に配置される透光性領域とが透明基体上に形成されたものが挙げられる。透光性領域は、例えば、併設方向の断面において透明基体側に向けて徐々に幅が広がる台形状であり、透明基体側の端部において隣接する他の透光性領域と繋がるように形成される。また、暗色部は、例えば、隣接する透光性領域間の凹部に暗色粒子と透明樹脂とが充填されることにより構成される。コントラスト向上層としては、例えば、大日本印刷社製、商品名「CRF A0P51T48−4201」等の市販品を用いることができる。
また、透明基体上に可視光線の反射による映りこみを低減するための防眩膜(アンチグレア膜)を設けた防眩層を機能層として、例えば、上記コントラスト向上層の上に透明粘着剤を介して積層してもよい。防眩層は、表面に凹凸を有する層である。凹凸により防眩層表面に映る反射像を拡散させて輪郭をぼかす効果がある。上記同様の透明基体にシリカ等の無機微粒子、あるいはアクリル系樹脂やスチレン系樹脂等の有機微粒子をバインダー中に分散した溶液をコーティングし、溶媒を揮発させたものや、サンドブラスト、あるいはエッチング等により基材自身に凹凸を形成したものが挙げられる。さらに最表層に反射防止処理を施してもよい。防眩層としては、例えば、大日本印刷社製の商品名「DS−LR」、「DS−21」、日油社製の商品名「リアルック5500」「リアルック7300」等の市販品を用いることができる。
なお、図2に示す光学フィルタ10が、さらに上記コントラスト向上層および防眩層を有する場合には、各層ともに視感透過率は50〜80%程度であるため、この2層が追加された構成において、光学フィルタ10としての視感透過率が25〜60%の範囲内で所望の値となるように、上記着色層2において色調補正色素や近赤外線吸収色素の含有量を調整する。
図2に示す光学フィルタ10は、例えば、ガラス基板1上に着色層2および電磁波遮蔽層3をその順に重ね合わせて、一端部側から他端部側にかけてゴム等の弾性材料によって被覆された加圧ローラーを移動させて加圧することにより製造できる。さらに、光学フィルタ10がコントラスト向上層および防眩層を有する場合には、上記重ね合わせの際に、電磁波遮蔽層3上にコントラスト向上層と防眩層をその順にそれぞれ透明粘着剤を介して重ね合わせて、上記同様の加圧処理を行えばよい。また、このような加圧ローラーによる貼り合わせ後に、温度40〜90℃、圧力0.5〜1.2MPaの雰囲気下で30〜90分間程度の熱処理を行うことで、各機能フィルム間における気泡を消失させ、外観の良好なものとできる。
以上、図2に示すプラズマディスプレイ用の光学フィルタを例にして本発明の実施の形態を説明したが、本発明の光学フィルタにおいては、本発明の趣旨に反しない限度において、ガラス基板のガラス組成やガラス基板と各機能層の積層順、各種機能層の構成材料等は適宜変更可能である。また、必要に応じて上に説明した以外の機能層を設けることも可能である。ここで、ガラス基板と各機能層の積層順については、上記の通り、特に制限されないが、デザイン性の観点からガラス基板は視認側に配設されることが好ましい。着色層が接着機能を有する着色粘着剤層の場合には、ガラス基板と機能層の間または機能層間に配設されることが好ましい。
また、本発明の光学フィルタは、通常の光学フィルタの外周側端部を筐体により覆った構造の電子ディスプレイ用としても、光学フィルタの全面を露出させたフラットサーフェイスデザインの電子ディスプレイ用としても適用できる。フラットサーフェイスデザインの電子ディスプレイに用いた場合には、光学フィルタの端縁部周囲が白く光って見える現象の発生が抑制された電子ディスプレイとすることができる。
以下、本発明の電子ディスプレイ用光学フィルタについて、実施例を参照してより具体的に説明する。例1〜5が実施例、例6〜7が比較例である。
以下の実施例および比較例において、視感透過率はC光源を用いて、分光光度計(島津製作所製、製品名:Solid Spec3700)により、JIS Z8701(1999年)に基づき測定した。また、C光源からの透過光の色度を、JIS Z8701(1999年)で定義されるXYZ表色系における色座標(x,y)として測定した。近赤外線透過率(850nm〜950nm)は、同じく分光光度計(島津製作所製、製品名:Solid Spec3700)により測定した。ガラス基板の厚さはマイクロメーターを使用して測定した。
(例1)
ガラス基板として、縦横の寸法が42インチのプラズマディスプレイ用であり、面取りされた、厚さ2.5mmの着色ガラス板(旭硝子社製、商品名「サンユーログレー」)を準備した。用いた着色ガラス板の上記方法で測定された視感透過率および透過光の色座標(x,y)を表1に示す。
上記ガラス基板の片面に以下に説明する着色粘着剤層を配設しその上に電磁波遮蔽エッチングメッシュフィルム(凸版印刷社製、商品名「TPT18A1−E4206」)を重ね合わせた。さらに電磁波遮蔽エッチングメッシュフィルム上に、コントラスト向上フィルム(大日本印刷社製、商品名「CRF A0P51T48−4201」)、およびアンチグレアフィルム(日油社製、商品名「リアルック7300」)を、それぞれ透明粘着剤を介して、この順に重ね合わせた。この積層体を、一端部側から他端部側にかけてゴム被覆された加圧ローラー間を移動させることで貼り合わせた。貼り合わせ後、温度60℃、圧力0.95MPaで60分間のオートクレーブ処理を施してプラズマディスプレイ用光学フィルタを得た。
着色粘着剤層としては、色調補正色素および近赤外線吸収色素を含有するアクリル樹脂製粘着剤フィルム(厚さ25μm)を用いた。上記色調補正色素としては、山田化学社製、商品名「TAP2」、日本化薬社製、商品名「Kayaset Violet A−R」、「Kayaset Green A−B」を使用した。近赤外線吸収色素としては、日本触媒社製、商品名「イーエクスカラーIR−14」、「イーエクスカラーIR−20」、「イーエクスカラーIR−915」を使用した。着色粘着剤層におけるこれらの色素含有量は、上記のようにガラス基板上に各種機能層を積層して得られる光学フィルタのC光源による視感透過率が35%、近赤外線透過率(850nm〜950nm)が15%以下となるように予め調整したものであった。なお、着色粘着剤層のC光源による視感透過率は64%であった。「着色層視感透過率」として表1に示す。
(例2)
ガラス基板として上記「サンユーログレー」の代わりに厚さ2.5mmの着色ガラス板(旭硝子社製、商品名「サンユーロブロンズ」)を使用した以外は、例1と同様にしてプラズマディスプレイ用光学フィルタを得た。用いた着色ガラス板の上記方法で測定された視感透過率および透過光の色座標(x,y)、ならびに着色粘着剤層の視感透過率を表1に示す。
(例3)
着色ガラス板の厚さを5.0mmとし、着色粘着剤層における色素含有量を、光学フィルタのC光源による視感透過率が25%、近赤外線透過率(850nm〜950nm)が15%以下となるように予め調整した以外は、例1と同様にしてプラズマディスプレイ用光学フィルタを得た。用いた着色ガラス板の上記方法で測定された視感透過率および透過光の色座標(x,y)、ならびに着色粘着剤層の視感透過率を表1に示す。
(例4)
着色ガラス板の厚さを1.0mmとした以外は、例1と同様にしてプラズマディスプレイ用光学フィルタを得た。用いた着色ガラス板の上記方法で測定された視感透過率および透過光の色座標(x,y)、ならびに着色粘着剤層の視感透過率を表1に示す。
(例5)
着色ガラス板に黒色の枠状印刷をスクリーン印刷した後に、印刷した側の面に各フィルムを貼り合わせた以外は、例1と同様にしてプラズマディスプレイ用光学フィルタを得た。用いた着色ガラス板の上記方法で測定された視感透過率および透過光の色座標(x,y)、ならびに着色粘着剤層の視感透過率を表1に示す。
(例6)
着色ガラス板の代わりに、厚さ2.5mmの透明なソーダライムガラス板(旭硝子社製、商品名「AS2.5」)を使用した以外は、例1と同様にしてプラズマディスプレイ用光学フィルタを得た。用いた着色ガラス板の上記方法で測定された視感透過率および透過光の色座標(x,y)、ならびに着色粘着剤層の視感透過率を表1に示す。
(例7)
着色ガラス板の代わりに、厚さ2.5mmの透明なソーダライムガラス板(旭硝子社製、商品名「AS2.5」)を使用した以外は、例5と同様にしてプラズマディスプレイ用光学フィルタを得た。用いた着色ガラス板の上記方法で測定された視感透過率および透過光の色座標(x,y)、ならびに着色粘着剤層の視感透過率を表1に示す。
<評価>
(コントラスト機能)
上記各例で作製したプラズマディスプレイ用光学フィルタをプラズマディスプレイ(パナソニック社製、42インチ)にセットし、暗室にて幅2mmの白線、および白線以外の部分については黒色を表示させ、白線の鮮明さを目視にて比較した。評価は、主に白線の広がり具合を比較し、白線が最も鮮明に見えた場合を◎、白線が鮮明に見えた場合を○、やや不鮮明に見えた場合を△とした。
つぎに、評価環境の照度をF10の蛍光灯により300lxとして、プラズマディスプレイの表示画面を全面黒とした場合の、黒の締り具合を評価した。黒の締りが最も良好であるものを◎、黒の締りが良好であるものを○、やや黒が浮いて見えるものを△とした。
(耐久性試験)
上記各例で作製したプラズマディスプレイ用光学フィルタについて、C光源による視感透過率と透過光色度、すなわちXYZ表色系における色座標(x,y)の測定を行った。その後、該プラズマディスプレイ用光学フィルタに、キセノン光を300〜400nmの波長域で積算した照射強度が50W/mとなる条件で500時間照射する耐久試験を行った。試験後にC光源を用いた透過光の色座標(x,y)の測定を行い、yの値の試験前に対する試験後の変化量Δyを求めた。Δyが0.010以下であるものを○、0.010を超えるものを×とした。
(枠の外観)
黒色の枠が印刷された例5、例7のプラズマディスプレイ用光学フィルタについて、ガラス板側から枠の外観を確認し、黒色に見える場合を○、黒色に見えない場合を×とした。
以上の結果を表1にまとめた。
Figure 2013057733
1…ガラス基板、2…着色層、3…電磁波遮蔽層、10…光学フィルタ
20…電子ディスプレイ、21…表示パネル

Claims (4)

  1. C光源による視感透過率が25〜60%である電子ディスプレイ用光学フィルタであって、
    厚さが0.7〜5.0mmであり、かつC光源による視感透過率が40〜85%であるガラス基板と、前記ガラス基板に積層された少なくとも1種の機能層とを有する電子ディスプレイ用光学フィルタ。
  2. 前記ガラス基板のC光源による透過光色度が、JIS Z8701(1999年)に定義されるXYZ表色系における色座標(x,y)で、0.250≦x≦0.350、0.250≦y≦0.350である請求項1に記載の電子ディスプレイ用光学フィルタ。
  3. 前記機能層として、C光源による視感透過率が40%以上の着色層を有する請求項1または2に記載の電子ディスプレイ用光学フィルタ。
  4. キセノン光を、300〜400nmの波長域で積算した照射強度として50W/mで500時間照射した際に生じる透過光色度の変化が、JIS Z8701(1999年)に定義されるXYZ表色系における色座標(x,y)のyの照射前に対する照射後の変化量Δyとして、0.010以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子ディスプレイ用光学フィルタ。
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