JP2013053819A - 冷蔵庫 - Google Patents

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秀樹 酒井
Tomoyuki Nishimura
智之 西村
Shinya Nagahata
真也 永幡
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Abstract

【課題】冷蔵庫の省エネ性向上と大容量化に対する真空断熱材の適用に対し、断熱性と剛性に優れた真空断熱材を適切に配設することで、扉の強度として問題なく、省エネルギーに利用可能な冷蔵庫を提供する。
【解決手段】回転式の扉102aに気体吸着材137が内包されている真空断熱材150を備えることによって、一般に、扉が閉まる場合の衝撃力が大きく、また扉を開く際に端部に備えられたハンドル等に集中して繰返し応力がかかる回転式扉であるが故に、仮に多少の変形等の歪みの影響により真空度が低下した場合でも、気体吸着剤が空気を吸着するので、経年劣化を抑制し、長期間において剛性を維持することが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、真空断熱材を適用した冷蔵庫に関するものである。
近年、冷蔵庫の省エネルギー化や省スペース化を狙いに、冷蔵庫の断熱性能を高める一手段として、高断熱性能を有する真空断熱材を利用する方法があり、省エネルギーの要請が益々高まる今日では、硬質ウレタンフォームと比較して数倍から10倍程度の断熱性能を有する真空断熱材を適切な範囲内で最大限に利用することにより断熱性能を向上させていくことが急務であるといえる。
その中で、真空断熱材を備えた従来の冷蔵庫としては、特開2005−127602公報(特許文献1)に開示されたものがある。
以下、図面を参照しながら上記従来の冷蔵庫を説明する。
図8は特許文献1に記載されている冷蔵庫扉の断面図である。
扉本体5は、扉外板6と扉内板7と扉上蓋8と扉下蓋9と真空断熱材3から形成される空間に発泡断熱材であるウレタンフォーム10を充填している。
真空断熱材3は扉内板7に接して配置し、扉内板7の庫内側には水平方向に複数の突起11を設け、突起11の幅を10mm以下、高さを3mm以下とし、扉内板7の横方向の全幅にわたって形成している。
上記構成により、真空断熱材3を扉内板7に接して配置し、扉外板6と扉内板7と扉上蓋8と扉下蓋9とから形成される空間に発泡断熱材であるウレタンフォーム10を充填した場合、扉内板7に複数設けた突起部11により扉内板7の構造強度を高く保つことができ、変形や手で押さえたときの凹みなどを防ぐことができる。
特開2005−127602号公報
しかしながら、上記従来例に記載されている冷蔵庫では、扉に真空断熱材を使用する際に、扉内板に突起部を備えることで扉の剛性を向上させた冷蔵庫であるため、断熱性能は高く、一定の強度的は確保できるものの、例えば開閉頻度が大きく、ドア開閉における衝撃力等が大きいタイプの扉についてはさらなる剛性の向上および経年劣化の防止が望まれていた。
このようなことから、本発明は、上記課題に鑑み、冷蔵庫の扉に真空断熱材を適用することで断熱性能を向上させた上で、さらに扉の経年劣化を抑制した冷蔵庫を提供するものである。
上記従来の課題を解決するために、本発明の冷蔵庫は、断熱箱体と、前記断熱箱体に備
えられた扉とを有し、前記扉には発泡断熱材と、外被材に少なくとも芯材を内包し減圧密封した真空断熱材とを備えたものであって、前記扉は回転式の扉であるとともに気体吸着材が内包されている真空断熱材を備えたものである。
これによって、回転式の扉であることで、扉が閉まる場合の衝撃力が大きく、また扉を開く際に端部に備えられたハンドル等に集中して繰返し応力がかかる扉に気体吸着材を有する真空断熱材を備えたことで、仮に多少の変形等の歪みの影響により真空度が低下した場合でも、気体吸着剤が空気を吸着するので、経年劣化を抑制することが可能となる。
本発明の冷蔵庫は、断熱箱体の扉の経年劣化を抑制することが可能となり、扉の変形を防止し、信頼性の高い冷蔵庫を提供することが可能となる。
本発明の実施の形態1における冷蔵庫の縦断面図 本発明の実施の形態1における扉の縦断面図 本発明の実施の形態1における冷蔵庫の正面断面図 本発明の実施の形態1における気体吸着材を適用した真空断熱材の断面図 本発明の実施の形態1における気体吸着材を適用した真空断熱材の経年劣化イメージ図 本発明の実施の形態2における冷蔵庫の斜視図 本発明の実施の形態2における冷蔵庫の正面断面図 従来技術の特許文献1による冷蔵庫を説明する冷蔵庫の側面断面図
第1の発明は、断熱箱体と、前記断熱箱体に備えられた扉とを有し、前記扉には発泡断熱材と、外被材に少なくとも芯材を内包し減圧密封した真空断熱材とを備えたものであって、前記扉は回転式の扉であるとともに気体吸着材が内包されている真空断熱材を備えたものである。
これによって、回転式の扉であることで、扉が閉まる場合の衝撃力が大きく、また扉を開く際に端部に備えられたハンドル等に集中して繰返し応力がかかる扉に気体吸着材を有する真空断熱材を備えたことで、仮に多少の変形等の歪みの影響により真空度が低下した場合でも、気体吸着剤が空気を吸着するので、経年劣化を抑制することが可能となる。
また、気体吸着剤を内包した真空断熱材は、真空断熱材の経年劣化も抑制できることから、扉の剛性向上を長期間に渡って図ることができるため、扉の強度を向上させることができる。
第2の発明は、前記断熱箱体は複数の扉を有し、前記気体吸着材を内包した真空断熱材を備えた回転式の扉は、前記複数の扉の中で最上部に位置することを特徴とするものである。
これによって、冷蔵庫の扉の中でも最も開閉頻度が大きい最上部の扉は、上記第1の発明で説明したような扉開閉に伴う繰り返し応力がかかることで経年劣化が生じやすいが、仮に多少の変形等の歪みの影響により真空度が低下した場合でも、気体吸着剤が空気を吸着するので、経年劣化を抑制することが可能となる。
第3の発明は、前記扉は扉外板と扉内板の間に発泡断熱材と真空断熱材とを備えたものであり、前記真空断熱材の内部において、前記気体吸着材は、前記真空断熱材の厚み方向
における中心よりも前記扉外板側に位置させたことを特徴とするものである。
これによって、一般に樹脂で形成されている扉内板は樹脂を介して空気が進入しやすいが、金属で形成されている扉外板からは空気が進入しにくく、より空気侵入による経年劣化を抑制することが可能となる。
第4の発明は、前記扉は扉外板と扉内板の間に発泡断熱材と真空断熱材とを備えたものであり、前記扉の前記扉内板側には複数の収納部を有することを特徴とするものである。
これによって、前記扉内板側には複数の収納部を有することで、扉内板側に大きな負荷がかかる扉においても、仮に多少の変形等の歪みの影響により真空度が低下した場合でも、気体吸着剤が空気を吸着するので、経年劣化を抑制することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。また、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
なお、従来と同一構成及び差異がない部分については、詳細な説明を省略する。また、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態1による冷蔵庫の縦断面図であり、図2は本発明の実施の形態1による冷蔵庫の正面断面図であり、図3は冷蔵庫の扉の縦断面図である。
図1から図3に示すように、冷蔵庫の本体101は、前方に開口する金属製(例えば鉄板)の外箱124と硬質樹脂製(例えばABS)の内箱125と、外箱124と内箱125の間に発泡充填された硬質ウレタンフォームからなる発泡断熱材126からなる断熱箱体で、この本体101の上部に設けられた冷蔵室102と、冷蔵室102の下に設けられた上段冷凍室103と、冷蔵室102の下で上段冷凍室103に並列に設けられた製氷室104と、本体下部に設けられた野菜室106と、並列に設置された上段冷凍室103及び製氷室104と野菜室106の間に設けられた下段冷凍室105で構成されている。上段冷凍室103と製氷室104と下段冷凍室105と野菜室106の前面部はそれぞれに対応した引き出し式の扉103a,104a,105a,106aにより開閉自由に閉塞されると共に、冷蔵室102の前面は、片側開きで冷蔵室102の全幅方向を覆う回転式の扉102aにより開閉自由に閉塞されている。
回転式の扉102aは、冷蔵庫の複数の扉の中で、最も面積が大きく、また真空断熱材150が備えられており、この真空断熱材150は気体吸着材137が内部に搭載されている。
また、扉内板102bと扉外板102cとを有し、扉内板102b側に真空断熱材150が備えられており、真空断熱材150は、硬質ウレタンフォームからなる発泡断熱材102dとともに冷蔵室の扉102aを構成している。
冷蔵庫の本体101の天面部は、冷蔵庫の背面方向に向かって階段状に凹みを設けて機械室119があり、第一の天面部108と第二の天面部109で構成されている。
ここで、真空断熱材127,128,129,130,131は、発泡断熱材である硬質ウレタンフォームからなる発泡断熱材126とともに冷蔵庫の本体101を構成してい
る。
ここで、真空断熱材127,128,129,130は、外箱124にそれぞれ天面、背面、左側面、右側面の内側に接して貼り付けられている。また、真空断熱材131は、内箱125の底面に接して貼り付けられている。
真空断熱材128,129,130には、気体吸着材137がそれぞれ内部に搭載されている。
また、冷蔵室102と製氷室104および上段冷凍室103とは第一の断熱仕切り部110で区画されている。
また、製氷室104と上段冷凍室103とは第二の断熱仕切り部111で区画されている。
また、製氷室104および上段冷凍室103と、下段冷凍室105とは第三の断熱仕切り部112で区画されている。
また、下段冷凍室105と野菜室106とは第四の仕切り部113で区画されている。
次に、本実施の形態で使用した気体吸着材137を用いた真空断熱材について説明する。
図4のように、気体吸着材137を用いた真空断熱材138は、少なくとも繊維材料を含む芯材132と、ガスバリア性に優れた包材133からなる袋に真空封止された気体吸着材137とを、ガスバリア性に優れた外被材135で被い、外被材135を真空封止後に、包材133に穴を開け、包材内部と外被材内部を連通させてなる真空断熱材である。
上記のように外被材135を真空封止後に包材133に穴を開ける際に、本実施の形態においては、予め包材133に隣接して突起物を有する部材134を有する部材134を外被材135に内包しておき、真空封止後に外力によって突起物を有する部材134を押すことで包材133に穴を開けている。
また、気体吸着剤は、ZSM−5型ゼオライトからなる吸着材を表面積が大きい粉末状として備えている。また、常温での窒素吸着特性を向上させるためZSM−5型ゼオライトの中でも、さらに望ましくは、ZSM−5型ゼオライトの銅サイトのうち、少なくとも1/2以上の銅サイトが、銅1価サイトであり、銅1価サイトのうち、少なくとも1/2以上が酸素三配位の銅1価サイトであることを特徴とする吸着材としている。
このように酸素三配位の銅1価サイトの率を高めた気体吸着剤を備えることで、空気の吸着量を大幅に向上させることが可能となる。
なお、真空断熱材は、内部に芯材を有しており、芯材はグラスウールなどの無機繊維集合体を加熱乾燥後、蒸着層フィルムと金属箔層フィルムを貼り合わせた外被材中に挿入し、内部を真空引きして開口部を封止することにより形成されている。
このように、本実施の形態の真空断熱材は製造時に真空引きをして密封した上で、密封後に、気体吸着剤の容器を何らかの方法で破壊して外被材内で連通させることで二段減圧を行うことを特徴としており、この二段減圧によって、真空度を大幅に高めることが可能となった。
突起物を有する部材134とは、周囲の曲率に比較して、曲率が著しく大きい部分を有するものである。曲率が大きい部分は、同一の力をより小さい面積で受けるため、単位面積あたりに加わる力が大きくなる。従って曲率が大きい部分が包材133に押し付けられた際、包材133に貫通孔が生じやすくなる。
ガスバリア性に優れた外被材135とは、芯材132、包材133、気体吸着材137、突起物を有する部材134を包み込むことにより、周囲の空間と独立させるものである。また、気体透過度が10[cm/m・day・atm]以下であることが好ましく、より望ましくは10[cm/m・day・atm]以下となるものである。
穴を開ける方法は、突起物が外被材135に接触することによりなされるものである。
なお、穴を開ける方法として、本実施の形態では突起物を用いたが、突起物や部材134を用いなくても、たとえば包材133の剛性の弱い箇所やシール部を破壊するといったこと等で、外被材135の真空封止後に外力によって、包材133を破壊できれば良い。
連通とは、包材内部と包材外部で隔てられていた空間を一続きの空間にすることである。
なお、繊維材料を含む芯材を用いて作製した真空断熱材の熱伝導率は、粉末材料のみからなる芯材を用いて作製した真空断熱材の熱伝導率に比較して、低圧力領域では小さく、高圧力領域では大きい。従って、繊維材料を含む芯材を用いて作製した真空断熱材はその外被材内部の圧力を低く維持することが重要である。
なお、本実施の形態で使用した気体吸着材137を用いた真空断熱材150は、外被材内に気体吸着材137を有しているため、外被材内部は圧力が低く維持され、繊維材料を含む芯材132を用いた真空断熱材の熱伝導率は低く維持される。よって、外被材内部の圧力が低く維持されるため、剛性も強くなり、長期間の使用に伴って空気の進入があった場合でも、常温においても窒素吸着能力の大きいZSM−5型ゼオライトからなる気体吸着材を内包していることで、経年劣化に伴う剛性低下も抑制することができる。
一般に、真空断熱材の熱伝導率は、芯材による熱伝導と、外被材内の残留気体による熱伝導の和により決定する。例えば、芯材が粉末を含む場合は、芯材内部に存在する気体の平均自由工程が短いため、気体による熱伝導率は非常に小さく、芯材による熱伝導が支配的である。一方、芯材が繊維の場合は、繊維同士の接点が少ないため、芯材の熱伝導率は非常に小さくなるが、気体の平均自由工程が大きいため、わずかな圧力上昇で、気体による熱伝導率が支配的になってしまう。従って、芯材が繊維のみからなるときは、このような効果が大きいため繊維芯材では外被材内部を低圧に保つことが、真空断熱材の熱伝導率を低減するために非常に有効な手段となる。
以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用について説明する。
本実施の形態では、最も大きいは回転式の扉102aであるとともに気体吸着材が内包されている真空断熱材を備えたものであることで、扉102aが閉まる場合の衝撃力が大きく、また扉102aを開く際に端部に備えられたハンドル等に力が集中して繰返し応力がかかる扉に気体吸着材を有する真空断熱材を備えたことで、仮に多少の変形等の歪みの影響により真空度が低下した場合でも、気体吸着剤が空気を吸着するので、経年劣化を抑制することが可能となる。
また、複数の扉の中で最上部に位置することで、市場調査の統計においても最も開閉頻度が多いとされる冷蔵室の扉102aは、扉開閉に伴う繰り返し応力がかかることで経年劣化が生じやすいが、仮に多少の変形等の歪みの影響により真空度が低下した場合でも、気体吸着剤が空気を吸着するので、経年劣化を抑制することが可能となる。
また、扉102aは扉外板102bと扉内板102cとの間に発泡断熱材102dと真空断熱材150とを備えたものであり、真空断熱材150の内部において、気体吸着材137は、真空断熱材150の厚み方向における中心よりも扉外板102c側に位置させたことによって、一般に樹脂で形成されている扉内板は樹脂を介して空気が進入しやすいが、金属で形成されている扉外板からは空気が進入しにくく、より空気侵入による経年劣化を抑制することが可能となる。
また、扉102aには通称ドアポケットと呼ばれる複数の収納部102eを有するによって、扉内板102bに大きな負荷がかかるが、仮に多少の変形等の歪みの影響により真空度が低下した場合でも、気体吸着剤が空気を吸着するので、経年劣化を抑制することが可能となる。
このように、気体吸着剤を内包した真空断熱材は、真空断熱材の経年劣化も抑制できることから、扉の剛性向上を長期間に渡って図ることができるため、扉の強度を長期間維持することができる。
また、十分な強度が得られている場合には、気体吸着剤を内包した真空断熱材を用いることで強度を維持したままで扉の壁厚の薄壁化を行うことが出来、庫内容量を大きくすることが可能となる。
一般的に、面積の大きいドアは長期間使用することでドア内外の反りといった変形が生じる可能性があるが、本発明によると、気体吸着剤を内包した真空断熱材は、真空断熱材の経年劣化も抑制できることから、扉の剛性向上を長期間に渡って図ることができるため、扉の強度を向上させることができ、扉の変形による冷気もれ等による冷却効率の低下を防止し、省エネルギーの冷蔵庫を提供することができる。
また、本実施の形態では、気体吸着材137を真空断熱材に搭載することで、真空度を低減している。従来の真空断熱材での真空度よりも、残留空気中に多く含まれる窒素を常温吸着することで真空断熱材の真空度を高めている。通常、大気圧は100KPa、真空断熱材の真空度は10Pa程度であるが、本実施の形態に用いた気体吸着材137を用いた真空断熱材は5Pa以下程度の低真空度である。
なお、真空断熱材の真空度が低減されると剛性だけでなく熱伝導率も向上するため、真空断熱材が同一厚みであれば、扉の壁厚の薄壁化をしつつ庫内の収納容量のUPと省エネ向上を図ることが出来る。
さらに、本実施の形態での気体吸着材137を用いた真空断熱材138を用いることで、熱伝導率も飛躍的に向上できるため、熱侵入抑制の為に真空断熱材を重ね合わせる必要もなく、これによって、硬質ウレタンフォームからなる発泡断熱材126の壁厚の一時的な変化も無く、流動性が劣り、内外面の変形やボイドの発生も防止することが出来る。なお、本実施の形態での気体吸着材137を搭載した厚み11.5mmの真空断熱材を冷蔵庫の左右側面に貼り付けた場合、気体吸着材137を搭載していない真空断熱材の厚みでは16mmに相当する。
また、図5は真空断熱材の熱伝導率の経年劣化のイメージ図である。真空断熱材の剛性
または真空度が高い真空断熱材は、外部から外被材135を通して真空断熱材内部へ侵入する空気量による劣化までの時間が長いことを意味する。図5のように、空気の侵入による劣化までの時間が長い気体吸着材を用いた真空断熱材(D)は従来の真空断熱材(C)に比べ実使用時の経年劣化が抑えられ、長期にわたり高性能を維持することが可能であるため、真空断熱材の中で最も寸法面積の大きい真空断熱材を剛性または真空度の大きい真空断熱材とすることは、冷蔵庫の強度保持性能や高断熱性能を高いレベルで維持できるのである。
また、本実施の形態のように扉内板側に真空断熱材を備える場合は、扉内板が樹脂で形成されていることから、樹脂を介して空気に触れる外被材135の面積または封止部分4辺の長さが長いため空気侵入し易く、真空断熱材の真空度が劣化し性能劣化を導きやすいが、気体吸着材137を搭載することで使用の際の経年侵入する空気も吸着できるため、概ね10年間の冷蔵庫使用中での性能劣化を抑制することが可能である。
これによって真空断熱材として初期状態での性能を概ね10年間維持することができるため、省エネランニングコストとして非常にパフォーマンスの優れた省エネ性能を提供できる。
本実施の形態に使用した気体吸着材137は、図5中の経過年数のB時点を考慮し、冷蔵庫の製品使用期間が概ね10年と考え、内容量を選定している。気体吸着材1つ当たり内容量は0.5g程度であり、10年間を目安にして真空断熱材の初期性能を維持できるようにしている。
なお、気体吸着材137の内容量を多くすれば、経過年数B時点を更に延ばすことが出来る。
(実施の形態2)
図6は本発明の実施の形態2による冷蔵庫の斜視図である。
なお、実施の形態1と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図に示すように、冷蔵庫の本体301は、前方に開口する金属製(例えば鉄板)の外箱324と硬質樹脂製(例えばABS)の内箱325と、外箱324と内箱325の間に発泡充填された硬質ウレタンフォーム326からなる断熱箱体で、この本体301の右部に設けられた冷蔵室302と、左部に設けられた冷凍室314で構成されている。このようなレイアウトの冷蔵庫は、欧米などで以前より用いられている。
冷蔵室302には回転式の扉302aが備えられており扉302aの外側表面を形成する金属表面からなる外扉板の端部の一部には切欠部302bが備えられている。この切欠部302bには冷蔵庫の設定温度等を変更する表示板が備えられており、樹脂によって表面部が形成されている。
また、扉302aの中央付近には、比較的大きな切欠部302cを形成しており、アイスディスペンサや、ウォーターディスペンサ等の付加機器が備えられている。
隣接する冷凍室314においても回転式の扉314aが備えられており、扉314aの中央付近には、比較的大きな切欠部314bを形成しており、上記と同様に付加機器が備えられている。
これらの回転式の扉302a,314aは、扉外板と扉内板の間に発泡断熱材と真空断
熱材とを備えたものである。この真空断熱材は、実施の形態1で説明した窒素の吸着特性の高い気体吸着剤を内包した真空断熱材である。
なお、本実施の形態においては回転式の扉302a,314aはほぼ同様の大きさであり、両方の扉がもっとも大きな扉となり、両方の扉に気体吸着剤を内包した真空断熱材を備えたが、例えば、コスト等によって制限がある場合には、−20℃から−40℃程度の冷凍温度帯に設定されることで扉の内外温度差が大きく扉の反り等が生じやすい、また変形が生じた場合の冷気漏れが大きくなる冷凍室の扉314aを優先的に取り付けることも有効である。
真空断熱材は、外扉板の切欠部302b,302c,314bは扉の厚み方向における投影面上の少なくとも一部に気体吸着剤を内包した真空断熱材を位置させるものである。
一般的に、切欠部を備えた扉外板を有することで扉強度が低下する懸念があるが、本発明によると、切欠部の扉の厚み方向の投影面上に気体吸着剤を内包した真空断熱材を備えることで、扉の強度を長期間維持することができ、信頼性の高い冷蔵庫を提供することが可能となる。
また、こういった大きな回転扉を備えた冷蔵庫においては、扉を支える本体301の剛性向上も必要となってくる。
ここで、真空断熱材327,328,329,330,331,342は、硬質ウレタンフォーム326とともに冷蔵庫本体301を構成している。
ここで、真空断熱材327,328,329,330は、外箱324にそれぞれ天面、背面、左側面、右側面の内側に接して貼り付けられている。また、真空断熱材331は、内箱325の底面に接して貼り付けられている。
また、真空断熱材342は、冷蔵室302と冷凍室314を仕切る断熱仕切り部315の内部にある。真空断熱材328,329,330,342には、気体吸着材337がそれぞれ内部に搭載されている。
また、冷蔵室302と冷凍室314を断熱区画する断熱仕切り部315の内部は、硬質ウレタンフォーム326が充填されており、冷蔵温度帯の冷蔵室302と冷凍温度帯の冷凍室314の温度差20Kから30Kを断熱していると共に、中仕切りとなっているため剛性が強く箱体強度の高い冷蔵庫となる。断熱仕切り部315は冷蔵庫の発泡前に組み立てられるが、製造上の作り易さから発泡後に組み立てても良い。この場合は、断熱仕切り部315の内部の断熱材は、形状の作りやすい発泡ポリスチレンを用いたり、硬質ウレタンフォーム326を別部品として作成し板状のボードとして構成しても良い。
上記構成の冷蔵庫において、本実施の形態の真空断熱材342は、気体吸着材337を用いた真空断熱材であり、真空断熱材328,329,330と同様に経年劣化を抑制し、高い剛性を維持することが可能となるため、本体301の信頼性向上を図ることが出来る。
また、真空断熱材342を断熱仕切り部315の中で、冷凍室314側に貼り付けることで断熱効果の向上を図ることが出来ると共に、冷蔵室302の側壁には庫内照明用取り付け部材あるいは電線を内箱325に取り付け可能となり、冷蔵室302の側面にも照明を設けることができるため、使い勝手の向上が図れる。
また、真空断熱材342は、気体吸着材337を用いた真空断熱材であるため熱伝導率の向上が出来る。よって、長期間の剛性維持に加え、冷蔵室302と冷凍室314との熱移動を低減できるため、断熱仕切り部315の薄壁化が可能となる。これによって、本体強度と省エネ性を向上しながら庫内容量UPを行うことが出来る。更に断熱仕切り部315を細く構成できることはデザイン性にも優れた冷蔵庫を提供できる。
以上のように、本発明にかかる冷蔵庫は、剛性が異なる複数の真空断熱材を使用することにより、本体強度の向上を図ることが出来るため、壁厚の薄壁化による庫内容量UPに伴う省スペースで大容量や、堅牢感の向上を目的とする家庭用冷蔵庫などに利用ができる。
101,201,301 本体
110,111,112,113 断熱仕切り部
127,128,129,130,131,138 真空断熱材
327,328,329,330,331,342 真空断熱材
132 芯材
133 包材
134 突起物を有する部材
135 外被材
137,337 気体吸着材

Claims (4)

  1. 断熱箱体と、前記断熱箱体に備えられた扉とを有し、
    前記扉には発泡断熱材と、外被材に少なくとも芯材を内包し減圧密封した真空断熱材とを備えたものであって、前記扉は回転式の扉であるとともに気体吸着材が内包されている真空断熱材を備えたことを特徴とする冷蔵庫。
  2. 前記断熱箱体は複数の扉を有し、前記気体吸着材を内包した真空断熱材を備えた回転式の扉は、
    前記複数の扉の中で最上部に位置することを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 前記扉は扉外板と扉内板の間に発泡断熱材と真空断熱材とを備えたものであり、
    前記真空断熱材の内部において、前記気体吸着材は、前記真空断熱材の前記扉外板側に位置させたことを特徴とする請求項1または2に記載の冷蔵庫。
  4. 前記扉は扉外板と扉内板の間に発泡断熱材と真空断熱材とを備えたものであり、
    前記扉の前記扉内板側には複数の収納部を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
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JP2020109339A (ja) * 2019-01-07 2020-07-16 東芝ライフスタイル株式会社 冷蔵庫

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