JP2013052723A - 高度計測システム、高度計測方法、高度計測プログラム及び記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】飛行物体に現在位置の地表の気圧情報をリアルタイムに提供することにより、気象による誤差を低減させること。
【解決手段】本高度計測システム1は、地表面に分散して配置され、計測した気圧と気圧計測位置が特定可能な情報を含む気圧データを所定の間隔で送信する複数の第2の気圧計測装置2と、前記第2の気圧計測装置からの気圧データを受信する第2の気圧データ取得部32と、飛行物体の位置データを含む飛行データを演算する飛行データ演算部33と、前記第2の気圧計測装置から受信した気圧データに基づき気圧計測位置を特定し、気圧計測位置と、第2の気圧計測装置が計測した気圧と、飛行物体の位置データに基づき飛行物体の基準気圧を演算する処理を所定の間隔で繰り返し行う基準気圧演算部34と、飛行物体の周囲の気圧を測定する第1の気圧計測装置90と、飛行物体の周囲の気圧と基準気圧に基づき飛行物体の高度を演算する高度演算部36とを含む。
【選択図】図2
【解決手段】本高度計測システム1は、地表面に分散して配置され、計測した気圧と気圧計測位置が特定可能な情報を含む気圧データを所定の間隔で送信する複数の第2の気圧計測装置2と、前記第2の気圧計測装置からの気圧データを受信する第2の気圧データ取得部32と、飛行物体の位置データを含む飛行データを演算する飛行データ演算部33と、前記第2の気圧計測装置から受信した気圧データに基づき気圧計測位置を特定し、気圧計測位置と、第2の気圧計測装置が計測した気圧と、飛行物体の位置データに基づき飛行物体の基準気圧を演算する処理を所定の間隔で繰り返し行う基準気圧演算部34と、飛行物体の周囲の気圧を測定する第1の気圧計測装置90と、飛行物体の周囲の気圧と基準気圧に基づき飛行物体の高度を演算する高度演算部36とを含む。
【選択図】図2
Description
本発明は、気圧高度計を用いて飛行物体の高度を測定する高度計測システム、高度計測プログラム記録媒体、及び高度計測方法に関する。
特許文献1は、航空機、ヘリコプター等の飛行体に用いられる航法装置に関して、「予め地表、高度のデータを小区画毎に登録するデータベースと、内部処理によって自己の位置を検出する自己位置検出手段と、この手段で検出される位置を基準にしてその周辺の地表、高度のデータを前記データベースから読み出し、読み出したデータから擬似レーダイメージデータを発生する擬似レーダイメージデータ発生手段と、実際のレーダエコーを測定するレーダー装置と、このレーダー装置で測定されるレーダエコーから実レーダイメージデータを生成する実レーダイメージデータ生成手段と、前記擬似レーダイメージデータ及び実レーダイメージデータを比較し、両者の最も近似する部分を現在位置と推定する位置推定手段とを具備する航法装置」及び「前記位置推定手段で得られた現在位置と自己位置検出手段で得られた位置との差に基づいて前記自己位置検出手段の出力を補正する補正手段を具備する航法装置」が提案されている。
特許文献2は、「自機の現在位置,高度及び対地速度を測定するGPS受信機と、山岳や鉄塔等の障害物の位置と高さを記憶する高度・地図メモリーと、前記GPS受信機が計測した現在位置と高度を基準とし、航行方位と速度を演算要部の一部として危険範囲を算出する危険警戒範囲演算器と、該演算器出力の危険警戒範囲内にある前記高度・地図メモリーのメモリデータを検索し、障害物が存在した時には警報用信号を発生するメモリー検索器と、警報用信号を受けて起動する警報器と、前記GPS受信機,高度・地図メモリー及び危険警戒演算器の各出力を受けて表示用信号を発生し、GPS受信機の測定位置と高度情報と高度・地図メモリーの記憶している障害物の位置と高さ情報とを最小限同一画面上に表示する表示器とよりなる航空機用地図表示装置に於いて、自機の高度情報を、GPS受信機を使わずに気圧高度計をQNH補正すると共に外気温度計により得た外気温度により補正して得る手段と、自機の位置を、GPS受信機で計測される対地速度と旋回率に演算時間を乗じた値により補正して得る手段と、GPS受信機で計測される対地速度が或る一定速度以上に達した時、自動的に高度警報が作動するプログラムを有するGSスイッチと、ウェイ・ポイントと希望する飛行高度を入力した時、その飛行ルート上の飛行高度より高い地面が画面に赤色に表示され、飛行高度を上げ赤色が無くなると、飛行ルートの安全高度が得られる飛行ルート安全高度問い合わせ手段とを備えたことを特徴とする航空機用地図表示装置」が提案されている。
航空機等の飛行体では、従来から電波高度計、気圧高度計、GPS受信機が利用されている。電波高度計は、飛翔体から地上に発射した電波の反射波を受信し、電波の往復時間を計測することによって高度を検知する高度計である。気圧高度計は、飛行高度での気圧を計測し、標準の気圧−高度の関係に基づいて海面からの高度を検知する高度計である。GPS受信機は、GPS(Global Positioning System:全世界的測位システム)を利用して、緯度、経度、高度の3次元の位置情報を得るものであり、このうちの高度の情報を高度計として利用する。
これらの高度計には、それぞれに一長一短があり、誤差特性も異なる。特許文献3の図4に各高度計の特徴、特許文献3の図5に計測高度と計測誤差との関係を示す。
電波高度計では、低高度での精度に優れているといった利点がある。しかし、高高度では精度が著しく劣化すると共に、ハイダイナミクスな環境下では精度が劣化するといった欠点がある。気圧高度計では、相対的な精度及びデータの連続性に優れ、高度による精度の劣化が緩やかであるといった利点がある。しかし、基準高度の入力が必要であったり、気象の影響を大きく受け、気圧の安定していない所では精度が劣化するといった欠点がある。GPS受信機では、精度は高度に依存しないものの、GPS衛生からの電波の受信状態によって左右され、また、他の2つの高度計に比べて精度が劣るといった欠点がある。
このように、高度計毎にその特性が異なり、誤差特性も一様ではない。この特性の違いに対し、従来では、例えば飛行高度が低い所では電波高度計、高い所では気圧高度計といったように、オペレーター自身が使用環境から最適な高度計を判断し、その高度計からの情報を得ていた。
航空機等の飛行体の航法では、飛行中はもとより離着陸時でも、常に最適な高度データを迅速に取得することが必要である。しかしながら、従来、誤差特性の異なる複数種類の高度計(電波高度計、気圧高度計、GPS受信機)を使用する場合に、オペレーター(操縦者)自身が最適な高度計を判断しなければならなかったため、オペレーターに負担がかかる等の問題があった。
そこで、特許文献3では、上記のような点に鑑みなされたもので、誤差特性の異なる複数種類の高度計の中から最適な高度計を自動的に判断し、また、各高度計の適切な統合によって常に最適な高度データを出力することのできる高度計測機器及び高度計測方法を提供することを目的とし、「飛翔体の位置座標を検出する位置検出手段と、この位置検出手段から得られる位置での上記飛翔体の飛行高度を計測する複数種類の高度計と、これらの高度計の誤差特性を示すステータス情報および上記飛翔体の飛行環境に基づいて、上記各高度計から得られる高度データの誤差を診断する誤差診断手段と、この誤差診断手段による診断結果に基づいて上記各高度計の中で最も誤差の少ない高度データを有する高度計を最適な高度計として選択する高度計選択手段と、この高度計選択手段によって選択された高度計の高度データを計測結果として出力する出力手段とを具備したことを特徴とする高度計測機器」が提案されている。
また従来から、例えば航空機などにおいて高度を知るための手段として、気圧高度計が広く用いられている。この気圧高度計は、海抜高度が上昇するにつれ大気圧が低下することを利用して高度を計測する装置であり、気圧配置の変化など、高度変化以外の要因で気圧が変化した場合に高度の計測値に誤差が生じる。このため、使用時には航空機の飛行経路周辺の気圧データを入手し、基準気圧の更正を行うようにしている。
ところで、航空機が気圧データを入手する際の情報伝達の手段は、専ら無線通信によっている。このため、通信系統に障害が発生した場合には、正確なデータを得ることができず、基準気圧の更正を行うことができなくなる。また、航空機上においては、オペレーターが受信したデータを記録し、気圧高度計に対し手入力操作により更正データを与えていた。このため、人的要因によるミスも起こりやすい。
上記したように、従来においては気圧高度計の基準気圧を更正する時に、気圧データを得る際の不確定要素が大きく、より確実な基準気圧の更正を行える装置および方法の提案が待たれていた。
特許文献4では、上記事情によりなされたもので、その目的は、気圧データ授受の際の不確定要素を削減し、より確実に基準気圧の更正を行える気圧高度計の基準気圧更正装置とその基準気圧更正方法およびその方法を記録した記録媒体を提供することにあり、「飛翔体に搭載して使用される気圧高度計の基準気圧更正装置であって、少なくとも前記飛翔体の飛行経路をカバーする範囲の気圧情報をデータベース化し、記憶するための気圧情報記憶部と、前記飛翔体の飛行経路をカバーする範囲における前記飛翔体の位置を求めるための位置情報計算部と、前記気圧情報記憶部の記憶内容に基づいて、前記位置情報計算部により求められた前記飛翔体の位置における気圧情報を求める基準気圧計算部と、この基準気圧計算部により求められた気圧情報を基準気圧として前記気圧高度計の基準気圧の更正を行う基準気圧更正手段とを具備することを特徴とする気圧高度計の基準気圧更正装置」が提案されている。
特許文献5は、「地形に関する地図データを記憶する地図情報記憶手段と、気圧と高度とを対応付けて記憶する気圧高度換算記憶手段と、地球上の位置を特定するための全地球測位システムの衛星からデータを受信するGPS情報受信手段と、気圧を測定する気圧測定手段から気圧データを取得する気圧情報取得手段と、前記GPS情報受信手段が受信したデータに基づく位置データと、前記気圧情報取得手段が取得した気圧データとを対応付けて時系列に記録する測定ログ記憶手段と、前記測定ログ記憶手段にそれまでに記録した気圧データと、新たに取得した気圧データと、に基づいて前記気圧高度換算記憶手段を参照して現在の高度を推定し、推定した当該高度と、前記測定ログ記憶手段にそれまでに記録した位置データと、前記地図情報記憶手段に記憶した地形データと、に基づいて現在位置を推定する現在位置推定手段と、を備えることを特徴とする現在位置推定装置」が提案されている。
特許文献6は、「携帯端末が、ネットワークエレメントから位置依存性大気モデルを受信することと;前記位置依存性大気モデルおよび気圧測定を利用して、前記携帯端末の高度を決定することと;を含み、ここで前記位置依存性大気モデルは、前記携帯端末の位置において有効な、時刻および位置に依存する気圧推定値を提供し、また、複数の異なる地理的エリアの気圧推定値を提供するモデルである、方法」が提案されている。
上記のとおり、飛行機の高度計は気圧の差を利用しているものが多い。気圧高度計は、真空に近い状態の薄い密閉型金属製容器(空ごう)が外部の圧力により変化することを利用して高度を表示している。
高度とは海面からの高さをしているが、大気の影響を受けやすく、気圧により高度計の表示する高度は異なるため、通常、空港から離陸する場合や着陸しようとする場合はその空港の気圧(日本の場合はQNH、アメリカの場合はaltimeter)情報で補正をする。
しかしながら、飛行中では、空港からの気圧情報が実際の飛行経路下の地表の気圧とは異なるため、補正を行ったとしても、飛行機の高度計が必ずしも正確な高度を示しているとは限らない。
有視界飛行(VFR)において計器飛行の場合、高度を間違えれば地上に激突ということもおこりえる。
ところが特許文献1乃至6では、飛行物体に現在位置の地表の気圧情報をリアルタイム提供することはできないため、気象の影響による誤差が生じるという問題があった。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様によれば、飛行物体に現在位置の地表の気圧情報をリアルタイムに提供することにより、気象による誤差を低減させることができる高度計測システム、高度計測方法、高度計測プログラム及び記録媒体を提供することができる。
(1)本発明は、飛行物体の高度を計測する高度計測システムであって、地表面に分散して配置され、計測した気圧と気圧計測位置が特定可能な情報を含む気圧データを所定の間隔で送信する複数の第2の気圧計測装置と、前記第2の気圧計測装置からの気圧データを受信する第2の気圧データ取得部と、飛行物体の位置データを含む飛行データを演算する飛行データ演算部と、前記第2の気圧計測装置から受信した気圧データに基づき気圧計測位置を特定し、気圧計測位置と、第2の気圧計測装置が計測した気圧と、飛行物体の位置データに基づき飛行物体の基準気圧を演算する処理を所定の間隔で繰り返し行う基準気圧演算部と、飛行物体の周囲の気圧を測定する第1の気圧計測装置と、飛行物体の周囲の気圧と基準気圧に基づき飛行物体の高度を演算する高度演算部と、を含む高度計測システムに関する。
飛行物体は、航空機でもよいし、セスナやヘリコプター等の小型飛行機でもよいし、ラジコン飛行機・無人機等でもよい。高度演算部は、有視界飛行モードの場合、又は所定の基準高度(対流圏、好ましくは高度1km以下)以下の場合に前記高度演算処理を行うようにしてもよい。
対流圏とは地球の大気の層の一つであり、大気の鉛直構造において一番下(高度0kmから約11km)、地表と成層圏の間に位置する大気の層である。
第1の気圧計測装置は飛行物体の飛行空域を含むエリアに50m〜500m間隔でメッシュ状に配置してもよい。
自機の位置が特定可能な情報とは、第2の気圧計測装置の識別IDでもよいし、自機の位置情報(経度、緯度、高度等)そのものでもよい。自機の位置が特定可能な情報が第2の気圧計測装置の識別IDの場合には、予め記憶されている第2の気圧計測装置の識別IDとその位置情報の対応テーブルを参照して第2の気圧計測装置の識別IDに対応する位置情報を取得してもよい。
飛行データ演算部は、位置データとして飛行物体の現在位置の座標(飛行物体の2次元現在位置、少なくとも緯度、経度に関する値)を求める。また飛行物体の飛行速度や飛行方向に関するデータを演算してもよい。飛行データ演算部はGPS受信機が取得したGPS情報により飛行物体の位置(緯度、経度)を取得してもよい。
海抜高度が上昇するにつれ大気圧が低下することを利用して高度を計測する場合、飛行物体の周囲の気圧とある基準面(通常は海面)の気圧(基準気圧)の差により高度を測定するが、この時の基準面の気圧に相当するものを基準気圧としてもよい。
飛行物体の現在位置Fの位置座標(x、y、z)と同じ緯度、経度を有する地表面の点G(位置座標(x、y’、z))の気圧情報FAgがえられれば、FAgと飛行物体の周囲の気圧FAfとの気圧差により飛行物体の地表面の点Gからの高さhを演算することができるので、この値に地表面の点Gの海抜高度y’を加えることにより、飛行物体の海抜高度を得ることができる。
基準気圧演算部は、受信した気圧データの中で飛行物体の緯度経度に最も近い緯度経度に位置する第2の気圧計測装置からの気圧データに基づき基準気圧を演算してもよいし、受信した複数の気圧データに基づき補間演算を行い基準気圧を演算してもよい。
基準気圧演算部は、第2の気圧計測装置から受信した気圧データに基づき飛行物体の基準気圧を所定の間隔で繰り返し演算することにより、飛行物体の位置の変化に従って基準気圧をリアルタイムに更新することができる。
本発明によれば、飛行物体の現在位置の地表の気圧情報をリアルタイムに取得することにより、気圧の変動による誤差を低減させることができる高度計測システム、高度計測方法、高度計測プログラム及び記録媒体を提供することができる。
(2)この高度計測システムにおいて、前記基準気圧演算部は、複数の前記第2の気圧計測装置が計測した気圧と気圧計測位置と飛行物体の位置に基づき補間演算を行い、前記基準気圧を演算してもよい。
補間演算に用いる位置情報は緯度、経度に関する位置情報でもよい。
(3)この高度計測システムにおいて、前記基準気圧演算部は、時刻tの飛行物体の位置データ及び飛行方向及び飛行速度に基づき時刻t+αの飛行予定位置を予測し、前記第2の気圧計測装置が計測した気圧とその計測位置と飛行物体の飛行予定位置に基づき飛行予定位置の予定基準気圧を演算し、前記高度演算部は、時刻t+αの飛行物体の周囲の気圧と前記予定基準気圧に基づき飛行物体の高度を演算してもよい。
前記基準気圧演算部は、飛行物体の飛行方向と飛行速度と加速度に基づき所定時間後の飛行予定位置を予測してもよい。
また複数の第2の気圧計測装置が計測した気圧とその気圧計測位置と、飛行物体の飛行予定位置に基づき補間演算を行い基準気圧を演算してもよい。
飛行物体の飛行位置を受け取って第2の気圧計測装置の気圧データに基づき基準気圧が演算されるまでにはタイムラグαがあるが、飛行物体は高速に移動するためその間飛行物体はかなりの距離を移動してしまうが、予め所定時間α後の飛行予定位置における基準気圧をもとめて、それに基づき高度を演算すると、タイムラグによる基準気圧の誤差を少なくすることができる。
(4)この高度計測システムにおいて、前記高度計測システムは、飛行物体に設置され、前記第1の気圧計測装置と前記飛行データ演算部と前記高度演算部を含む気圧高度計と、前記基準気圧演算部を含むサーバー装置を含み、前記気圧高度計は、前記サーバー装置に飛行物体の位置を含む飛行データを送信して、サーバー装置から基準気圧データを受信し、前記第2の気圧計測装置は、前記サーバー装置に所定の間隔で気圧データを送信し、前記サーバー装置は、前記第2の気圧計測装置から気圧データを受信し、前記気圧高度計から飛行物体の飛行データを受信し、前記気圧高度計に前記基準気圧データを送信してもよい。
(5)この高度計測システムにおいて、前記高度計測システムは、前記飛行物体に設置され、前記第1の気圧計測装置と前記飛行データ演算部と前記基準気圧演算部と前記高度演算部を含む気圧高度計を含み、前記第2の気圧計測装置は、前記気圧高度計に所定の間隔で気圧データを送信してもよい。
(6)この高度計測システムにおいて、前記高度演算部が求めた高度に基づき、飛行物体を設定された高度に保つ高度管理をおこなう高度管理制御部を、さらに含んでもよい。
(7)この高度計測システムにおいて、請求項1乃至6のいずれかにおいて、前記第1の気圧計測装置及び前記第2の気圧計測装置は、1hPa以下の分解能で気圧を測定する気圧センサーを含んでもよい。
気圧と高度の関係の一例として、標高0から1000mまでは1hPa(100Pa)変動すると高度計は9m、1000−2000mでは10m、2000−3000mでは11m、3000m以上では12m変動する。有視界飛行時には1hPa(100Pa)で高度計が約10m変動すると仮定し、飛行物体の高度の許容誤差を100mと設定すると10hPaの誤差まで許容可能であるが、気圧センサーの分解能はその1/10程度必要であるため、1Pa以下の分解能で気圧を測定できることが好ましい。
(8)この高度計測システムにおいて、前記第1の気圧計測装置及び前記第2の気圧計測装置は、気圧に応じて共振周波数を変化させる感圧素子を有し、当該感圧素子の振動周波数に応じた気圧データを出力する気圧センサーを含んでもよい。
一般に気象観測に用いられる気圧計の分解能はhPaオーダーであるのに対して、周波数変化型の気圧センサーは、感圧素子の振動周波数を高い周波数のクロック信号で計測することで比較的容易にPaオーダーの測定分解能を得ることができる。また、周波数変化型の気圧センサーは、気圧がゆっくり変化しているのか、あるいは急激に変化しているのか、気圧の変動量(気圧の変化具合)を高精度に検出することができる。本発明によれば、高分解能な周波数変化型の気圧センサーを用いることで短時間におけるわずかな気圧の変化を捉えて、より正確な基準気圧を演算することができる。
この高度計測システムにおいて、前記感圧素子は、双音叉圧電振動子であるようにしてもよい。双音叉圧電振動子を用いることで、より高い分解能の気圧センサーを実現することができる。
(9)本発明は、飛行物体の高度を計測する高度計測プログラムであって、地表面に分散して配置され、計測した気圧と気圧計測位置が特定可能な情報を含む気圧データを所定の間隔で送信する複数の第2の気圧計測装置からの気圧データを受信する第2の気圧データ取得部と、飛行物体の位置データを含む飛行データを演算する飛行データ演算部と、
前記第2の気圧計測装置から受信した気圧データに基づき気圧計測位置を特定し、気圧計測位置と、第2の気圧計測装置が計測した気圧と、飛行物体の位置データに基づき飛行物体の基準気圧を演算する処理を所定の間隔で繰り返し行う基準気圧演算部と、
飛行物体の周囲の気圧を測定する第1の気圧計測装置が計測した飛行物体の周囲の気圧と基準気圧に基づき飛行物体の高度を演算する高度演算部と、してコンピューターを機能させるプログラムに関する。
前記第2の気圧計測装置から受信した気圧データに基づき気圧計測位置を特定し、気圧計測位置と、第2の気圧計測装置が計測した気圧と、飛行物体の位置データに基づき飛行物体の基準気圧を演算する処理を所定の間隔で繰り返し行う基準気圧演算部と、
飛行物体の周囲の気圧を測定する第1の気圧計測装置が計測した飛行物体の周囲の気圧と基準気圧に基づき飛行物体の高度を演算する高度演算部と、してコンピューターを機能させるプログラムに関する。
(10)本発明は、請求項9に記載のプログラムを記録した、コンピューター読み取り可能な記録媒体に関する。
(11)本発明は、飛行物体の高度を計測する高度計測方法であって、地表面に分散して配置された複数の第2の気圧計測装置が、計測した気圧と気圧計測位置が特定可能な情報を含む気圧データを所定の間隔で送信するステップと、前記第2の気圧計測装置からの気圧データを受信するステップと、飛行物体の位置データを含む飛行データを演算するステップと、前記第2の気圧計測装置から受信した気圧データに基づき気圧計測位置を特定し、気圧計測位置と、第2の気圧計測装置が計測した気圧と、飛行物体の位置データに基づき飛行物体の基準気圧を演算する処理を所定の間隔で繰り返し行うステップと、第1の気圧計測装置が飛行物体の周囲の気圧を測定するステップと、飛行物体の周囲の気圧と基準気圧に基づき飛行物体の高度を演算するステップと、を含む高度計測方法に関する。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.高度計測システムの概要
航空機などにおいて高度を知るための手段として、気圧高度計が広く用いられている。この気圧高度計は、海抜高度が上昇するにつれ大気圧が低下することを利用して高度を計測する装置であり、飛行物体の周囲の気圧とある基準面(通常は海面)の気圧(基準気圧)の差により高度を測定するものである。しかし、飛行物体は移動しているため、移動により飛行経路下の気圧配置は変化するうえに、時間的にも気圧配置が変化する可能性があるので、高度変化以外の要因で気圧が変化した場合に高度の計測値に誤差が生じるという問題がある。
航空機などにおいて高度を知るための手段として、気圧高度計が広く用いられている。この気圧高度計は、海抜高度が上昇するにつれ大気圧が低下することを利用して高度を計測する装置であり、飛行物体の周囲の気圧とある基準面(通常は海面)の気圧(基準気圧)の差により高度を測定するものである。しかし、飛行物体は移動しているため、移動により飛行経路下の気圧配置は変化するうえに、時間的にも気圧配置が変化する可能性があるので、高度変化以外の要因で気圧が変化した場合に高度の計測値に誤差が生じるという問題がある。
本実施形態の高度計測システムは、飛行物体の飛行経路下の地表の気圧の気圧データをリアルタイムに取得して、取得した気圧データに基づき基準気圧をリアルタイムに補正して飛行物体の高度を計測するものである。飛行物体は、飛行機、ヘリコプター、グライダー、飛行船、気球などの航空機やラジコン模型など飛行することができる物体であれば何でもよい。
図1は、本実施形態の高度計測システムの概要について説明するための図である。
本実施形態の高度計測システムは、飛行物体に設けられた気圧高度計4(飛行物体の周囲の気圧を測定する第1の気圧計測装置を含む)と、飛行経路下の地表の気圧を計測する複数の第2の気圧計測装置2を含んで構成される。
図1に示すように、本実施形態の高度計測システム1では、飛行物体6の飛行空域を含むエリアに複数の第2の気圧計測装置2(白抜きの丸で表示)が分散して配置されている。飛行空域が特定されていない場合には、飛行可能性のあるエリア全体に複数の気圧計測装置2(白抜きの丸で表示)を分散して配置してもよい。
本実施形態では、多数の第2の気圧計測装置2が碁盤目状に分散配置され、各第2の気圧計測装置2をノードとする観測メッシュが形成されている。この観測メッシュでは、4つのノードによって1つの矩形状の区画が形成されている。各区画の1辺の長さ(ノード間の距離)は、十分な精度で高度が検出可能な値(例えば、数百m以下でもよいし、50m〜500m程度でもよい)に設定される。ただし、ノード間の距離は一定でなくてもよい。なお、図1では、便宜上、区画の境界線を破線で表示しているが、実際には、このような境界線を表示する必要はない。
各第2の気圧計測装置2は、一定周期で気圧を計測し、計測した気圧データを送信する。 気圧データは飛行物体6の気圧高度計4が受信する構成でもよい(図2参照)。
また高度計測システム1が、飛行物体6に設けられた気圧高度計4とインターネット等の通信ネットワークに接続されたサーバー装置5を含んで構成される場合(図3〜5参照)には、サーバー装置5が気圧データを受信する構成でもよい。
2.高度計測システムの構成
2−1.第1の実施形態
図2は、本実施形態の高度計測システムの第1の実施の形態に係る構成を示す図である。第1の実施の形態は、飛行物体に設けられた気圧高度計4が、第2の気圧計測装置2からの気圧データを受信する構成である。
2−1.第1の実施形態
図2は、本実施形態の高度計測システムの第1の実施の形態に係る構成を示す図である。第1の実施の形態は、飛行物体に設けられた気圧高度計4が、第2の気圧計測装置2からの気圧データを受信する構成である。
本実施形態の高度計測システムは、図2の構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を付加した構成としてもよい。
図2に示すように、本実施形態の高度計測システム1は、複数の第2の気圧計測装置2と気圧高度計4を含む。
複数の第2の気圧計測装置2の各々は、気圧センサー10を備え、所定のエリア又は不特定のエリアに分散して配置される。気圧センサー10としては、圧力の変化を振動子の周波数の変化として捉える周波数変化型、圧力の変化を静電容量の変化として捉える静電容量型、圧力の変化をピエゾ抵抗の抵抗値の変化として捉えるピエゾ抵抗型などのセンサーを適用することができる。
第2の気圧計測装置2は、秒オーダーの周期でリアルタイムに気象を計測し、計測された気圧データは、送信部12により、例えば、気圧計測装置2毎に割り当てられた周波数の電波で送信される。各第2の気圧計測装置2には互いに異なる送信周波数が割り当てられる。
気圧高度計4は、受信部20、処理部(CPU:Central Processing Unit)30、操作部40、記憶部50、記録媒体60、表示部70、送信部80、第1の気圧計測装置90を含んで構成されている。
受信部20は、受信周波数が順番に第2の気圧計測装置2毎に割り当てられた送信周波数になるように所定の周期で切り替えながら各第2の気圧計測装置2からの送信データを受信し、気圧データを復調する。そして、受信部20は、復調した気圧データを処理部(CPU)30に送る。
なお、各第2の気圧計測装置2の送信部12が、同一の送信周波数の電波を用いて、あらかじめ決められた互いに異なる周期的なタイミングで時分割に気圧データを送信し、気圧高度計4の受信部20が、各気圧計測装置2の送信タイミングと同期して、時分割に気圧データを受信するようにしてもよい。
操作部40は、操作キーやボタンスイッチ等により構成される入力装置であり、ユーザーによる操作に応じた操作信号を処理部(CPU)30に出力する。
記憶部50は、処理部(CPU)30が各種の計算処理や制御処理を行うためのプログラムやデータ等を記憶している。
第1の気圧計測装置90は、気圧センサー10を備え、飛行物体の周囲の気圧を測定するもので、真空に保たれた空盒(くうごう)が周囲気圧に反応し動き、針を動作させて周囲の気圧を示す構成でもよい。この様な構成によれば空盒周囲の圧力が低下する(高度が上がる)と、空盒が膨張しその動きが、増幅ギアを介して指針に伝えられ指針が動き、空盒周囲の圧力が上昇する(高度が下がる)と空盒が収縮しその動きが指針を動かして、飛行物体の周囲の気圧を測定することができる。
第1の気圧計測装置90気圧センサー10としては、圧力の変化を振動子の周波数の変化として捉える周波数変化型、圧力の変化を静電容量の変化として捉える静電容量型、圧力の変化をピエゾ抵抗の抵抗値の変化として捉えるピエゾ抵抗型などのセンサーを適用することができる。
第2の気圧計測装置2は、秒オーダーの周期でリアルタイムに気象を計測し、計測された気圧データは、リアルタイムに処理部(CPU)30に送信される。
また、記憶部50は、処理部(CPU)30の作業領域として用いられ、操作部40から入力されたデータ、情報記憶媒体60から読み出されたプログラムやデータ、処理部(CPU)30が各種プログラムに従って実行した演算結果等を一時的に記憶するためにも使用される。
処理部(CPU)30は、記憶部50や記録媒体60に記憶されているプログラムに従って、各種の計算処理や制御処理を行う。具体的には、処理部(CPU)30は、受信部20から気圧データを受け取って各種の計算処理を行う。また、処理部(CPU)30は、操作部40からの操作信号に応じた各種の処理、表示部70に各種の情報を表示させる処理、受信部20及び送信部80を介したデータ通信を制御する処理等を行う。
特に、本実施形態では、処理部(CPU)30は、以下に説明する気圧データ取得部32、飛行データ演算部33、基準気圧演算部34、高度演算部36、高度管理制御部37、通信制御部38を含む。ただし、本実施形態の処理部(CPU)22は、これらの一部の構成(要素)を省略したり、他の構成(要素)を追加した構成としてもよい。
気圧データ取得部32は、受信部20から送られてくる気圧データを、第2の気圧計測装置2の識別IDと対応づけて継続して取得する処理を行う。具体的には、気圧データ取得部32は、各気圧データを受け取り、受け取った各気圧データを気圧計測装置2毎に割り当てられた識別IDと対応づけて順番に記憶部50に保存する。
飛行データ演算部33は、飛行物体の位置データを含む飛行データを演算する。基準気圧演算部34は、前記第2の気圧計測装置から受信した気圧データに基づき気圧計測位置を特定し、気圧計測位置と、第2の気圧計測装置が計測した気圧と、飛行物体の位置データに基づき飛行物体の基準気圧を演算する処理を所定の間隔で繰り返し行う。高度演算部36は、飛行物体の周囲の気圧と基準気圧に基づき飛行物体の高度を演算する。
また基準気圧演算部34は、複数の前記第2の気圧計測装置が計測した気圧と気圧計測位置と飛行物体の位置に基づき補間演算を行い、前記基準気圧を演算してもよい。
また、基準気圧演算部43は、時刻tの飛行物体の位置データ及び飛行方向及び飛行速度に基づき時刻t+αの飛行予定位置を予測し、第2の気圧計測装置が計測した気圧とその計測位置と飛行物体の飛行予定位置に基づき飛行予定位置の予定基準気圧を演算し、高度演算部36は、時刻t+αの飛行物体の周囲の気圧と前記予定基準気圧に基づき飛行物体の高度を演算してもよい。
また高度管理部制御部37は、高度演算部36が求めた高度に基づき、飛行物体を設定された高度に保つ高度管理をおこなってもよい。
通信制御部38は、他の通信機器との通信を行う際の通信制御を行う。
記録媒体60は、コンピューター読み取り可能な記録媒体であり、特に本実施形態では、コンピューターを上記の各部として機能させるための高度計測プログラムが記憶されている。そして、本実施形態の処理部(CPU)30は、記録媒体60に記憶されている高度計測プログラムを実行することで、気圧データ取得部32、基準気圧演算部34、高度演算部36、高度管理制御部37、通信制御部38として機能する。あるいは、通信部80等を介して有線又は無線の通信ネットワークに接続されたサーバーから高度計測プログラムを受信し、受信した高度計測プログラムを記憶部50や記録媒体60に記憶して当該高度計測プログラムを実行するようにしてもよい。ただし、気圧データ取得部32、飛行データ演算部33、基準気圧演算部34、高度演算部36、高度管理制御部37、通信制御部38の少なくとも一部をハードウェア(専用回路)で実現してもよい。
なお、記録媒体60は、例えば、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、メモリー(ROM、フラッシュメモリーなど)により実現することができる。
表示部70は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成される表示装置であり、処理部(CPU)30から入力される表示信号に基づいて各種の情報を表示する。
2−2.第2の実施形態
第2実施形態は、高度計測システム1が、飛行物体6に設けられた気圧高度計4とインターネット等の通信ネットワークに接続されたサーバー装置5を含んで構成され、サーバー装置5が気圧データを受信する構成である。
第2実施形態は、高度計測システム1が、飛行物体6に設けられた気圧高度計4とインターネット等の通信ネットワークに接続されたサーバー装置5を含んで構成され、サーバー装置5が気圧データを受信する構成である。
図3(A)及び図3(B)は、第2実施形態の高度計測システムの構成例を示す図である。第2実施形態の高度計測システム1は、複数の第2の気圧計測装置2、サーバー装置5、気圧高度計4’を含む。第2の気圧計測装置2とサーバー装置5は無線通信を行う。図3(A)に示すように、サーバー装置5と気圧高度計4が無線通信を行うようにしてもよいし、図3(B)に示すように、気圧高度計4’がアクセスポイント(基地局)8と無線通信を行い、アクセスポイント(基地局)8とサーバー装置5が通信ネットワーク3(インターネットやLAN等)を介して通信を行うようにしてもよい。
図4は、サーバー装置5の構成例を示す図である。サーバー装置5は、図4に示すように、受信部20、処理部(CPU)30、操作部40、記憶部50、記録媒体60、表示部70、送信部80を含んで構成されている。
本実施形態のサーバー装置5は、図4の構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を付加した構成としてもよい。
受信部20は、第2の気圧計測装置から気圧データを受信する点は第1の実施の形態と同様であるが、第2の実施の形態では気圧高度計4’から飛行情報(飛行物体の位置や飛行方向や飛行速度に関する情報)も受信する。また送信部80は、気圧高度計4’に基準気圧情報を送信する。操作部40、記憶部50、記録媒体60、表示部70の各機能は、第1実施形態における受信部20、操作部40、記憶部50、記録媒体60、表示部70の各機能と同様であるので、その説明を省略する。
処理部(CPU)230は、記憶部250や記録媒体260に記憶されているプログラムに従って、各種の計算処理や制御処理を行う。
処理部(CPU)30は、記憶部50や記録媒体60に記憶されているプログラムに従って、各種の計算処理や制御処理を行う。具体的には、処理部(CPU)30は、受信部20から気圧データを受け取って各種の計算処理を行う。また、処理部(CPU)30は、操作部40からの操作信号に応じた各種の処理、表示部70に各種の情報を表示させる処理、受信部20及び送信部80を介したデータ通信を制御する処理等を行う。
特に、本実施形態では、処理部(CPU)30は、気圧データ取得部32、基準気圧演算部34、通信制御部38を含む。ただし、本実施形態の処理部(CPU)22は、これらの一部の構成(要素)を省略したり、他の構成(要素)を追加した構成としてもよい。
通信制御部38は、受信部20、送信部80を介して第2の気圧計測装置2や高度計4’との間で行うデータ通信を制御する処理を行う。
特に、本実施形態では、通信制御部38は、第2の気圧計測装置2から気圧データを受信し、気圧高度計4’から飛行物体の飛行情報を受信し、気圧高度計4’に前記飛行物体の基準気圧情報を送信する処理を行う。
気圧データ取得部32,基準気圧演算部34の各機能は、第1実施形態における気圧データ取得部32,基準気圧演算部34の各機能と同様であるので、その説明を省略する。
図5は、第2実施形態における気圧高度計4’の構成例を示す図である。気圧高度計4’は、図5に示すように、受信部20、処理部(CPU:Central Processing Unit)30、記憶部50、記録媒体60、送信部80、第1の気圧計測装置90を含んで構成されている。本実施形態の気圧高度計4は、図5の構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を付加した構成としてもよい。受信部20は、サーバー装置から基準気圧情報を受信する。送信部80はサーバー装置5に飛行情報(飛行物体の位置や飛行方向や飛行速度に関する情報)を送信する。記憶部50、記録媒体60の各機能は、第1実施形態における記憶部50、記録媒体60の各機能と同様であるので、その説明を省略する。
処理部(CPU)30は、記憶部50や記録媒体60に記憶されているプログラムに従って、各種の計算処理や制御処理を行う。また、処理部(CPU)30は、操作部40からの操作信号に応じた各種の処理、表示部70に各種の情報を表示させる処理、受信部20及び送信部80を介したデータ通信を制御する処理等を行う。
特に、本実施形態では、処理部(CPU)30は、飛行データ演算部33、高度演算部36、高度管理制御部37、通信制御部38を含む。ただし、本実施形態の処理部(CPU)22は、これらの一部の構成(要素)を省略したり、他の構成(要素)を追加した構成としてもよい。
通信制御部236は、受信部20、送信部80を介してサーバー装置5との間で行うデータ通信を制御する処理を行う。
特に、本実施形態では、通信制御部36は、サーバー装置5に飛行物体の飛行位置を含む飛行情報を送信して、サーバー装置から基準気圧情報を受信する処理を行う。
飛行データ演算部33、高度演算部36、高度管理制御部37の各機能は、第1実施形態における飛行データ演算部33、高度演算部36、高度管理制御部37の各機能と同様であるので、その説明を省略する。
3.高度計測システムの処理
図6は、本実施の形態の高度計測手法について説明するための図である。
図6は、本実施の形態の高度計測手法について説明するための図である。
海抜高度が上昇するにつれ大気圧が低下することを利用して高度を計測する場合、飛行物体6の周囲の気圧FAfとある基準面(通常は海面)310の気圧(基準気圧)の差により高度を測定する。
本実施の形態では飛行データ演算部が、位置データとして飛行物体6の現在位置Fの位置座標(飛行物体の2次元現在位置少なくとも緯度、経度に関する値)を求める。飛行データ演算部はGPS受信機が取得したGPS情報により飛行物体の位置(緯度、経度)を取得してもよい。
飛行物体の現在位置Fの位置座標(x、y、z)と同じ緯度、経度を有する地表面300の点G(位置座標(x、y’、z))の気圧情報FAgがえられれば、FAgと飛行物体の周囲の気圧FAfとの気圧差により飛行物体の地表面の点Gからの高さhfを演算することができるので、この値に地表面の点Gの海抜高度hg(=y’)を加えることにより、飛行物体の海抜高度Hを得ることができる。
図6では時刻t1における飛行物体の位置F1の位置座標が(x1、y1、z1)、飛行物体の周囲の気圧がFAf1であり、これと同じ緯度、経度(x1,z1)を有する地表面300の点G1(位置座標(x1、y1’、z1))の気圧情報がFAg1である場合を示している。地表面300の点G1の気圧情報FAg1は、第2の気圧計測装置2から受信した気圧データに含まれた計測気圧により得ることができる。そして地表面300の点G1の気圧FAg1と飛行物体の周囲の気圧FAf1との気圧差により飛行物体の地表面の点Gからの高さhf1を演算することができる。気圧差から高度を求める場合には気圧と高度の関係を定義した関数やテーブル等を適宜用いてもよい。
気圧と高度の関係の一例として、標高0から1000mまでは1hPa(100Pa)変動すると高度計は9m、1000−2000mでは10m、2000−3000mでは11m、3000m以上では12m変動する。
地表面300の点G1の気圧情報FAg1は、複数の第2の気圧計測装置2の気圧計測位置と気圧から補間演算等を行うことにより得ることができる。
第2の気圧計測装置が送信する気圧データに含まれる自機の位置が特定可能な情報とは、第2の気圧計測装置の識別IDでもよいし、自機の位置情報(経度、緯度、高度等)そのものでもよい。自機の位置が特定可能な情報が第2の気圧計測装置の識別IDの場合には、予め記憶されている第2の気圧計測装置の識別IDとその位置情報の対応テーブルを参照して第2の気圧計測装置の識別IDに対応する位置情報を取得してもよい。
そして飛行物体の地表面の点G1からの高さhf1と地表面の点G1の海抜高度hg1(=y1’)を加えることにより、時刻t1における飛行物体の海抜高度H1(y1)を得ることができる。
時刻t2、t3、t4、・・・と時刻が進行するにつれて行物体の位置も、F2、F3、F4、・・・と移動するが、それぞれの飛行物体の位置において飛行物体の緯度、経路(x2、z2)、(x3、z3)、(x4、z4)、・・・、及び飛行物体の周囲の気圧FAf2、FAf3、FAf4をリアルタイムに取得し、それぞれの緯度、経度に対応する地表面の点G1、G2、G3、・・・の気圧情報FAg2、FAg3、FAg4をリアルタイムに取得して上記演算を行うことにより、時刻t2、t3,t4、・・における飛行物体の海抜高度H2、H3、H4、・・を得ることができる。
このようにすると飛行物体の高度計測に飛行物体の現在位置の地表の気圧情報をリアルタイムに反映させることができるので、気圧の変動による誤差を低減させることができる。
飛行物体の現在位置Fと同じ緯度、経度(x、z)を有する地表面300の点Gの気圧情報FAgは、第2の気圧計測装置からの気圧データにより得ることができるが、飛行物体の飛行経路下に必ず第2の気圧計測装置が配置されているわけではないので、飛行物体の現在位置の緯度、経度に近い(緯度経度平面上の距離が近い)第2の気圧計測装置の気圧データに基づき、補間演算を行い飛行物体の現在位置Fの位置座標Pf(x、y、z)と同じ緯度、経度を有する地表面300の点G(位置座標Pg(x、y’、z))の気圧情報FAgを求めるようにしてもよい。
図7は、飛行物体と第2の気圧計測装置のxz平面(緯度経度平面)上の位置関係を示した図である。飛行物体のxz平面上の位置Pの位置座標が(xf、zf)であるとする。このような場合、位置Pと最も近いサンプリング点S5に配置された第2の気圧計測装置が計測した気圧FAs1の気圧データをもちいて、飛行物体のxz平面上の位置Pに対応する地表面の点Gの気圧FAgとしてもよい。
また位置Pを含むメッシュのサンプリング点S1,S2、S4、S5の緯度、経度情報(x1,z1)、(x2,z2)(x4,z4)(x5,z5)と、それぞれのサンプリング点で第2の気圧計測装置2により計測された気圧FAs1、FAs2、FAs4、FAs5により補間演算を行い、飛行物体のxz平面上の位置Pにたいおうする地表面の点Gの気圧FAgを求めてもよい。
図8は、飛行物体が基準気圧を取得する際のタイムラグの発生について説明するための図である。
本実施の形態では、第2の気圧計測装置から無線通信で気圧データを取得しているため、気圧データを取得して基準気圧を演算するまでの間にタイムラグR2が発生する。飛行物体は高速で移動するため、時刻t1の飛行位置と基準気圧が演算された時刻tnの間に飛行物体の位置が変化する。これを解決するためには受信した気圧データに基づき飛行機が移動可能な範囲の全エリアについて基準気圧を演算すればよいが、この方法だとCPUの演算負荷が高くなり、演算時間の増大によるタイムラグが発生する。
また第2の実施の形態のようにサーバー装置が基準気圧を演算し、気圧高度計がサーバー装置から基準気圧を受信する場合にはさらにタイムラグが発生する。
時刻t1において、気圧高度計は、飛行物体の現在位置情報(図6のF1の現在位置の情報)をサーバー装置に送信する(a1)。サーバー装置は時刻t2において飛行物体の現在位置情報を受信する(a2)。そして第2の気圧計測装置から受信した気圧データに基づき飛行位置の基準気圧を演算して時刻t3に、基準気圧を気圧高度計に送信する(a3)。基準気圧を求めるのに上述したようにR2の時間がかかる。そして気圧高度計は時刻t4において基準気圧を受信する。時刻t1から時刻t4まで時間R4(R4>R2)かかるとすると、R4がタイムラグとなる。すなわち取得した基準気圧は、時刻t1のものであるが、時刻t4における飛行物体の位置は図6に示すようにF4となっている。
この様なタイムラグをできるだけ少なくするために、飛行データに含まれた飛行速度と飛行方向を用いて飛行予測をおこない、飛行予定位置の基準気圧に基づき高度を演算してもよい。
例えば時刻t1の飛行物体の位置データ及び飛行方向及び飛行速度に基づき時刻t4の飛行予定位置F4’を予測する。そして時刻t4の飛行予定位置F4’の位置データに基づいて予定基準気圧を演算する。演算後の予定基準気圧を取得できるのは、時刻t4であるので、時刻t4における飛行物体の周囲の気圧と予定基準気圧に基づき、飛行物体の高度を演算してもよい。このようにすると、通信時間や演算負荷により生じるタイムラグによる基準気圧の誤差を少なくすることができる。
図9は、高度計測処理の一例を示すフローチャートである。
本実施の形態の高度計測システムは、高度計測を終了するまで(S50でY)、所定の間隔(例えば1秒)で下記の処理をくりかえし行う。
まず、飛行物体の現在の飛行位置情報を取得する(S10)。次に、少なくとも1つの第2の気圧計測装置から受信した気圧データに基づき第2の気圧計測装置が計測した気圧の計測位置を特定し、第2の気圧計測装置が計測した気圧とその計測位置と、飛行物体の飛行位置に基づき、飛行位置の基準気圧を演算する(S20)。
次に第1の気圧計測装置の計測した飛行物体の周囲の気圧を取得する(S30)。そして、飛行物体の周囲の気圧と基準気圧に基づき飛行物体の高度を演算する(S40)。
図10は、タイムラグを考慮した高度計測処理の一例を示すフローチャートである。
本実施の形態の高度計測システムは、高度計測を終了するまで(S160でY)、所定の間隔(例えば1秒)で下記の処理を繰り返し行う。
まず、時刻tの飛行物体の飛行位置及び飛行方向及び飛行速度の情報を取得する(S110)。次に、時刻tの飛行物体の飛行位置及び飛行方向及び飛行速度に基づき時刻t+αの飛行予定位置を予測する(S120)。次に少なくとも1つの第2の気圧計測装置が計測した気圧とその計測位置と飛行物体の飛行予定位置に基づき飛行予定位置の予定基準気圧を演算する(S130)。
次に、時刻t+αに第1の気圧計測装置が計測した飛行物体の周囲の気圧の気圧を取得する(S140)。そして、時刻t+αの飛行物体の周囲の気圧と予定基準気圧に基づき飛行物体の高度を演算する(S150)。
4.気圧センサーの構成
このような構成の高度計測システム1により、飛行物体の高度を500m以内の誤差に押さえるためには圧センサー10として500Pa(5hPa)以下の分解能を有する気圧センサーを用いることがこのましい。さらに正確な高度をえるためには、気圧センサー10としてPaオーダーの高分解能なセンサーを用いることが望ましい。現在のところ、周波数変化型の気圧センサーは、静電容量型やピエゾ抵抗型の気圧センサーよりも高い分解能が得られており、周波数変化型の気圧センサーであれば1Pa以下の分解能も実現可能である。
このような構成の高度計測システム1により、飛行物体の高度を500m以内の誤差に押さえるためには圧センサー10として500Pa(5hPa)以下の分解能を有する気圧センサーを用いることがこのましい。さらに正確な高度をえるためには、気圧センサー10としてPaオーダーの高分解能なセンサーを用いることが望ましい。現在のところ、周波数変化型の気圧センサーは、静電容量型やピエゾ抵抗型の気圧センサーよりも高い分解能が得られており、周波数変化型の気圧センサーであれば1Pa以下の分解能も実現可能である。
図11は、周波数変化型の気圧センサー10の構成例を示す図である。図11に示すように、本実施形態の気圧センサー10は、圧力センサー素子100、発振回路110、カウンター120、TCXO(Temperature Compensated Crystal Oscillator)130、MPU(Micro Processing Unit)140、温度センサー150、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)160、通信インターフェース(I/F)170を含んで構成されている。ただし、本実施形態の気圧センサーは、図5の構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を付加した構成としてもよい。
圧力センサー素子100は、振動片の共振周波数の変化を利用する方式(振動方式)の感圧素子を有している。この感圧素子は、例えば、水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム等の圧電材料で形成された圧電振動子であり、例えば、音叉型振動子、双音叉型振動子、AT振動子(厚みすべり振動子)、SAW共振子などが適用される。
特に、双音叉型圧電振動子は、AT振動子(厚みすべり振動子)などに比べて、伸長・圧縮応力に対する共振周波数の変化が極めて大きく共振周波数の可変幅が大きいので、感圧素子として双音叉型圧電振動子を用いることで、わずかな気圧差を検出可能な高い分解能の気圧センサーを実現することができる。そのため、本実施形態の気圧センサー10は、感圧素子として双音叉型圧電振動子を用いている。なお、圧電材料として、Q値が高くかつ温度安定性に優れた水晶を選択することで、優れた安定性と最高水準の分解能および精度を実現することができる。
図12は、本実施形態の圧力センサー素子100の断面の模式図である。図13は、本実施形態の圧力センサー素子100の振動片220およびダイヤフラム210を模式的に示す下面図である。図13は、封止板としてのベース230を省略して描いてある。図12は、図13のA−A線の断面に対応する。
圧力センサー素子100は、ダイヤフラム210と、振動片220と、封止板としてのベース230と、を含む。
ダイヤフラム210は、圧力を受圧して撓む可撓部を有する平板状の部材である。ダイヤフラム210の外側の面が受圧面214となっており、受圧面214の裏面側に一対の突起212が形成されている。
振動片220は、振動ビーム(梁)222及び振動ビーム222の両端に形成された一対の基部224を有する。振動ビーム222は、一対の基部224の間に両持ち梁状に形成される。一対の基部224は、ダイヤフラム210に形成された一対の突起212にそれぞれ固定される。振動ビーム222には図示しない電極が適宜設けられ、電極から駆動信号を供給することで振動ビーム222を一定の共振周波数で屈曲振動させることができる。振動片220は、圧電性を有する材料で形成される。振動片220の材質としては、水晶、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電材料が挙げられる。振動片220は、支持梁226によって枠部228に支持されている。
ベース230は、ダイヤフラム210と接合されて、ダイヤフラム210との間にキャビティー232を形成する。キャビティー232を減圧空間とすることにより、振動片220のQ値を高める(CI値を小さくする)ことができる。
このような構造の圧力センサー素子100において、ダイヤフラム210は、受圧面214に圧力を受けた場合に撓み、変形する。すると、振動片220の一対の基部224が、ダイヤフラム210の一対の突起212にそれぞれ固定されているため、ダイヤフラム210の変形に従って基部224間の間隔が変化する。すなわち、圧力センサー素子100に圧力が印加されたときに、振動ビーム222に引張または圧縮の応力を生じさせることができる。
図14は、圧力センサー素子100の断面の模式図であり、ダイヤフラム210が圧力Pによって変形した状態を示している。図14は、圧力センサー素子100の外側から内側への力(圧力P)が作用することにより、ダイヤフラム210が素子の内側に向かって凸となる変形が生じた例である。この場合、一対の突起212の間の間隔は大きくなる。他方、図示しないが、圧力センサー素子100の内側から外側への力が作用する場合は、ダイヤフラム210が素子の外側に向かって凸となる変形が生じ、一対の突起212の間の間隔は小さくなる。従って、両端が一対の突起212にそれぞれ固定された振動片220の振動ビーム222に平行な方向に引張または圧縮の応力が生じる。すなわち、受圧面214に対して垂直方向に加わった圧力は、突起(支持部)212を介して、振動片220の振動ビーム222に対して平行な直線方向の応力に変換される。
振動ビーム222の共振周波数は、以下のようにして解析することができる。図12及び図13に示すように、振動ビーム222の長さをl、幅をw、厚みをdとすると、振動ビーム222の長辺方向に外力Fが作用したときの運動方程式は、次式(1)によって近似される。
式(1)に一般解と境界条件を与えて解くことで、次のような、外力が無い場合の共振周波数の式(2)が得られる。
外力Fを2本の振動ビームに加えたときの共振周波数fFも同様の手順で求めると、次式(4)が得られる。
以上から、圧力センサー素子100に作用する力Fを圧縮方向のとき負、伸張方向のとき正としたとき、力Fが圧縮方向に加わると共振周波数fFが減少し、力Fが伸縮方向に加わると共振周波数fFが増加する。
そして、次式(6)に示す多項式を用いて、圧力センサー素子100の圧力−周波数特性と温度−周波数特性に起因する直線性誤差を補正することで、高分解能かつ高精度の圧力値Pを得ることができる。
すなわち、圧力センサー素子100の出力信号の周波数を計測することで、振動ビーム220の振動周波数(力Fが作用した時の共振周波数fF)が得られ、あらかじめ測定された共振周波数f0や補正係数a〜pを用いて、式(6)から圧力Pを計算することができる。
図11に戻り、発振回路110は、圧力センサー素子100の振動ビーム222を共振周波数で発振させた発振信号を出力する。
カウンター120は、発振回路110が出力する発振信号の所定周期を、基準クロック源であるTCXO130が出力する高精度のクロック信号でカウントするレシプロカルカウンターである。ただし、カウンター120を、所定のゲートタイムにおける圧力センサー素子100の発振信号のパルス数をカウントする直接計数方式の周波数カウンター(ダイレクトカウンター)として構成してもよい。
MPU(Micro Processing Unit)140は、カウンター120のカウント値から圧力値Pを計算する処理を行う。具体的には、MPU140は、温度センサー150の検出値から温度tを計算し、EEPROM160にあらかじめ記憶されているa〜pの補正係数値を用いて、式(7)〜(10)よりα(t)、β(t)、γ(t)、δ(t)を計算する。さらに、MPU140は、カウンター120のカウント値とEEPROM160にあらかじめ記憶されている共振周波数f0の値を用いて、式(6)より圧力値Pを計算する。そして、MPUが計算した圧力値Pは、通信インターフェース170を介して、気圧センサー10の外部に出力される。
このような構成の周波数変化型の気圧センサー10によれば、圧力センサー素子100の振動周波数をカウンター120によりTCXO130が出力する高精度かつ高周波数(例えば数十MHz)のクロック信号でカウントするとともに、MPU140でデジタル演算処理により圧力値の計算及び直線性誤差の補正を行うので、Paオーダーの高い分解能かつ高精度の圧力値(気圧データ)を得ることができる。さらに、気圧センサー10は、カウント時間を考慮しても秒オーダーの周期で気圧データを更新することができるので、短時間におけるわずかな気圧の変化も捉えることができ、リアルタイムの気圧計測に適している。
なお、本実施形態では、基準クロック源としてTCXO130を用いているが、基準クロック源を、温度補償回路を有さない発振回路、例えば、ATカット水晶振動子を搭載した水晶発振回路で構成しても良い。この場合、温度補償回路を有さない分、気圧変動の検出精度は低下するが、基準クロック源を当該水晶発振回路とするか、或いはTCXO130とするかは、予測システムのコストや予測精度に応じて設計者が適宜選択すればよい。
また、一般的な気圧計は高価であるため、多数の気圧計を配置することは現実的でないのに対して、本実施形態では、気圧センサー10を半導体の製造技術を用いて安価で提供することができるので、多数の気圧計測装置2を分散配置することができる。さらに、気圧センサー10をPaオーダーの高分解能な周波数変化型の気圧センサーとすることで、ダウンバーストなどの局所的な気象変動の発生前のわずかな気圧変化を的確に捉えることが可能になる。
本発明は本実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1 高度計測システム、2 第2の気圧計測装置、4 気圧高度計、5 サーバー装置、10 気圧センサー、12 送信部、20 受信部、30 処理部(CPU)、32 気圧データ取得部、33 飛行データ演算部、34 基準気圧演算部、36 高度演算部、高度管理制御部、38 通信制御部、40 操作部、50 記憶部、52 判定テーブル、60 記録媒体、70 表示部、80 送信部、100 圧力センサー素子、110 発振回路、120 カウンター、130 TCXO、140 MPU、150 温度センサー、160 EEPROM、170 通信インターフェース(I/F)、210 ダイヤフラム、212 突起、214 受圧面、220 振動片、222 振動ビーム(梁)、224 基部、226 支持梁、228 枠部、230 ベース、232 キャビティー
Claims (11)
- 飛行物体の高度を計測する高度計測システムであって、
地表面に分散して配置され、計測した気圧と気圧計測位置が特定可能な情報を含む気圧データを所定の間隔で送信する複数の第2の気圧計測装置と、
前記第2の気圧計測装置からの気圧データを受信する第2の気圧データ取得部と、
飛行物体の位置データを含む飛行データを演算する飛行データ演算部と、
前記第2の気圧計測装置から受信した気圧データに基づき気圧計測位置を特定し、気圧計測位置と、第2の気圧計測装置が計測した気圧と、飛行物体の位置データに基づき飛行物体の基準気圧を演算する処理を所定の間隔で繰り返し行う基準気圧演算部と、
飛行物体の周囲の気圧を測定する第1の気圧計測装置と、
飛行物体の周囲の気圧と基準気圧に基づき飛行物体の高度を演算する高度演算部と、を含む高度計測システム。 - 請求項1において、
前記基準気圧演算部は、
複数の前記第2の気圧計測装置が計測した気圧と気圧計測位置と飛行物体の位置に基づき補間演算を行い、前記基準気圧を演算する高度計測システム。 - 請求項1又は2において、
前記基準気圧演算部は、
時刻tの飛行物体の位置データ及び飛行方向及び飛行速度に基づき時刻t+αの飛行予定位置を予測し、
前記第2の気圧計測装置が計測した気圧とその計測位置と飛行物体の飛行予定位置に基づき飛行予定位置の予定基準気圧を演算し、
前記高度演算部は、
時刻t+αの飛行物体の周囲の気圧と前記予定基準気圧に基づき飛行物体の高度を演算する高度計測システム。 - 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記高度計測システムは、
飛行物体に設置され、前記第1の気圧計測装置と前記飛行データ演算部と前記高度演算部を含む気圧高度計と、
前記基準気圧演算部を含むサーバー装置を含み、
前記気圧高度計は、
前記サーバー装置に飛行物体の位置を含む飛行データを送信して、サーバー装置から基準気圧データを受信し、
前記第2の気圧計測装置は、
前記サーバー装置に所定の間隔で気圧データを送信し、
前記サーバー装置は、
前記第2の気圧計測装置から気圧データを受信し、
前記気圧高度計から飛行物体の飛行データを受信し、
前記気圧高度計に前記基準気圧データを送信する高度測定システム。 - 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記高度計測システムは、
前記飛行物体に設置され、前記第1の気圧計測装置と前記飛行データ演算部と前記基準気圧演算部と前記高度演算部を含む気圧高度計を含み、
前記第2の気圧計測装置は、
前記気圧高度計に所定の間隔で気圧データを送信する高度測定システム。 - 請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記高度演算部が求めた高度に基づき、飛行物体を設定された高度に保つ高度管理をおこなう高度管理制御部を、さらに含む高度測定システム。 - 請求項1乃至6のいずれかにおいて、
前記第1の気圧計測装置及び前記第2の気圧計測装置は、
1hPa以下の分解能で気圧を測定する気圧センサーを含む高度測定システム。 - 請求項1乃至7のいずれかにおいて、
前記第1の気圧計測装置及び前記第2の気圧計測装置は、
気圧に応じて共振周波数を変化させる感圧素子を有し、当該感圧素子の振動周波数に応じた気圧データを出力する気圧センサーを含む、高度計測システム。 - 飛行物体の高度を計測する高度計測プログラムであって、
地表面に分散して配置され、計測した気圧と気圧計測位置が特定可能な情報を含む気圧データを所定の間隔で送信する複数の第2の気圧計測装置からの気圧データを受信する第2の気圧データ取得部と、
飛行物体の位置データを含む飛行データを演算する飛行データ演算部と、
前記第2の気圧計測装置から受信した気圧データに基づき気圧計測位置を特定し、気圧計測位置と、第2の気圧計測装置が計測した気圧と、飛行物体の位置データに基づき飛行物体の基準気圧を演算する処理を所定の間隔で繰り返し行う基準気圧演算部と、
飛行物体の周囲の気圧を測定する第1の気圧計測装置が計測した飛行物体の周囲の気圧と基準気圧に基づき飛行物体の高度を演算する高度演算部と、してコンピューターを機能させるプログラム。 - 請求項9に記載のプログラムを記録した、コンピューター読み取り可能な記録媒体。
- 飛行物体の高度を計測する高度計測方法であって、
地表面に分散して配置された複数の第2の気圧計測装置が、計測した気圧と気圧計測位置が特定可能な情報を含む気圧データを所定の間隔で送信するステップと、
前記第2の気圧計測装置からの気圧データを受信するステップと、
飛行物体の位置データを含む飛行データを演算するステップと、
前記第2の気圧計測装置から受信した気圧データに基づき気圧計測位置を特定し、気圧計測位置と、第2の気圧計測装置が計測した気圧と、飛行物体の位置データに基づき飛行物体の基準気圧を演算する処理を所定の間隔で繰り返し行うステップと、
第1の気圧計測装置が飛行物体の周囲の気圧を測定するステップと、
飛行物体の周囲の気圧と基準気圧に基づき飛行物体の高度を演算するステップと、を含む高度計測方法。
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