JP2013052532A - 積層フィルムおよび積層フィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポリ乳酸樹脂を含有した積層フィルムの耐剥離性を向上させた積層フィルムを提供する。
【解決手段】シーラント層1と、シーラント層1の上に積層されたポリ乳酸樹脂からなる生分解層2と、前記生分解層の上に積層されたポリエチレンテレフタレート、ナイロン、または延伸ポリプロピレンのいずれか1種からなる基材層3とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】シーラント層1と、シーラント層1の上に積層されたポリ乳酸樹脂からなる生分解層2と、前記生分解層の上に積層されたポリエチレンテレフタレート、ナイロン、または延伸ポリプロピレンのいずれか1種からなる基材層3とを備える。
【選択図】図1
Description
この発明は、積層フィルムおよびその製造方法に係り、特に、ポリ乳酸樹脂を含む積層フィルムおよびその製造方法に関する。
従来から、化石資源に代えて生物資源を利用して製造されるバイオマスプラスチックが注目されており、中でも生分解性を有するバイオマスプラスチックの産業利用が求められている。
ポリ乳酸(PLA)樹脂は、植物由来の原料を発酵して得られる乳酸類の重合体であり、生分解性バイオマスプラスチックの一つである。このポリ乳酸樹脂は、透明性に優れると共に臭いが付着し難い性質を有するため、食品の包装フィルムなどへの導入が試みられている。
ポリ乳酸(PLA)樹脂は、植物由来の原料を発酵して得られる乳酸類の重合体であり、生分解性バイオマスプラスチックの一つである。このポリ乳酸樹脂は、透明性に優れると共に臭いが付着し難い性質を有するため、食品の包装フィルムなどへの導入が試みられている。
このような、包装フィルムにポリ乳酸樹脂を導入する技術として、例えば特許文献1に開示されているように、包装フィルムを構成するフィルム状の複数の層にポリ乳酸樹脂からなる層を含有させた積層フィルムが提案されている。
特許文献1に示される積層フィルムでは、ポリ乳酸樹脂からなる層と隣接する層にポリ乳酸樹脂に対して適当な成形温度を有する樹脂を用いることで両者を接合させ、ポリ乳酸樹脂からなる層を含有させることができる。しかしながら、例えば食品の包装袋などに積層フィルムが用いられて捻り等の外力が加えられる場合に、ポリ乳酸樹脂からなる層とその他の層が剥離されてしまうおそれがあり、接着力が十分とは言えなかった。
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、ポリ乳酸樹脂を含有した積層フィルムの耐剥離性を向上させた積層フィルム及びその製造方法を提供することを目的とする。
この発明に係る積層フィルムは、シーラント層と、前記シーラント層の上に積層されたポリ乳酸樹脂からなる生分解層と、前記生分解層の上に積層されたポリエチレンテレフタレート、ナイロン、または延伸ポリプロピレンのいずれか1種からなる基材層とを備えたものである。
ここで、前記シーラント層は、無延伸ポリプロピレンからなるのが好ましい。また、前記基材層の表面上に蒸着層を形成することができる。
蒸着層としては、シリカ蒸着、アルミナ蒸着、アルミ蒸着等を挙げることができ、透明に加工でき、バリア性もより向上することから、シリカ蒸着とすることが好ましい。
また、前記シーラント層の厚さは20〜40μmであり、前記生分解層の厚さは15〜35μmであり、前記基材層の厚さは5〜30μmであるのが好ましい。
蒸着層としては、シリカ蒸着、アルミナ蒸着、アルミ蒸着等を挙げることができ、透明に加工でき、バリア性もより向上することから、シリカ蒸着とすることが好ましい。
また、前記シーラント層の厚さは20〜40μmであり、前記生分解層の厚さは15〜35μmであり、前記基材層の厚さは5〜30μmであるのが好ましい。
この発明に係る食品用包装袋は、上記のいずれかに記載の積層フィルムから成形され、前記基材層を外側にすると共に前記シーラント層を内側にしたものである。
この発明に係る積層フィルム製造方法は、上記に記載の積層フィルムを製造する積層フィルム製造方法であって、前記シーラント層の表面上に前記生分解層を接合し、前記生分解層の表面上に接着剤を塗布し、前記接着剤により前記生分解層の表面上に前記基材層を接合するものである。
この発明に係る積層フィルム製造方法は、上記に記載の積層フィルムを製造する積層フィルム製造方法であって、前記シーラント層の表面上に前記生分解層を接合し、前記生分解層の表面上に接着剤を塗布し、前記接着剤により前記生分解層の表面上に前記基材層を接合するものである。
この発明によれば、基材層と、生分解層と、シーラント層とを順次積層するので、ポリ乳酸樹脂を含有した積層フィルムの耐剥離性を向上させることが可能となる。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に、この発明の一実施の形態に係る積層フィルムの構成を示す。積層フィルムは、シーラント層1と、シーラント層1の上に積層されたポリ乳酸(PLA)樹脂からなる生分解層2と、生分解層2の上に積層されたポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、または延伸ポリプロポレンのいずれか1種からなる基材層3とを有する。
図1に、この発明の一実施の形態に係る積層フィルムの構成を示す。積層フィルムは、シーラント層1と、シーラント層1の上に積層されたポリ乳酸(PLA)樹脂からなる生分解層2と、生分解層2の上に積層されたポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、または延伸ポリプロポレンのいずれか1種からなる基材層3とを有する。
シーラント層1は、例えば無延伸ポリプロピレン(CPP)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、およびポリエチレン(PE)などのヒートシール性を有する樹脂材から形成され、積層フィルムが食品用包装袋などに加工された際には内側に露出した内表面を構成する。生分解層2は、シーラント層1と基材層3の間に位置し、生分解能を有する。基材層3は、気体や液体の侵入を遮断するバリア性を有し、積層フィルムが食品用包装袋などに加工された際には外側に露出した外表面を構成する。
このように、シーラント層1、生分解層2、基材層3の順番、または基材層3、生分解層2、シーラント層1の順番で積層することで、積層フィルムの耐剥離性を向上させることができる。
このように、シーラント層1、生分解層2、基材層3の順番、または基材層3、生分解層2、シーラント層1の順番で積層することで、積層フィルムの耐剥離性を向上させることができる。
なお、積層フィルムは、シーラント層1の厚さは20〜40μm、生分解層2の厚さを15〜35μm、基材層3の厚さは5〜30μmとするのが好ましい。このような厚さで各層を形成することで、積層フィルムの耐剥離性をさらに向上させることができる。
また、図2に示すように、基材層3は、生分解層2と接着される表面上に、シリカ蒸着、アルミナ蒸着またはアルミ蒸着などにより蒸着層4を形成することもできる。この蒸着層4により基材層3のバリア性を高めることができる。なお、蒸着層4としては、透明に加工でき、バリア性もより向上することから、シリカ蒸着とすることが好ましい。
次に、図1に示した積層フィルムの製造方法について説明する。
ヒートシール性を有する樹脂材からなるシーラント層1の表面上にポリ乳酸樹脂からなる生分解層2を当接させ、両者をドライラミネートにより接合する。続いて、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、または延伸ポリプロピレンからなる基材層3の表面上に接着剤を塗布した後で、その接着剤により生分解層2の表面上に基材層3を接合する。このように、生分解層2に接着剤を塗布した基材層3を接着することで、生分解層2と基材層3との接着性をより向上させることができる。
このようにして、基材層3と生分解層2との接着性が向上された積層フィルムは、基材層3を外側にすると共にシーラント層1を内側にした食品用包装袋などに加工される。
ヒートシール性を有する樹脂材からなるシーラント層1の表面上にポリ乳酸樹脂からなる生分解層2を当接させ、両者をドライラミネートにより接合する。続いて、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、または延伸ポリプロピレンからなる基材層3の表面上に接着剤を塗布した後で、その接着剤により生分解層2の表面上に基材層3を接合する。このように、生分解層2に接着剤を塗布した基材層3を接着することで、生分解層2と基材層3との接着性をより向上させることができる。
このようにして、基材層3と生分解層2との接着性が向上された積層フィルムは、基材層3を外側にすると共にシーラント層1を内側にした食品用包装袋などに加工される。
次に、生分解層と基材層との接着強度を実際に測定した実施例について説明する。この実施例は、12μmの厚さを有する基材層と、15μmの厚さを有する生分解層と、30μmの厚さを有するシーラント層を順次積層した積層フィルムを用いたものである。
また、比較例として、上記の実施例とは積層の順番を変えて、15μmの厚さを有する生分解層と、12μmの厚さを有する基材層と、30μmの厚さを有するシーラント層を順次積層した積層フィルムを用いた。
そして、実施例の積層フィルムを用いて基材層に対する生分解層の接着強度を、比較例の積層フィルムを用いて基材層に対する生分解層の接着強度をそれぞれ測定した結果、実施例の接着強度は2.76(N/15mm)であったのに対し、比較例の接着強度は1.61(N/15mm)であった。これにより、シーラント層、生分解層、基材層の順番で積層することで、積層フィルムの耐剥離性が向上することがわかった。
なお、接着強度は、15mm幅とし、剥離角度180度の方向に引張速度300mm/minで引張り、生分解層と基材層との間に剥離が生じた際の引張荷重(N)を測定したものである。
また、実施例において、基材層の厚さを5〜30μm、生分解層の厚さを15〜35μm、シーラント層の厚さを20〜40μmの範囲でそれぞれ変化させ、接着強度の測定を行った。その結果、各層の厚さが上記の範囲内の場合に、比較例と比べてより優れた接着性がみられた。さらに、実施例について、接着剤を塗布した生分解層に基材層を接着して積層した積層フィルムと、接着剤を塗布した基材層に生分解層を接着して積層した積層フィルムとを比較したところ、後者の積層フィルムで生分解層と基材層との接着性が向上することもわかった。
1 シーラント層、2 生分解層、3 基材層、4 蒸着層。
Claims (6)
- シーラント層と、
前記シーラント層の上に積層されたポリ乳酸樹脂からなる生分解層と、
前記生分解層の上に積層されたポリエチレンテレフタレート、ナイロン、または延伸ポリプロピレンのいずれか1種からなる基材層と
を備えたことを特徴とする積層フィルム。 - 前記シーラント層は、無延伸ポリプロピレンからなる請求項1に記載の積層フィルム。
- 前記基材層の表面上に蒸着層が形成されている請求項1または2に記載の積層フィルム。
- 前記シーラント層の厚さは20〜40μmであり、前記生分解層の厚さは15〜35μmであり、前記基材層の厚さは5〜30μmである請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層フィルム。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層フィルムから成形され、前記基材層を外側にすると共に前記シーラント層を内側にした食品用包装袋。
- 請求項1〜4に記載の積層フィルムを製造する積層フィルム製造方法であって、
前記シーラント層の表面上に前記生分解層を接合し、
前記基材層の表面上に接着剤を塗布し、
前記接着剤により前記生分解層の表面上に前記基材層を接合する積層フィルム製造方法。
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CN107618245A (zh) * | 2017-09-04 | 2018-01-23 | 深圳市正旺塑胶制品有限公司 | 一种复合薄膜及其制备方法 |
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