JP2013036136A - 撥水撥油sr性布帛 - Google Patents

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Abstract

【課題】撥水撥油SR性布帛の製造工程でのPFOAの環境(排水)への放出や撥水撥油SR性布帛からのPFOAの発生を抑えることができ、かつ、撥油、SR性の耐久性に優れた撥水撥油SR性布帛を提供する。
【解決手段】繊維布帛にパーフルオロオクタン酸非含有フッ素系撥水撥油剤とイソシアネート系架橋剤を付与してなり、撥水度が2級以上であり、AATCC Test Method 118−1997による撥油性が3級以上であり、ダイヤペースト法によるSR性が3級以上である撥水撥油SR性布帛。
【選択図】なし

Description

本発明は、撥水撥油SR性布帛に関する。
繊維布帛の撥水撥油加工方法として、フッ素系撥水撥油剤と架橋剤とを併用して繊維布帛を処理する方法は、従来から広範囲に行われている(特許文献1)。
近年、特に繊維製品の人体への安全性や製造時の環境負荷への対応が注目され、繊維布帛への撥水撥油加工に対しても、上記のような安全性や環境負荷への対応が求められている。
例えば、環境負荷への対応としては、アルキルフェノール誘導体や有機スズ系化合物を含まない薬剤が、薬剤メーカーにより開発され、繊維布帛の撥水撥油加工に用いられている。
また、最近では、界面活性剤等に使用されるパーフルオロオクタンスルホン酸:C17SOH(以下、「PFOS」ということもある)の人体への有害性が問題視され、PFOSおよびその関連物質の製造を自主的に廃止するメーカーが多い。
一方、PFOSと類似構造を持つパーフルオロオクタン酸:C15COOH(以下、「PFOA」ということもある)に関しては、その毒性等についての調査、研究が実施されている。
一般に、PFOAは、従来のフッ素系撥水撥油剤の製造過程において、微量の不純物として撥水撥油剤中に混入してくる。そのためPFOAを含有しないフッ素系撥水撥油剤の開発が求められていた。
そこで、撥水撥油剤メーカーはPFOAを含有しないフッ素系撥水撥油剤の開発を行ったが、この撥水撥油剤を繊維布帛に付与した場合に、洗濯に対する十分な耐久性能を得ることができなかった。そこでPFOAを含有する複数の撥水撥油剤を併用するなどの検討が行われている(特許文献2)。
また、撥水撥油性を有し、かつ、洗濯を行うことにより繊維布帛に付着した汚れが容易に除去できる性能(SR性)を有する繊維布帛も知られている。この加工は、繊維布帛に付着した汚れを、洗濯を行うことにより容易に除去できるというものである。したがって、洗濯に対する耐久性が重要なポイントとなるが、上記のとおりPFOAを含有しない撥水撥油剤は洗濯に対する耐久性が課題となっていた(特許文献3)。
特公平4−5786号公報 特開2007−247091号公報 特開平9−3771号公報
本発明は、上記の如き従来技術の問題点を解消し、撥水撥油SR性布帛の製造工程でのPFOAの環境(排水)への放出や撥水撥油SR性布帛からのPFOAの発生を抑えることができ、かつ、撥油、SR性の耐久性に優れた撥水撥油SR性布帛を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、PFOAを含まないフッ素系撥水撥油剤を特定の架橋剤を用いて繊維布帛に付与することにより上記課題を解決することできることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、下記の構成(1)〜(5)からなる。
(1)繊維布帛にパーフルオロオクタン酸非含有フッ素系撥水撥油剤とイソシアネート系架橋剤を付与してなり、撥水度が2級以上であり、AATCC Test Method 118−1997による撥油性が3級以上であり、ダイヤペースト法によるSR性が3級以上である撥水撥油SR性布帛。
(2)前記フッ素系撥水撥油剤が親水性成分を含有する化合物である、前記(1)に記載の撥水撥油SR性布帛。
(3)前記イソシアネート系架橋剤が親水性成分を含有する化合物である、前記(1)または(2)に記載の撥水撥油SR性布帛。
(4)前記イソシアネート系架橋剤が非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤から選ばれる少なくとも1種である、前記(1)〜(3)のいずれか1に記載の撥水撥油SR性布帛。
(5)JIS L0217 103に従う洗濯50回後の撥油性及びSR性が3級以上である、前記(1)〜(4)のいずれか1に記載の撥水撥油SR性布帛。
本発明によれば、撥油性、SR性の耐久性に優れ、かつ、撥水撥油SR性布帛の製造工程でのPFOAの環境(排水)への放出や撥水撥油SR性布帛からのPFOAの発生を抑えることのできる、撥水撥油SR性布帛が提供される。
なお、本発明の撥水撥油SR性布帛は、ウインドブレーカー、スキーウエアーなどのスポーツウエアーやフィッシングウエアー、作業服、エプロン、防水シーツ、テーブルクロス、靴、鞄などの用途へ展開することにより、安全で利便性に優れた衣服やシーツ等を提供することができる。
以下に本発明の好ましい実施の態様について具体的に説明するが、本発明はこれらの態様のみに限定されるものではなく、その精神および実施の範囲内において多くの変形が可能であることを理解されたい。
本発明の、撥水撥油SR性布帛は、繊維布帛にパーフルオロオクタン酸非含有フッ素系撥水撥油剤とイソシアネート系架橋剤を付与してなり、撥水度が2級以上、AATCC Test Method 118−1997による撥油性が3級以上、ダイヤペースト法によるSR性が3級以上である。
本発明に用いられる繊維布帛は、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリウレタン等の合成繊維、レーヨン、バンブー繊維、大豆蛋白繊維などの再生繊維、アセテートなどの半合成繊維、綿、麻、絹、毛などの天然繊維などのいずれの繊維からなるものであってもよく、またこれらの繊維の混繊、混紡、交織、交編などの複数の繊維を組み合わせたものであってもよく、特に限定されるものではない。耐久性の観点からはポリエステルを含むものが好ましい。
また、その形態は、織物、編物、不織布等のいかなるものであってもよく、特に限定されるものではない。
本発明において、パーフルオロオクタン酸非含有フッ素系撥水撥油剤とは、PFOAや炭素数9以上のパーフルオロノナン酸、パーフルオロデカン酸などのPFOA類縁物質およびそれらの前駆体(分解してPFOAやPFOA類縁物質となりうる物質)を含有しない撥水撥油剤である。
また、PFOA非含有とは、高速液体クロマトグラフィー質量分析により測定したパーフルオロオクタン酸の濃度が、4ppb未満のものをいう。この値は高速液体クロマトグラフィー質量分析の定性限界値と言われている。
また、前記フッ素系撥水撥油剤は、ホルムアルデヒドの発生を抑制する観点からは、N−メチロール基を含有しないモノマーのみから構成された重合体であることが好ましく、より好ましくはN−メチロール基を含有しないモノマーのみから構成されたパーフルオロアルキルアクリレート共重合体である。
また、さらに安全性の観点より、好ましくは、フッ素系撥水撥油剤には、エポキシ基を含有しないモノマーのみから構成されたパーフルオロアルキルアクリレート共重合体が好ましい。
また、SR性の観点からは、前記フッ素系撥水撥油剤は、親水性成分を含有する化合物であるとよい。前記フッ素系撥水撥油剤に含有される親水性成分は、ポリエーテル系化合物の単位を主として含むのが好ましく、このポリエーテル系化合物の単位はポリエチレングリコール基および/またはポリプロピレングリコール基であるのが好ましい。
このような撥水撥油剤としては、旭硝子(株)のアサヒガードAG−E100やその他日華化学(株)等より入手が可能である。
また、本発明に用いる架橋剤には、イソシアネート系架橋剤を用いる。好ましくは、前記イソシアネート系架橋剤は、親水性成分を有するとよい。このようなイソシアネート系架橋剤を用いることにより、得られる撥水撥油SR性布帛の、撥油性とSR性の洗濯に対する耐久性を向上させることができる。
また、洗濯耐久性と窒素酸化物に対する変色の防止及び環境維持の観点からイソシアネート系架橋剤は、非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤が好ましい。
含有される親水性成分は、ポリエーテル系化合物の単位を主として含むのが好ましく、このポリエーテル系化合物の単位はポリエチレングリコール基および/またはポリプロピレングリコール基であるのが好ましい。
非ブロックタイプとは、イソシアネート基をオキシム類、フェノール類、エノール類等の活性水素化合物と反応させて、常温では不活性にしたブロックイソシアネートではないものをいう。すなわち、非ブロックタイプとは、末端のイソシアネート基がブロックされていないタイプのものである。
非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族系ジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族系ジイソシアネートを変性してイソシアヌレート体、アダクト体、ビュウレット体等を含むポリイソシアネート体とし、親水性成分を一部反応させた化合物が挙げられる。
本発明に用いる非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤は、窒素酸化物に対する変色を防止する観点から、脂肪族系化合物であるのが好ましい。
前述したように、本発明に用いる非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤は、親水性成分を含有する化合物であるのが好ましい。一般に、撥水加工において親水性成分を含有する化合物を撥水撥油剤と併用することは、撥水性をはじめ、撥油性の低下が予想され、また、撥水性能とSR性能の洗濯耐久性の低下が懸念されるものである。ところが、本発明では、このような当業者の常識に反して、親水性成分を含有する非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤を用いたにもかかわらず、優れた初期の撥水性能だけではなく、洗濯耐久性をも有する撥水撥油SR性布帛が得られることが見出されたのである。特に、撥油性、SR性の洗濯耐久性に優れるものが得られる。
本発明に有用なかかる架橋剤の具体的な商品名としては、タケネートWD720、WD725(武田薬品工業(株)製)、NKアシストIS−80D、IS―100N(日華化学(株)製)、バイヒジュールVPLS2319、VPLS2336(住化バイエルウレタン(株)製)、アクアネート100、200(日本ポリウレタン工業(株)製)などが挙げられる。
これらの非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤は、当初、水系ウレタン樹脂等に対する架橋剤として開発されたが、これらを撥水加工に用いることには撥水性能やその耐久性の問題や加工液安定性、ポットライフ等の問題があるため、撥水加工用の架橋剤としては敬遠されていた。
しかしながら、本発明においては、非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート架橋剤を撥水撥油SR加工に用いることにより、撥水撥油SR性布帛からのホルムアルデヒドの発生を抑え、窒素酸化物による変色を防止し、撥油性、SR性に対する耐久性に優れた撥水撥油性布帛を得ることが可能になったのである。
本発明において、フッ素系撥水撥油剤(固形分)の繊維布帛への付着量は、繊維布帛の質量に対して0.1〜2.5質量%が好ましく、0.4〜1.5質量%がより好ましい。付着量が0.1%未満では耐久性が得られにくくなることがあり、また2.5%を超えると得られる布帛の風合いが粗硬になったり、堅牢度が低下するおそれがある。
また、非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤(固形分)の繊維布帛への付着量は、繊維布帛の質量に対して0.05〜1.0質量%が好ましく、0.10〜0.45質量%が特に好ましい。付着量が0.05%未満では耐久性が得られにくくなることがあり、付着量が1.0%を超えると風合いが粗硬となることがある。
また、本発明の撥水撥油SR性布帛からの遊離ホルムアルデヒド量は、JIS L1041遊離ホルムアルデヒド試験アセチルアセトン法A法に準じて測定した吸光度の差(A−A)として0.05以下であるのがよい。
JIS L1041遊離ホルムアルデヒド試験アセチルアセトン法A法に準じて測定した吸光度の差(A−A)が0.05以下であれば、「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律」(法律第112号)の生後24ヶ月以下の乳幼児用の繊維製品の規制をクリアすることができる。
また、さらに好ましくは、遊離ホルムアルデヒド量が、JIS L1041遊離ホルムアルデヒド試験アセチルアセトン法A法における布帛質量の10倍の質量の試験布を用い、JIS L1041B法に準じて測定して、1.6ppm以下(試験布1g当り)であるのがよい。
この方法は、試験布の量をJIS L1041遊離ホルムアルデヒド試験アセチルアセトン法A法に規定されている質量の10倍の25gの布帛を用い、それ以外はB法に準じる方法により遊離ホルムアルデヒド濃度の測定を行うものである。このJIS L1042A法は、「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律」のなかで、24ヶ月以下の乳幼児以外の肌着等の繊維製品からのホルムアルデヒドの遊離量を測定する際に用いられる方法であり、B法に比べて試験布の質量を2.5倍にして吸光度の差を求めるものがA法であるが、さらに、本発明では、A法の試験布の10倍の質量の布帛を用いて遊離ホルムアルデヒド量の測定を行っている。したがって、この方法により行った試験では、ホルムアルデヒド濃度の検出限界値である吸光度差0.05に対応するホルムアルデヒド濃度は1.6ppm(試験布1g当り)となる。
また、本発明の撥水撥油SR性布帛においては、撥水度が2級以上、AATCC Test Method 118−1997による撥油性が3級以上、ダイヤペースト法によるSR性が3級以上である。
また、窒素酸化物による耐変色性能は、JIS L0855(強試験)に従う窒素酸化物に対する染色堅牢度試験にて評価を行い、染色堅牢度が4級以上であるのがよい。
また、JIS L0217 103法に従う洗濯50回後のAATCC Test Method 118−1997での撥油性が3級以上であるのがよい。
また、JIS L0217 103法に従う洗濯50回後のダイヤペーストによるSR性が3級以上であるのがよい。
ここで、ダイヤペースト法によるSR性とは、以下の方法で評価を行うものをいう。
ガラス板(7.5cm×15cm×0.15cm)の上にポリエチレンシートを敷き、その上に、15cm×15cmの試験片を載せる。試験片上にダイヤペースト液を1滴滴下する。試験片と滴下したダイヤペーストの上にポリエチレンシートをのせ、さらにガラス板(7.5cm×15cm×0.15cm)を載せ、さらに2kgのおもりを30秒のせる。次に、ポリエチレンシートを取り除き、代わりにろ紙で試験片を挟み、再度2kgのおもりを30秒間のせる。その後、試験片を取り出し、3時間放置する。次に、試験片についてJIS L0217 103法洗濯を3回行い、乾燥させる。その後、ダイヤペーストによる繊維布帛の汚染の程度をJISの汚染用グレースケールで判定する。
ダイヤペーストとは、カーボンブラック16.7質量%、牛脂硬化油20.8質量%、流動パラフィン62.5%の配合物1gをモーターオイル(自動車用エンジンオイル)で100mlに希釈したものである。
次に、本発明の撥水撥油SR性布帛の好ましい製造方法について説明する。
前述した如き繊維布帛に対して、パーフルオロオクタン酸非含有フッ素系撥水撥油剤と、イソシアネート系架橋剤を含む処理液を付与した後、好ましくは60〜200℃の温度において、熱処理を行うことにより本発明の撥水撥油SR性布帛を得ることができる。
ここで、繊維布帛は、精練、染色、捺染等の加工が施されたものであってもよく、また帯電防止加工や柔軟加工、抗菌加工、消臭加工を施したもの、ウレタン樹脂やアクリル樹脂から得られる多孔質膜、無孔質膜やポリテトラフルオロエチレン膜またはそれらを組み合わせた透湿性防水膜を付与した防水加工布帛などであってもよい。
また、繊維布帛に、パーフルオロオクタン酸非含有フッ素系撥水撥油剤とイソシアネート系架橋剤を含む処理液は、水溶液や水分散液などの水系処理液であってもターペンやイソプロピルアルコール、トルエン、メチルエチルケトン、エタノールなどを用いた溶剤系処理液であってもよい。環境面、耐久性、変色防止等の観点からは、架橋剤として非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤を用いた水系処理液が好ましい。
これらの処理液においては、PFOA非含有フッ素系撥水撥油剤や、上記の架橋剤以外の、PFOAを含まず、ホルムアルデヒドが発生しにくく、窒素酸化物による変色がしにくい薬剤を任意に併用してもよいことは勿論である。
また、制電性を付与するための帯電防止剤、風合い調整のための柔軟剤、紫外線遮蔽加工のための紫外線吸収剤、処理液安定性の向上のための界面活性剤、抗菌性付与のための抗菌剤、架橋用の触媒等の併用も可能である。
これらの処理液の付与方法としては、特に限定されるものではなく、パッド・ドライ法、パッド・スチーム法、パッド・ドライ・スチーム法、グラビアコーテイング法、スプレー法などの種々の方法を用いることができる。
また、処理液を付与した後、好ましくは60〜200℃の温度で、熱処理を行うのであるが、熱処理はホットシリンダーを用いるか、またはスチーマー、ノンタッチ型乾燥機、ネットドライヤー、ピンテンターなどの公知の熱処理装置を用いて行うことができる。また、熱処理は複数回行ってもよい。
熱処理温度が60℃より低いと撥水撥油性能が不十分になることがあり、200℃を超えると熱分解により、布帛の変色が生じることがある。
熱処理を行った後、さらに帯電防止加工や柔軟加工、抗菌加工、消臭加工、ウレタン樹脂やアクリル樹脂から得られる多孔質膜、無孔質膜やポリテトラフルオロエチレン膜またこれらを組み合わせた透湿性防水膜を付与する防水加工などを施してもよい。
また、本発明ではパーフルオロオクタン酸非含有フッ素系撥水撥油剤と、イソシアネート系架橋剤を含む処理液を付与した後、好ましくは60〜200℃の温度において、熱処理を行う工程を1回行うことにより優れた撥水撥油SR性を繊維布帛に付与することができるが、この工程を複数回繰り返してもよい。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。例中の「%」は質量%であり、また例中の撥水性評価方法、撥油性評価方法、洗濯、遊離ホルムアルデヒド濃度測定方法、窒素酸化物による変色試験等は、以下の操作により行った。
(1)撥水性評価方法:JIS L1092(スプレー試験)に準じて行った。
(2)撥油性評価方法:AATCC Test Method 118−1997に準じて行った。
(3)SR性:ダイヤペースト法(前記の方法)にて行った。
(4)洗濯:JIS L0217 103に準じて50回行った。ただし、乾燥は50回洗濯後最後につり干しを1回行い、その後のドライアイロン仕上げは行っていない。
(5)ホルムアルデヒド濃度測定方法1:JIS L1041遊離ホルムアルデヒド試験アセチルアセトン法A法により行った。
(6)ホルムアルデヒド濃度測定方法2:JIS L1041遊離ホルムアルデヒド試験アセチルアセトン法に規定の試験布をA法に規定されている質量の10倍の25gの量で用い、他はB法に準じて、遊離ホルムアルデヒド濃度の測定を行った。
この測定方法において、吸光度差の検出限界は0.05であり、0.05に対応するホルムアルデヒド濃度は1.6ppmとなる。したがって、1.6ppm(試験布1g当り)が検出限界となる。
(7)窒素酸化物による変色試験:JIS L0855(強試験)に準じて行った。
なお、以下の実施例で使用したアサヒガードAG−E100(旭硝子(株)製)は、PFOA非含有フッ素系撥水撥油剤であり、高速液体クロマトグラフィー質量分析にて測定したパーフルオロオクタン酸の濃度が定性限界値(4ppb)未満であった。
(8)洗濯堅牢度 JIS L0844 A−2に準じて試験を行った。添付布には綿、ナイロンを用いた。
(9)摩擦堅牢度 JIS L0849に準じて試験を行った(学振形)。
(10)耐光堅牢度 JIS L0842 第3露光法に準じて試験を行った。
実施例1
ポリエステルツイル(目付け200g/m)をDianix Yellow Brown S−2R 150%を用いて繊維質量に対し1%omfにて染色したものを繊維布帛として用い、繊維布帛を下記処理液に浸漬した後、マングルにて絞り、熱風オーブンにて120℃で熱処理後、さらに170℃で1分間熱処理を行い、撥水撥油SR性布帛を得た。
処理液
アサヒガードAG−E100 3%
(PFOA非含有フッ素系撥水撥油剤、親水性成分含有:旭硝子(株)製、固形分20%、モノマーとしてN−メチロール基、エポキシ基を含有しないモノマーのみから構成)
NKアシストIS−80D 0.2%
(日華化学(株)製、固形分80%、非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤、脂肪族系、ポリエチレングリコール基含有)
水 94.8%
得られた撥水撥油SR性布帛へのPFOA非含有フッ素系撥水撥油剤の付着量は、繊維布帛の質量に対して、0.6%、非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤の付着量は0.2%であった。
得られた撥水撥油SR性布帛の性能を表1に示す。
実施例2
ポリエステル平織物(目付け180g/m)の染色しない白色の生地を繊維布帛として用い、繊維布帛を下記処理液に浸漬した後、マングルにて絞り、熱風オーブンにて120℃で熱処理後、さらに170℃で1分間熱処理を行い、撥水撥油SR性布帛を得た。
処理液
アサヒガードAG−E100 5%
(PFOA非含有フッ素系撥水撥油剤、親水性成分含有:旭硝子(株)製、固形分20%、モノマーとしてN−メチロール基、エポキシ基を含有しないモノマーのみから構成)
アクアネート100 0.2%
(日本ポリウレタン工業(株)製、固形分100%、非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤、脂肪族系、ポリエチレングリコール基含有)
水 94.8%
得られた撥水撥油SR性布帛へのPFOA非含有フッ素系撥水撥油剤の付着量は、繊維布帛の質量に対して、0.8%、非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤の付着量は0.16%であった。
得られた撥水撥油SR性布帛の性能を表1に示す。
Figure 2013036136
本発明は、耐久性に優れた撥油、SR性を有する撥水撥油SR性布帛を提供するので、産業上有用である。

Claims (5)

  1. 繊維布帛にパーフルオロオクタン酸非含有フッ素系撥水撥油剤とイソシアネート系架橋剤とを付与してなり、撥水度が2級以上であり、AATCC Test Method 118−1997による撥油性が3級以上であり、ダイヤペースト法によるSR性が3級以上である撥水撥油SR性布帛。
  2. 前記フッ素系撥水撥油剤が親水性成分を含有する化合物である、請求項1に記載の撥水撥油SR性布帛。
  3. 前記イソシアネート系架橋剤が親水性成分を含有する化合物である、請求項1または2に記載の撥水撥油SR性布帛。
  4. 前記イソシアネート系架橋剤が非ブロックタイプの水分散型ポリイソシアネート系架橋剤から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の撥水撥油SR性布帛。
  5. JIS L0217 103に従う洗濯50回後の撥油性及びSR性が3級以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の撥水撥油SR性布帛。
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