JP2013031530A - タバコ臭除去フィルター - Google Patents
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Abstract
【課題】タバコ臭に大きな消臭効果があって、しかも圧力損失が低く、耐久性能の優れたタバコ臭除去フィルターを提供する。
【解決手段】不織布にポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物と、ヒドラジド化合物とをバインダー樹脂を介して固着させ、JIS B9908規格で測定した圧力損失が、フィルターの通過風速が1.0m/秒の条件下で、フィルターの厚さ1cm当たり3〜30Paとすることで、タバコ臭に大きな消臭効果があって、しかも圧力損失が低く、耐久性能の優れたタバコ臭除去フィルターが得られることを見出した。
【選択図】なし
【解決手段】不織布にポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物と、ヒドラジド化合物とをバインダー樹脂を介して固着させ、JIS B9908規格で測定した圧力損失が、フィルターの通過風速が1.0m/秒の条件下で、フィルターの厚さ1cm当たり3〜30Paとすることで、タバコ臭に大きな消臭効果があって、しかも圧力損失が低く、耐久性能の優れたタバコ臭除去フィルターが得られることを見出した。
【選択図】なし
Description
本発明は、家庭用または業務用のエアコン、空気清浄機、タバコ分煙機等のフィルターや、あるいは車などにおける車室内のいやな臭いを取り除くフィルター等として使用し、特にタバコ臭(アンモニア、アセトアルデヒド、酢酸等)を効率的に吸着浄化するフィルターに関する技術である。
消臭フィルターは、様々な用途に利用されており、その消臭方法は大きく分類して活性炭やゼオライト等の吸着材を利用した吸着タイプと、オゾンや光触媒、金属フタロシアニン錯体等により悪臭物質を分解除去する触媒タイプ、あるいはこの吸着タイプと触媒タイプを併用した併用タイプに分けられる。このうち例えば、活性炭の優れた吸着作用を利用した技術がよく知られているが、これらは悪臭成分を吸着し、周辺の臭気濃度を短期的に低下させる働きには優れているが、悪臭成分の量が減少するわけではなく、有効期間に限りのある消臭方法といわれ、最近では悪臭物質を分解除去する触媒タイプあるいは併用タイプのものが多くなっている。
出願人は特許文献1を出願しており、高いpH環境にした第1消臭フィルターと、低いpH環境にした第2消臭フィルターとを備え、前記第1消臭フィルターは、活性炭混抄紙に金属フタロシアニン錯体とヒドラジン誘導体を担持させたものからなる消臭フィルターで、前記第2消臭フィルターは、活性炭混抄紙に金属フタロシアニン錯体を担持させたものからなる消臭フィルターであって、塩基性臭と酸性臭を同時に効率よく吸着分解し、なかでもたばこ臭に大きな消臭性能を有するものを開示している。
上記技術は、吸着体と触媒を組み合わせたもので、吸着体に吸着された悪臭を、触媒により分解し脱臭する方法で、効率的に消臭する方法として有用な方法であるが、さらに、タバコ臭に大きな消臭効果があって、しかも圧力損失が低く、さらに消臭耐久性のよい消臭フィルターが求められていた。
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、タバコ臭に大きな消臭効果があって、しかも圧力損失が低く、耐久性能の優れたタバコ臭除去フィルターを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]不織布にポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物と、ヒドラジド化合物とをバインダー樹脂を介して固着させ、JIS B9908規格で測定した圧力損失が、フィルターの通過風速が1.0m/秒の条件下で、フィルターの厚さ1cm当たり3〜30Paであることに特徴のあるタバコ臭除去フィルター。
[2]前記不織布がサーマルボンド不織布であり、前記バインダー樹脂がウレタン系樹脂である前項1に記載のタバコ臭除去フィルター。
[3]前記不織布にポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物を50〜500g/m2、ヒドラジド化合物を5〜100g/m2固着させた前項1または2に記載のタバコ臭除去フィルター。
[4]タバコ臭除去フィルターの厚さが1〜10mmである前項1〜3のいずれか1項に記載のタバコ臭除去フィルター。
[1]の発明では、不織布の通気性を生かしながら、ポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物と、ヒドラジド化合物とをバインダー樹脂を介して固着させることができる。前記不織布にポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物が固着されているので、タバコ臭に多くあるとされるアンモニアや酢酸等はポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物との化学反応によって消臭することができる。さらに、ヒドラジド化合物が固着されているので、アセトアルデヒドはヒドラジド化合物との化学反応によって消臭することができる。また、バインダー樹脂を介して前記不織布にポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物とヒドラジド化合物とを強力に固着させているので、消臭性能を持続することができる。さらに、JIS B9908規格で測定した圧力損失が、フィルターの通過風速が1.0m/秒の条件下で、フィルターの厚さ1cm当たり3〜30Paであるので例えば、室内に存在する悪臭、特にタバコ臭(アンモニア、アセトアルデヒド、酢酸等)を素早く消臭することができる。
[2]の発明では、前記不織布がサーマルボンド不織布であるので、ポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物と、ヒドラジド化合物とをバインダー樹脂を介して固着させても通気性の低下を抑制することができる。また、前記バインダー樹脂がウレタン系樹脂であるので、強固に固着することができ、消臭効果の耐久性に優れたタバコ臭除去フィルターを提供できる。
[3]の発明では、前記不織布にポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物を50〜500g/m2、ヒドラジド化合物を5〜100g/m2固着しているので、いやな臭いを、特にタバコ臭(アンモニア、アセトアルデヒド、酢酸等)を十分消臭できるタバコ臭除去フィルターを提供できる。
[4]の発明では、タバコ臭除去フィルターの厚さが1〜10mmであるので、消臭性能を確保しながらかさばらず省スペースであり、しかも圧力損失が抑制されたタバコ臭除去フィルターを提供できる。
本発明のタバコ臭除去フィルターは、特にタバコ臭を効率的に吸着浄化する。タバコの煙にはアンモニア等100種類以上の混合物が含まれるものとされている。その内の多くを占めているとされるアンモニア、アセトアルデヒド、酢酸に対して特に有効で、しかも耐久性に優れたタバコ臭除去フィルターである。
本発明のタバコ臭除去フィルターの不織布は、特に限定されることなくどのようなものも使用でき、例えばサーマルボンド不織布、ニードルパンチ不織布、ウォーターニードル不織布、スパンボンド不織布などが用いられ、不織布の素材は、特に限定されるものではなく、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維等の合成繊維、あるいは、麻、綿、羊毛等の天然繊維等の繊維から構成されるが、圧力損失の観点からは、サーマルボンド不織布が好ましく、不織布の素材は耐久性の点で合成繊維からなるのが好ましい。
前記不織布の厚さは、1〜10mmであるのが好ましい。1mm未満では、ポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物の固着量を確保するのが難しくなるので、十分な消臭性能が得られなくなる。10mmを超えると十分な空気の通過量を確保することが難しくなり、消臭性能の低下を招くおそれがあり、またコスト的にも好ましくない。
前記不織布の見掛け密度は0.01〜0.1g/cm3であるのが好ましい。0.01g/cm3未満では、ポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物の固着量を確保するのが難しくなるので、十分な消臭性能が得られなくなる。0.1g/cm3を超えると十分な空気の通過量を確保することが難しくなり、消臭性能の低下を招くおそれがあり、好ましくない。
前記不織布を構成する繊維の繊度は5〜50dtexの範囲であるものを用いるのが好ましく、5dtex未満では、通気性を確保し難く、消臭性能も低下することからも好ましくない。50dtexを超えると、ポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物の固着量を確保するのが難しくなるので、十分な消臭性能が得られなくなる。中でも、繊度は10〜30dtexの範囲とするのがより好ましい。
本発明の、不織布に固着させるポリアミン化合物を担持した無機ケイ素化合物は、例えばポリアミン化合物を担持した多孔質二酸化ケイ素を挙げることができる。多孔質二酸化ケイ素は水に分散しても、内部のアミン化合物を保持するので好ましい。多孔質二酸化ケイ素の粒径は0.5〜50μmであるのが好ましい。0.5μm以下ではアミン化合物を多孔質二酸化ケイ素の細孔内に担持しにくく、またコストも高くなることから好ましくない。また、50μm以上では、多孔質二酸化ケイ素の水への分散性が低下するおそれがあるので好ましくない。またポリアミン化合物の無機ケイ素化合物への坦持量は、0.02〜0.2g/gが好ましい。0.02g/gを下回るとアルデヒドの消臭性能が低下するので好ましくなく、0.2g/gを越える量を多孔質二酸化ケイ素の細孔内への担持するのは難しい。
前記ポリアミン化合物としては、特に限定されるものではないが、この発明の消臭フィルターに含まれるアミン化合物は、分子内に第一級アミノ基を一個以上有している化合物であれば脂肪族アミン、芳香族アミン、脂環式アミンのいずれも使用でき、沸点が100℃以上のものが好ましい。100℃以下では、無機多孔質物質に担持する工程で蒸発する可能性があり好ましくない。例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等は液体であるのでそのまま無機多孔質物質に担持する工程に使用できる。また、他のアミン化合物の場合は、水等に溶解させて無機多孔質物質を浸漬し、加熱乾燥すれば無機アミン化合物を得ることができる。無機アミン化合物は、アミン化合物が直接水不溶性ヒドラジン化合物や活性炭と接触しなくなるので、これらの影響を受けることなくアルデヒド類の消臭に能力を発揮することができる。また、アミン化合物と悪臭成分が直接反応するよりも、無機多孔質物質に一旦吸着させアミン化合物と反応する方が、より効率的で消臭効果の耐久性を優れたものとすることができる。
前記ポリアミン化合物は、特にアルデヒドガスの消臭に有効で、また、無機ケイ素化合物は塩基性ガスの消臭に有効であって、アセトアルデヒドとアミンとの複合臭を効果的に消臭することができる。
本発明の、不織布に固着させるヒドラジド化合物は、例えば、ヒドラジン系化合物と長鎖の脂肪族系化合物とを反応させたもの、あるいはヒドラジン系化合物と芳香族系化合物とを反応させたもの等が挙げられる。中でも、ヒドラジン及びセミカルバジドからなる群より選ばれる1種または2種の化合物と、炭素数8〜16のモノカルボン酸、ジカルボン酸、芳香族モノカルボン酸、および芳香族ジカルボン酸からなる群より選ばれる1種または2種以上の化合物との反応生成物や、ヒドラジン及びセミカルバジドからなる群より選ばれる1種または2種の化合物と炭素数8〜16のモノグリシジル誘導体及びジグリシジル誘導体からなる群より選ばれる1種または2種以上の化合物との反応生成物が好適である。
このようなヒドラジン誘導体を用いることによりアルデヒド類に対して化学反応を起こし優れた吸着作用を発揮し悪臭除去性能を確保することができる。前記反応生成物としては、具体的には、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカンニ酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等を挙げられる。なお、このようなヒドラジン誘導体の水に対する溶解度は25℃において5g/L以下であるのが望ましい。水に対する溶解度がこの範囲内であれば、洗濯等によって水と接触することがあっても、ヒドラジン誘導体がこの水に溶解して流出してしまうことが防止される。
ポリアミン化合物を担持した無機ケイ素化合物の不織布への固着量は50〜500g/m2が好ましい。50g/m2を下回ると消臭性能の低下を招き、500g/m2を越えると十分な空気の通過量を確保することが難しくなるので好ましくない。ヒドラジド化合物の不織布への固着量は5〜100g/m2が好ましい。5g/m2を下回ると消臭効性能の低下を招き、100g/m2を越えると十分な空気の通過量を確保することが難しくなるので好ましくない。
本発明で用いるバインダ−樹脂として、どのような樹脂でも使用することができる。例えば、ウレタン樹脂、自己架橋型アクリル樹脂、メタアクリル樹脂、シリコン樹脂、グリオキザ−ル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ブタジエン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル−シリコン共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、イソブチレン無水マレイン酸共重合体樹脂、エチレン−スチレン−アクリレート−メタアクリレ−ト共重合体樹脂などが挙げられる。また、これらの樹脂を2種類以上混合してバインダ−樹脂としてもよい。中でも、ウレタン樹脂が固着力の点で好ましい。
また、不織布にポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物と、ヒドラジド化合物とをバインダー樹脂を介して固着するには、あらかじめポリアミン化合物と無機ケイ素化合物とを水に均一に分散させた後、乾燥させ、ポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物を用意して、ポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物と、ヒドラジド化合物と、バインダー樹脂を水に分散させた水分散液からなる処理液を調合する。前記処理液には、分散剤や、増粘剤などの各種添加剤を、各種特性向上のため配合してもよい。前記処理液を不織布に塗布する手段としては、特に限定されるものではないが、例えばスプレー法、浸漬法、コーティング法、パディング法等が挙げられる。
上記のように、処理液を付与した後に乾燥させるが、乾燥手段としては、加熱処理する方法が乾燥効率から好ましい。加熱処理温度は、100〜180℃とするのが好ましい。この温度での加熱処理によって、固着性をより高め、悪臭除去性能の持続耐久性を一層向上させることができる。
本発明のタバコ臭除去フィルターの圧力損失は、フィルターの厚さ1cm当たり3〜30Paである。3Pa未満では、不織布にポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物が固着量を確保するのが難しくなるので、十分な消臭性能が得られなくなる。30Paを超えると十分な空気の通過量を確保することが難しくなり、消臭性能の低下を招くおそれがある。
本発明のタバコ臭除去フィルターの厚さは、1〜10mmであるのが好ましい。1mm未満では、不織布にポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物の固着量を確保するのが難しくなるので、十分な消臭性能が得られなくなる。10mmを超えると十分な空気の通過量を確保することが難しくなり、消臭性能の低下を招くおそれがあり、またコスト的にも好ましくない。
次に、実施例により本発明を具体的に説明する。なお、実施例における各種ガス除去性能、圧力損失試験の測定は次のように行った。
(初期性能試験)
タバコ臭除去フィルターから切り出した試験片(450×250mm)を毎分800リットルの通気を行なうファンをセットした空気清浄機のフィルターホルダーに固定し、内容量1m3のアクリルボックス内に入れた後、ボックス内において濃度が100ppmとなるようにアンモニアとアセトアルデヒドと酢酸を1:2:1の割合で混合したガスを注入し、五分経過後にこの混合ガスの残存濃度を測定し、混合ガスの除去率(%)を算出し初期性能とした。除去率90%以上であるものを「◎」、除去率が80%以上90%未満であるものを「○」、除去率が70%以上80%未満であるものを「△」、除去率が70%未満であるものを「×」とし、「○」以上を合格とした。
タバコ臭除去フィルターから切り出した試験片(450×250mm)を毎分800リットルの通気を行なうファンをセットした空気清浄機のフィルターホルダーに固定し、内容量1m3のアクリルボックス内に入れた後、ボックス内において濃度が100ppmとなるようにアンモニアとアセトアルデヒドと酢酸を1:2:1の割合で混合したガスを注入し、五分経過後にこの混合ガスの残存濃度を測定し、混合ガスの除去率(%)を算出し初期性能とした。除去率90%以上であるものを「◎」、除去率が80%以上90%未満であるものを「○」、除去率が70%以上80%未満であるものを「△」、除去率が70%未満であるものを「×」とし、「○」以上を合格とした。
(繰り返し耐久性能試験)
上記性能試験を5回繰り返し行ったあと、そのまま空気清浄機を動かし30分間経過してこの混合ガスの残存濃度を測定し、混合ガスの除去率(%)を算出し耐久性能とした。除去率60%以上であるものを「◎」、除去率が50%以上60%未満であるものを「○」、除去率が40%以上50%未満であるものを「△」、除去率が40%未満であるものを「×」とし、「○」以上を合格とした。
上記性能試験を5回繰り返し行ったあと、そのまま空気清浄機を動かし30分間経過してこの混合ガスの残存濃度を測定し、混合ガスの除去率(%)を算出し耐久性能とした。除去率60%以上であるものを「◎」、除去率が50%以上60%未満であるものを「○」、除去率が40%以上50%未満であるものを「△」、除去率が40%未満であるものを「×」とし、「○」以上を合格とした。
(圧力損失試験)
JIS B9908形式3に準拠し測定した。すなわち、タバコ臭除去フィルターを風洞のユニット固定部に保持し、送風機を作動させフィルター面風速が1.0m/秒になるように調整した。次に静圧測定孔に接続されたマノメーターによって、フィルターの上流側と下流側の静圧を測定しフィルターの厚み1cm当たりの圧力損失を算出した。評価基準は、圧力損失30Pa以下が合格で「○」、30Pa超35Pa以下を「△」、35Pa超を「×」とした。
JIS B9908形式3に準拠し測定した。すなわち、タバコ臭除去フィルターを風洞のユニット固定部に保持し、送風機を作動させフィルター面風速が1.0m/秒になるように調整した。次に静圧測定孔に接続されたマノメーターによって、フィルターの上流側と下流側の静圧を測定しフィルターの厚み1cm当たりの圧力損失を算出した。評価基準は、圧力損失30Pa以下が合格で「○」、30Pa超35Pa以下を「△」、35Pa超を「×」とした。
次に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例のものに特に限定されるものではない。なお、不織布への固着量等を表に、
各種ガス除去性能及び圧力損失試験の結果を表2に示す。
各種ガス除去性能及び圧力損失試験の結果を表2に示す。
<実施例1>
平均粒径10μm酸化ケイ素180重量部と、ポリアミン化合物20重量部と、水200重量部を加え、よく攪拌してから120℃×30分乾燥しポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物を得た。次に、ポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物200重量部と、平均粒径10μmヒドラジド化合物50重量部と、水150質量部の水を加えた後、攪拌機により攪拌を行い、均一に分散液させた後、ウレタン系バインダー樹脂(固形分50%)10質量部を加え、よく攪拌して処理液を得た。前記処理液をサーマルボンド不織布(ポリエステル繊維、目付50g/m2、厚み5mm)にドクターナイフを用いてコーティングし、100℃×20分乾燥して、厚さ5mmのタバコ臭除去フィルターを得た。不織布への付着量は、ポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物90g/m2、ヒドラジド化合物20g/m2であり、圧力損失試験を行った結果、圧力損失は7Paであった。
平均粒径10μm酸化ケイ素180重量部と、ポリアミン化合物20重量部と、水200重量部を加え、よく攪拌してから120℃×30分乾燥しポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物を得た。次に、ポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物200重量部と、平均粒径10μmヒドラジド化合物50重量部と、水150質量部の水を加えた後、攪拌機により攪拌を行い、均一に分散液させた後、ウレタン系バインダー樹脂(固形分50%)10質量部を加え、よく攪拌して処理液を得た。前記処理液をサーマルボンド不織布(ポリエステル繊維、目付50g/m2、厚み5mm)にドクターナイフを用いてコーティングし、100℃×20分乾燥して、厚さ5mmのタバコ臭除去フィルターを得た。不織布への付着量は、ポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物90g/m2、ヒドラジド化合物20g/m2であり、圧力損失試験を行った結果、圧力損失は7Paであった。
<実施例2>
次に、実施例1において、サーマルボンド不織布(ポリエステル繊維、目付20g/m2、厚み2mm)を用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ2mmのタバコ臭除去フィルターを得た。不織布への付着量は、ポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物72g/m2、ヒドラジド化合物16g/m2であり、圧力損失試験を行った結果、圧力損失は5Paであった。
次に、実施例1において、サーマルボンド不織布(ポリエステル繊維、目付20g/m2、厚み2mm)を用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ2mmのタバコ臭除去フィルターを得た。不織布への付着量は、ポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物72g/m2、ヒドラジド化合物16g/m2であり、圧力損失試験を行った結果、圧力損失は5Paであった。
<実施例3>
次に、実施例1において、サーマルボンド不織布(ポリエステル繊維、目付80g/m2、厚み8mm)を用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ8mmのタバコ臭除去フィルターを得た。不織布への付着量は、ポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物90g/m2、ヒドラジド化合物20g/m2であり、圧力損失試験を行った結果、圧力損失は9Paであった。
次に、実施例1において、サーマルボンド不織布(ポリエステル繊維、目付80g/m2、厚み8mm)を用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ8mmのタバコ臭除去フィルターを得た。不織布への付着量は、ポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物90g/m2、ヒドラジド化合物20g/m2であり、圧力損失試験を行った結果、圧力損失は9Paであった。
<実施例4>
次に、実施例1において、スパンボンド不織布(ポリエステル繊維、目付50g/m2、厚み5mm)を用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ5mmのタバコ臭除去フィルターを得た。不織布への付着量は、ポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物54g/m2、ヒドラジド化合物12g/m2であり、圧力損失試験を行った結果、圧力損失は29Paであった。
次に、実施例1において、スパンボンド不織布(ポリエステル繊維、目付50g/m2、厚み5mm)を用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ5mmのタバコ臭除去フィルターを得た。不織布への付着量は、ポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物54g/m2、ヒドラジド化合物12g/m2であり、圧力損失試験を行った結果、圧力損失は29Paであった。
<実施例5>
次に、実施例1において、アクリル系バインダー樹脂(固形分50%)を用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ5mmのタバコ臭除去フィルターを得た。不織布への付着量は、ポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物90g/m2、ヒドラジド化合物20g/m2であり、圧力損失試験を行った結果、圧力損失は7Paであった。
次に、実施例1において、アクリル系バインダー樹脂(固形分50%)を用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ5mmのタバコ臭除去フィルターを得た。不織布への付着量は、ポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物90g/m2、ヒドラジド化合物20g/m2であり、圧力損失試験を行った結果、圧力損失は7Paであった。
<実施例6>
次に、実施例1において、ドクターナイフを用いてコーティングの付着量を調整した以外は実施例1と同様にして、厚さ5mmのタバコ臭除去フィルターを得た。不織布への付着量は、ポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物54g/m2、ヒドラジド化合物12g/m2であり、圧力損失試験を行った結果、圧力損失は4.5Paであった。
次に、実施例1において、ドクターナイフを用いてコーティングの付着量を調整した以外は実施例1と同様にして、厚さ5mmのタバコ臭除去フィルターを得た。不織布への付着量は、ポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物54g/m2、ヒドラジド化合物12g/m2であり、圧力損失試験を行った結果、圧力損失は4.5Paであった。
<実施例7>
次に、実施例1において、ドクターナイフを用いてコーティングの付着量を調整した以外は実施例1と同様にして、厚さ5mmのタバコ臭除去フィルターを得た。不織布への付着量は、ポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物210g/m2、ヒドラジド化合物45g/m2であり、圧力損失試験を行った結果、圧力損失は18Paであった。
次に、実施例1において、ドクターナイフを用いてコーティングの付着量を調整した以外は実施例1と同様にして、厚さ5mmのタバコ臭除去フィルターを得た。不織布への付着量は、ポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物210g/m2、ヒドラジド化合物45g/m2であり、圧力損失試験を行った結果、圧力損失は18Paであった。
<比較例1>
次に、実施例1において、ポリアミン化合物を坦持していない無機ケイ素化合物を用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ5mmのタバコ臭除去フィルターを得た。不織布への付着量は、無機ケイ素化合物81g/m2、ヒドラジド化合物20g/m2であり、圧力損失試験を行った結果、圧力損失は6.5Paであった。
次に、実施例1において、ポリアミン化合物を坦持していない無機ケイ素化合物を用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ5mmのタバコ臭除去フィルターを得た。不織布への付着量は、無機ケイ素化合物81g/m2、ヒドラジド化合物20g/m2であり、圧力損失試験を行った結果、圧力損失は6.5Paであった。
<比較例2>
次に、実施例1において、無機ケイ素化合物に担持させることなく、ポリアミン化合物を用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ5mmのタバコ臭除去フィルターを得た。不織布への付着量は、ポリアミン化合物9g/m2、ヒドラジド化合物20g/m2であり、圧力損失試験を行った結果、圧力損失は3Paであった。
次に、実施例1において、無機ケイ素化合物に担持させることなく、ポリアミン化合物を用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ5mmのタバコ臭除去フィルターを得た。不織布への付着量は、ポリアミン化合物9g/m2、ヒドラジド化合物20g/m2であり、圧力損失試験を行った結果、圧力損失は3Paであった。
<比較例3>
次に、実施例1において、ヒドラジド化合物を用いなかった以外は実施例1と同様にして、厚さ5mmのタバコ臭除去フィルターを得た。不織布への付着量は、ポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物90g/m2であり、圧力損失試験を行った結果、圧力損失は6.5Paであった。
次に、実施例1において、ヒドラジド化合物を用いなかった以外は実施例1と同様にして、厚さ5mmのタバコ臭除去フィルターを得た。不織布への付着量は、ポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物90g/m2であり、圧力損失試験を行った結果、圧力損失は6.5Paであった。
<比較例4>
次に、実施例1において、サーマルボンド不織布(ポリエステル繊維、目付120g/m2、厚み12mm)を用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ12mmのタバコ臭除去フィルターを得た。不織布への付着量は、ポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物90g/m2、ヒドラジド化合物20g/m2であり、圧力損失試験を行った結果、圧力損失は11Paであった。
次に、実施例1において、サーマルボンド不織布(ポリエステル繊維、目付120g/m2、厚み12mm)を用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ12mmのタバコ臭除去フィルターを得た。不織布への付着量は、ポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物90g/m2、ヒドラジド化合物20g/m2であり、圧力損失試験を行った結果、圧力損失は11Paであった。
<比較例5>
次に、実施例1において、サーマルボンド不織布(ポリエステル繊維、目付600g/m2、厚み60mm)を用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ60mmのタバコ臭除去フィルターを得た。不織布への付着量は、ポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物90g/m2、ヒドラジド化合物20g/m2であり、圧力損失試験を行った結果、圧力損失は32Paであった。
次に、実施例1において、サーマルボンド不織布(ポリエステル繊維、目付600g/m2、厚み60mm)を用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ60mmのタバコ臭除去フィルターを得た。不織布への付着量は、ポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物90g/m2、ヒドラジド化合物20g/m2であり、圧力損失試験を行った結果、圧力損失は32Paであった。
本発明の技術は、家庭用または業務用のエアコン、空気清浄機、タバコ分煙機等のフィルターや、あるいは車などにおける車室内のいやな臭いを取り除くフィルター等として使用し、特にタバコ臭(アンモニア、アセトアルデヒド、酢酸等)を効率的に吸着浄化するフィルターとして広く利用される。
Claims (4)
- 不織布にポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物と、ヒドラジド化合物とをバインダー樹脂を介して固着させ、JIS B9908規格で測定した圧力損失が、フィルターの通過風速が1.0m/秒の条件下で、フィルターの厚さ1cm当たり3〜30Paであることに特徴のあるタバコ臭除去フィルター。
- 前記不織布がサーマルボンド不織布であり、前記バインダー樹脂がウレタン系樹脂である請求項1に記載のタバコ臭除去フィルター。
- 前記不織布にポリアミン化合物を坦持した無機ケイ素化合物を50〜500g/m2、ヒドラジド化合物を5〜100g/m2固着させた請求項1または2に記載のタバコ臭除去フィルター。
- タバコ臭除去フィルターの厚さが1〜10mmである請求項1〜3のいずれか1項に記載のタバコ臭除去フィルター。
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---|---|---|---|
JP2011168715A JP2013031530A (ja) | 2011-08-01 | 2011-08-01 | タバコ臭除去フィルター |
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JP2016214618A (ja) * | 2015-05-21 | 2016-12-22 | 住江織物株式会社 | 消臭水性液 |
CN109289428A (zh) * | 2018-10-12 | 2019-02-01 | 杭州银帆环境科技有限公司 | 一种清除油烟的空气净化剂的制造方法 |
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2011
- 2011-08-01 JP JP2011168715A patent/JP2013031530A/ja not_active Withdrawn
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