JP2013026861A - アンテナ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 絶縁性の基板本体2と、基板本体にそれぞれ金属箔でパターン形成されたグランド面GND、第1エレメント3および第2エレメント4とを備え、第1エレメントが、グランド面側に配した基端に給電点FPが設けられて延在し、途中に誘電体アンテナのアンテナ素子ATが接続されていると共に先端に第1補助アンテナ部6が接続され、第2エレメントが、第1エレメントの基端側に接続されて延在し、途中に受動素子P2が接続されていると共に先端に第2補助アンテナ部7が接続され、第1補助アンテナ部と第2補助アンテナ部とが、可撓性の薄膜導体で形成されていると共に折り返されて基板本体の上方に該基板本体との間に間隔を空けて延在している。
【選択図】図1
Description
例えば、誘電体ブロックによる従来技術としては、特許文献1では、放射電極を樹脂成型体に形成し、さらに誘電体ブロックを接着剤で一体化することで高効率を得る複合アンテナが提案されている。
すなわち、特許文献1に記載のような誘電体ブロックによる技術では、放射電極を励振する誘電体ブロックを使用しており、機器毎に誘電体ブロック、放射電極パターン等の設計が必要になり、その設計条件によってアンテナ性能が劣化したり、不安定要素が増加する不都合がある。また、放射電極が樹脂成型体の表面に形成されているため、樹脂成型体上に放射電極パターンを設計する必要があり、実装する通信機器やその用途に応じて、アンテナ設計、金型設計が必要になり、大幅なコストの増大を招いてしまう。さらに、誘電体ブロックと樹脂成型体とを接着剤で一体化するので、接着剤のQ値以外にも接着条件(接着剤の厚み、接着面積等)により、アンテナ性能が劣化したり、不安定要素が増加する不都合がある。
また、特許文献2に記載のようなスイッチ,制御電圧源を用いたアンテナ装置の場合、スイッチで共振周波数の切り替えを行うために、制御電圧源の構成やリアクタンス回路等が必要であり、アンテナ構成が機器毎に複雑化し、設計の自由度が無く、容易なアンテナ調整が困難であるという問題があった。
また、第1補助アンテナ部と第2補助アンテナ部とが、可撓性の薄膜導体で形成されていると共に折り返されているので、第1,第2補助アンテナ部と基板本体との間隔を適宜変更可能であり、設置箇所の隙間が変化した場合や第1,第2補助アンテナ部を湾曲させて配置させなければならない場合でも、実装する筐体の配置条件にフレキシブルに対応することができる。特に、第1,第2補助アンテナ部には、アンテナ素子や受動素子を実装せず、これらを基板本体側にのみ実装することで、第1,第2補助アンテナ部の可撓性を十分に確保することができる。
また、アンテナ素子および各受動素子の選択によって、各共振周波数やインピーダンスをフレキシブルに調整可能であり、用途や機器、設計条件に応じた2共振化が可能なアンテナ装置を得ることができる。
さらに、第1,第2補助アンテナ部と基板本体の平面内の各エレメントとの延在形状で設計が可能であり、従来の誘電体ブロックや樹脂成型体等を使用する場合に比べて薄型化が可能であると共に、誘電体アンテナであるアンテナ素子の選択によって、小型化および高性能化が可能になる。また、金型、設計変更等によるコストが必要なく、低コストを実現することができる。
すなわち、このアンテナ装置では、第1補助アンテナ部と第2補助アンテナ部とが、絶縁性フィルムに金属箔でパターン形成されているので、高い可撓性を得ることができると共に、絶縁性フィルムの材料として高い誘電率のものを適宜選択することで、第1,第2補助アンテナ部のパターン短縮効果が得られると共に、所望の周波数帯が低い場合や更なる小型化が要望されている場合にも対応可能になる。さらに、汎用のフレキシブルプリント基板を利用することができ、コストの低減を図ることが可能である。
すなわち、このアンテナ装置では、第1補助アンテナ部と第2補助アンテナ部との開放端が、互いに逆方向に向けて配されているので、互いのインピーダンスが高い部分同士が逆向きとなり、結合を抑制することができると共に、互いの間に生じる浮遊容量を効果的に利用することができる。
すなわち、このアンテナ装置では、第1補助アンテナ部の開放端が、アンテナ素子の開放端に対して逆方向に向けて配されているので、互いのインピーダンスが高い部分同士が逆向きとなり、結合を抑制することができると共に、互いの間に生じる浮遊容量を効果的に利用することができる。
すなわち、このアンテナ装置では、第1補助アンテナ部および第2補助アンテナ部と基板本体との間にスペーサが設置されているので、所定厚さに設定したスペーサにより第1,第2補助アンテナ部と基板本体との間隔を一定に保持することができる。また、スペーサの材料を高誘電体材料とすることで、第1,第2補助アンテナ部のパターン短縮効果が得られる。さらに、ゴム等の弾性材料を採用することで、衝撃吸収効果も得ることが可能である。
すなわち、このアンテナ装置では、上記各延在部の配置により、第1延在部と第4延在部との間の浮遊容量と、第1補助アンテナ部(主に第6延在部)と第7延在部との間の浮遊容量と、第1補助アンテナ部(主に第6延在部)と第8延在部との間の浮遊容量と、第1補助アンテナ部(主に第6延在部)とアンテナ素子との間の浮遊容量と、第1補助アンテナ部(主に、第6延在部)とグランド面との間の浮遊容量と、アンテナ素子とグランド面との間の浮遊容量と、第7延在部とグランド面との間の浮遊容量と、第8延在部とグランド面との間の浮遊容量とを発生させることができる。
すなわち、本発明のアンテナ装置によれば、第1補助アンテナ部と第2補助アンテナ部とが、可撓性の薄膜導体で形成されていると共に折り返されて、各エレメント、アンテナ素子及び受動素子が設けられた基板本体の上方に該基板本体との間に間隔を空けて延在しているので、各共振周波数をフレキシブルに調整可能であり、設計条件に応じた2共振化が可能であると共に、小型化および高性能化が可能になる。
したがって、本発明のアンテナ装置は、多様な用途や機器に対応した複共振化が容易に可能になると共に、省スペース化と配線および設置の自由度の向上とを図ることができる。
なお、グランド面GNDには、RF回路部品等の実装領域が設けられる。
上記第2エレメント4は、第1エレメント3の基端側に接続されて延在し、途中に第2受動素子P2が接続されていると共に先端に第2補助アンテナ部7が接続されている。
上記第3エレメント5は、第1エレメント3の基端から延びて先端が給電点FPから離間した位置でグランド面GNDに接続されている。また、第3エレメント5の途中には、第3受動素子P3が接続されている。
上記第2エレメント4は、第1エレメント3の基端から第1延在部E1から離間する方向に延びる第3延在部E3と、該第3延在部E3の先端から第1延在部E1に沿ってグランド面GNDから離間する方向に延びる第4延在部E4とを有している。
上記第2補助アンテナ部7は、第4延在部E4の先端から基板本体2の上方に向けて延在する第7延在部E7と、該第7延在部E7の先端から第6延在部E6に沿って延在する第8延在部E8とを有している。
なお、低い共振周波数に対応する補助アンテナ部を内側(アンテナ素子ATに近い側)に配置することが好ましい。すなわち、本実施形態では、低い周波数帯である第1の周波数f1に対応する第1補助アンテナ部6を、高い周波数帯である第2の周波数f2に対応する第2補助アンテナ部7よりも内側に配置している。これにより、低い周波数帯である第1の周波数f1に対応する第1補助アンテナ部6を、アンテナ素子ATに近づけると共にグランド面GNDに設置されるRF回路部品や筐体等から遠ざけることができる。
なお、上記第3エレメント5は、第1延在部E1に対して第2エレメント4と反対側に延び、途中で折れ曲がって第1延在部E1から離間した位置でグランド面GNDに接続されている。
上記給電点FPは、同軸ケーブル等の給電手段を介して高周波回路(図示略)の給電点に接続される。この給電手段としては、同軸ケーブル、レセプタクル等のコネクタ、接点が板バネ形状を有する接続構造、接点がピンプローブ形状またはピン形状を有する接続構造、ハンダ付け用のランドを用いた接続構造等の種々の構造が採用可能である。
例えば、給電手段として同軸ケーブルを採用する場合、グランド面GNDの基端側に同軸ケーブルのグランド線が接続されると共に、同軸ケーブルの芯線が給電点FPに接続される。
上記第1受動素子P1〜第3受動素子P3は、例えばインダクタ、コンデンサまたは抵抗が採用される。
すなわち、図4に示すように、第1延在部E1と第4延在部E4との間の浮遊容量Caと、第1補助アンテナ部6(主に第6延在部E6)と第7延在部E7との間の浮遊容量Cbと、第1補助アンテナ部6(主に第6延在部E6)と第8延在部E8との間の浮遊容量Ccと、第1補助アンテナ部6(主に第6延在部E6)とアンテナ素子ATとの間の浮遊容量Cdと、第1補助アンテナ部6(主に、第6延在部E6)とグランド面GNDとの間の浮遊容量Ceと、アンテナ素子ATとグランド面GNDとの間の浮遊容量Cf、第7延在部E7とグランド面GNDとの間の浮遊容量Cgと、第8延在部E8とグランド面GNDとの間の浮遊容量Chとが発生可能である。
上記第1の共振周波数f1は、2つの共振周波数のうち低い周波数帯(例えば、900MHz帯)のものであり、アンテナ素子ATと、第1エレメント3と、第1補助アンテナ部6の長さと、各浮遊容量Ca〜Cfとで決定される。
また、上記第2の共振周波数f2は、2つの共振周波数のうち高い周波数帯(例えば、1800MHz帯)のものであり、第1エレメント3と、第2エレメント4と、第2補助アンテナ部7の長さと、浮遊容量Ca,Cb,Cc,Cg,Chとで決定される。
また、第2の共振周波数f2の最終的な調整は、第2受動素子P2を用いてフレキシブルに調整可能である。
また、第2の共振周波数f2におけるインピーダンスは、各浮遊容量Ca,Cb,Cc,Cg,Chで決定される。
さらに、各共振周波数に対して、第3受動素子P3を用いて、最終的なインピーダンス調整をフレキシブルに行うことができる。
また、第2の共振周波数f2は、主に図4中の破線A2で囲まれた部分で調整される。
このように、アンテナ動作において、アンテナ素子AT及び各受動素子P1〜P3だけでなく、エレメント間の浮遊容量と、各エレメントとグランド面GNDとの間の浮遊容量と、第1及び第2補助アンテナ部6,7と各エレメントやグランド面GNDとの浮遊容量とを利用することで、アンテナ占有領域の小型化を実現することができる。
さらに、第1及び第2補助アンテナ部6,7と基板本体2の平面内の各エレメントとの延在形状で設計が可能であり、従来の誘電体ブロックや樹脂成型体等を使用する場合に比べて薄型化が可能であると共に、誘電体アンテナであるアンテナ素子ATの選択によって、小型化および高性能化が可能になる。また、金型、設計変更等によるコストが必要なく、低コストを実現することができる。
さらに、第1補助アンテナ部6の開放端が、アンテナ素子ATの開放端に対して逆方向に向けて配されているので、互いのインピーダンスが高い部分同士が逆向きとなり、結合を抑制することができると共に、互いの間に生じる浮遊容量を効果的に利用することができる。
図5に示すように、本発明の実施例では、第1の共振周波数f1:927.13MHz、VSWR:1.17、帯域幅(V.S.W.R≦3):82.9MHzであり、第2の共振周波数f2:1848.97MHz、VSWR:1.28、帯域幅(V.S.W.R≦3):593.1MHzであった。
図7は、1800MHz帯域の第2の共振周波数f2における放射パターン(YZ面)であり、平均電力利得が−0.4dBiであった。
この結果からわかるように、各配置に対して共振周波数は、900/1800MHz帯共に±1%程度のわずかな変化に抑えられており、第1及び第2補助アンテナ部の配置に帯する周波数変動が少なく、実装する機器毎の対応が容易であることがわかる。
また、第4延在部へのアンテナ素子の採用により浮遊容量Caを大きく得ることもできる。
Claims (6)
- 絶縁性の基板本体と、
該基板本体にそれぞれ金属箔でパターン形成されたグランド面、第1エレメントおよび第2エレメントとを備え、
前記第1エレメントが、前記グランド面側に配した基端に給電点が設けられて延在し、途中に誘電体アンテナのアンテナ素子が接続されていると共に先端に第1補助アンテナ部が接続され、
前記第2エレメントが、前記第1エレメントの基端側に接続されて延在し、途中に受動素子が接続されていると共に先端に第2補助アンテナ部が接続され、
前記第1補助アンテナ部と前記第2補助アンテナ部とが、可撓性の薄膜導体で形成されていると共に折り返されて前記基板本体の上方に該基板本体との間に間隔を空けて延在していることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1に記載のアンテナ装置において、
前記第1補助アンテナ部と前記第2補助アンテナ部とが、絶縁性フィルムに金属箔でパターン形成されていることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1又は2に記載のアンテナ装置において、
前記第1補助アンテナ部と前記第2補助アンテナ部との開放端が、互いに逆方向に向けて配されていることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
前記第1補助アンテナ部の開放端が、前記アンテナ素子の開放端に対して逆方向に向けて配されていることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
前記第1補助アンテナ部および前記第2補助アンテナ部と前記基板本体との間に、スペーサが設置されていることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1から5のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
前記基板本体に金属箔でパターン形成されていると共に前記第1エレメントの基端から延びて先端が前記給電点から離間した位置で前記グランド面に接続された第3エレメントを備え、
前記第1エレメントが、前記グランド面側に配した基端に給電点が設けられていると共に前記グランド面から離間する方向に延びる第1延在部と、該第1延在部の先端から前記グランド面に沿った方向に延びる第2延在部とを有し、
前記第2エレメントが、前記第1エレメントの基端から前記第1延在部から離間する方向に延びる第3延在部と、該第3延在部の先端から前記第1延在部に沿って前記グランド面から離間する方向に延びる第4延在部とを有し、
前記第1補助アンテナ部が、前記第2延在部の先端から前記基板本体の上方に向けて延在する第5延在部と、該第5延在部の先端から前記第2延在部に沿って延在する第6延在部とを有し、
前記第2補助アンテナ部が、前記第4延在部の先端から前記基板本体の上方に向けて延在する第7延在部と、該第7延在部の先端から前記第6延在部に沿って延在する第8延在部とを有し、
前記第2延在部が、前記グランド面との間の浮遊容量を発生可能に前記グランド面に対して間隔を空けて延在していると共に途中に前記アンテナ素子が設けられていることを特徴とするアンテナ装置。
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