JP6327461B2 - アンテナ装置 - Google Patents
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例えば、誘電体ブロックによる従来技術としては、特許文献1では、放射電極を樹脂成型体に形成し、さらに誘電体ブロックを接着剤で一体化することで高効率を得る複合アンテナが提案されている。
すなわち、特許文献1に記載のような誘電体ブロックによる技術では、放射電極を励振する誘電体ブロックを使用しており、機器毎に誘電体ブロック、放射電極パターン等の設計が必要になり、その設計条件によってアンテナ性能が劣化したり、不安定要素が増加する不都合がある。また、放射電極が樹脂成型体の表面に形成されているため、樹脂成型体上に放射電極パターンを設計する必要があり、実装する通信機器やその用途に応じて、アンテナ設計、金型設計が必要になり、大幅なコストの増大を招いてしまう。さらに、誘電体ブロックと樹脂成型体とを接着剤で一体化するので、接着剤のQ値以外にも接着条件(接着剤の厚み、接着面積等)により、アンテナ性能が劣化したり、不安定要素が増加する不都合がある。
また、特許文献2に記載のようなスイッチ,制御電圧源を用いたアンテナ装置の場合、スイッチで共振周波数を切り替えを行うために、制御電圧源の構成やリアクタンス回路等が必要であり、アンテナ構成が機器毎に複雑化し、設計の自由度が無く、容易なアンテナ調整が困難であるという問題があった。
特に、第6延在部と第8延在部との間に、第5延在部の途中から第4延在部と反対方向に突出した容量装荷部が形成されているので、主に第1エレメントで得られる共振周波数と主に第2エレメントで得られる共振周波数とは別の共振周波数を得ることができる。また、容量装荷部の突出量や容量装荷部と第6延在部又は第8延在部との間隔によって、高いインピーダンスである第8延在部の先端側との間で得られる浮遊容量と、給電点に近い第6延在部の基端側との間で得られる浮遊容量とを制御して、インピーダンスや帯域幅の調整を行うことができる。例えば、各浮遊容量との関係にも影響されるが、容量装荷部と第8延在部との間隔を狭くすると、第1エレメント及び第2エレメントの開放端のインピーダンスを高くすることができ、容量装荷部と第6延在部との間隔を狭くすると、第1エレメントまたは第2エレメントで得られる共振周波数の帯域幅を広げることができる。
すなわち、このアンテナ装置では、第12延在部が、容量装荷部に対向しているので、第12延在部と容量装荷部との間に発生した浮遊容量に応じて共振周波数を調整することが可能である。例えば、容量装荷部が第12延在部に近いほど共振周波数が低くなる。また、第2エレメントの一部が矩形状に折り返した形状になり、スペースが小さくても第2エレメントに必要な電気長を得ることができる。
すなわち、このアンテナ装置では、基板本体が、グランド側基板とエレメント側基板とに分割されているので、グランド面を配するスペースがない場合でも、エレメント側基板をグランド面側のグランド側基板と分離して別途設置することで、装置の設置自由度が大幅に向上し、少ないスペースにも対応することができる。
すなわち、このアンテナ装置では、所望の共振周波数に自己共振しないローディング素子のアンテナ素子によってエレメント長の短縮化及び高インピーダンス化と、浮遊容量の増大とが可能になり、複共振化の調整が容易になると共に小型化とアンテナ特性の向上とを図ることができる。
特に、容量装荷部と高インピーダンスであるアンテナ素子との間にも浮遊容量が発生することで、さらに高インピーダンス化を図ることができる。
また、第4延在部に誘電体アンテナのアンテナ素子が接続されていることで、第1エレメントの第4延在部から先端側のエレメント全体を短縮することができ、装置を小型化することができると共にエレメントを高インピーダンスにすることができる。
また、基板本体の平面内で設計が可能であり、従来の誘電体ブロックや樹脂成型体等を使用する場合に比べて薄型化が可能であると共に、誘電体アンテナであるアンテナ素子の選択によって、小型化および高性能化が可能になる。また、金型、設計変更等によるコストが必要なく、低コストを実現することができる。
すなわち、このアンテナ装置では、第2延在部に受動素子が接続されているので、受動素子の選択によって、各共振周波数をフレキシブルに調整可能であり、設計条件に応じた複共振化が可能なアンテナ装置を得ることができる。このように、アンテナ構成上、各共振周波数をフレキシブルに調整できるため、共振周波数の入れ替えが可能になり、用途や機器に応じて受動素子等による調整箇所を変更可能になっている。
本発明のアンテナ装置によれば、基板本体の表面にそれぞれ金属箔でパターン形成された上記の第1エレメント及び第2エレメントを備えているので、各エレメント間やグランドとの間の各浮遊容量とを効果的に利用することで、複共振化させることができる。
特に、第6延在部と第8延在部との間に、第5延在部の途中から第4延在部と反対方向に突出した容量装荷部が形成されているので、主に第1エレメントで得られる共振周波数と主に第2エレメントで得られる共振周波数とは別の共振周波数を得ることができる。
また、エレメントに接続するアンテナ素子や受動素子の選択によって、各共振周波数をフレキシブルに調整可能であり、設計条件に応じた複共振化が可能になると共に、小型化および高性能化が可能になる。
したがって、本発明のアンテナ装置は、多様な用途や機器に対応した複共振化が容易に可能になると共に、省スペース化を図ることができる。
上記第1エレメント3は、グランド面GNDに近接した基端側に給電点FPが設けられていると共にグランド面GNDから離間する方向に向けて延在する第1延在部E1と、第1延在部E1の先端から第1延在部E1に直交する方向に延在する第2延在部E2と、第2延在部E2の先端から第2延在部E2に直交する方向であってグランド面GND側以外の方向に向けて延在する第3延在部E3と、第3延在部E3の先端から第3延在部E3に直交する方向に延在する第4延在部E4と、第4延在部E4の先端から第4延在部E4に直交する方向に延在する第5延在部E5とを有している。
このように、グランド面GNDに対向する基板本体2の一辺2aとグランド面GNDとの間には、上記各エレメントが形成され、アンテナ占有領域となっている。
さらに、第2延在部E2には、第1受動素子P1〜第4受動素子P4が接続されている。すなわち、第1受動素子P1及び第3受動素子P3は、第2延在部E2に直列に接続されており、第2受動素子P2は、第1受動素子P1と第3受動素子P3との間とグランド面GNDとの間に接続され、第4受動素子P4は、第3受動素子P3の基端側とグランド面GNDとの間に接続されている。このように、第1受動素子P1〜第3受動素子P3によってT型の調整回路を接続した構成を得ている。なお、本実施形態では、1段のT型の調整回路としているが、2段以上のT型調整回路を構成するように受動素子を接続しても構わない。
なお、上記給電点FPは、それぞれ高周波回路(図示略)の給電点に接続される。この給電点FPには、例えば高周波回路に接続された同軸ケーブル(図示略)の芯線が接続され、該同軸ケーブルのグランド線は、近傍のグランド面GNDに接続される。また、グランド面GNDの領域には、高周波回路が実装される。
上記各受動素子は、例えばインダクタ、コンデンサ、抵抗又はジャンパー線が採用される。
このアンテナ素子ATは、共振周波数等の設定に応じて、その長さ、幅、導体パターン等が異なる素子を選択しても構わない。また、所望の周波数によっては、アンテナ素子ATに使用している誘電体121を、磁性体、若しくは誘電体と磁性体とを混合した複合材料としても構わない。
すなわち、図3に示すように、第8延在部E8と突出部E5aとの間の浮遊容量Caと、容量装荷部E20と第8延在部E8の先端側との間の浮遊容量Cbと、容量装荷部E20と第12延在部E12との間の浮遊容量Ccと、容量装荷部E20と第6延在部E6との間の浮遊容量Cdと、容量装荷部E20と第3延在部E3の先端との間の浮遊容量Ceと、容量装荷部E20とアンテナ素子ATとの間の浮遊容量Cfと、第5延在部E5とグランド面GNDとの間の浮遊容量Cgと、第8延在部E8の先端側とグランド面GNDとの間の浮遊容量Chと、第9延在部E9とグランド面GNDとの間の浮遊容量Ciと、第6延在部E6と第11延在部E11との間の浮遊容量Cjと、第10延在部E10と第12延在部E12との間の浮遊容量Ckと、第7延在部E7と第10延在部E10との間の浮遊容量Clとが発生可能である。
上記第1の共振周波数f1は、突出部E5aより基端側の第1エレメント3と容量装荷部E20とアンテナ素子ATと浮遊容量とで決定される。また、上記第2の共振周波数f2は、第2エレメント4と浮遊容量とで決定される。また、上記第3の共振周波数f3は、第1エレメント3とアンテナ素子ATと浮遊容量とで決定される。
「第1の共振周波数f1について」
上記第1の共振周波数f1の周波数は、突出部E5aより基端側の第1エレメント3と容量装荷部E20とアンテナ素子ATと浮遊容量Ca,Cb,Cc,Cd,Ce,Cf,Cgにより設定および調整することができる。
また、第1の共振周波数f1のインピーダンス調整は、浮遊容量Ca,Cb,Cc,Cd,Ce,Cf,Cgの各浮遊容量の設定で行うことができる。
さらに、最終的な周波数調整は、第1受動素子P1及び第3受動素子P3の選択によりフレキシブルに行うことが可能である。なお、最終的なインピーダンス調整は、第2受動素子P2の選択によりグランド面GND側に流れる高周波電流の流れをコントロールすることで、フレキシブルに行うことが可能である。
このように第1の共振周波数f1は、主に図2中の一点鎖線A1の部分で調整される。
上記第2の共振周波数f2の周波数は、第2エレメント4と浮遊容量Ca,Cb,Cc,Cd,Ch,Ci,Cj,Ck,Clとにより設定および調整することができる。
また、第2の共振周波数f2のインピーダンス調整は、浮遊容量Ca,Cb,Cc,Cd,Ch,Ci,Cj,Ck,Clの各浮遊容量の設定で行うことができる。
さらに、最終的な周波数調整は、第3受動素子P3の選択によりフレキシブルに行うことが可能である。なお、最終的なインピーダンス調整は、第4受動素子P4の選択によりグランド面GND側に流れる高周波電流の流れをコントロールすることで、フレキシブルに行うことが可能である。
このように第2の共振周波数f2は、主に図2中の二点鎖線A2の部分で調整される。
上記第3の共振周波数f3の周波数は、第1エレメント3とアンテナ素子ATと浮遊容量Ca,Cgとにより設定および調整することができる。
また、第3の共振周波数f3のインピーダンス調整は、浮遊容量Ca,Cgの設定で行うことができる。
さらに、最終的な周波数調整は、第3受動素子P3の選択によりフレキシブルに行うことが可能である。なお、最終的なインピーダンス調整は、第4受動素子P4の選択によりグランド面GND側に流れる高周波電流の流れをコントロールすることで、フレキシブルに行うことが可能である。
このように第3の共振周波数f3は、主に図2中の破線A3の部分で調整される。
特に、第6延在部E6と第8延在部E8との間に、第5延在部E5の途中から第4延在部E4と反対方向に突出した容量装荷部E20が形成されているので、主に第1エレメント3で得られる共振周波数と主に第2エレメント4で得られる共振周波数とは別の共振周波数を得ることができる。
例えば、各浮遊容量との関係にも影響されるが、容量装荷部E20と第8延在部E8との間隔を狭くすると、第1エレメント3及び第2エレメント4の開放端のインピーダンスを高くすることができ、容量装荷部と第6延在部E6との間隔を狭くすると、第1エレメント3または第2エレメント4で得られる共振周波数の帯域幅を広げることができる。
また、第4延在部E4に誘電体アンテナのアンテナ素子ATが接続されていることで、第1エレメント3の第4延在部E4から先端側のエレメント全体を短縮することができ、装置を小型化することができると共にエレメントを高インピーダンスにすることができる。
さらに、基板本体2の平面内で設計が可能であり、従来の誘電体ブロックや樹脂成型体等を使用する場合に比べて薄型化が可能であると共に、誘電体アンテナであるアンテナ素子ATの選択によって、小型化および高性能化が可能になる。また、金型、設計変更等によるコストが必要なく、低コストを実現することができる。
上記エレメント側基板2Bは、導電性部材22で接続された状態で、グランド側基板2A上に対向するように設置可能である。すなわち、導電性部材22を介してアンテナ装置21を折り返した状態とすることが可能である。これによって、同一平面上にそれぞれ設置した場合よりも平面上の占有面積を小さくすることができる。
このように第2実施形態のアンテナ装置21では、基板本体が、グランド側基板2Aとエレメント側基板2Bとに分割されているので、グランド面GNDを配するスペースがない場合でも、エレメント側基板2Bをグランド面GND側のグランド側基板2Aと分離して別途設置することで、装置の設置自由度が大幅に向上し、少ないスペースにも対応することができる。
第1受動素子P1:C=3.0pFのコンデンサ
第2受動素子P2:L=1.8nHのインダクタ
第3受動素子P3:R=0Ω(ジャンパー線)
第4受動素子P4:C=1.2pFのコンデンサ
なお、表1において、第1の共振周波数f1の周波数帯は1575MHz、第2の共振周波数f2の周波数帯は2440MHz、第3の共振周波数f3の周波数帯は5200MHzである。
例えば、上述したように、第4延在部にアンテナ素子を設けていることが好ましいが、が、第2エレメントにアンテナ素子を設けてエレメントの短縮化を行い、装置全体の小型化を図っても構わない。
さらに、基板サイズに余裕がある場合には、上記エレメントの一部を、線状若しくは板状の金属を折り返した形状のパターンに置き換えても構わない。また、同一の基板本体の表裏面に対してスルーホールを用いて、螺旋状などの形状に旋回させたパターンにしても構わない。
Claims (5)
- 絶縁性の基板本体と、前記基板本体の表面にそれぞれ金属箔でパターン形成されたグランド面、第1エレメント及び第2エレメントとを備え、
前記第1エレメントが、前記グランド面に近接した基端側に給電点が設けられていると共に前記グランド面から離間する方向に向けて延在する第1延在部と、前記第1延在部の先端から前記第1延在部に直交する方向に延在する第2延在部と、前記第2延在部の先端から前記第2延在部に直交する方向であって前記グランド面側以外の方向に向けて延在する第3延在部と、前記第3延在部の先端から前記第3延在部に直交する方向に延在する第4延在部と、前記第4延在部の先端から前記第4延在部に直交する方向に延在する第5延在部とを有し、
前記第2エレメントが、前記第3延在部の途中に基端が接続され前記第4延在部とは逆方向に延在する第6延在部と、前記第6延在部の先端から前記第5延在部に沿って延在する第7延在部と、前記第7延在部の先端から前記第6延在部に沿って前記第3延在部の先端近傍まで延在する第8延在部とを有し、
前記第6延在部と前記第8延在部との間に、前記第5延在部の途中から前記第4延在部と反対方向に突出した容量装荷部が形成されていることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1に記載のアンテナ装置において、
前記第8延在部が、その基端側に、前記第7延在部の先端から前記第6延在部に沿って延在する第9延在部と、前記第9延在部の先端から前記第6延在部に向けて延在する第10延在部と、前記第10延在部の先端から前記第6延在部に沿って前記第3延在部側に延在する第11延在部と、前記第11延在部の先端から前記第6延在部から離間する方向に延在する第12延在部とを有し、
前記第12延在部が、前記容量装荷部に対向していることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1又は2に記載のアンテナ装置において、
前記基板本体が、前記グランド面と前記第1延在部と前記第2延在部と前記第3延在部の基端側とを有するグランド側基板と、
前記第3延在部の先端側と前記第4延在部と前記第5延在部と前記第2エレメントと前記容量装荷部とを有するエレメント側基板とに分割され、
前記第3延在部の基端側と前記第3延在部の先端側とが、導電性部材を介して電気的に接続されていることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
前記第4延在部に誘電体アンテナのアンテナ素子が接続されていることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
前記第2延在部に受動素子が接続されていることを特徴とするアンテナ装置。
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