JP2013022663A - ドリル - Google Patents

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寛 池内
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Abstract

【課題】銅や銅合金よりなる被削材に対して切刃の直径に応じた所望の内径の加工穴を高品位に形成する。
【解決手段】軸線O回りに回転させられる超硬合金、サーメット、およびセラミックスのうちいずれか1種の超硬質材料または高速度工具鋼よりなるドリル本体1の先端部外周に切屑排出溝4が形成され、この切屑排出溝4のドリル回転方向Tを向く壁面の先端側辺稜部にドリル本体1の内周側から外周側に向かうに従い後端側に向けて延びる切刃5が形成されており、この切刃5の先端Xは、切刃5の直径Dに対して0.01×D以上0.03×D以下の範囲のずれ量δで軸線Oから径方向にずらされているとともに、ドリル本体1が超硬質材料のときは心厚が0.2×D以上とされ、ドリル本体1が高速度工具鋼のとき心厚が0.3×D以上とされる。
【選択図】図2

Description

本発明は、特に銅や銅合金よりなる被削材に穴明け加工を行うのに用いて好適なドリルに関するものである。
一般的な鋼材のドリルによる穴明け加工では、その切削機構に基づく要因や切刃のバランス等により切刃の直径に対して1〜2%の加工穴の拡大が発生するのに対し、銅や銅合金の穴明け加工では逆に加工穴が収縮することが知られている。そこで、特許文献1には、このような銅および銅合金の穴明けに適したツイストドリルとして、バックテーパを0.056/100〜0.187/100と大きくすることにより、収縮した被削材の加工穴側面との摩擦抵抗による折損を防ぐようにしたドリルが提案されている。
特開2008−000875号公報
ところで、このようなドリルは、切刃の摩耗が進行したときには先端逃げ面を研削して後退させることにより切刃に再研磨を施して再利用するのが一般的であるが、特許文献1に記載されたようにバックテーパを大きくしたドリルでは、再研磨によって先端逃げ面を所定量後退させたときの切刃の直径の縮小率が大きくなってしまう。従って、被削材に形成されるべき加工穴の内径も再研磨後では再研磨前に比べて著しく縮小してしまうため、特に銅や銅合金よりなる被削材に穴明け加工を行う場合には加工穴自体が収縮することも相俟って、少ない再研磨回数で加工穴の内径が所望の大きさに達しなくなって、ドリル寿命が短くなるという問題がある。
本発明は、このような背景の下になされたもので、銅や銅合金よりなる被削材に対して切刃の直径に応じた所望の内径の加工穴を高品位に形成することが可能なドリルを提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、第1に、軸線回りに回転させられる超硬合金、サーメット、およびセラミックスのうちいずれか1種よりなるドリル本体の先端部外周に切屑排出溝が形成され、この切屑排出溝のドリル回転方向を向く壁面の先端側辺稜部に上記ドリル本体の内周側から外周側に向かうに従い後端側に向けて延びる切刃が形成されており、この切刃の先端は、該切刃の直径Dに対して0.01×D以上0.03×D以下の範囲のずれ量で上記軸線から径方向にずらされているとともに、上記ドリル本体の心厚が0.2×D以上とされていることを特徴とする。
また、本発明は、第2に、軸線回りに回転させられる高速度工具鋼よりなるドリル本体の先端部外周に切屑排出溝が形成され、この切屑排出溝のドリル回転方向を向く壁面の先端側辺稜部に上記ドリル本体の内周側から外周側に向かうに従い後端側に向けて延びる切刃が形成されており、この切刃の先端は、該切刃の直径Dに対して0.01×D以上0.03×D以下の範囲のずれ量で上記軸線から径方向にずらされているとともに、上記ドリル本体の心厚が0.3×D以上とされていることを特徴とする。
このように構成された本発明のドリルにおいては、ドリル本体の内周側から外周側に向かうに従い後端側に向けて延びる切刃の先端が、切刃の直径Dに対して0.01×D以上0.03×D以下の範囲のずれ量でドリル本体の回転軸線から径方向にずらされているので、この切刃の先端が被削材に食いつくと、切刃はこの先端を中心として、先端がずらされた側と反対側の切刃が直径Dよりも上記ずれ量に応じた分だけ大きな直径で回転させられることになる。
従って、銅や銅合金よりなる被削材に対して、切刃自体の直径Dは変えることなく大きな内径の加工穴を形成することができ、加工穴が収縮したときに所望の内径とすることができる。その一方で、切刃の先端がドリル本体の軸線に対してずらされた側では、加工穴の内周面とドリル本体の先端部外周との間に上記ずれ量分のクリアランスが生じるので、特許文献1に記載のドリルのようにバックテーパを大きくしなくても、収縮した加工穴内周面との摩擦抵抗を抑えて折損等を防止することができ、再研磨による切刃の直径の収縮率を小さくしてドリル寿命の延長を図ることができる。
ここで、上記ずれ量が切刃の直径Dに対して0.01×Dを下回るほど小さいと、上述のように加工穴が収縮したときに所望の内径とすることができないとともに、切刃の先端がずらされた側での加工穴内周面との上記クリアランスも不十分となり、加工穴内周面にキズが形成されたり、ドリルの外周に著しい損傷が発生したりする。一方、逆にずれ量が0.03×Dを上回るほど大きいと、切刃の振れ回りが大きくなって加工穴内周面にキズやライフリングマークが形成され、面粗さの劣化を招いたりするとともに、切刃の先端がずらされた側とその反対側とで切削負荷に偏りが生じて加工穴を安定して所望の内径に穿設することができなくなり、必要以上に内径の大きな加工穴が形成されてしまう。
さらに、ドリル本体が超硬合金、サーメット、およびセラミックスのうちいずれか1種の超硬質材料よりなる場合はドリル本体の心厚が0.2×Dを下回ると、またドリル本体がこれら超硬質材料よりは硬度の低い高速度工具鋼よりなる場合はドリル本体の心厚が0.3×Dを下回ると、ドリル本体先端部の剛性が損なわれて穴明け加工時の挙動が不安定となり、所望の内径の加工穴が形成されなかったり、逆に内径が必要以上に大きくなったり、加工穴内周面にキズやライフリングマーク、面粗さの劣化が生じたりする。
なお、この心厚は大きいほどドリル本体先端部の剛性は高められるが、その一方で切屑排出性が損なわれて切屑詰まりにより加工穴内周面が傷つけられたり、切刃の欠損や、場合によってはドリル本体の折損に繋がるおそれもある。このため、ドリル本体が超硬合金、サーメット、またはセラミックスよりなる場合や高速度工具鋼よりなる場合でも、心厚は切刃の直径Dに対して0.5×D程度までとされるのが望ましい。
以上説明したように、本発明によれば、銅や銅合金よりなる被削材に対して、ドリル本体の折損を防ぐとともに、加工穴内周面の面精度を確保しつつ、安定して所望の内径の加工穴を形成することができる。
本発明の一実施形態を示す側面図である。 図1に示す実施形態の拡大正面図である。 図2におけるZ−O−X−Y断面図である。
図1ないし図3は、本発明の一実施形態を示すものである。本実施形態のドリルは、そのドリル本体1が、超硬合金、サーメット、およびセラミックスのうちいずれか1種よりなる超硬質材料、または高速度工具鋼により一体に形成されて、外形が軸線Oを中心とした円柱状をなし、このドリル本体1の後端部(図1において左側部分)が円柱状のままのシャンク部2とされるとともに、先端部(図1において右側部分)は刃部3とされている。ただし、図示の例ではシャンク部2の後端面の外周に面取りが施されている。
一方、刃部3には、その先端面から後端側に向けて、穴明け加工時のドリル回転方向Tに対する後方側に向かうように上記軸線O回りに捩れる一対の切屑排出溝4が軸線Oに関して180°回転対称に形成されており、これらの切屑排出溝4はドリル本体1の後端側で外周側に切れ上がって終端をなしている。従って、この切屑排出溝4の終端すなわち切上げ端の位置を境界として、これよりも後端側がシャンク部2とされ、先端側が刃部3とされる。
また、刃部3の先端面は、内周側の軸線O周辺から外周側に向かうに従い後端側に向かうように傾斜させられるとともに、切屑排出溝4のドリル回転方向Tを向く壁面との交差稜線からドリル回転方向Tの後方側に向けても後端側に向かうように傾斜させられている。そして、この交差稜線すなわち上記壁面の先端側辺稜部に切刃5が形成され、従ってこの切刃5に連なる切屑排出溝4のドリル回転方向Tを向く上記壁面は切刃5のすくい面とされ、また切刃5に連なる先端面は該切刃5の先端逃げ面とされる。
なお、本実施形態では、この先端逃げ面にシンニングが施されることによって上記切刃5の内周側にシンニング刃5Aが形成されている。このシンニングは本実施形態ではX形シンニングと称されるもので、一対の切屑排出溝4の先端側辺稜部に形成された一対の上記切刃5のシンニング刃5A同士は、チゼルエッジを介することなく略1点の交点において交差させられ、この交点を先端Xとして切刃5は、内周側のシンニング刃5Aからドリル本体1の外周側に向かうに従い後端側に向かうように所定の先端角をもって傾斜させられている。
そして、この切刃5の先端Xは、切刃5の直径Dに対して0.01×D以上0.03×D以下の範囲のずれ量δで上記軸線Oから径方向にずらされている。ここで、切刃5の直径Dは、切刃5の外周端が軸線O回りになす円の直径とされ、本実施形態では一対の切刃5同士の当該直径Dは互いに等しくされている。なお、本実施形態では上記先端Xは、図2に示すように一対の切刃5の外周端同士を結ぶ直径線Lに対しては、先端Xがずらされた側の切刃(図2において右側の切刃)5のドリル回転方向T後方側に位置させられているが、この直径線Lに対してドリル回転方向T側に位置していてもよく、また直径線L上に位置して軸線Oからずらされていてもよい。
一方、ドリル本体1先端部の切屑排出溝4が形成された上記刃部3において、軸線Oに直交する断面における該軸線Oを中心とした上記切屑排出溝4の溝底面に接する円の直径、すなわち心厚は、ドリル本体1が超硬合金、サーメット、およびセラミックスのうちいずれか1種の超硬質材料よりなる場合は、上記切刃5の直径Dに対して0.2×D以上とされている。また、ドリル本体1が、これら超硬質材料よりは硬度の低い高速度工具鋼よりなる場合は、上記心厚は0.3×D以上とされている。
このように構成されたドリルは、上記シャンク部2が工作機械の主軸に装着されて、軸線O回りにドリル回転方向Tに回転されつつ該軸線O方向先端側に送り出されることにより、上記一対の切刃5によって銅や銅合金よりなる被削材に穴明け加工を行う。ところが、これらの切刃5の先端Xは、ドリル本体1の回転中心となる軸線Oからずらされているので、この切刃5の先端Xが被削材に食いつくと、刃部3の先端部はこの先端Xを中心に軸線Oから偏心して回転しながら送り出されることになる。
従って、このように偏心した刃部3によって被削材に形成される加工穴の内径(直径)は、軸線Oからずらされた先端Xと、この先端Xがずらされた側の切刃5とは反対側の切刃(図2において左側の切刃)5の外周端との間の先端Xに対する径方向の距離の2倍となり、すなわち上記ずれ量δに応じて、切刃5の直径Dよりも大きな直径の加工穴が形成される。このため、切刃5の直径Dは変えることなく、こうして直径の大きな加工穴が形成されるので、銅や銅合金よりなる被削材の穴明け加工で加工穴が収縮しても、収縮後の加工穴の内径を切刃5の直径Dに、より等しくすることができる。
その一方で、先端Xがずらされた側の切刃5の外周端と先端Xとの径方向の距離は、上記先端Xがずらされた側とは反対側の切刃5の外周端との距離よりも短くなるので、この先端Xがずらされた側では、刃部3の外周面と加工穴の内周面との間に、やはり上記ずれ量δに応じたクリアランスが生じることになる。このため、特許文献1に記載されたドリルのような大きなバックテーパを与えなくても、加工穴内周面との摩擦抵抗を抑えてドリル本体1の著しい損傷等を防止することができ、従って再研磨による切刃5の直径Dの収縮率を小さくして長寿命のドリルを提供することが可能となる。
また、上記ずれ量δは、切刃5の直径Dに対して0.01×D以上0.03×D以下の範囲とされているので、加工穴の内径が必要以上に大きくなったり所望の内径に至らなかったりするのを防ぐことができるとともに、加工穴の面粗さや品位が損なわれるのも防止することができる。すなわち、このずれ量δが切刃5の直径Dに対して0.01×Dを下回るほど小さいと、銅や銅合金よりなる被削材において加工穴が収縮したときに所望の内径とすることができなくなるとともに、切刃5の先端Xがずらされた側での加工穴内周面との刃部3外周面との上記クリアランスも不十分となって摩擦を十分に抑えることができなくなり、加工穴内周面にキズが形成されたり、ドリル外周部に著しい損傷が発生したりする。
一方、逆にずれ量δが切刃5の直径Dに対して0.03×Dを上回るほど大きいと、先端Xを中心として回転する切刃5の振れ回りが大きくなり、必要以上に内径の大きな加工穴が形成されてしまうとともに、加工穴内周面にキズやライフリングマークが形成され易くなる。また、先端Xがずらされた側の切刃5とこれとは反対側の切刃5とで切削負荷に偏りが生じてしまうので、加工穴の中心が偏心したり歪んだ加工穴が形成されたりして、加工穴を安定して所望の内径に穿設することができなくなる。
さらに、上記構成のドリルでは、切刃5が形成されるドリル本体1先端部の刃部3の心厚が、切刃5の上記直径Dに対して、ドリル本体1が超硬合金、サーメット、およびセラミックスのうちいずれか1種の超硬質材料よりなる場合は0.2×D以上とされ、ドリル本体1が高速度工具鋼よりなる場合はこれよりも大きく0.3×D以上とされているので、こうして切刃5の先端Xを軸線Oからずらしても、より安定した穴明け加工を行うことができる。
すなわち、ドリル本体1が高速度工具鋼のときには刃部3の心厚が0.3×Dより小さく、またこれよりも高硬度の上記超硬質材料によってドリル本体1が形成されているときでも刃部3の心厚が0.2×Dより小さいと、刃部3の剛性が損なわれてしまうため、特に上述のように切刃5の先端Xが軸線Oからずらされていると穴明け加工時の刃部3の挙動が不安定となってしまう。このため、やはり加工穴の直進度や真円度が損なわれて所望の加工穴が形成されなかったり、内径が必要以上に大きくなったり、加工穴内周面にキズやライフリングマーク、面粗さの劣化が生じたりする。
ただし、この心厚を大きくしすぎると、剛性は確保されても切屑排出溝4の断面積が小さくなって円滑な切屑排出に支障を来し、切屑詰まりによって却って加工穴内周面の面粗さが劣化したり、切刃5に欠損が生じたり、穴明け加工時の抵抗が増大して場合によってはドリル本体1の折損を招いたりするおそれもあるので、ドリル本体1が上述のような超硬質材料の場合でも、高速度工具鋼の場合でも、刃部3の心厚は切刃5の直径Dに対して0.5×D程度までとされるのが望ましい。
なお、本実施形態では、上述のように切刃5の内周側において先端逃げ面にX形シンニングが施されることにより、一対の切刃5のシンニング刃5Aがチゼルを介することなく交差して、その交点が切刃5の先端Xとされているが、シンニングが施されていない場合や施されている場合でも、一対の切刃の先端逃げ面が交差してチゼルが形成されて、このチゼルに切刃5が連なることにより、チゼルが切刃5の先端Xとされていてもよい。このときの先端Xのずれ量δは、チゼルの中心の軸線Oからのずれ量とすればよい。
以下、本発明の実施例を挙げて、本発明の効果について実証する。本実施例では、基本構成が上記実施形態に基づいたドリルにおいて、心厚と、ずれ量δを0mmも含めて種々に変化させた複数種のドリルを、ドリル本体1が上記超硬質材料のうち超硬合金のものと高速度工具鋼のものとで製造し、これらのドリルによって銅または銅合金よりなる被削材に穴明け加工を行って、その際の加工穴の内径精度と内周面の状態とを確認して評価した。この結果を、ドリル本体1が超硬質材料のときの加工穴内径精度については表1に、内周面の状態については表2に、またドリル本体1が高速度工具鋼のときの加工穴内径精度については表3に、内周面の状態については表4に,それぞれ示す。
これらのドリルは、いずれも切刃5の直径Dが7.0mmとされており、従って表1〜4においてずれ量δが0.07mm(0.01×D)、0.14mm(0.02×D)、および0.21mm(0.03×D)のもので、表1、2では心厚が0.2×D以上のものが、また表3、4では心厚が0.3×D以上のものが本発明の実施例のドリルとなり、それ以外のものは実施例に対する比較例となる。なお、ドリル本体1の全長は90mm、切屑排出溝4の軸線O方向の長さすなわち刃部3の長さは48mm、切屑排出溝4の捩れ角は30°、切刃5の先端角は140°であった。
また、表1、3の加工穴の内径精度の評価は、直径7.0mmの内径測定用のピンを用いて、加工穴にピンが入らないものはバツ印、かろうじてピンは入るがかなりきつめのものは丸印、ピンがスムーズに入ってなおかつ振れが生じたりしないものを二重丸、ピンは入っても振れやぐらつきを生じるものを三角印とした。さらに、表2、4の加工穴内周面の状態の評価は、内周面にキズやライフリングマークが確認されたものはバツ印、大きなキズやライフリングマークは認められないが面粗さが少し粗めのものを三角印、キズなどは認められず面粗さも滑らかなものを二重丸印とした。
なお、表1、2に評価を示した穴明け加工における被削材は、株式会社神戸製鋼所の商品名:HR750(銅合金)製の厚さ30mmの板材であって、立形マシニングセンタにより切削速度30m/min、送り量0.2mm/revで貫通穴を形成した。また、表3、4に評価を示した穴明け加工における被削材は、JIS H 3100:2006に規定される合金番号C2801の黄銅製の厚さ30mmの板材であって、立形マシニングセンタにより切削速度20m/min、送り量0.15mm/revで、やはり貫通穴を形成した。
Figure 2013022663
Figure 2013022663
Figure 2013022663
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このうち、まず表1、3に示した加工穴の内径精度の結果については、ずれ量δが0.01×D以上0.03×D以下の範囲にあって、ドリル本体1が超硬合金のものでは心厚が0.2×D以上のもの、またドリル本体1が高速度工具鋼のものでは心厚が0.3×D以上のもの、すなわち本発明に係わる実施例のドリルにより穴明けされた加工穴は、評価がいずれも二重丸で、切刃5の直径D通りの精度の高い加工穴が形成されているのが確認できた。
これに対して、ずれ量が0mmであって、すなわち切刃の先端とドリル本体の軸線が一致した通常のドリルでは、いずれも加工穴が収縮してピンが入らず、また、ずれ量が0.035mm(0.005×D)と小さいドリルでも、加工穴の収縮によってピンが入らなかったり、入るにしてもかなりきつめであったりして所望の内径は得られておらず、これは、ずれ量が0.07mm(0.01×D)であっても心厚が小さいドリルでは同様であった。逆に、ずれ量が0.03×Dよりも大きい0.28mm(0.04×D)のものでは、心厚が大きいものでは二重丸の評価であったが、心厚の小さいものでは内径が拡大しすぎており、これはずれ量が0.21mm(0.03×D)のものでも心厚が小さいものでは同様であった。
一方、加工穴の内周面の評価については、やはり本発明に係わる実施例のドリルにより形成された加工穴は、いずれもキズやライフリングマークがなく、また面粗さも良好で滑らかであったのに対し、ずれ量0mmの通常のドリルによって穴明けされた加工穴では、いずれも内周面にキズが認められ、これはずれ量が0.035mmと小さいもののうち心厚の大きいものも同様であった。また、逆にずれ量が0.28mmと大きくて心厚が小さいものにはライフリングマークが見られた。また、心厚が小さいものでは、ずれ量が0.01×D以上0.03×D以下の範囲にあるものでも、キズやライフリングマークが認められるものや、大きなキズはないものの面粗さが粗いものがある。
従って、これら加工穴の内径精度と内周面の状態の総合評価により、ドリル本体1が超硬合金のものにあっては、ずれ量δが0.01×D以上0.03×D以下の範囲にあって、心厚が0.2×D以上のもの、またドリル本体1が高速度工具鋼のものでは、ずれ量δがやはり0.01×D以上0.03×D以下の範囲にあって、心厚が0.3×D以上のものである本発明の実施例のドリルが、銅合金に対して優れた内径精度と内周面品位の加工穴を形成することができるのが分かる。
1 ドリル本体
2 シャンク部
3 刃部
4 切屑排出溝
5 切刃
5A シンニング刃
O ドリル本体1の回転軸線
T ドリル回転方向
X 切刃5の先端
D 切刃5の直径
δ 先端Xの軸線Oからのずれ量

Claims (2)

  1. 軸線回りに回転させられる超硬合金、サーメット、およびセラミックスのうちいずれか1種よりなるドリル本体の先端部外周に切屑排出溝が形成され、この切屑排出溝のドリル回転方向を向く壁面の先端側辺稜部に上記ドリル本体の内周側から外周側に向かうに従い後端側に向けて延びる切刃が形成されており、この切刃の先端は、該切刃の直径Dに対して0.01×D以上0.03×D以下の範囲のずれ量で上記軸線から径方向にずらされているとともに、上記ドリル本体の心厚が0.2×D以上とされていることを特徴とするドリル。
  2. 軸線回りに回転させられる高速度工具鋼よりなるドリル本体の先端部外周に切屑排出溝が形成され、この切屑排出溝のドリル回転方向を向く壁面の先端側辺稜部に上記ドリル本体の内周側から外周側に向かうに従い後端側に向けて延びる切刃が形成されており、この切刃の先端は、該切刃の直径Dに対して0.01×D以上0.03×D以下の範囲のずれ量で上記軸線から径方向にずらされているとともに、上記ドリル本体の心厚が0.3×D以上とされていることを特徴とするドリル。
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