JP2013006946A - 湿気硬化型樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】貯蔵安定性および硬化後の難燃性に優れた湿気硬化型樹脂組成物を提供する。
【解決手段】加水分解性シリル基を有する有機重合体(A)と、酸化ナトリウム量が1000ppm以下である水酸化アルミニウム(B)と、4価のスズ化合物(C)と、を含有し、上記水酸化アルミニウム(B)の含有量が、上記有機重合体(A)100質量部に対して、30〜300質量部であり、上記スズ化合物(C)の含有量が、上記有機重合体(A)100質量部に対して、0.1〜10質量部である、湿気硬化型樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、湿気硬化型樹脂組成物に関する。
従来、難燃性を有しない有機系の樹脂に難燃性を付与する方法として、(i)ハロゲン化合物および酸化アンチモンの添加、(ii)赤リン、リン酸エステル等のリン系化合物の添加、(iii)無機フィラーの添加、という3つの方法が広く知られている。
しかし、上記(i)および(ii)の使用には問題がある。すなわち、ハロゲンは燃焼時にダイオキシン類を発生させるため使用が規制されており、赤リンは燃焼時に有毒なホスフィンを生じるため安全上問題がある。また、リン酸エステル等の有機リン化合物は、水質汚染の原因となるのに加えて、変成シリコーンポリマーの硬化系においては硬化不良を引き起こすため、とりわけ接着剤やシーリング剤用途には不適である。
そこで、近年、環境や衛生上の観点から、安全な上記(iii)が広く使用されている。なかでも、水和フィラーである水酸化アルミニウム(Al23・3H2O)は、吸熱量が比較的大きく、熱分解温度が低いため、好ましいとされている。
例えば、特許文献1および2には、水酸化アルミニウムを配合した難燃性湿気硬化型組成物が開示されている。
特開2007−84633号公報 特開2007−332258号公報
しかし、本発明者が、特許文献1、2に記載の組成物について詳細に検討したところ、硬化後の難燃性には優れるものの、貯蔵安定性に劣ることが明らかとなった。
そこで、本発明は、貯蔵安定性および硬化後の難燃性に優れた湿気硬化型樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を行った。その結果、水酸化アルミニウムに不純物として含まれる酸化ナトリウム(Na2O)が貯蔵安定性を劣化させることを見出し、さらに、この酸化ナトリウム量が所定量以下であれば、貯蔵安定性の劣化を抑制できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(4)を提供する。
(1)加水分解性シリル基を有する有機重合体(A)と、酸化ナトリウム量が1000ppm以下である水酸化アルミニウム(B)と、4価のスズ化合物(C)と、を含有し、上記水酸化アルミニウム(B)の含有量が、上記有機重合体(A)100質量部に対して、30〜300質量部であり、上記スズ化合物(C)の含有量が、上記有機重合体(A)100質量部に対して、0.1〜10質量部である、湿気硬化型樹脂組成物。
(2)上記水酸化アルミニウム(B)が、脂肪酸、脂肪酸塩および脂肪酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種によって表面処理されている、上記(1)に記載の湿気硬化型樹脂組成物。
(3)上記有機重合体(A)が、上記加水分解性シリル基として、メチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、トリメトキシシリル基およびトリエトキシシリル基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有する、上記(1)または(2)に記載の湿気硬化型樹脂組成物。
(4)上記有機重合体(A)が、上記加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン重合体、および/または、上記加水分解性シリル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の湿気硬化型樹脂組成物。
本発明によれば、貯蔵安定性および硬化後の難燃性に優れた湿気硬化型樹脂組成物を提供することができる。
[湿気硬化型樹脂組成物]
本発明の湿気硬化型樹脂組成物(以下、単に「本発明の組成物」ともいう)は、加水分解性シリル基を有する有機重合体(A)と、酸化ナトリウム量が1000ppm以下である水酸化アルミニウム(B)と、4価のスズ化合物(C)と、を含有し、上記水酸化アルミニウム(B)の含有量が、上記有機重合体(A)100質量部に対して、30〜300質量部であり、上記スズ化合物(C)の含有量が、上記有機重合体(A)100質量部に対して、0.1〜10質量部である、湿気硬化型樹脂組成物である。
以下では、まず、本発明の組成物が含有する各成分について詳述する。
〔有機重合体(A)〕
本発明の組成物が含有する有機重合体(A)は、加水分解性シリル基を有する有機重合体である。
ここで、加水分解性シリル基は、ケイ素原子に結合した1〜3個のヒドロキシ基および/または加水分解性基を有し、湿気や架橋剤の存在下、必要に応じて触媒等を使用することにより縮合反応を起こしてシロキサン結合を形成することにより架橋しうる基である。
なお、加水分解性基としては、例えば、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アシロキシ基、アミノ基、アミノオキシ基、オキシム基、アミド基等が挙げられる。
このような加水分解性シリル基としては、例えば、アルコキシシリル基、アルケニルオキシシリル基、アシロキシシリル基、アミノシリル基、アミノオキシシリル基、オキシムシリル基、アミドシリル基等が挙げられ、なかでも、取扱いが容易であるという理由から、アルコキシシリル基であるのが好ましい。
アルコキシシリル基のケイ素原子に結合するアルコキシ基としては、特に限定されないが、入手が容易である等の観点から、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が好適に挙げられる。
また、アルコキシシリル基のケイ素原子に結合するアルコキシ基以外の基としては、特に限定されず、例えば、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリールアルキル基等が挙げられ、なかでも、炭素数20以下のアルキル基であるのが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基であるのがより好ましい。
このようなアルコキシシリル基としては、例えば、アルキルジアルコキシシリル基、トリアルコキシシリル基等が挙げられ、なかでも、硬化速度の観点から、メチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基であるのが好ましい。
有機重合体(A)としては、上述したような加水分解性シリル基を有する有機重合体であれば特に限定されないが、例えば、加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン重合体(A1)、加水分解性シリル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体(A2)等が挙げられる。
本発明の組成物は、有機重合体(A)としてオキシアルキレン重合体(A1)を含有することで、硬化後に良好な柔軟性を有し、有機重合体(A)として(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体(A2)を含有することで、オキシアルキレン重合体(A1)を単独で含有するよりも、硬化後の耐熱性に優れる。
<重合体(A1)>
重合体(A1)は、主鎖がオキシアルキレン単量体単位を含み、加水分解性シリル基を1分子中に1個以上有する重合体である。重合体(A1)において、加水分解性シリル基は、分子内の末端に存在していてもよく、側鎖に存在していてもよく、両方に存在していてもよい。
重合体(A1)に含まれるオキシアルキレン単量体単位としては、例えば、−CH2CH2O−、−CH2CH(CH3)O−、−CH2CH(C25)O−、−CH(CH3)CH2O−、−CH(C25)CH2O−、−CH2CH2CH2O−、−CH2CH2CH2CH2O−等が挙げられる。
重合体(A1)の主鎖は、これらの単位の1種のみで構成されていてもよく、2種以上で構成されていてもよい。
重合体(A1)が有する加水分解性シリル基については、上述したとおりである。
加水分解性シリル基は、重合体(A1)の主鎖に対して、直接的に、または、炭化水素基等の有機基を介して間接的に、結合することができる。
重合体(A1)において、加水分解性シリル基の数は、組成物の硬化速度と硬化物の機械物性(特に伸び)とのバランスに優れ、また、貯蔵安定性がより優れるという理由から、1分子あたり、1〜4個であるのが好ましい。
重合体(A1)の数平均分子量は、作業性等の観点から、3,000〜50,000であるのが好ましく、10,000〜30,000であるのがより好ましい。
なお、数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で表わされる分子量である(以下、同様)。
重合体(A1)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、重合体(A1)は、公知の方法によって製造することができる。
重合体(A1)としては、公知のものを用いることができ、例えば、特公昭45−36319号、同46−12154号、同49−32673号、特開昭50−156599号、同51−73561号、同54−6096号、同55−82123号、同55−123620号、同55−125121号、同55−131022号、同55−135135号、同55−137129号、特開平3−72527号などの各公報に記載されているものを用いることができる。また、市販品を用いることができ、その具体例としては、カネカ社製のMSP−S203、MSP−S303、SAX220、SAX510、SAX530、SAX580、旭硝子社製のESS3420、ESA2551等が挙げられる。
<重合体(A2)>
重合体(A2)は、主鎖が(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位を含み、加水分解性シリル基を1分子中に1個以上有する重合体である。重合体(A2)において、加水分解性シリル基は、分子内の末端に存在していてもよく、側鎖に存在していてもよく、両方に存在していてもよい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体の単量体単位としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸ビフェニル等が挙げられる。
なお、重合体(A2)の主鎖においては、これらの単量体単位の割合が50質量%を超えるのが好ましく、70質量%以上であるのがより好ましい。
また、重合体(A2)の主鎖である(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体は、これらの単量体単位のほかに、これらと共重合性を有する単量体単位を含んでいてもよく、例えば、アクリル酸、メタクリル酸などのカルボキシ基を含有する単量体単位;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどのアミド基を含有する単量体単位;グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基を含有する単量体単位;ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ基を含有する単量体単位;ポリオキシエチレン(メタ)アクリレートなどの単量体単位;アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、アルキルビニルエーテル、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エチレンなどに起因する単量体単位;等が挙げられる。
重合体(A2)が有する加水分解性シリル基については、上述したとおりである。
加水分解性シリル基は、重合体(A2)の主鎖に対して、直接的に、または、炭化水素基等の有機基を介して間接的に、結合することができる。
重合体(A2)において、加水分解性シリル基の数は、組成物の硬化速度と硬化物の機械物性(特に伸び)とのバランスに優れ、また、貯蔵安定性がより優れるという理由から、1分子あたり、1〜4個であるのが好ましい。
重合体(A2)の数平均分子量は、作業性等の観点から、500〜100,000であるのが好ましく、1,000〜50,000であるのがより好ましい。
重合体(A2)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、重合体(A2)は、公知の方法によって製造することができる。
重合体(A2)としては、公知のものを用いることができる。また、市販品を用いることができ、その具体例としては、SA100S、SA110S、SA120S、SA200SXなどのカネカテレケリックポリアクリレート(カネカ社製)等が挙げられる。
本発明においては、組成物の粘度と硬化物の機械物性とのバランス、および、硬化物の耐熱性という観点から、上述した重合体(A1)および重合体(A2)を併用するのが好ましい。併用する場合、その質量比(A1/A2)は、20/80〜80/20であるのが好ましく、30/70〜70/30であるのがより好ましい。
〔水酸化アルミニウム(B)〕
本発明の組成物は、不純物としての酸化ナトリウム量が1000ppm以下である水酸化アルミニウム(B)を、上述した有機重合体(A)100質量部に対して、30〜300質量部含有する。
一般的に、水酸化アルミニウム(「Al23・3H2O」または「Al(OH)3」で表される)は、バイヤー法により製造される。すなわち、まず、ボーキサイトを水酸化ナトリウムの高温水溶液に溶かし、得られた溶液を冷却することにより、水酸化アルミニウムを析出させる。
水酸化アルミニウムは、このような工程を経て製造されるため、いわゆる不可避不純物として酸化ナトリウム(Na2O)を含む。
本発明に用いられる水酸化アルミニウム(B)においては、このような酸化ナトリウムの量が、質量比で、1000ppm以下である。
不純物である酸化ナトリウム残分は、上述したように、有機重合体(A)を硬化させて貯蔵安定性を劣化させると考えられるが、本発明の組成物においては、水酸化アルミニウム(B)における酸化ナトリウム量を1000ppm以下という低量にすることで、有機重合体(A)の硬化が抑制されて、貯蔵安定性に優れる。
水酸化アルミニウム(B)の酸化ナトリウム量は、本発明の貯蔵安定性がより優れるという理由から、500ppm以下であるのが好ましく、300ppm以下であるのがより好ましい。
なお、酸化ナトリウム量は、ICP分光分析装置を用いて測定することができる。
水酸化アルミニウム(B)の平均粒径は、0.1〜100μmであるのが好ましく、1〜20μmであるのがより好ましい。水酸化アルミニウム(B)の平均粒径が大きすぎると硬化物の機械物性が劣る傾向にあり、また、小さすぎると組成物の粘度が高くなり作業性が劣る傾向にあるが、水酸化アルミニウム(B)の平均粒径が上記範囲内であれば、硬化物の機械物性が優れ、また、作業性も良好になる。
水酸化アルミニウム(B)は、各種の処理剤によって表面処理されたものであってもよい。このとき、本発明の組成物の貯蔵安定性がより優れるという理由から、脂肪酸、脂肪酸塩および脂肪酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種によって表面処理されたものが好ましく、脂肪酸によって表面処理されたものがより好ましい。
水酸化アルミニウム(B)の表面処理に用いる脂肪酸としては、例えば、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラギン酸などの飽和脂肪酸;オレイン酸、エライジン酸、リノーリ酸、リシノール酸などの不飽和脂肪酸;ナフテン酸などの脂環族カルボン酸;等が挙げられ、なかでも、飽和脂肪酸であるのが好ましく、ステアリン酸であるのがより好ましい。
また、水酸化アルミニウム(B)の表面処理に用いる脂肪酸塩としては、例えば、上記脂肪酸の金属塩が挙げられ、水酸化アルミニウム(B)の表面処理に用いる脂肪酸エステルとしては、例えば、上記脂肪酸のエステルが挙げられる。
水酸化アルミニウム(B)の含有量は、上述した有機重合体(A)100質量部に対して、50〜400質量部であるのが好ましく、100〜250質量部であるのがより好ましい。水酸化アルミニウム(B)の含有量が多いほど難燃性が発現しやすいが、含有量が多すぎると、組成物の粘度が上昇する傾向にあり、また、硬化物の機械物性(伸び)が劣る傾向にある。しかし、水酸化アルミニウム(B)の含有量が上記範囲内であれば、組成物の粘度や硬化物の機械物性が優れる。
〔スズ化合物(C)〕
本発明の組成物は、4価のスズ化合物(C)を、上述した有機重合体(A)100質量部に対して、0.1〜10質量部含有する。スズ化合物(C)は、上述した有機重合体(A)が有する加水分解性シリル基に対して、硬化促進剤として機能するものである。
本発明の組成物に含有されるスズ化合物(C)は、4価のスズ化合物であれば特に限定されず、例えば、モノブチルスズ化合物、ジメチルスズ化合物、ジブチルスズ化合物、ジオクチルスズ化合物等が挙げられ、安全性の観点から、ジオクチルスズ化合物であるのが好ましい。
ジオクチルスズ化合物としては、例えば、ジオクチルスズジステアレート、ジオクチルスズオキサイド、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズジネオデカエート、ジオクチルスズビスエチルマレート、ジオクチルスズビスオクチルマレート、ジオクチルスズビスイソオクチルチオグリコレート、ジオクチルスズマレート、ジオクチルスズジメトキシド、ジオクチルスズオキサイドとフタル酸ジエステルとの反応生成物、ジオクチルスズオキサイドとエチルシリケートとの反応生成物等が挙げられる。
ジオクチルスズ化合物としては、市販品を用いることができ、その具体例としては、ネオスタンU−810、ネオスタンU−820、ネオスタンU−830、ネオスタンS−1(いずれも、日東化成社製)等が挙げられ、なかでも、硬化速度調整、硬化促進効果等の観点から、ネオスタンS−1を好適に用いることができる。
スズ化合物(C)の含有量は、実用的な硬化速度を発現させるという理由から、上述した有機重合体(A)100質量部に対して、0.1〜10質量部であるのが好ましく、0.5〜5質量部であるのがより好ましい。
〔その他の添加剤等〕
本発明の組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、さらに添加剤を含有することができる。
添加剤としては、例えば、フィラー、脱水剤、シランカップリング剤、硬化促進剤、可塑剤、チクソトロピー付与剤、顔料、染料、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、接着付与剤、分散剤、溶剤、等が挙げられる。
フィラーとしては、具体的には、例えば、シリカ、珪酸類、ケイソウ土、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カーボンブラック、クレー、タルク、ベントナイト、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、亜鉛華、シラスバルーン、石綿、ガラス繊維、フィラメント等が挙げられる。
脱水剤としては、ビニルシラン、シリケート化合物等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、エポキシシラン、アミノシラン、(メタ)アクリルシラン等が挙げられる。
硬化促進剤としては、例えば、アミン系化合物が挙げられ、その具体例としては、ブチルアミン、オクチルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール等が挙げられる。
本発明の組成物の製造方法としては、特に限定されず、例えば、上述した各成分を、減圧した窒素雰囲気下において、混合ミキサー等の攪拌装置を用いて十分混練し、均一に分散させて製造する方法が挙げられる。
本発明の組成物は、室温で、例えば大気中の湿気によって硬化することができる。
本発明の組成物を適用する被着体は、特に制限されず、例えば、金属、プラスチック、ゴム、ガラス、セラミック等が挙げられる。
本発明の組成物の用途としては、例えば、接着剤、シーリング材、コーティング材、プライマー、塗料、ポッティング材等が挙げられる。
また、本発明の組成物は、難燃性製品の部品接着用途に使用することができる。ここで、難燃性製品としては、例えば、スピーカー、ビデオカセットプレイヤー、テレビ、ラジオ、エアコン、扇風機、自動販売機、冷蔵庫、パーソナルコンピューター、各種電池、ソーラーパネル、ビデオカメラ、カメラ、自動車部品、精密機器等が挙げられる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1〜6、比較例1〜5>
下記第1表に示す各成分を、同表に示す配合量(単位:質量部)で、プラネタリーミキサーを用いて混合し、各湿気硬化型樹脂組成物(以下、単に「組成物」ともいう)を得た。
<酸化ナトリウム量>
各実施例および比較例について、使用された水酸化アルミニウムB1〜B5の酸化ナトリウム(Na2O)の量は、カタログ値である(単位:ppm(質量比))。
このとき、水酸化アルミニウムB1〜B5の2種以上を併用した場合には、当該2種以上の水酸化アルミニウムの混合物の混合比から、その酸化ナトリウム量を計算により求めた。
<評価>
(初期粘度、促進試験後粘度、粘度変化率)
まず、BS型粘度計(1rpm)を使用し、20℃の条件下で、得られた組成物の初期粘度を測定した(単位:Pa・s)。
次に、得られた組成物を70℃の条件下に3日間置いた後の粘度(促進試験後粘度)を、同様に測定した。
さらに、測定された初期粘度および促進試験後粘度を、下記式に当てはめて、粘度変化率を求めた。
粘度変化率(%)=(促進試験後粘度/初期粘度)×100
測定した粘度および求めた粘度変化率を、下記第1表に示す。粘度変化率が低いほど、貯蔵安定性に優れるものとして評価できる。
(酸素指数)
まず、得られた組成物を、シリコーン離型紙および1.5mmのスペーサーを用いてシート状にして、20℃、7日間養生させた後、離型紙から剥がし、厚さ1.5mm×幅13mm×長さ130mmの硬化シートを得た。
次に、得られた硬化シートについて、JIS K7201−2に準拠して、酸素指数を測定した。測定結果を下記第1表に示す。
なお、酸素指数は、材料の燃えやすさの指標であり、材料の燃焼を維持しうる酸素と窒素との混合物における酸素の最低濃度を示す。一般的に、酸素指数が空気の酸素濃度21(%)より大きい材料は、通常の空気中では燃焼が続けられないものと判断できる。
したがって、酸素指数が大きいほど、難燃性に優れるものとして評価できる。
(UL94垂直燃焼試験)
得られた硬化シートを試料として使用して、UL94規格に基づき垂直燃焼試験を行い、1回目接炎後の残炎時間を測定した。測定結果を下記第1表に示す。残炎時間が短いほど、難燃性に優れるものとして評価できる。なお、試料が燃え尽きて残炎時間を測定できなかった場合には、下記第1表に「×」を記載した。
上記第1表に示す成分は、以下に示すとおりである。
・有機重合体A1:トリメトキシシリル基を末端に有する直鎖状のポリプロピレングリコール(数平均分子量:29,000、商品名:SAX510、カネカ社製)
・有機重合体A2:3−(メチルジメトキシシリル)プロピル基を末端に有するテレケリックポリブチルアクリレート(数平均分子量:22,000、商品名:SA100S、カネカ社製)
・水酸化アルミニウムB1:水酸化アルミニウム(酸化ナトリウム量:100ppm、平均粒径:2μm、商品名:BE033、日本軽金属社製)
・水酸化アルミニウムB2:水酸化アルミニウムB1の表面脂肪酸処理品(脂肪酸:ステアリン酸、酸化ナトリウム量:100ppm、平均粒径:2μm、商品名:BE033S、日本軽金属社製)
・水酸化アルミニウムB3:水酸化アルミニウム(酸化ナトリウム量:3000ppm、平均粒径:2μm、商品名:B703、日本軽金属社製)
・水酸化アルミニウムB4:水酸化アルミニウム(酸化ナトリウム量:3400ppm、平均粒径:1.1μm、商品名:ハイジライトH42、昭和電工社製)
・水酸化アルミニウムB5:水酸化アルミニウムB4の表面脂肪酸処理品(酸化ナトリウム量:3300ppm、平均粒径:1.1μm、商品名:ハイジライトH42S、昭和電工社製)
・炭酸カルシウム:重質炭酸カルシウム(商品名:スーパーS、丸尾カルシウム社製)
・スズ化合物C1:ジオクチルスズ(商品名:ネオスタンS−1、日東化成社製)
・エポキシシラン:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:A−187、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)
・ビニルシラン:ビニルトリメトキシシラン(商品名:A−171、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)
・ジアミノシラン:N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(商品名:A−1120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)
上記第1表に示す結果から、代表的な無機フィラーである炭酸カルシウムを用いた比較例1は、難燃性に劣ることが分かった。
また、酸化ナトリウム量が1000ppmを超えている比較例2〜5については、水酸化アルミニウムを用いているとしても、粘度変化率が高く、貯蔵安定性に劣ることが分かった。
これに対して、水酸化アルミニウムを用い、かつ、酸化ナトリウム量が1000ppm以下である実施例1〜6については、貯蔵安定性および難燃性がともに優れることが分かった。
このとき、実施例1と実施例2とを対比すると、表面脂肪酸処理品である水酸化アルミニウムB2のみを用いた実施例2は、無処理品である水酸化アルミニウムB1のみを用いた実施例1よりも、粘度変化率が低く、貯蔵安定性により優れることが分かった。
また、実施例2と実施例3とを対比すると、水酸化アルミニウムB2をより多くした実施例3は、より難燃性に優れることが分かった。
また、実施例1と実施例4とを対比すると、酸化ナトリウム量がより少ない実施例1の方が、粘度変化率がより低く、貯蔵安定性により優れることが分かった。
また、実施例1,5および6を対比すると、オキシアルキレン重合体である有機重合体A1を用いた場合であっても、(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体である有機重合体A2を用いた場合であっても、貯蔵安定性および難燃性がともに優れることが分かった。

Claims (4)

  1. 加水分解性シリル基を有する有機重合体(A)と、
    酸化ナトリウム量が1000ppm以下である水酸化アルミニウム(B)と、
    4価のスズ化合物(C)と、を含有し、
    前記水酸化アルミニウム(B)の含有量が、前記有機重合体(A)100質量部に対して、30〜300質量部であり、
    前記スズ化合物(C)の含有量が、前記有機重合体(A)100質量部に対して、0.1〜10質量部である、湿気硬化型樹脂組成物。
  2. 前記水酸化アルミニウム(B)が、脂肪酸、脂肪酸塩および脂肪酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種によって表面処理されている、請求項1に記載の湿気硬化型樹脂組成物。
  3. 前記有機重合体(A)が、前記加水分解性シリル基として、メチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、トリメトキシシリル基およびトリエトキシシリル基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有する、請求項1または2に記載の湿気硬化型樹脂組成物。
  4. 前記有機重合体(A)が、前記加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン重合体、および/または、前記加水分解性シリル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体である、請求項1〜3のいずれかに記載の湿気硬化型樹脂組成物。
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