JP2012530602A - 塗料被覆システムおよび多層塗料被覆を生じさせる方法 - Google Patents

塗料被覆システムおよび多層塗料被覆を生じさせる方法 Download PDF

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Abstract

塗料被覆システムは、基体と、基体の表面に配置される第1の塗料層とを含む。第1の塗料層は、第1の錯体解離(decomplexing)剤または第1の有機ボラン錯体のうちのどちらかを含む第1の組成物から形成される。塗料被覆システムはさらに、第1の塗料層の上に配置される第2の塗料層を含む。第2の塗料層は、第1の錯体解離剤および第1の有機ボラン錯体のうちの他方を含む第2の組成物から形成される。第1および第2の組成物のうちの少なくとも1つがさらに、ラジカル重合可能な化合物を含む。多層塗料被覆を生じさせる方法は、基体を提供する工程と、第1の塗料層を基体に塗布する工程と、第2の塗料層を第1の塗料層の上に塗布する工程と、第1および第2の塗料層のうちの少なくとも1つを硬化させる工程とを含む。
【選択図】なし

Description

本発明は一般には塗料被覆システムに関し、より具体的には、有機ボラン錯体を含む塗料被覆システム、および、多層塗料被覆を形成する方法に関する。
様々な塗料被覆が当技術分野では周知であり、一般には、多くの異なる産業において基体に塗布され、基体上で硬化させられる被覆組成物から形成される。これらの塗料被覆は、改善された物理的性質(例えば、紫外線抵抗性、耐腐食性および耐候性など)を有する基体を与えるために、また、審美的目的のための色または光沢を有する基体を与えるために利用される。塗料被覆を上記理由のすべてのために用いる1つの産業が、自動車被覆産業である。
被覆組成物を硬化させて、塗料被覆を形成させる多くの異なる方法がこれまで利用されている。例えば、迅速硬化技術、例えば、UV硬化技術および電子ビーム技術などを使用することにおける関心が、自動車被覆産業では生じている。これらの技術では、UV光によって形成されるラジカルとしてであるか、または、電子ビームから形成される電子としてであるかにかかわらず、自由電子が、被覆組成物を重合し、硬化させるために利用される。これらの技術は、これらとは異なる方法で硬化させた溶媒系被覆および水系被覆と比較した場合、被覆組成物の硬化時間を最小限に抑えるが、高価な設備、例えば、UVランプ、真空、フィラメントなどを必要とする。従って、これらの技術の使用は費用がかかり、時間がかかり、かつ、労働集約的である。
被覆組成物を改善するための1つの試みが、有機ボラン錯体を被覆組成物において利用することである。有機ボランは、周囲空気に由来する酸素と容易に反応して、フリーラジカルを形成し、このフリーラジカルはその後、有機モノマーを重合させて、塗料被覆を形成させることが公知である。有機ボランが酸素と容易に反応することを防止するために、有機ボランは典型的には、アミンと錯化され、それにより、酸素および周囲空気の存在下において一般に安定である有機ボラン錯体を形成する。従って、塗料被覆を形成するために、有機ボラン錯体を含む被覆組成物が基体に塗布される。その後、錯体解離(decomplexing)剤が、有機ボラン錯体を錯体解離させるために被覆組成物に塗布される。錯体解離されるとき、有機ボランはフリーラジカルを形成し、有機モノマーを重合させて、塗料被覆を形成させる。錯体解離剤が有機ボラン錯体を早まって錯体解離させることを防止するために、有機ボラン錯体および錯体解離剤が別個である二成分システムが要求される。そのような二成分システムは、塗料被覆を形成するために要求されるさらなる工程および労働に起因するさらなる費用を持ち込み、従って、望ましくない。加えて、熱が、有機ボラン錯体の錯体解離を開始および/または促進させるために利用されることがある。熱が利用されるとき、この熱はオーブンによって提供され、この場合、そのようなオーブンは高価であり、大型であり、かつ、多量のエネルギーを必要とし、このことはさらに、塗料被覆を形成することにおける費用の一因となる。
前記を考慮して、改善された塗料被覆システムを提供する可能性が依然として残されている。多層塗料被覆を形成するためにオーブンを必要とせず、かつ、多層塗料被覆を形成するために要求される工程を最小限に抑える、多層塗料被覆を形成する改善された方法を提供することはさらに好都合であると考えられる。
本発明は塗料被覆システムを提供する。本発明の塗料被覆システムは、基体と、基体に配置される第1の塗料層とを含む。第1の塗料層は、第1の錯体解離剤または第1の有機ボラン錯体のうちのどちらかを含む第1の組成物から形成される。本発明の塗料被覆システムはさらに、第1の塗料層の上に配置される第2の塗料層を含む。第2の塗料層は、第1の錯体解離剤および第1の有機ボラン錯体のうちの他方を含む第2の組成物から形成される。第1および第2の組成物のうちの少なくとも1つがさらに、フリーラジカル重合可能なモノマー、フリーラジカル重合可能なオリゴマー、フリーラジカル重合可能なポリマーおよびそれらの組合せの群から選択されるラジカル重合可能な化合物を含む。第1の錯体解離剤が、第1の有機ボラン錯体を、第1の塗料層と、第2の塗料層との境界で錯体解離させて、ラジカル重合可能な化合物のフリーラジカル重合を開始させるフリーラジカルを形成させる。
本発明はまた、多層塗料被覆を生じさせるための方法を提供する。本発明の方法は、基体を提供する工程を含む。本発明の方法はさらに、第1の塗料層を基体に塗布する工程を含む。本発明の方法はさらに、第2の塗料層を第1の塗料層の上に塗布する工程を含む。本発明の方法はまた、第1および第2の塗料層のうちの少なくとも1つを硬化させ、それにより、多層塗料被覆を生じさせる工程を含む。
本発明の方法は、優れた物理的性質を有する多層塗料被覆を生じさせる。加えて、第1および第2の塗料層のうちの少なくとも1つを硬化させる工程を、周囲条件で、例えば、外部加熱源の非存在下で行うことができる。第1および第2の塗料層のうちの少なくとも1つを硬化させる工程を外部加熱源の非存在下で行うことができるので、オーブンが本発明の方法には必要とされず、このことは、多層塗料被覆を生じさせる方法に伴う費用を劇的に削減させる。加えて、本発明の塗料被覆システムの第1の組成物および第2の組成物はそれぞれが一成分組成物であり得る。言い方を変えれば、本発明の塗料被覆システムは、第1の塗料層および第2の塗料層のほかには別個の個別的な硬化剤を必要とせず、それにより、塗料被覆システムに伴う費用および生成時間をさらに削減する。このことは、第1の錯体解離剤および第1の有機ボラン錯体が典型的には別個の層に存在すること、そして、第1の錯体解離剤が、第1の有機ボラン錯体を、第1の塗料層と、第2の塗料層との境界で錯体解離させて、ラジカル重合可能な化合物のフリーラジカル重合を開始させるフリーラジカルを形成させるという事実に起因すると考えられる。
本発明の他の利点が容易に認識される。これは、本発明の他の利点が、添付されている図面と併せて検討されるときには下記の詳細な記載を参照することによってよりよく理解されるからである。
第1の塗料層が基体表面に配置され、第2の塗料層が第1の塗料層の上に配置される基体の概略的断面図であり、この場合、第1の塗料層における第1の錯体解離剤と、第2の塗料層における第1の有機ボラン錯体とが、第1の塗料層と、第2の塗料層との境界に位置する。 第1の塗料層が基体表面に配置され、第2の塗料層がベースコート塗料層の上に配置される基体の概略的断面図であり、この場合、第1の塗料層における第1の有機ボラン錯体と、第2の塗料層における第1の錯体解離剤とが、第1の塗料層と、第2の塗料層との境界に位置する。 第1の塗料層が基体表面に配置され、第2の塗料層が第1の塗料層の上に配置される基体の概略的断面図であり、この場合、第1の塗料層がベースコート塗料層であり、第2の塗料層がクリアコート塗料層である。 第1の塗料層が基体表面に配置され、第2の塗料層が第1の塗料層の上に配置される基体の概略的断面図であり、この場合、第1の塗料層がe−コート層であり、第2の塗料層がプライマー層である。 第1の塗料層が基体表面に配置され、第2の塗料層が第1の塗料層の上に配置され、第3の塗料層が第2の塗料層の上に配置される基体の概略的断面図であり、この場合、第1の塗料層がe−コート層であり、第2の塗料層がプライマー層であり、第3の塗料層がベースコート塗料層である。 第1の塗料層が基体表面に配置され、第2の塗料層が第1の塗料層の上に配置され、第3の塗料層が第2の塗料層の上に配置される基体の概略的断面図であり、この場合、第1の塗料層がプライマー層であり、第2の塗料層がベースコート塗料層であり、第3の塗料層がクリアコート塗料層である。 第1の塗料層が基体表面に配置され、第2の塗料層が第1の塗料層の上に配置され、第3の塗料層が第2の塗料層の上に配置され、第4の塗料層が第3の塗料層の上に配置される基体の概略的断面図であり、この場合、第1の塗料層がe−コート層であり、第2の塗料層がプライマー層であり、第3の塗料層がベースコート塗料層であり、第4の塗料層がクリアコート塗料層である。
同じ数字により、対応する部分がいくつかの概略図のすべてを通して示される図を参照して、塗料被覆システムが一般には、10において示される。本発明は、塗料被覆システム10、および、多層塗料被覆を生じさせる方法を提供し、それらのそれぞれが下記においてより詳しく記載される。本発明の塗料被覆システム10および方法は自動車被覆産業のために特に好適である;しかしながら、本発明の塗料被覆システム10および方法は自動車被覆産業に限定されないことを理解しなければならない。例えば、本発明の塗料被覆システム10および方法はコイル被覆産業において利用することができる。
塗料被覆システム10は基体12を含む。基体12はどのようなタイプの材料でも含むことができる(例えば、金属、合金、ポリマー物質など)。加えて、基体12は、その表面に配置される被覆を有することができる。典型的には、基体12は自動車車体である。自動車車体はどのようなタイプの自動車車体でもよいことを理解しなければならない;例えば、自動車車体は、乗用車、トラック、SUV、トレーラー、バスなどであり得る。加えて、用語「自動車車体」は、自動車構成部品、例えば、バンパー、ミラーおよび/または車体パネルなどを包含することを理解しなければならない。上記で示されるように、自動車車体は、その表面に配置される被覆を有することができる。例えば、基体12は、自動車車体の表面に配置されるホスファート被覆、e−コート層14、プライマー層16、または、どのような組合せでも、それらの組合せを有する自動車車体であり得る。
塗料被覆システム10はさらに、基体12の表面に配置される第1の塗料層18を含む。基体12が自動車車体である実施形態において、第1の塗料層18は、例えば、e−コート層14、プライマー層16またはベースコート塗料層20であり得る。第1の塗料層18は、下記においてより詳しく記載される目的のために、第1の錯体解離剤22または第1の有機ボラン錯体24のうちのどちらかを含む第1の組成物から形成される。第1の組成物は第1の錯体解離剤22または第1の有機ボラン錯体24のうちのどちらかを含むが、第1の錯体解離剤22および第1の有機ボラン錯体24のうちの他方もまた、第1の組成物に存在してもよく、ただし、この場合には、第1の錯体解離剤22および第1の有機ボラン錯体24のうちの他方は、フリーラジカル重合を開始させ得るフリーラジカルを形成させるためには不十分である量で存在することを理解しなければならない。例えば、第1の組成物が第1の錯体解離剤22を含む実施形態において、第1の錯体解離剤22が、フリーラジカルの形成を防止するために第1の有機ボラン錯体24に対してモル過剰で存在する限り、第1の組成物はまた、第1の有機ボラン錯体24を含むことができる。
第1の組成物は水系または溶媒系であり得る。いくつかの実施形態において、第1の組成物は第1の錯体解離剤22を含む。第1の錯体解離剤22は典型的には、酸、例えば、カルボン酸、酢酸、アクリル酸、メタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、メタクリル酸無水物、ウンデシレン酸、オレイン酸、アスコルビン酸、塩酸およびラウリン酸など;カルボン酸誘導体、例えば、無水物および/またはスクシナートなど;イソシアナート;アルデヒド;エポキシド;酸クロリド;環状カルボナート;スルホニルクロリド;遷移金属ルイス酸、二酸化炭素;およびこれらの組合せの群から選択される。第1の組成物が第1の錯体解離剤22を含む実施形態において、第1の錯体解離剤22は、第1の組成物を形成するための任意の量で使用することができる。
代替において、いくつかの実施形態において、第1の組成物は第1の有機ボラン錯体24を含む。要求されないが、第1の有機ボラン錯体24は典型的には、有機ボラン−アミン錯体および有機ボラン−チオール錯体から選択される。有機ボラン錯体は、当技術分野ではブロック型有機ボランとしてもまた公知であり、有機ボラン開始剤(すなわち、有機ボラン(R3B))と、ブロック剤(これはまた、当技術分野では錯化剤として示される)との間で形成される錯体である。ブロック剤は、有機ボラン開始剤を周囲条件において、また、ラジカル重合可能な化合物の様々な溶液において安定にする。第1の有機ボラン錯体24が有機ボラン−アミン錯体を含むとき、ブロック剤はアミンを含む。第1の有機ボラン錯体24が有機ボラン−チオール錯体を含むとき、ブロック剤はチオールを含む。
有機ボラン開始剤には典型的には、下記の一般的な構造を有する三官能性ボランが含まれる:
Figure 2012530602
式中、R1、R2およびR3の少なくとも1つが1個または複数個の炭素原子を含み、ホウ素に共有結合するように、R1〜R3のそれぞれが独立して、1個〜20個の炭素原子を有し、かつ、R1〜R3のそれぞれが独立して、水素原子、シクロアルキル基、1個〜12個の炭素原子を骨格に有する線状または枝分かれしたアルキル基、脂肪族基および芳香族基、アルキルアリール基、ホウ素への共有結合架橋として機能し得るアルキレン基、ならびに、それらのハロゲン置換された同族体のうちの1つを含む。R1〜R3のうちの2つまでがまた独立して、R1〜R3の少なくとも1つがホウ素−炭素の共有結合を提供するようなアルコキシ基(例えば、メトキシ基またはエトキシ基など)であり得る。脂肪族および/または芳香族の炭化水素基は、線状、枝分かれおよび/または環状であり得る。有機ボラン開始剤はさらに、トリメチルボラン、トリエチルボラン、トリ−n−ブチルボラン、トリ−n−オクチルボラン、トリ−sec−ブチルボラン、トリドデシルボラン、フェニルジエチルボランおよびそれらの組合せとして定義され得るが、これらに限定されない。他の好適な例には、ヘキサン(hexanes)におけるモノマーの9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナンとして0.5M溶液での9−BBN、テトラヒドロフランにおけるモノマーの9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナンとして0.5M溶液での9−BBN、トルエンにおけるモノマーの9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナンとして0.5M溶液での9−BBN、n−ヘプタンにおける0.5M溶液でのジブチルボラントリフラート(DBBT)、塩化メチレンにおける0.5M溶液でのジブチルボラントリフラート(DBBT)、トルエンにおける0.5M溶液でのジブチルボラントリフラート(DBBT)、ヘキサン(hexanes)における0.5M溶液でのジシクロヘキシルボラントリフラート(DCBT)、ヘキサン(hexanes)における1M溶液でのジシクロヘキシルクロロボラン(DCBCL)、純液体としてのメトキシジエチルボラン(MDEB)、テトラヒドロフランにおけるメトキシジエチルボラン(MDEB)の50wt%溶液、純液体としてのトリエチルボラン(TEB)、テトラヒドロフランにおける純液体としてのトリエチルボラン(TEB)、ヘキサン(hexanes)における1M溶液でのトリエチルボラン(TEB)、純液体としてのトリ−n−ブチルボラン(TNBB)、純液体としてのトリ−sec−ブチルボラン(TSBB)が含まれる。典型的には、有機ボランはさらに、トリ−n−ブチルボランとして定義される。記載目的のためだけであるが、トリ−n−ブチルボランの構造が下記に示される:
Figure 2012530602
第1の有機ボラン錯体24が有機ボラン−アミン錯体であるとき、当技術分野で公知のどのようなアミンも、有機ボラン−アミン錯体を形成するために使用することができる。典型的には、そのようなアミンは、アルキル基、アルコキシ基、アミジン基、ウレイド基およびそれらの組合せの少なくとも1つを含む。特に好適なアミンには、1,3−プロパンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、メトキシプロピルアミン、ピリジン、イソホロンジアミン、少なくとも1つのアミン官能基(例えば、3−アミノプロピル、6−アミノヘキシル、11−アミノウンデシル、3−(N−アリルアミノ)プロピル、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル、アミノメチル、N−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチル、p−アミノフェニル、2−エチルピリジン)を含むアミン官能性化合物およびそれらの組合せなどが含まれるが、これらに限定されない。
第1の有機ボラン錯体24が有機ボラン−チオール錯体であるとき、当技術分野で公知のどのようなチオールも、有機ボラン−チオール錯体を形成するために使用することができる。典型的には、そのようなチオールは、アルキル基、アルコキシ基、アミジン基、ウレイド基およびそれらの組合せの少なくとも1つを含む。特に好適なチオールには、一般式Cn2n+1SHを有するアルキルチール(ただし、nは1〜12の整数である)、一般式HS(CH2nOHを有するメルカプトアルコール(ただし、nは2〜12の整数である)およびそれらの組合せが含まれるが、これらに限定されない。
第1の有機ボラン錯体24自体を再び参照するが、本発明では、当技術分野で公知のいずれかの有機ボラン−アミン錯体または有機ボラン−チオール錯体を利用することができる。それぞれの個々の有機ボラン錯体のそれぞれの有機ボラン開始剤は、下記においてより詳しく記載されるように、有機ボラン開始剤がブロック剤(すなわち、アミンまたはチオール)から解離した後で、ラジカル重合可能な化合物の重合または架橋を開始させることができる。何らかの特定の理論によって限定されることを意図しないが、三置換ボランは、三重項酸素の存在下において、ホウ素−炭素結合における二分子均等開裂を受けて、対応するペルオキシル、アルコキシル、ケトンの三重項ラジカルおよび/またはチイル(thiyl)ラジカル(これはまた、スルフェニルラジカルとして公知である)を生じさせることができると考えられる。これらのラジカルは、トリアルキルボラートで停止するまで、アミンまたはチオールから解離する有機ボラン開始剤と反応することによって成長することができる。1つの実施形態において、第1の有機ボラン錯体24は、下記においてより詳しくこれもまた記載されるように、好適な錯体解離剤(例えば、アミン反応性またはチオール反応性の化合物)にさらされることにより周囲温度で脱安定化される。
第1の有機ボラン錯体24が有機ボラン−アミン錯体であるとき、第1の有機ボラン錯体24は典型的には下記の式を有する:
Figure 2012530602
式中、Bはホウ素を表し、R1〜R3のそれぞれは、上記で記載されるのと同じ意味を有することができる。同様に、R4〜R6のそれぞれは、アミンが上記のいずれかであり、かつ、第一級アミン、第二級アミンまたは第三級アミンであるようないずれかであり得る。加えて、R4〜R6はまた、例えば、R4〜R6の少なくとも1つがジアミノプロパン基であるときなどでは、さらなるアミン官能性および/またはチオール官能性を含有することができる。1つの代わりの実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5およびR6のそれぞれが独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールアルキル基、アルキレン基、それらのハロゲン化同族体およびこれらの組合せの群から選択される。別の代わりの実施形態において、第1の有機ボラン錯体24は下記の式を有する:
Figure 2012530602
式中、R1〜R3のそれぞれは上記で記載される通りであり、かつ、アミンはさらに、環状アミンとして定義される。
第1の有機ボラン錯体24の好適な限定されない例には、第1の有機ボラン錯体24が有機ボラン−アミン錯体であるとき、純液体としてのN,N−ジエチルアニリンボラン(DEANB)、純液体としてのピリジンボラン(PYB)、ピリジンにおけるピリジンボラン(PYB)の50wt%溶液、粉末としてのtert−ブチルアミンボラン(TBAB)、純液体としてのトリエチルアミンボラン(TEAB)、純液体としてのトリエチルボラン−1,3−ジアミノプロパン錯体(TEB−DAP)、粉末としてのトリメチルアミンボラン(TMAB)、および、これらの組合せが含まれる。有機ボラン−アミン錯体のさらなる好適な一例が、ジイソプロピルアミンと錯化されたトリエチルボランである。
1つの実施形態において、有機ボラン−アミン錯体は、トリ−n−ブチルボランジアミノプロパン(TnBB−DAP)、トリ−sec−ブチルボランメトキシプロピルアミン(TsBB−MOPA)、トリ−n−ブチルボランメトキシプロピルアミン(TnBB−MOPA)、トリエチルボランシステアミン(TEB−CAまたはTEB−システアミン)、トリ−n−ブチルボランシステアミン(TnBB−CA)、トリエチルボランジエチレントリアミン(TEB−DETA)、トリエチルボランジアミノプロパン(TEB−DAP)、トリ−sec−ブチルボランジアミノプロパン(TsBB−DAP)およびこれらの組合せの群から選択される。記載目的のためだけであるが、これらの有機ボラン−アミン錯体の化学構造が下記に示される:
Figure 2012530602
Figure 2012530602
第1の有機ボラン錯体24の例には、第1の有機ボラン錯体が有機ボラン−チオール錯体であるとき、トリアルキルボランメルカプトエタノールおよびトリアルキルボランドデカンチオールが含まれるが、これらに限定されない。記載目的のためだけであるが、これらの有機ボラン−チオール錯体の化学構造が下記に示される:
Figure 2012530602
式中、それぞれのR基およびR1基は独立して、アルキル基から選択される。
第1の有機ボラン錯体24は、作業時間を抑えるために、同様にまた、貯蔵期間中に分離することに対して液相の有機ボラン錯体を安定化させるために、固体粒子(例えば、相担体など)に物理的および/または化学的に付着(結合)させることができる。付着を、その場または前もってのどちらであっても、数多くの公知の表面処理によって達成することができる。いくつかの表面処理方法には、固体粒子、例えば、粉砕シリカまたは沈降シリカ、炭酸カルシウム、カーボンブラック、炭素ナノ粒子、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、銀、金、白金、パラジウムおよびそれらの合金、非金属、例えば、ニッケル、アルミニウム、銅およびスチールなど、ならびに、それらの組合せなどを反応性化合物により前処理することが含まれる。そのような前処理の後、有機ボラン−アミン錯体24との錯化、または、固体粒子の直接の処理を続けることができる。固体粒子が官能基を含む場合、本来的にアミン反応性またはチオール反応性である添加物(例えば、基体処理剤など)または不純物は、付着しつつある第1の有機ボラン錯体24の早まった錯体解離を回避するための適切な注意を必要とする場合がある。アミン反応性またはチオール反応性の物質を含む固体粒子を、第1の有機ボラン錯体24を付着させる前に精製または中和することができる。代替において、第1の有機ボラン錯体24の付着を無酸素環境において行うことができる。
様々な実施形態において、第1の有機ボラン−アミン錯体24は、下記においてより詳しく記載されるように、ラジカル重合可能な化合物を重合させて、さらにラジカル重合されることが依然として可能であり得るか、または、もはや可能でなくてもよいダイマー、オリゴマー、プレポリマー、ポリマー、コポリマー、ブロックポリマー、星形ポリマー、グラフトポリマー、ランダムコポリマーおよび/またはそれらの組合せを形成させるフリーラジカルを酸素の存在下で形成させるために使用される。
第1の組成物が第1の有機ボラン錯体24を含むとき、第1の有機ボラン錯体24は、第1の組成物を形成するための任意の量で使用することができる。典型的には、第1の有機ボラン錯体24は、第1の組成物の100重量部あたり0.01重量部〜95重量部の量で使用され、より典型的には0.1重量部〜80重量部の量で、一層より典型的には0.1重量部〜30重量部の量で、さらにより典型的には1重量部〜20重量部の量で、一層より典型的には1重量部〜15重量部の量で、最も典型的には2重量部〜5重量部の量で使用される。第1の有機ボラン錯体24の量は、第1の有機ボラン錯体24の分子量および官能性、ならびに、第1の組成物における他の成分(例えば、フィラーなど)の存在に依存する。
塗料被覆システム10はさらに、第1の塗料層18の上に配置される第2の塗料層26を含む。第2の塗料層26は第2の組成物から形成される。基体12が自動車車体であるとき、第2の塗料層26は、例えば、プライマー層16、ベースコート塗料層20またはクリアコート塗料層28であり得る。例えば、第1の塗料層18がe−コート層14であるとき、第2の塗料層26は典型的にはプライマー層16である。第1の塗料層18がプライマー層16であるとき、第2の塗料層26は典型的にはベースコート塗料層20である。従って、第2の塗料層26は塗料被覆システム10における最も外側の塗料層であり得ること、しかし、塗料被覆システム10における最も外側の塗料層であることは要求されないことを理解しなければならない。さらに、第1の塗料層18がベースコート塗料層20であるとき、第2の塗料層26は典型的にはクリアコート塗料層28である。いくつかの実施形態では、図2bに示されるように、第1の塗料層18がe−コート層14であり、第2の塗料層26がプライマー層16である。他の実施形態では、図2aに示されるように、第1の塗料層18がベースコート塗料層20であり、第2の塗料層26がクリアコート塗料層28である。注目すべきことに、第1の塗料層18がベースコート塗料層20であり、第2の塗料層26がクリアコート塗料層28であるとき、第1の組成物は典型的には、ベースコート組成物として示され、第2の組成物は典型的には、クリアコート組成物として示される。代替において、第1の塗料層18および第2の塗料層26は一緒になって、プライマー層16、ベースコート塗料層20、クリアコート塗料層28などを形成することを理解しなければならない。例えば、プライマー層16を2回以上の処理操作で塗布することができ、最初の処理操作が第1の塗料層18であってもよく、第2の処理操作が第2の塗料層26であってもよく、これらが一緒になってプライマー層16を形成する。
第2の組成物は溶媒系組成物または水系組成物であり得る。第2の組成物は、第1の錯体解離剤22および第1の有機ボラン錯体24のうちの他方を含む。第2の組成物は、どちらかが第1の組成物に存在するかに依存して、第1の錯体解離剤22または第1の有機ボラン錯体24を含むが、第1の錯体解離剤22および第1の有機ボラン錯体24のうちの他方もまた、第2の組成物に存在してもよく、ただし、この場合には、第1の錯体解離剤22および第1の有機ボラン錯体24のうちの他方は、フリーラジカル重合を開始させ得るフリーラジカルを形成させるためには不十分である量で存在することを理解しなければならない。例えば、第2の組成物が第1の有機ボラン錯体24を含む実施形態において、第1の有機ボラン錯体24が、フリーラジカルの形成を防止するために第1の錯体解離剤22に対してモル過剰で存在する限り、第2の組成物はまた、第1の錯体解離剤22を含むことができる。典型的には、第1の錯体解離剤22または第1の有機ボラン錯体24は、第1の組成物に存在する第1の錯体解離剤22または第1の有機ボラン錯体24のうちの他方とのモル比が1:1で第2の組成物に存在する。第1の有機ボラン錯体24は、第1の錯体解離剤22との反応性を有する。具体的には、第1の錯体解離剤22は、本発明の方法に関して下記においてより詳しく記載されるように、第1の有機ボラン錯体24を、第1の塗料層と、第2の塗料層との境界で錯体解離させる。
いくつかの実施形態において、第2の組成物は、上記で記載される第1の有機ボラン錯体24を含む。この実施形態が図1bに示され、図1bでは、第1の錯体解離剤22を含む第1の塗料層18(例えば、ベースコート塗料層20)と、第1の有機ボラン錯体24を含む第2の塗料層26(例えば、クリアコート塗料層28)とが例示される。図1bは概略図であり、第1の錯体解離剤22および第1の有機ボラン錯体24の代表的なサイズ、構成、濃度または分配(disbursement)を決して表していないことを理解しなければならない。代替となる実施形態が、この場合には、第2の組成物が第1の錯体解離剤22を含むが、図1aに示され、図1aでは、第1の有機ボラン錯体24を含む第1の塗料層18(例えば、ベースコート塗料層20)と、第1の錯体解離剤22を含む第2の塗料層26(例えば、クリアコート塗料層28)とが例示される。図1aおよび図1bは概略図であり、第1の錯体解離剤22および第1の有機ボラン錯体24の代表的なサイズ、構成、濃度または分配を決して表していないことを理解しなければならない。注目すべきことに、図2a、図2b、図3a、図3bおよび図4では、第1の錯体解離剤22および第1の有機ボラン錯体24の概略的描写が明確化のために意図的に除かれている。第2の組成物に存在する第1の有機ボラン錯体24または第1の錯体解離剤22の量は典型的には、第1の組成物に関して上記で提供される範囲の範囲内である。
典型的には、第1の有機ボラン錯体24が有機ボラン−アミン錯体を含むとき、第1の組成物の第1の錯体解離剤22は、酸、例えば、カルボン酸、酢酸、アクリル酸、メタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、メタクリル酸無水物、ウンデシレン酸、オレイン酸、アスコルビン酸、塩酸およびラウリン酸など;カルボン酸誘導体、例えば、無水物および/またはスクシナートなど;イソシアナート;アルデヒド;エポキシド;酸クロリド;環状カルボナート;スルホニルクロリド;二酸化炭素;およびこれらの組合せの群から選択される。代替において、第1の有機ボラン錯体24が有機ボラン−チオール錯体を含むとき、第1の組成物の第1の錯体解離剤22は遷移金属ルイス酸を含む。
第1の組成物および第2の組成物のうちの少なくとも1つがさらに、ラジカル重合可能な化合物を含む。いくつかの実施形態において、第1の組成物が、ラジカル重合可能な化合物を含む。これらの実施形態において、第2の組成物は典型的には二成分組成物である。様々な二成分組成物が当技術分野全体にわたって公知であり、これらは一般には、互いに反応し得る官能基を有する2つの異なるタイプの化合物を含む。そのような二成分組成物は物理的または化学的な技術により硬化させることができる。例えば、1つのタイプの二成分組成物が、イソシアナート(典型的には非ブロック型イソシアナート)およびポリオールを含むポリウレタン組成物である。イソシアナートおよびポリオールは別々に包装され、典型的には、例えば、インピンジメント混合などによって、塗料層を形成するために塗布時に混合される。代替において、第2の組成物が、ラジカル重合可能な化合物を含むことができる。これらの実施形態において、第1の組成物は一般に、二成分組成物である。第1の組成物および第2の組成物のそれぞれが、それぞれの個々の組成物において同じまたは異なり得るラジカル重合可能な化合物を含み得ることもまた理解しなければならない。
ラジカル重合可能な化合物は典型的には、分子あたり1つまたは複数のエチレン性不飽和基を含む。ラジカル重合可能な化合物は2つのエチレン性不飽和基または3つ以上のエチレン性不飽和基を含み得ることが意図される。当技術分野では周知なように、エチレン性不飽和基は求電子性であり、電子を重合期間中に供与する。ラジカル重合可能な化合物はまた、1つまたは複数のアルキニル基を含むことができる。ラジカル重合可能な化合物は、ラジカル重合可能な化合物が依然としてラジカル重合を行うことができる限り、モノマー、ダイマー、オリゴマー、プレポリマー、ポリマー、コポリマー、ブロックコポリマー、星形ポリマー、グラフトポリマー、ランダムコポリマーおよびそれらの組合せから選択することができる。1つの実施形態において、ラジカル重合可能な化合物はモノマーである。別の実施形態において、ラジカル重合可能な化合物は部分的に重合され、ポリマーであるが、さらに重合される能力を依然として保持する。さらなる実施形態において、ラジカル重合可能な化合物は、少なくとも1つのラジカル重合可能な官能基を有するモノ不飽和およびポリ不飽和のグリセロールまたはリン脂質、ホスホルジエステル、ペプチド、ヌクレオシド、ヌクレオチドおよびそれらの組合せの群から選択される。
なおさらにさらなる実施形態において、ラジカル重合可能な化合物は、アクリラート、カルバマート、エポキシドおよびそれらの組合せの群から選択される。カルバマートおよびエポキシドの好適な限定されない例が、少なくとも1つのラジカル重合可能な官能基と、典型的には、エステル、エーテル、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、アミドおよびウレア、アクリル、イオウ基、リン基ならびにそれらの組合せの群から選択される1つまたは複数の官能基とを有するものである。カルバマートは、脂肪族基、脂環族基および芳香族基を含むことができ、また、分岐型炭化水素官能性、ヒドロキシル官能性、カルボキシラート官能性、カルバマート官能性および/またはエステル官能性(これらに限定されない)を含めて、様々な官能性を伴う線状構造または枝分かれ構造を有することができる。さらなる実施形態において、ラジカル重合可能な化合物は、α,β−不飽和脂肪族化合物、ビニルエステル、置換スチレン、メタクリル酸のエステル、アクリル酸のエステルおよびそれらの組合せの群から選択される。好適なα,β−不飽和脂肪族化合物の例には、1−オクテン、1−ヘキセン、1−デセンおよびそれらの組合せが含まれるが、これらに限定されない。好適なビニルエステルおよびスチレン系化合物の限定されない例には、酢酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンおよびそれらの組合せが含まれる。
他の実施形態において、ラジカル重合可能な化合物は、アクリラート、ハロゲン置換アクリラート、アルケノアート、カルボナート、フタラート、アセタート、イタコナートおよびそれらの組合せの群から選択される。アクリラートの好適な例には、アクリル酸ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸オクチル、イソシアナート含有アクリラート(例えば、イソシアナトアクリラートなど)およびそれらの組合せが含まれるが、これらに限定されない。さらなる実施形態において、ラジカル重合可能な化合物は、ジアクリラート、トリアクリラート、ポリアクリラート、ウレタンアクリラート、不飽和ポリエステルおよびそれらの組合せの群から選択される。ジアクリラート、トリアクリラートおよびポリアクリラートの好適な例には、ヘキサンジオールジアクリラート、トリプロピレングリコールジアクリラート、トリメチロールプロパントリアクリラート、アルコキシル化トリメチロールプロパントリアクリラート、ペンタエリトリトールトリアクリラート、ペンタエリトリトールテトラアクリラート、ジペンタエリトリトールヘキサアクリラートおよびそれらの組合せが含まれるが、これらに限定されない。ウレタンアクリラートの好適な限定されない例には、UCB Chemicalsから市販されているEbercryl8402およびEbercryl8301、ならびに、Akcros Chemicalsから市販されているActilane251が含まれる。不飽和ポリエステルの好適な限定されない例には、無水マレイン酸を用いて調製されるポリエステルが含まれる。さらなる実施形態において、ラジカル重合可能な化合物はさらに、OH−アクリル樹脂およびジペンタエリトリトールペンタ/ヘキサアクリラートの混合物として定義される。さらに別の実施形態において、ラジカル重合可能な化合物は、不飽和アクリルエステル樹脂、機能的アクリルエステルモノマーおよびそれらの組合せの群から選択される。
なおさらに他の実施形態において、ラジカル重合可能な化合物は、ブチレングリコールジアクリラート、ブチレングリコールジメタクリラート、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、ネオペンチルグリコールジアクリラート、ネオペンチルグリコールジメタクリラート、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、カプロラクトンアクリラート、アクリル酸ペルフルオロブチル、メタクリル酸ペルフルオロブチル、アクリル酸1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシル、メタクリル酸1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシル、テトラヒドロペルフルオロアクリラート、アクリル酸フェノキシエチル、メタクリル酸フェノキシエチル、ビスフェノールAアクリラート、ビスフェノールAジメタクリラート、エトキシル化ビスフェノールAアクリラート、エトキシル化ビスフェノールAメタクリラート、ヘキサフルオロビスフェノールAジアクリラート、ヘキサフルオロビスフェノールAジメタクリラート、ジエチレングリコールジアクリラート、ジエチレングリコールジメタクリラート、ジプロピレングリコールジアクリラート、ジプロピレングリコールジメタクリラート、ポリエチレングリコールジアクリラート、ポリエチレングリコールジメタクリラート、ポリプロピレングリコールジアクリラート、ポリプロピレングリコールジメタクリラート、トリメチロールプロパントリアクリラート、トリメチロールプロパントリメタクリラート、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリラート、エトキシル化トリメチロールプロパントリメタクリラート、ペンタエリトリトールトリアクリラート、ペンタエリトリトールトリメタクリラート、ペンタエリトリトールテトラアクリラート、ペンタエリトリトールテトラメタクリラートおよびそれらの組合せの群から選択される。好適なアクリラートの他の例には、アクリルアミド系化合物およびメタクリルアミド系化合物、例えば、N−イソプロピルアクリルアミドおよびN,N−ジメチルアクリルアミドなどが含まれる。1つの実施形態において、ラジカル重合可能な化合物は、アルキレングリコールジアルキルアクリラート、アルキレングリコールジアクリラートおよびそれらの組合せの群から選択される。
アルケノアートの好適な例には、アルキル−N−アルケノアート、メチル−3−ブテノアートおよびそれらの組合せが含まれるが、これらに限定されない。カルボナートの好適な例には、アルキルカルボナート、アリルアルキルカルボナート(例えば、アリルメチルカルボナートなど)、ジアリルピロカルボナート、ジアリルカルボナートおよびそれらの組合せが含まれるが、これらに限定されない。本発明において使用される好適なイタコナートには、イタコン酸アルキル(イタコン酸ジメチルなど)が含まれるが、これに限定されない。好適なアセタートの限定されない例には、酢酸アルキル系化合物、酢酸アリル系化合物、アセト酢酸アリル系化合物およびそれらの組合せが含まれる。フタラートの限定されない例には、フタル酸アリル系化合物、フタル酸ジアリル系化合物よびそれらの組合せが含まれるが、これらに限定されない。
ラジカル重合可能な化合物にはまた、特にアクリルモノマーと併せて使用されるときには、スチレンおよび置換スチレンが含まれ得る。代替において、ラジカル重合可能な化合物には、イソシアナート反応性のアクリラートモノマー、アクリラートオリゴマーまたはアクリラートポリマー(例えば、ヒドロキシアクリラートなど)をイソシアナート官能性プレポリマーと反応することによって調製されるアクリラート末端のポリウレタンプレポリマーが含まれ得る。同様にまた有用なものが、分子あたり平均して少なくとも1つのフリーラジカル重合可能な基を有し、かつ、電子、イオン、正孔および/またはフォノンを輸送する能力を有する導電性のモノマー、ドーパント、オリゴマー、ポリマーおよびマクロモノマーのクラスである。限定されない例には、4,4’,4”−トリス[N−(3(2−アクリロイルオキシエチルオキシ)フェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミンおよび4,4’,4”−トリス[N−(3(ベンゾイルオキシフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミンが含まれるが、これらに限定されない。
ラジカル重合可能な化合物には、アクリルオキシアルキル基(例えば、アクリルオキシプロピル基など)、メタクリルオキシアルキル基(例えば、メタクリルオキシプロピル基など)および/または不飽和有機基(これには、2個〜12個の炭素原子を有するアルケニル基(これには、ビニル基、アリル基、ブテニル基およびへキセニル基が含まれる)、および、2個〜12個の炭素原子を有するアルキニル基(これには、エチルニル基、プロピニル基およびブチニル基が含まれる)が含まれるが、これらに限定されない)ならびにそれらの組合せを含む化合物が含まれ得ることもまた意図される。不飽和有機基は、ラジカル重合可能な基を、アリルオキシポリ(オキシアルキレン)基、そのハロゲン置換アナログおよびそれらの組合せを含むオリゴマーポリエーテルおよび/またはポリマーポリエーテルにおいて含むことができる。別の実施形態において、ラジカル重合可能な化合物には、ポリマー骨格を有する有機化合物をラジカル重合可能な化合物と共重合して、その結果、コポリマーあたり平均して少なくとも1つのフリーラジカル重合可能な基が存在するようにすることによって形成される化合物が含まれる。好適な有機化合物には、炭化水素系ポリマー、例えば、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリエチレンポリプロピレンコポリマーなど)、ポリスチレン、スチレンブタジエンなど、ならびに、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリアクリラート、ポリエーテル(例えば、ポリエチレンオキシドおよびポリプロピレンオキシドなど)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタラートおよびポリブチレンテレフタラートなど)、ポリアミド、ポリカルボナート、ポリイミド、ポリウレア、ポリメタクリラート、部分フッ素化ポリマーまたはペルフッ素化ポリマー(例えば、ポリテトラフルオロエチレンなど)、フッ素化ゴム、末端不飽和炭化水素、オレフィン、ポリオレフィン、ならびに、それらの組合せが含まれるが、これらに限定されない。当然のことではあるが、ラジカル重合可能な化合物は上記の化合物に限定されず、ラジカル重合可能な化合物には、当技術分野で公知のどのような他のものでも含まれ得ることを理解しなければならない。加えて、ラジカル重合可能な化合物は、オーブン硬化を必要とする化学反応を含めて、どのような他のタイプの化学反応とでも併せて使用することができる。
第1の組成物または第2の組成物のどちらでもさらに、第2、第3またはそれ以上のラジカル重合可能な化合物を含み得ることを理解しなければならない。第2、第3およびどのさらなるラジカル重合可能な化合物は、上記で記載されるラジカル重合可能な化合物と同じであり得るか、または異なり得る。そのようなフリーラジカル重合可能な化合物は、オーブン硬化を必要とする化学反応を含めて、どのような他のタイプの化学反応とでも併せて使用され得ることを理解しなければならない。様々な実施形態において、ラジカル重合可能な化合物は典型的には、第1および/または第2の組成物の100重量部あたり20重量部〜99重量部の量で第1および/または第2の組成物にそれぞれ存在し、より典型的には50重量部〜99重量部の量で、さらにより典型的には60重量部〜99重量部の量で第1および/または第2の組成物にそれぞれ存在する。
いくつかの実施形態において、本発明の塗料被覆システム10はさらに、第2の塗料層26の上に配置される第3の塗料層を含む。第3の塗料層は典型的には、ベースコート塗料層20またはクリアコート塗料層28である。例えば、図3aに示されるように、第1の塗料層18がe−コート層14であり、第2の塗料層26がプライマー層16であるとき、第3の塗料層はベースコート塗料層20である。代替において、図3bに示されるように、第1の塗料層18がプライマー層16であり、第2の塗料層26がベースコート塗料層20であるとき、第3の塗料層はクリアコート塗料層28である。
第3の塗料層は第3の組成物から形成される。第3の組成物は溶媒系組成物または水系組成物であり得る。第1の組成物が第1の有機ボラン錯体24を含み、第2の組成物が第1の錯体解離剤22を含むとき、第3の組成物は典型的には、第1の有機ボラン錯体24と同じまたは異なり得る第3の層の有機ボラン錯体を含む。典型的には、この実施形態において、第1の有機ボラン錯体24および第3の層の有機ボラン錯体は独立して、有機ボラン−アミン錯体の群から選択される。第3の層の有機ボラン錯体は、第1の有機ボラン錯体24に関して上記で示される有機ボラン−アミン錯体のいずれかであり得る。
第1の有機ボラン錯体24および第3の層の有機ボラン錯体が独立して、有機ボラン−アミン錯体の群から選択されるとき、第2の組成物の第1の錯体解離剤22は典型的には、酸、例えば、カルボン酸、酢酸、アクリル酸、メタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、メタクリル酸無水物、ウンデシレン酸、オレイン酸、アスコルビン酸、塩酸およびラウリン酸など;カルボン酸誘導体、例えば、無水物および/またはスクシナートなど;イソシアナート;アルデヒド;エポキシド;酸クロリド;環状カルボナート;スルホニルクロリド;二酸化炭素;およびこれらの組合せの群から選択される。第1の錯体解離剤22は、第1の有機ボラン錯体24と、第3の層の有機ボラン錯体との両方を、第1および第2の塗料層(18、26)の境界において、また、第2および第3の塗料層の境界においてそれぞれ錯体解離させる。第1の錯体解離剤22が遷移金属ルイス酸であるとき、第1の有機ボラン錯体24および第3の層の有機ボラン錯体は独立して、上記で示される有機ボラン−チオール錯体の群から選択され得ることを理解しなければならない。これらの実施形態において、第2の組成物の第1の錯体解離剤22もまた、第1の有機ボラン錯体24と、第3の層の有機ボラン錯体とを、第1および第2の塗料層(18、26)の境界において、また、第2および第3の塗料層の境界においてそれぞれ錯体解離させる。
第1の組成物が第1の有機ボラン錯体24を含み、第2の組成物が第1の錯体解離剤22を含み、第3の組成物が第3の層の有機ボラン錯体を含むとき、図3bに例示されるように、第1の塗料層18は典型的にはプライマー層16であり、第2の塗料層26は典型的にはベースコート塗料層20であり、第3の塗料層は典型的にはクリアコート塗料層28であることを理解しなければならない。従って、プライマー層16は第1の有機ボラン錯体24を含み、ベースコート塗料層20は第1の錯体解離剤22を含み、クリアコート塗料層28は第3の層の有機ボラン錯体を含む。これらの実施形態において典型的には、基体12は、その表面に配置されるe−コート層14を有する。さらに、これらの実施形態において、第1および第3の組成物はラジカル重合可能な化合物を含み、これに対して、第2の組成物は二成分組成物である。
代替において、第1の組成物が第1の錯体解離剤22を含み、第2の組成物が第1の有機ボラン錯体24を含むとき、第2の組成物はさらに、第1の錯体解離剤22とは異なり、かつ、第1の有機ボラン錯体24とは実質的に非反応性である第2の錯体解離剤を含む。第2の錯体解離剤は、第2の錯体解離剤が第2の組成物における第1の有機ボラン錯体24を錯体解離させることを防止するために、周囲条件で第1の有機ボラン錯体24とは実質的に非反応性である。例えば、第1の錯体解離剤22が、酸、例えば、カルボン酸、酢酸、アクリル酸、メタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、メタクリル酸無水物、ウンデシレン酸、オレイン酸、アスコルビン酸、塩酸およびラウリン酸など;カルボン酸誘導体、例えば、無水物および/またはスクシナートなど;イソシアナート;アルデヒド;エポキシド;酸クロリド;環状カルボナート;スルホニルクロリド;二酸化炭素;およびこれらの組合せの群から選択されるとき、第2の錯体解離剤は遷移金属ルイス酸であり、すなわち、第2の錯体解離剤は第1の錯体解離剤22とは異なる。加えて、第1の有機ボラン錯体24が有機ボラン−アミン錯体であるとき、第2の錯体解離剤は遷移金属ルイス酸である。これは、遷移金属ルイス酸は一般に、有機ボラン−アミン錯体を周囲条件で錯体解離させないという事実のためである。代替において、第1の有機ボラン錯体24が有機ボラン−チオール錯体であるとき、第2の錯体解離剤は、酸、例えば、カルボン酸、酢酸、アクリル酸、メタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、メタクリル酸無水物、ウンデシレン酸、オレイン酸、アスコルビン酸、塩酸およびラウリン酸など;カルボン酸誘導体、例えば、無水物および/またはスクシナートなど;イソシアナート;アルデヒド;エポキシド;酸クロリド;環状カルボナート;スルホニルクロリド;二酸化炭素;およびこれらの組合せの群から選択される。これは、これらの錯体解離剤は一般に、有機ボラン−チオール錯体を周囲条件で錯体解離させないという事実のためである。
さらに、第1の組成物が第1の錯体解離剤22を含み、第2の組成物が第1の有機ボラン錯体24を含むとき、第3の組成物はさらに、第3の層の有機ボラン錯体を含む。この実施形態において、第3の層の有機ボラン錯体は典型的には、本発明の方法に関して下記においてより詳しく記載される理由のために第1の有機ボラン錯体24とは異なる。例えば、第1の有機ボラン錯体24が有機ボラン−アミン錯体であるとき、第3の層の有機ボラン錯体は有機ボラン−チオール錯体であり得る。代替において、第1の有機ボラン錯体24が有機ボラン−チオール錯体であるとき、第3の層の有機ボラン錯体は有機ボラン−アミン錯体であり得る。第3の層の有機ボラン錯体が有機ボラン−アミン錯体であるか、または、有機ボラン−チオール錯体であるかにかかわらず、第3の層の有機ボラン錯体の好適な例が上記に記載される。第2の錯体解離剤は、下記においてより詳しく記載されるように、第3の層の有機ボラン錯体を、第2の塗料層と、第3の塗料層との境界で錯体解離させて、第2の塗料層および第3の塗料層のうちの少なくとも1つのフリーラジカル重合を開始させるフリーラジカルを形成させる。第3の組成物に存在する有機ボラン錯体および/または錯体解離剤のどのような量も一般には、第1の組成物に関して上記で提供される範囲の範囲内である。
第3の組成物は典型的には、フリーラジカル重合可能なモノマー、フリーラジカル重合可能なオリゴマー、フリーラジカル重合可能なポリマーおよびそれらの組合せの群から選択されるラジカル重合可能な化合物を含む。第3の組成物のラジカル重合可能な化合物は、第1の組成物および/または第2の組成物のラジカル重合可能な化合物と同じであり得るか、または異なり得る。典型的には、第3の組成物のラジカル重合可能な化合物は独立して、第1の組成物および/または第2の組成物のラジカル重合可能な化合物に関して上記に示されるラジカル重合可能な化合物から選択される。そのようなフリーラジカル重合可能な化合物は、オーブン硬化を必要とする化学反応を含めて、どのような他のタイプの化学反応とでも併せて使用され得ることを理解しなければならない。
第1の組成物が第1の錯体解離剤22を含み、第2の組成物が第1の有機ボラン錯体24を含むとき、本発明の塗料被覆システム10はさらに、第3の塗料層の上に配置される第4の塗料層を含むことができる。第4の塗料層が存在するとき、第4の塗料層は典型的にはクリアコート塗料層28である。例えば、図4に示されるように、第1の塗料層18がe−コート層14であり、第2の塗料層26がプライマー層16であり、第3の塗料層がベースコート塗料層20であるとき、第4の塗料層はクリアコート塗料層28である。
塗料被覆システム10がさらに、第4の塗料層を含むとき、第3の組成物はさらに、第2の錯体解離剤とは異なり、かつ、第3の層の有機ボラン錯体とは実質的に非反応性である第3の錯体解離剤を含む。第3の錯体解離剤は、第3の錯体解離剤が第3の組成物における第3の層の有機ボラン錯体を錯体解離させることを防止するために、周囲条件で第3の層の有機ボラン錯体とは実質的に非反応性である。例えば、第2の錯体解離剤が、酸、例えば、カルボン酸、酢酸、アクリル酸、メタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、メタクリル酸無水物、ウンデシレン酸、オレイン酸、アスコルビン酸、塩酸およびラウリン酸など;カルボン酸誘導体、例えば、無水物および/またはスクシナートなど;イソシアナート;アルデヒド;エポキシド;酸クロリド;環状カルボナート;スルホニルクロリド;二酸化炭素;およびこれらの組合せの群から選択されるとき、第3の錯体解離剤は遷移金属ルイス酸であり、すなわち、第3の錯体解離剤は第2の錯体解離剤とは異なる。加えて、第3の層の有機ボラン錯体が有機ボラン−アミン錯体であるとき、第3の錯体解離剤は遷移金属ルイス酸である。これは、遷移金属ルイス酸は一般に、有機ボラン−アミン錯体を周囲条件で錯体解離させないという事実のためである。代替において、第3の層の有機ボラン錯体が有機ボラン−チオール錯体であるとき、第3の錯体解離剤は、酸、例えば、カルボン酸、酢酸、アクリル酸、メタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、メタクリル酸無水物、ウンデシレン酸、オレイン酸、アスコルビン酸、塩酸およびラウリン酸など;カルボン酸誘導体、例えば、無水物および/またはスクシナートなど;イソシアナート;アルデヒド;エポキシド;酸クロリド;環状カルボナート;スルホニルクロリド;二酸化炭素;およびこれらの組合せの群から選択される。これは、これらの錯体解離剤は一般に、有機ボラン−チオール錯体を周囲条件で錯体解離させないという事実のためである。注目すべきことに、第3の錯体解離剤は第1の錯体解離剤22と同じであり得るか、または異なり得る。典型的には、第3の錯体解離剤および第1の錯体解離剤22はそれぞれが独立して、錯体解離剤の同じ群から選択され、すなわち、それぞれが独立して、遷移金属ルイス酸から選択されるか、または、それぞれが独立して、酸、例えば、カルボン酸、酢酸、アクリル酸、メタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、メタクリル酸無水物、ウンデシレン酸、オレイン酸、アスコルビン酸、塩酸およびラウリン酸など;カルボン酸誘導体、例えば、無水物および/またはスクシナートなど;イソシアナート;アルデヒド;エポキシド;酸クロリド;環状カルボナート;スルホニルクロリド;二酸化炭素;およびこれらの組合せの群から選択される。
第4の塗料層は第4の組成物から形成される。第4の組成物は溶媒系組成物または水系組成物であり得る。第4の組成物は、本発明の方法に関して下記においてより詳しく記載される理由のために、第3の層の有機ボラン錯体とは異なる第4の層の有機ボラン錯体を含む。例えば、第3の層の有機ボラン錯体が有機ボラン−アミン錯体であるとき、第4の層の有機ボラン錯体は有機ボラン−チオール錯体である。代替において、第3の層の有機ボラン錯体が有機ボラン−チオール錯体であるとき、第4の層の有機ボラン錯体は有機ボラン−アミン錯体である。第4の層の有機ボラン錯体が有機ボラン−アミン錯体であるか、または、有機ボラン−チオール錯体であるかにかかわらず、第4の層の有機ボラン錯体の好適な例が上記に記載される。第3の錯体解離剤は、下記においてより詳しく記載されるように、第4の層の有機ボラン錯体を、第3の塗料層と、第4の塗料層との境界で錯体解離させる。第4の組成物に存在する有機ボラン錯体および/または錯体解離剤のどのような量も一般には、第1の組成物に関して上記で提供される範囲の範囲内である。
第4の組成物はさらに、フリーラジカル重合可能なモノマー、フリーラジカル重合可能なオリゴマー、フリーラジカル重合可能なポリマーおよびそれらの組合せの群から選択されるラジカル重合可能な化合物を含むことができる。第4の組成物のラジカル重合可能な化合物は、第1の組成物、第2の組成物および/または第3の組成物のラジカル重合可能な化合物と同じであり得るか、または異なり得る。要求されないが、第4の組成物のラジカル重合可能な化合物は典型的には独立して、第1の組成物のラジカル重合可能な化合物に関して上記に示されるラジカル重合可能な化合物から選択される。そのようなフリーラジカル重合可能な化合物は、オーブン硬化を必要とする化学反応を含めて、どのような他のタイプの化学反応とでも併せて使用され得ることを理解しなければならない。
上記化合物に加えて、第1、第2、第3および/または第4の組成物はまた、1つまたは複数の添加物を含み得ることを理解しなければならない。そのような1つまたは複数の添加物は、均展剤、溶媒、界面活性剤、フィラー、安定剤、溶媒、可塑剤、消泡剤、湿潤化添加物、触媒、レオロジー制御剤、顔料、光相乗剤(photosynergist)、定着剤、顔料分散物、流動助剤、酸官能性ポリマー、添加物ポリマー、触媒およびそれらの組合せの群から選択することができる。好適な界面活性剤の限定されない例には、Air Products and Chemicals,Inc.(ペンシルベニア州、アレンタウン(Allentown、PA))から市販されているSurfynol(登録商標)界面活性剤が含まれる。可塑剤の好適な限定されない例には、Cook Composites and Polymers(ミズーリ州セントルイス(St.Louis、MO))から市販されているCoroc(登録商標)アクリル可塑剤樹脂が含まれる。
1つまたは複数の添加物にはまた、硬化を高めるための触媒が含まれ得る。そのような触媒は当技術分野では周知であり、そのような触媒には、フェニル酸ホスファート、マレイン酸モノブチル、リン酸ブチル、ヒドロキシホスファートエステルおよびそれらの組合せが含まれるが、これらに限定されない。組成物において有用であり得る他の触媒には、遷移金属の塩(例えば、亜鉛塩およびスズ塩など)およびその組合せが含まれるが、これらに限定されない。触媒は、ブロック型、非ブロック型または部分ブロック型であり得る。触媒は、アミンまたは他の好適なブロック剤(例えば、オキシラン系改質物質など)によりブロックすることができ、または、部分的にブロックすることができる。触媒が含まれる場合、触媒は好ましくは、組成物の100重量部あたり0.1重量部〜1.2重量部の量で含まれ、より好ましくは0.1重量部〜0.9重量部の量で、最も好ましくは0.2重量部〜0.7重量部の量で含まれる。
第1、第2、第3および/または第4の組成物のいずれかが溶媒を含む場合、溶媒は、水を含めて、当技術分野で公知のどのようなものでもよく、また、HAP非含有であってもよい。1つの実施形態において、溶媒には、極性の有機溶媒が含まれる。別の実施形態において、溶媒には、極性の脂肪族溶媒が含まれる。さらなる実施形態において、溶媒には、極性の芳香族溶媒が含まれる。さらに別の実施形態において、溶媒は、ケトン、エステル、アセタート、非プロトン性アミド、非プロトン性スルホキシド、非プロトン性アミンおよびそれらの組合せの群から選択される。溶媒が含まれる場合、溶媒は典型的には、それぞれの組成物の100重量部あたり60重量部までの量で含まれ、より典型的には5重量部〜50重量部の量で、最も典型的には10重量部〜40重量部の量で含まれる。
上記で示されるように、1つまたは複数の添加物には、顔料が含まれ得る。例えば、第1、第2、第3または第4の組成物の1つが、ベースコート塗料層20を形成するために使用されるとき、顔料には、有機化合物および/または無機化合物、有色物、フィラー、金属および/または無機のフレーク物(例えば、アルミニウムまたは雲母のフレークなど)ならびにそれらの組合せが含まれ得る。好適な顔料の限定されない例には、カーボンブラック顔料、二酸化チタンおよび他の無機有色顔料(例えば、酸化鉄、クロムイエロー、モリ(moly)オレンジ、チタンイエロー、チタン酸ニッケルイエローおよびクロムグリーンなど)が含まれる。
上記で示されるように、本発明はまた、多層塗料被覆を生じさせるための方法を提供する。本発明の方法は、基体12を提供する工程を含む。本発明の方法はさらに、第1の塗料層18を基体12に塗布する工程を含む。本発明の方法はまた、第2の塗料層26を第1の塗料層18の上に塗布する工程を含む。加えて、本発明の方法は、第1の塗料層18および第2の塗料層26のうちの少なくとも1つを硬化させ、それにより、多層塗料被覆を生じさせる工程を含む。塗料被覆システム10が第3の塗料層を含む実施形態において、本発明の方法はさらに、第3の塗料層を第2の塗料層26の上に塗布する工程を含むことを理解しなければならない。同様に、塗料被覆システム10が第4の塗料層を含むときには、本発明の方法はさらに、第4の塗料層を第3の塗料層の上に塗布する工程を含む。
第1、第2、第3および/または第4の塗料層のそれぞれを塗布する工程は、当技術分野で公知のいずれかの塗布プロセスを含むことができる。例えば、塗料層のそれぞれを塗布する工程は、それぞれの個々の組成物を、塗料層のそれぞれを形成するために塗布することを含むことができる。好適な塗布プロセスには、噴霧コーティング、浸漬コーティング、ロールコーティング、カーテンコーティング、静電噴霧およびそれらの組合せが含まれるが、これらに限定されない。塗料層のそれぞれが「ウェット・オン・ウェット」様式で塗布され得ること、すなわち、それぞれの個々の組成物が、個々の塗料層のそれぞれを硬化させる前に連続して塗布され得ることを理解しなければならない。加えて、さらなる重合を予備硬化後に行うことができる場合、塗料層のそれぞれを、例えば、溶媒をフラッシュ除去することによって「予備硬化」させることができる。加えて、それぞれの個々の塗料層は、多数回の処理操作で塗布され得ること、すなわち、それぞれの個々の塗料層は、所望される塗膜構成または厚さ(これらは一般には、とりわけ、塗布されている塗料層のタイプに依存する)を達成するために、それぞれの個々の塗料層を塗布するときにただ1回だけの処理操作で塗布されることが要求されないことを理解しなければならない。
代替において、第1、第2、第3および/または第4の塗料層のそれぞれが予備成形塗膜である場合がある。例えば、第1の組成物を、第1の塗料層18を形成するために基体12の表面に配置され得る予備成形塗膜にすることができる。それぞれの予備成形塗膜を、第1、第2、第3および/または第4の組成物を少なくとも部分的に重合することによって形成することができる。この実施形態において、第1の塗料層18を基体12に塗布する工程は、第1の組成物から形成される予備成形塗膜を基体12の表面に配置することを含む。加えて、第2の塗料層26を第1の塗料層18の上に塗布する工程は、第2の組成物から形成される予備成形塗膜を第1の塗料層18の上に配置することを含む。予備成形塗膜を扱うとき、第3の塗料層を塗布する工程は(この工程が存在する場合)、第3の組成物から形成される予備成形塗膜を第2の塗料層26の上に配置することを含む。加えて、第4の塗料層を塗布する工程は(この工程が存在する場合)、第4の組成物から形成される予備成形塗膜を第3の塗料層の上に配置することを含む。
第1、第2、第3および/または第4の塗料層を塗布するための方法のどのような組合せでも利用され得ることを理解しなければならない。例えば、第1の塗料層18を、第1の組成物から形成される予備成形塗膜を基体12の表面に配置することによって基体12に塗布することができる。第2の塗料層26を、第2の組成物を第1の塗料層18の上に噴霧コーティングして、第2の塗料層26を形成することによって第1の塗料層18の上に塗布することができる。言い方を変えれば、それぞれの個々の塗料層を、いずれかの他の塗料層を塗布する方法と同じまたは異なり得る独立した方法で塗布することができる。
上記で述べられるように、本発明の方法は、第1の塗料層18および第2の塗料層26のうちの少なくとも1つを硬化させる工程を含む。第1の塗料層18および第2の塗料層26のうちの少なくとも1つを硬化させる工程は典型的には、周囲温度で、すなわち、20℃〜30℃の温度で、かつ、周囲圧力で、すなわち、約1atmで行われる。言い方を変えれば、第1の塗料層18および第2の塗料層26のうちの少なくとも1つを硬化させる工程は典型的には、外部熱の非存在下で行われる。第1の塗料層18および第2の塗料層26のうちの少なくとも1つを硬化させる工程が典型的には、熱の非存在下で行われるので、本発明の方法は、塗料層を硬化させるために従来から利用されるオーブンを必要としない。しかしながら、第1、第2、第3および/または第4の塗料層を硬化させる熱、UV線および他の方法が利用され得ることを理解しなければならない。
用語「第1および第2の塗料層のうちの少なくとも1つを硬化させる」は、ラジカル重合可能な化合物を含む組成物から形成される塗料層に関してであることを理解しなければならない。例えば、第1の組成物がラジカル重合可能な化合物を含むときには、硬化させる工程は第1の塗料層18に関してであり、また、第2の組成物がラジカル重合可能な化合物を含むときには、硬化させる工程は第2の塗料層26に関してである。加えて、第1の組成物がラジカル重合可能な化合物を含み、第2の組成物が二成分組成物であるとき、本発明の方法は一般にはさらに、第2の塗料層26を硬化させる工程を含む。第2の組成物が二成分組成物であるとき、第2の塗料層26を、当技術分野で公知のいずれかの方法によって、例えば、熱、UV線などによって硬化させることができる。同様に、第2の組成物がラジカル重合可能な化合物を含み、第1の組成物が二成分組成物であるとき、本発明の方法は一般にはさらに、第1の塗料層18を硬化させる工程を含む。第1の組成物が二成分組成物であるとき、第1の塗料層18を、当技術分野で公知のいずれかの方法によって、例えば、熱、UV線などによって硬化させることができる。
本発明の方法が、第3の塗料層を第2の塗料層26の上に塗布する工程を含むとき、本発明の方法は典型的にはまた、第3の塗料層を硬化させる工程を含む。加えて、本発明の方法が、第4の塗料層を第3の塗料層の上に塗布する工程を含むとき、本発明の方法は典型的にはまた、第4の塗料層を硬化させる工程を含む。本発明の方法が、第3および第4の塗料層を塗布する工程および硬化させる工程を含むとき、塗料層のすべてを硬化させるための時間は、上記で示される時間よりも大きいことを理解しなければならない。加えて、第3および第4の塗料層を形成するために利用される第3および第4の組成物のそれぞれがラジカル重合可能な化合物を含むことができ、かつ、フリーラジカル重合により硬化し得ることを理解しなければならない。代替において、第3および第4の塗料層を形成させるために利用される第3および第4の組成物のそれぞれを上記で記載される他の技術により硬化させることができ、また、第3および第4の塗料層を形成させるために利用される第3および第4の組成物のそれぞれが二成分組成物であり得る。加えて、第3および第4の組成物のうちの1つが二成分組成物であってもよく、一方で、他方がラジカル重合可能な化合物を含む。本発明の方法が、第3および/または第4の塗料層を硬化させる工程を含むとき、多数の塗料層を同時に硬化させることができ、すなわち、硬化させる工程は、多数の塗料層を硬化させるただ1つだけの工程を含むことができる。
第1の塗料層18および第2の塗料層26のうちの少なくとも1つを硬化させる工程は典型的には、ラジカル重合可能な化合物をフリーラジカル重合により重合することを含む。フリーラジカル重合の機構は当技術分野では公知であり、典型的には、開始、成長および停止の3つの段階を含む。典型的には、均等開裂的な置換反応が、三重項酸素と、有機ボラン開始剤との間で生じ、それにより、酸素と反応し、アルキルラジカルを形成するラジカルを形成させる。アルキルラジカルは典型的には、ラジカル重合可能な化合物およびいずれかの第2、第3またはさらなるラジカル重合可能な化合物のさらなる均等開裂反応を介して、成長しつつあるポリマー鎖を成長させる。停止段階は、2つのラジカル種が互いに反応し、これにより、ただ1つの分子を形成するカップリングを含むことがある。代替において、鎖の不均化が生じることがあり、この場合、2つのラジカルが出会って、プロトンを交換する。
理論によって限定されることを意図しないが、第2の塗料層26が第1の塗料層18の上に塗布されるとき、第1の錯体解離剤22および/または第1の有機ボラン錯体24が、第1の塗料層と、第2の塗料層との間の境界にまでそれぞれの層の中を移動することが考えられる。第1の錯体解離剤22は第1の有機ボラン錯体24を錯体解離させ、それにより、第2の塗料層26および/または第1の塗料層18のラジカル重合可能な化合物のフリーラジカル重合を開始させるフリーラジカルを形成させる。加えて、第1および/または第2の塗料層の硬化が、第1の塗料層と、第2の塗料層との間の境界で開始されるので、第1および第2の塗料層は、硬化させたとき、優れた物理的性質を有する。理論によって限定されることを意図しないが、第1および/または第2の塗料層が、「内側から外に」、すなわち、第1の塗料層と、第2の塗料層との境界で硬化するので、第1および第2の塗料層は優れた接着および外観を有することが考えられる。
同様に、第1の組成物が第1の有機ボラン錯体24を含み、第2の組成物が第1の錯体解離剤22を含み、第3の組成物が第3の層の有機ボラン錯体を含む実施形態において、第1の有機ボラン錯体24、第1の錯体解離剤22および/または第3の層の有機ボラン錯体がそれぞれの個々の塗料層の中を移動し、その結果、第1の錯体解離剤22が、第1の有機ボラン錯体を、第1の塗料層と、第2の塗料層との境界で錯体解離させ、同様にまた、第3の層の有機ボラン錯体を、第2の塗料層と、第3の塗料層との境界で錯体解離させるようにする。第1の錯体解離剤22がそれぞれの個々の有機ボラン錯体を錯体解離させるとき、第1、第2および/または第3の塗料層のラジカル重合可能な化合物のフリーラジカル重合を開始させるフリーラジカルが形成される。典型的には、この実施形態において、第1および第3の組成物がラジカル重合可能な化合物を含み、第2の組成物は二成分組成物である。従って、第1および第3の塗料組成物のそれぞれがフリーラジカル重合により硬化し、一方、第2の塗料層26は、代わりの技術により、例えば、熱、UV線などによって硬化させられる。言い方を変えれば、この実施形態において、プライマー層16およびクリアコート塗料層28は典型的には、本明細書中に記載されるようなフリーラジカル重合により硬化し、ベースコート塗料層20は、他の化学的技術(例えば、二成分組成物)および/または物理的技術(例えば、UV線、熱など)を含めて、フリーラジカル重合に依らない他の方法で硬化させられる。
代替において、第1の組成物が第1の錯体解離剤22を含み、第2の組成物が第1の有機ボラン錯体を含む実施形態において、かつ、本発明の方法が、第3の塗料層を第2の塗料層26の上に塗布する工程を含むとき、第2の塗料層26における第2の錯体解離剤および/または第3の塗料層における第3の層の有機ボラン錯体が、第2の塗料層と、第3の塗料層との間の境界にまで個々の層の中を移動する。第2の塗料層26における第2の錯体解離剤はその場合、第3の塗料層の第3の層の有機ボラン錯体を錯体解離させ、それにより、第2および/または第3の塗料層のラジカル重合可能な化合物のフリーラジカル重合を開始させるフリーラジカルを形成させる。注目すべきことに、これらの実施形態において、第2の組成物は、第2の錯体解離剤と、第1の有機ボラン錯体24との両方を含む。第2の組成物は、第2の錯体解離剤および第1の有機ボラン錯体24が互いに実質的に非反応性であるという事実のために、周囲条件で安定なままである。本発明の方法がさらに、第4の塗料層を第3の塗料層の上に塗布する工程を含むとき、同じことが、第3の錯体解離剤と、第4の層の有機ボラン錯体との両方を含む第3の組成物について当てはまる。「実質的に非反応性(である)」は、第2の錯体解離剤および第1の有機ボラン錯体24、ならびに/または、第3の錯体解離剤および第4の層の有機ボラン錯体に関して本明細書中で使用される場合、第2の錯体解離剤および第1の有機ボラン錯体24、または、第3の錯体解離剤および第4の層の有機ボラン錯体が存在している間は、ラジカル重合可能な化合物のフリーラジカル重合が阻害されるように安定であるとして定義される。
本発明の方法がさらに、第4の塗料層を第3の塗料層の上に塗布することを含むとき、第3の塗料層における第3の錯体解離剤および/または第4の塗料層における第4の層の有機ボラン錯体が、第3の塗料層と、第4の塗料層との間の境界にまで個々の層の中を移動する。第3の塗料層の第3の錯体解離剤はその場合、第4の塗料層の第4の層の有機ボラン錯体を錯体解離させ、それにより、第3および/または第4の塗料層のラジカル重合可能な化合物のフリーラジカル重合を開始させるフリーラジカルを形成させる。
第1、第2、第3および/または第4の塗料層のそれぞれが予備成形塗膜であるとき、熱を、それぞれの個々の層の間における表面相互作用を増大させるために、また、それぞれの錯体解離剤および/または有機ボラン錯体の移動を可能にするために利用することができる。代替において、他の形態のエネルギーを利用することができる(例えば、UV線など)。注目すべきことに、第1、第2、第3および/または第4の塗料層が「ウェット・オン・ウェット」塗布されるとき、硬化を、上記で記載されるように、熱の非存在下で行うことができる。
加えて、第1の組成物が第1の錯体解離剤22を含み、第2の組成物が第1の有機ボラン錯体25を含む実施形態において、かつ、本発明の方法が、第3および/または第4の塗料層を塗布する工程を含むとき、これらの塗料層を硬化させる工程は「カスケード硬化」として示される。カスケード硬化では、第1の錯体解離剤22が第1の塗料層18の中を移動して、第2の塗料層26の第1の有機ボラン錯体24を、第1の塗料層と、第2の塗料層との間の境界で錯体解離させ、それにより、フリーラジカルを形成させ、第1および/または第2の塗料層のラジカル重合可能な化合物のフリーラジカル重合を開始させる。加えて、第2の錯体解離剤が第2の塗料層26の中を移動して、第3の塗料層の第3の層の有機ボラン錯体を、第2の塗料層と、第3の塗料層との間の境界で錯体解離させ、それにより、フリーラジカルを形成させ、第2および/または第3の塗料層のラジカル重合可能な化合物のフリーラジカル重合を開始させる。最後に、第3の錯体解離剤が第3の塗料層の中を移動して、第4の塗料層の第4の層の有機ボラン錯体を、第3の塗料層と、第4の塗料層との間の境界で錯体解離させ、それにより、フリーラジカルを形成させ、第3および/または第4の塗料層のラジカル重合可能な化合物のフリーラジカル重合を開始させる。典型的には、有機ボラン錯体を含む塗料層は、フリーラジカル重合により硬化させられるものである。従って、有機ボラン錯体を含む塗料層はまた、典型的には、ラジカル重合可能な化合物を含む。従って、この実施形態において、第2、第3および第4の塗料層は、本明細書中に記載されるようなフリーラジカル重合により硬化し、第1の塗料層18は、他の化学的技術(例えば、二成分組成物)および/または物理的技術(例えば、UV線、熱など)を含めて、フリーラジカル重合に依らない他の方法で硬化させられる。言い方を変えれば、この実施形態において、プライマー層16、ベースコート塗料層20およびクリアコート塗料層28は典型的には、フリーラジカル重合により硬化し、e−コート層14は、フリーラジカル重合に依らない他の方法で硬化させられる。
本発明が例示的様式で本明細書中に記載されており、従って、使用されている用語は、本質的には限定の言葉ではなく、むしろ、記述の言葉であることが意図されることを理解しなければならない。明白なことではあるが、本発明の多くの改変および変化が上記教示に照らして可能である。本発明は、上記で具体的に記載されるのとは別途異なる方法で実施することができる。

Claims (15)

  1. 基体、
    前記基体の表面に配置され、第1の錯体解離(decomplexing)剤または第1の有機ボラン錯体のうちのどちらかを含む第1の組成物から形成される第1の塗料層、および
    前記第1の塗料層の上に配置され、前記第1の錯体解離剤および前記第1の有機ボラン錯体のうちの他方を含む第2の組成物から形成される第2の塗料層
    を含む塗料被覆システムであって、
    前記第1の組成物および前記第2の組成物のうちの少なくとも1つがさらに、フリーラジカル重合可能なモノマー、フリーラジカル重合可能なオリゴマー、フリーラジカル重合可能なポリマーおよびそれらの組合せの群から選択されるラジカル重合可能な化合物を含み、かつ、
    前記第1の錯体解離剤が前記第1の有機ボラン錯体を前記第1および第2の塗料層の境界において錯体解離させて、前記重合可能な化合物のフリーラジカル重合を開始させるフリーラジカルを形成させる、塗料被覆システム。
  2. 前記第1の組成物が前記第1の有機ボラン錯体を含み、かつ、前記第2の組成物が前記第1の錯体解離剤を含む、請求項1に記載の塗料被覆システム。
  3. 前記第1の組成物が前記第1の錯体解離剤を含み、かつ、前記第2の組成物が前記第1の有機ボラン錯体を含む、請求項1に記載の塗料被覆システム。
  4. 前記第2の塗料層の上に配置され、第3の層の有機ボラン錯体を含む第3の組成物から形成される第3の塗料層をさらに含み、前記第2の組成物がさらに、前記第1の錯体解離剤とは異なり、かつ、前記第1の有機ボラン錯体とは実質的に非反応性である第2の錯体解離剤を含み、かつ、前記第2の錯体解離剤が前記第3の層の有機ボラン錯体を前記第2および第3の塗料層の境界において錯体解離させて、前記第2および第3の塗料層のうちの少なくとも1つのフリーラジカル重合を開始させるフリーラジカルを形成させる、請求項3に記載の塗料被覆システム。
  5. 前記第2の錯体解離剤がさらに、遷移金属ルイス酸として定義され、かつ、前記第3の層の有機ボラン錯体がさらに、有機ボラン−チオール錯体として定義される、請求項4に記載の塗料被覆システム。
  6. 前記第2の塗料層の上に配置され、第3の層の有機ボラン錯体を含む第3の組成物から形成される第3の塗料層をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗料被覆システム。
  7. 前記第1の塗料層がさらに、プライマー塗料層として定義され、前記第2の塗料層がさらに、ベースコート塗料層として定義され、かつ、前記第3の塗料層がさらに、クリアコート塗料層として定義される、請求項4〜6のいずれか1項に記載の塗料被覆システム。
  8. 前記第3の塗料層の上に配置され、第4の層の有機ボラン錯体を含む第4の組成物から形成される第4の塗料層をさらに含み、前記第3の組成物がさらに、前記第2の錯体解離剤とは異なり、かつ、前記第3の層の有機ボラン錯体とは実質的に非反応性である第3の錯体解離剤を含み、かつ、前記第3の錯体解離剤が前記第4の層の有機ボラン錯体を前記第3および第4の塗料層の境界において錯体解離させて、前記第3および第4の塗料層のうちの少なくとも1つのフリーラジカル重合を開始させるフリーラジカルを形成させる、請求項4〜6のいずれか1項に記載の塗料被覆システム。
  9. 前記第3の塗料層の上に配置され、第4の層の有機ボラン錯体を含む第4の組成物から形成される第4の塗料層をさらに含む、請求項4〜6のいずれか1項に記載の塗料被覆システム。
  10. 前記第1の塗料層がさらに、e−コート塗料層として定義され、前記第2の塗料層がさらに、プライマー塗料層として定義され、前記第3の塗料層がさらに、ベースコート塗料層として定義され、かつ、前記第4の塗料層がさらに、クリアコート塗料層として定義される、請求項8または9のいずれかに記載の塗料被覆システム。
  11. 前記基体がさらに、自動車車体として定義される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の塗料被覆システム。
  12. 前記第1の有機ボラン錯体がさらに、有機ボラン−アミン錯体として定義される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の塗料被覆システム。
  13. 前記第1の錯体解離剤が、酸、酸誘導体、イソシアナート、アルデヒド、エポキシド、酸クロリド、環状カルボナート、スルホニルクロリド、二酸化炭素およびそれらの組合せの群から選択される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の塗料被覆システム。
  14. 多層塗料被覆を、請求項1〜13のいずれかに記載される塗料被覆システムから生じさせるための方法であって、前記第1および第2の塗料層のうちの少なくとも1つを硬化させ、それにより、多層塗料被覆を生じさせる工程を含む、方法。
  15. 前記第1および第2の塗料層のうちの少なくとも1つを硬化させる前記工程がさらに、前記ラジカル重合可能な化合物を20℃〜30℃の温度で重合することとして定義される、請求項14に記載の方法。
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