JP2012515934A - 可変プログレッシブレンズデザイン - Google Patents

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Abstract

本発明は、眼鏡レンズデザインを計算するための方法であって、
− 開始デザインを定めるステップであって、該開始デザインが、主線(40;70)の仕様と、主線(40;70)に沿う目標非点収差値A(u=0,y)のための仕様と、少なくとも1つのベース目標等非点収差線の経路(10,10’;50,50’)のための仕様であって、ベース目標等非点収差線の経路(10,10’;50,50’)が、u(y)=f(y)の形式の一次関数によって表される、仕様と、を備える、ステップと、
− 開始デザインを変換するステップであって、開始デザインを変換するステップは、
− ベース目標等非点収差線(10,10’;50,50’)の経路を変更することu(y)→u’(y)と、
− 主線(40;70)上の目標非点収差値A(u=0,y)と変更されたベース目標等非点収差線(101,101’;501,501’)上の目標等非点収差値A(u’(y),y)との間の補間によって計算されるべきデザインの目標非点収差値A(u,y)の空間分布を計算することと、を含む、ステップと、
を備え、ここで、
uが、眼鏡レンズデザインの点(u,y)の主線40;70)からの水平距離を示し、
yが、眼鏡レンズデザインの点(u,y)の垂直座標を示し、
(y)が、ベース目標等非点収差線(10,10’;50,50’)上の点(u(y),y)の主線40;70)からの水平距離を示し、
u’(y)が、変更されたベース目標等非点収差線(101,101’;501,501’)上の点(u(y),y)の主線からの水平距離を示す、
方法に関連している。
さらに、本発明は、個々のプログレッシブ眼鏡レンズを形成するための方法、対応する装置、コンピュータプログラムプロダクトおよび記憶媒体、並びに、眼鏡レンズの使用に関連している。

Description

本発明は、個々の眼鏡レンズデザインを計算するための方法、個々の眼鏡レンズを形成するための方法、個々の眼鏡レンズデザインを計算して個々の眼鏡レンズを形成するための対応する装置、対応するコンピュータプログラムプロダクト、および、記憶媒体、並びに、眼鏡レンズの使用に関する。
それぞれの着用位置および着用状況におけるプログレッシブ眼鏡レンズの計算および最適化は、高い技術的で光学的な基準を達成してきた。例えば、従来技術によれば、個々の処方(球面度数、円柱度数、軸線、加入度数、プリズム、ベース)、および、眼鏡着用者の眼の前方のレンズの個々の位置または配置(角膜頂点間距離(CVD)、顔形角(FFA)、前傾、または、広角)、並びに、生理学的パラメータ(例えば瞳孔間距離)を考慮に入れて、注文を受けた後に独自のオンラインとしてプログレッシブ眼鏡レンズが最適化されて計算され得る。しかしながら、通例、顧客は、累進長のみが異なる数少ない(通常は2つ)眼鏡レンズデザインから選択するしかない。
また、従来技術によれば、新たに開発されるべき各デザインに、特に各累進帯長に、独自のあるいは個々の目標値(デザイン)が生成されて預けられる。例えば、汎用プログレッシブレンズに加えて、様々な特別なプログレッシブレンズのためのデザインも開発される。様々な特別なプログレッシブレンズのためのデザインは、多くの場合、主要な視対象に関して、すなわち近見帯および遠見帯における主視認方向に関してのみ異なるものである。様々な特別なプログレッシブレンズのためのデザインも開発される。したがって、PCT/DE01/00188は、異なる用途(ドライバー、パイロット、時計屋など)のためのデザインを直ぐに定めることを提案する。デザイン生成に関する、並びに、製造者による多くの異なるデザインのロジスティクスおよび眼鏡技師による必要な製品訓練コースに関する、この非常に複雑な手続きにもかかわらず、これらの標準的なデザインを用いて個々の着用状況に対して満足に対応することは多くの場合不可能である。
PCT/DE01/00188
本発明の目的は、眼鏡レンズデザイン、特に個々の眼鏡レンズデザインを計算するための高速で、効率的で、柔軟な方法、および、それによって計算された眼鏡レンズデザインにしたがって眼鏡レンズを形成するための方法を提供することである。また、本発明の目的は、眼鏡レンズ、特に個々の眼鏡レンズを形成するための対応する装置、および、対応するコンピュータプログラムプロダクトおよび記憶媒体を提供することである。更に、本発明の目的は、眼鏡レンズデザインを計算するための方法であって、眼鏡レンズデザインを、個人の選好、使用の主要な焦点、フレームデータ、および、眼鏡着用者の他の個人のデータに、改良された仕方で合わせる方法を提供することである。
この目的は、請求項1の特徴を含む眼鏡レンズデザインを計算あるいは最適化するための方法、請求項16の特徴を含む眼鏡レンズデザインを計算あるいは最適化するための装置、請求項17の特徴を含むコンピュータプログラムプロダクト、請求項18の特徴を含む記憶媒体、請求項19の特徴を含むプログレッシブ眼鏡レンズを形成するための方法、請求項21の特徴を含むプログレッシブ眼鏡レンズを形成するための装置、請求項22の特徴を含むコンピュータプログラムプロダクト、請求項23の特徴を含む記憶媒体、および、請求項24の特徴を含む眼鏡レンズの使用によって解決される。好ましい実施形態が、従属請求項の主題となっている。
本発明の一態様によれば、提案されるプログレッシブ眼鏡レンズのためのデザインを生成あるいは計算するためにコンピュータで実行される方法において、
− 主線を特定するステップと、
− 主線に沿う目標非点収差値A(u=0,y)を特定するステップと、
− 少なくとも1つのベース目標等非点収差線の経路を特定するステップであって、ベース目標等非点収差線の経路が、u(y)=f(y)の形式の一次関数によって表される、ステップと、
− 主線上の目標非点収差値A(u=0,y)とベース目標等非点収差線上の目標等非点収差値A(u(y),y)との間の補間によって計算されるべきデザインの目標非点収差値A(u,y)の空間分布を計算するステップと、
を備え、ここで、
uが、眼鏡レンズデザインの点(u,y)の主線からの水平距離を示し、
yが、眼鏡レンズデザインの点(u,y)の垂直座標を示し、
(y)が、ベース目標等非点収差線上の点(u(y),y)の主線からの水平距離を示す、
方法が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、提案されるプログレッシブ眼鏡レンズのためのデザインを生成あるいは計算するためにコンピュータで実行される方法において、
− 開始デザインを定めるステップであって、該開始デザインは、
− 主線の仕様と、
− 主線に沿う目標非点収差値A(u=0,y)のための仕様と、
− 少なくとも1つのベース目標等非点収差線の経路のための仕様であって、ベース目標等非点収差線の経路が、u(y)=f(y)の形式の一次関数によって表される、仕様と、を備える、ステップと、
− 開始デザインを変換するステップであって、開始デザインを変換するステップは、
− ベース目標等非点収差線の経路を変更することu(y)→u’(y)と、
− 主線上の目標非点収差値A(u=0,y)と変更されたベース目標等非点収差線上の目標等非点収差値A(u’(y),y)との間の補間によって計算されるべきデザインの目標非点収差値A(u,y)の空間分布を計算することと、を含む、ステップと、
を備え、ここで、
uが、眼鏡レンズデザインの点(u,y)の主線からの水平距離を示し、
yが、眼鏡レンズデザインの点(u,y)の垂直座標を示し、
(y)が、ベース目標等非点収差線上の点(u(y),y)の主線からの水平距離を示し、
u’(y)が、変更されたベース目標等非点収差線上の点(u(y),y)の主線からの水平距離を示す、
方法が提供される。
プログレッシブ眼鏡レンズの最適化は、通常、プログレッシブ眼鏡レンズの少なくとも1つの収差(特に、非点収差偏差のための目標値)のための所望値または目標値が考慮に入れられる目的関数を最小にすることによって行われる。 目的関数において考慮に入れられる少なくとも1つの収差、特に非点収差偏差は、眼鏡レンズのデザインを特徴付ける。
例えば、プログレッシブ眼鏡レンズのデザインベースの最適化は、以下の形式の目的関数を最小にすることにより行われ得る。
Figure 2012515934
上記式において、
ΔRi,targetは、i番目の評価点における局所屈折誤差の目標値であり、
ΔRは、i番目の評価点における実際の局所屈折誤差であり、
Asti,targetは、i番目の評価点における局所非点収差偏差または局所非点収差誤差の目標値であり、
Astは、i番目の評価点における実際の局所非点収差偏差または実際の局所非点収差誤差であり、
i,ΔRは、i番目の評価点における屈折誤差の局所重み付けであり、
i,Astは、i番目の評価点における非点収差偏差または非点収差誤差の局所重み付けである。
屈折誤差は、眼鏡レンズの屈折力と、屈折能測定により決定される屈折力との差を表している。非点収差偏差または非点収差誤差は、眼鏡レンズの非点収差と、屈折能測定によって決定される非点収差との差を表している。好ましくは、これらは、眼鏡レンズの着用位置における値、すなわち、眼鏡レンズ/眼の系を考慮に入れる値である。
収差ΔRおよびΔRi,target、並びにAstおよびAsti,targetの空間分布は、ΔR(x,y)およびΔRtarget(x,y)、並びにAst(x,y)およびAsttarget(x,y)の形式でそれぞれ示すことができる。
ここで、座標系は、例えば、(物体側または眼側において)最適化されるべき眼鏡レンズの表面における座標系に関連しており、座標系の原点は、(未加工の円形の)眼鏡レンズの幾何学的中心、または、眼鏡レンズの心取りあるいは取付点と一致していてもよい。垂直(「y」)および水平(「x」)軸は、幾何学的中心または心取りあるいは取付点において、眼鏡レンズのそれぞれの(眼側または物体側)表面に対する接平面内に位置している。垂直方向は、眼鏡レンズの着用位置における垂直方向に関連することが好ましい。この場合、眼鏡レンズは、例えば(例えばDIN 58 208 part 2に定められるような)平均着用位置または個々の着用位置に配置される。眼鏡レンズは個々の着用位置に配置されるのが好ましい。無論、他の適した座標系で収差の空間分布を示すこともできる。特に、y軸(x=0)に関してではなく、主線(主線ではu=0が成り立つ)に関して最適化されるべき表面の座標系によって、すなわち、ΔR(u,y)、ΔRtarget(u,y)、Ast(u,y)、および、Asttarget(u,y)の形式によって最適化値を示すことが好ましい。目標値または最適化目標値が主線に関して特定される場合には、考慮に入れられるべき眼鏡レンズの着用位置が変えられるとき、特に瞳孔間距離、角膜頂点間距離、前傾、物体距離モデル等が変えられるときに、変えられた主視線に対して主線を適合させるだけで十分である。その結果、目標値または最適化目標値が自動的に調整される。
眼鏡レンズの最適化において目標値として考慮に入れられる、眼鏡レンズにわたる収差の目標値(特に非点収差偏差Asti,targetまたはAsttarget(x,y)またはAsttarget(u,y))、および随意的には収差の局所重み付け(gi,R、gi,ΔR)の空間分布は、プログレッシブ眼鏡レンズのデザインを特徴付ける。言い換えれば、眼鏡レンズのデザインは、通常、眼鏡レンズの最適化において目標値として考慮に入れられる1つまたは2つ以上の収差のための目標値(特に非点収差偏差Asti,targetまたはAsttarget(x,y)またはAsttarget(u,y))の分布を備える。
ここで、特に、主線、および、眼鏡レンズにわたる非点収差偏差の目標値Asti,targetまたはAsttarget(x,y)またはAsttarget(u,y)の空間分布は、プログレッシブ眼鏡レンズのデザイン定義および最適化において中心的な役割を果たす。例えば、プログレッシブレンズデザインの分類および視野サイズの評価は、非点収差分布に基づいて適切に行なわれる。また、眼鏡レンズデザインは、屈折誤差、倍率誤差、歪み誤差、または、他の収差のための目標値の分布を備えることもできる。ここで、これらの値は、表面値、または、好ましくは着用値、すなわち、眼鏡レンズの着用位置における値であり得る。
また、眼鏡レンズデザインは適切な物体距離モデルを備えることができる。例えば、物体モデルは、主線に沿う相互物体距離(reciprocal object distance)として規定される物体距離関数を備えることができる。標準化された物体距離モデルは例えばDIN 58 208 part 2(画像6参照)に示されている。しかしながら、物体距離モデルは、この標準的な物体距離モデルから逸脱することがあり得る。
主線は略直線または曲線であると理解され、該主線に沿って遠見部から近見部への眼鏡レンズの屈折力の所望の増大が達成される。主線は、眼鏡レンズ上下に対して、すなわち、略垂直方向に沿ってほぼ中心付けられる。したがって、主線は、目標値の記述のために(物体側または眼側の)最適化されるべき表面の座標系において構成線を構成する。眼鏡レンズの主線の経路は、それが主視線に少なくともほぼ従うように選択される。主線を主視線に適合させるための方法は例えばEP1277079に記載されている。主視線は、2つの眼球の回転中心の距離を二等分する垂直面(いわゆる、単眼面)内に位置する線を見るときにそれぞれの眼鏡レンズ表面を通り抜ける主光線の一連の貫通点であると理解される。眼鏡レンズ表面は物体側表面または眼側表面であってもよい。単眼面内の線の位置は、選択された物体距離モデルによって決定される。
プログレッシブ眼鏡レンズデザインは、通常、遠見帯、近見帯、および、中間帯または累進帯を備える。より高い収差が許容される外周帯と比較して良好な結像特性を有する内側帯の画定は、通常、規定される目標等非点収差線によって得られる。眼着用光学素子では、大抵、それに沿う非点収差の大きさが0.5Dに等しい等非点収差線が、この目的を達成するために使用される。この線は、以下で詳しく説明するように、目標仕様のための非点収差モデルの構成のために使用されるのが好ましい。
異なるデザインを有する(すなわち、収差のための、特に非点収差のための異なる目標仕様を有する)プログレッシブレンズを形成するため、対応する異なるデザインまたは目標仕様が生成あるいは計算されなければならず、また、その後に最適化が行なわれなければならない。その結果、この出願によって定められる眼鏡レンズデザインを生成あるいは計算することは、眼鏡レンズデザインと関連付けられる個々の収差のための目標仕様または目標値、特に非点収差偏差または目標非点収差のための目標仕様を計算あるいは生成することを含む。
本発明によれば、通常の手法とは異なり、預けられた旧来の目標仕様から新たな目標仕様が導出される。したがって、本発明に係る方法を用いると、様々な幅の遠見および/または近見視覚帯および/または低いあるいは高い非点収差勾配を有する個々のプログレッシブレンズデザインを、既知の目標仕様を有する既存のプログレッシブレンズデザイン(以下、開始デザインまたは基本デザインと称される)から直接に生成することができる。全てのデザイン変更が同じ開始デザインから得られるため、移行がスムーズである。したがって、顧客ニーズを最良の想定し得る方法で常に満たすために、任意の数のデザインバリエーションが生成され得る。
デザイン変更は、開始デザイン、特に非点収差偏差または目標非点収差値のための目標値の最適化目標仕様の適切な変化によって行なわれる。
この目的を達成するために、何よりも最初に、
− 主線または主線の経路の仕様と、
− 主線に沿う目標非点収差値Atarget(u=0,y)のための仕様と、
− ベース目標等非点収差線の間の経路のための仕様であって、ベース目標等非点収差線の経路が、u(y)=f(y)の形式の一次関数によって表される、仕様と、
を備える開始デザインまたは開始仕様が定められる。
また、開始デザインまたは開始仕様は、好ましくは、主線に沿う屈折力経路のための仕様を備えている。開始デザインの更なるパラメータ、例えば
− 眼鏡レンズの外周における最大限に許容できる目標非点収差;および/または、
− 最大目標等非点収差線;および/または、
− 予め決定されあるいは予め決定可能な方向での遠見部および近見部におけるベース目標等非点収差線からの最大目標等非点収差線の距離、
を定めることもできる。
開始デザインと関連付けられる目標非点収差値Atarget(u,y)の空間分布は、上記仕様に基づいて適切な補間により決定され得る。
あるいは、開始デザインまたは開始仕様は、眼鏡レンズの最適化されるべき領域の少なくとも一部にわたる目標非点収差値の空間分布を含むことができる。したがって、主線の経路、主線に沿う目標非点収差値、ベース目標等非点収差線の経路、および、開始デザインと関連付けられる随意的な更なるパラメータが、一意的に決定される。
また、開始デザインまたは開始仕様は、例えばその角膜頂点深さによって定められる開始表面を備えることができる。開始表面が特定されると、主線HLの経路およびベース目標等非点収差線Iの経路も一意的に特定される。
更に、開始デザインに応じて、最大限に許容できるデザイン変更が予め特定あるいは定められ得る。
この出願により定められる目標非点収差値Aは、特に、非点収差偏差Asttargetの目標値、または、眼鏡レンズの非点収差(表面非点収差または着用位置における非点収差)のための目標値であると理解される。
特に、非点収差仕様を構成するため、あるいは眼鏡レンズにわたる目標非点収差分布を計算するため、少なくとも1つのベース目標等非点収差線の経路、好ましくは眼鏡レンズの鼻側および側頭側のそれぞれの1つのベース目標等非点収差線が示されている。ベース目標等非点収差線の大きさAを自由に選択することができ、有利な大きさは0.25D〜1.0D、特に0.5Dである。
主線およびベース目標等非点収差線は、適切なパラメータ表示によって数学的に特定され得る。例えば、主線HLの経路は、一次関数、好ましくはf(y)なる形式の連続的な関数によって表され得る。主線は、関数f(y)が特定されるときに定められる。また、ベース目標等非点収差線の経路は、f(y)=f(y)の形式の一次関数によって表され、または特定され得る。
好ましくは、一次関数f(y)は、少なくとも1回連続的に微分可能な関数である。さらに好ましくは、関数f(y)の一次導関数も、少なくとも1回連続的に微分可能な関数である。
主線および目標非点収差値の空間分布は、前述した座標系などの水平軸xと垂直軸yとを有する適切なデカルト座標系、すなわち、例えば眼鏡レンズの最適化されるべき表面内、好ましくは眼鏡レンズの眼側表面内の座標系で表示および計算され得る。該座標系の原点は、例えば、(未加工の円形の)眼鏡レンズの幾何学的中心と一致し、あるいは、眼鏡レンズの心取りまたは取付点と一致する。垂直(「y」)軸および水平(「x」)軸は、幾何学的中心または心取りあるいは取付点において、眼鏡レンズのそれぞれの(眼側または物体側、好ましくは眼側の)最適化されるべき表面に対する接平面内に位置する。垂直方向は、眼鏡レンズの着用位置における垂直方向に関連することが好ましく、この場合、眼鏡レンズは、例えば(例えばDIN 58 208 part 2に規定されるような)平均着用位置または個々の着用位置に配置される。好ましくは、眼鏡レンズは個々の着用位置に配置される。この座標系{x,y}において、主線上の点(xHL,y)の水平座標xHLは、形式f(y)の関数によって表わすことができる。すなわち、xHL=f(y)となる。
しかしながら、座標変換(x,y)→(u,y)を行なうこと、および、全ての計算をこの座標系で行なうことが有益であることが分かってきた。この場合、x=u+f(y)であり、uは主線からの点(u,y)の距離を示す。この座標系において、主線上の点は座標(u=0,y)を有し、ベース目標等非点収差線の点は座標(u(y),y)を有し、また、変更されたベース目標等非点収差線の点は座標(u’(y),y)を有する。
しかしながら、無論、全ての計算を座標系{x,y}であるいは別の適した座標系で行なうこともできる。
第2のステップにおいて、ベース目標等非点収差線が、予め定められた変換
Figure 2012515934
に従って変更される。ここで、
Figure 2012515934
となっている。
言い換えれば、ベース目標等非点収差線Iの経路だけが変更され、ベース目標等非点収差線に沿う目標非点収差の一定の大きさAは変更されない。
目標非点収差値は、主線と、変更されたベース目標等非点収差線との間で適切に補間される。従って、開始デザインの仕様に基づいて、または開始仕様に基づいて、主線とベース目標等非点収差線との間の目標非点収差値の空間分布が決定され得る。例えば、目標非点収差値は、線形補間、四次補間(quadrangular interpolation)、または、三次補間によって計算され得る。より高次の補間も考えられる。
以下、主線の所定の経路およびベース目標等非点収差線の所定の経路に基づく目標非点収差分布または目標非点収差値の典型的な計算または生成について詳しく説明する。
前述したように、所定のベース目標等非点収差線の経路は、一次関数u(y)によって特定され得る。無論、所定の主線と変更されたベース目標等非点収差線との間の目標非点収差分布は、後述する方法によっても計算され得る。この場合、以下の式において、変更されたベース目標等非点収差線I’の経路を表わす一次関数u’(y)は、ベース目標等非点収差線Iの経路を表わす一次関数u(y)に取って代わる。
目標非点収差値を水平断面で補間することができ、その場合、補間は、各水平断面において、主線上の所定の目標非点収差値A(u=0,y)=A(y)と、変更されたベース目標等非点収差線上の値A(u’(y),y)=A=constとの間で行なわれる。
uに関して、補間は、直線的に、四次的に(quadrangularly)、あるいは、以下の任意の屈折力関数により行なわれ得る。
Figure 2012515934
特定の屈折力pの場合、係数b(y)が以下によって直接に決定され得る。
Figure 2012515934
この場合、前述したように、u(y)は、主線からのベース目標等非点収差線の水平距離である。
その結果、補間を以下のように書き表すことができる。
Figure 2012515934
屈折力pは、一般に可変態様で特定される。pが大きく選択されればされるほど、主線上の非点収差の横方向増大が滑らかになる。累進帯では、非点収差が一般にMinkwitz定理にしたがって直線的に増大し、そのため、この帯域ではpが1に選択されるのが好ましい。近見部の目標非点収差が減少するにつれて、pも同様に増大するのが好ましく、それにより、目標非点収差の水平増大が更に緩慢になる。このことは、近見部の拡張をもたらす。
眼鏡レンズの外周(すなわち、ベース目標等非点収差線と眼鏡レンズ周縁との間)では、値Amaxを有する外側の最大目標等非点収差線を更に特定することにより、また、遠見部および近見部においてベース目標等非点収差線からの最大目標等非点収差線の距離を特定することにより、目標非点収差分布を決定することができる。
特に、いわゆる平行カーブモデル法により、眼鏡レンズの外周の目標非点収差値を決定あるいは計算することができる。
この方法によれば、ベース目標等非点収差線および更なる目標等非点収差線のための平行カーブが、これらはベース目標等非点収差線に略並行となっていてもよいが、眼鏡レンズの外周で構成される。これらの目標等非点収差線の法線距離は、最大値Amaxと、正規曲線に沿うベース目標等非点収差線からの関連する距離とを特定することによって制御される。最大または外側目標等非点収差線の距離は、一定である必要はなく、距離関数a(y)によって特定され得る。a(y)の値が大きくなればなるほど、目標等非点収差線同士が互いに更に離れ、非点収差が更に滑らかに移行する。距離関数a(y)は、遠見部の距離aおよび近見部の距離aが特定され、その後にyにおいて線形補間されるよう、簡単な一次関数であってもよい。
眼鏡レンズの外周における任意の点P(u,y)の目標非点収差値は、例えば以下のように計算することができる。
1.その正規曲線が点P(u,y)を通るベース目標等非点収差線上の点P(u,y)を、適切な数値法によって決定する、
2.2つの点P(u,y)およびP(u,y)の距離dを、以下のように計算する
Figure 2012515934
3.A(d=0)とAmax(a(y))との間の補間によって、関連する目標非点収差値A(u,y)=A(d,a(y))を計算する。デザインに応じて、この補間は、例えば、線形補間、四次補間(quadrangular)、または、三次補間、または、他の適した補間であってもよい。好ましくは、補間が線形補間である。
あるいは、いわゆる円錐台モデル法にしたがって、眼鏡レンズの外周の目標非点収差値を計算することができる。
この方法は、遠見帯へ移行するときにベース目標等非点収差線が非常に大きく曲げられ、それにより、ベース目標等非点収差線の正規曲線が距離a(y)内で既に交差する可能性がある場合に特に有益である。この場合、前述した方法によれば、外側目標等非点収差線をこれ以上明確に構成することができない。これは、上記方法が複数の解決策を与えるからである。目標等非点収差線は円錐台の輪郭線としてモデリングされ、円錐台のベース領域が目標等非点収差線によって画定される。円錐台の先端S(uSP,ySP)の位置と先端における関連する目標非点収差値ASPとを特定することにより、以下の方法にしたがって各点P(u,y)が一意的に目標非点収差値と関連付けられる。
1.点P、Sを通過する直線と円錐台の制限カーブとの交点F(u,y)を決定する、
2.距離を計算する:
Figure 2012515934
Figure 2012515934
3.目標非点収差値A(u,y)を計算する:
Figure 2012515934
Figure 2012515934
図10は、パラレルカーブモデル法(図10ではPCモデルと称される)にしたがった、および、円錐台モデル法(図0ではTCモデルと称される)にしたがった、眼鏡レンズの外周での目標非点収差値の計算を示している。
好ましくは、眼鏡レンズの中心帯では、外周における目標非点収差値を計算するために円錐台モデル法が使用され、また、遠見部および近見部においてはパラレルカーブモデル法が使用される。
したがって、本発明に係る方法を用いると、眼鏡レンズのデザイナーは、任意のプログレッシブレンズデザインまたは目標非点収差の任意の分布を、高速且つ効率的な方法で生成あるいは変えることができる。特に、本発明に係る方法を用いると、既存のプログレッシブレンズデザイン(開始デザインまたは基本デザイン)のためのデザイン特性を、迅速且つ効率的に変更することができ、かつ、それを顧客ニーズに合わせることができる。また、比較的簡単で高速の計算により、低い、あるいは高い非点収差勾配を伴う更に大きな、あるいは更に小さな視覚帯を有する(例えば、大きいあるいは小さい遠見部、広いあるいは狭い近見部を有する)変形またはデザインを生成することができる。したがって、本質的な利点は、特に個々のプログレッシブ眼鏡レンズにとって適した目標仕様を生成するための前述の付加的な労力を回避できるという点である。更なる利点は、開始デザインのデザイン特性および良好な結像特性を失うことなく、所定の限界範囲内で視覚帯を任意に且つ無限に調整できる可能性である。したがって、顧客ニーズを最良の想定し得る方法で常に満たすために、任意の数のデザイン変形例を生成することができる。
さらに、本発明のアプローチによれば、目標仕様を生成するための係数が、更なるパラメータに基づいて、眼鏡レンズの最適化の直前にのみ適合され得る。従って、基本または開始デザインから、適切な用途デザインを迅速に導くことができる。本発明に係る方法を用いると、異なるデザイン変形例が迅速且つ効率的に生成され、かつ互いに対して検査され得るため、従来の、屈折力が最適化されたあるいは個々のプログレッシブ眼鏡レンズを開発して生成するための労力を著しく減らすことができる。
本発明による方法は、データベースによって制御される計算プロセスに特に適している。
本発明に係る方法は、
− ドライバーのための、大きい、広い遠見部を有するプログレッシブレンズ、
− 大きい遠見部、低い加入度数、および、小さい勾配を有するスポーツ用プログレッシブレンズ(活動的な行動のためのレンズ)、
− 広い近見部と40cmの主作業焦点とを有するレンズ、
− 様々なコンピュータ職場用レンズ、並びに、近見レンズおよびルームレンズ、
などの異なる分野の用途に適合する個々のデザインを生成するのに特に適するとともに、生成されたデザインに基づいて個々の眼鏡レンズを形成するのに特に適する。
ベース目標等非点収差線u(y)=f(y)は、異なる帯域へ分けられ得る。好ましくは、ベース目標等非点収差線は、2つの垂直座標y,yを特定することにより、3つの帯域(遠見帯、累進帯、および、近見帯)へ分けられる。
累進帯(すなわち、y≦y≦yのとき)では、例えば、主線に沿う所定の屈折力経路が、伴うMinkwitz定理にしたがって、あるいは、例えば開始デザインに含まれる所定の開始表面から、ベース目標等非点収差線の経路が直接に特定され、あるいは計算され得る。特に、Minkwitz定理によれば、非点収差の横方向での増大が、主線に沿う屈折力の増大によって決定され得る。従って、境界線の点の主線からの水平距離、または、ベース等非点収差線のu座標が決定され得る。
遠見部および/または近見部において、ベース目標等非点収差線の連続または経路は、独立に特定することができ、あるいは自由に且つ無限に(特定の所定の限界内で)変更することができ、したがって、デザイン仕様を作ることができる。
好ましくは、ベース目標等非点収差線は、累進帯(すなわち、y≦y≦yのとき)では変換されない。したがって、導出された個々のデザインは、屈折力経路の特性と、それに関連する開始デザインの累進チャンネルの最小幅と、を維持する。
さらに好ましくは、開始デザインは、遠見部および/または近見部または遠見帯および/または近見帯における更なる目標等非点収差線の経路のための仕様を更に備えている。この場合、更なる目標等非点収差線の経路は、u(y)=f(y)の形式の一次関数によって表される。開始デザインの変換は、開始デザインの更なる目標等非点収差線の経路を変更することをさらに含んでおり、この場合、主線上の目標非点収差値と、変更されたベース目標等非点収差線上の目標非点収差値との間の補間は、
− 主線上の目標非点収差値A(u=0,y)と、変更された更なる目標等非点収差線上の目標非点収差値A(u’(y),y)との間の補間と、
− 変更された更なる目標等非点収差線上の目標非点収差値A(u’(y),y)と、変更されたベース目標等非点収差線上の目標非点収差値A(u’(y),y)との間の補間と、
を含み、ここで、
(y)が、開始デザインの更なる目標等非点収差線上の点(u(y),y)の、主線からの水平距離を示し、
u’(y)が、変更された更なる目標等非点収差線上の点(u’(y),y)の、主線からの水平距離を示している。
好ましくは、一次関数f(y)は、少なくとも1回連続的に微分可能となっている。
開始デザインの更なる目標等非点収差線の経路は、予め定められた変換
Figure 2012515934
に従うことができ、この場合、A(u(y),y)=A(u’,y)A=constとなっている。
特に遠見部において、補間は、更なる第2の目標等非点収差線(例えば、IZ=0.25またはA=0.25D)によってより精密に制御され得る。この場合、補間は、最初は、主線と第2の更なる目標等非点収差線との間で行なわれ、その後、第2の更なる目標等非点収差線とベース目標等非点収差線との間で行なわれる。更なる第2の目標等非点収差線は、ベース目標等非点収差線との類推によって特定および計算あるいは変更され得る。主線上の目標非点収差値A(u=0,y)と、変更された更なる目標等非点収差線上の目標非点収差値A(u’(y),y)との間の補間は、主線上の目標非点収差値A(u=0,y)と変更されたベース目標等非点収差線上の目標非点収差値A(u’(y),y)との間の補間の類推によって行なわれる。
好ましくは、ベース目標等非点収差線は、予め決定された、あるいは予め決定可能な第1の制御点
Figure 2012515934
を通る。ベース目標等非点収差線の経路を変更することは、
− 予め決定された、あるいは予め決定可能なカーブに沿って第1の制御点をシフトさせるステップ
Figure 2012515934
と、
− 変更されたベース目標等非点収差線を、それがシフトされた第1の制御点
Figure 2012515934
を通るよう計算するステップと、
を備えている。
それに沿って第1の制御点がシフトされる予め決定されあるいは予め決定可能なカーブu→y、K:u→k(u)は、任意のカーブであることが可能である。好ましくは、当該カーブは直線からなっている。
さらに、ベース目標等非点収差線は、予め決定された、あるいは予め決定可能な第2の制御点
Figure 2012515934
を通ることができ、この場合、ベース目標等非点収差線の経路を変更することは、
− 予め決定された、あるいは予め決定可能なカーブに沿って第2の制御点をシフトさせるステップ
Figure 2012515934
と、
− 変更されたベース目標等非点収差線を、それがシフトされた第2の制御点
Figure 2012515934
を通るよう計算するステップと、
をさらに備えている。
同様に、それに沿って第2の制御点がシフトされる予め決定されあるいは予め決定可能なカーブは、任意のカーブであることが可能である。好ましくは、当該カーブは直線からなっている。
また、ベース目標等非点収差線が更なる制御点を通過することもできる。更なる制御点は、対応する予め決定されあるいは予め決定可能なカーブに沿ってシフトされ得る。この場合、変更されたベース目標等非点収差線は、それがシフトされた制御点を通過するように計算される。
更に好ましくは、ベース目標等非点収差線および変更されたベース目標等非点収差線は、予め決定されあるいは予め決定可能な少なくとも1つの枢支点または固定点
Figure 2012515934
を通ることができ、この場合、枢支点または固定点では、条件
Figure 2012515934
Figure 2012515934
が満たされる。
第1の制御点、および随意的には更なる制御点は、例えば眼鏡着用者の個々の選好に基づいて、または自動的には収集された個々の顧客データ、例えば顧客選好、個々の選好の重み付け、使用の重点、フレーム特徴および/またはその他のパラメータに基づいて、自由にシフトされ得る。好ましくは、それぞれの制御点の最大限に許容できる外側への(すなわち、主線へ向かう)および/または内側への(すなわち、眼鏡レンズまたは眼鏡レンズ縁の外周へ向かう)シフトが特定され得る。
それに沿ってそれぞれの制御点をシフトさせることができるカーブの方向、特に直線の方向は、任意の方向であり得る。好ましくは、それに沿ってそれぞれの制御点が移動するあるいは移動できる直線は、正規曲線と一致する。
シフトされた1つの制御点または複数の制御点の位置に関連するデータから、並びに、随意的には累進帯におけるベース目標等非点収差線の経路に関連するデータに基づいて、変更されたベース目標等非点収差線のパラメータ、従って変更されたベース目標等非点収差線の経路が、一意的に決定され得る。ベース目標等非点収差線の中央帯(すなわち累進帯)が、屈折力の主線に沿う経路から、ベース目標等非点収差線の適切なパラメータ表現を用いることにより導かれるので、一般に、ベース目標等非点収差線の経路を対応して変更する上で、または、変更されたベース目標等非点収差線の経路を一意的に決定する上で、遠見部および/または近見部各々における1つまたは2つの制御点で十分である。
従って、例えば個々の顧客選好、眼鏡レンズの使用範囲(スポーツ、読書など)および/またはその他の個々の顧客のパラメータに応じて視覚帯のサイズを変更することが可能であり、また、簡易かつ十分な方法によって視覚帯のサイズを着用のそれぞれの個々の状況に合わせることができる。
例えば、近見部が広げられるべきである場合、近見部における制御点がさらに外側にシフトされ得る。その逆もまた可能である。非常にバランスのとれた眼鏡レンズデザインが生成されるべきである場合、制御点がわずかに内側にシフトされ得る。例えば、大きな、広い遠見部を有するスポーツデザインが、逆正接表現を有するバランスのとれた開始デザインから生成される場合、近見部の幅が低減され、そして遠見部の距離が最大限に拡大される。加えて、例えば大きなフレームのための視野の制限における横方向フィールド(lateral field)を有さないよう、逆正接表現から別の表現、例えば多項式表現へ切り替えることも可能である。
最大限に許容可能なデザイン変化は、開始デザインに基づいて予め定められ得る。
以下において、制御点をシフトするための手順が、近見部の制御点を参照して詳細に説明される。
この例において、近見部の制御点
Figure 2012515934
は、以下の直線に沿って外側へ(すなわち外周へ向かって)、または内側へ(すなわち主線に向かって)シフトされる。
Figure 2012515934
Figure 2012515934
ここで、
Figure 2012515934
は、直線の外側方向ベクトルを示し、これに沿って近見部の制御点が移動しあるいは移動でき、
Figure 2012515934
は、直線の内側方向ベクトルを示し、これに沿って近見部の制御点が移動しあるいは移動でき、
tは、方向ベクトル
Figure 2012515934
による直線に沿ったシフトを示す。
当然のことではあるが、制御点をその他のカーブに沿って対応するようシフトさせることも可能である。
ここで、シフトt、すなわち視野サイズを制限することができ、その場合、tが、最大限に許容できる外側偏差を示し、tが、最大限に許容できる内側偏差を示す。このとき、例えば近見部における最大視野サイズは、直線
Figure 2012515934
に沿って制御点
Figure 2012515934
が十分外側に(すなわち、外周へ向けて)シフトされることを意味する。それに応じて、例えば近見部における最小視野サイズは、直線
Figure 2012515934
に沿って制御点
Figure 2012515934
が十分内側に(すなわち、主線へ向けて)シフトされることを意味する。
個々のデザインの制御点の位置が特定されている場合、ベース目標等非点収差線は、それが変換またはシフトされた1つまたは複数の制御点を通るよう変更される。制御点、従ってベース目標等非点収差線の経路が変更された後、上述のような補間によって、非点収差分布のための目標使用が決定または計算される。
ベース目標等非点収差線は、多くの適切な一次元の、好ましくは少なくとも1回連続的に微分可能な関数f(y)によって表わすことができる。驚くべきことに、関数f(y)を適切な方法で少数の可変パラメータによって既に表わすことが可能であり、それにより、開始デザインの計算および変換がかなり簡略化されて加速されることが分かった。
好ましくは、近見部または近見帯におけるベース目標等非点収差線の経路は、パラメータまたは係数a、b、c、dを伴う以下の関数によって表わされ、あるいは特定される。
Figure 2012515934
好ましくは、遠見部では、ベース目標等非点収差線の経路が、パラメータまたは係数a、b、cを伴う以下のn次多項式によって表わされ、あるいは特定され得る(以下では、手短に、多項式表示とも称される)。
Figure 2012515934
このタイプの関数は、特にハードデザインを表す上で適している。
あるいは、遠見部では、ベース目標等非点収差線の経路が、パラメータまたは係数a、b、c、dを伴う以下の関数によって表わされ、あるいは特定され得る(以下では、手短に、逆正接表示とも称される)。
Figure 2012515934
そのような関数は、ソフトデザインを表わすのに特に適している。
以下においては、近見部におけるベース目標等非点収差線の変更が、例示的に詳細に説明される。
先に説明したように、近見帯におけるベース目標等非点収差線は、例えばパラメータまたは係数a、b、c、dを伴う以下の形式の関数によって表わされ得る。
Figure 2012515934
この関数の一次導関数は、
Figure 2012515934
である。
ベース目標等非点収差線は、近見部における第1の予め決定されあるいは予め決定可能な制御点
Figure 2012515934
を通過する。この点は、上述のようにシフトされる
Figure 2012515934
従って、変更されたベース目標等非点収差線は、以下の形式を有している。
Figure 2012515934
パラメータまたは係数a=a’は、適切な方法で決定または定められ得る。
好ましくは、(近見帯の境界上の)垂直座標yと(遠見帯の境界上の)垂直座標yとの間で延びる累進帯におけるベース目標等非点収差線の経路が変更されず、それにより、この帯域(すなわち、yとyとの間)で、開始デザインのベース目標等非点収差線と、導出された個々のデザインのベース目標等非点収差線とが一致することができる。点(u,y=y)は、枢支点または固定点を構成する。
開始デザインのベース目標等非点収差線の経路は予め決定されているので、主線からのベース目標等非点収差線の距離u、y=yでの一次導関数によって決定される、累進帯における開始デザインのベース目標等非点収差線の経路のデータに基づいて、計算され得る。
このデータと、シフトされた制御点の座標のデータ(すなわち、点
Figure 2012515934
におけるu’)とに基づいて、一次方程式の以下の系を解くことにより、変更されたベース目標等非点収差線の残りのパラメータ、すなわち近見帯における変更されたベース目標等非点収差線の経路が、一意的に計算され得る。
Figure 2012515934
Figure 2012515934
Figure 2012515934
ハードデザインの遠見部におけるベース目標等非点収差線の経路は、通常、制御点を特定して操作することによっても変更され得る。特に、遠見部におけるベース目標等非点収差線は、パラメータまたは係数a、b、cを伴う以下の関数によって表わされ得る。
Figure 2012515934
この関数の一次導関数は、
Figure 2012515934
である。
ベース目標等非点収差線は、第1の予め決定されあるいは予め決定可能な制御点
Figure 2012515934
を遠見部において通過する。この点は、前述したようにシフトされる
Figure 2012515934
。点(u,y=y)は、枢支点または固定点を構成する。
変更されたベース目標等非点収差線は、以下の形式を有している。
Figure 2012515934
通常は、多項式の屈折力nが特定され、あるいは適切に定められる。
変更されたベース目標等非点収差線のパラメータまたは係数は、例えば以下の方程式の系を解くことにより一意的に決定される。この場合、累進帯では、ベース目標等非点収差線の経路が不変のままである。
Figure 2012515934
Figure 2012515934
Figure 2012515934
パラメータまたは係数a、b、c、dを伴う以下の形式の関数
Figure 2012515934
によって表わされるソフトデザインの遠見部に関しては、変更されたベース目標等非点収差線の経路を一意的に決定する上で、遠見部または遠見帯における通常2つの予め決定された制御点
Figure 2012515934
および
Figure 2012515934
で十分である。2つの制御点は、前述したようにシフトされる。
Figure 2012515934
Figure 2012515934
変更されたベース目標等非点収差線のパラメータまたは係数a’、b’、c’、d’、したがって遠見部におけるそれらの経路は、以下の方程式の系を解くことにより一意的に決定され得る。
Figure 2012515934
Figure 2012515934
Figure 2012515934
Figure 2012515934
この場合、座標y=y上の点は、枢支点または固定点である。
ベース目標等非点収差線の経路は、各眼鏡着用者の個々の要求に対する視覚帯(例えば遠見帯および/または近見帯)の最適な適合を達成するために、眼鏡レンズのデザイナーによって例えば直接的または手動で、または眼鏡着用者の個々のデータに基づいて自動的に適切に変更され得る。好ましくは、上述のように、ベース目標等非点収差線の経路は、少なくとも1つの制御点の位置を変更することによって変更される。この場合、少なくとも1つの制御点の位置は、眼鏡着用者の個々のデータに基づいて変更される。
ベース目標等非点収差線の経路または制御点の位置を変更するときに考慮に入れられる、眼鏡着用者の個々のデータは、好ましくは、
− 遠見帯および近見帯の重み付け、および/または、
− 眼鏡レンズの用途の重点、および/または、
− フレームおよび心取りデータ
に関連するデータを含んでいる。
特に、ベース目標等非点収差線の経路または少なくとも1つの制御点の位置は、眼鏡着用者の個々の選考およびニーズ、例えば遠見帯および/または近見帯のサイズに対する選好、視覚帯(遠見帯、近見帯、および中間帯または累進帯)の重み付け、使用の重点および/またはフレームおよび心取りデータ、特に鉛直方向におけるレンズサイズおよび中心高さ、フレーム形状などに基づいて自動的に変換され得る。
個々のデザインの制御点の位置が特定されている場合、ベース目標等非点収差線の経路が、それがシフトされた1つまたは複数の制御点を通るよう変更される。
変更されたベース等非点収差線または少なくとも1つの制御点の位置を決定または計算する場合に考慮される眼鏡着用者の個々のデータは、以下のデータまたはデータのセットのうちの1つまたは2つ以上を更に含むことができる。
− 眼鏡レンズの主要な用途(例えば、運転、コンピュータ職場、読書、工芸など)に関連するデータ;および/または、
− 今までに着用された眼鏡レンズに関連する個々のデータ、特に、以前の眼鏡レンズが単一視、遠近両用、または、プログレッシブ眼鏡レンズであるかどうかに関する、今までに着用された眼鏡レンズに関連する個々のデータ、デザイン(ハード/ソフト)、累進長、タイプ(個別、定型)、材料(プラスチック/ケイ酸塩)、屈折率、基準点の位置、以前の眼鏡レンズの加入度数、および/または、以前の眼鏡レンズの屈折データと比べた屈折データの変化、に関連するデータ、および/または、
− 今までに着用した眼鏡に対する個々の望ましい改良、特に、より大きな遠見帯、より大きな中間帯、より大きな近見帯、読書時のより小さな下転、または低減された揺動運動、に関連するデータ、および/または、
− 環境的影響に関連するデータ(周囲の輝度など)、および/または、
− 屈折データまたは屈折力のパラメータ、特に、球面度数、円柱度数、円柱軸、加入度数;および/または、
− 眼鏡着用者の個々のパラメータ、および、眼鏡着用者の眼の前方における眼鏡レンズまたは眼鏡の個々の着用位置。個々のパラメータは、特に、瞳孔間距離、角膜頂点間距離(CVD)、前傾(FI)、顔形角(FFA)等を含む;および/または、
− 遠見および近見の主視野方向に関連するデータ、
− 潜在的に存在する個々の例外的な頭部および身体の姿勢に関連するデータ、および/または、
− 生理学的パラメータ、特に眼鏡着用者の1または複数の眼の個々の生理学的パラメータ、特に、矯正視力、立体視の閾値;および/または、
− 個々の物体距離、特に読書(近見作業)時の作動距離、遠見時の作動距離に関連するデータ;および/または、
− 屈折能測定における物体距離に関連するデータ:遠見および近見。
また、眼鏡レンズ着用者の個々のデータは、更なる個々のパラメータを備えることができる。
好ましくは、方法は、眼鏡着用者の個々のパラメータを得るステップをさらに備えている。
眼鏡着用者の個々のデータ、すなわち、眼鏡着用者の個々のパラメータおよび/または個々のニーズは、例えばRodenstock GmbH社による「Consulting FreeSign」などのコンサルティングツールを用いてかなり詳細に得ることができる。顧客は、想定し得る個々のデザイン提案またはデザイン実現を直接に実演されることが好ましい。今までのところ、対応するフレキシブルレンズデザインにおける視覚帯に関する個々の顧客ニーズの実現は、十分に解決されてこなかった。通常、Rodenstock GmbH社による「Impression Sport extracurved」などの特別なデザインを使用しなければならなかった。しかしながら、これらの特別なデザインは、全ての近見距離およびベースカーブを網羅していない。本発明を用いると、目標仕様を目標にされた方法で変更することにより個々の視覚帯を強調できる。例えば、近見帯の横方向の拡張を行なうことができ、これは、−顧客の要求プロファイル(高い重み付けダイナミクスまたは遠見部)に応じて−遠見帯および/または近見帯における目標等非点収差線の勾配の増大または遠見帯の減少と組み合わされてもよい。
好ましくは、開始デザインの変換は、遠見および/または近見基準点の可変調整可能な(個々の)垂直位置に応じて、補間によって計算される目標非点収差値の変換(例えば、垂直方向における伸長または圧縮)を更に含んでいる。変換は、計算されるべき眼鏡レンズデザインが遠見および/または近見基準点の必要とされる垂直位置を示すように行なわれる。そのような変換は、特許出願PCT/EP2008/000585に記載されている。
ここでは、眼鏡レンズデザインは、遠見および/または近見部屈折力に関する眼鏡着用者のための処方値または眼鏡着用者のために必要とされる値(例えば屈折能測定によって決定される)がそれぞれの基準点で実現されるときの、遠見および/または近見基準点の所定の空間位置を示す。つまり、デザインと関連付けられる収差(特に、非点収差偏差および屈折誤差)が、遠見および/または近見基準点で可能な限り小さくなる(好ましくは、ほぼゼロ)ようになっている。
したがって、また、開始デザインのデザイン特性を維持しつつ、遠見および近見のための基準点(遠見基準点および近見基準点)の任意の位置と、主視覚帯と、を有するプログレッシブレンズデザインが導出され最適化され得る。このため、遠見Bおよび近見Bのための基準点の望ましい個々の位置を単に定めれば十分である。累進面の累進帯の垂直位置および長さは、個々のユーザ状況に自動的に適合される。ここで、最適化において、遠見Bおよび近見Bのための基準点の任意の位置を考慮に入れることができる。
同様に、開始デザインの他の目標仕様(例えば、屈折誤差、倍率などにおける目標仕様)が適切に変換あるいは変えられ得る。
同様に、開始デザインは、眼鏡レンズの主線に沿う物体距離関数のための仕様を更に含むことができる。個々のデザインを計算するための方法は、開始デザインの物体距離関数の適切な変換を更に含むことが好ましい。物体距離関数の変換の変換係数は、個々の眼鏡レンズデザインの遠見および/または近見基準点における眼鏡レンズの屈折力が開始デザインの遠見および/または近見基準点における眼鏡レンズの屈折力に対応するよう、ニュートン反復によって決定される。物体距離関数の適切な変換は、前述した特許出願PCT/EP2008/000585に記載されている。
更に好ましくは、開始デザインの変換は、関数h=h(S’(y’),l/l)を用いて、あるいは関数h=h(l/l)を用いて、目標非点収差値にスケーリングファクタl/lを乗じることを更に含むことができる。この場合、lは、個々の眼鏡レンズデザインの累進長を示し、lは、開始デザインの累進長を示す。好ましくは、h(l/l)=a・(l/l)+bであり、a、bは一定である。
また、開始デザインの変換は、目標非点収差値(補間によって決定される開始目標非点収差値または目標非点収差値)とスケーリングファクタSとの乗算を更に含むことができる。この場合、
Figure 2012515934
となっている。
ここで、tは、一般に、計算されるべき眼鏡レンズまたは眼鏡レンズデザインの加入度数Addおよび/または遠見屈折力Fおよび/または所定のベース加入度数Addの関数t=t(Add,F,Add)であるファクタを示し、Add=Addに関してt=1が成り立つ。最も簡単なケースでは、t=1である。
例えば、開始デザインは、ベース加入度数Addのための開始目標非点収差分布を含むことができる。最初に、この開始目標非点収差分布をリスケーリングして、加入度数Addのための目標非点収差分布を得ることができる。この場合、Addは、計算されるべき眼鏡レンズまたは眼鏡レンズデザインの加入度である。その後、ベース目標等非点収差線の経路を前述したように変えることができ、また、ベース目標等非点収差線の新たな経路に適合される変更された目標非点収差分布を補間によって決定することができる。
スケーリングファクタsを乗じることによるベース加入度数Addを伴う所定の目標非点収差分布の変換は、特許出願DE102008105189.0に記載されている。
本発明に係る方法は、従来のプログレッシブ眼鏡レンズおよび屈折力が最適化されたプログレッシブ眼鏡レンズのためのデザインまたはデザイン変形例を生成すること、および、個別に最適化されたプログレッシブ眼鏡レンズのためのデザインまたはデザイン変形例を生成することの両方に適する。
プログレッシブ眼鏡レンズのためのデザインを生成あるいは計算するための本発明に係る方法を用いると、既に幾つかのパラメータを伴うバランスのとれた開始デザイン(例えば、汎用デザイン、近見デザインなど)から、任意の数のデザインを得ることができる。この場合、移行が滑らかである。好ましい実施形態において、開始デザインから得られる全てのデザインは、主線に沿う屈折力経路の同一特性を好ましく維持し、したがって更には、累進チャンネルにおける最小幅も好ましく維持する。その結果、全ての屈折力範囲にわたって新たなデザインを生成する必要なく、視野サイズと勾配経路とのほぼ全ての考えられる組み合わせを後で生成することができる。本発明に係る手続きを用いると、ベースデザインまたは開始デザインを直接に変更する必要がなく、更なるパラメータに基づいて最適化の直前に目標仕様を形成するための係数を適合させるだけで済むため、それにより、適切な用途デザインを迅速に得ることができる。特に、本発明に係る方法は、データベースにより制御される計算プロセスに特に適している。本発明に係る方法を用いると、異なるデザイン変形例が迅速且つ効率的に生成され、かつ互いに対して検査され得るため、従来の、屈折力が最適化されたあるいは個々のプログレッシブ眼鏡レンズを開発して形成するための労力を著しく減らすことができる。
また、眼鏡着用者の近見および/または遠見基準点の自由に規定できる位置に対する適合、したがって異なる累進長に対する適合を行なうことができる。特に、既存の最適化仕様または既存の開始デザインを、任意に伸長および圧縮することができ、したがって、個々の着用状況、特に個別に決定された累進長に適合させることができる。ここでは、異なるデザイン(例えば、異なる累進長を有する異なる開始デザイン)の目標仕様の補間が必要とされない。したがって、既存の開始デザインから、異なる(更に長いあるいは更に短い)累進帯または累進長を有する変形を更に迅速且つ効率的に形成することができる。
また、物体距離関数の更なる自動的な適合、したがって、目標屈折力経路の自動適合を行なうこともできる。
計算された眼鏡レンズデザインは、物体側または好ましくは眼側のプログレッシブ面を有するプログレッシブ眼鏡レンズのための眼鏡レンズデザインであってもよい。反対側の面は、単純な球面または回転対称な非球面になり得ることが好ましい。また、前述した方法を使用して、二重プログレッシブ眼鏡レンズのためのデザインを計算あるいは生成することもできる。
更に、本発明によれば、プログレッシブ眼鏡レンズのデザインを生成あるいは計算するための好ましい方法を実行するよう適合されたデザイン計算手段を備える、プログレッシブ眼鏡レンズのデザインを生成あるいは計算するための装置が提供される。
一態様によれば、プログレッシブ眼鏡レンズのデザインを生成あるいは計算するための装置は、
− 目標仕様取得手段であって、
− 主線と、
− 主線に沿う目標非点収差値A(u=0,y)のための仕様と、
− 少なくとも1つのベース目標等非点収差線の経路のための仕様であって、ベース目標等非点収差線の経路が、u(y)=f(y)の形式からなる一次関数によって表される、仕様と、を取得するよう適合された目標仕様取得手段と、
− 主線上の目標非点収差値A(u=0,y)とベース目標等非点収差線上の目標非点収差値A(u(y),y)との間の補間によって計算されるべきデザインの目標非点収差値の空間分布を計算するよう適合された計算手段と、を備え、
ここで、
uは、眼鏡レンズデザインの点(u,y)の主線からの水平距離を示し、
yは、眼鏡レンズデザインの点(u,y)の垂直座標を示し、
(y)は、ベース目標等非点収差線上の点(u(y),y)の主線からの水平距離を示している。
さらなる態様によれば、プログレッシブ眼鏡レンズのデザインを生成あるいは計算するための装置は、予め定められた開始デザインの変換を実施するよう適合されたデザイン変換手段を備えており、
開始デザインは、
− 主線の仕様と、
− 主線に沿う目標非点収差値A(u=0,y)のための仕様と、
− 少なくとも1つのベース目標等非点収差線の経路のための仕様であって、ベース目標等非点収差線の経路が、u(y)=f(y)の形式の一次関数によって表される、仕様と、を含み、
デザイン変換手段は、
− ベース目標等非点収差線の経路の変更u(y)→u’(y)を実施するよう適合された計算手段と、
− 主線上の目標非点収差値A(u=0,y)と変更されたベース目標等非点収差線上の目標非点収差値A(u’(y),y)との間の補間によって計算されるべきデザインの目標非点収差値A(u,y)の計算を実施するよう適合された計算手段と、を含み、
ここで、
uは、眼鏡レンズデザインの点(u,y)の主線からの水平距離を示し、
yは、眼鏡レンズデザインの点(u,y)の垂直座標を示し、
(y)は、ベース目標等非点収差線上の点(u(y),y)の主線からの水平距離を示し、
’(y)は、変更されたベース目標等非点収差線上の点(u’(y),y)の主線からの水平距離を示している。
また、プログレッシブ眼鏡レンズのデザインを生成あるいは計算するための装置は、好ましくは、眼鏡着用者の個々のデータを得るよう適合された取得手段を備えている。
開始デザイン、または、(主線の仕様、主線に沿う目標非点収差値の仕様、少なくとも1つのベース目標等非点収差線の経路の仕様、および随意的にその他のパラメータを含む)開始仕様は、永久的にあるいは一時的にメモリに記憶され得る。デザイン計算および/またはデザイン変換手段、特に、ベース目標等非点収差線の経路を変更するための計算手段、および/または、目標非点収差分布および/またはその空間分布を生成あるいは計算するための計算手段を備えることができるデザイン計算および/またはデザイン変換手段は、対応して構成されるあるいはプログラムされる従来のコンピュータ、専用ハードウェア、および/または、コンピュータネットワークまたはコンピュータシステムによって実施され得る。
デザイン計算および/またはデザイン変換手段、および、特にベース目標等非点収差線の経路を変更するための計算手段、および/または、目標非点収差分布および/またはその空間分布を生成あるいは計算するための計算手段は、適切なインタフェースによってメモリと信号通信することができ、特にメモリ内に記憶されたデータを読み出しおよび/または変更することができる。制御点変化手段は、ユーザが制御点の位置を変えることができるようにするインタラクティブグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を更に備えることができる。
本発明によれば、コンピュータプログラムプロダクト、すなわち、装置クレームのカテゴリーに記載されるコンピュータプログラム、および、コンピュータプログラムが記憶されて成る記憶媒体が提供され、コンピュータプログラムは、コンピュータにロードされて実行されるときに、上述のようにプログレッシブ眼鏡レンズのデザインを生成あるいは計算するための本発明に係る好ましい方法を実行するよう適合されている。
本発明によれば、プログレッシブ眼鏡レンズを形成するための方法であって、
− デザインを生成あるいは計算するための好ましい方法にしたがって眼鏡レンズのためのデザインを計算することと、
− 計算された眼鏡レンズデザインに基づいて眼鏡レンズを計算あるいは最適化することと、
を含む方法がさらに提案される。
形成方法は、
− 計算されたあるいは最適化された眼鏡レンズの表面データを与えることと、
− 与えられた眼鏡レンズの表面データにしたがって眼鏡レンズを製造することと、
をさらに備えている。
製造または生産は、数値制御されるCNCにより、鋳造方法により、2つの方法の組み合わせにより、あるいは、他の適した方法にしたがって行なうことができる。
好ましくは、眼鏡レンズの計算または最適化は、眼鏡着用者の個々のデータを考慮してさらに実施される。
本発明によれば、プログレッシブ眼鏡レンズを形成するための装置であって、
− デザインを生成あるいは計算するための本発明による好ましい方法にしたがって眼鏡レンズのためのデザインを計算するよう適合されたデザイン計算と、
− 計算されたデザインに基づいて眼鏡レンズの計算または最適化を実施するよう適合された最適化または計算手段と、
を備える装置がさらに提案される。
一態様によれば、デザイン計算手段は、
− 開始仕様取得手段であって、
− 主線の仕様と、
− 主線に沿う目標非点収差値A(u=0,y)のための仕様と、
− 少なくとも1つのベース目標等非点収差線の経路のための仕様であって、ベース目標等非点収差線の経路が、u(y)=f(y)の形式の一次関数によって表される、仕様と、を取得するよう適合された開始仕様取得手段と、
− 主線上の目標非点収差値A(u=0,y)とベース目標等非点収差線上の目標非点収差値A(u(y),y)との間の補間によって計算されるべきデザインの目標非点収差値の空間分布を計算するよう適合された計算手段と、
を備えている。
さらなる態様によれば、デザイン計算手段は、
− ベース目標等非点収差線の経路の変更u(y)→u’(y)を実施するよう適合された計算手段と、
− 主線上の目標非点収差値A(u=0,y)と変更されたベース目標等非点収差線上の目標非点収差値A(u’(y),y)との間の補間によって計算されるべきデザインの目標非点収差値A(u,y)の計算を実施するよう適合された計算手段と、
を備えている。
最適化または計算手段、並びにデザイン計算および/またはデザイン変換手段は、適切に構成されたあるいはプログラムされたコンピュータ、専用のハードウェアおよび/またはコンピュータネットワークまたはコンピュータシステム等によって実施され得る。同じコンピュータまたは同じコンピュータシステムを、例えば眼鏡レンズのためのデザインの計算および計算されたデザインに基づく眼鏡レンズの計算または最適化の両方を行なうように構成あるいはプログラムすることができる。しかしながら、デザインの計算および眼鏡レンズの計算を、計算されたデザインに基づき、別個の計算ユニットで、例えば別個のコンピュータまたはコンピュータシステムで行なうこともできる。
また、プログレッシブ眼鏡レンズを形成するための装置は、眼鏡レンズを仕上げるための機械加工手段を備えることが好ましい。機械加工手段は、決定された最適化仕様にしたがってブランクを直接に機械加工するための例えばCNC制御機を備えることができる。仕上げられた眼鏡レンズは、簡単な球面または回転対称な非球面と、本発明にしたがって計算された個々のデザイン仕様および眼鏡着用者の個々のパラメータに基づいて最適化されるプログレッシブ面とを有することが好ましい。球面または回転対称な非球面は、眼鏡レンズの前面(すなわち、物体側面)であることが好ましい。無論、計算されたデザインに基づいて最適化された表面を、眼鏡レンズの前面として設けることもできる。また、眼鏡レンズの両方の面をプログレッシブ面にすることもできる。
好ましくは、プログレッシブ眼鏡レンズを形成するための装置は、眼鏡着用者の個々のデータを得るための取得手段を更に備えている。特に、個々のデータは、眼鏡着用者において個々に必要とされる眼鏡レンズの個々の屈折力に関するデータを含んでいる。
本発明によれば、コンピュータプログラムプロダクト(すなわち、装置クレームのカテゴリーに記載されるコンピュータプログラム)、および、コンピュータプログラムが記憶されて成る記憶媒体が提供され、コンピュータプログラムは、コンピュータにロードされて実行されるときに、プログレッシブ眼鏡レンズを計算あるいは最適化するための好ましい方法を実行するよう適合されており、該方法は、以下のステップ、すなわち、
− プログレッシブ眼鏡レンズのデザインを生成あるいは計算するための本発明による好ましい方法にしたがって眼鏡レンズを計算するステップと、
− 計算された眼鏡レンズデザインに基づいて眼鏡レンズを計算あるいは最適化するステップと、
を含む。
眼鏡着用者の視覚障害を補正するための、特定の眼鏡着用者の眼の前方の眼鏡レンズの眼鏡着用者の所定の平均着用位置または個々の着用位置での、好ましい製造方法にしたがって製造される眼鏡レンズの使用、がさらに提案される。
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を一例として説明する。
第1の開始デザインの構成線および制御点である。 第1の開始デザインの目標非点収差分布である。 第2の開始デザインの構成線および制御点である。 第2の開始デザインの目標非点収差分布である。 第1の開始デザインから導出されるプログレッシブ眼鏡レンズの構成線および制御点である。 図5に示されるプログレッシブ眼鏡レンズの目標非点収差分布である。 第2の開始デザインから導出されるプログレッシブ眼鏡レンズの構成線および制御点である。 図7に示されるプログレッシブ眼鏡レンズの目標非点収差分布である。 典型的なプロセスフローの表示である。 眼鏡レンズの外周における目標非点収差値の計算の表示である。
図1,3,5および7の座標系は、先に規定されるように、眼側の累進面におけるデカルト座標系に関連する。座標中心は、眼鏡レンズの幾何学中心と一致する。対応する目標非点収差分布(図2,4,6および8)は、同一の座標系によって示されており、この場合、x軸のみが、図1,3,5および7におけるx軸に対して鏡像反転されている。図1乃至8において、座標中心からのそれぞれの距離が、水平軸(x軸)および垂直軸のそれぞれにおいてmmでプロットされている。
図1は、第1の「ソフト」開始デザインの構成線−主線、ベース目標等非点収差線、および、更なる目標非点収差線−を示している。図2は、第1の「ソフト」開始デザインの対応する目標非点収差分布を示している。
図3は、第2の「ハード」開始デザインの構成線−主線、ベース目標等非点収差線、および、更なる目標非点収差線−を示している。図4は、第2の「ハード」開始デザインの対応する目標非点収差分布を示している。図2および図4の両方において、対応するデザインの非点収差分布が、目標等非点収差線によって表されている。
図1および3に示される開始デザインはそれぞれ、主線(図1における参照符号40、および、図3における参照符号70)、鼻(図1における参照符号10、および、図3における参照符号50)、および側頭(図1における参照符号10’、および、図3における参照符号50’)の0.5Dベース目標等非点収差線を有している。さらに、遠見部または遠見帯において、開始デザインはそれぞれ、鼻(図1における参照符号20、および、図3における参照符号60)、および側頭(図1における参照符号20’、および、図3における参照符号60’)の更なる0.25Dベース目標等非点収差線を有している。
図1に示される第1の「ソフト」開始デザインの遠見部において、ベース目標等非点収差線(側頭および鼻の両方)の経路は、パラメータa、b、c、dを伴う関数
Figure 2012515934
によって予め定められている。
図3に示される第2の「ハード」開始デザインの遠見部において、ベース目標等非点収差線(側頭および鼻の両方)の経路は、パラメータa、b、cを伴う関数
Figure 2012515934
によって予め定められている。
図1および3に示される両方の開始デザインの両方の近見部において、ベース目標等非点収差線(側頭および鼻の両方)の経路は、パラメータa、b、c、dを伴う関数
Figure 2012515934
によって定められる。
図1に示される第1の「ソフト」開始デザインの遠見部において、鼻の0.5Dベース目標等非点収差線10は、第1の制御点12および第2の制御点14を通る。第1の制御点12は、矢印として図示されているように、直線13に沿って動かされ得る。また第2の制御点14は、矢印として図示されているように、直線15に沿って動かされ得る。同様に、遠見部における鼻の更なる目標等非点収差線は、第1の制御点22および第2の制御点24を通る。第1の制御点は、矢印として図示されているように、直線23に沿って動かされ得る。また第2の制御点は、矢印として図示されているように、直線25に沿って動かされ得る。近見部において、鼻のベース目標等非点収差線は、第3の制御点16を通る。この第3の制御点16に沿って、矢印として図示されている直線17が動かされ得る。
側頭のベース目標等非点収差線10’の構成は、鼻のベース目標等非点収差線の構成と等しくなっている。従って、側頭のベース目標等非点収差線もまた、第1の制御点12’、第2の制御点14’および第3の制御点16’を通る。同様に、更なる側頭の目標等非点収差線20’の構成は、鼻の更なる目標等非点収差線20の構成と等しくなっている。従って、側頭の更なる目標等非点収差線もまた、第1の制御点22’および第2の制御点24’を通る。
遠見部において、図3に示される開始デザインの鼻のベース目標等非点収差線50は、第1の制御点52を通る。この第1の制御点52に沿って、矢印として図示されている直線53が動かされ得る。近見部において、鼻のベース目標等非点収差線50は、第2の制御点54を通る。この第2の制御点54に沿って、矢印として図示されている直線55が動かされ得る。
側頭のベース目標等非点収差線50’は、鼻のベース目標等非点収差線50と同一の形状を有している。参照符号52’および54’は、対応する制御点を示しており、側頭のベース目標等非点収差線50’はこれらの制御点を通る。同様に、遠見部における鼻の更なる目標等非点収差線60は、第1の制御点62を有しており、この第1の制御点62は、矢印として示されている直線63に沿って動かされ得る。側頭の更なる目標等非点収差線60’は、対応する制御点62’を有している。
目標非点収差の分布は、外側または最大の2.5D目標等非点収差線30を更に特定することによって決定される。2.5D目標等非点収差線30は、目標非点収差値AMAX(この場合のAMAX=2.5D)、遠見部における予め定められた第1の直線32に沿うベース目標等非点収差線からの最大2.5D目標等非点収差線30の距離、および、近見部における予め定められた第2の直線34に沿うベース目標等非点収差線からの最大2.5D目標等非点収差線30の距離を伴う。
第1の「ソフト」開始デザインおよび第2の「ハード」開始デザインの両方が変換され、この場合、垂直座標vと垂直座標Vとの間において(すなわち累積帯において)、第1の開始デザインのベース目標等非点収差線10および10’、または第2の開始デザインのベース目標等非点収差線50および50’の変化が無い。
図5および6は、図1に示される開始デザインから導出または変換されるプログレッシブレンズデザインの一例を示している。図5は、変更された構成線(変更された側頭および鼻のベース目標等非点収差線101,101’、および、変更された更なる側頭および鼻の目標等非点収差線201,201’)、並びに、ベース目標等非点収差線および更なる目標等非点収差線の対応するシフトされた制御点の位置を示している。図5および6において、
− 参照符号121,121’は、シフトされた制御点12,12’を示し、
− 参照符号141,141’は、シフトされた制御点14,14’を示し、
− 参照符号161,161’は、シフトされた制御点16,16’を示し、
− 参照符号221,221’は、シフトされた制御点22,22’を示し、
− 参照符号241,241’は、シフトされた制御点24,24’を示している。
図6は、第1のデザインから導出されるデザインの目標非点収差分布を示している。導出されるプログレッシブレンズデザインは、広い近見部を有するが、しかし、横方向の遠見部における減少を有している。
図7および8は、図3に示される開始デザインから導出または変換されるプログレッシブレンズデザインの一例を示している。図7は、変更された構成線(変更された側頭および鼻のベース目標等非点収差線501,501’、および、変更された側頭および鼻の更なる目標等非点収差線601,601’)、並びに、対応するシフトされた制御点の位置を示している。図7および8において、
− 参照符号521,521’は、シフトされた制御点52,52’を示し、
− 参照符号541,541’は、シフトされた制御点54,54’を示し、
− 参照符号621,621’は、シフトされた制御点62,62’を示している。
図8は、第2の開始デザインから導出されるプログレッシブレンズデザインの目標非点収差分布を示している。導出されたプログレッシブレンズデザインは、最小の近見部幅、および、大きな、欠点の無い遠見部を有している。
図9は、好ましい方法にしたがって計算される決定されたプログレッシブ眼鏡レンズデザインに基づく、(個別に最適化される)プログレッシブ眼鏡レンズの製造のための典型的な処理流れを概略的に示している。
第1のステップ(S1)では、眼鏡着用者の個々のデータが取得される。眼鏡着用者の個々のデータは、入力を可能にし、随意的に眼鏡着用者の個々のデータの入力の変更を可能にする適切なグラフィカルユーザインタフェース(GUI)によって取得される。
眼鏡着用者の個々のデータは、特に、個々の屈折データ(球面度数、円柱度数、軸線、加入度数、プリズム、ベース)、個々のフレームおよび心取りデータ(垂直レンズサイズおよび心出し高さ、フレーム形状)、および、眼鏡着用者の眼の個別化パラメータまたは個々のパラメータ、および/または、眼鏡着用者の眼の前面における着用の個々の状況または眼鏡の着用位置(特に瞳孔間距離、角膜頂点間距離、前傾、顔形角など)を備えている。
フレームおよび心取りデータは、使用者(例えば眼鏡技師)によって特定され得る。若しくは、フレームデータは、データベースから検索され得る。個々のパラメータ(特に瞳孔間距離、角膜頂点間距離、前傾、顔形角)は、適切な三次元測定装置、例えばローデンストックGmBH社製のインプレッションISTなどによって自動的に決定され得る。若しくは、個々のパラメータは、従来の測定手段によって取得され得る。
眼鏡着用者の個々のデータは、好ましくは、以前の眼鏡レンズに関するデータをさらに含んでおり、特に、以下のデータを含んでいる。
− 眼鏡レンズのタイプ(単一視、遠近両用、プログレッシブ)および/または累進長に関するデータ。
− 屈折力、特に以前のレンズの加入度数に関するデータ。
眼鏡レンズのタイプに関するデータ(単一視、遠近両用、プログレッシブ)および以前のレンズの累進長が、遠見および近見の基準点の空間位置、屈折力、ベース目標等非点収差線の経路(または視覚帯の位置および場所)などの最適化において考慮され得る。さらに、以前のレンズに関するデータは、今までに着用した眼鏡に対する望ましい改良、例えば、より大きな遠見帯、より大きな中間帯、より大きな近見帯、読書時のより小さな下転、または低減された揺動運動、に関連するデータを含むことができる。
さらに、眼鏡着用者の個々のデータは、主要な用途に関連するデータ、または、プログレッシブレンズの主要な使用焦点(例えば、運転、コンピュータ職場、読書、工芸等)に関連するデータを含むことができる。
眼鏡着用者の個々のデータはまた、視覚帯(遠見帯、近見帯、および、累進帯)に対する選好に関するデータを含むことができる。このデータは、適切なグラフィカルユーザインタフェースによって例えば取得される。このデータは、好ましくは、視覚帯の個々の最適サイズまたはベース目標等非点収差線の個々の最適経路の計算において、並びに随意的には、遠見および/または近見の基準点の最適な位置および場所の計算において、考慮に入れられる。個々の視覚帯は、取得された個々の選好に基づいて、対応する重み付け(重み付け遠見、重み付け近見、重み付け中間帯、重み付けダイナミクス)を割り当てられ得る。同様に、以前に着用していた眼鏡レンズに関するデータ、および、所望の改良に関するデータから、基準点(遠見および近見の基準点)の理想的な位置が、適切に重み付けを割り付けることによる所望の改良に関して決定され得る。
また、以前のレンズの材料(プラスチック/ケイ酸塩)および/または屈折率に関するデータが、取得および評価され得る。プログレッシブレンズが既に着用されている場合、以前のレンズに関するデータは、眼鏡レンズのデザイン(ハード/ソフト)および/またはプログレッシブレンズのタイプ(個別、定型)に関するデータを含むことができる。
さらに、眼鏡着用者データの個々のデータは、
− 環境的影響(周囲の輝度など)、および/または、
− 遠見および近見の主視野方向、および/または、
− 潜在的に存在する例外的な頭部および身体の姿勢、および/または、
− 眼鏡着用者の眼の生理学的パラメータ、特に、矯正視力、立体視の閾値
に関連するデータを含むことができる。
従って、このデータを入力し、随意的には訂正するための適切なグラフィカルユーザインタフェースが設けられていてもよい。
また、個々のデータは、好ましくは、個々の物体距離、読書(近見作業)時の作業距離、遠見における作業距離に関するデータ、および/または、遠見および近みの屈折能測定における物体距離に関するデータを備えている。遠見および近見の物体距離のための仕様は、好ましくは、プログレッシブ眼鏡レンズのための個々の使用の計算および最適化において、並びに、個々の眼鏡レンズの最適化において考慮される。従って、実際の着用状況に対応する光線の経路がより正確に模擬され、従って、結像性質が改善され得る。
眼鏡着用者の個々のデータが取得および評価され、また、それらのデータは、ベース目標等非点収差線の最適な経路または視覚帯の最適なサイズ、および、好ましくは基準点遠見および基準点近見の最適な空間位置の決定を制御する。
第2のステップ(S2)では、得られた個々のデータに基づいて、特定の着用状況で特定の眼鏡着用者にとって最良のベース目標等非点収差線の経路、したがって、視覚帯(遠見帯、近見帯、および、累進帯)の最適なサイズおよび/または位置、並びに、随意的には遠見および/または近見基準点の最適な空間位置が計算されあるいは定められる。これは、得られた個々のデータに基づいて手動で、あるいは好ましくは自動で行なうことができる。
特に、眼鏡技師が自分で、ベース目標等非点収差線の「理想的な」経路(従って、視覚帯の位置およびサイズ)を定めることができ、また、取得された個々のデータに基づいて、レンズの注文のための遠見および/または近見の基準点の「理想的な」個々の位置を定めることができる。好ましくは、しかしながら、ベース目標等非点収差線の理想的な経路、および理想的な位置は、取得された選好、および随意的には顧客の補助に関する所望の改良から自動的に計算される。
更なるステップ(S3)では、ステップS2で決定されたベース目標等非点収差線の最適な経路を用いて、好ましくは、特定された開始デザイン80の変換により好ましい方法にしたがって決定された遠見基準点および近見基準点の最適位置を用いて、プログレッシブレンズデザインまたはプログレッシブレンズデザインのための提案が計算される。このデザイン提案は、適切なグラフィカルユーザインタフェースによって視覚化され、その場合、ユーザには、ベース目標等非点収差線の経路を変えることによって(例えば、制御点をシフトすることによって)、随意的には遠見および/または近見基準点の個々の位置を変えることによって、および/または、個々の顧客のデータ、特に選好、フレームデータ、重み付け等を変えることによって、デザインを積極的に変更するための機会が与えられる。
ベース目標等非点収差線の経路、随意的には遠見および/または近見基準点の位置、および/または、視覚帯に関する選好は、例えば適切なグラフィカルユーザインタフェースによって変えることができあるいは適合させることができる。
好ましくは、新たな眼鏡レンズデザインがリアルタイムで計算されて視覚化される。好ましくは、旧来の眼鏡レンズデザインに対する新たな眼鏡レンズデザインの光学特性の違いあるいは変更が視覚化される。
また、計算された(個々の)デザインまたはデザイン提案に基づき、(好ましくは三次元モジュールの形態を成す)適切なグラフィカルユーザインタフェースを用いて、眼鏡レンズの対応する幾何学的データ(中心厚さ、エッジ厚さ、ベースカーブ、重み)が同様に計算され視覚化され得る。特に、化粧特性または眼鏡レンズの審美性に関連するデータ(例えば、重みや、製造高さ、最大エッジ厚さ、中心厚さなどの幾何学的データ等)が視覚化され得る。眼鏡レンズの化粧特性の視覚化は、例えば、決定された幾何学的データを伴う眼鏡レンズのモデルの三次元グラフィック表示によって実現され得る。眼鏡レンズの化粧特性の表示は、例えばベースカーブおよび屈折率の選択によって影響され得る。選択は、屈折力に依存する場合がある。
眼鏡レンズの化粧特性の視覚化に加えて、眼鏡レンズの光学特性(視覚帯、特に個々の視覚帯の空間位置およびサイズ、ベース目標等非点収差線の経路など)の視覚化を行なうことができる。視覚帯のサイズの表示は、想定し得る材料依存性を考慮に入れることなく、処方データに関連してのみ行なわれ得る。無論、材料依存性の考慮を行なうこともできる。
また、視認快適性(例えば、下転、揺れ動き、周辺視野、歪み等)の視覚化をもたらすことができる。
また、視覚帯、視認快適性、および/または、計算された眼鏡レンズの化粧特性または審美性に関連する性能値の適切な表示が提供されていてもよい。また、別のデザイン提案および/または別のデザイン提案の性能値が同様に与えられ得る。
その後(ステップS4)、最終的な個々のデザインに基づいて個々のプログレッシブ眼鏡レンズが計算されあるいは最適化され、この場合、眼鏡レンズの計算または最適化において、眼鏡着用者に関連する個々のデータ(個々の着用状況、フレームデータ、眼鏡着用者の眼に関連するデータなど)が同様に考慮に入れられてもよい。数値制御された機械との直接的な適合により、鋳造法により、あるいは、他の適した方法により、最終的な計算されたあるいは最適化された眼鏡レンズを、例えばガラスまたはプラスチックから製造することができる(ステップ5)。
図10は、パラレルカーブモデル法(図10ではPCモデルと称される)にしたがった、および、円錐台モデル法(図10ではTCモデルと称される)にしたがった、眼鏡レンズの外周での目標非点収差値の計算を示している。
10,10’ ベース目標等非点収差線
12,12’ ベース目標等非点収差線10,10’の第1の制御点
13 直線であって、それに沿って制御点12が動くことができる直線
14,14’ ベース目標等非点収差線10,10’の第2の制御点
15 直線であって、それに沿って制御点14が動くことができる直線
16,16’ ベース目標等非点収差線10,10’の第3の制御点
17 直線であって、それに沿って制御点16が動くことができる直線
20,20’ 更なる目標等非点収差線
22,22’ 更なる目標等非点収差線20,20’の第1の制御点
23 直線であって、それに沿って制御点22が動くことができる直線
24,24’ 更なる目標等非点収差線20,20’の第2の制御点
25 直線であって、それに沿って制御点24が動くことができる直線
30 外側の最大の目標等非点収差線
32,34 直線
40 主線
50,50’ ベース目標等非点収差線
52,52’ ベース目標等非点収差線50,50’の第1の制御点
53 直線であって、それに沿って制御点52が動くことができる直線
54,54’ ベース目標等非点収差線50,50’の第1の制御点
55 直線であって、それに沿って制御点54が動くことができる直線
60 更なる目標等非点収差線
62,62’ 更なる目標等非点収差線60,60’の第1の制御点
63 直線であって、それに沿って制御点62が動くことができる直線
70 主線
101,101’ 変更されたベース目標等非点収差線
121,121’ 変更されたベース目標等非点収差線101,101’の第1の制御点
131 直線であって、それに沿って制御点121が動くことができる直線
141,141’ 変更されたベース目標等非点収差線101,101’の第2の制御点
151 直線であって、それに沿って制御点141が動くことができる直線
161,161’ 変更されたベース目標等非点収差線10,10’の第3の制御点
171 直線であって、それに沿って制御点16が動くことができる直線
201,201’ 変更された更なる目標等非点収差線
221,221’ 変更された更なる目標等非点収差線201,201’の第1の制御点
231 直線であって、それに沿って制御点221が動くことができる直線
241,241’ 変更された更なる目標等非点収差線201,201’の第2の制御点
251 直線であって、それに沿って制御点24が動くことができる直線
501,501’ 変更されたベース目標等非点収差線
521,521’ 変更されたベース目標等非点収差線501,501’の第1の制御点
541,541’ 変更されたベース目標等非点収差線501,501’の第2の制御点
601,601’ 更なる目標等非点収差線
621,621’ 変更された更なる目標等非点収差線601,601’の第1の制御点
80 基本デザインに関するデータ
S1 個々のデータを取得すること
S2 個々のデザインを計算すること
S3 個々の眼鏡レンズを最適化または計算すること
S4 眼鏡レンズを加工すること
広い遠見部−累進帯上の垂直座標
広い近見部−累進帯上の垂直座標

Claims (24)

  1. プログレッシブ眼鏡レンズのためのデザインを生成あるいは計算するためにコンピュータで実行される方法において、
    − 開始デザインを定めるステップであって、該開始デザインは、
    − 主線(40;70)の仕様と、
    − 主線(40;70)に沿う目標非点収差値A(u=0,y)のための仕様と、
    − 少なくとも1つのベース目標等非点収差線の経路(10,10’;50,50’)のための仕様であって、ベース目標等非点収差線の経路(10,10’;50,50’)が、u(y)=f(y)の形式の一次関数によって表される、仕様と、を備える、ステップと、
    − 開始デザインを変換するステップであって、開始デザインを変換するステップは、
    − ベース目標等非点収差線(10,10’;50,50’)の経路を変更することu(y)→u’(y)と、
    − 主線(40;70)上の目標非点収差値A(u=0,y)と変更されたベース目標等非点収差線(101,101’;501,501’)上の目標等非点収差値A(u’(y),y)との間の補間によって計算されるべきデザインの目標非点収差値A(u,y)の空間分布を計算することと、を含む、ステップと、
    を備え、ここで、
    uが、眼鏡レンズデザインの点(u,y)の主線(40;70)からの水平距離を示し、
    yが、眼鏡レンズデザインの点(u,y)の垂直座標を示し、
    (y)が、ベース目標等非点収差線(10,10’;50,50’)上の点(u(y),y)の主線40;70)からの水平距離を示し、
    u’(y)が、変更されたベース目標等非点収差線(101,101’;501,501’)上の点(u(y),y)の主線からの水平距離を示す、
    方法。
  2. 前記補間は、線形補間、四次補間、または、三次補間である請求項1に記載の方法。
  3. − 開始デザインは、遠見部および/または近見部または遠見帯および/または近見帯における更なる目標等非点収差線(20,20’;60,60’)の経路のための仕様であって、更なる目標等非点収差線(20,20’;60,60’)の経路は、u(y)=f(y)の形式の一次関数によって表される、仕様をさらに含み、
    − 開始デザインの変換は、開始デザインの更なる目標等非点収差線(20,20’;60,60’)の経路を変更することu(y)→u’(y)をさらに含んでおり、
    主線(40,70)上の目標非点収差値と、変更されたベース目標等非点収差線(10,10’;50,50’)上の目標非点収差値との間の補間は、
    − 主線(40,70)上の目標非点収差値A(u=0,y)と、変更された更なる目標等非点収差線(201,201’;601,601’)上の目標非点収差値A(u’(y),y)との間の補間と、
    − 変更された更なる目標等非点収差線(201,201’;601,601’)上の目標非点収差値A(u’(y),y)と、変更されたベース目標等非点収差線(101,101’;501,501’)上の目標非点収差値A(u’(y),y)との間の補間と、
    を含み、ここで、
    (y)が、開始デザインの更なる目標等非点収差線(20,20’;60,60’)上の点(u(y),y)の、主線(40,70)からの水平距離を示し、
    u’(y)が、変更された更なる目標等非点収差線(201,201’;601,601’)上の点(u’(y),y)の、主線(40,70)からの水平距離を示す、
    請求項1または2に記載の方法。
  4. 累進帯において、ベース目標等非点収差線の経路が変更されない、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
  5. ベース目標等非点収差線(10,10’;50,50’)は、予め決定された、あるいは予め決定可能な第1の制御点
    Figure 2012515934
    を通り、
    ベース目標等非点収差線(10,10’;50,50’)の経路を変更することが、
    − 予め決定された、あるいは予め決定可能なカーブに沿って第2の制御点をシフトさせるステップ
    Figure 2012515934
    と、
    − 変更されたベース目標等非点収差線(101,101’;501,501’)を、それがシフトされた第1の制御点
    Figure 2012515934
    を通るよう計算するステップと、
    を備えた、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
  6. ベース目標等非点収差線(10,10’;50,50’)は、予め決定された、あるいは予め決定可能な第2の制御点
    Figure 2012515934
    をさらに通り、
    ベース目標等非点収差線(10,10’;50,50’)の経路を変更することは、
    − 予め決定された、あるいは予め決定可能なカーブに沿って第2の制御点をシフトさせるステップ
    Figure 2012515934
    と、
    − 変更されたベース目標等非点収差線(101,101’;501,501’)を、それがシフトされた第2の制御点
    Figure 2012515934
    を通るよう計算するステップと、
    をさらに備えた、請求項5に記載の方法。
  7. ベース目標等非点収差線(10,10’;50,50’)および変更されたベース目標等非点収差線(101,101’;501,501’)は、予め決定されあるいは予め決定可能な少なくとも1つの枢支点または固定点
    Figure 2012515934
    を通り
    枢支点または固定点では、条件
    Figure 2012515934
    Figure 2012515934
    が満たされている、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 近見部において、ベース目標等非点収差線(10,10’;50,50’)の経路が、パラメータまたは係数a、b、c、dを伴う以下の関数
    Figure 2012515934
    によって表わされる、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 遠見部において、ベース目標等非点収差線(10,10’;50,50’)の経路が、パラメータa、b、cを伴う以下のn次多項式
    Figure 2012515934
    によって表わされる、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 遠見部において、ベース目標等非点収差線(10,10’;50,50’)の経路が、パラメータa、b、c、dを伴う以下の関数
    Figure 2012515934
    によって表わされる、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。
  11. ベース目標等非点収差線(10,10’;50,50’)の経路が、眼鏡着用者の個々のデータを考慮して変更される、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法。
  12. ベース目標等非点収差線(10,10’;50,50’)の経路を変更するときに考慮に入れられる、眼鏡着用者の個々のデータが、
    − 遠見帯および近見帯の重み付け、および/または、
    − 眼鏡レンズの用途の重点、および/または、
    − フレームおよび心取りデータ
    に関連するデータを含む、請求項11に記載の方法。
  13. 眼鏡着用者の個々のパラメータを取得するステップをさらに備える、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 開始デザインの変換は、遠見および/または近見基準点の可変調整可能な個々の垂直位置に応じた、目標非点収差値の変換を更に含んでおり、
    当該変換は、個々の眼鏡レンズデザインが、遠見および/または近見基準点の必要とされる個々の垂直位置を示すように行なわれる、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 開始デザインが、眼鏡レンズの主線に沿う物体距離関数のための仕様を更に含み、
    前記方法が、開始デザインの物体距離関数の変換を更に含む、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 予め定められた開始デザインの変換を実施するよう適合されたデザイン変換手段を備えた、プログレッシブ眼鏡レンズのデザインを生成あるいは計算するための装置であって、
    前記開始デザインは、
    − 主線(40;70)の仕様と、
    − 主線(40;70)に沿う目標非点収差値A(u=0,y)のための仕様と、
    − 少なくとも1つのベース目標等非点収差線(10,10’;50,50’)の経路のための仕様であって、ベース目標等非点収差線(10,10’;50,50’)の経路が、u(y)=f(y)の形式の一次関数によって表される、仕様と、を含み、
    前記デザイン変換手段は、
    − ベース目標等非点収差線(10,10’;50,50’)の経路の変更u(y)→u’(y)を実施するよう適合された計算手段と、
    − 主線(40;70)上の目標非点収差値A(u=0,y)と変更されたベース目標等非点収差線(101,101’;501,501’)上の目標非点収差値A(u’(y),y)との間の補間によって計算されるべきデザインの目標非点収差値A(u,y)の計算を実施するよう適合された計算手段と、を含み、
    ここで、
    uは、眼鏡レンズデザインの点(u,y)の主線(40;70)からの水平距離を示し、
    yは、眼鏡レンズデザインの点(u,y)の垂直座標を示し、
    (y)は、ベース目標等非点収差線(10,10’;50,50’)上の点(u(y),y)の主線(40;70)からの水平距離を示し、
    ’(y)は、変更されたベース目標等非点収差線(101,101’;501,501’)上の点(u’(y),y)の主線(40;70)からの水平距離を示す、装置。
  17. コンピュータプログラムプロダクトであって、
    コンピュータにロードされて実行されるときに、プログレッシブ眼鏡レンズのためのデザインを生成あるいは計算するための請求項1乃至15のいずれか一項に記載の方法を実行するよう適合されている、コンピュータプログラムプロダクト。
  18. コンピュータプログラムが記憶された記憶媒体であって、
    コンピュータプログラムは、コンピュータにロードされて実行されるときに、プログレッシブ眼鏡レンズのためのデザインを生成あるいは計算するための請求項1乃至15のいずれか一項に記載の方法を実行するよう適合されている、記憶媒体。
  19. プログレッシブ眼鏡レンズを形成するための方法であって、
    − デザインを生成あるいは計算するための請求項1乃至15のいずれか一項に記載の方法にしたがって眼鏡レンズのためのデザインを計算することと、
    − 計算された眼鏡レンズデザインに基づいて眼鏡レンズを計算あるいは最適化することと、
    を含む、方法。
  20. 眼鏡レンズの計算あるいは最適化が、眼鏡着用者の個々のデータを考慮に入れて実行される、請求項19に記載の方法。
  21. プログレッシブ眼鏡レンズを形成するための装置であって、
    − デザインを生成あるいは計算するための請求項1乃至15のいずれか一項に記載の方法にしたがって眼鏡レンズのためのデザインを計算するよう適合されたデザイン計算手段と、
    − 計算された眼鏡レンズデザインに基づいて眼鏡レンズを計算あるいは最適化するよう適合された最適化あるいは計算手段と、
    を含む、装置。
  22. コンピュータにロードされて実行されるときに、プログレッシブ眼鏡レンズを計算あるいは最適化するための方法を実行するよう適合されたコンピュータプログラムプロダクトであって、
    前記方法は、
    − デザインを生成あるいは計算するための請求項1乃至15のいずれか一項に記載の方法にしたがって眼鏡レンズのためのデザインを計算するステップと、
    − 計算された眼鏡レンズデザインに基づいて眼鏡レンズを計算あるいは最適化するステップと、
    を含む、コンピュータプログラムプロダクト。
  23. コンピュータにロードされて実行されるときに、プログレッシブ眼鏡レンズを計算あるいは最適化するための方法を実行するよう適合されたコンピュータプログラムが記憶された記憶媒体であって、
    前記方法は、
    − 個々のデザインを生成あるいは計算するための請求項1乃至15のいずれか一項に記載の方法にしたがって眼鏡レンズデザインを計算するステップと、
    − 計算された眼鏡レンズデザインに基づいて眼鏡レンズを計算あるいは最適化するステップと、
    を含む、記憶媒体。
  24. 請求項19または20に記載の形成方法にしたがって形成される眼鏡レンズの使用であって、
    眼鏡着用者の視覚障害を補正するための、特定の眼鏡着用者の眼の前方の眼鏡レンズの所定の平均着用位置または個々の着用位置での使用。
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