JP2012505863A - 高密度細胞における清澄化方法 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】 当該発明は、哺乳類細胞と、全体的に正電荷を帯び、高密度で細胞が存在している細胞培養液の中にある目的の生物学的分泌物とを、清澄化する方法に関連しており、その方法は、細胞培養液を陰イオン交換物質に接触させ、適切な培養時間を確保しそれにより細胞のペレットを形成し、結果として得られるペレットとその上清層を分離させる。当該発明はさらに、前述のステップを踏み、次に目的の生物学的分泌物を上清層から摘出することで、目的の生物学的分泌物を、細胞培養液が全体的に正電荷を帯びている目的の生物学的分泌物を分泌する哺乳類細胞を高密度に含む細胞培養液から回復させる方法にも関連する。
【選択図】 図1

Description

本願発明は細胞培養液の清澄化方法および目的の生物学的分泌物を目的の生物学的分泌物を産生する細胞を含む細胞培養液から回復する方法に関連する。
薬剤、特に単クローン抗体などの生物学的物質の発酵的生成は、複雑な細胞培養液をもたらすものであり、その培養液から生物学的物質が、多段階ステップにより分離され精製される。
最初のステップとして、細胞や細胞片などの個体の物質は細胞培養液の液体から分離され、これを清澄化と称する。多くの場合、生物学的物質は細胞外に存在し、そのため細胞培養液中に存在することになる。
最新の清澄化方法の例には、遠心分離、濾過(例えば精密濾過、深層濾過、および絶対的細孔径膜濾過)、および膨張層クロマトグラフィーが含まれる。これらの清澄化方法を強化するために、軟凝集が、特に濾過と組み合わせて用いられることもできる。
この目的のための軟凝集剤として知られているものは単純な電解質から合成高分子電解質(例えばDEAEデキストラン、アクリル質ポリマー、およびポリエチレンアミン)または無機質(例えば珪藻土または真珠岩)までにわたる。この目的のための最近の進歩はキトサンの使用である。
軟凝集剤を多用することによる不都合な点には、とりわけ、それらが目的の生物学的分泌物に結合する可能性があること、目的の生物学的分泌物を不活性化させる可能性があること、軟凝集プロセスに時間がかかる可能性があること、および/または医学上必要とされる高品質にするためには軟凝集剤が得難いまたは高価で準備できない可能性があることが挙げられる。加えて、凝集剤は最終生成分子から取り除かれる必要があり、そのプロセスは除去を実証するため、しばしば高価で時間を費やす分析試験を必要とする。
当該発明に従った方法はこれらの不都合な点は一つもない。
さらに、これらの現存する方法は比較的低い細胞密度のみでしか清澄化を成立されることが示されていなかった。加えて、これらの方法のほとんどは哺乳類細胞、特に目的の生物学的分泌物を生み出す哺乳類細胞、への成功した適用が示されていなかった。
当該発明の目的はコスト効率がよく、生物反応器から採取されかつ目的の生物学的分泌物とともに哺乳類細胞を含む細胞培養液を清澄化する方法を提供することである。
当該発明のさらなる目的は高密度に哺乳類細胞を含む細胞培養液の清澄化の方法を提供することである。ある特定の実施形態においては、当該発明は、細胞の初期密度が最低でも15×10細胞/mlであり、細胞培養液中に全体的に正電荷を帯びている目的の生物学的分泌物とともに哺乳類細胞と培地を含む細胞培養液を下記のステップによって行う清澄化の方法に関連し、この方法は、
a.細胞培養液を微粒子陰イオン交換物質と接触させる工程と、
b.細胞のペレットと上清層を形成させるのに十分な時間培養させる工程と、
c.得られたペレットを前記上清層から分離させる工程と
を有するものである。
米国特許出願第2003/170810号では、未加工の細胞溶解物を溶解物と陰イオン交換樹脂とバッチの中で混合させ、次に不溶性物質(樹脂とそれに結合するものと細胞と細胞片を含む)を溶性物質から濾過、遠心分離、または重力分離により分離することで清澄される方法が説明されている。この米国特許出願による公開とは違って、当該発明によると、陰イオン交換樹脂と混合される前に細胞は溶解しておらず、清澄化は特に高い細胞密度にて行われ、細胞培養液中の目的の生物学的分泌物は全体的に正の電荷を帯びている。当該発明により高い細胞密度の細胞培養液で清澄化が達成されることは驚くべきことと考えられる。
当該発明の中で、"細胞培養液"とは無傷な哺乳類細胞を植え付けた細胞培養のことを意味し、目的の生物学的分泌物とともに以下に定義する培地を含む可能性がある。当該発明のプロセスの中で、特に細胞密度が極めて高いときに、生物反応器からの出発物質を好ましい細胞密度に希釈することも望ましい可能性がある。当該発明の目的のためには、そのように希釈された物質でも未だに細胞培養液の言葉に含まれる。
"生物学的分泌物"とはここでは哺乳類細胞による生成により大部分が(能動的または受動的に)培地に放出される生物学的物質を意味する。
"目的の"とはここでは生物学的物質が意図的に哺乳類細胞を使って生成されていることを意味する。
目的の生物学的分泌物が"全体的に正電荷を帯びている"とはここでは、正および負に電荷を帯びたイオノゲングループが細胞培養液中の溶媒の条件下で生物学的物質に静電気を与えることで結果的に全体で正電荷を帯びること意味する。生物学的物質の全体的な電荷は酸性および塩基性の残基のpKaと溶液のpH−この場合は細胞培養液のpH−に基づく。生物学的物質が細胞培養液で全体に正電荷を帯びるためには、物質のpI(全体の電荷がゼロになるところのpH)が細胞培養液のpHより高くなければならない。
"培地"とはここでは細胞の細胞外の環境を意味し、それは細胞の増殖や生成を補助する栄養分や他の構成物質を含み、また老廃物、宿主細胞由来タンパク質(HCP)、および溶解した細胞の物質を含む可能性がある。培地の構成は細胞培養の経過中に時間とともに変化する可能性があり、また清澄化の段階で元来の構成物を一つまたはそれ以上枯渇させてしまう可能性がある。
"接触させる"とはここでは陰イオン交換物質を細胞培養液および細胞の沈殿に(例えば重力下または遠心分離にて)導入することを意味する。
"陰イオン交換物質"とはここでは微粒の弱いまたは強い陰イオン交換クロマトグラフィー媒体のことを意味する。陰イオン交換物質は一般的にはキャリアを含み、それは有機物、無機物、または有機物と無機物の混合であることができる。適切な有機物は、アガロースを基礎とした培地やメタクリルである。適切な無機物はケイ土、セラミック、および金属である。粒子は好ましくは15μmと150μmの間の大きさである。より好ましくは15μmと70μmの間の大きさである。粒子は細胞培養液からの細胞の堆積を比較的早く達成するのに適した密度であることができるが、あまりに高密度であると堆積が達成させないことが観察されているので粒子は高密度すぎてはいけない。
"適切な培養時間"とはここでは細胞の沈殿がはっきりとした細胞ペレット量と上清層を生み出す時間を意味する。
"分離させる"とはここでは、静注、上清吸出し、または例えば底部の吸排気口を通じて管からペレットの水を切るなどの、上清を細胞ペレットから取り除くいずれか方法を意味する。
"上清層"とはここでは沈殿の結果上部を覆う液体を意味する。上清層は、最初の密度よりは著しく低い密度であろうとも、未だ細胞を含む可能性がある(一般的には含む)
当該発明のプロセスの最初の細胞密度は最低でも15×10細胞/mlであり、より好ましくは最低でも80×10細胞/mlである。実用的な上限としては、当該発明によるプロセスは細胞密度が175×10細胞/ml、より好ましくは130×10細胞/mlまで実施することができる。
細胞密度は、例えばVi−CELL(商標)(トリパンブルー排除法)といった細胞カウンターによって計測できるが、他の適切な方法には血球計算、血中血球容積測定、またはコールターカウンター(電気検出ゾーン法による)を含む。
最初の細胞密度が130×10細胞/mlの場合、まず細胞培養液を希釈することが望ましい。実行する上で、最初の細胞密度が100×10細胞/mlより大きい細胞培養液の場合はまず希釈することが好ましい。希釈は好ましくは細胞密度が80×10細胞/mlを超えないようにすることができる。細胞培養液は哺乳類細胞の溶解を引き起こさないように細胞の環境を大きく変えない溶液、例えばPBSなどの等張液で行うことができる。
さらなる実施形態によると、当該発明は、下記のように目的の生物学的分泌物を、細胞培養液が全体的に正電荷を帯びている目的の生物学的分泌物を分泌する、最低でも最初の密度が15×10細胞/mlで哺乳類細胞を含む細胞培養液から回復させる方法にも関連し、この方法は、
a.細胞培養液を微粒の陰イオン交換物質と接触させる工程と、
b.細胞のペレットと上清層を形成させるのに十分な時間培養させる工程と、
c.得られたペレットをその上清層から分離させる工程と、
d.目的の生物学的分泌物をその上清層から抽出する工程と
を有するものである。
"回復"とはここでは目的の物質を原則的に副産物や不要物なしに獲得することを意味する。
当該発明はさらに、目的の生物学的分泌物を、上述のように目的の生物学的分泌物を分泌する細胞培養液から回復させる方法にも関連し、その細胞培養液は最低でも最初の密度が15×10細胞/mlで哺乳類細胞を含み、結果として得られるペレットは
e.得られるペレットを再懸濁する工程と、
f,適切な培養時間を確保しそれにより細胞のペレットと上清層を形成し、
g.得られるペレットを前記上清層から分離させる工程と、
h.目的の生物学的分泌物を前記上清層から抽出する工程と
により処理される。
当該発明のさらなる実施形態では、上述のプロセスのステップe.からh.にかけては一回以上繰り返される。
当該発明のさらなる好ましい方法では、結果として得られるペレットは、哺乳類細胞の溶解を引き起こさないように細胞の環境を大きく変えない溶液、例えば塩水溶液(好ましくは等張液)、さらに好ましくはPBS、に再び懸濁される。
好ましくは上清層は回収され、目的の生物学的分泌物は集められた上清から摘出される。
哺乳類細胞の例にはCHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞、ハイブリドーマ、BHK(ベイビーハムスター腎臓)細胞、骨髄腫細胞、例えばHEK−293細胞などのヒト細胞、ヒトリンパ芽球様細胞、E1不死化HER細胞、例えばNS0細胞などのマウス細胞が含まれる。さらに好ましくは、E1不死化HER細胞、最も好ましくはPER.C6細胞が用いられる。
ある好ましい実施形態では、当該発明のプロセスにある細胞はE1不死化HER細胞、最も好ましくはPER.C6細胞(ここでその内容が参考として組み込まれている米国特許登録第5994128号参照)。PER.C6細胞はECACC No.96022940のもとに預け入れられている細胞に例示されている(ここでその内容が参考として組み込まれている文献、例えば米国特許登録第5994128号、EP0833934参照)
清澄化のための細胞培養液は哺乳類細胞密度を最低でも15×10細胞/mlとなるのに適したいかなる細胞培養方法をもちいても得ることができる。この点において適した方法は、例えば国際公開第WO2005095578号パンフレット、国際公開第WO2004099396号パンフレット、および国際公開第WO2008006494号パンフレットなどに記述されている。その内容は参考として組み込まれている。
生物学的物質は、(例えば(組換え)遺伝子をコードして発現させるなどして)当該発明の細胞にて生成されうるが、ウィルスまたは(組換え)タンパク質、特に受容体、酵素、融合タンパク質、例えば血液凝固カスケード中の血液タンパク質、赤血球生成促進因子などの多機能タンパク質、ワクチン生産などに使用されるウィルスやバクテリアのタンパク質、IgGやIgMといった免疫グロブリンとそれらに類似するものが例として挙げられる。好ましくはタンパク質、さらに好ましくは免疫グロブリンまたはその一部が細胞により生成される。好ましくはタンパク質やワクチンといった細胞により生成される生物学的物質は調合薬の製剤において活性成分として使用される。当該発明の中では、'生成物質'と'生物学的物質'は交換可能である。
目的の生物学的分泌物を上清層から摘出する適切な方法には例えば濾過(例えば深層濾過、精密濾過、限外濾過、および血液透析濾過)、クロマトグラフィー(例えばサイズ排除クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、および固定化金属クロマトグラフィー)、水性二層摘出、沈殿、または遠心分離、がある。有利なことには、陽イオン交換クロマトグラフィーにより目的の生物学的分泌物は非常に効率的に摘出される。免疫グロブリンが目的の生物学的分泌物の場合、アフィニティークロマトグラフィー、特にプロテインAクロマトグラフィー、と陽イオン交換クロマトグラフィーが特に適切な分離方法である。
図1は、Si−PEIによる最初の沈殿による生成物質の回復とそれに続くPBSによる洗浄のステップを示すものである。 図(a)は、種々の陰イオン交換物質の時間の関数としての上清細胞密度を示すものである。 (b)は、種々の陰イオン交換物質の時間の関数としての上清の量を示すものである。
記号
Xt=全体細胞密度細胞/ml
Si−PEI=Bakerbond Wide−Pore PEI(PolyEthyleneImin)Prep LC Packing移植シリカビーズ(JT Baker)
DEAE Hyper D=ジエチルアミノエチル移植セラミックビーズ(Pall)
Streamline DEAE=ジエチルアミノエチル移植アガロースビーズ(GE Healthcare)
PrA HPLC=分析プロテインA高圧液体クロマトグラフィー
PBS=PER.C6リン酸緩衝生理食塩水
下記の清澄化実験はPER.C6(登録商標)細胞を種々の細胞密度で用いて行われ、WO2008006494で説明する手順に従って準備された。PER.C6(登録商標)細胞は抗体を生成した。上清層の抗体の濃度はPrA HPLCを用いて計測された。濃度は必要な場合には、すなわち細胞密度が極めて高い場合に細胞が作業中の量に貢献する場合には、生物量に基づき訂正された。
低細胞密度での清澄化
異なる量のSi−PEIが培養細胞10mlを含む個々のバイアルに加えた。Xt=63.5×10細胞/mlであった。細胞は10分間沈殿させた。5%(量)のSi−PEIのみが97%の細胞を沈殿させるのに必要であった。10%(量)のSi−PEIを加えると99%の細胞が沈殿した。生成物質の回復は100%であった。
Si−PEIを加えることで細胞が沈殿する時間を大幅に減少させた。さらに、Si−PEIを加えることでコントロール対照群(Si−PEIが加えられていないもの)と比べペレットがよりコンパクトになった。
中間の細胞密度での清澄化
異なる量のSi−PEIが培養細胞5mlを含む個々のバイアルに加えた。Xt=63.5×10細胞/mlであった。細胞は30分間沈殿させた。5%(量)のSi−PEIのみが87%の細胞を沈殿させるのに必要とされた。10%(量)のSi−PEIを加えると89%の細胞が沈殿した。20%(量)のSi−PEIを加えると85%の細胞が沈殿した。各々の場合において、得られた細胞密度は10×10細胞/mlより低く、深層濾過への供給に適した密度であった。生成物質の回復は97%であった。
Si−PEIを加えることで細胞が沈殿する時間を大幅に減少させた。さらに、Si−PEIを加えることでコントロール対照群(Si−PEIが加えられていないもの)と比べペレットがよりコンパクトになった。
高細胞密度での清澄化
10%(量)のSi−PEIが培養細胞345mlを含む個々のバイアルに加えた。Xt=123×10細胞/mlであった。高い細胞密度により、細胞は2時間の沈殿時間を与えた。2時間後、得られた上清の細胞密度は13.6×10細胞/mlであった。ペレットの量は全体の量53%(Si−PEIが加えられていないコントロール対照群では93%)であった。上清を静注し、ペレットは、等張のPBSで二度洗浄し、個々洗浄ののち1時間沈殿した。生成物質の回復は93%であった。全体のプロセスの時間は4時間であった。上清を集めた後、最終プロセスの量は600mlで細胞密度は9.9×10細胞/mlであった。
繰り返し洗浄により生成物の回復を最大化
10%(量)のSi−PEIが培養細胞345mlを含む個々のバイアルに加えた。Xt=78×10細胞/mlもしくは120×10細胞/mlであった。おおよそ200mlの上清層が最初の沈殿の後に静注した。この量は同じ量のPBSで置き換え、細胞は60分沈殿させた。再びおおよそ200mlの上清層を静注し、同じ量のPBSで置き換え、続いて60分沈殿させた。そして再び200mlの上清層が静注した。
数回の洗浄ステップによる生成物質の回復は図1にまとめた。2回の洗浄後、上清から生成物質を回収することにより、生成物質の回復は非常に大幅な改善を示した。
高細胞密度で種々の陰イオン交換物質を用いた清澄化
10%(量)の陰イオン交換物質、Si−PEI、DEAE HyperD、またはStreamline DEAEが最初の細胞密度Xt=123×10細胞/mlである培養細胞20mlのサンプルに加えた。
細胞は2時間沈殿させた。
図2aは時間の関数としての、個々の陰イオン交換物質および陰イオン交換物質が加えられていないコントロール対照群の、上清層中の細胞密度とを示している。
図2bは時間の関数としての上清層中の量を示している。陰イオン交換物質が加えられることでペレットはよりコンパクト化、つまり上清層の量が増加した。
極めて高細胞密度での清澄化
清澄化は集められたXt=150×10細胞/mlの細胞で試みられた。この細胞密度では希釈しないと非常に少ない沈殿しか観察されなかった。細胞培養を1:1にPBSで希釈することで沈殿が促進された。この目的を達成するために、10mlの培地は最終量20mlになるように希釈され10%(全体量の)のSi−PEIが加えられた(2ml)。生成物質の回復は2回の洗浄の後で92.6%であった。HCPの濃度は28%減少した。全体のプロセスの時間は4時間であった。上清を集めた後、最終プロセスでの量は48ml(4.8倍の増加)で細胞密度は6.1×10細胞/mlであった。
目的の生物学的物質の浄化
最初の細胞密度Xt=175×10細胞/mlである培養細胞は〜75×10細胞/mlになるようにPBSで希釈された(最初の量は1.7L)。希釈後Si−PEIクロマトグラフィー培地が培養物に加えられた(1Lの希釈された培養物につき0.1LのSi−PEI)。細胞は〜60分沈殿させられた。上清を含む生成物質は静注され、沈殿した細胞はPBSで2度洗浄された。最初の上清は、生成物質の回復を最大化するため(〜95%)2回の洗浄と共に集められた。回収したものを合わせたものは5×10より少ない細胞密度でHCP量は59%減少した。
Si−PEI沈殿の後回復した生成物質はさらに深層濾過により浄化される。深層濾過は(典型的には10または5μmの孔径の)さらに細胞量を減少させるために使われる第一フィルター、続いてさらに小さい分子を取り除き、清澄化された培養物を、典型的には0.8/0.2μmの勾配フィルターで行う除菌濾過に向けて準備をする(典型的には3または1μmの孔径で)第二フィルターからなる。一連の深層濾過は、D0HCなどの、培地を含むミリポアミリスタックプラスHCフィルター(第一)、続いてX0HC(第二)、または10M02などの、培地を含むCUNO ZetaPlusフィルター(第一)、続いて60ZA05A(第2)で行うことができる。どちらの場合も清澄化した培養物はさらに0.8/0.2μmのフィルター(Supor,Pall)で濾過される。
加えて、85%のHCPの減少が深層濾過の第二フィルターを通じて観察された。第二フィルターを通じたHCPの減少はこれらのフィルターが電荷を帯びているという性質に起因する可能性があり、それはすでに文献に報告されている(Yagzaw Y,Piper R,Tran M,Shukla AA.2006.Exploitation of Adsorptive Properties of Depth Filters for Host Cell Protein Removal During Monoclonal Antibody Purification.Biotechnology Progress 22(1):288−296)。
清澄化された物質はさらに例えばGigaCapS(Tosoh)などの陽イオン交換クロマトグラフィーにより浄化される。単クローン抗体(生成物質)は樹脂の上に>95g/Lクロマトグラフィー培地の容量で固定化される。抗体を固定化する条件はやや酸性(pH〜5.3)で伝導性は〜4.5mS/cmである。固定化した後、抗体は平衡バッファーにて洗浄され、最後は100mMの塩化ナトリウムを含むバッファーステップにて溶出される。追加的なHCP量の減少(78%)がこのステップで得られる。
溶出された抗体はさらにクロマトグラフィーと濾過技術の組み合せにより求められる純度明細が満たされるまで純化することができる。
CEXによる宿主細胞由来タンパク質の細胞培養物からの全体的な減少は下にまとめられている。
Figure 2012505863

Claims (11)

  1. 哺乳類細胞と、細胞培養液中において全体的に正電荷を帯びている目的の生物学的分泌物とを含む細胞培養液を清澄化する方法であって、前記細胞は、少なくとも15×10細胞/mlの初期細胞密度であり、当該方法は、
    a.前記細胞培養液を微粒子陰イオン交換物質と接触させる工程と、
    b.細胞ペレットと上清層を形成させるのに十分な時間培養させる工程と、
    c.得られた細胞ペレットを上清層から分離させる工程と
    を有する方法。
  2. 目的の生物学的分泌物を、細胞培養液中において全体的に正電荷を帯びている目的の生物学的分泌物を分泌する細胞を含む細胞培養液から、目的の生物学的分泌物を回収する方法であって、前記細胞は、細胞培養中少なくとも15×10細胞/mlの初期細胞密度がであり、当該方法は、
    a.前記細胞培養液を微粒子陰イオン交換物質と接触させる工程と、
    b.細胞ペレットと上清層を形成するのに十分な時間培養させる工程と、
    c.得られた細胞ペレットを前記上清層から分離する工程と、
    d.目的の生物学的分泌物をその上清層から抽出する工程と
    を有する方法。
  3. 請求項2記載の方法において、前記得られた細胞ペレットは、さらに、
    e.前期得られた細胞ペレットを再懸濁する工程と、
    f.細胞ペレットと上清層を形成するのに十分な時間培養させる工程と、
    g.得られたペレットを前記上清層から分離させる工程と、
    h.目的の生物学的分泌物を前記上清層から抽出する工程と
    によって処理されるものである。
  4. 請求項3記載の方法において、前記工程e〜hは、繰り返されるものである。
  5. 請求項3又は4記載の方法において、前記各上清層は、目的の生物学的分泌物が抽出される前に混合されるものである。
  6. 請求項2〜5のいずれかに記載の方法において、前記目的の生物学的分泌物は、陽イオン交換クロマトグラフィーにより抽出されるものである。
  7. 請求項3又は4記載の方法において、前記得られた細胞ペレットは、塩類水溶液に再懸濁されるものである。
  8. 請求項6記載の方法において、前記塩類水溶液はPBSである。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の方法において、前記初期細胞密度は130×10細胞/ml未満である。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載の方法において、前記所期細胞密度は100×10細胞/mlより大きいものであり、前記工程"a"の前の段階において、前記細胞は80×10未満の密度に希釈されるものである。
  11. 上述のいずれかの請求項に記載の方法において、前記目的の生物学的分泌物は免疫グロブリンもしくはその一部である。
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