JP2012250297A - 眼鏡レンズ加工装置 - Google Patents

眼鏡レンズ加工装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2012250297A
JP2012250297A JP2011122840A JP2011122840A JP2012250297A JP 2012250297 A JP2012250297 A JP 2012250297A JP 2011122840 A JP2011122840 A JP 2011122840A JP 2011122840 A JP2011122840 A JP 2011122840A JP 2012250297 A JP2012250297 A JP 2012250297A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens
processing
flat
stage
finishing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2011122840A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012250297A5 (ja
Inventor
Kyoji Takeichi
教児 武市
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nidek Co Ltd
Original Assignee
Nidek Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nidek Co Ltd filed Critical Nidek Co Ltd
Priority to JP2011122840A priority Critical patent/JP2012250297A/ja
Priority to EP12004145.4A priority patent/EP2529885A3/en
Publication of JP2012250297A publication Critical patent/JP2012250297A/ja
Publication of JP2012250297A5 publication Critical patent/JP2012250297A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B24GRINDING; POLISHING
    • B24BMACHINES, DEVICES, OR PROCESSES FOR GRINDING OR POLISHING; DRESSING OR CONDITIONING OF ABRADING SURFACES; FEEDING OF GRINDING, POLISHING, OR LAPPING AGENTS
    • B24B9/00Machines or devices designed for grinding edges or bevels on work or for removing burrs; Accessories therefor
    • B24B9/02Machines or devices designed for grinding edges or bevels on work or for removing burrs; Accessories therefor characterised by a special design with respect to properties of materials specific to articles to be ground
    • B24B9/06Machines or devices designed for grinding edges or bevels on work or for removing burrs; Accessories therefor characterised by a special design with respect to properties of materials specific to articles to be ground of non-metallic inorganic material, e.g. stone, ceramics, porcelain
    • B24B9/08Machines or devices designed for grinding edges or bevels on work or for removing burrs; Accessories therefor characterised by a special design with respect to properties of materials specific to articles to be ground of non-metallic inorganic material, e.g. stone, ceramics, porcelain of glass
    • B24B9/14Machines or devices designed for grinding edges or bevels on work or for removing burrs; Accessories therefor characterised by a special design with respect to properties of materials specific to articles to be ground of non-metallic inorganic material, e.g. stone, ceramics, porcelain of glass of optical work, e.g. lenses, prisms
    • B24B9/148Machines or devices designed for grinding edges or bevels on work or for removing burrs; Accessories therefor characterised by a special design with respect to properties of materials specific to articles to be ground of non-metallic inorganic material, e.g. stone, ceramics, porcelain of glass of optical work, e.g. lenses, prisms electrically, e.g. numerically, controlled

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
  • Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)

Abstract

【課題】 平仕上げ加工可能なレンズ厚を厚くする。
【解決手段】 ヤゲン加工用のヤゲン溝と平加工部分を持つ仕上げ加工具と、チャック軸を加工具回転軸に対して軸(X)方向に移動し加工具回転軸との軸間距離を変化させるY方向にチャック軸を移動する移動手段と、平加工モード選択時に粗加工後のレンズ周縁を玉型及びコバ位置検知手段の検知結果に基づいて移動手段を制御して平仕上げ加工する制御手段であってコバ厚が第1所定値を超えている場合には平仕上げの加工段階を複数の段階に分け各段階では前段階の未加工領域を平仕上げ加工するように、コバ位置検知手段により検知された前面コバ位置及び/又は後面コバ位置に基づいて各段階で平加工部分に対してレンズをX方向にずらした加工位置を決定し、決定された加工位置に基づいて移動手段を制御してレンズ周縁を平仕上げする制御手段と、を備える。
【選択図】 図6

Description

本発明は、眼鏡レンズの周縁を加工する眼鏡レンズ加工装置に関する。
眼鏡レンズ加工装置は、眼鏡レンズを保持するレンズチャック軸と、粗砥石、ヤゲン溝及び平加工部分を持つ仕上げ砥石(通常の仕上げ砥石)、鏡面用のヤゲン溝及び平加部分を持つ鏡面仕上げ砥石、等の周縁加工具としての複数の砥石が同軸に取り付けられた加工具回転軸と、を備えているものがある(特許文献1参照)。さらに、高カーブレンズのヤゲン加工を可能にするために、高カーブヤゲン加工用の仕上げ砥石が加工具回転軸に取り付けられている装置もある(特許文献2参照)。
特開2010−280018号公報 特開2008−254077号公報
加工具としての砥石は、使用者のニーズに合わせて複数の砥石が組み合わせられる。しかし、砥石の数が増えると、限られた加工室のスペース内に収めるためには、各砥石の幅を小さくせざるを得ない。特に、通常の仕上げ砥石及び鏡面仕上げ砥石が持つ平加工部分の幅が小さくすると、加工可能なレンズ厚(コバ厚)が薄くなり、眼鏡レンズ加工装置では平加工部分の幅を超えた厚みを持つレンズを自動加工できなくなる。眼鏡レンズ加工装置での自動加工を可能にするために、平加工部分の幅を大きくすると、その分、加工装置が大型化すると共に、加工機構の剛性を強くする必要があり、製造コストが高くなる。このため、コバ厚が厚いレンズの平加工は、手動の加工装置で行われていた。
本件発明は、加工具の幅を大きくすることなく、平仕上げ加工可能なレンズ厚を厚くすることが可能な眼鏡レンズ加工装置を提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 眼鏡レンズの周縁を玉型に基づいて加工する眼鏡レンズ加工装置において、眼鏡レンズを保持する一対のレンズチャック軸を回転するレンズ回転手段と、粗加工具と、ヤゲン加工用のヤゲン溝及び平加工部分を持つ仕上げ加工具と、を含む複数の加工具が同軸に取り付けられた加工具回転軸を回転する加工具回転手段と、前記レンズチャック軸を前記加工具回転軸に対してレンズチャックの軸方向(X方向)に相対的に移動するX方向移動手段と、前記加工具回転軸との軸間距離を変化させる方向(Y方向)に前記レンズチャック軸を相対的に移動するY方向移動手段と、を有する移動手段と、玉型に基づいてレンズの動径角に対するレンズの前面及び後面のコバ位置を検知するコバ位置検知手段と、平加工モードを含むレンズの加工モードを選択する加工モード選択手段と、平加工モードが選択されたときに、前記コバ位置検知手段の検知結果から得られたコバ厚が前記平加工部分の領域として定められた第1所定値を超えているか否かを判定する判定手段と、平加工モードが選択されたときに、粗加工された後のレンズの周縁を玉型及び前記コバ位置検知手段の検知結果に基づいて前記動手段を制御して平仕上げ加工する制御手段であって、コバ厚が前記第1所定値を超えている場合には、平仕上げの加工段階を複数の段階に分け、各段階では前段階の未加工領域を平仕上げ加工するように、前記コバ位置検知手段により検知された前面コバ位置及び/又は後面コバ位置に基づいて各段階で前記平加工部分に対してレンズをX方向にずらした加工位置を決定し、決定された加工位置に基づいて前記移動手段を制御してレンズの周縁を平仕上げ加工する制御手段と、を備えることを特徴とする。
(2) (1)の眼鏡レンズ加工装置において、前記制御手段は、平仕上げの加工段階を少なくとも第1段階と第2段階に分け、第1段階では、コバ厚の最も厚いコバの後面コバ位置が前記平加工部分に入り、前面コバ位置が前記平加工部分から外れる加工位置を決定し、第2段階では、コバ厚の最も厚いコバの前面コバ位置が前記平加工部分に入り、後面コバ位置が前記平加工部分から外れる加工位置を決定し、各段階で決定した加工位置に基づいて前記移動手段を制御してレンズの周縁の未加工領域を順次平仕上げ加工することを特徴とする。
(3) (1)の眼鏡レンズ加工装置において、前記制御手段は、平仕上げの加工段階を第1段階と第2段階に分け、第1段階では、前面コバ位置が前記ヤゲン溝まで至り、後面コバ位置が前記平加工部分に入る加工位置を決定し、決定した加工位置に基づいて前記移動手段を制御してレンズの周縁を平仕上げ加工し、第2段階では、前記ヤゲン溝で加工されたレンズのヤゲン部分及び前面コバ位置を含む第1段階の未加工領域が前記平加工部分に入る加工位置を決定し、決定した加工位置に基づいて前記移動手段を制御してレンズの周縁を平仕上げ加工することを特徴とする。
(4) (1)の眼鏡レンズ加工装置は、警告器を備え、前記判定手段は、2段階による平仕上げ加工を可能にするために前記第1所定値より大きく定められた第2所定値をコバ厚が超えているか否かをさらに判定する第2の判定手段を有し、前記制御手段はコバ厚が第2所定値を超えている場合には、レンズの加工を停止し、前記警告器を駆動して警告することを特徴とする。
(5) (1)の眼鏡レンズ加工装置において、前記加工具回転手段は、さらに、鏡面ヤゲン加工用のヤゲン溝及び鏡面平加工部分を持つ鏡面仕上げ加工具を有し、前記制御手段は、前記仕上げ加工具により仕上げ加工されたレンズの周縁を前記鏡面仕上げ加工具によって鏡面平仕上げ加工する制御手段であり、コバ厚が前記第1所定値を超えている場合には、鏡面平仕上げの加工段階を複数の段階に分け、各段階では前段階の鏡面平仕上げの未加工領域を加工するように、前記コバ位置検知手段により検知されたレンズの前面コバ位置及び後面コバ位置に基づいて各段階で前記鏡面平加工部分に対してレンズをX方向にずらした加工位置を決定し、決定した加工位置に基づいて前記移動手段を制御してレンズの周縁を鏡面平仕上げ加工することを特徴とする。
(6) (1)の眼鏡レンズ加工装置において、前記制御手段は、コバ厚が前記第1所定値を超えていない場合には、前面コバ位置及び後面コバ位置が前記平加工部分に入るX方向の加工位置を決定し、決定した加工位置に基づいて前記移動手段を制御してレンズの周縁を平仕上げ加工することを特徴とする。
本発明によれば、加工具の幅を大きくすることなく、平仕上げ加工可能なレンズ厚を厚くすることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る眼鏡レンズ加工装置が備える加工機構の概略構成図である。
眼鏡レンズ加工装置は、眼鏡レンズLEを保持(挟持)する一対のレンズチャック軸112R,112Lを回転するレンズ回転ユニット110と、レンズの周縁を加工するための周縁加工具160が取り付けられた加工具回転軸125を回転する加工具回転ユニット120と、レンズチャック軸112R,112Lを加工具回転軸125に対してレンズチャック軸方向(X方向)に相対的に移動するX方向移動ユニット130と、加工具回転軸125との軸間距離を変化させる方向(Y方向)にレンズチャック軸112R,112Lを相対的に移動するY方向移動ユニット140と、レンズの動径角に対するレンズの前面及び後面のコバ位置を検知するコバ位置検知ユニット(レンズ形状測定ユニット)300F,300Rと、を備える。
図1において、加工装置本体1のベース100A上にキャリッジ部100が搭載されている。キャリッジ101の左腕101Lにレンズチャック軸112Lが回転可能に保持され、キャリッジ101の右腕101Rにレンズチャック軸112Rが回転可能に保持されている。レンズチャック軸112Rは、右腕101Rに取り付けられたモータ114によりレンズチャック軸112L側に移動され、レンズLEが2つのレンズチャック軸112R,112Lによって保持される。また、2つのレンズチャック軸112R,112Lは、左腕101Lに取り付けられたモータ111により、ギヤ等の回転伝達機構を介して同期して回転される。これらによりレンズ回転ユニット110が構成される。
レンズチャック軸112L,112Rに保持された被加工レンズLEの周縁は、加工具回転軸(砥石スピンドル)125に同軸に取り付けられた周縁加工具123によって加工される。加工具回転軸125は、レンズチャック軸112L,112Rに対して平行な位置関係で配置されている。周縁加工具160は複数の砥石により構成されている(図3参照)。加工具回転軸125は、モータ121により回転される。これらにより、加工具回転ユニット120が構成される。なお、加工具160として、カッターが使用される場合もある。
キャリッジ101は、レンズチャック軸112R,112Lと平行に延びるシャフト133,134に沿って移動可能なX移動支基132に搭載されている。支基132の後部には、シャフト133と平行に延びる図示なきボールネジが取り付けられている。ボールネジはX方向移動用モータ131の回転軸に取り付けられている。モータ131の回転により、支基132と共にレンズチャック軸112R,112LがX方向(レンズチャック軸の軸方向)に直線移動される。これらによりX方向移動ユニット130が構成される。モータ131の回転軸には、キャリッジ101のX方向の移動位置を検出する検出器であるエンコーダ131aが備えられている。
また、支基132には、X方向に直交するY方向(レンズチャック軸112R,112Lと加工具回転軸125との軸間距離が変動される方向)に延びる2つのシャフト146が固定されている。キャリッジ101はシャフト146に沿ってY方向に移動可能に支基132に搭載されている。支基132にはY方向移動用モータ141が固定されている。モータ141の回転はY方向に延びるボールネジ145に伝達され、ボールネジ145の回転によりキャリッジ101と共にレンズチャック軸112R,112LがY方向に移動される。これらにより、Y方向移動ユニット140が構成される。モータ141の回転軸には、レンズチャック軸112R,112LのY方向の移動位置を検出する検出器であるエンコーダ141aが備えられている。
なお、図1のX方向移動ユニット130及びY方向移動ユニット140は、レンズチャック軸(112L,112R)に対して加工具回転軸125が相対的にX方向及びY方向に移動される構成としても良い。また、Y方向移動ユニット140は、キャリッジ101の左腕101L及び右腕101Rが回旋される構成であっても良い。
図1において、キャリッジ101の上方の左右には、レンズコバ位置検知ユニット(レンズ形状測定部)300F,300Rが設けられている。図2はレンズの前面(前屈折面)コバ位置を検知する検知ユニット300Fの概略構成図である。ベース100A上に固定されたブロック300aに支基301Fが固定されている。支基301Fには、スライドベース310Fを介して測定子アーム304FがX方向にスライド可能に保持されている。測定子アーム304Fの先端部にL型のハンド305Fが固定されている。ハンド305Fの先端に測定子306Fが固定されている。測定子306Fは、レンズLEの前面に接触される。スライドベース310Fの下端部にはラック311Fが固定されている。ラック311Fは、支基301F側に固定されたエンコーダ313Fのピニオン312Fと噛み合っている。また、モータ316Fの回転は、ギヤ315F及び314F等の回転伝達機構を介してラック311Fに伝えられ、スライドベース310FがX方向に移動される。モータ316Fの駆動により、退避位置に置かれた測定子306FがレンズLE側に移動されると共に、測定子306FをレンズLEの前面に押し当てる測定圧が掛けられる。
レンズLEの前面コバ位置の検知時には、玉型に基づいてレンズLEが回転されながらレンズチャック軸112L,112RがY方向に移動され、エンコーダ313Fによりレンズ前面のX方向のコバ位置が玉型の動径角に対応して検知される。このコバ位置検知は、好ましくは、玉型の測定軌跡に加えて、玉型より所定量外側(例えば、1mm外側)の測定軌跡で行われる。この2つの測定軌跡に従ったコバ位置の検知により、玉型におけるレンズ面の傾斜が求められる。
レンズの後面(後屈折面)コバ位置検知ユニット300Rの構成は、検知ユニット300Fと左右対称であるので、図2に図示した検知ユニット300Fの各構成要素に付した符号末尾の「F」を「R」に付け替え、その説明は省略する。コバ位置検知ユニット300Rによって、レンズ後面のX方向のコバ位置が玉型の動径角に対応して検知される。また、レンズの前面コバ位置検知のときと同様に、玉型の測定軌跡と玉型より所定量外側の測定軌跡とに従ったコバ位置の検知により、玉型におけるレンズ面の傾斜が求められる。
なお、上記のレンズコバ位置ユニット300F,300Rの構成においては、レンズチャック軸112L,112RがY方向に移動されるものとしたが、相対的に測定子306F及び測定子306RがY方向に移動される機構とすることもできる。
図1において、装置本体の手前側に面取りユニット200が配置され、キャリッジ部100の後方には、穴加工・溝掘り機構部400が配置されている。面取りユニット200は、レンズ前面の面取り用砥石と、レンズ後面の面取り用砥石と、が回転軸に同軸に取り付けられている。以上、キャリッジ部100、レンズコバ位置測定部300F、300R、面取りユニット200、穴加工・溝掘り機構部400の構成は、基本的に特開2003−145328号公報に記載されたものを使用できるので、詳細は省略する。
図3は、加工具回転軸125に同軸に取り付けられた複数の周縁加工具160の構成例である。本装置では、周縁加工具160として、レンズチャック軸112L,112Rに保持されたレンズの前面側から順に、ヤゲン加工及び平加工に使用される通常仕上げ砥石161と、鏡面のヤゲン加工及び平加工に使用される鏡面仕上げ砥石163と、高カーブ用のヤゲン加工に使用される高カーブヤゲン仕上げ砥石165と、プラスチックレンズ用の粗砥石167と、から構成される。仕上げ砥石161及び163は、低カーブレンズのときに使用される。
通常仕上げ砥石161は、ヤゲン加工用のV溝(ヤゲン溝)161vと、V溝161vに対してレンズ前面側にレンズ前面のヤゲン肩形成用の前肩加工部分(前肩加工面)161aと、V溝161vに対してレンズ後側に平加工部分(平加工面)161bと、を備える。前肩加工部分161a及び平加工部分161bは、V溝161vの隣に配置されている。本装置の例では、前肩加工部分161a、V溝161v及び平加工部分161bは、同じ粒度の砥石によって一体的に形成されている。例えば、V溝161vの溝幅は2.5mmであり、前肩加工部分161aの幅は4.5mmであり、平加工部分161bの幅161wbは9mmである。平加工部分161bは、レンズがV溝161vによってヤゲン加工されるときに、レンズ後側のヤゲン肩を加工する加工面として兼用される。通常仕上げ砥石161の使用時には、V溝161vによりレンズの前ヤゲン斜面と後ヤゲン斜面とが同時に加工される。例えば、X方向に対するV溝161vの前斜面及び後斜面は共に35°であり、V溝161vの深さは1mm未満である。
前肩加工部分161aは、X方向に対してレンズ前側の径が大きくなるように傾斜角αfのテーパ面に形成されている。例えば、傾斜角αfは5.0度である。また、平加工部分161bは、X方向に対してレンズ後側の径が大きくなるように傾斜角αrのテーパ面に形成されている。例えば、傾斜角αrは2.5度である。加工面161bの傾斜角αrは、X方向に対して平行であっても良いが、外観上の見栄えを良くするために、レンズ後側の径が小さくなるように、傾斜している方が好ましい。
鏡面仕上げ砥石163は、ヤゲン加工用のV溝163vと、V溝163vに対してレンズ前側にレンズ前面のヤゲン肩形成用の前肩加工部分163aと、V溝163vに対してレンズ後側に平加工部分163bと、を備える。前肩加工部分163a及び平加工部分163bは、V溝163vの隣に配置されている。本装置の例では、前肩加工部分163a、V溝163v及び平加工部分163bは、同じ粒度の砥石によって一体的に形成され、その粒度は通常仕上げ砥石161よりも細かい。V溝163vの溝幅、前肩加工部分163aの幅及び平加工部分163bの幅163wbは、それぞれ通常仕上げ砥石161と同じに形成されている。V溝163vの形状も通常仕上げ砥石161と同じにされている。
なお、仕上げ砥石161及び163の全体の幅は、粗砥石167の幅とほぼ同じくらいか、又は、粗砥石167の幅よりも小さい。
高カーブヤゲン仕上げ用砥石163は、レンズ前側の前ヤゲン斜面を加工する前ヤゲン加工斜面165aと、レンズ後側の後ヤゲン斜面を加工する後ヤゲン加工斜面165bと、後ヤゲン肩を形成する後ヤゲン肩加工斜面165cと、を備える。各加工斜面の砥石は、通常仕上げ砥石161と同じ粒度の砥石で一体的に形成されている。高カーブヤゲン仕上げ用砥石163によるヤゲン加工においては、前ヤゲン斜面と後ヤゲン差Y面とが別々に加工される。このため、前ヤゲン加工斜面165aの幅及び後ヤゲン加工斜面165bの幅は、仕上げ砥石161のV溝161vよりも大きく、例えば、前ヤゲン加工斜面165aの幅は9mmであり、後ヤゲン加工斜面165bの幅は3.5mmである。後ヤゲン肩加工斜面165cの幅は、例えば、4.5mmである。
X軸方向に対する前ヤゲン加工斜面165aの角度は、仕上げ砥石161のV溝161vよりも小さく、例えば30度である。X軸方向に対する後面ヤゲン加工斜面165bの角度は、仕上げ砥石161のV溝161vよりも大きく、例えば45度である。高カーブフレームに入れられるレンズのヤゲン加工においては、レンズが後側に外れず、且つ保持をより確実にするために、低カーブレンズに対して後ヤゲン斜面の角度を大きくすることが好ましい。さらに、X軸方向に対する後ヤゲン肩加工斜面165cの角度は、仕上げ用砥石161の平加工部分161bよりも大きく、例えば15°である。これにより、高カーブフレームにレンズが取り付けられたときに、レンズが保持されやすく、また、外観上の見栄えが良くなる。
これらの通常仕上げ砥石161についての各加工部分(前肩加工部分161a、V溝161v及び平加工部分161b)の位置及び各幅のデータはメモリ51に記憶されている。鏡面仕上げ砥石163の各加工部分位置及び各幅のデータも、同様にメモリ51に記憶されている。
図4は、眼鏡レンズ加工装置の制御ブロック図である。制御部50に眼鏡枠形状測定部2(特開平4−93164号公報等に記載したものを使用できる)、表示ユニット及び入力ユニットとして使用されるタッチパネル式のディスプレイ5、スイッチ部7、メモリ51、キャリッジ部100の各モータ、レンズコバ位置検知ユニット300F,300R、穴加工・溝掘り機構部400等が接続されている。装置への入力信号は、ディスプレイ5の表示に対して、タッチペン又は指の接触により入力することができる。制御部50はディスプレイ5が持つタッチパネル機能により入力信号を受け、ディスプレイ5の図形及び情報の表示を制御する。
以上のような構成を持つ装置において、通常仕上げ砥石16、鏡面仕上げ砥石163による平加工動作を中心に説明する。
初めに、レンズの周縁加工に必要な基礎データが入力される。眼鏡枠形状測定部2によって測定された眼鏡枠の玉型データは、スイッチ部7が持つスイッチを押すことにより装置に入力される。玉型データは、動径角及び動径長からな動径データ(rn、θn)(n=1、2、…、N)に変換され、メモリ51に記憶される。rnは動径長、θnは動径角のデータである。また、玉型に対するレンズの光学中心のレイアウトデータがディスプレイ5によって入力される。ディスプレイ5の画面500には玉型FTが表示され、眼鏡の使用者の瞳孔間距離(PD値)501、眼鏡枠の枠中心間距離(FPD値)502、玉型の幾何中心に対する光学中心の高さ503、等のレイアウトデータが入力可能にされる。レイアウトデータは、ディスプレイ5に表示される所定のキーが操作されることにより入力される。また、ディスプレイ5に表示されたキー511〜515等の所定のキー操作によってレンズの加工条件が入力される。レンズの加工条件は、レンズの材質、フレームの種類、加工モード(ヤゲン加工、平加工、溝掘り加工)、鏡面加工の有無、面取り加工の有無、高カーブヤゲン加工の有無、が含まれる。フレームの種類として、メタル及びセルが選択された場合には、ヤゲン加工モードが自動的に選択され、リムレスフレーム(ツーポ、ナイロール)が選択された場合には、平加工モードが自動的に選択される。以下では、平加工の加工モードが選択された場合を説明する。
スイッチ部7により動作開始信号が入力されると、レンズの加工に先立って、レンズコバ位置検知ユニット300F,300Rが作動され、レンズLEの前面及び後面のコバ位置が検知される。レンズの前面コバ位置Lcfは、動径角に対応した(rn、θn、xfn)(n=1、2、…、N)として、レンズコバ位置検知ユニットの一部を兼ねる制御部50によって得られる。xfnは、X方向の基準位置に対するレンズの前面コバ位置の値である。測定点nは、所定の微小角度毎に設定されたものであり、例えば、1000点である。レンズの後面コバ位置Lcrも、同様に、動径角に対応したデータ(rn、θn、xrn)(n=1、2、…、N)として、制御部50によって得られる。xrnは、X方向の基準位置に対するレンズの後面コバ位置の値である。
制御部50は、レンズの前面及び後面のコバ位置データを基に各動径角(θn)に対応するコバ厚Tn(n=1、2、…、N)を求め、コバ厚Tnが所定値TS1を超えている部分(動径角)が有るかを判定する。所定値TS1は、平加工部分161bの幅161wbとの関係で予め定められた値であり、幅161wbによって実質的に平加工可能な値である。例えば、9mmの幅161wbに対して、平加工部分161bの両端からそれぞれ0.5mm内側が実質的に加工可能な幅として、8.0mmが定められている。幅161wb及び所定値TS1は、メモリ51に記憶されている。
各動径角(θn)のコバ厚Tnが所定値TS1を超えていなければ、レンズの全周が平加工部分161bによって加工可能であると判定される。この場合、制御部50は、仕上げ加工形状のレンズの前面コバ位置Lcf及び後面コバ位置Lcrが共に平加工部分161bに入るように、レンズの回転角に対するX方向のX位置を求める。例えば、図5のように、平加工部分161bの前端161bfから0.5mm内側(後方)に設定された位置166bP1に、前面コバ位置Lcfが常に位置するように、レンズの回転角に対するX位置(X方向の加工位置)を求める(決定する)。
なお、平仕上げ加工の玉型が真円でない場合、周知のように、玉型に基づくレンズの加工点は、レンズチャック軸112R,112Lと加工具回転軸125とを結ぶY軸上に位置しない。このため、レンズの回転角に対するレンズの加工点を求め直す。レンズの回転角に対する加工点は、例えば、以下の方法で求めることができる。レンズチャック軸112R,112Lと加工具回転軸125との軸間距離をLとし、平加工部分161bの半径をRとし、動径データ(rn、θn)(n=1、2、…、N)を次の式に代入する。
上記の数1式に、動径データ(rn、θn)(n=1、2、…、N)を順次代入し、Lの最大値を求めることにより、レンズの一つの回転角Φiに対する加工点が求められる。回転角Φiに対するLの最大値を軸間距離Liとし、そのときの動径角θnに対応するxfnをXfiとする。レンズの前面コバ位置Lcfについて、このLi及びXfiが、レンズの回転角Φiに対するY方向及びX方向の基礎制御データとなる。回転角Φiを微小な単位角度だけ加工中心を中心に回転させ、上記の計算を順次行うことにより、レンズの全集の回転角Φiに対する制御データ(Φi、Li、Xfi)(i=1,2,3,・・・,N)が求められる。レンズの後面コバ位置Lcrについても、動径角θnに対応するxrnをXriとし、同様に、レンズの全周の回転角Φiに対する制御データ(Φi、Li、Xri)(i=1,2,3,・・・,N)が求められる。
コバ厚Tnが所定値TS1を超えていない場合のレンズ周縁加工を簡単に説明する。上記のように、平仕上げ加工の制御データが求められると、制御部50は、初めに、粗砥石167によってレンズを粗加工する。粗加工データは、玉型(仕上げの加工データ)に所定の仕上げ加工代ΔLを加えたデータとして求められる。制御部50は、X方向移動ユニット130の駆動を制御し、レンズのコバを粗砥石167の加工面に位置させる。また、制御部50は、レンズ回転ユニット110の駆動を制御してレンズを回転させると共に、レンズの回転角Φiに対する軸間距離(Li+ΔL)に基づいてY方向移動ユニット140の駆動を制御する。
粗加工が終了すると、平加工部分161bによる平仕上げ加工が行われる。制御部50は、レンズの前面コバ位置Lcf及び後面コバ位置Lcrが平加工部分161bに入るX方向の加工位置(加工部分161bに対するレンズのコバの位置)を決定し、決定した加工位置に基づき、レンズを回転させながらX方向移動ユニット130及びY方向移動ユニット140の駆動を制御して、粗加工後のレンズの周縁を平仕上げ加工する。コバ厚Tnが所定値TS1を超えていない場合、前面コバ位置Lcfの制御データ(Φi、Li、Xfi)(i=1,2,3,・・・,N)が使用される。例えば、前面コバ位置Lcfが加工位置166bP1に位置するように、レンズの所定の回転角毎にX方向の位置が制御される。
次に、コバ厚Tnが所定値TS1を超えている部分がある場合を説明する。この場合、制御部50は、平仕上げの加工段階を複数の段階に分け、各段階でレンズの平仕上げの未加工領域を加工するように、前面コバ位置Lcf及び/又は後面コバ位置Lcrに基づいて各段階で平加工部分161bに対してレンズのコバをX方向にずらした加工位置を決定し、決定した加工位置に基づいてX方向移動ユニット130及びY方向移動ユニット140の駆動を制御して、粗加工後のレンズの周縁を平仕上げ加工する。なお、コバ厚データがあれば、前面コバ位置Lcf又は後面コバ位置Lcrの一方に基づいて、他方が求められる。また、各段階の加工位置の決定に際しては、メモリ51に記憶されている前肩加工部分161aの位置、V溝161vの位置及び平加工部分161bの位置が基礎データとして使用される。
例えば、図3のように、平加工部分161b及び前肩加工部分161aがテーパを持つ構成においては、制御部50は、平仕上げ加工の加工段階を第1段階と第2段階に分け、レンズの前面コバ位置Lcf及び後面コバ位置Lcrに基づいて第1段階と第2段階とでX方向の加工位置をずらした位置を決定し、レンズの周縁を2段階で平仕上げ加工する。制御部50は、第1段階では、レンズの前面コバ位置Lcfがヤゲン加工用のV溝161vまで至り(前面コバ位置Lcfが平加工部分161bから外れた位置)、最もレンズのコバ厚が厚い部分の後面コバ位置Lcrが平加工部分161bに入るようにX方向の加工位置(レンズの回転角に対するるX方向のX位置制御データ)を求め、求めた加工位置に基づいてX方向移動手段を制御してレンズの周縁を平仕上げ加工する。以下、第1段階の制御例を説明する。
例えば、制御部50は、前面コバ位置Lcf(rn、θn、xfn)(n=1、2、…、N)と後面コバ位置Lcr(rn、θn、xrn)(n=1、2、…、N)とから、最もコバ厚が厚い部分の動径角θtmaxを求める。この動径角θtmaxに対応する後面コバ位置Lcrが、図6(a)に示すように、平加工部分161bの後端161brから0.5mm内側(前方)に設定された加工位置166bP2に位置したときの、前面コバ位置LcfのX位置Xtm(X方向の基準位置X0に対する加工位置)を求める。このとき、図6(a)に示すように、前面コバ位置Lcfはヤゲン加工用のV溝161vに至っている。そして、制御部50は、前述の数1の式からレンズの回転角Φiに対する前面コバ位置LcfのX方向のコバ位置Xfiを求め、コバ位置Xfiが位置Xtmに位置するように、回転角Φiに対するX方向の加工位置の制御データXtfi(i=1,2,3,・・・,N)を求める。
制御部50は、粗加工(粗加工の動作は前述と同じであるので、省略する)されたレンズのコバを仕上げ砥石161上に位置させ、X位置制御データXtmi(i=1,2,3,・・・,N)に基づいてレンズを回転させながらX方向移動ユニット130の駆動を制御し、第1段階の平仕上げ加工を行う。仕上げ加工段階では、レンズは1回転以上回転される。このとき、図7に示すように、レンズのコバ前側にV溝161vによって形成されたヤゲン部分Lvが未加工領域として残っている。
また、第1段階の制御の変容例を図8により説明する。上記の例では、最もコバ厚が厚い部分の後面コバ位置Lcrが加工位置166bP2に位置するときを基準に、位置Xtmを決定したが、図8の変容例は、位置Xtmを予め決定する例である。図8において、平加工部分161bの表面の線LtをV溝161vまで延ばし、線LtとV溝161vの前ヤゲン斜面161vfとの交点Pxを求め、交点Px(又はPxよりレンズ後面側に僅かにシストさせた位置)を位置Xtmとして決定する。この位置Xtmに対して、図8上の左方向(レンズの前面方向)にレンズの前面コバ位置Lcfがあると、前ヤゲン斜面161vf及び前肩加工部分161aによってレンズが加工されてしまう。したがって、できるだけコバ厚が厚いレンズの平仕上げ加工を可能にするために、位置Xtmをレンズの前面コバ位置Lcfの限界位置とし決定する。第1段階の平仕上げ加工では、制御部50は、前面コバ位置Lcfが位置Xtmに位置するように、X方向移動ユニット130に駆動を制御する。この方法の場合、位置Xtmが一定であるので、装置の制御プログラム作成が簡素化される。
第2段階の平仕上げ加工を説明する。第2段階では、制御部50は、未加工領域のヤゲン部分Lvを平仕上げ加工するように、第1段階に対してX方向の加工位置をずらした位置を決定する。具体的には、制御部50は、未加工領域として残ったヤゲン部分Lvを平仕上げ加工するために、レンズの前面コバ位置Lcfが平加工部分161bに入るように、レンズの回転角に対するX方向の加工位置のX位置制御データを求め、求めたX位置制御データに基づいてレンズを回転させながらX方向移動手段を制御し、レンズの周縁を平仕上げ加工する。
例えば、制御部50は、コバ厚Tnが所定値TS1を超えていない場合と同じ制御を行う。すなわち、制御部50は、図6(b)に示すように、前面コバ位置Lcfが加工位置166bP1に位置するように、レンズの回転角Φi(i=1,2,3,・・・,N)に対するX方向のX位置制御データXtfi(i=1,2,3,・・・,N)を求め、求めたX位置制御データに基づいてX方向移動手段を制御する。この第2段階の平仕上げ加工により、図7のように、レンズの周縁に残っていたヤゲン部分Lvが削り落とされ、レンズ全周が平仕上げ加工される。
以上ような2段階に分けた平加工仕上げにより、平仕上げ加工具の平加工部分161bの幅を大きくすることなく、平仕上げが可能なレンズ厚の拡大化が図られる。
また、平加工部分161bが傾斜角αrのテーパを持つ場合には、第2段階の加工時にY方向の軸間距離Liの制御時に傾斜角αrのテーパ分の補正を行うことが好ましい。すなわち、加工位置166bP1と位置Xtmとの差ΔXを求め、第1段階のY方向の軸間距離Liに対して、ΔX・tanαr分が補正される。これにより、より精度良く平加工が行える。
鏡面加工が「有り」に設定されている場合には、仕上げ砥石161による平加工後に、鏡面仕上げ砥石163によって鏡面加工が行われる。鏡面加工においても、コバ厚Tnが所定値TS1を超えている部分がある場合には、仕上げ砥石161のときと同様な2段階に分けた制御が適用される。すなわち、制御部50は、鏡面平仕上げの加工段階を複数の段階に分け、各段階でレンズの鏡面平仕上げの未加工領域を加工するように、前面コバ位置Lcf及び/又は後面コバ位置Lcrに基づいて各段階で鏡面平加工部分163bに対してレンズをX方向にずらした加工位置を決定し、各移動ユニット130及び140を制御してレンズの周縁を複数段階で鏡面平仕上げ加工する。前述のように、鏡面加工の前の平仕上げ加工が2段階で行われた場合には、制御部50は、鏡面平仕上げ加工の段階も第1段階と第2段階に分け、鏡面加工の第1段階では、レンズの前面コバ位置Lcfがヤゲン加工用のV溝163vまで至り、レンズの後面コバ位置Lcrが平加工部分163bに入るようにレンズの回転角に対するるX方向の加工位置のX位置制御データを求め、求めたX位置制御データに基づいてX方向移動手段を制御してレンズの周縁を平仕上げ加工する。鏡面加工の第2段階では、制御部50は、レンズの前面コバ位置Lcfが平加工部分163bに入るように、レンズの回転角に対するX方向の加工位置のX位置制御データを求め、求めたX位置制御データに基づいてX方向移動手段を制御してレンズの周縁を鏡面平仕上げ加工する。これにより、鏡面加工の場合も、鏡面仕上げ加工具の平加工部分の幅を大きくすることなく、鏡面の平仕上げ加工が可能なレンズ厚の拡大化が図られる。
なお、平加工部分161bが傾斜角αrのテーパを持ち、前肩加工部分161aが傾斜角αfのテーパを持つ構成においては、コバ厚Tnが平加工部分161b及びV溝161vの合計幅を超えて大きいときには、前面コバ位置Lcfが前肩加工部分161aによって削られてしまう。このため、制御部50は、コバ厚Tnが、所定値TS1より大きく設定された値であって、平加工部分161bの幅及びV溝161vの溝幅を基に定められた所定値TS2を超えているか否かを判定する。コバ厚Tnが所定値TS2を超えている場合には、制御部50は、レンズの周縁加工を停止し、ディスプレイ5の画面に平加工不可の警告を表示する。ディスプレイ5は警告器として機能する。これにより、作業者は、レンズが厚く、本装置では平加工を自動的に行えないことを事前に知ることができ、無用なトアブルを回避できる。
図3の加工具160の構成例において、通常仕上げ砥石161の平加工部分161b及び前肩加工部分161aがテーパを持たず、レンズチャック軸112L,112Rに平行である場合(平加工部分161b及び前肩加工部分161aが同一径の円筒形状である場合)には、さらに、平仕上げ加工のレンズ厚の拡大化が図られる。鏡面仕上げ砥石163に関しても同様である。すなわち、図9(a)のように、第1段階の平仕上げ加工では、後面コバ位置Lcrを平加工部分161bの位置161bp2に位置させて平仕上げ加工する。このとき、前面コバ位置LcfはV溝161v及び前肩加工部分161aを越えているが、図9(b)に示すように、第2段階では、前面コバ位置Lcfを平加工部分161bの位置161bp1に位置させて平仕上げ加工する。これにより、第1段階の平仕上げ加工で未加工領域として残った部分が第2段階で平仕上げ加工される。
なお、高カーブヤゲン仕上げ砥石165、粗砥石167等の同軸に取り付けられている加工具の最大径は、平加工部分161b及び前肩加工部分161aの径以下である。また、平加工部分161bの後面側に配置された鏡面仕上げ砥石163の径が平加工部分161bより小さくなっていれば、第2段階で平加工部分161bから後面側から外れた領域への影響が排除される。
また、コバ厚Tが厚い場合には、さらに、2段階より多くの平仕上げ加工段階を設け、2段階の平仕上げ加工で残った未加工領域が順次平仕上げ加工されるように、各段階でレンズのコバを順次ずらして加工すれば良い。これにより、仕上げ仕上げ可能なレンズ厚の拡大化が図られる。
以上の実勢形態は種々の変容が可能である。例えば、第1段階のX位置制御については、後面コバ位置Lcrが加工位置166bP2に位置するように、レンズの回転角に対するX位置の制御データを求めることでも良い。この場合、前面コバ位置Lcfが平加工部分161bの前端161bfから外れた動径角の部分のみにヤゲン部分Lvが形成される。しかし、この方法においては、前面コバ位置Lcfに対して後面コバ位置Lcrの方がX方向の位置変動が大きい。X移動の急激な変動を抑えようとすると、レンズの回転速度を遅くする必要があり、加工時間が長くなる不利がある。しがって、好ましくは前述の方法が採用される。
また、上記の第1段階及び第2段階の順番は逆であっても良い。鏡面仕上げ砥石163が仕上げ砥石161のレンズ後面側に配置されて無い場合、あるいは、鏡面仕上げ砥石163の径が仕上げ砥石161の径より小さい場合、平加工部分161から外れたコバの部分が鏡面仕上げ砥石163によって加工される影響が排除される。鏡面仕上げ砥石163の後面側の隣に配置された砥石(加工具)の径も鏡面仕上げ砥石163の径より小さければ、同様に鏡面仕上げ加工時に隣に配置された砥石による影響が排除される。
眼鏡レンズ加工装置が備える加工機構の概略構成図である。 レンズコバ位置検知ユニットの概略構成図である。 加工具回転軸に同軸に取り付けられた複数の周縁加工具の構成図である。 眼鏡レンズ加工装置の制御ブロック図である。 コバ厚が平加工部の幅より小さい場合の平仕上げ加工の説明図である。 平仕上げ加工を2段階で行う場合の説明図である。 平仕上げ加工の第1段階終了後に残ったレンズコバの未加工領域の説明図である。 第1段階の平仕上げ加工における変容例の説明図である。 仕上げ砥石の平加工部分及び前肩加工部分がテーパを持たない場合の段階的な平仕上げ加工の説明図である。
5 ディスプレイ
50 制御部
51 メモリ
110 レンズ回転ユニット
112R,112L レンズチャック軸
120 加工具回転ユニット
125 加工具回転軸
130 X方向移動ユニット
140 Y方向移動ユニット
160 周縁加工具
161 仕上げ砥石161
161v V溝
161b 平加工部分
163 鏡面仕上げ砥石
163b 平加工部分
163F,163R コバ位置検知ユニット

Claims (6)

  1. 眼鏡レンズの周縁を玉型に基づいて加工する眼鏡レンズ加工装置において、
    眼鏡レンズを保持する一対のレンズチャック軸を回転するレンズ回転手段と、
    粗加工具と、ヤゲン加工用のヤゲン溝及び平加工部分を持つ仕上げ加工具と、を含む複数の加工具が同軸に取り付けられた加工具回転軸を回転する加工具回転手段と、
    前記レンズチャック軸を前記加工具回転軸に対してレンズチャックの軸方向(X方向)に相対的に移動するX方向移動手段と、前記加工具回転軸との軸間距離を変化させる方向(Y方向)に前記レンズチャック軸を相対的に移動するY方向移動手段と、を有する移動手段と、
    玉型に基づいてレンズの動径角に対するレンズの前面及び後面のコバ位置を検知するコバ位置検知手段と、
    平加工モードを含むレンズの加工モードを選択する加工モード選択手段と、
    平加工モードが選択されたときに、前記コバ位置検知手段の検知結果から得られたコバ厚が前記平加工部分の領域として定められた第1所定値を超えているか否かを判定する判定手段と、
    平加工モードが選択されたときに、粗加工された後のレンズの周縁を玉型及び前記コバ位置検知手段の検知結果に基づいて前記動手段を制御して平仕上げ加工する制御手段であって、コバ厚が前記第1所定値を超えている場合には、平仕上げの加工段階を複数の段階に分け、各段階では前段階の未加工領域を平仕上げ加工するように、前記コバ位置検知手段により検知された前面コバ位置及び/又は後面コバ位置に基づいて各段階で前記平加工部分に対してレンズをX方向にずらした加工位置を決定し、決定された加工位置に基づいて前記移動手段を制御してレンズの周縁を平仕上げ加工する制御手段と、
    を備えることを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。
  2. 請求項1の眼鏡レンズ加工装置において、前記制御手段は、平仕上げの加工段階を少なくとも第1段階と第2段階に分け、第1段階では、コバ厚の最も厚いコバの後面コバ位置が前記平加工部分に入り、前面コバ位置が前記平加工部分から外れる加工位置を決定し、第2段階では、コバ厚の最も厚いコバの前面コバ位置が前記平加工部分に入り、後面コバ位置が前記平加工部分から外れる加工位置を決定し、各段階で決定した加工位置に基づいて前記移動手段を制御してレンズの周縁の未加工領域を順次平仕上げ加工することを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。
  3. 請求項1の眼鏡レンズ加工装置において、前記制御手段は、平仕上げの加工段階を第1段階と第2段階に分け、第1段階では、前面コバ位置が前記ヤゲン溝まで至り、後面コバ位置が前記平加工部分に入る加工位置を決定し、決定した加工位置に基づいて前記移動手段を制御してレンズの周縁を平仕上げ加工し、第2段階では、前記ヤゲン溝で加工されたレンズのヤゲン部分及び前面コバ位置を含む第1段階の未加工領域が前記平加工部分に入る加工位置を決定し、決定した加工位置に基づいて前記移動手段を制御してレンズの周縁を平仕上げ加工することを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。
  4. 請求項1の眼鏡レンズ加工装置は、警告器を備え、前記判定手段は、2段階による平仕上げ加工を可能にするために前記第1所定値より大きく定められた第2所定値をコバ厚が超えているか否かをさらに判定する第2の判定手段を有し、前記制御手段はコバ厚が第2所定値を超えている場合には、レンズの加工を停止し、前記警告器を駆動して警告することを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。
  5. 請求項1の眼鏡レンズ加工装置において、前記加工具回転手段は、さらに、鏡面ヤゲン加工用のヤゲン溝及び鏡面平加工部分を持つ鏡面仕上げ加工具を有し、前記制御手段は、前記仕上げ加工具により仕上げ加工されたレンズの周縁を前記鏡面仕上げ加工具によって鏡面平仕上げ加工する制御手段であり、コバ厚が前記第1所定値を超えている場合には、鏡面平仕上げの加工段階を複数の段階に分け、各段階では前段階の鏡面平仕上げの未加工領域を加工するように、前記コバ位置検知手段により検知されたレンズの前面コバ位置及び後面コバ位置に基づいて各段階で前記鏡面平加工部分に対してレンズをX方向にずらした加工位置を決定し、決定した加工位置に基づいて前記移動手段を制御してレンズの周縁を鏡面平仕上げ加工することを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。
  6. 請求項1の眼鏡レンズ加工装置において、前記制御手段は、コバ厚が前記第1所定値を超えていない場合には、前面コバ位置及び後面コバ位置が前記平加工部分に入るX方向の加工位置を決定し、決定した加工位置に基づいて前記移動手段を制御してレンズの周縁を平仕上げ加工することを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。
JP2011122840A 2011-05-31 2011-05-31 眼鏡レンズ加工装置 Pending JP2012250297A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011122840A JP2012250297A (ja) 2011-05-31 2011-05-31 眼鏡レンズ加工装置
EP12004145.4A EP2529885A3 (en) 2011-05-31 2012-05-30 Eyeglass lens processing apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011122840A JP2012250297A (ja) 2011-05-31 2011-05-31 眼鏡レンズ加工装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012250297A true JP2012250297A (ja) 2012-12-20
JP2012250297A5 JP2012250297A5 (ja) 2014-07-10

Family

ID=46513615

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011122840A Pending JP2012250297A (ja) 2011-05-31 2011-05-31 眼鏡レンズ加工装置

Country Status (2)

Country Link
EP (1) EP2529885A3 (ja)
JP (1) JP2012250297A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2835215A1 (en) 2013-06-28 2015-02-11 Nidek Co., Ltd. Eyeglass lens processing apparatus, eyeglass lens processing method and eyeglass lens processing program
JP2015066650A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 株式会社ニデック 眼鏡レンズ加工装置及び眼鏡レンズ加工方法
CN113211235A (zh) * 2021-05-10 2021-08-06 山西光兴光电科技有限公司 研磨设备以及研磨方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6766400B2 (ja) * 2016-03-28 2020-10-14 株式会社ニデック 眼鏡レンズ加工装置、及び眼鏡レンズ加工プログラム

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0623661A (ja) * 1992-07-06 1994-02-01 Nikon Corp レンズ研削装置
JPH09225799A (ja) * 1996-02-21 1997-09-02 Hoya Corp 縁摺り加工装置の加工方式
JP2000108001A (ja) * 1998-10-02 2000-04-18 Topcon Corp レンズ研削装置
JP2000176809A (ja) * 1998-10-06 2000-06-27 Hoya Corp 眼鏡レンズの端面加工方法
JP2001179583A (ja) * 1999-12-27 2001-07-03 Topcon Corp レンズ加工情報処理方法及びそのための装置並びにその処理方法を用いたレンズ研削加工方法及びそのための装置
JP2008254077A (ja) * 2007-03-30 2008-10-23 Nidek Co Ltd 眼鏡レンズ加工装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2918657B2 (ja) 1990-08-09 1999-07-12 株式会社ニデック 眼鏡レンズ研削加工機
US6328630B1 (en) * 1998-10-05 2001-12-11 Hoya Corporation Eyeglass lens end face machining method
JP5554512B2 (ja) 2009-06-03 2014-07-23 株式会社ニデック 眼鏡レンズの鏡面加工条件設定方法及び眼鏡レンズ加工装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0623661A (ja) * 1992-07-06 1994-02-01 Nikon Corp レンズ研削装置
JPH09225799A (ja) * 1996-02-21 1997-09-02 Hoya Corp 縁摺り加工装置の加工方式
JP2000108001A (ja) * 1998-10-02 2000-04-18 Topcon Corp レンズ研削装置
JP2000176809A (ja) * 1998-10-06 2000-06-27 Hoya Corp 眼鏡レンズの端面加工方法
JP2001179583A (ja) * 1999-12-27 2001-07-03 Topcon Corp レンズ加工情報処理方法及びそのための装置並びにその処理方法を用いたレンズ研削加工方法及びそのための装置
JP2008254077A (ja) * 2007-03-30 2008-10-23 Nidek Co Ltd 眼鏡レンズ加工装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2835215A1 (en) 2013-06-28 2015-02-11 Nidek Co., Ltd. Eyeglass lens processing apparatus, eyeglass lens processing method and eyeglass lens processing program
US10377011B2 (en) 2013-06-28 2019-08-13 Nidek Co., Ltd. Eyeglass lens processing apparatus and eyeglass lens processing program
JP2015066650A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 株式会社ニデック 眼鏡レンズ加工装置及び眼鏡レンズ加工方法
CN113211235A (zh) * 2021-05-10 2021-08-06 山西光兴光电科技有限公司 研磨设备以及研磨方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP2529885A2 (en) 2012-12-05
EP2529885A3 (en) 2014-08-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5134346B2 (ja) 眼鏡レンズ周縁加工装置
US7617579B2 (en) Eyeglass lens processing apparatus
JP5405720B2 (ja) 眼鏡レンズ加工装置
JP5073345B2 (ja) 眼鏡レンズ加工装置
JP5331464B2 (ja) 眼鏡レンズ加工装置及び眼鏡レンズ加工方法
JP5301823B2 (ja) 眼鏡レンズ周縁加工装置
US7410408B2 (en) Eyeglass lens processing apparatus
JP4131842B2 (ja) 眼鏡レンズ加工装置
JP5209358B2 (ja) ヤゲン軌跡設定方法及び眼鏡レンズ加工装置
JP5265127B2 (ja) 眼鏡レンズ加工装置
EP1952943A2 (en) Eyeglass lens processing apparatus
JP4388912B2 (ja) 眼鏡レンズ加工装置
JP2012250297A (ja) 眼鏡レンズ加工装置
JP5976270B2 (ja) 眼鏡レンズ加工装置
KR101437160B1 (ko) 안경 렌즈 가공 장치
US8671532B2 (en) Eyeglass lens processing apparatus
JP2007007788A (ja) 眼鏡レンズ加工装置
KR101415449B1 (ko) 파셋 가공 영역 설정 장치 및 이것을 갖는 안경 렌즈 가공장치
JP6390103B2 (ja) レンズ周縁加工装置、及びレンズ周縁加工プログラム
JP5372628B2 (ja) 眼鏡レンズ加工装置及び該装置に使用されるヤゲン加工具
JP6596878B2 (ja) 眼鏡レンズ加工装置、及び眼鏡レンズ加工プログラム
JP5578549B2 (ja) 眼鏡レンズ加工装置
JP2014136281A (ja) 眼鏡レンズ加工装置
JP2005219153A (ja) レンズ研削加工装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140526

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140526

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150304

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150507

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150811