JP2012229622A - 内燃機関のegr制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】EGRが行われる内燃機関において、吸気経路内の圧力と排気経路内の圧力との差が大きい場合においても、目標EGR率を精度良く達成することができる、内燃機関のEGR制御装置を提供する。
【解決手段】吸気経路20内の圧力を検出又は推定する吸気圧検出手段と、排気経路30内の圧力を検出又は推定する排気圧検出手段と、前記吸気経路20と前記排気経路30を連通するEGR経路40と、前記EGR経路40に介装されたEGR弁43と、前記EGR弁43の開度を制御するEGR弁制御手段と、前記EGR弁43よりも前記EGR経路40と前記排気経路30との分岐部分に近い側の前記EGR経路40に介装された排気遮断弁42と、前記排気遮断弁42の開度を制御する排気遮断弁制御手段を備える内燃機関10のEGR制御装置において、前記吸気経路20内の圧力と前記排気経路30内の圧力との差分に基づいて前記排気遮断弁42の開度を制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の排気再循環(以降、「EGR」と称する)制御装置に関する。より詳しくは、本発明は、吸気経路内の圧力と排気経路内の圧力との差が大きい場合でも目標EGR率を精度良く達成することができる、内燃機関のEGR制御装置に関する。
EGRとは、内燃機関において燃焼後の排気ガスの一部を排気経路から取り出し、内燃機関の排気経路と吸気経路とを連通する導管(EGR経路)を経て、吸気経路へと導いて再度吸気させる技術である。内燃機関においては、排気ガス中に含まれる有害物質である窒素酸化物(NOx)の低減や部分負荷運転時の燃費の向上等を主たる目的として、EGRを実行することが広く知られている。
尚、EGR実行時のEGR率(即ち、内燃機関の筒内に流入する排気ガス量を筒内に流入する空気量と排気ガス量との和で割った値)には最適値がある。具体的には、EGR率が低過ぎると、上記のようなNOxの低減や部分負荷運転時の燃費向上等の効果が十分に得られない。逆に、EGR率が高過ぎると、排気ガスにおける炭化水素(HC)やスモークの増大、燃費の悪化、及び失火(ミスファイヤ)等の不都合を招く虞がある。
従って、EGR実行時には適切なEGR率を維持する必要があるが、適切なEGR率は、その時々の内燃機関の運転状態(例えば、内燃機関の回転数や負荷等)によって異なる。そこで、例えば、事前実験等により内燃機関の種々の運転状態(例えば、内燃機関の回転数や負荷等)における最適なEGR率を予め求め、内燃機関の運転状態と最適なEGR率との対応関係を、例えば、内燃機関を制御する電子制御装置(以降、「ECU」と称する)が備える記憶装置(例えば、ROM、RAM等)に、データ(例えば、データマップ等)として格納しておき、当該データをEGR実行時に参照して、その時点での内燃機関の運転状態に対応する最適なEGR率を目標EGR率として設定して、その時点での実際のEGR率と当該目標EGR率との差分に応じて内燃機関の筒内に流入する排気ガス量を調整することにより、目標EGR率を達成するように制御するのが一般的である。
尚、EGR率は、例えば、内燃機関において、一定の時間周期にてエアーフローメータ出力を基にした新気量とインテークマニホルドに設置される圧力センサの計測値から算出される総吸気量とに基づいて、内燃機関の筒内に流入する排気ガス量(EGR量)を算出し、当該EGR量を上記総吸気量で割ることによって求めることができる。また、EGR量の調整は、例えば、上記のようにして求められるEGR率と目標EGR率との差分に基づくフィードバック制御により、前述のEGR経路に介装されたEGR弁(例えば、可変絞り弁等)の開度を調整することによって行うことができる(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照)。
しかしながら、内燃機関の実際の運転においては、例えば、スロットル弁の開度や内燃機関の回転数等の内燃機関の運転状態等の影響により、吸気経路内の圧力や排気経路内の圧力が変動する。従って、吸気経路内の圧力と排気経路内の圧力との差もまた変動し、必ずしも一定ではない。このように吸気経路内と排気経路内との圧力差の変動すると、内燃機関の筒内に環流する排気ガス(EGRガス)のEGR弁の前後での圧力差も変動する。その結果、EGR弁の開度が等しくてもEGR量が変動し、結果として目標EGR率を達成することが困難となる場合がある。
そこで、従来技術においては、例えば、EGR経路との接合部より下流側の排気経路に介装された排気絞り弁の開度を絞ることによってEGR経路へ環流される排気ガスの圧力を上昇させることにより、吸気経路内と排気経路内との間の圧力差を調整しようとする試みも提案されている(例えば、特許文献3を参照)。
上記のような従来技術においては、上記排気絞り弁の開度を絞ることによって、EGR経路へ環流される排気ガス(EGRガス)の圧力を上昇させる。即ち、かかる従来技術においては、排気経路内の圧力と吸気経路内の圧力との差を大きくする方向にしか調整ができない。しかしながら、内燃機関の実際の運転においては、吸気経路内と排気経路内との間の圧力差が過大となる場合もある。このような場合に上記排気絞り弁の開度を絞ってEGRガスの圧力を上昇させると、排気経路内と吸気経路内との圧力差が益々過大となり、EGR弁の開度が適切に制御されていても、EGRガスのEGR弁の前後での圧力差もまた過大となるため、EGR量が過剰となり、EGR率も過大となる。その結果、前述のように、排気ガスにおける炭化水素(HC)やスモークの増大、燃費の悪化、及び失火(ミスファイヤ)等の不都合を更に悪化させる虞がある。
特に、全閉状態にあるEGR弁を開いてEGRを開始しようとする際には、全閉状態(即ち、開度ゼロ)付近でのEGR弁の開度に対するEGR量の感度が低く、EGRの開始が遅れたり、EGRが突然急峻に開始したりする虞が高い。従って、上記のように吸気経路内と排気経路内との間の圧力差が過大となっている状況において全閉状態にあるEGR弁を開いてEGRを開始しようとすると、EGR量が急激に高まり、排気ガスにおける炭化水素(HC)やスモークの増大、燃費の悪化、及び失火(ミスファイヤ)等の不都合が更に一層悪化する虞がある。
以上のように、当該技術分野においては、内燃機関の吸気経路内の圧力と排気経路内の圧力との差が大きい場合においても、目標EGR率を精度良く達成することを可能とする、内燃機関のEGR制御技術に対する継続的な要求が存在する。
特開昭57−148048号公報 特開平11−30155号公報 実開昭60−183262号公報
前述のように、当該技術分野においては、内燃機関の吸気経路内の圧力と排気経路内の圧力との差が大きい場合でも、目標EGR率を精度良く達成することを可能とする、内燃機関のEGR制御技術に対する継続的な要求が存在する。
本発明は、かかる要求に応えるために為されたものである。より具体的には、本発明は、EGRが行われる内燃機関において、吸気経路内の圧力と排気経路内の圧力との差が大きい場合においても、目標EGR率を精度良く達成することができる、内燃機関のEGR制御装置を提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、
吸気経路内の圧力を検出又は推定する吸気圧検出手段と、
排気経路内の圧力を検出又は推定する排気圧検出手段と、
前記吸気経路と前記排気経路とを連通するEGR経路と、
前記EGR経路に介装されたEGR弁と、
前記EGR弁の開度を制御するEGR弁制御手段と、
前記EGR弁よりも前記EGR経路と前記排気経路との分岐部分に近い側の前記EGR経路に介装された排気遮断弁と、
前記排気遮断弁の開度を制御する排気遮断弁制御手段と、
を備える、内燃機関のEGR制御装置であって、
前記排気遮断弁制御手段が、前記吸気圧検出手段によって検出又は推定される前記吸気経路内の圧力と前記排気圧検出手段によって検出又は推定される前記排気経路内の圧力との差分に基づいて、前記排気遮断弁の開度を制御することを特徴とする、内燃機関のEGR制御装置によって達成される。
上記のように、本発明に係る内燃機関のEGR制御装置においては、内燃機関の吸気経路と排気経路とを連通するEGR経路に介装されたEGR弁よりもEGR経路と排気経路との分岐部分に近い側のEGR経路に排気遮断弁が介装されており、同排気遮断弁の開度が、吸気経路内と排気経路内との圧力差に基づいて調整される。これにより、EGRガスのEGR弁の前後での圧力差が適切な範囲内に維持される。その結果、本発明に係る内燃機関のEGR制御装置においては、全閉状態にあるEGR弁を開いてEGRを開始しようとする際に吸気経路内と排気経路内との圧力差が大きい場合においても、EGRガスのEGR弁の前後での圧力差を適切な範囲内に維持し、目標EGR率を精度良く達成して、排気ガスにおける炭化水素(HC)やスモークの増大、燃費の悪化、及び失火(ミスファイヤ)等の意図せぬ過大なEGR量に起因する不都合を未然に防ぐことができる。
EGR弁の開度制御信号の電圧とEGRガスの流量との関係を模式的に表すグラフである。 本発明の1つの実施態様に係る内燃機関のEGR制御装置の構成を示す概略図である。 本発明の1つの実施態様に係る内燃機関のEGR制御装置において実行される一連の処理を表すフローチャートである。
前述のように、本発明は、EGRが行われる内燃機関において、吸気経路内の圧力と排気経路内の圧力との差が大きい場合においても、目標EGR率を精度良く達成することができる、内燃機関のEGR制御装置を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究の結果、内燃機関の吸気経路内と排気経路内との圧力差を適切に調整することにより、全閉状態にあるEGR弁を開いてEGRを開始しようとする際に同圧力差が大きいことに起因して生ずる各種不都合(例えば、排気ガスにおける炭化水素(HC)やスモークの増大、燃費の悪化、及び失火(ミスファイヤ)等)を未然に防ぐことができることを見出し、本発明を想到するに至ったものである。
即ち、本発明の第1態様は、
吸気経路内の圧力を検出又は推定する吸気圧検出手段と、
排気経路内の圧力を検出又は推定する排気圧検出手段と、
前記吸気経路と前記排気経路とを連通するEGR経路と、
前記EGR経路に介装されたEGR弁と、
前記EGR弁の開度を制御するEGR弁制御手段と、
前記EGR弁よりも前記EGR経路と前記排気経路との分岐部分に近い側の前記EGR経路に介装された排気遮断弁と、
前記排気遮断弁の開度を制御する排気遮断弁制御手段と、
を備える、内燃機関のEGR制御装置であって、
前記排気遮断弁制御手段が、前記吸気圧検出手段によって検出又は推定される前記吸気経路内の圧力と前記排気圧検出手段によって検出又は推定される前記排気経路内の圧力との差分に基づいて、前記排気遮断弁の開度を制御することを特徴とする、内燃機関のEGR制御装置である。
上記吸気圧検出手段は、上記のように、吸気経路内の圧力を検出又は推定する。即ち、上記吸気圧検出手段は、吸気経路内の圧力を直接検出するものであっても、又は何等かの他の事象を検出して、同事象の検出結果から吸気経路内の圧力を推定するものであってもよい。また、上記吸気圧検出手段は、吸気経路内の圧力を検出又は推定することができる限り、特定の方式に限定されるものではなく、当該技術分野において広く使用されている種々のタイプの圧力センサ(例えば、静電容量方式圧力センサ、半導体式圧力センサ等)を含む構成とすることができる。また、上記吸気圧検出手段は、吸気経路内の圧力を検出又は推定し、同圧力を表す測定信号(検出信号)を発生し、同信号を、例えば、ECUに対して送出するように構成されていてもよい。
上記吸気経路は、新気及びEGRガスを内燃機関の燃焼室内に導くための導管等を指し、例えば、吸気ポート、インテークマニホルド等が含まれる。上記吸気圧検出手段は、吸気経路内の圧力を検出又は推定することができる限り、設置箇所を選ぶものではない。従って、上記吸気圧検出手段は、例えば、インテークマニホルドに配設することができる。
上記排気圧検出手段は、上記のように、排気経路内の圧力を検出又は推定する。即ち、上記排気圧検出手段は、排気経路内の圧力を直接検出するものであっても、又は何等かの他の事象を検出して、同事象の検出結果から排気経路内の圧力を推定するものであってもよい。また、上記排気圧検出手段は、排気経路内の圧力を検出又は推定することができる限り、特定の方式に限定されるものではなく、当該技術分野において広く使用されている種々のタイプの圧力センサ(例えば、静電容量方式圧力センサ、半導体式圧力センサ等)を含む構成とすることができる。また、上記排気圧検出手段は、排気経路内の圧力を検出又は推定し、同圧力を表す測定信号(検出信号)を発生し、同信号を、例えば、電子制御装置(ECU)に対して送出するように構成されていてもよい。
上記排気経路は、内燃機関の燃焼室から排出される既燃ガスを(例えば、外界に)導くための導管等を指し、例えば、排気ポート、エキゾーストマニホルド等が含まれる。上記排気圧検出手段は、排気経路内の圧力を検出又は推定することができる限り、設置箇所を選ぶものではない。従って、上記排気圧検出手段は、例えば、エキゾーストマニホルドに配設することができる。
上記EGR経路は、上記のように、前記吸気経路と前記排気経路とを連通する。即ち、上記EGR経路は、前記排気経路の途中から分岐し、前記吸気経路の途中に合流する、EGRガスの経路である。かかるEGR経路により、内燃機関の燃焼室から排出される既燃ガスの一部が排気経路から吸気経路に再循環され、再び燃焼室内に導入される。これにより、前述のように、排気ガス中に含まれる有害物質である窒素酸化物(NOx)の低減や部分負荷運転時の燃費の向上等が達成される。尚、上記EGR経路には、EGRガスを冷却するEGRクーラが介装されていてもよい。
上記EGR弁は、上記のように、前記EGR経路に介装される。より詳しくは、上記EGR弁は、後述するように、前記EGR経路において、前記排気遮断弁に対して相対的に下流側に配置される。上記EGR弁は、EGR経路を通過するEGRガスの流量を制御して、EGR率を調整することができる限り、後述する排気遮断弁より下流側のEGR経路の何れの箇所に配置してもよい。また、上記EGR弁は、EGR経路を通過するEGRガスの流量を制御することができる限り、特定の構成のものに限定されない。また、上記EGR弁は、全開状態と全閉状態との間で連続的に開度を変更してEGRガスの流量を制御するものであってもよく、又は全開状態と全閉状態との間で不連続的(例えば、段階的)に開度を変更してEGRガスの流量を制御するものであってもよい。従って、上記EGR弁は、例えば、可変絞り弁を含む構成とすることもでき、又は作動流体の供給状態に応じて作動するアクチュエータによって駆動される弁体を含む構成とすることもできる。
上記EGR弁制御手段は、上記にように、前記EGR弁の開度を制御する。例えば、上記EGR弁が、ダイヤフラム式の負圧アクチュエータによって駆動される弁体、負圧ポンプ、負圧タンクに連通する負圧タンク、及び負圧タンクと負圧アクチュエータとの連通を開閉する電磁弁を含む構成を有する場合、上記EGR弁制御手段は、同電磁弁に指示信号(制御信号)を送出して同電磁弁の開閉状態を制御するECUによって実現することができる。尚、上記構成を有するEGR弁は、負圧アクチュエータのストロークを検出するポジションセンサ等を更に備えて、ポジションフィードバック制御を行うことにより、全開状態と全閉状態との間の中間的な開度を制御することができるように構成されていてもよい。
上記排気遮断弁は、上記のように、内燃機関の吸気経路と排気経路とを連通するEGR経路に介装されたEGR弁よりもEGR経路と排気経路との分岐部分に近い側のEGR経路に介装される。即ち、上記排気遮断弁は、前記EGR経路において、上述したEGR弁に対して相対的に上流側に配置される。上記排気遮断弁は、EGR経路を通過するEGRガスの流量を制御して、同排気遮断弁の下流側のEGRガスの圧力を調整することができる限り、上述したEGR弁より上流側のEGR経路の何れの箇所に配置してもよい。また、上記排気遮断弁は、EGR経路を通過するEGRガスの流量を制御することができる限り、特定の構成のものに限定されない。また、上記排気遮断弁は、全開状態と全閉状態との間で連続的に開度を変更してEGRガスの流量を制御するものであってもよく、又は全開状態と全閉状態との間で不連続的(例えば、段階的)に開度を変更してEGRガスの流量を制御するものであってもよい。従って、上記排気遮断弁は、例えば、可変絞り弁を含む構成とすることもでき、又は作動流体の供給状態に応じて作動するアクチュエータによって駆動される弁体を含む構成とすることもできる。
上記排気遮断弁制御手段は、上記にように、前記排気遮断弁の開度を制御する。例えば、上記排気遮断弁が、ダイヤフラム式の負圧アクチュエータによって駆動される弁体、負圧ポンプ、負圧タンクに連通する負圧タンク、及び負圧タンクと負圧アクチュエータとの連通を開閉する電磁弁を含む構成を有する場合、上記排気遮断弁制御手段は、同電磁弁に指示信号(制御信号)を送出して同電磁弁の開閉状態を制御するECUによって実現することができる。尚、上記構成を有する排気遮断弁は、負圧アクチュエータのストロークを検出するポジションセンサ等を更に備えて、ポジションフィードバック制御を行うことにより、全開状態と全閉状態との間の中間的な開度を制御することができるように構成されていてもよい。
本実施態様によれば、上記構成要素を備える内燃機関のEGR制御装置において、前記排気遮断弁制御手段が、前記吸気圧検出手段によって検出又は推定される前記吸気経路内の圧力と前記排気圧検出手段によって検出又は推定される前記排気経路内の圧力との差分に基づいて、前記排気遮断弁の開度を制御する。
上記のように内燃機関の吸気経路と排気経路とを連通するEGR経路に介装されたEGR弁よりもEGR経路と排気経路との分岐部分に近い側のEGR経路(即ち、EGR経路においてEGR弁に対して相対的に上流側)に介装された排気遮断弁の開度を制御することにより吸気経路内と排気経路内との圧力差を適切に調整する機構を備えない従来技術においては、前述のように、内燃機関の運転状態等により吸気経路内の圧力と排気経路内の圧力との差分が大きくなっても、同差分を適切に調整することができない。その結果、特に、全閉状態にあるEGR弁を開いてEGRを開始しようとする際のEGR弁の開度の制御入力に対するEGR量の感度が低いことと相まって、EGR量が突然急峻に増大して、排気ガスにおける炭化水素(HC)やスモークの増大、燃費の悪化、及び失火(ミスファイヤ)等の不都合が生ずる虞がある。
ここで、図1を参照しながら、全閉状態にあるEGR弁を開いてEGRを開始しようとする際のEGR弁の開度特性について、詳しく説明する。前述のように、図1は、EGR弁の開度制御信号の電圧とEGRガスの流量との関係を模式的に表すグラフである。図1に示すように、EGR弁の開度制御信号の電圧が低い領域(グラフ中、「低感度領域」として表示)においては、同制御信号の電圧を上昇させても、EGRガスの流量が増大していない。ところが、同制御信号の電圧がV1になった途端、EGRガスの流量が増大し始めている。このように、全閉状態にあるEGR弁を開いてEGRを開始しようとする際のように、EGR弁の開度制御信号の電圧が低い領域においては、同制御信号の電圧の変化が実際のEGR弁の開度に反映され難いことが起こり得る。その後、同制御信号の電圧がある値(図1においては、V1)を超えると、EGRガスの流量が突然増大するようになる。その結果、EGRが実際に開始されるタイミングが遅れたり、逆にEGRガスの流量が急激に増大したりする虞がある。特に、EGR弁の前後でのEGRガスの圧力差が大きい場合は、EGR弁が突然開くことに起因してEGRガスの流量が急激に増大する危険性がより高い。
一方、本実施態様に係る内燃機関のEGR制御装置においては、上記のように内燃機関の吸気経路と排気経路とを連通するEGR経路に介装されたEGR弁よりもEGR経路と排気経路との分岐部分に近い側のEGR経路(即ち、EGR経路においてEGR弁に対して相対的に上流側)に介装された排気遮断弁の開度が吸気経路内と排気経路内との圧力差に基づいて調整される。これにより、EGRガスのEGR弁の前後での圧力差が適切な範囲内に維持される。その結果、本発明に係る内燃機関のEGR制御装置においては、全閉状態にあるEGR弁を開いてEGRを開始しようとする際に吸気経路内と排気経路内との圧力差が大きい場合においても、EGRガスのEGR弁の前後での圧力差を適切な範囲内に維持し、目標EGR率を精度良く達成して、排気ガスにおける炭化水素(HC)やスモークの増大、燃費の悪化、及び失火(ミスファイヤ)等の意図せぬ過大なEGR量に起因する不都合を未然に防ぐことができる。
尚、本実施態様に係る内燃機関のEGR制御装置においては、例えば、目標EGR率とEGR弁の開度との対応関係を事前実験等により予め定めておき、当該対応関係を、例えば、ECUが備える記憶装置(例えば、ROM、RAM等)にデータ(例えば、データマップ等)として格納しておき、当該データをEGR実行時に参照して、その時点での目標EGR率に適したEGR弁の開度を目標EGR弁開度として特定し、当該目標EGR弁開度となるようにEGR弁の開度をEGR弁制御手段によって制御することにより、目標EGR率を達成してもよい。
ところで、本実施態様に係る内燃機関のEGR制御装置において、EGRガスのEGR弁の前後での圧力差が適切な範囲内に維持されているか否かの判定は、例えば、前述の吸気圧検出手段及び排気圧検出手段に加えて、EGR経路内のEGRガスの圧力を検出又は推定するEGR圧検出手段を、排気遮断弁とEGR弁との間、望ましくはEGR弁の上流側近傍に別途配設して、EGR経路内のEGRガスの圧力を検出又は推定し、当該EGRガスの圧力と吸気経路内の圧力との差分を算出して、当該差分が予め定められる所定の閾値未満であるか否かによって行ってもよい。尚、当該閾値は、例えば、前述のような意図せぬEGR量の増大を招くことの無い、最大許容圧力差を事前実験等により予め求めておき、当該最大許容圧力差に基づいて適宜定めることができる。
あるいは、上記のようにEGR圧検出手段によってEGR経路内のEGRガスの圧力を検出又は推定するのではなく、例えば、内燃機関において、一定の時間周期にてエアーフローメータ出力を基にした新気量とインテークマニホルドに設置される圧力センサの計測値から算出される総吸気量とに基づいて、内燃機関の筒内に流入する排気ガス量(EGR量)を算出し、当該EGR量を上記総吸気量で割ることによって求められるEGR率と、目標EGR率との差分に基づくフィードバック制御により、EGR弁の開度を調整することによって、目標EGR率を達成するようにしてもよい。
以上のように、本実施態様によれば、内燃機関の吸気経路内の圧力と排気経路内の圧力との差が大きい場合、排気遮断弁の開度を調整することによりEGR経路へ環流される排気ガスの圧力を低下させることができるので、全閉状態にあるEGR弁を開いてEGRを開始しようとするときでも、目標EGR率を精度良く達成して、上記のような不都合を回避することができる。
ところで、前述のように、EGR実行時には、EGR経路に介装されたEGR弁の開度を制御してEGR量を調整することにより、その時々の内燃機関の運転状態(例えば、内燃機関の回転数や負荷等)によって変動する目標EGR率を達成する。しかしながら、内燃機関の実際の運転においては、内燃機関の運転状態(例えば、スロットル弁の開度や内燃機関の回転数等)等の影響により、吸気経路内の圧力や排気経路内の圧力が変動するため、吸気経路内と排気経路内との圧力差もまた変動し、必ずしも一定ではない。このように吸気経路内と排気経路内との圧力差の変動すると、EGRガスのEGR弁の前後での圧力差も変動する。その結果、EGR弁の開度が等しくても、吸気経路内と排気経路内との圧力差の変動により、EGR量が変動し、目標EGR率を達成することが困難となる。
そこで、本発明に係る内燃機関のEGR制御装置においては、EGR弁に加えて、排気遮断弁が、EGR経路に介装されたEGR弁よりもEGR経路と排気経路との分岐部分に近い側のEGR経路(即ち、EGR経路においてEGR弁に対して相対的に上流側)に介装される。同排気遮断弁の開度は、排気遮断弁制御手段によって、吸気経路内と排気経路内との圧力差に基づいて調整される。これにより、吸気経路内の圧力と排気経路内の圧力との差分が変動しても、EGRガスのEGR弁の前後での圧力差が適切な範囲内に維持され、目標EGR率が精度良く達成される。
この際、排気遮断弁制御手段は、吸気経路内と排気経路内との圧力差が変動してもEGRガスのEGR弁の前後での圧力差が適切な範囲に維持されるように、排気遮断弁の開度を調整する。具体的には、吸気経路内と排気経路内との圧力差が過大である場合は、排気遮断弁の開度を小さくして、排気遮断弁の下流側且つEGR弁の上流側の(排気遮断弁とEGR弁との間の)EGR経路内におけるEGRガスの圧力を下げるように、排気遮断弁制御手段が排気遮断弁の開度を制御することが望ましい。
従って、本発明の第2態様は、
本発明の前記第1態様に係る内燃機関のEGR制御装置であって、
前記排気遮断弁制御手段が、前記吸気圧検出手段によって検出又は推定される前記吸気経路内の圧力と前記排気圧検出手段によって検出又は推定される前記排気経路内の圧力との差分が大きいほど、前記排気遮断弁の開度を小さくすることを特徴とする、内燃機関のEGR制御装置である。
上記のように、本実施態様においては、前記排気遮断弁制御手段が、前記吸気圧検出手段によって検出又は推定される前記吸気経路内の圧力と前記排気圧検出手段によって検出又は推定される前記排気経路内の圧力との差分、即ち、吸気経路内と排気経路内との圧力差が大きいほど、前記排気遮断弁の開度を小さくする。その結果、排気遮断弁の下流側且つEGR弁の上流側の(排気遮断弁とEGR弁との間の)EGR経路内におけるEGRガスの圧力が低下し、EGR弁の下流側の(吸気経路との分岐部分とEGR弁との間の)EGR経路内におけるEGRガスの圧力との差(即ち、EGRガスのEGR弁の前後での圧力差)が小さくなる。これにより、本実施態様においては、吸気経路内の圧力と排気経路内の圧力との差分が過大である場合も、EGRガスのEGR弁の前後での圧力差が適切な範囲内に維持され、目標EGR率が精度良く達成される。
以上のように、本発明の各種実施態様に係る内燃機関のEGR制御装置においては、内燃機関の吸気経路と排気経路とを連通するEGR経路に介装されたEGR弁よりもEGR経路と排気経路との分岐部分に近い側のEGR経路(即ち、EGR経路においてEGR弁に対して相対的に上流側)に介装された排気遮断弁の開度が吸気経路内と排気経路内との圧力差に基づいて調整される。これにより、EGRガスのEGR弁の前後での圧力差が適切な範囲内に維持される。その結果、本発明の各種実施態様に係る内燃機関のEGR制御装置においては、全閉状態にあるEGR弁を開いてEGRを開始しようとする際に吸気経路内と排気経路内との圧力差が大きい場合においても、EGRガスのEGR弁の前後での圧力差を適切な範囲内に維持し、目標EGR率を精度良く達成して、排気ガスにおける炭化水素(HC)やスモークの増大、燃費の悪化、及び失火(ミスファイヤ)等の意図せぬ過大なEGR量に起因する不都合を未然に防ぐことができる。
ところで、前述のように、上記EGR弁は、EGR経路を通過するEGRガスの流量を制御して、EGR率を調整することができる限り、排気遮断弁より下流側のEGR経路の何れの箇所に配置してもよい。しかしながら、EGR弁の配置箇所がEGR経路と吸気経路との分岐部分よりも上流であるほど、EGR弁より下流の(即ち、EGR弁からEGR経路と吸気経路との分岐部分に至る部分の)EGR経路に該当する空間が、吸気経路の無駄な容積となってしまう。従って、EGR経路と吸気経路との分岐部分よりも過度に上流の箇所にEGR弁を介装した場合、例えば、EGR弁を開いてEGRを開始しようとした際に、EGRガスが吸気経路に到達するのに時間を要し、EGRの開始が実質的に遅れる等の問題を生ずる虞がある。かかる理由から、EGR経路と吸気経路との分岐部分近傍のEGR経路にEGR弁を介装することが望ましい場合がある。
また、前述のように、上記排気遮断弁は、EGR経路を通過するEGRガスの流量を制御して、同排気遮断弁の下流側のEGRガスの圧力を調整することができる限り、EGR弁より上流側のEGR経路の何れの箇所に配置してもよい。しかしながら、排気遮断弁の配置箇所がEGR経路と排気経路との分岐部分よりも下流であるほど、排気遮断弁よりも上流の(即ち、EGR経路と排気経路との分岐部分から排気遮断弁に至る部分の)EGR経路に該当する空間が、排気経路の無駄な容積となってしまう。従って、EGR経路と排気経路との分岐部分よりも過度に下流の箇所に排気遮断弁を介装した場合、例えばターボチャージャ等の過給機を備える内燃機関を搭載する車両等においてスロットル弁を開いて加速しようとする際に、たとえ排気遮断弁が完全に閉じていても、上記の無駄な空間の容積に応じて排気圧の上昇が遅れ、過給機の作動も遅れる(加速フィーリングが悪化する)等の問題を生ずる虞がある。かかる理由から、EGR経路と排気経路との分岐部分近傍のEGR経路に排気遮断弁を介装することが望ましい場合がある。
従って、EGR経路と吸気経路との分岐部分近傍のEGR経路にEGR弁を介装し且つEGR経路と排気経路との分岐部分近傍のEGR経路に排気遮断弁を介装することがより望ましい場合がある。
故に、本発明の第3態様は、
本発明の前記第1態様又は前記第2態様の何れかに係る内燃機関のEGR制御装置であって、
前記EGR弁が前記吸気経路との分岐部分近傍の前記EGR経路に介装されていること、及び
前記排気遮断弁が前記排気経路との分岐部分近傍の前記EGR経路に介装されていること、
を特徴とする、内燃機関のEGR制御装置である。
上記のように、本実施態様においては、前記EGR弁が前記吸気経路との分岐部分近傍の前記EGR経路に介装され、且つ前記排気遮断弁が前記排気経路との分岐部分近傍の前記EGR経路に介装されている。その結果、本実施態様においては、前述の各種実施態様に係る内燃機関のEGR制御装置と同様に、吸気経路内の圧力と排気経路内の圧力との差分が過大である場合もEGRガスのEGR弁の前後での圧力差を適切な範囲内に維持して目標EGR率を精度良く達成しつつ、更に、上述のような吸気経路及び排気経路の無駄な空間の容積が小さく抑えられるため、例えば、EGRの開始の実質的な遅れや過給機を備える内燃機関における加速フィーリングの悪化等の問題を低減・防止することができる。
以下、本発明の幾つかの実施態様に係る内燃機関のEGR制御装置につき、添付図面を参照しつつ説明する。但し、以下に述べる説明はあくまで例示を目的とするものであり、本発明の範囲が以下の説明に限定されるものと解釈されるべきではない。
1)本発明に係る内燃機関のEGR制御装置の構成
前述のように、本発明に係る内燃機関のEGR制御装置は、
吸気経路内の圧力を検出又は推定する吸気圧検出手段と、
排気経路内の圧力を検出又は推定する排気圧検出手段と、
前記吸気経路と前記排気経路とを連通するEGR経路と、
前記EGR経路に介装されたEGR弁と、
前記EGR弁の開度を制御するEGR弁制御手段と、
前記EGR弁よりも前記EGR経路と前記排気経路との分岐部分に近い側の前記EGR経路に介装された排気遮断弁と、
前記排気遮断弁の開度を制御する排気遮断弁制御手段と、
を備える、内燃機関のEGR制御装置であって、
前記排気遮断弁制御手段が、前記吸気圧検出手段によって検出又は推定される前記吸気経路内の圧力と前記排気圧検出手段によって検出又は推定される前記排気経路内の圧力との差分に基づいて、前記排気遮断弁の開度を制御することを特徴とする。
ここで、図2を参照しながら、本発明に係る内燃機関のEGR制御装置の構成について詳しく説明する。前述のように、図2は、本発明の1つの実施態様に係る内燃機関のEGR制御装置の構成を示す概略図である。
図2に示す実施態様においては、内燃機関10は、直列4気筒エンジン31として構成されているが、本発明が適用される内燃機関は特定のタイプのものに限定されるものではなく、本発明に係る内燃機関のEGR制御装置は、内燃機関として使用されている種々のタイプの内燃機関に適用することができる。
内燃機関10は、新気(及びEGRガス)を燃焼室内に導入する吸気経路20と、燃焼室から排出される既燃ガスを排気ガス浄化触媒等を介して外界に導く排気経路30を備える。吸気経路20及び排気経路30は、それぞれインテークマニホルド21及びエキゾーストマニホルド31を含んでなり、これらのマニホルドを介して内燃機関10の燃焼室とそれぞれ連通している。また、本実施態様においては、吸気経路20内の圧力を検出又は推定する吸気圧検出手段(図示せず)及び排気経路30内の圧力を検出又は推定する排気圧検出手段(図示せず)として、それぞれインテークマニホルド21及びエキゾーストマニホルド31に圧力センサが配設されている。これらの吸気圧検出手段及び排気圧検出手段は、排気遮断弁42の開度を制御する排気遮断弁制御手段及びEGR弁43の開度を制御するEGR弁制御手段として機能するECU(図示せず)と接続され、それぞれ吸気経路20内及び排気経路30内の圧力に対応する測定信号(検出信号)を発生し、同信号をECUに対して送出するように構成されている。更に、吸気経路20には、内燃機関10の燃焼室内への吸気の流入量を調整するスロットル弁22が配設されている。
一方、EGR経路40は、排気経路30と吸気経路20とを連通する。本実施態様においては、EGR経路40には、EGR経路40内を流れるEGRガスを冷却するEGRクーラ41が介装されている。また、吸気経路20との分岐部分近傍のEGR経路40にはEGR弁43が介装され、排気経路30との分岐部分近傍のEGR経路40には排気遮断弁42が介装されている。但し、EGR経路40における排気遮断弁42及びEGR弁43のかかる介装箇所は本発明の必須の要件ではなく、前述のように、EGR経路40において排気遮断弁42がEGR弁43に対して相対的に上流に配設されていればよい。更に、本実施態様においては、排気遮断弁42及びEGR弁43は、排気遮断弁42の開度を制御する排気遮断弁制御手段及びEGR弁43の開度を制御するEGR弁制御手段として機能するECU(図示せず)と接続され、同ECUから送出される指示信号(制御信号)に従って、それぞれの開度が調整されるように構成されている。
即ち、本実施態様においては、内燃機関10の運転状態に応じて設定される目標EGR率と実際のEGR率との差分に基づくフィードバック制御により、EGR弁制御手段として機能するECUがEGR弁43の開度を調整して、目標EGR率を達成する際に、排気圧検出手段によって検出又は推定される吸気経路20内の圧力と排気圧検出手段によって検出又は推定される排気経路30内の圧力との差分に基づいて、排気遮断弁制御手段として機能するECUが排気遮断弁42の開度を調整して、EGR弁43の前後でのEGRガスの圧力差を適切な範囲内に維持する。
その結果、全閉状態にあるEGR弁43を開いてEGRを開始しようとする際に吸気経路20内と排気経路30内との圧力差が大きい場合においても、EGR弁43の前後でのEGRガスの圧力差を適切な範囲内に維持し、目標EGR率を精度良く達成することができる。結果として、前述のような、排気ガスにおける炭化水素(HC)やスモークの増大、燃費の悪化、及び失火(ミスファイヤ)等の意図せぬ過大なEGR量に起因する不都合を未然に防ぐことができる。
2)本発明に係る内燃機関のEGR制御装置によるEGR制御
前述のように、本発明に係る内燃機関のEGR制御装置においては、内燃機関の吸気経路と排気経路とを連通するEGR経路に介装されたEGR弁よりもEGR経路と排気経路との分岐部分に近い側のEGR経路(即ち、EGR経路においてEGR弁に対して相対的に上流側)に介装された排気遮断弁の開度が吸気経路内と排気経路内との圧力差に基づいて調整される。これにより、EGRガスのEGR弁の前後での圧力差が適切な範囲内に維持される。その結果、全閉状態にあるEGR弁を開いてEGRを開始しようとする際に吸気経路内と排気経路内との圧力差が大きい場合においても、EGRガスのEGR弁の前後での圧力差を適切な範囲内に維持し、目標EGR率を精度良く達成して、排気ガスにおける炭化水素(HC)やスモークの増大、燃費の悪化、及び失火(ミスファイヤ)等の意図せぬ過大なEGR量に起因する不都合を未然に防ぐことができる。
かかる一連の処理につき、ここで、図3を参照しながら説明する。図3は、前述のように、本発明の1つの実施態様に係る内燃機関のEGR制御装置において実行される一連の処理を表すフローチャートである。同フローチャートに示される一連の処理は、例えば、所定のクランク角毎の割り込み処理として、一定の時間周期にて、ECU(図示せず)に実行させることができる。
本実施態様に係る内燃機関のEGR制御装置において実行される一連の処理においては、図3に示すように、先ず、ステップS301において、内燃機関10の運転状態(例えば、内燃機関の回転数や負荷等)に応じた目標EGR率(egr_trg)を設定する。この目標EBR率(egr_trg)は、前述のように、例えば、内燃機関の種々の回転数(ne)や負荷(trq)における最適なEGR率を事前実験によって予め求め、内燃機関の回転数(ne)及び負荷(trq)と最適なEGR率との対応関係をECUが備える記憶装置(例えば、ROM、RAM等)にデータマップ(map(ne,trq))として格納しておき、当該データマップ(map(ne,trq))をEGR実行時に参照して、その時点での内燃機関の回転数(ne)及び負荷(trq)に対応する最適なEGR率を目標EGR率(egr_trg)として設定することができる。
次に、ステップS302において、排気圧検出手段によって検出又は推定される排気経路内の圧力(P_ex)及び吸気圧検出手段によって検出又は推定される吸気経路内の圧力(P_in)に対応する測定信号(検出信号)が、例えば、それぞれエキゾーストマニホルド及びインテークマニホルドに配設された圧力センサからECUに送出される。
次に、ステップS303において、排気経路内の圧力(P_ex)と吸気経路内の圧力(P_in)との差分(dP_egr)が求められる。具体的には、排気経路内の圧力(P_ex)と吸気経路内の圧力(P_in)との差分(dP_egr)は、以下の式(1)によって算出することができる。
Figure 2012229622
尚、前述のようにEGR経路内を流れるEGRガスを冷却するEGRクーラがEGR経路に介装されている実施態様においては、EGRクーラにおける圧損(dP_egrc)を考慮して、排気経路内の圧力(P_ex)と吸気経路内の圧力(P_in)との差分(dP_egr)を、以下の式(2)によって算出してもよい。
Figure 2012229622
次に、ステップS304において、上記ステップS301において設定された目標EGR率(egr_trg)と上記ステップS303において算出された圧力差(dP_egr)に基づいて、排気遮断弁の開度(目標排気遮断弁開度)が決定される。この際、上記圧力差(dP_egr)が一定である場合、上記目標EGR率(egr_trg)が大きいほど排気遮断弁の開度を大きくしてEGR量を増大させ、上記目標EGR率(egr_trg)が小さいほど排気遮断弁の開度を小さくしてEGR量を減少させればよい。しかしながら、前述のように、上記圧力差(dP_egr)は一定ではなく、たとえ排気遮断弁の開度が一定であっても、上記圧力差(dP_egr)が大きくなるほどEGR量が増大し(EGR率が低下し)、逆に上記圧力差(dP_egr)が小さくなるほどEGR量が減少する(EGR率が上昇する)。
上記のように、適切な排気遮断弁の開度(目標排気遮断弁開度)を決定する際には、目標EGR率(egr_trg)の大きさのみならず、排気経路内の圧力(P_ex)と吸気経路内の圧力(P_in)との差分(dP_egr)をも考慮し、これらの組み合わせに応じて、排気遮断弁の開度(目標排気遮断弁開度)を決定する必要がある。
本実施態様においては、目標EGR率(egr_trg)として、「ゼロ(0)」、「低」、「中」、及び「高」の4段階を想定し、排気経路内の圧力(P_ex)と吸気経路内の圧力(P_in)との差分(dP_egr)として、「小」、「中」、及び「大」の3段階を想定した。また、本実施態様において使用される排気遮断弁は、その開度を「全閉」、「中間」、及び「全開」の3段階に不連続的に変更することができるものを採用した。かかる本実施態様における、目標EGR率(egr_trg)と圧力差(dP_egr)との組み合わせと排気遮断弁の開度(目標排気遮断弁開度)との対応関係を以下の表1に示す。
Figure 2012229622
表1に示すように、排気遮断弁の開度(目標排気遮断弁開度)をより小さい開度に切り替える(例えば、「全開」から「中間」へ切り替える)際の目標EGR率(egr_trg)における閾値は、排気経路内の圧力(P_ex)と吸気経路内の圧力(P_in)との差分(dP_egr)が大きいほど、より高くなる。
次に、ステップS305において、排気遮断弁制御手段として機能するECUから送出される指示信号(制御信号)により排気遮断弁の開度を制御して、上記ステップS304において決定された排気遮断弁の開度(目標排気遮断弁開度)を達成する。更に、本実施態様においては、前述のように、エアーフローメータの出力から導かれる新気量と吸気圧検出手段の計測値から算出される総吸気量とに基づいて、内燃機関の燃焼室内に流入する排気ガス量(EGR量)を算出し、当該EGR量を上記総吸気量で割ることによって求められるEGR率と、目標EGR率との差分に基づくフィードバック制御により、EGR弁の開度を調整することによって、上記ステップS301において設定された目標EGR率(egr_trg)を達成するようにした。
尚、本実施態様においては、目標EGR率とEGR弁の開度との対応関係を、排気遮断弁の開度毎に、それぞれ事前実験によって予め求め、これらの対応関係をECUが備える記憶装置にデータマップとして格納しておき、当該データマップをEGR実行時に参照して、上記ステップS301において設定された目標EGR率(egr_trg)と上記ステップS304において決定された排気遮断弁の目標排気遮断弁開度に適したEGR弁の開度を目標EGR弁開度として特定し、当該目標EGR弁開度となるようにEGR弁の開度をEGR弁制御手段によって制御した。
以上のように、本実施態様においては、EGR弁制御手段として機能するECUがEGR弁の開度を調整して、内燃機関の運転状態に応じて定められる目標EGR率を達成する際に、排気圧検出手段によって検出又は推定される吸気経路内の圧力と排気圧検出手段によって検出又は推定される排気経路内の圧力との差分に基づいて、排気遮断弁制御手段として機能するECUが排気遮断弁の開度を調整して、EGR弁の前後でのEGRガスの圧力差が適切な範囲内に維持される。その結果、前述のような、排気ガスにおける炭化水素(HC)やスモークの増大、燃費の悪化、及び失火(ミスファイヤ)等の意図せぬ過大なEGR量に起因する不都合を未然に防ぎつつ、目標EGR率を精度良く達成することができる。
以上、本発明を説明することを目的として、特定の構成及び実行手順の組み合わせを有する幾つかの実施例について説明してきたが、本発明の範囲は、これらの例示的な実施態様に限定されるものではなく、特許請求の範囲及び明細書に記載された事項の範囲内で、適宜修正を加えることができることは言うまでもない。
10…内燃機関、20…吸気経路。21…インテークマニホルド、22…スロットル弁、30…排気経路、31エキゾーストマニホルド、40…EGR経路、41…EGRクーラ、42…排気遮断弁、及び43…EGR弁。

Claims (3)

  1. 吸気経路内の圧力を検出又は推定する吸気圧検出手段と、
    排気経路内の圧力を検出又は推定する排気圧検出手段と、
    前記吸気経路と前記排気経路とを連通するEGR経路と、
    前記EGR経路に介装されたEGR弁と、
    前記EGR弁の開度を制御するEGR弁制御手段と、
    前記EGR弁よりも前記EGR経路と前記排気経路との分岐部分に近い側の前記EGR経路に介装された排気遮断弁と、
    前記排気遮断弁の開度を制御する排気遮断弁制御手段と、
    を備える、内燃機関のEGR制御装置であって、
    前記排気遮断弁制御手段が、前記吸気圧検出手段によって検出又は推定される前記吸気経路内の圧力と前記排気圧検出手段によって検出又は推定される前記排気経路内の圧力との差分に基づいて、前記排気遮断弁の開度を制御することを特徴とする、内燃機関のEGR制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関のEGR制御装置であって、
    前記排気遮断弁制御手段が、前記吸気圧検出手段によって検出又は推定される前記吸気経路内の圧力と前記排気圧検出手段によって検出又は推定される前記排気経路内の圧力との差分が大きいほど、前記排気遮断弁の開度を小さくすることを特徴とする、内燃機関のEGR制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2の何れか1項に記載の内燃機関のEGR制御装置であって、
    前記EGR弁が前記吸気経路との分岐部分近傍の前記EGR経路に介装されていること、及び
    前記排気遮断弁が前記排気経路との分岐部分近傍の前記EGR経路に介装されていること、
    を特徴とする、内燃機関のEGR制御装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104653352A (zh) * 2014-12-29 2015-05-27 潍柴动力股份有限公司 一种废气再循环***及方法

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