JP2012220858A - 光ファイバケーブル - Google Patents
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Abstract
【課題】ケーブル中間部において、専用工具を用いることなく、光ファイバ心線を取り出すことができる光ファイバケーブルを提供する。
【解決手段】光ファイバケーブル1は、複数本の光ファイバ心線2と、複数本の光ファイバ心線2の両側に配置された2本のテンションメンバ3と、複数本の光ファイバ心線2及び2本のテンションメンバ3を挟んで長手方向に配置された2つの介在テープ5とを備え、2つの介在テープ5の周囲をケーブル外被4で一括被覆してなる。
【選択図】図1
【解決手段】光ファイバケーブル1は、複数本の光ファイバ心線2と、複数本の光ファイバ心線2の両側に配置された2本のテンションメンバ3と、複数本の光ファイバ心線2及び2本のテンションメンバ3を挟んで長手方向に配置された2つの介在テープ5とを備え、2つの介在テープ5の周囲をケーブル外被4で一括被覆してなる。
【選択図】図1
Description
本発明は、複数本の光ファイバ心線をケーブル外被で被覆する光ファイバケーブルに関する。
インターネット等の急速な普及により情報通信の高速化、情報量の増大に加え、最近では双方向通信と大容量通信の光ネットワークの構築が進展し、通信事業者と各家庭を直接光ファイバで結び高速通信サービスを提供するFTTH(Fiber To The Home)サービスが開始されている。加入者宅への光ファイバの引き込みや構内ネットワークなどの拡大で、複数の家庭や複数端末に分配する配線工事の需要が増大している。
図6は、例えば特許文献1に開示されている従来の配線用光ファイバケーブル及び専用分割工具について示す図である。図6(A)は光ファイバケーブルを示し、図6(B)は専用分割工具を示し、図6(C)は専用分割工具によって光ファイバケーブルが分割された状態を示す。図中、100は光ファイバケーブル、101はケーブル外被、102はテンションメンバ、103は光ファイバ心線、104は介在物、105は切り裂きノッチ、106は支持線、107は支持線被覆、108は首部を示す。
光ファイバケーブル100は、自己支持型の光ファイバケーブルであり、ケーブル外被101の略中央部に複数本の光ファイバ心線103が撚らずに並べて配置され、この光ファイバ心線103を挟むように、プラスチック製の平板である介在物104が配置される。そして、光ファイバ心線103の両側にはテンションメンバ(抗張力体ともいう)102が一体に埋設され、また、光ファイバ心線103を取り出すためのV字状の切り裂きノッチ105が形成されている。
また、この光ファイバケーブル100は、支持線106を備え、この支持線106は、例えば、1.2mmφの鋼線からなり、支持線106を被覆する支持線被覆107は、首部108を介して低密度ポリエチレンなどのケーブル外被101と一体的に成形されている。なお、光ファイバケーブル100は、この支持線部分の有無に係らず、屋内用又はドロップ用の光ファイバケーブルとして使用される。
図6(B)に示すように、専用分割工具110は、ベース部材111に刃112が形成され、光ファイバケーブル100をベース部材111の凹部にセットして挟み込んだときに、刃112が切り裂きノッチ105に合うように配置されている。従来、この専用分割工具110を用いて、布設された光ファイバケーブル100の中間部での光ファイバ心線103の取り出しを行っていた。具体的には、光ファイバケーブル100の切り裂きノッチ105に専用分割工具110の刃112を挿入することで、図6(C)に示すように分割され、光ファイバ心線103を取り出すことができる。
上記において、専用分割工具110の刃112を挿入する際には、光ファイバ心線103と並行に配列されている介在物104により光ファイバ心線103が保護されるため、刃112で光ファイバ心線103を傷つけずに取り出すことができる。
図6に示した特許文献1の光ファイバケーブル100では、ケーブル外被101から光ファイバ心線103を取り出すために、切り裂きノッチ105及び介在物104の位置に合わせて設計された専用分割工具110を必要とする。すなわち、この専用分割工具110は、光ファイバケーブルの仕様に合わせて設計されるため、汎用性がなく、光ファイバケーブルのコストを上げる要因になっていた。
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたもので、ケーブル中間部において、専用工具を用いることなく、光ファイバ心線を取り出すことができる光ファイバケーブルを提供することを目的とする。
本発明による光ファイバケーブルは、複数本の光ファイバ心線と、複数本の光ファイバ心線の両側に配置された2本のテンションメンバと、複数本の光ファイバ心線及び2本のテンションメンバを挟んで長手方向に配置された2つの介在テープとを備え、2つの介在テープの周囲をケーブル外被で一括被覆してなる。また、複数本の光ファイバ心線を集合したときの厚みは、2本のテンションメンバの外径以下であることが好ましい。また、介在テープは、光ファイバケーブルの内側に向かって湾曲していることが好ましい。また、ケーブル外被は、2つの介在テープの両端近傍に切り裂きノッチが形成されていることが好ましい。
本発明によれば、複数本の光ファイバ心線と2本のテンションメンバとを介在テープで挟む構造としたため、ケーブル中間部において、専用工具を用いることなく、光ファイバ心線を傷付けずに容易に取り出すことができる。
図1は、本発明による光ファイバケーブルの一例を示す図である。図1(A)は介在テープを直線状に配置した例を示し、図1(B)は介在テープを湾曲させた状態の例を示す。図中、1は光ファイバケーブル、2は光ファイバ心線、3はテンションメンバ、4はケーブル外被、5,5′は介在テープを示す。
図1(A)において、光ファイバケーブル1は、複数本の光ファイバ心線2及び2本のテンションメンバ3を挟んで長手方向に配置された2つの介在テープ5を備え、2つの介在テープ5の周囲をケーブル外被4で一括被覆してなる。すなわち、複数本の光ファイバ心線2は、2本のテンションメンバ3と介在テープ5とで囲まれる空間に収容される。この空間内に複数本の光ファイバ心線2が収容されることで、複数本の光ファイバ心線2とケーブル外被4とが直接接することがないため、複数本の光ファイバ心線2の取り出し性を向上させることができる。
なお、上記の空間には、ケーブル外被4の樹脂が充填されないため、例えば、光ファイバ心線2を4本一列に配置した場合などでは、光ファイバ心線2が空間内で動いてしまうことが考えられる。このような場合には、テンションメンバ3の外径を小さくしたり(つまり、空間を小さくする)、あるいは、空間内にゼリー状の物質を充填しておくなどの方法により光ファイバ心線2がなるべく動かないようにすることが望ましい。
また、図1(B)において、2つの介在テープ5′は、光ファイバケーブル1の内側に向かって湾曲している。この例では、ケーブル成型時のケーブル外被4の圧力により、2つの介在テープ5′を内側に湾曲させている。このように2つの介在テープ5′を湾曲させ、光ファイバ心線2に接触させることで、光ファイバ心線2が空間内で固定され、光ファイバケーブル1の内部で光ファイバ心線2が動くことを防止することができる。なお、介在テープ5′をより曲げ易くするために、介在テープ5′の材質を曲げ易い、すなわち、弾性率の小さいものにする、あるいは、介在テープ5′の厚みを薄くするなどの方法が考えられる。
以下の説明では、光ファイバケーブル1として、支持線部を備えない構成について示すが、前述の図6(A)に示したように、支持線部を備えた自己支持型の構成としてもよいことは言うまでもない。
ケーブル外被4は、オレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレンなど)等の熱可塑性樹脂で形成され、複数本の光ファイバ心線2を撚らずに収容する。また、光ファイバ心線2としては、標準外径が125μmのガラスファイバを被覆外径が250μm前後で被覆した光ファイバ素線と称されているもの、また、その外側にさらに被覆あるいは着色被覆を施したものであってもよく、複数本の光ファイバ心線が列状に並べられ、その収容数は任意である。
テンションメンバ3は、抗張力体とも呼ばれ、引張り及び圧縮に対する耐力を有する線材が用いられる。この線材としては、例えば、外径0.5mm〜1.0mmの鋼線や、FRP(Fiber Reinforced Plastics)などが用いられる。なお、テンションメンバ3の外径は、複数本の光ファイバ心線2を配列させたときの厚みに合わせて、適切に決定される。介在テープ5は、例えば、厚さ0.05〜0.10mm程度のナイロン、ポリエステル(PET)、ポリプロピレン(PP)などのプラスチック製のテープ状部材である。
このように構成した光ファイバケーブル1は、ケーブル中間部において、カッター等の一般的な工具を用いてケーブル外被4を削りとることで、介在テープ5(5′)を露出させ、さらに、介在テープ5(5′)を除去することで、内部の光ファイバ心線2を容易に取り出すことができる。また、この光ファイバケーブル1は、光ファイバ心線2を取り出す際に専用工具を用いる必要がなく、切り裂きノッチを不要とすることができる。
上記において、カッター等の工具の刃の幅は、後述の図2に示すように、2本のテンションメンバ3の間隔よりも広くすることが望ましい。また、複数本の光ファイバ心線2を集合したときの厚みtは、2本のテンションメンバ3の外径以下であることが望ましく、より望ましくは、2本のテンションメンバ3の外径より小さくする。工具の刃をケーブル外被4に挿し込んでいくと、2本のテンションメンバ3を挟んだ介在テープ5(5′)に突き当たる。つまり、テンションメンバ3の外径より厚みが小さい光ファイバ心線2はテンションメンバ3で保護される。従って、工具の刃が光ファイバ心線2に到達することがないため、工具の刃による光ファイバ心線2の損傷を防止することができる。
図2、図3は、本発明の光ファイバケーブル1から光ファイバ心線2を取り出すときの手順の一例を説明するための図である。図2は本発明の光ファイバケーブル1を断面方向から見たときの図である。図3は本発明の光ファイバケーブル1を側面方向から見たときの図である。
また、図2(A)は図1(A)の光ファイバケーブルの例を示し、図2(B)は図1(B)の光ファイバケーブルの例を示す。図中、6はカッター等の一般的な工具を示す。図2(A)、図2(B)のいずれのケースでも同様の手順となるため、本例では、図2(A)のケースに基づいて説明する。図2(A)において、まず、作業者は、光ファイバケーブル1のケーブル外被4の上側部分に対して、図3(A)に示すように、工具6の刃を介在テープ5に当たるまで挿し込み、図3(B)に示すように、介在テープ5に沿って、工具6の刃を所定距離だけ移動させ、上側のケーブル外被4を部分的に削り取る(S1)。
次に、作業者は、光ファイバケーブル1のケーブル外被4の下側部分に対して、上記と同様に、工具6の刃を介在テープ5に当たるまで挿し込み、図3(C)に示すように、介在テープ5に沿って、工具6の刃を所定距離だけ移動させ、下側のケーブル外被4を部分的に削り取る(S2)。このようにして、ケーブル外被4の上側部分及び下側部分を削り取って、介在テープ5を部分的に露出させる(S3)。そして、作業者は、この露出した介在テープ5を除去することで、内部の光ファイバ心線2を取り出すことができる(S4)。
上記において、工具6の刃で削り取るケーブル外被4の長さは2〜3cm程度とし、その後、介在テープ5を掴み、上側から長手方向に引っ張ることで、上部のケーブル外被4を裂くことができる。なお、下部のケーブル外被4も同様にして裂くことができる。これにより、長手方向に例えば40cm程度の光ファイバ心線2を容易に取り出すことができる。また、光ファイバケーブル1の断面形状が楕円形状になっているため、ケーブル外被4の両端部分が中央部分に比べて薄く、これによりケーブル外被4の引き裂き性が向上する。
また、光ファイバケーブル1の両側に切り裂きノッチを設けることで、さらにケーブル外被4の引き裂き性を向上させることができる。また、光ファイバケーブル1のケーブル外被4を所定幅に渡って裂くことにより、光ファイバ心線2に大きな外力が加わることがなく、光ファイバ心線2を損傷させずに、ケーブル外被4を除去することができる。
図4は、本発明による光ファイバケーブルの他の例を示す図である。図4(A)は介在テープを直線状に配置した例を示し、図4(B)は介在テープを湾曲させた状態の例を示す。図中、7は切り裂きノッチを示す。この光ファイバケーブル1のケーブル外被4には、2つの介在テープ5の両端近傍に切り裂きノッチ7が形成されている。本例では、ケーブル外被4の4ヶ所にV字状の切り裂きノッチ7が形成されている。
図5は、図4の光ファイバケーブル1から光ファイバ心線2を取り出すときの手順の一例を説明するための図で、図4の光ファイバケーブル1を側面方向から見たときの図である。まず、作業者は、光ファイバケーブル1のケーブル外被4の上側部分に対して、図5(A)に示すように、工具6の刃を介在テープ5に当たるまで挿し込み、図5(B)に示すように、介在テープ5に沿って、工具6の刃を所定距離だけ移動させ、上側のケーブル外被4を必要長だけ削り取る。
その後、作業者は、図5(C)に示すように、切り裂きノッチ7に沿って手でケーブル外被4を引き裂いて、上側のケーブル外被4を部分的に削り取る。作業者は、光ファイバケーブル1のケーブル外被4の下側部分に対しても同様の作業を行う。このようにして、ケーブル外被4の上側部分及び下側部分を削り取って、介在テープ5を部分的に露出させる。そして、作業者は、この露出した介在テープ5を除去することで、内部の光ファイバ心線2を取り出すことができる。
本例の場合、ケーブル外被4に切り裂きノッチ7が形成されているため、、カッター等の一般的な工具を用いてケーブル外被4を必要長のみ削り取った後に、工具を用いずに切り裂きノッチ7に沿って手でケーブル外被4を引き裂くことができる。このため、より簡単にケーブル外被4を除去して、内部の光ファイバ心線2を取り出すことができる。
このように、本発明によれば、複数本の光ファイバ心線と2本のテンションメンバとを介在テープで挟む構造としたため、ケーブル中間部において、専用工具を用いることなく、光ファイバ心線を傷付けずに容易に取り出すことができる。
1,100…光ファイバケーブル、2,103…光ファイバ心線、3,102…テンションメンバ、4,101…ケーブル外被、5,5′…介在テープ、6…工具、7…切り裂きノッチ、104…介在物、105…切り裂きノッチ、106…支持線、107…支持線被覆、108…首部、110…専用分割工具、111…ベース部材、112…刃。
Claims (4)
- 複数本の光ファイバ心線と、該複数本の光ファイバ心線の両側に配置された2本のテンションメンバと、前記複数本の光ファイバ心線及び前記2本のテンションメンバを挟んで長手方向に配置された2つの介在テープとを備え、該2つの介在テープの周囲をケーブル外被で一括被覆したことを特徴とする光ファイバケーブル。
- 前記複数本の光ファイバ心線を集合したときの厚みは、前記2本のテンションメンバの外径以下であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバケーブル。
- 前記介在テープは、前記光ファイバケーブルの内側に向かって湾曲していることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ファイバケーブル。
- 前記ケーブル外被は、前記2つの介在テープの両端近傍に切り裂きノッチが形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光ファイバケーブル。
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