JP2012218610A - 車両用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】ウォークイン操作とフォールドダウン操作との2つの操作形態を有するように機構が設けられた車両用シートにおいて、ウォークイン操作がされた後にフォールドダウン操作がされても、このフォールドダウン操作の入力を空振り状態にして2つの操作形態の機構の作動を良好に保つ。
【解決手段】連動プレート71は、入力リンク61に対して連動可能な連動位置と、入力リンク61に対しての連動をキャンセルする連動キャンセル位置との、二つの位置に切り替えることができる。この連動プレート71にはキャンセルガイド孔742が設けられている。これにより、メモリリクライニング装置を操作してシートバック15の中間前倒し位置までシートバック15を前側に倒し込んでいる場合には、通常リクライニング装置31を操作しようとしてもリクライニング操作レバーから通常リクライニング装置への操作入力の伝達を空振りさせる。
【選択図】図9

Description

本発明は、車両用シートに関する。詳しくは、シートバックを前傾位置(中間前倒し位置)まで倒し込んで係止させる途中止め操作と、この前傾位置を越えた大倒し位置まで倒し込む大倒し操作との2つの操作形態を有するように機構が設けられた車両用シートに関する。
従来、車両用シートには、シートバックを前傾位置まで倒し込んで係止させるウォークイン機能と、この前傾位置を越えた大倒し位置まで倒し込むフォールドダウン機能とを備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。ウォークイン機能では、シートバックが前傾する前の背凭れ角度を記憶してシートバックを前傾位置に倒し込むことができる。また、ウォークイン機能により前傾させたシートバックを起こす場合には、シートバックを前傾する前に記憶した背凭れ角度に戻すことができる。これに対して、上記したフォールドダウン機能では、ユーザの好みに応じてシートバックの傾斜角度を調整できる。これによってウォークイン機能では、ユーザの好みに応じて調整したシートバックの傾斜角度に復帰させることができつつ乗降する際のスペースを広げることができて、シートバック倒し込みに有利に倒し込める。なお、フォールドダウン機能では、前傾位置からさらに倒し込む大倒し位置までシートバックを倒すことができ、車室内空間のスペースをさらに広げることができる。このように大倒し位置までシートバックを倒し込んだ場合には、シートバックを起こす場合にシートバックをユーザの好みに応じて調整した傾斜角度に復帰させることはできない。
上記したウォークイン機能およびフォールドダウン機能は、シートクッションにシートバックを連結する連結機構にてなされている。このような連結機構は、車両用シートの車両内側および車両外側となる内外両側に配設されている。この内外両側それぞれに配設される連結機構の一方は、通常のリクライニング装置に対して背凭れ角度を記憶して前傾位置に倒し込む構成が付加されている。これに対して、内外両側それぞれに配設される連結機構の他方は、通常のリクライニング装置自体のみで構成されている。このため、通常のリクライニング装置に対して背凭れ角度を記憶して前傾位置に倒し込む構成を付加したものでは、他方の通常のリクライニング装置については固定解除可能に構成されたものとしなくてはならない。
なお、上記した途中止め操作をウォークイン操作といい、例えばシートバックの肩口に設けられたウォークイン操作レバーにより操作するものとなっている。これに対して、上記した大倒し操作をフォールドダウン操作といい、例えばシートクッションの幅方向側部に設けられたフォールドダウンレバーにより操作するものとなっている。つまり、これらウォークイン操作とフォールドダウン操作との各操作は、個別分離されて配設される操作レバーにて行われる。
特許第4164045号
ところでウォークイン操作では、一方のリクライニング装置の装置全体の係合状態を解除するとともに、他方のリクライニング装置の装置内部の係合状態を解除するように作動する。このため、ウォークイン操作した後にフォールドダウン操作すると、他方のリクライニング装置の装置内部の係合状態は解除されたままとなっているため、作動不良を起こす場合がある。そこで、このような作動不良を回避するために、ウォークイン操作した後にフォールドダウン操作することができないように、このフォールドダウン操作の動きを規制するように動き止め構造となるストッパの配設が考えられている。
しかしながら、単にストッパを設けてフォールドダウン操作の動きを規制したのでは、力任せに高負荷をかけて操作しようとするユーザにより、ストッパを破壊してしまうことも考えられる。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであって、本発明が解決しようとする課題は、シートバックを前傾位置(中間前倒し位置)まで倒し込んで係止させる途中止め操作と、この前傾位置を越えた大倒し位置まで倒し込む大倒し操作との2つの操作形態を有するように機構が設けられた車両用シートにおいて、この途中止め操作(ウォークイン操作)がされた後に大倒し操作(フォールドダウン操作)がされても、この大倒し操作の入力を空振り状態にして2つの操作形態の機構の作動を良好に保つことにある。
上記した課題を解決するにあたって本発明に係る車両用シートは次の手段を採用する。
すなわち、本発明の第1の発明に係る車両用シートは、乗員の座となるシートクッションと着座乗員の背凭れとなるシートバックとを具備する車両用シートであって、前記シートバックの傾斜角度を調整してユーザ調整角度に設定することができ且つ前記シートクッションと重畳するような大倒し位置まで該シートバックを前側に倒し込むことができる通常リクライニング装置と、前記通常リクライニング装置により設定された前記ユーザ調整角度から前記シートバックの前記大倒し位置までの途中位置となる中間前倒し位置まで該シートバックを前側に倒し込むことができ且つ前記シートバックを前記中間前倒し位置から立て起こす場合に該シートバックを前記通常リクライニング装置により設定された前記ユーザ調整角度の位置に復帰させるメモリリクライニング装置と、を備え、前記メモリリクライニング装置により前記シートバックを前記中間前倒し位置に倒し込んでいる状態では、前記通常リクライニング装置を操作する操作レバーからの操作入力をキャンセルするように、該操作レバーから該通常リクライニング装置への操作入力の伝達を空振りさせるキャンセル部が設けられていることを特徴とする。
この第1の発明に係る車両用シートによれば、メモリリクライニング装置を操作してシートバックの中間前倒し位置までシートバックを前側に倒し込んでいる場合には、具備されるキャンセル部により、通常リクライニング装置を操作しようとしても操作レバーから通常リクライニング装置への操作入力の伝達を空振りさせて、通常リクライニング装置の操作入力をキャンセルすることができる。これによって、メモリリクライニング装置の操作した後の通常リクライニング装置の操作をできないものにし、機構作動不良の状態を回避することができる。もって、シートバックを中間前倒し位置まで倒し込んで係止させる途中止め操作と、この中間前倒し位置を越えた大倒し位置まで倒し込む大倒し操作との2つの操作形態を有するように機構を設けることができながら、途中止め操作がされた後に大倒し操作がされても、この大倒し操作の入力を空振り状態にして2つの操作形態の機構の作動を良好に保つことができる。
第2の発明に係る車両用シートは、前記第1の発明に係る車両用シートにおいて、前記通常リクライニング装置を操作する前記操作レバーからの前記操作入力により連動する連動プレートを備え、前記キャンセル部は、前記操作レバーから前記通常リクライニング装置への操作入力を、前記連動プレートへの伝達を空振りさせることにより成し得ていることを特徴とする。
この第2の発明に係る車両用シートによれば、キャンセル部は操作レバーから通常リクライニング装置への操作入力を連動プレートへの伝達を空振りさせることにより成し得ているので、操作レバーからの操作入力をキャンセルする構成を連動プレートを介在させた簡単なものにすることができる。これによって、組付け作業の観点や製造コストの観点から、有利なものとすることができる。
第1の発明に係る車両用シートによれば、途中止め操作と大倒し操作との2つの操作形態を有するように機構を設けることができながら、互いの機構作動を良好に保つことができる。
第2の発明に係る車両用シートによれば、組付け作業の観点や製造コストの観点から、有利なものとすることができる。
シートフレームの一部を示す車両用シートの側面図である。 フレーム同士のアウト側の連結部分を示す断面図である。 図2に示す連結部分のうち入力機構およびキャンセル機構に関して明示する側面図である。 フレーム同士のイン側の連結部分を示す側面図である。 図4に示す連結部分の断面図である。 ワンウェイ回転機構の分解斜視図である。 図3における通常リクライニング装置の作動を示す側面図である。 図3におけるメモリリクライニング装置の作動を示す側面図である。 図7における通常リクライニング装置の作動をキャンセルしている状態を示す側面図である。
以下、本発明に係る車両用シートを実施するための形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する本発明に係る車両用シートは、自動車等の車両に設置される車両用シートである。図1は、シートフレーム12の一部を示す車両用シート10の側面図である。図1に示す車両用シート10は、ミニバン等の車両のシートが前後方向で3列並べられる2列目シートにて構成されている。この車両用シート10も、通常の車両用シートと同様、乗員の座となるシートクッション13と着座乗員の背凭れとなるシートバック15とを具備する。このシートクッション13には骨格としてのクッションフレーム14が具備されており、シートバック15には骨格としてのバックフレーム16が具備されている。なお、これらシートフレーム12に対しては、不図示のシートパッドやシートカバー等が取り付けられ、車両用シート10として形成される。
クッションフレーム14は、スライドレール20を介して不図示の車両フロアに対して固定されている。スライドレール20は、車両フロアに固定して取り付けられるの固定ブラケット21、固定ブラケット21に固定して取り付けられるロアレール22と、ロアレール22に対して相対的にスライドするアッパレール23とを備える。なお、このロアレール22とアッパレール23との間には、互いの相対位置をロックしておくためのロック機構(不図示)が内蔵されている。図示符号24はロック機構のロックを解除操作するための操作レバーである。この操作レバー24を引上げると、ロック機構のロックを解除して、ロアレール22に対するアッパレール23のスライド移動を可能とする。このクッションフレーム14は、次に詳述する連結機構30を介してバックフレーム16を連結支持している。
図2および図3は、クッションフレーム14とバックフレーム16との車両外に向いた側(以下、アウト側)の連結部分を示すものである。すなわち図2は、クッションフレーム14とバックフレーム16とのアウト側の連結部分(連結機構30)を拡大して示す断面図である。図3は、図2に示す連結部分(連結機構30)のうち、入力機構60およびキャンセル機構70に関して明示する側面図である。
図2に示すように、バックフレーム16は、クッションフレーム14に対して連結機構30を介して連結されている。なお、バックフレーム16は、渦巻ばね19によりクッションフレーム14と重畳するような前倒しされる方向に付勢されている。具体的には、クッションフレーム14に固定される内端掛けブラケット17に、渦巻ばね19の渦巻内端側が掛けられている。バックフレーム16に固定される外端掛けブラケット18に、渦巻ばね19の渦巻外端側が掛けられている。このようにして、シートバック15は常時前倒し方向に付勢されており、通常リクライニング装置31の装置内部の係合状態を解除すると、シートバック15は自然と前倒しされる。
連結機構30は、図2に示すように、機能として区分けされる通常リクライニング装置31と、機能として区分けされるメモリリクライニング装置41とを具備する。なお、通常リクライニング装置31とメモリリクライニング装置41とは、機能としての部材構成を装置として区分けするものであり、互いの装置において共用される構成部材もある。
通常リクライニング装置31は、いわゆるフォールドダウン機能を発揮するための通常のリクライニング装置として構成される。この通常リクライニング装置31は、シートバック15の傾斜角度を調整してユーザ調整角度に設定することができるものである。また、通常リクライニング装置31は、シートクッション13と重畳するような大倒し位置までシートバック15を前側に倒し込むことができるものである。なお、このようなフォールドダウン機能や、ユーザ調整角度に設定機能を発揮するための操作を、総括してリクライニング操作と称する。
これに対してメモリリクライニング装置41は、いわゆるウォークイン機能を発揮するための前倒し途中止めとするための機構として構成される。このメモリリクライニング装置41は、通常リクライニング装置31により設定されたユーザ調整角度からシートバック15の大倒し位置までの途中位置となる中間前倒し位置までシートバック15を前側に倒し込むことができる。また、メモリリクライニング装置41は、シートバック15を中間前倒し位置から立て起こす場合にはシートバック15を通常リクライニング装置31により設定されたユーザ調整角度の位置に復帰させることができる。なお、このようなウォークイン機能を発揮するための操作を、総括してウォークイン操作と称する。
次に、クッションフレーム14とバックフレーム16とを連結する連結部分のうち、車両用シート10のアウト側の連結部分をなす連結機構30を説明する。このアウト側の連結機構30は、後に説明するイン側(車両用シート10の車両内に向いた側)の連結部分とは相違する構成となっているが、これらアウト側とイン側との双方の連結部分には、略同等に構成される通常リクライニング装置31,31i(図6参照)が設けられている。つまり、クッションフレーム14とバックフレーム16とは、幅方向両側に設けられた2つの通常リクライニング装置31,31iを介して連結されている。
この連結機構30は、図2および図3に示すように、リクライニング操作ケーブル51およびウォークイン操作ケーブル55による牽引に応じて作動する。図3に示すリクライニング操作ケーブル51は、図1に示すリクライニング操作レバー52の引き操作に応じて牽引される。このリクライニング操作ケーブル51の牽引により、フォールドダウン操作を含むリクライニング操作として、次に説明する入力機構60および操作軸36を介して通常リクライニング装置31に入力される。このリクライニング操作ケーブル51は、入力機構60の入力リンク61に操作可能に連結されている。なお、このリクライニング操作ケーブル51は、クッションフレーム14に取り付けられる支持ブラケット53にて支持されている。
これに対して図2に示すウォークイン操作ケーブル55は、図1に示すウォークイン操作レバー56の引き操作に応じて牽引される。このウォークイン操作ケーブル55の牽引により、ウォークイン操作として次に説明するメモリリクライニング装置41(図2参照)に入力される。なお、ウォークイン操作ケーブル55は3つに分岐されている。この3つに分岐されるウォークイン操作ケーブル55は、第1ウォークイン操作ケーブル551、第2ウォークイン操作ケーブル552、第3ウォークイン操作ケーブル553として、構成されている。第1ウォークイン操作ケーブル551および第2ウォークイン操作ケーブル552は、アウト側に配設される連結機構30のメモリリクライニング装置41およびキャンセル機構70に対して接続されている。また、第3ウォークイン操作ケーブル553は、イン側に配設される連結部分の通常リクライニング装置31iに対して連結されている。詳しくは、第1ウォークイン操作ケーブル551は、メモリリクライニング装置41を構成するラッチ45に対して操作可能に連結されている。第2ウォークイン操作ケーブル552は、キャンセル機構70の切替リンク75に操作可能に連結されている。また、残りの1本の第3ウォークイン操作ケーブル553は、イン側に配設される通常リクライニング装置31iを操作する操作軸36iに回転操作可能に連結されている。なお、この第1ウォークイン操作ケーブル551は、軸支部材43を介してバックフレーム16に取り付けられる支持ブラケット57にて支持されている。
通常リクライニング装置31は、シートバック15の傾斜角度を着座者の好みの傾斜角度(ユーザ調整角度)に調整し、このユーザ調整角度にてシートバック15を固定保持することができる。この通常リクライニング装置31は、シートクッション13のサイド部分に設けられたリクライニング操作レバー52を操作することによって、シートバック15の固定保持を解除することができるようになっている。このようにリクライニング操作レバー52を操作してシートバック15の固定保持を解除した場合には、シートバック15の傾斜角度を調整してユーザ調整角度に設定することができる上、そのままシートクッション13と重畳するような大倒し位置(フォールドダウン)までシートバック15を前側に倒し込むこともできる。
通常リクライニング装置31は、図2に示すように、クッションフレーム14とバックフレーム16との間に配設されている。この通常リクライニング装置31は、図示においては一部分の図示を省略しているが、一般のリクライニング装置と同様に構成される。すなわち、通常リクライニング装置31は、ガイド32と、ラチェット33と、外周リング34とを備える。なお、この通常リクライニング装置31としては、例えば特開2006−255173号公報の明細書にて開示されているような技術が利用されている。ガイド32は、クッションフレーム14に対して溶接にて結合されている。ラチェット33は、後に詳述する中間リング42に対して肉盛り溶接にて結合されている。外周リング34は、図示省略したカム係止構造が介装された状態でラチェット33とガイド32とを組み付け状態を板厚方向にて支持している。
これらラチェット33とガイド32とは、これらラチェット33とガイド32との間に介装されるカム係止構造により、互いの相対回動を規制あるいは許可したりする。すなわちカム係止構造によりラチェット33とガイド32との相対回動を規制している場合には、クッションフレーム14に対する中間リング42(バックフレーム16)の相対位置は固定される。逆に、カム係止構造によりラチェット33とガイド32との相対回動を許可している場合には、クッションフレーム14に対する中間リング42(バックフレーム16)の相対回動は可能な状態となる。
図示符号35は、図示省略したカム係止構造の一部を構成する操作カムである。この操作カム35には、操作軸36が嵌挿されている。また、この操作軸36は、上記したように入力機構60を介して、リクライニング操作レバー52の操作に応じたリクライニング操作ケーブル51の牽引により回転する。この操作軸36は、後に詳述する入力機構60の入力プレート65の回動軸となっている。つまり、操作軸36は、入力プレート65に対して肉盛り溶接にて結合されており、入力プレート65の回動に応じて回転し、もって操作カム35を回転させる。なお、この操作カム35の回転により、ラチェット33とガイド32とは、互いの相対回動が規制された状態から、互いの相対回動が許可された状態に切り替わる。
通常リクライニング装置31は、シートバック15の傾斜角度を着座者の好みの傾斜角度(ユーザ調整角度)に調整し、このユーザ調整角度にてシートバック15を固定保持することができる。この通常リクライニング装置31は、シートクッション13のサイド部分に設けられたリクライニング操作レバー52を操作することによって、シートバック15の固定保持を解除することができるようになっている。このようにリクライニング操作レバー52を操作してシートバック15の固定保持を解除した場合には、シートバック15の傾斜角度を調整してユーザ調整角度に設定することができる上、そのままシートクッション13と重畳するような大倒し位置(フォールドダウン)までシートバック15を前側に倒し込むこともできる。
通常リクライニング装置31は、図2に示すように、クッションフレーム14とバックフレーム16との間に配設されている。この通常リクライニング装置31は、図示においては一部分の図示を省略しているが、一般のリクライニング装置と同様に構成される。すなわち、通常リクライニング装置31は、ガイド32と、ラチェット33と、外周リング34とを備える。なお、この通常リクライニング装置31としては、例えば特開2006−255173号公報の明細書にて開示されているような技術が利用されている。ガイド32は、クッションフレーム14に対して溶接にて結合されている。ラチェット33は、後に詳述する中間リング42に対して肉盛り溶接にて結合されている。外周リング34は、図示省略したカム係止構造が介装された状態でラチェット33とガイド32とを組み付け状態を板厚方向にて支持している。
この操作軸36は、後に詳述する入力機構60の入力プレート65の回動軸となっている。つまり、操作軸36は、入力プレート65に対して肉盛り溶接にて結合されており、入力プレート65の回動に応じて回転し、もって操作カム35を回転させる。なお、この操作カム35の回転により、ラチェット33とガイド32とは、互いの相対回動が規制された状態から、互いの相対回動が許可された状態に切り替わる。
この通常リクライニング装置31は、アウト側とは反対側のイン側において、クッションフレーム14とバックフレーム16とを連結する連結部分を構成する。図4および図5は、クッションフレーム14とバックフレーム16とのイン側の連結部分を示している。なお、イン側の通常リクライニング装置31については、末尾に『i』を付している。すなわち図4は、クッションフレーム14とバックフレーム16とのイン側の連結部分を拡大して示す側面図である。図5は、図4に示すイン側の連結部分の断面図である。このイン側の連結部分は、上記したように構成される通常リクライニング装置31iを構成するガイド32iがバックフレーム16に対して溶接にて結合されており、ラチェット33iがクッションフレーム14に対して溶接にて結合されている。また、外周リング34iは、ラチェット33iとガイド32iとを組み付け状態を板厚方向にて支持している。なお、ラチェット33iとガイド32iとは、上記したように介装されるカム係止構造により、互いの相対回動を規制あるいは許可したりする。また、このカム係止構造は、イン側の操作軸36iと結合される操作カム35iにより操作される。このイン側の操作軸36iは、後に説明するワンウェイ回転機構39を介してアウト側の操作軸36と連結されている。なお、この操作カム35iは、ガイド32iとの間に掛着された付勢ばね37iによりガイド32に対して回転付勢されている。
また、このイン側の操作軸36iには、リンク部材554を介して第3ウォークイン操作ケーブル553が連結されている。このため、カム係止構造を操作する操作カム35iは、第3ウォークイン操作ケーブル553の牽引により回動操作される。なお、図示符号57iは、バックフレーム16に取り付けられて第3ウォークイン操作ケーブル553を支持する支持ブラケットである。なお、この操作カム35iの回転操作により、ラチェット33iとガイド32iとは、互いの相対回動が規制された状態から、互いの相対回動が許可された状態に切り替わる。
ところで、上記したアウト側の通常リクライニング装置31の操作軸36は、このアウト側に配設される連結機構30の通常リクライニング装置31の操作軸として機能するとともに、ワンウェイ回転機構39を介して、イン側に配設される通常リクライニング装置31iの操作軸36iとしても機能するようになっている。次に、図6を参照しながらワンウェイ回転機構39について説明する。図6は、ワンウェイ回転機構39の分解斜視図である。ワンウェイ回転機構39は、リクライニング操作入力となるアウト側の通常リクライニング装置31の回転に応じて、イン側の通常リクライニング装置31iも連動して回転させる構成を有している。さらに、このワンウェイ回転機構39は、リクライニング操作入力とはならないイン側の通常リクライニング装置31iの回転に対しては、アウト側の通常リクライニング装置31を回転させない構成を有している。つまり、ワンウェイ回転機構39は、アウト側からイン側に向けての回転は伝達可能な構成となっており、イン側からアウト側に向けての回転は伝達不可な該回転を空振りさせる構成となっている。
具体的には、図6に示すように、上記したアウト側およびイン側の両側の通常リクライニング装置31,31iの中心部分に挿通された操作軸36,36iは、ワンウェイ回転機構39を介して連結されている。なお、イン側の通常リクライニング装置31iの操作軸36iと、ワンウェイ回転機構39の伝達部材391とは、軸方向に沿って連結ロッド38を介装して相互で一体化された連結状態となっている。
具体的には、図6に示すように、アウト側の通常リクライニング装置31に挿通される操作軸36は、そのイン側部に向かって延びる軸部が、断面矩形状に形成された矩形部361として形成されている。この矩形部361は、ワンウェイ回転機構39の伝達部材391の差込孔392に差し込まれて連結されている。この差込孔392は、その正円状に形成された孔の内周部の互いに対向する左右2箇所の位置に、孔内に向かって山状に突出する突起392Aが形成されている。この二箇所の突起392Aにより、差込孔392内に差し込まれた矩形部361は、その矩形の側面が各突起392Aの一端面392Bと当接する位置と他端面392Cと当接する位置との間でのみ、伝達部材391に対して回転することができるようになっており、回転によりどちらか一方側の側面が一端面392Bあいは他端面392Cと当接することにより、伝達部材391とその回転方向に一体的となって回転するようになっている。
また図6に示すように、操作軸36の矩形部361を伝達部材391の差込孔392に差し込んだ状態で、伝達部材391の外周には薄膜状の軟らかいゴム製のキャップ393が装着されている。このキャップ393により、その矩形部361の側面が差込孔392内の各突起392Aの一端面392Bにそれぞれ当接した状態となるように、差し込まれた矩形部361を付勢する。具体的には、キャップ393には、操作軸36の矩形部361を差し込むための同形のガイド孔393Aが形成されており、このガイド孔393Aの形に合わせて操作軸36の矩形部361を差し込むことにより、矩形部361は、突起392Aの一端面392Bと当接した状態となるようにキャップ393にて付勢される。
これによって、アウト側の通常リクライニング装置31の回転止め状態が解除操作される方向に回転操作された場合には、この操作軸36の回転により、この操作軸36の矩形部361の側面と当接している伝達部材391を、解除操作する方向と同方向に押し回すこととなる。これに対して、アウト側の通常リクライニング装置31が回転操作されずに、イン側の通常リクライニング装置31iだけの回転止め状態が解除操作される方向に回転操作された場合には、この操作軸36iの回転により、連結ロッド38を介して回転する伝達部材391の回転を空回りさせるようになっている。このためアウト側の操作軸36には、操作軸36iの回転による操作は伝達されないようになっている。なお、伝達部材391に装着されたゴム製のキャップ393は、伝達部材391の操作軸36に対する空回りの動きに対しては、柔軟に撓み変形することにより、この空回りの動きに追従して回転しないようになっている。これによって、ウォークイン操作レバー56が操作されて第3ウォークイン操作ケーブル553が牽引されると、イン側の通常リクライニング装置31iの回転止め状態が解除される。これに対してアウト側の通常リクライニング装置31の回転止め状態は、ワンウェイ回転機構39によって解除されないようにすることができる。
次に、メモリリクライニング装置41について説明する。
メモリリクライニング装置41は、図2に示すように、中間リング42と、ラッチ45とを備える。この中間リング42は、上記したラチェット33と結合して一体的に回動する。この中間リング42は、図示省略したラッチ45が嵌合して回動が規制される。ラッチ45は、バックフレーム16に設けられる軸支部材43により回動可能に軸支される。このラッチ45は、軸支部材43を回動軸として回動できるが、図示省略した付勢ばねにより中間リング42に嵌合する方向に常時付勢されている。
このため、ラッチ45が中間リング42に対して嵌合している場合には、中間リング42はバックフレーム16に対して一体化した状態となる。またラッチ45が中間リング42に対して外れている場合には、中間リング42のバックフレーム16に対する相対回動は可能な状態となる。つまり、通常リクライニング装置31の装置全体のバックフレーム16に対する係合状態を解除することとなる。このラッチ45は、第1ウォークイン操作ケーブル551の牽引により回動操作される。具体的には、中間リング42に嵌合状態のラッチ45が、この中間リング42に対する嵌合を外すように回動する。なお、この第1ウォークイン操作ケーブル551の牽引はウォークイン操作によるものであり、同時に第2ウォークイン操作ケーブル552も牽引されて切替リンク75を回動させ、同時に第3ウォークイン操作ケーブルも牽引されてイン側に配設される通常リクライニング装置31を操作する操作カム35を回転させる。これによって、ラッチ45は中間リング42から外れ、イン側に配設されるリクライニング装置の装置内部の係合状態は解除される。このようにして、アウト側では中間リング42(バックフレーム16)のクッションフレーム14に対する相対回動は可能な状態となり、イン側でもバックフレーム16のクッションフレーム14に対する相対回動は可能となる。このようにして、シートバック15は不図示のストッパにより止まるまで前側に倒れ込むこととなり、もってシートバック15は中間前倒し位置まで倒し込んだ状態となる。
なお、ラッチ45は、中間リング42に対してラッチ45が嵌合してバックフレーム16と一体化状態となった場合には、このバックフレーム16は、ラチェット33と一体化状態となる。ここでラチェット33がガイド32に対しての相対回動が規制されている場合には、シートクッション13に対するシートバック15の相対位置は固定されることとなる。
次に入力機構60およびキャンセル機構70について説明する。
入力機構60は、概略、入力リンク61と、入力プレート65と、連動プレート71とを備えて構成される。また、キャンセル機構70は、概略、切替リンク75を備えて構成される。なお、これら入力リンク61、入力プレート65、連動プレート71、切替リンク75は、図2に示すように、互いに板状にて形成されるものであり、互いに重畳されるように配置されている。
入力リンク61は、図示するように細長い長板状にて形成される。この入力リンク61には、長尺方向の中間部分に支持孔62が設けられている。この支持孔62は、操作軸36を突き通すことが可能な貫通形状となっている。この入力リンク61は、支持孔62に突き通された操作軸36により、操作軸36に対して相対的に回転可能に操作軸36に支持されている。図3に示すように、この入力リンク61の一端側には、ケーブルを連結可能に形成されるケーブル連結部63が設けられている。ケーブル連結部63は、上記したリクライニング操作ケーブル51が連結具88を介して連結されている。この入力リンク61の他端側には、この入力リンク61の厚み方向に突出して形成されるガイド凸部64が設けられている。このガイド凸部64は、後に説明する連動プレート71に設けられるガイド孔74に対して遊嵌されている。このような連動プレート71のガイド孔74に遊嵌されたガイド凸部64は、後にも詳述するが、このガイド孔74内で移動可能になっている。この入力プレート65は、不図示のトーションスプリングにより図示反時計回り方向に付勢されている。つまり、入力プレート65は、リクライニング操作ケーブル51が牽引する回転方向とは反対の回転方向に回転付勢されている。
図7〜図9は、図2および図3にて示すアウト側の連結部分の作動に関して図示する。すなわち、図7は、図3における通常リクライニング装置31の作動を示す側面図である。図8は、図3におけるメモリリクライニング装置の作動を示す側面図である。図9は、図7における通常リクライニング装置31の作動をキャンセルしている状態を示す側面図である。
入力プレート65は、平面視瓢箪形の長板状にて形成される。この入力プレート65は、図3に示すように平面視瓢箪形の根元部分に嵌め込み孔66が設けられている。この嵌め込み孔66は、操作軸36を嵌め込み可能な貫通形状となっている。入力プレート65は、この嵌め込み孔66に操作軸36を嵌め込んだ状態で、この操作軸36に対して肉盛り溶接されている。このため、入力プレート65は、嵌め込み孔66に嵌め込まれた操作軸36と一体的に回転することができるように操作軸36に一体化されている。この入力プレート65の平面視瓢箪形の口元部分には、軸支孔67(図2参照)が設けられている。この軸支孔67には、軸支部材81が嵌挿されている。この軸支部材81は、次に説明する連動プレート71の軸支孔72に一体化嵌合されている。このため、この入力プレート65は、この連動プレート71の動きに応じて動くように軸支部材81を介して連動プレート71と連結されている。なお、入力プレート65の軸支孔67に嵌挿される軸支部材81は、次に説明する連動プレート71と一体化されている。このため、この軸支孔67に嵌挿される軸支部材81は、この軸支孔67内で入力プレート65に対して相対的に回転することができる。
連動プレート71は、軸支部材81を回動軸として回動可能に形成される平板状にて形成される。連動プレート71にも、軸支部材81を嵌合するための軸支孔72(図2参照)が設けられている。この軸支孔72には、上記したように入力プレート65の軸支孔67に嵌挿される軸支部材81が嵌合されて一体化された状態となっている。このため、この軸支部材81を介して連動プレート71に入力プレート65を連動させるように、入力プレート65を連動プレート71に連結している。また、この連動プレート71と入力プレート65との間には、トーションスプリング82が配設されている。このトーションスプリング82は、入力プレート65に対して連動プレート71を図示反時計回り方向に回転付勢する。つまり、連動プレート71は、入力プレート65に対して、リクライニング操作ケーブル51が牽引する回転方向とは反対の回転方向に回転付勢されている。
また、連動プレート71の軸支孔72の近くには、この軸支孔72(連動プレート71の回動中心)から離れる方向に突き出させる形状となる受け当て部73が設けられている。この受け当て部73は、次に説明する切替リンク75の切替凸部材78が当てられる部分である。このため、この受け当て部73の突き出し方向は、切替リンク75の切替凸部材78の配置方向に向いている。なお、この連動プレート71は、切替リンク75の切替凸部材78を受け当て部73に当てることにより、トーションスプリング82の付勢力に抗して回転させることができる。これにより、連動プレート71は、入力リンク61に対して連動可能な連動位置(図3に示す位置)と、入力リンク61に対しての連動をキャンセルする連動キャンセル位置(図8に示す位置)との、二つの位置に切り替えることができるようになっている。
この連動プレート71は、軸支孔72(連動プレート71の回動中心)から離れる一部の方向で周幅が拡げられるように延在する形状にて形成されている。この連動プレート71の周幅が拡げられるように延在する部分には、上記した入力リンク61のガイド凸部64が遊嵌されるガイド孔74が設けられている。このガイド孔74は、平面視く字形の形状に貫通されて形成されるものであり、上記した連動位置と連動キャンセル位置との二つの位置に切替えできるようにするためのものである。
具体的には、このガイド孔74は、操作軸36の配設側に近接して形成される入力ガイド孔741と、操作軸36の配設側とは離れて形成されるキャンセルガイド孔742と、これら入力ガイド孔741とキャンセルガイド孔742とを連接する連接切替孔743とを、連ねるようにして形成されている。
入力ガイド孔741は、入力リンク61が回転する場合に、入力リンク61のガイド凸部64を係止させる孔として形成される。具体的には、連動位置に連動プレート71が位置している場合には、入力リンク61のガイド凸部64はガイド孔74の連接切替孔743に位置している。この際、リクライニング操作ケーブル51の牽引により入力リンク61が回転すると、入力リンク61のガイド凸部64は、連接切替孔743から入力ガイド孔741に移動して、入力ガイド孔741に係止することとなる。さらにガイド凸部64を入力ガイド孔741に係止させたまま入力リンク61が回転すると、入力リンク61の回転に応じて連動プレート71も連動回転させる。そうすると、この連動プレート71の連動回転に応じて、図3に示す位置から図7に示す位置に入力プレート65も連動回転させることとなる。これによって、この入力プレート65と一体化する操作軸36を一体的に回転させて、通常リクライニング装置31の装置内部の係合状態を解除することとなる。
これに対してキャンセルガイド孔742は、入力リンク61が回転する場合に、入力リンク61のガイド凸部64を係止させないように空振りさせる孔として形成される。なお、キャンセルガイド孔742は、本発明に係るキャンセル部に相当する部分である。具体的には、連動キャンセル位置に連動プレート71が位置している場合には、入力リンク61のガイド凸部64はガイド孔74の連接切替孔743に位置している。この際、リクライニング操作ケーブル51の牽引により入力リンク61が回転すると、入力リンク61のガイド凸部64は、連接切替孔743からキャンセルガイド孔742に移動する。このキャンセルガイド孔742内で移動するガイド凸部64は、入力リンク61の回転が全て完了するまで、このキャンセルガイド孔742内で係止することなく移動し続ける。これにより、キャンセルガイド孔742内に入り込んだ入力リンク61のガイド凸部64は、キャンセルガイド孔742内に係止することなく空振りすることとなる。そうすると、連動プレート71は連動回転しないため、入力プレート65も連動回転しない。つまり、入力リンク61が図8に示す位置から図9に示す位置に回転しても、連動プレート71と入力プレート65とは連動回転しない。これによって、この入力プレート65と一体化する操作軸36は回転せずに、通常リクライニング装置31の装置内部の係合状態は解除しないこととなる。
切替リンク75は、連動プレート71を、入力リンク61に対して連動可能な連動位置(図3に示す位置)と、入力リンク61に対しての連動をキャンセルする連動キャンセル位置(図8に示す位置)との、二つの位置に切り替えるリンクである。この切替リンク75は、図示するように平板状にて形成される。この切替リンク75には、中間部分に軸支孔76(図2参照)が設けられている。この軸支孔76には、軸支部材83が嵌挿されている。この軸支部材83は、クッションフレーム14に支持されており、軸支部材83が軸支孔76に嵌挿される切替リンク75は、この軸支部材83を回転中心にして回転することができる。また、この切替リンク75とクッションフレーム14との間には、トーションスプリング84が配設されている。このトーションスプリング84は、クッションフレーム14に対して切替リンク75を図示時計回り方向に回転付勢する。つまり、切替リンク75は、ストッパ部85に当たるまで図示時計回り方向に回転付勢されている。なお、トーションスプリング84の付勢する回転方向は、第2ウォークイン操作ケーブル552が牽引する回転方向とは反対の回転方向と一致する。図3に示すように、この切替リンク75の一端側には、ケーブルを連結可能に形成されるケーブル連結部77が設けられている。ケーブル連結部77は、上記したウォークイン操作ケーブル552が連結具89を介して連結されている。この切替リンク75の他端側には、この切替リンク75の厚み方向に突出する切替凸部材78が設けられている。この切替凸部材78は、上記した連動プレート71の受け当て部73が当てられる。
つまり、第2ウォークイン操作ケーブル552が牽引されると、切替リンク75は、トーションスプリング84の回転付勢に抗して、切替凸部材78を受け当て部73に当てた状態で図示反時計回り方向に回転させることとなる。そうすると、切替リンク75の切替凸部材78は、連動プレート71の受け当て部73を押して移動し、連動プレート71を図示時計回り方向に回転させる。これによって、連動プレート71は、入力リンク61に対して連動可能な連動位置(図3に示す位置)から、入力リンク61に対しての連動をキャンセルする連動キャンセル位置(図8に示す位置)に切り替わることとなる。
上記した車両用シート10によれば、次のような作用効果を奏することができる。
すなわち上記した車両用シート10によれば、上記したメモリリクライニング装置41を操作してシートバック15の中間前倒し位置までシートバック15を前側に倒し込んでいる場合には、具備されるキャンセルガイド孔(キャンセル部)742により、通常リクライニング装置31を操作しようとしてもリクライニング操作レバー52から通常リクライニング装置31への操作入力の伝達を空振りさせることができる。これによって、通常リクライニング装置31の操作入力をキャンセルすることができ、メモリリクライニング装置41の操作した後の通常リクライニング装置31の操作をできないものにする。したがって、機構作動不良の状態を回避することができ、シートバック15を中間前倒し位置まで倒し込んで係止させるウォークイン操作(途中止め操作)と、この中間前倒し位置を越えた大倒し位置まで倒し込むフォールドダウン操作(大倒し操作)との2つの操作形態を有するように機構を設けることができながら、ウォークイン操作がされた後にフォールドダウン操作がされても、このフォールドダウン操作の入力を空振り状態にして2つの操作形態の機構の作動を良好に保つことができる。
また、上記した車両用シート10によれば、キャンセルガイド孔742は、リクライニング操作レバー52から通常リクライニング装置31への操作入力を連動プレート71への伝達を空振りさせることにより成し得ているので、リクライニング操作レバー52からの操作入力をキャンセルする構成を連動プレート71を介在させた簡単なものにすることができる。これによって、組付け作業の観点や製造コストの観点から、有利なものとすることができる。
なお、本発明に係る車両用シートにあっては、上記した実施の形態に限定されるものではなく、適宜個所を変更して構成されるものであってよい。
すなわち、上記した実施の形態における入力機構60およびキャンセル機構70の構成は、組付け作業の観点や製造コストの観点から、なるべく単純な構造となるようにしたものである。しかしながら、本発明に係る車両用シートにあっては、上記した入力機構60およびキャンセル機構70の構成に対して、適宜変更したり適宜追加したりするものであってよい。
10 車両用シート
12 シートフレーム
13 シートクッション
14 クッションフレーム
15 シートバック
16 バックフレーム
17 内端掛けブラケット
18 外端掛けブラケット
19 渦巻ばね
20 スライドレール
21 固定ブラケット
22 ロアレール
23 アッパレール
24 操作レバー
30 連結機構
31 通常リクライニング装置
32 ガイド
33 ラチェット
34 外周リング
35 操作カム
36 操作軸
361 矩形部
37 ばね部材
39 ワンウェイ回転機構
391 伝達部材
392 差込孔
393 キャップ
41 メモリリクライニング装置
42 中間リング
43 軸支部材
45 ラッチ
51 リクライニング操作ケーブル
52 リクライニング操作レバー
53 支持ブラケット
55 ウォークイン操作ケーブル
551 第1ウォークイン操作ケーブル
552 第2ウォークイン操作ケーブル
553 第3ウォークイン操作ケーブル
56 ウォークイン操作レバー
57 支持ブラケット
60 入力機構
61 入力リンク
62 支持孔
63 ケーブル連結部
64 ガイド凸部
65 入力プレート
66 嵌め込み孔
67 軸支孔
70 キャンセル機構
71 連動プレート
72 軸支孔
73 受け当て部
74 ガイド孔
741 入力ガイド孔
742 キャンセルガイド孔(キャンセル部)
743 連接切替孔
75 切替リンク
76 軸支孔
77 ケーブル連結部
78 切替凸部材
81 軸支部材
82 トーションスプリング
83 軸支部材
84 トーションスプリング
85 ストッパ部
88,89 連結具

Claims (2)

  1. 乗員の座となるシートクッションと着座乗員の背凭れとなるシートバックとを具備する車両用シートであって、
    前記シートバックの傾斜角度を調整してユーザ調整角度に設定することができ且つ前記シートクッションと重畳するような大倒し位置まで該シートバックを前側に倒し込むことができる通常リクライニング装置と、
    前記通常リクライニング装置により設定された前記ユーザ調整角度から前記シートバックの前記大倒し位置までの途中位置となる中間前倒し位置まで該シートバックを前側に倒し込むことができ且つ前記シートバックを前記中間前倒し位置から立て起こす場合に該シートバックを前記通常リクライニング装置により設定された前記ユーザ調整角度の位置に復帰させるメモリリクライニング装置と、を備え、
    前記メモリリクライニング装置により前記シートバックを前記中間前倒し位置に倒し込んでいる状態では、前記通常リクライニング装置を操作する操作レバーからの操作入力をキャンセルするように、該操作レバーから該通常リクライニング装置への操作入力の伝達を空振りさせるキャンセル部が設けられていることを特徴とする車両用シート。
  2. 請求項1に記載の車両用シートにおいて、
    前記通常リクライニング装置を操作する前記操作レバーからの前記操作入力により連動する連動プレートを備え、
    前記キャンセル部は、前記操作レバーから前記通常リクライニング装置への操作入力を、前記連動プレートへの伝達を空振りさせることにより成し得ていることを特徴とする車両用シート。
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