JP2012218400A - 離型材 - Google Patents

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Abstract

【課題】離型性および耐摩耗性に優れる離型材を提供する。
【解決手段】一般式(I)と(II)で表される共重合体(A)からなり、この共重合体(A)のイミド化前の共重合体(B)を繊維に保持させて加熱加圧し、加圧と同時または加圧後に共重合体(B)をイミド化する。
Figure 2012218400

【選択図】なし

Description

本発明は、離型性および耐摩耗性に優れる離型材に関する。
離型材は、スムーズな剥離が要求される様々な分野において、多様な形態で使用される。例えば太陽電池モジュールの製造では、シート状の離型材が使用される。具体的に説明すると、太陽電池モジュールの製造は、まず、図1(a)に示すように、複数の太陽電池セル2を並列に配置する。ついで、各太陽電池セル2の両面にエチレンビニルアセテート樹脂等からなるシート状の封止剤3,3を介して保護ガラス4,バックシート5を積層し、積層体1を得る。
この積層体1を、図1(b)に示すように、ラミネート装置が備える一対の熱板50,50の間に挟んで矢印A方向に熱プレスすると、封止剤3が融解する。その結果、図1(c)に示すように、各太陽電池セル2が封止剤3によって封止されている太陽電池モジュール10が得られる。
ここで、積層体1を熱プレスした際に、融解した封止剤3が積層体1から流れ出し、熱板50の表面に付着することがある。この熱板50の表面に封止剤3が融着するのを防ぐために、熱板50の表面には、離型材をシート状に加工した離型シート51が配置されている。
離型シート51は、通常、フッ素樹脂をガラス繊維に含浸保持させてなる(例えば、特許文献1参照)。この離型シート51に融着した封止剤3は、ラミネート装置に設けられているロールブラシ等のブラシによって一般的に除去される。
しかし、上述した組成からなる離型シート51は、離型性および耐摩耗性が十分ではなかった。そのため、従来の離型シート51は、融着した封止剤3をブラシによって除去する際に摩耗傷が発生し易く、それゆえ寿命が短く、また発生する削り屑が太陽電池モジュール10に混入し易いという問題があった。
特開平9−172192号公報
本発明の課題は、離型性および耐摩耗性に優れる離型材を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下の構成からなる解決手段を見出し、本発明を完成するに至った。
(1)繊維に保持させた、イミド変性エラストマーからなる離型材であって、前記イミド変性エラストマーは、下記一般式(I)で表される構造単位と、下記一般式(II)で表される構造単位との共重合体(A)からなり、この共重合体(A)のイミド化前の共重合体(B)を、前記繊維に保持させて100℃を超える温度に加熱しながら加圧するとともに、この加圧と同時か、または加圧後に前記共重合体(B)をイミド化してなることを特徴とする離型材。
Figure 2012218400
[式(I),(II)中、R1およびR4は、それぞれ同一または異なる基であって、芳香族環または脂肪族環を含む2価の有機基を示す。R2は、重量平均分子量300〜10,000の2価の有機基を示す。R3は、芳香族環、脂肪族環または脂肪族鎖を含む2価の有機基を示す。R5は、シロキサン結合を有する2価の基を示す。R6は、4個以上の炭素を含む4価の有機基を示す。nは1〜100の整数を示す。]
(2)前記繊維が、ガラス繊維である前記(1)記載の離型材。
(3)前記一般式(I)で表される構造単位と、前記一般式(II)で表される構造単位との共重合比が、重量比で、99:1〜1:99である前記(1)または(2)記載の離型材。
(4)前記共重合体(B)は、第1ジイソシアナートとポリオールから得た分子両末端にイソシアナト基を有するウレタンプレポリマーを、第1ジアミン化合物でウレア結合により鎖延長したポリウレタン−ウレア化合物と、第2ジイソシアナートを、シロキサン結合を有する第2ジアミン化合物でウレア結合により鎖延長したポリシロキサン−ウレア化合物と、テトラカルボン酸二無水物と、の混合物を反応させることによって得られる前記(1)〜(3)のいずれかに記載の離型材。
(5)前記ポリオールが、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールから選ばれる少なくとも1種である前記(4)記載の離型材。
(6)前記ポリカーボネートポリオールが、下記式(1)で表されるポリカーボネートジオールである前記(5)記載の離型材。
Figure 2012218400
[式中、xは5または6の整数を示す。yは1〜76の整数を示す。]
(7)前記ポリエステルポリオールが、下記式(2)で表されるポリエステルジオールである前記(5)または(6)記載の離型材。
Figure 2012218400
[式中、zは1〜37の整数を示す。]
(8)前記第2ジアミン化合物が、下記一般式(3)で表される化合物である前記(5)〜(7)のいずれかに記載の離型材。
Figure 2012218400
[式中、R1およびR2は、それぞれ同一または異なる基であって、アルキレン基を示す。R3〜R6は、それぞれ同一または異なる基であって、水素、アルキル基、フェニル基を示す。mは8〜160の整数を示す。]
(9)前記加圧における圧力が、0.2MPa以上である前記(1)〜(8)のいずれかに記載の離型材。
(10)算術平均粗さ(Ra)が、10μm以下である前記(1)〜(9)のいずれかに記載の離型材。
(11)前記(1)〜(10)のいずれかに記載の離型材からなる太陽電池モジュール製造用離型シート。
(12)前記(1)〜(10)のいずれかに記載の離型材からなるベルト。
なお、本発明における前記「イミド変性エラストマー」とは、イミド成分を有するエラストマーのことを意味し、前記イミド成分の割合(イミド分率)によって樹脂も含む概念である。
本発明によれば、離型性を有し、かつ耐摩耗性に優れている特定組成の共重合体(A)からなるイミド変性エラストマーを繊維に保持させるので、耐摩耗性に優れ、しかもこの共重合体(A)のイミド化前の共重合体(B)を繊維に保持させて加圧するので、離型材の表面が平滑になり、その結果、共重合体(A)の有する前記離型性が向上し、それゆえ優れた離型性を示すことができる。
(a)〜(c)は、太陽電池モジュールの一般的な製造方法を示す概略説明図である。
以下、本発明の離型材にかかる一実施形態について説明する。本実施形態の離型材は、繊維に保持させたイミド変性エラストマーからなる。前記繊維としては、例えばガラス繊維、アルミナ繊維等の無機繊維;アラミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維等の有機繊維等が挙げられ、特にガラス繊維が好ましい。このような繊維にイミド変性エラストマーを保持させると、離型材の引張強度を向上させることができる。また、例示したこれらの繊維のうち、耐熱性を有するものが好ましい。繊維の質量、厚さ、織密度等の物性は、特に限定されるものではない。
上述した繊維に保持させるイミド変性エラストマーは、上述した一般式(I)で表される構造単位と、一般式(II)で表される構造単位との共重合体(A)からなる。この共重合体(A)は、離型性を有し、かつ耐摩耗性に優れている。
上述した一般式(I),(II)中において、前記R1およびR4は、それぞれ同一または異なる基であって、芳香族環または脂肪族環を含む2価の有機基を示すものである。該有機基としては、例えば後述する反応行程式(A)に従ってポリオール(b)とともにウレタンプレポリマー(c)を形成し得る第1ジイソシアナート(a)においてイソシアナト基(−NCO)を除く残基や、反応行程式(C)に従ってウレア結合により鎖延長され得る第2ジイソシアナート(f)においてイソシアナト基(−NCO)を除く残基等が挙げられる。
前記R2は、重量平均分子量300〜10,000、好ましくは300〜5,000の2価の有機基を示すものである。該有機基としては、例えば反応行程式(A)に従って第1ジイソシアナート(a)とともにウレタンプレポリマー(c)を形成し得るポリオール(b)において2つの水酸基(−OH)を除く残基等が挙げられる。
前記R3は、芳香族環、脂肪族環または脂肪族鎖を含む2価の有機基を示すものである。該有機基としては、例えば反応行程式(B)に従ってウレタンプレポリマー(c)をウレア結合により鎖延長し得る炭素数6〜27の芳香族ジアミン化合物、炭素数6〜24の脂肪族ジアミン化合物および炭素数6〜24の脂環式ジアミン化合物から選ばれる少なくとも1種の第1ジアミン化合物(d)においてアミノ基(−NH2)を除く残基等が挙げられる。上述した脂肪族鎖は、炭素数1のものも含む。
前記R5は、シロキサン結合を有する2価の基を示すものである。該基としては、例えば反応行程式(C)に従って第2ジイソシアナート(f)をウレア結合により鎖延長し得るシロキサン結合を有する第2ジアミン化合物(g)においてアミノ基(−NH2)を除く残基等が挙げられる。
前記R6は、4個以上の炭素を含む4価の有機基を示すものである。該有機基としては、例えば反応行程式(D)に従ってウレア結合部にイミドユニットを導入し得る炭素数6〜18の芳香族テトラカルボン酸二無水物および炭素数4〜6の脂環式テトラカルボン酸二無水物から選ばれる少なくとも1種のテトラカルボン酸二無水物(i)の残基等が挙げられる。
前記nは1〜100、好ましくは2〜50の整数を示す。
共重合体(A)は、第1ジイソシアナートとポリオールから得た分子両末端にイソシアナト基を有するウレタンプレポリマーを、第1ジアミン化合物でウレア結合により鎖延長したポリウレタン−ウレア化合物と、第2ジイソシアナートを、シロキサン結合を有する第2ジアミン化合物でウレア結合により鎖延長したポリシロキサン−ウレア化合物と、を混合した後、前記ポリウレタン−ウレア化合物と前記ポリシロキサン−ウレア化合物の各々のウレア結合部にテトラカルボン酸二無水物でイミドユニットを導入したものである。共重合体(A)は、例えば以下に示すような反応工程式(A)〜(D)を経て製造することができる。
[反応行程式(A)]
Figure 2012218400
[式中、R1,R2,nは、前記と同じである。]
(ウレタンプレポリマー(c)の合成)
反応行程式(A)に示すように、まず、第1ジイソシアナート(a)とポリオール(b)から分子両末端にイソシアナト基を有するウレタンプレポリマー(c)を得る。ウレタンプレポリマー(c)は、ウレタン構造単位を有するので、耐摩耗性や引張強度に優れている。
第1ジイソシアナート(a)としては、例えば2,4−トリレンジイソシアナート(TDI)、2,6−トリレンジイソシアナート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)、ポリメリックMDI(Cr.MDI)、ジアニシジンジイソシアナート(DADL)、ジフェニルエーテルジイソシアナート(PEDI)、ピトリレンジイソシアナート(TODI)、ナフタレンジイソシアナート(NDI)、ヘキサメチレンジイソシアナート(HMDI)、イソホロンジイソシアナート(IPDI)、リジンジイソシアナートメチルエステル(LDI)、メタキシリレンジイソシアナート(MXDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート(TMDI)、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート(TMDI)、ダイマー酸ジイソシアナート(DDI)、イソプロピリデンビス(4−シクロヘキシルイソシアナート)(IPCI)、シクロヘキシルメタンジイソシアナート(水添MDI)、メチルシクロヘキサンジイソシアナート(水添TDI)、TDI2量体(TT)等が挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよく、減圧蒸留したものを用いるのが好ましい。
ポリオール(b)としては、例えばポリプロピレングリコール(PPG)、ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)、ポリマーポリオール等のポリエーテルポリオール;ポリカーボネートポリオール;アジペート系ポリオール(縮合ポリエステルポリオール)、ポリカプロラクトン系ポリオール等のポリエステルポリオール;ポリブタジエンポリオール;アクリルポリオール等が挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。
例示したポリオール(b)のうち、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールから選ばれる少なくとも1種が好ましい。これにより、前記一般式(I)で表される構造単位の主鎖に、耐摩耗性に優れるポリカーボネート構造単位、ポリエステル構造単位およびポリエーテル構造単位の少なくとも1種が導入されるので、共重合体(A)の耐摩耗性を向上させることができる。
前記ポリカーボネートポリオールとしては、前記式(1)で表されるポリカーボネートジオール(以下、「ポリカーボネートジオール(1)」と言う。)が好ましい。該ポリカーボネートジオール(1)をポリオール(b)として用いると、高い離型性、耐熱性および耐摩耗性を得ることができる。ポリカーボネートジオール(1)は、2成分をカーボネート結合により共重合させたジオール成分であり、いわゆる共重合ポリカーボネートジオールである。ポリカーボネートジオール(1)は、室温(23℃)において液状であることから、取り扱い性に優れる。前記式(1)中において、前記xは5または6の整数を示す。前記yは1〜76、好ましくは6〜15の整数を示す。
ポリカーボネートジオール(1)以外の他のポリカーボネートポリオールとしては、例えばポリオール(多価アルコール)と、ホスゲン、クロル蟻酸エステル、ジアルキルカーボネート、ジアリルカーボネート、アルキレンカーボネート等とを縮合重合させて得られるポリカーボネートポリオール等が挙げられ、前記ポリオールとしては、例えば1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール等が挙げられ、前記ジアルキルカーボネートとしては、例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等が挙げられる。前記ポリカーボネートポリオールの具体例としては、ポリテトラメチレンカーボネートジオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール等のポリカーボネートジオールが挙げられる。
一方、前記ポリエステルポリオールとしては、前記式(2)で表されるポリエステルジオール(以下、「ポリエステルジオール(2)」と言う。)が好ましい。該ポリエステルジオール(2)をポリオール(b)として用いると、高い離型性、耐熱性および耐摩耗性を得ることができる。ポリエステルジオール(2)は、ジオール成分分子内にエステル基と、側鎖としてメチル基とを有する側鎖含有ポリエステルジオールである。ポリエステルジオール(2)は、室温(23℃)において液状であることから、取り扱い性に優れる。前記式(2)中において、前記zは1〜37、好ましくは3〜7の整数を示す。
ポリエステルジオール(2)以外の他のポリエステルポリオールとしては、例えばポリカルボン酸とポリオールとを縮合重合させて得られるポリエステルポリオール等が挙げられ、具体例としては、ポリエチレンアジペート、ポリジエチレンアジペート、ポリプロピレンアジペート、ポリテトラメチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリネオペンチレンアジペート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸からなるポリオール、ε−カプロラクトンを開環重合して得たポリカプロラクトンポリオール、ポリカプロラクトンジオール、β−メチル−δ−バレロラクトンをエチレングリコールで開環することにより得られたポリオール等が挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。
さらに他のポリエステルポリオールとしては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸(混合物)、パラオキシ安息香酸、無水トリメリット酸、ε−カプロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトンから選ばれる少なくとも1種の酸と、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ペンタエリスリトール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールから選ばれる少なくとも1種のグリコールとの共重合体等が挙げられる。
ポリオール(b)は、70〜90℃、1〜5mmHg、10時間〜30時間程度の条件で減圧乾燥したものを用いるのが好ましい。また、ポリオール(b)の重量平均分子量は100〜10,000、好ましくは300〜5,000であるのがよい。前記重量平均分子量は、ポリオール(b)をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、得られた測定値をポリスチレン換算した値である。
反応は、第1ジイソシアナート(a)とポリオール(b)とを所定の割合で混合した後、アルゴンガス、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下、室温(23℃)〜90℃で1時間〜5時間程度反応させればよい。第1ジイソシアナート(a)とポリオール(b)との混合比(モル)は、第1ジイソシアナート(a):ポリオール(b)=1.01:1〜2:1の範囲にするのが好ましい。
得られるウレタンプレポリマー(c)の重量平均分子量は、300〜50,000、好ましくは500〜45,000であるのがよい。該重量平均分子量は、ウレタンプレポリマー(c)をGPCで測定し、得られた測定値をポリスチレン換算した値である。
[反応行程式(B)]
Figure 2012218400
[式中、R1〜R3,nは、前記と同じである。]
(ポリウレタン−ウレア化合物(e)の合成)
前記で得られたウレタンプレポリマー(c)を用いて、反応行程式(B)に従ってイミド前駆体であるポリウレタン−ウレア化合物(e)(以下、「化合物(e)」と言うことがある。)を合成する。すなわち、ウレタンプレポリマー(c)を第1ジアミン化合物(d)でウレア結合により鎖延長して化合物(e)を得る。
第1ジアミン化合物(d)としては、例えば1,4−ジアミノベンゼン(別名:p−フェニレンジアミン、略称:PPD)、1,3−ジアミノベンゼン(別名:m−フェニレンジアミン、略称:MPD)、2,4−ジアミノトルエン(別名:2,4−トルエンジアミン、略称:2、4−TDA)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(別名:4,4’−メチレンジアニリン、略称:MDA)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(別名:4,4’−オキシジアニリン、略称:ODA、DPE)、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル(別名:3,4’−オキシジアニリン、略称:3,4’−DPE)、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(別名:o−トリジン、略称:TB)、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(別名:m−トリジン、略称:m−TB)、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル(略称:TFMB)、3,7−ジアミノ−ジメチルジベンゾチオフェン−5,5−ジオキシド(別名:o−トリジンスルホン、略称:TSN)、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ビス(4−アミノフェニル)スルフィド(別名:4,4’−チオジアニリン、略称:ASD)、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(別名:4,4’−スルホニルジアニリン、略称:ASN)、4,4’−ジアミノベンズアニリド(略称:DABA)、1,n−ビス(4−アミノフェノキシ)アルカン(n=3,4,5、略称:DAnMG)、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−2,2−ジメチルプロパン(略称:DANPG)、1,2−ビス[2−(4−アミノフェノキシ)エトキシ]エタン(略称:DA3EG)、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(略称:FDA)、5(6)−アミノ−1−(4−アミノメチル)−1,3,3−トリメチルインダン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(略称:TPE−Q)、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(別名:レゾルシンオキシジアニリン、略称:TPE−R)、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(略称:APB)、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル(略称:BAPB)、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン(略称:BAPP)、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン(略称:BAPS)、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン(略称:BAPS−M)、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン(略称:HFBAPP)、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(略称:MBAA)、4,6−ジヒドロキシ−1,3−フェニレンジアミン(別名:4,6−ジアミノレゾルシン)、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル(別名:3,3’−ジヒドロキシベンジジン、略称:HAB)、3,3’,4,4’−テトラアミノビフェニル(別名:3,3’−ジアミノベンジジン、略称:TAB)等の炭素数6〜27の芳香族ジアミン化合物;1,6−ヘキサメチレンジアミン(HMDA)、1,8−オクタメチレンジアミン(OMDA)、1,9−ノナメチレンジアミン、1,12−ドデカメチレンジアミン(DMDA)、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(別名:イソホロンジアミン)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、シクロヘキサンジアミン等の炭素数6〜24の脂肪族または脂環式ジアミン化合物;1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン等のシリコーン系ジアミン化合物等が挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。
反応は、ウレタンプレポリマー(c)と第1ジアミン化合物(d)とを等モル、好ましくはNCO/NH2比が1.0程度の割合で混合した後、アルゴンガス、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下、室温〜100℃において、2時間〜30時間程度で溶液重合反応または塊状重合反応させればよい。
前記溶液重合反応に使用できる溶媒としては、例えばN,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N−ヘキシル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリドン等が挙げられ、特に、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N−ヘキシル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリドンが好ましい。これらの溶媒は、1種または2種以上を混合して用いてもよく、常法に従い脱水処理したものを用いるのが好ましい。
[反応行程式(C)]
Figure 2012218400
[式中、R4,R5は、前記と同じである。]
一方、反応行程式(C)に示すように、第2ジイソシアナート(f)を、シロキサン結合を有する第2ジアミン化合物(g)でウレア結合により鎖延長し、イミド前駆体であるポリシロキサン−ウレア化合物(h)(以下、「化合物(h)」と言うことがある。)を得る。化合物(h)は、シロキサン構造単位を有するので、離型性に優れている。また、化合物(h)は、撥水性にも優れている。
第2ジイソシアナート(f)としては、第1ジイソシアナート(a)で例示したのと同じジイソシアナートが挙げられる。第2ジイソシアナート(f)は、第1ジイソシアナート(a)と同じジイソシアナートであってもよいし、異なるジイソシアナートであってもよい。
第2ジアミン化合物(g)としては、シロキサン結合を有する限り、特に限定されないが、前記一般式(3)で表される化合物等が好適である。前記一般式(3)中、R1およびR2は、それぞれ同一または異なる基であって、アルキレン基を示す。該アルキレン基としては、例えばメチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、s−ブチレン基、t−ブチレン基、ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、ヘキシレン基等の炭素数1〜6のアルキレン基が挙げられる。
3〜R6は、それぞれ同一または異なる基であって、水素、アルキル基、フェニル基を示す。前記アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜10の直鎖または分岐したアルキル基が挙げられる。mは8〜160、好ましくは10〜100の整数を示す。
第2ジアミン化合物(g)は、50〜70℃、1〜5mmHg、1時間〜3時間程度の条件で減圧乾燥したものを用いるのが好ましい。また、第2ジアミン化合物(g)の重量平均分子量は500〜15,000、好ましくは500〜5,000であるのがよい。前記重量平均分子量は、第2ジアミン化合物(g)をGPCで測定し、得られた測定値をポリスチレン換算した値である。
反応は、第2ジイソシアナート(f)と第2ジアミン化合物(g)とを等モル、好ましくはNCO/NH2比が1.0程度の割合で混合した後、アルゴンガス、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下、室温〜100℃において、2時間〜30時間程度で溶液重合反応または塊状重合反応させればよい。前記溶液重合反応に使用できる溶媒としては、反応行程式(B)で例示したのと同じ溶媒の他、シクロヘキサノン等が挙げられる。
[反応行程式(D)]
Figure 2012218400
[式中、R1〜R6,nは、前記と同じである。]
(共重合体(A)の合成)
最後に前記で得られた化合物(e),(h)を用いて、反応行程式(D)に従い共重合体(A)を合成する。すなわち、化合物(e),(h)を混合した後、化合物(e),(h)の各々のウレア結合部にテトラカルボン酸二無水物(i)で連続した2つのイミドユニットを導入し、これにより上述した一般式(I)で表される構造単位と、一般式(II)で表される構造単位との共重合体(A)を得る。
得られる共重合体(A)は、上述した一般式(I),(II)で表される各々の構造単位がランダム共重合した下記一般式(III)で表される共重合体である。
Figure 2012218400
[式中、R1〜R6,nは、前記と同じである。]
テトラカルボン酸二無水物(i)としては、例えば無水ピロメリット酸(PMDA)、オキシジフタル酸二無水物(ODPA)、ビフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物(BPDA)、ベンゾフェノン−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物(BTDA)、ジフェニルスルホン−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物(DSDA)、4,4’−(2,2−ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物(6FDA)、m(p)−ターフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物等の炭素数6〜18の芳香族テトラカルボン酸二無水物;シクロブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、1−カルボキシメチル−2,3,5−シクロペンタントリカルボン酸−2,6:3,5−二無水物等の炭素数4〜6の脂環式テトラカルボン酸二無水物等が挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。
反応は、化合物(e),(h)と、テトラカルボン酸二無水物(i)とを所定の割合で溶媒に加え、アルゴンガス、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下、反応温度を100〜300℃、好ましくは135〜200℃、より好ましくは140〜160℃とし、反応時間を1時間〜10時間程度にして行えばよい。これにより、化合物(e)と化合物(h)とが共重合した共重合体(B)を含む溶液(以下、「共重合体(B)溶液」と言う。)が得られる。共重合体(B)は、共重合体(A)をイミド化する前の共重合体である。すなわち、共重合体(B)は、イミド変性エラストマーの前駆体であり、下記式(j)で表されるポリアミック酸である。
Figure 2012218400
[式中、R1〜R6,nは、前記と同じである。]
化合物(e)と化合物(h)との混合比は、固形分換算による重量比で、化合物(e):化合物(h)=99:1〜1:99の範囲にするのが好ましく、99:1〜20:80の範囲にするのがより好ましい。これにより、前記一般式(I)で表される構造単位と、前記一般式(II)で表される構造単位との共重合比が、重量比で、99:1〜1:99、好ましくは99:1〜20:80になる。
特に化合物(e)の割合を多くすると、ウレタン構造単位の割合が多くなるので、イミド化後の共重合体(A)の耐摩耗性や引張強度が向上する傾向にある。化合物(e)の割合を多くする場合、化合物(e)と化合物(h)との混合比は、固形分換算による重量比で、化合物(e):化合物(h)=99:1〜60:40の範囲にするのが好ましく、99:1〜80:20の範囲にするのがより好ましい。これにより、前記一般式(I)で表される構造単位と、前記一般式(II)で表される構造単位との共重合比が、重量比で、99:1〜60:40、好ましくは99:1〜80:20になる。
化合物(e),(h)とテトラカルボン酸二無水物(i)との混合は、化合物(e)の合成で使用した第1ジアミン化合物(d)と化合物(h)の合成で使用した第2ジアミン化合物(g)との合計モル数をA、テトラカルボン酸二無水物(i)のモル数をBとしたとき、A:B=1:2〜1:2.02の範囲となる割合で混合するのが好ましい。これにより、確実にウレア結合部にイミドユニットを導入することができる。
使用できる溶媒としては、反応行程式(B),(C)の溶液重合反応で例示したのと同じ溶媒が挙げられる。なお、反応行程式(B),(C)において溶液重合反応で化合物(e),(h)を得た場合には、該溶媒中で反応を行えばよい。
ついで、前記で得た共重合体(B)をイミド化(脱水縮合反応)して共重合体(A)を得る。イミド化は、共重合体(B)が熱分解しない条件で行えばよく、具体的には、反応温度を150〜250℃とし、反応時間を90分〜150分程度にして行えばよい。イミド化前に、共重合体(B)を70〜200℃程度、20分〜3時間程度の条件で熱処理することによって、溶媒を揮発させてもよい。
ここで、本実施形態の離型材は、共重合体(B)を上述した繊維に保持させて100℃を超える温度に加熱しながら加圧するとともに、この加圧と同時か、または加圧後に共重合体(B)をイミド化してなる。すなわち、イミド化前の共重合体(B)は、イミド化後の共重合体(A)よりも剛性が低い。この共重合体(B)を繊維に保持させて100℃を超える温度、好ましくは100℃を超え230℃以下、より好ましくは110〜230℃、さらに好ましくは120〜220℃、さらに好ましくは130〜210℃に加熱しながら加圧すると、共重合体(B)が適度な柔軟性を示すようになり、繊維の凹凸が共重合体(B)によって被覆され、離型材の表面が平滑になる。具体的には、JIS B 0601 1994(表面粗さ−定義及び表示)に準拠してKEYENCE社製のレーザー顕微鏡「VK−8710」を用いて測定される算術平均粗さ(Ra)が、通常、10μm以下になり、好ましくは4〜10μmになる。その結果、共重合体(A)の有する離型性が向上し、優れた離型性が得られるようになる。
共重合体(B)を繊維に保持させる方法としては、効率よく保持させる上で、繊維を共重合体(B)溶液に浸漬して引き上げた後にイミド化するディップ法が好適である。また、ディップ法に代えて、共重合体(B)溶液を繊維上にロールtoロールでコーティングした後にイミド化するようにしてもよい。さらに共重合体(B)溶液を繊維に塗布するか、または噴霧した後にイミド化するようにしてもよい。
加熱は、ヒータ等の加熱手段を用いて行うことができる。加圧は、一対の熱板を備えたプレス装置の他、ベルトプレス装置やロールプレス装置等の各種のプレス装置を用いて行うことができる。ベルトプレス装置やロールプレス装置等を採用すると、連続して加圧を行うことができる。加圧における圧力としては、0.2MPa以上であるのが好ましく、0.2〜10MPaであるのがより好ましく、0.4〜10MPaであるのがさらに好ましい。
一方、共重合体(B)をイミド化してなる共重合体(A)の重量平均分子量としては、10,000〜1,000,000であるのが好ましく、15,000〜150,000であるのがより好ましく、20,000〜100,000であるのがさらに好ましい。共重合体(A)の重量平均分子量があまり小さいと、耐熱性および耐摩耗性が低下するおそれがあり、またあまり大きいと、成形性が低下するおそれがある。前記重量平均分子量は、共重合体(B)をGPCで測定し、得られた測定値をポリスチレン換算した値から導き出した値である。なお、共重合体(A)ではなく、共重合体(B)をGPCで測定するのは、共重合体(A)がGPCの測定溶媒に不溶なためである。
共重合体(A)からなるイミド変性エラストマーは、そのイミド分率、すなわちイミド変性エラストマー中のイミド成分の割合を調整することによって、弾性率を任意に調整することができる。イミド分率は、弾性率等に応じて任意に選定すればよく、特に限定されるものではないが、通常、5〜45重量%、好ましくは5〜40重量%であるのがよい。
イミド分率は、第1ジイソシアナート(a)、ポリオール(b)、第1ジアミン化合物(d)、第2ジイソシアナート(f)、第2ジアミン化合物(g)、化合物(e),(h)およびテトラカルボン酸二無水物(i)の仕込み量から算出される値であり、下記式(α)から算出される値である。
Figure 2012218400
イミド分率によって調整されるイミド変性エラストマーの弾性率としては、1.0×106〜1.0×109Pa程度であるのが好ましい。弾性率は、後述するように、動的粘弾性測定装置を用いて測定して得られる50℃での貯蔵弾性率E’の値である。
本実施形態の離型材は、太陽電池モジュールの製造用途の他、例えばヒートシール用途、非粘着用途、熱処理用途、プラスチック加工用途、高周波乾燥用途等に使用することができる。具体例を挙げると、本実施形態の離型材からなる太陽電池モジュール製造用離型シート、本実施形態の離型材からなるベルト等が挙げられる。
上述したベルトとしては、例えば食品用搬送ベルト、基板搬送用ベルト、接着剤使用工程やポリマー合成工程等で使用される搬送ベルトの他、駆動用ベルト、サクション(穴あき)ベルト等が挙げられる。特に、ブラシ等によるベルト表面の清掃工程が組み込まれた用途では耐摩耗性が要求されるため、本実施形態の離型材からなるベルトを特に好適に用いることができる。
上述したベルトは、後述する実施例で説明するようなカットされたベルト両端部を熱プレスによって突き合わせて溶着した継手部を有する無端状のエンドレスベルトであってもよいし、継手部のないシームレスベルトであってもよい。
継手部を有する無端状のエンドレスベルトを作製する際における繊維に保持させた共重合体(B)のイミド化前の100℃を超える温度に加熱しながらの加圧は、継手部の形成前であってもよいし、継手部の形成と同時か、または形成後であってもよい。また、継手部を有する無端状のエンドレスベルトを作製する際には、別途、共重合体(B)からなるシートを作製し、このシートをベルト両端部の突き合わせ部に位置するベルトの片面または両面に積層し、この状態で熱プレスするのが好ましい。
一方、継手部のないシームレスベルトは、耐久性に優れており、例えば遠心成形法等によって作製することができる。
また、本実施形態の離型材は、ゴム弾性を有することから、例えばダイヤフラム、パッキン、ガスケット等にも使用することができる。本実施形態の離型材の用途は、例示したこれらの用途に限定されるものではなく、離型性および耐摩耗性が要求される分野において、好適に用いることができる。
以上、本発明にかかる好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意のものとすることができることは言うまでもない。例えば、上述した一実施形態にかかる繊維は、イミド変性エラストマーを保持する保持材として使用するものであるが、フィラー(充填材)としても使用することができる。また、前記繊維からなるフィラーと、他のフィラーとを組み合わせて使用してもよい。さらに、前記繊維からなるフィラーに代えて、他のフィラーのみを使用してもよい。他のフィラーとしては、例えば短繊維や長繊維、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、シリカ等の補強フィラー;無機フィラー;ナノサイズフィラー等が挙げられ、これら以外の各種の公知のフィラーを使用することもできる。さらに、不織布や織布の形態をとるものと複合化させることもできる。
イミド変性エラストマーにフィラーを加える方法としては、各種の公知の方法を採用することができる。具体例を挙げると、例えばロール、インターミックス、バンバリー等を用いてイミド変性エラストマーにフィラーを混練投入してもよいし、二軸押出機等の押出機でイミド変性エラストマーにフィラーを充填してもよい。フィラーが溶剤に可溶の場合には、フィラーを溶剤に溶かした状態でイミド変性エラストマーに混練してもよい。また、フィラーを、イミド変性エラストマーを得る前の中間段階の液状のものや、イミド変性エラストマーの合成に使用する薬品と共に充填してから合成を完了させる方法でもよい。その他の構成は、上述した一実施形態にかかる離型材と同様である。
また、上述した一実施形態では、イミド変性エラストマーの前駆体である共重合体(B)を繊維に保持させているが、この共重合体(B)に代えて、離型性を有し、かつ耐摩耗性に優れている重合体の前駆体を採用し、この前駆体を繊維に保持させて加熱加圧するとともに、この加熱加圧と同時か、または加熱加圧後に前記前駆体を反応させるようにしてもよい。
以下、合成例および実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の合成例および実施例のみに限定されるものではない。
共重合体(B)を、上述した反応工程式(A)〜(D)に基づいて合成した。合成例に使用した材料は、次の通りである。
・第1,第2ジイソシアナート(a),(f):4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナートである三井化学(株)製の商品名「コスモネートPH」を用いた。
・ポリオール(b):ポリカーボネートジオール(1)である旭化成ケミカルズ社製の「デュラノール T5652」を用いた。このポリカーボネートジオール(1)は、重量平均分子量が2,000であり、前記式(1)中、xは5または6、yは14〜15の整数を示す。
・第1ジアミン化合物(d):4,4’−ジアミノジフェニルメタンである三井化学(株)製の商品名「MDA−220」を用いた。
・第2ジアミン化合物(g):前記一般式(3)で表される化合物である信越化学工業(株)製の商品名「X−22−161B」を用いた。この化合物は、前記一般式(3)中、R1およびR2が、いずれもプロピレン基を示す。R3〜R6は、いずれもメチル基を示す。mは30〜40の整数を示す。
・テトラカルボン酸二無水物(i):三菱ガス化学(株)製の無水ピロメリット酸を用いた。
<合成例>
(ウレタンプレポリマー(c)の合成)
まず、第1ジイソシアナート(a)を減圧蒸留し、ポリオール(b)を80℃、2〜3mmHg、24時間の条件で減圧乾燥した。ついで、第1ジイソシアナート(a)35gと、ポリオール(b)140gとを、攪拌機およびガス導入管を備えた500mlの四つ口セパラブルフラスコにそれぞれ加え、窒素ガス雰囲気下、80℃で2時間攪拌して、分子両末端にイソシアナト基を有するウレタンプレポリマー(c)を得た。このウレタンプレポリマー(c)をGPCで測定した結果、ポリスチレン換算した値で重量平均分子量は11,000であった。
(ポリウレタン−ウレア化合物(e)の合成)
まず、第1ジアミン化合物(d)を、該第1ジアミン化合物(d)とウレタンプレポリマー(c)とを合計した固形分濃度が15重量%の割合になるように計量した三菱化学社製のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に加えて溶解した。ついで、この溶液全量を、上記で得たウレタンプレポリマー(c)に加えて混合溶液を得た。この混合溶液において、残存イソシアナート(残存イソシアナト基)とアミンとの割合は、等モルにした。この混合溶液を窒素ガス雰囲気下、室温(23℃)で24時間攪拌して、固形分濃度15重量%のポリウレタン−ウレア化合物(e)の溶液を得た。
(ポリシロキサン−ウレア化合物(h)の合成)
まず、第2ジアミン化合物(g)207.57gを、攪拌機およびガス導入管を備えた500mlの四つ口セパラブルフラスコに加え、60℃、2〜3mmHg、2時間の条件で減圧乾燥した。ついで、固形分濃度が60重量%になるようにシクロヘキサノン150gで第2ジアミン化合物(g)を溶解した。
この溶液に第2ジイソシアナート(f)17.43gを加え、窒素ガス雰囲気下、60℃で4時間攪拌した後、温度を60℃から室温(23℃)に下げ、この温度で24時間攪拌して、ポリシロキサン−ウレア化合物(h)の溶液を得た。このポリシロキサン−ウレア化合物(h)の溶液は、シクロヘキサノン1125gに加えて、固形分濃度を15重量%に調整した。
(共重合体(B)の合成)
まず、上記で得たポリウレタン−ウレア化合物(e)の溶液に、ポリシロキサン−ウレア化合物(h)の溶液を加えて攪拌した。化合物(e)と化合物(h)との混合比は、固形分換算による重量比で、化合物(e):化合物(h)=90:10にした。
ついで、窒素ガス雰囲気下、温度を室温(23℃)から150℃に昇温した後、テトラカルボン酸二無水物(i)を所定の割合で加えた。この溶液に、固形分濃度が15重量%になるように所定量のNMPをさらに加え、150℃で7時間攪拌して、共重合体(B)溶液を得た。
(共重合体(A)の物性)
共重合体(B)溶液から得られる共重合体(A)の物性として、イミド分率、弾性率および重量平均分子量を測定した。具体的には、まず、得られた共重合体(B)溶液を遠心成形機の金型に流し込み、120℃で300rpm、2時間遠心成形して共重合体(B)をシート状に成形した。ついで、このシート状に成形した共重合体(B)を金型ごと減圧デシケータ内で200℃、2時間加熱処理(脱水縮合反応)してイミド化し、前記一般式(I)中のnが1〜100であり、厚さが0.1mmであるシート状の共重合体(A)を得た。この共重合体(A)について、イミド分率、弾性率および重量平均分子量を測定した。
測定結果は、次の通りである。
・イミド分率:28重量%
・弾性率:2×108Pa
・重量平均分子量:44,000
なお、イミド分率は、上述した式(α)から算出した。弾性率は、セイコーインスツルメンツ社(Seiko Instruments Inc.)製の動的粘弾性測定装置「DMS 6100」を用いて、10Hz、5℃/分、−100〜400℃の昇温過程において、50℃での貯蔵弾性率E’を測定した。重量平均分子量は、共重合体(B)をGPCで測定し、得られた測定値をポリスチレン換算した値から導き出した。また、共重合体(A)について、ATR法にてIRスペクトルを測定した結果、1780cm-1、1720cm-1および1380cm-1にイミド環に由来する吸収が観察された。
[実施例I]
<離型材の作製>
まず、得られた共重合体(B)溶液を繊維上にロールtoロールでコーティングし、80℃で30分間熱処理をし、これにより共重合体(B)を繊維に保持させた。用いた繊維は、次の通りである。
・繊維:ユニチカ社製のガラス繊維「H201 M 104F」を用いた。このガラス繊維は、質量210g/m2、厚さ0.18mm、平織り、織密度(縦×横)42×32本/25mmである。
ついで、このガラス繊維に保持させた共重合体(B)を加圧するとともに、加圧後に共重合体(B)を200℃で2時間かけて加熱処理(脱水縮合反応)してイミド化し、ガラス繊維に保持させた共重合体(A)からなる厚さ0.4mmのシート状の離型材を得た(表1中の試料No.I−1〜6)。
加圧は、ガラス繊維に保持させた共重合体(B)を、プレス装置が備える一対の熱板の間に挟むことによって行った。このプレス装置において、対向する熱板の各々の表面には、織布とゴムの積層体からなる弾性層と、ポリテトラフルオロエチレンからなる離型層とが、この順に積層されている。また、熱板には、その表面温度を制御可能なように、ヒータが内蔵されている。
加圧条件は、次の通りである。
・圧力:表1に示す通りである。
・温度:190℃
・時間:10分
<評価>
得られた各離型材(表1中の試料No.I−1〜6)と、ガラス繊維に保持させたポリテトラフルオロエチレンからなる厚さ0.24mmのシート状の離型材である中興化成工業社製の「FGF−500−10」(表1中の試料No.I−7)について、180°剥離強度を評価した。評価方法を以下に示すとともに、その結果を表1に示す。
(180°剥離強度)
まず、エチレンビニルアセテート樹脂からなる幅100mm、厚さ0.15mmのシートに、離型材を150℃の温度をかけながらプレスして融着させた。ついで、23℃の雰囲気温度下、ロードセルを用いて300mm/分の速度で離型材を前記シートから180°剥離し、JIS Z0237に準拠して180°剥離強度を測定した。
Figure 2012218400
表1から明らかなように、共重合体(B)をガラス繊維に保持させて100℃を超える温度に加熱しながら加圧するとともに、加圧後に共重合体(B)をイミド化してなる試料No.I−2〜6は、加圧せずに共重合体(B)をイミド化してなる試料No.I−1、およびガラス繊維に保持させたポリテトラフルオロエチレンからなる試料No.I−7よりも、180°剥離強度の値が小さいことから、離型性に優れているのがわかる。
[実施例II]
表2に示す試料No.II−1〜12にかかる離型材を用いて、上述した実施例Iと同様にして180°剥離強度を評価するとともに、算術平均粗さ(Ra)およびテーバー摩耗量を評価した。
具体的には、加圧条件を次のようにした以外は、上述した実施例Iと同様にして、ガラス繊維に保持させた共重合体(A)からなる厚さ0.4mmのシート状の離型材を得た(表2中の試料No.II−1〜9)。
・圧力:8.4MPa
・温度:表2に示す通りである。
・時間:10分
また、加圧条件を次のようにし、加圧と同時に共重合体(B)をイミド化した以外は、上述した実施例Iと同様にして、ガラス繊維に保持させた共重合体(A)からなる厚さ0.4mmのシート状の離型材を得た(表2中の試料No.II−10)。
・圧力:8.4MPa
・温度:表2に示す通りである。
・時間:2時間
上述した実施例Iと同様にしてガラス繊維に保持させた共重合体(B)を、200℃で2時間かけて加熱処理してイミド化した後、上述した試料No.II−1〜9と同様にして加圧し、これによりガラス繊維に保持させた共重合体(A)からなる厚さ0.4mmのシート状の離型材を得た(表2中の試料No.II−11)。
表2に示す試料No.II−12にかかる離型材として、上述した試料No.I−7と同じ離型材、すなわちガラス繊維に保持させたポリテトラフルオロエチレンからなる厚さ0.24mmのシート状の離型材である中興化成工業社製の「FGF−500−10」を用いた。
(算術平均粗さ(Ra))
JIS B 0601 1994(表面粗さ−定義及び表示)に準拠してKEYENCE社製のレーザー顕微鏡「VK−8710」を用いて測定した。
(テーバー摩耗量)
JIS K 7204 1999(プラスチック−摩耗輪による摩耗試験方法)に準拠して(株)安田精機製作所製のテーバー摩耗試験機「5150 ABRASER」の摩耗輪H−18を1000回転させたときの離型材の摩耗量を測定した。
Figure 2012218400
表2から明らかなように、共重合体(B)をガラス繊維に保持させて100℃を超える温度に加熱しながら加圧するとともに、加圧後に共重合体(B)をイミド化してなる試料No.II−5〜9、および加圧と同時に共重合体(B)をイミド化してなる試料No.II−10は、加圧せずに共重合体(B)をイミド化してなる試料No.II−1、加圧における温度が100℃以下である試料No.II−2〜4、共重合体(B)をイミド化した後に加圧してなる試料No.II−11、およびガラス繊維に保持させたポリテトラフルオロエチレンからなる試料No.II−12よりも、180°剥離強度の値が小さいことから、離型性に優れているのがわかる。また、試料No.II−5〜10は、ガラス繊維に保持させたポリテトラフルオロエチレンからなる試料No.II−12よりもテーバー摩耗量の値が小さいことから、耐摩耗性にも優れているのがわかる。
[実施例III]
<ベルトの作製>
まず、上述した実施例Iと同様にして、ガラス繊維に保持させた共重合体(B)からなる厚さ0.4mmのシート(a)を得た。また、別途、上述した合成例で得られた共重合体(B)溶液をキャスティングによって製膜し、共重合体(B)からなる厚さ0.1mmのシート(b)を得た。シート(b)は、後述するベルト両端の噛み合わせ部(継手部)の貼り合せに使用するものであり、共重合体(B)がガラス繊維に保持されていないものである。
得られたシート(a),(b)のうち、シート(a)から幅20mm、長さ1,000mmの帯状にベルトを切り出すとともに、切り出したベルトの両端を、鋸刃状に打ち抜き加工した。具体的には、互いに隣接する山の頂上間の距離が10mm、山の頂上から谷底までの距離が70mmとなるような鋸刃状に、ベルトの両端を打ち抜き加工した。
ついで、打ち抜き加工した鋸刃状のベルト両端同士を噛み合わせた後、幅20mm、長さ70mmの形状に成形した上述のシート(b)を、噛み合わせ部に位置するベルトの片面に積層し、ベルト全体を加圧した。
加圧は、上述した実施例Iと同じプレス装置を用いて行った。具体的には、上述したプレス装置が備える一対の熱板の間にベルトの一部を挟むことによって加圧した後、ベルトをずらし、加圧されていないベルトの一部を一対の熱板の間に挟むことによって加圧する操作を繰り返し、ベルト全体を加圧した。
加圧条件は、次の通りである。
・圧力:0.4MPa
・温度:170℃
・時間:10分
そして、加圧後に、ベルトおよびシート(b)を構成する各々の共重合体(B)を200℃で2時間かけて加熱処理してイミド化し、継手部を有する無端状の平ベルトを得た(表3中の試料No.III−1)。
一方、上述した実施例IIにおける試料No.II−11の離型材、すなわちガラス繊維に保持させた共重合体(A)からなり、かつ共重合体(B)をイミド化した後に加圧してなる厚さ0.4mmのシート状の離型材から、幅20mm、長さ1,000mmの帯状にベルトを切り出すとともに、切り出したベルトの両端を、上述した試料No.III−1と同様にして鋸刃状に打ち抜き加工した。
ついで、打ち抜き加工した鋸刃状のベルト両端同士を噛み合わせた後、上述した試料No.III−1と同様にして得た幅20mm、長さ70mmのシート(b)を、噛み合わせ部に位置するベルトの片面に積層し、ベルトを加圧した。
加圧は、噛み合わせ部に位置するベルトのみを加圧した以外は、上述した試料No.III−1と同様にして行った。そして、加圧後に、シート(b)を構成する共重合体(B)を200℃で2時間かけて加熱処理してイミド化し、継手部を有する無端状の平ベルトを得た(表3中の試料No.III−2)。
<評価>
得られた平ベルトについて、引張試験を行った。評価方法を以下に示すとともに、その結果を表3に示す。
(引張試験)
平ベルトのうち継手部のない領域に位置するベルト本体部から、幅20mm、長さ100mmの短冊状にベルト本体部試験片を切り出した。また、平ベルトのうち継手部を含む領域から、幅20mm、長さ100mmの短冊状に継手部試験片を切り出した。
切り出した各試験片について、JIS K 6251に準拠して引張速度200mm/分の条件で引張強度を測定した。得られた測定値を、式:(継手部試験片の引張強度/ベルト本体部試験片の引張強度)×100に当てはめ、継手効率(%)を算出した。
Figure 2012218400
表3から明らかなように、試料No.III−1は、試料No.III−2よりも、継手部の引張強度が高く、継手効率にも優れているのがわかる。また、離型性および耐摩耗性に優れるエンドレスベルトを提供することができた。
1 積層体
2 太陽電池セル
3 封止剤
4 保護ガラス
5 バックシート
10 太陽電池モジュール
50 熱板
51 離型シート

Claims (12)

  1. 繊維に保持させた、イミド変性エラストマーからなる離型材であって、
    前記イミド変性エラストマーは、下記一般式(I)で表される構造単位と、下記一般式(II)で表される構造単位との共重合体(A)からなり、
    この共重合体(A)のイミド化前の共重合体(B)を、前記繊維に保持させて100℃を超える温度に加熱しながら加圧するとともに、この加圧と同時か、または加圧後に前記共重合体(B)をイミド化してなることを特徴とする離型材。
    Figure 2012218400
    [式(I),(II)中、R1およびR4は、それぞれ同一または異なる基であって、芳香族環または脂肪族環を含む2価の有機基を示す。R2は、重量平均分子量300〜10,000の2価の有機基を示す。R3は、芳香族環、脂肪族環または脂肪族鎖を含む2価の有機基を示す。R5は、シロキサン結合を有する2価の基を示す。R6は、4個以上の炭素を含む4価の有機基を示す。nは1〜100の整数を示す。]
  2. 前記繊維が、ガラス繊維である請求項1記載の離型材。
  3. 前記一般式(I)で表される構造単位と、前記一般式(II)で表される構造単位との共重合比が、重量比で、99:1〜1:99である請求項1または2記載の離型材。
  4. 前記共重合体(B)は、
    第1ジイソシアナートとポリオールから得た分子両末端にイソシアナト基を有するウレタンプレポリマーを、第1ジアミン化合物でウレア結合により鎖延長したポリウレタン−ウレア化合物と、
    第2ジイソシアナートを、シロキサン結合を有する第2ジアミン化合物でウレア結合により鎖延長したポリシロキサン−ウレア化合物と、
    テトラカルボン酸二無水物と、の混合物を反応させることによって得られる請求項1〜3のいずれかに記載の離型材。
  5. 前記ポリオールが、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールから選ばれる少なくとも1種である請求項4記載の離型材。
  6. 前記ポリカーボネートポリオールが、下記式(1)で表されるポリカーボネートジオールである請求項5記載の離型材。
    Figure 2012218400
    [式中、xは5または6の整数を示す。yは1〜76の整数を示す。]
  7. 前記ポリエステルポリオールが、下記式(2)で表されるポリエステルジオールである請求項5または6記載の離型材。
    Figure 2012218400
    [式中、zは1〜37の整数を示す。]
  8. 前記第2ジアミン化合物が、下記一般式(3)で表される化合物である請求項5〜7のいずれかに記載の離型材。
    Figure 2012218400
    [式中、R1およびR2は、それぞれ同一または異なる基であって、アルキレン基を示す。R3〜R6は、それぞれ同一または異なる基であって、水素、アルキル基、フェニル基を示す。mは8〜160の整数を示す。]
  9. 前記加圧における圧力が、0.2MPa以上である請求項1〜8のいずれかに記載の離型材。
  10. 算術平均粗さ(Ra)が、10μm以下である請求項1〜9のいずれかに記載の離型材。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の離型材からなる太陽電池モジュール製造用離型シート。
  12. 請求項1〜10のいずれかに記載の離型材からなるベルト。
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