JP4953964B2 - 精密駆動用シームレスベルト - Google Patents
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Description
しかしながら、ポリイミド樹脂からなるシームレスベルトは、回転ムラおよび低緩和特性は要求特性を満たすものの、表面摩擦係数(μ)が低いという問題がある。一般に、表面摩擦係数(μ)が低いベルトは必要伝達力を得るために高張力に設定する必要があるが、これはベルトに対する負荷および機械設計上、望ましくない。
(1)一対のプーリ間に張設されるシームレス状の精密駆動用ベルトであって、前記プーリに当接する裏面層と、この裏面層上に積層される表面層とを備え、前記裏面層がイミド変性エラストマーからなり、前記表面層がポリイミド樹脂からなることを特徴とする精密駆動用シームレスベルト。
(2)一対のプーリ間に張設されるシームレス状の精密駆動用ベルトであって、イミド変性エラストマーからなることを特徴とする精密駆動用シームレスベルト。
(3)前記イミド変性エラストマーは、イミド変性ポリウレタンエラストマーである前記(1)または(2)記載の精密駆動用シームレスベルト。
(4)前記イミド変性ポリウレタンエラストマーは、下記一般式(I):
(5)破断強度(TB)が100MPa以上である前記(1)〜(4)のいずれかに記載の精密駆動用シームレスベルト。
(6)前記イミド変性エラストマーの表面摩擦係数(μ)が0.3以上である前記(1)〜(5)のいずれかに記載の精密駆動用シームレスベルト。
(7)応力保持率が80%以上である前記(1)〜(6)のいずれかに記載の精密駆動用シームレスベルト。
なお、本発明における前記「イミド変性エラストマー」とは、イミド成分を有するエラストマーのことを意味し、前記イミド成分の割合(イミド分率)によって樹脂も含む概念である。
前記nは1〜100の整数、好ましくは2〜50の整数を示す。前記mは2〜100の整数、好ましくは2〜50の整数を示す。
前記反応行程式(A)に示すように、まず、ジイソシアナート(a)とポリオール(b)から分子両末端にイソシアナート基を有するポリウレタンプレポリマー(c)を得る。PIUE(I)は、このポリウレタンプレポリマー(c)をエラストマー成分とするので、ゴム状領域(室温付近)の弾性率が低くなり、よりエラスティックにすることができると共に、このポリウレタンプレポリマー(c)の分子量を制御することにより、主鎖に連続した2つのイミドユニットを、その分布を制御しつつ所望の割合で導入することが可能となる。
前記で得られたポリウレタンプレポリマー(c)を用いて、反応行程式(B)に従ってイミド前駆体であるポリウレタン−ウレア化合物(e)を合成する。すなわち、ポリウレタンプレポリマー(c)をジアミン化合物(d)でウレア結合により鎖延長してポリウレタン−ウレア化合物(e)を得る。
前記で得られたポリウレタン−ウレア化合物(e)を用いて、反応行程式(C)に従ってPIUE(I)を合成する。すなわち、テトラカルボン酸二無水物(f)でウレア結合部にイミドユニットを導入してブロック共重合体であるPIUE(I)を得る。
その他の構成は、前記した一実施形態にかかるベルト1と同様であるので、説明を省略する。
まず、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)(h)[日本ポリウレタン工業(株)社製]を減圧蒸留した。また、ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)(i)[保土谷化学(株)社製の商品名「PTMG1000」、重量平均分子量:1,000]を80℃、2〜3mmHg、24時間の条件で減圧乾燥した。
前記で得たポリウレタンプレポリマー(j)10gを脱水処理したN−メチル−2−ピロリドン(NMP)60mlに溶解させたものと、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MDA)(k)0.378gを脱水処理したNMP20mlに溶解させたものとを、攪拌機およびガス導入管を備えた500mlの四つ口セパラブルフラスコにそれぞれ加え、アルゴン雰囲気下、室温(23℃)で24時間攪拌して、ポリウレタン−ウレア化合物(l)の溶液を得た。
前記で得たポリウレタン−ウレア化合物(l)の溶液中に、無水ピロメリット酸(PMDA)(m)0.831gを加え、アルゴンガス雰囲気下、150℃で2時間攪拌して、PUA溶液を得た。
MDI(h)23.8gを27.3gにし、PTMG(i)76.2gを72.7gにした以外は、上記合成例1と同様にして、重量平均分子量が2.5×104のポリウレタンプレポリマー(j)を得た。ついで、MDA(k)0.378gを0.721gにした以外は、上記合成例1と同様にして、ポリウレタン−ウレア化合物(l)の溶液を得た。このポリウレタン−ウレア化合物(l)の溶液中に加えるPMDA(m)0.831gを1.586gにした以外は、上記合成例1と同様にしてPUA溶液を得た。
MDI(h)23.8gを36.0gにし、PTMG(i)76.2gを64.0gにした以外は、上記合成例1と同様にして、重量平均分子量が0.8×104のポリウレタンプレポリマー(j)を得た。ついで、MDA(k)0.378gを1.586gにした以外は、上記合成例1と同様にして、ポリウレタン−ウレア化合物(l)の溶液を得た。このポリウレタン−ウレア化合物(l)の溶液中に加えるPMDA(m)0.831gを3.489gにした以外は、上記合成例1と同様にしてPUA溶液を得た。
まず、ポリアミド酸溶液(宇部興産(株)社製の商品名「UワニスA」)を、遠心成形機を用いて120℃、1000rpmで90分間遠心成形して、筒状のアミド酸シートを得た。このアミド酸シートを、成形ドラムごと熱オーブンを用いて、320℃で1時間加熱処理し、厚さ80μmのポリイミド樹脂シートを得た。
PUA溶液を用いなかった以外は、前記実施例1と同様にして、厚さ80μmのシームレスベルト(すなわちポリイミド樹脂からなる単層ベルト)を得た。
上記で得た各シームレスベルトについて、破断強度(TB)、表面摩擦係数(μ)および応力保持率を測定した。各測定方法を以下に示すと共に、結果を表2に示す。
シームレスベルトを3号ダンベルで打ち抜き、標線間20mm、500mm/分の条件で、JIS K6251に準拠して引張試験を行うことにより測定した。
表面摩擦測定装置(新東科学(株)社製の「HEIDON」)を用い、荷重200g、試験速度10mm/分の条件下で、幅20mm、長さ70mmに打ち抜いたベルトサンプルをSUS板上で移動させ、測定した荷重から動摩擦係数を計算し、これを表面摩擦係数(μ)とした。なお、測定は、ベルトサンプル4つについて行い、その平均値を算出した。
幅10mm、長さ100mmに打ち抜いたベルトサンプルを、引張試験機を用いて2%伸張させ、伸張直後の引張応力M1と、1時間保持した後の引張応力M2とを、式:(M2/M1)×100に当てはめて算出した。
2 裏面層
3 表面層
10 駆動プーリ
11 従動プーリ
Claims (5)
- 一対のプーリ間に張設されるシームレス状の精密駆動用ベルトであって、前記プーリに当接する裏面層と、この裏面層上に積層される表面層とを備え、前記裏面層がイミド変性エラストマーからなり、前記表面層がポリイミド樹脂からなるとともに、前記イミド変性エラストマーが下記一般式(I):
- 一対のプーリ間に張設されるシームレス状の精密駆動用ベルトであって、イミド変性エラストマーからなるとともに、このイミド変性エラストマーが下記一般式(I):
- 破断強度(TB)が100MPa以上である請求項1記載の精密駆動用シームレスベルト。
- 前記イミド変性エラストマーの表面摩擦係数(μ)が0.3以上である請求項1〜3のいずれかに記載の精密駆動用シームレスベルト。
- 応力保持率が80%以上である請求項1〜4のいずれかに記載の精密駆動用シームレスベルト。
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