JP2012215044A - 施錠装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 例えば、バッグ等に設けられたファスナーのスライダーに取り付けた施錠用の係止具(例えば、引き手)を係合してスライダーの移動を不能とし、不正操作具による不正操作を防止し、キーによる解錠操作をして係止具の係合を解除しない限りファスナーの開閉ができないようにする施錠装置を提供する。
【解決手段】 施錠用の係止具2の挿入口3aから挿入された係止具2を係合する支軸5を中心に回動可能とされた係合用回動体6、係合用回動体6と係止具2との係合状態を維持し、係合用回動体55の回動をロックするロック用摺動体7、ロック用摺動体7による係合用回動体6の回動のロックをキーによる解錠操作により解除用摺動体9を備えた錠機構を有している。
【選択図】 図2

Description

この発明は、不正等を防止するために施錠を必要とする種々の製品に好適な施錠装置に関するものである。さらに詳しくは、例えば、ファスナーによって開閉される手持ちバッグ、手提げバッグ、ショルダーバッグ、キャスター付き旅行バッグ、リュックに例示される柔軟性のあるバッグ等に設けられたファスナーのスライダーに取り付けた施錠用の係止具(例えば、引き手)を係合してスライダーの移動を不能とし、キーによる解錠操作をして係止具の係合を解除しない限りファスナーの開閉ができないようにするのに使用できる施錠装置に関するものである。
従来、現金や小切手等の貴重品をスライドファスナーを備えたバッグに収納して移送する際、途中でバッグから貴重品が抜き取られないようにするために、バッグに施錠装置を装着しファスナーのスライダーの引き手を操作不能とする提案がなされている(特許文献1)。
特許文献1に記載の施錠装置71は、図16に示す構造をしている。そのため、ファスナーのスライダーに取り付けられた引き手81を挿入口72から挿入すると、引き手81の先端が、係合部材73のフック部74の円弧状の斜面75に当接し、さらに引き手81を押し込むと、係合部材73がスプリング76の反付勢方向に変位し、次いで、引き手81がフック部74を通過すると、係合部材73がスプリング76の付勢方向に移動し、フック部74と引き手81の係止孔82が係合することになり、ファスナーの開閉を不能とする。マグネット77は、フック部74と引き手81の係止孔82が係合した際、引き手81を磁気的に吸着し、第三者による不正操作、例えば、引き手81を挿入口72から引き抜く方向に引っ張りながら、何らかの物理的な威力を用いて施錠装置に大きな衝撃を与えても、係合部材73と引き手81とが容易に離間しないように機能するものである。
実用新案登録第3107816号公報
しかしながら、図16に示す施錠装置71は、第三者による不正操作を未だ十分には防ぐことができない。例えば、図17に示すように薄板状の不正操作具86を、引き手81が挿入された挿入口72の間隙に差し込むと、先端がフック部74の円弧状の傾斜面75に当接し、さらに不正操作具86を押し込むと、係合部材73がスプリング76の付勢力に抗し反付勢方向に変位し、マグネット77による引き手81の磁気的な吸着が解消されることになり、フック部74が引き手81の係止孔82から外れる。そうすると、引き手81を引き抜き方向に引っ張っていれば、挿入口72から引き手81を抜き取ることができ、キーによる解錠操作をすることなく、第三者が不正な操作を行うことができることになる。なお、先端がフック部74の円弧状の傾斜面75に当接してから、さらに不正操作具86を押し込む際に、引き手81を引き抜き方向に引っ張りながら、施錠装置71に大きな衝撃を与えれば、マグネット77と引き手81との磁気的な吸着を解消しやすい。
この発明は、上記のような実情に鑑み鋭意研究の結果創案されたものであり、不正等を防止するために施錠を必要とする種々の製品に好適な施錠装置、例えば、バッグ等に設けられたファスナーのスライダーに取り付けた施錠用の係止具(例えば、引き手)を係合してスライダーの移動を不能とし、不正操作具による不正操作を防止し、キーによる解錠操作をして係止具の係合を解除しない限りファスナーの開閉ができないようにするための施錠装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、この発明の施錠装置は、(1)施錠用の係止具の挿入口から挿入された係止具を係合する支軸を中心に回動可能とされた係合部材、該係合部材と前記係止具との係合状態を維持し前記係合部材の回動をロックするロック部材、キーによる解錠操作により固定部材に対し可動となる可動部材を備えた錠機構を有し、前記可動部材に前記ロック部材による前記係合部材の回動のロックを解除する解除部が設けられていることを特徴とする。
(2)前記(1)において、前記係合部材は、前記係止具との係合解除位置と係合位置との間で支軸を中心に回動可能とされた係合用回動体であって、前記係止具の先端との当接部と、前記係止具の係止部との係止部用係合部と、前記係止具との係合状態を維持するロック部材用係合部とを有し、第1付勢手段によって係合解除方向に付勢されており、前記ロック部材は、前記係合用回動体に対し接離可能なロック用摺動体であって、前記係合用回動体と対向する一端がロック部とされ、所定位置に前記解除部の受部が設けられ、第2付勢手段によって前記ロック部が前記係合用回動体に対し当接する方向に付勢され、前記係合用回動体の前記係止具との係合位置において、前記ロック部が前記係合用回動体の前記係合部と係合するようになっていることが好ましい。
(3)前記(2)において、前記可動部材は、前記ロック用摺動体の摺動方向と平行な方向に摺動可能とされた解除用摺動体であり、前記解除部は該解除用摺動体の一端に形成された突部であり、前記受部は前記ロック用摺動体に穿設された穴であって、前記解除用摺動体は、第3付勢手段によって非解除方向に付勢され、キー挿入口からキーを前記錠機構へ押し込む解錠操作によって、前記解除用摺動体を前記第3付勢手段の付勢力に抗し解除方向に摺動させて前記突部を前記ロック用摺動体の穴に係合させ、前記ロック用摺動体を第2付勢手段の付勢力に抗し摺動させることで、前記ロック用摺動体のロック部と前記係合用回動体の前記係合部との係合が解除されるようになっていることが好ましい。
(4)前記(1)において、前記係合部材は、前記係止具との係合解除位置と係合位置との間で支軸を中心に回動可能とされた係合用回動体であって、前記係止具の先端との当接部と、前記係止具の係止部との係止部用係合部と、前記係止具との係合解除状態を維持する第1ロック部材用係合部と、前記係止具との係合状態を維持する第2ロック部材用係合部とを有し、前記ロック部材は、支軸を中心に回動可能とされたロック用回動体であって、前記係合部材と対向する一端がロック部とされ、他端に前記解除部の受部が設けられ、前記係合用回動体とロック用回動体とに付勢手段が装着され、該付勢手段によって前記係合用回動体とロック用回動体とが互いに当接する方向に付勢されていることが好ましい。
(5)前記(4)において、前記付勢手段が、リング状弾性体であることが好ましい。
(6)前記(1)において、前記係合部材は、前記係止具との係合解除位置と係合位置との間で支軸を中心に回動可能とされた係合用回動体であって、前記係止具の先端との当接部と、前記係止具の係止部との係止部用係合部と、前記係止具との係合解除状態を維持する第1ロック部材用係合部と、前記係止具との係合状態を維持する第2ロック部材用係合部とを有し、第1付勢手段によって係合解除方向に付勢されており、前記ロック部材は、支軸を中心に回動可能とされたロック用回動体であって、前記係合用回動体と対向する一端にロック部が、他端に前記解除部の受部が設けられ、第2付勢手段によって前記係合用回動体と当接する方向に付勢されていることが好ましい。
(7)前記(4)、(5)または(6)において、前記可動部材は、内筒であり、前記解除部は前記内筒に設けられたカムであり、前記受部は前記ロック用回動体に設けられた突部であって、キー挿入口からキーを前記錠機構に差し込んで回動させる解錠操作により、前記カムが前記ロック用回動体の突部に当接し、前記ロック用回動体を支軸を中心に解除方向に回動させ、前記ロック用回動体のロック部と前記係合用回動体の前記第2ロック部材用係合部との係合が解除されるようになっていることが好ましい。
(8)前記(2)ないし(7)のいずれかにおいて、前記係止具の係止部が係止孔であって、前記係合用回動体の係止部用係合部が突部であり、ロック部材用係合部が切欠であることが好ましい。
(9)前記(8)において、 前記係止具が、ファスナーのスライダーに取り付けた引き手であることが好ましい。
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
すなわち、この発明の施錠装置を、施錠する必要のある各種の製品に適用することで、キーによる解錠操作をして係止具の係合を解除しない限り開閉ができず、不正操作具による不正操作を確実に防止することができる。そのような製品としては、ファスナー付きのバッグ、旅行用や運搬用のハードケース、容器、家具や事務用品の扉や引き出し、遊技機の前扉、窓、ドア、戸の如き開閉機能を有する製品が例示できる。そこで、例えば、この発明の施錠装置を、ファスナー付きのバッグ等に使用した場合について説明すると、ファスナーのスライダーに取り付けた施錠用の係止具(例えば、引き手)を、挿入口から挿入すると、支軸を中心に回動可能とされた係合部材が係止具との係合位置に回動し、係合部材と係止具とが係合する。それに伴い、ロック部材は、係合部材と係止具との係合状態をロックすることになる。その結果、ファスナーのスライダーの移動を不能とすることができる。係止具と係合部材との係合は、係止具の挿入にともない、係合部材が支軸を中心に回動することで行われることから、係止具と係合部材とを係合させ、ロック部材で係合部材と係止具との係合状態をロックするのに少ない力で行うことができ、しかも、容易である。
そして、この発明の施錠装置によれば、係合部材と係止具との係合状態は、ロック部材によってロックされていることから、たとえ、不正操作具を挿入口の隙間から挿入しても、不正操作を行うには、係合部材とロック部材とのロック状態を解除することが必要であるが、係合部材が不正操作具のロック部材へのアクセスを妨げており、しかも、係合部材が不正操作具の挿入や操作の支障となることから、係合部材とロック部材とのロック状態を不正操作具によって解除することは不可能であって、第三者による不正操作の恐れがなく、結局、キーによる解錠操作をして係止具の係合を解除しない限りファスナーの開閉ができないことになり、安全である。
また、この発明の施錠装置によれば、係合部材と係止具との係合状態を解除するには、何ら複雑な操作をすることなく、単に、キーによって錠機構の解錠操作を行うだけで、解除部材によって係合部材とロック部材とのロックが確実に解除でき、その結果、係合部材が支軸を中心に回動することになり、係合部材と係止具との係合が容易に解除されることになる。
この発明の施錠装置は、何らかの物理的な威力を用いて大きな衝撃を与えても、係合部材と係止具との係合状態や、係合部材とロック部材とのロック状態が損なわれることがなく、また、構造的に頑丈であり、容易に破壊されることがなく、安全である。
この発明の施錠装置の一実施形態を示す斜視図であって、係止具、キーも示している。 図1に示す施錠装置の断面図であって、係止具が係合する前の状態を示している。 図1に示す施錠装置の分解断面図であって、図2と同様係止具が係合する前の状態を示している。 図1に示す施錠装置の断面図であって、係止具の係合状態を示しており、説明の便宜上、キーも示している。 図1に示す施錠装置の要部の分解斜視図で、図4に対応する状態を示す。 図1に示す施錠装置の不正操作時の断面図である。 図1に示す施錠装置の断面図であって、(a)はキーを挿入した時の状態、(b)はキーをさらに押し込んだ状態を示している。 図1に示す施錠装置をファスナー付きバッグに装着した状態の斜視図である。 この発明の施錠装置の他の実施形態における要部の分解斜視図である。 この発明の施錠装置のさらに他の実施形態における要部の分解斜視図である。 この発明の施錠装置のさらに他の実施形態を示す斜視図であって、係止具も示している。 図11に示す施錠装置の係止具が係合する前の状態を示し、(a)は断面図、(b)は、一部破断平面図である。 図11に示す施錠装置の係止具の係合状態を示し、(a)は断面図、(b)は、一部破断平面図である。の説明である。 図11に示す施錠装置の不正操作時の断面図である。 図11に示す施錠装置のキーによる解錠操作時の状態を示し、(a)は断面図、(b)は、一部破断平面図である。 従来の施錠装置を示す断面図である。 図16に示す施錠装置の不正操作時の断面図である。
以下、発明を実施するための形態を示し、さらに詳しくこの発明について説明する。もちろんこの発明は以下の実施の形態によって限定されるものではない。
この発明の施錠装置の一実施の形態を図1〜図8において説明する。
この施錠装置1は、施錠用の係止具2の挿入口3aから挿入された係止具2を係合する支軸5を中心に回動可能とされた係合用回動体6、係合用回動体6と係止具2との係合状態を維持し係合用回動体6の回動をロックするロック用摺動体7、ロック用摺動体7による係合用回動体6の回動のロックを、キーによる解錠操作により解除する解除用摺動体9を備えた錠機構を有している。
以下、図面に従いさらに説明するが、説明の便宜上、係止具2はファスナーのスライダーに取り付けるためのものとしている。
図1には、施錠装置1と、これに使用される係止具2、キー11も示されている。
図1に示すように、係止具2は、先端側に係止孔2aが穿設され、他端側にスライドファスナーのスライダーの取付口2bが穿設されたものである。係止具2としては、ファスナーのスライダーに取り付けられる引き手を使用できるが、引き手とは別体のものであってもよい。
キー11は、ディンプル11aを有するタイプが使用される。
図2、図3に示されるように、ケース3には、底蓋14が嵌め込まれており、係止具2の挿入口3aと、キー11の挿入口3bが形成されている。
図2は、施錠装置1の係合用回動体6に係止具2が係合していない係合解除状態にあることを示している。
係合用回動体6は、図2、図3、図5から明らかなように、係止具2の先端との当接部6aと、係止具2の係止孔2aと係合する突部6bと、係止具2との係合状態を維持するための切欠6cとを有し、支軸5を中心に、係止具2との係合解除位置と係合位置との間の所定角度範囲で回動可能とされている。
支軸5を中心に係合用回動体6を回動可能とするために、ケース3の両内側面に支軸5を受け入れる溝15がそれぞれ設けられ、底蓋14の両側に支持部14aがそれぞれ立設されており、支軸5がケース3の溝15内に嵌め込まれ、支持部14aの上面で支持される。
より具体的には、係合用回動体6には、係止具2の先端と当接する下方に突設された当接部6a、当接部6aの前方(図2で左側)に、係止具2の係止孔2aに係合する突部6bが設けられ、当接部6aの後部側(図2で右側)は切り欠かれ、ロック用摺動体7のロック部7aが当接して係止具2との係合状態を維持するための切欠6cが形成されている。係合用回動体6の突部6bは、係止具2の係止孔2aに遊嵌できるよう係止孔2aよりやや小さめのサイズとされている。
係合用回動体6は、第1バネ17によって、係合解除方向(図2で時計方向)に付勢されており、図2に示す状態である係止具2との係合解除位置では、係合用回動体6の前方部(図2で左方)がケース3内面と当接して係合用回動体6の回動が停止するようになっているがこれに限られるものではない。係合解除位置では、図2に示すように、係止具2を挿入口3aから挿入する際、係止具2の先端が係合用回動体6の突部6bに引っ掛かったりせず、当接部6aに当接させることができる。係合用回動体6は、係止具2との係合解除位置と後述する係合位置との間で支軸5を中心に回動可能となっている。
ロック用摺動体7は、図2、図3、図5から明らかなように、係合用回動体6をロックするための板状のものである。ロック用摺動体7は、ドライバーピン収容体18と底蓋14との間に配設され、図2の左右方向に摺動することで係合用回動体6に対し接離可能とされており、第2バネ19によって係合用回動体6に向けて付勢(図2で左方向)されている。第2バネ19は、ロック用摺動体7の長手方向に形成された後方切り込み溝7bとケース3の間に配設されている。
ロック用摺動体7の先端部(図2の左端部)は、ロック部7aとされ、図2における係合解除位置では、係合用回動体6の円弧状面に当接している。ロック用摺動体7のロック部7aは、後述する係合位置で、係合用回動体6の切欠6cに係合することになる。
ロック用摺動体7の所定位置(図2の左方位置)には、穴7cが穿設されている。
施錠装置1における錠機構は、固定部材に該当するドライバーピン収容体18、可動部材に該当する解除用摺動体9を有する。
解除用摺動体9は、図2、図3、図5から明らかなように、前部(図2で左方)から下方に向かう屈曲部を有しており、ドライバーピン収容体18の一対の案内溝18a、18aに沿って滑動する一対の突条9a、9aを備え、ロック用摺動体7の摺動方向と平行な方向に摺動可能となっている。
解除用摺動体9には、貫通孔9cが所定数穿設されており、各貫通孔9cにコードピン24が挿入されている。
解除用摺動体9の屈曲部の先端部は幅狭な突部9bとなっており、突部9bがロック用摺動体7の穴7cに遊嵌される。
ドライバーピン収容体18の前端面に形成された穴18bに、第3バネ21が挿入され、第3バネ21の先端が解除用摺動体9の屈曲部の裏面に当接し、解除用摺動体9を非解除方向(図2で左方)に付勢している。
図2に示す状態においては、解除用摺動体9は第3バネ21の付勢力により左方に押し出され、ケース3の内面に当接している。
ドライバーピン収容体18には、ドライバーピン挿入孔18cが所定数形成されており、各ドライバーピン挿入孔18cにコイルバネ22とドライバーピン23が挿入されている。ドライバーピン収容体18には、下方から孔塞ぎ板20が、例えば、かしめることにより固定され、各ドライバーピン挿入孔18cの下端が閉塞されている。
解除用摺動体9の下面と、ドライバーピン収容体18の上面との境界面が、錠機構のシェアーラインを構成する。
図2においては、コイルバネ22の付勢力でドライバーピン23が付勢され、ドライバーピン23の頭部がシェアーラインを越えて解除用摺動体9の貫通孔9cにまで侵入した状態でコードピン24の後端面に当接しており、解除用摺動体9は摺動不能状態にある。
なお、図5においては、コードピン24、ドライバーピン23、コイルバネ22は、3組を示し、他の組は省略している。
解除用摺動体9には、上面左右両端に一対のキー案内9d、9dが設けられており、キー案内9d、9dの間がキーの案内溝を形成しており、キー11は、キー挿入口3bからケース3内面と案内溝に沿って挿入される。
キー11をキー挿入口3bから挿入すると、キー11のディンプル11aにコードピン24の頭部が係合し、コードピン24の後端面とドライバーピン23の頭部の先端面の当接位置が、ドライバーピン収容体18の上面と面一となって、シェアーラインに一致し、解除用摺動体9がドライバーピン収容体18に対し摺動不能状態から摺動可能状態となる。そこで、さらに、キー11を押し込むと、解除用摺動体9が第3バネ21の付勢力に抗し、図2で右方に摺動することになる。
次に、この構造の施錠装置1による係止具2の係合、係合解除操作を説明する。
図2に示すように、施錠装置1の係合用回動体6は係合解除位置にあり、係止具2が係止具の挿入口3aから挿入可能な状態となっている。
より具体的には、係合用回動体6の前方部(図2で左方)がケース3内面に当接して、係合用回動体の回動が停止された状態にあり、ロック用摺動体7のロック部7aが係合用回動体6の円弧状面に当接した状態にあり、解除用摺動体9はケース3の内面に当接し、解除用摺動体9の突部9bがロック用摺動体7の穴7cに遊嵌された状態にあり、ドライバーピン23の頭部がシェアーラインを越えて解除用摺動体9の貫通孔9cにまで侵入した状態でコードピン24の後端面に当接しており、解除用摺動体9は摺動不能状態にある。
この状態において、係止具2を挿入口3aから挿入すると、係止具2の先端が係合用回動体6の当接部6aに当接する。さらに、係止具2を押し込むと、係合用回動体6は、第1バネ17の付勢力に抗し支軸5を中心に反時計方向に回動し、係合位置に至ると、係合用回動体6の突部6bが係止具2の係止孔2a内に入り込み、突起6bによって係止具2が係合された状態となる。その際、ロック用摺動体7のロック部7aは、係合用回動体6の円弧状面との当接から、瞬時に、第2バネ19の付勢力によって切欠6cとの係合に切り替わる(図4参照)。すなわち、係合用回動体6の切欠6cと係合ロック用摺動体7のロック部7aとの係合は、第2バネ19の付勢力によって係合用摺動体7が図2の左方に摺動することによって行われる。
これによって、図4に示すように、施錠装置1によって係止具2はロックされたことになり、ファスナーのスライダーの移動を不能とする。
図4に示すように施錠装置1においては、係合用回動体6と係止具2との係合状態は、ロック用摺動体7によってロックされている。従って、例えば、第三者が、図6に示すように、薄板のような不正操作具Uを挿入口3aの隙間から挿入して、不正操作を行うには、係合用回動体6とロック用摺動体7とのロック状態を解除することが必要である。ところが、係合用回動体6が不正操作具Uのロック用摺動体7へのアクセスを妨げており、しかも、係合用回動体6が不正操作具Uの挿入や操作の支障となることから、係合用回動体6とロック用摺動体7とのロック状態を不正操作具Uによって解除することは不可能であって、不正操作の恐れがなく、結局、キーによる解錠操作をして係止具の係合を解除しない限りファスナーの開閉ができないことになり、安全である。
図4に示す状態において、係合用回動体6と係止具2との係合を解除するには、キー11をキー挿入口3bから錠機構に挿入して、キー11のディンプル11aとコードピン24の頭部とを係合させると、コードピン24の後端面とドライバーピン23の頭部の先端面の当接位置が、ドライバーピン収容体18の上面と面一となって、シェアーラインに一致し、解除用摺動体9がドライバーピン収容体18に対し摺動不能状態から摺動可能状態に変わる(図7(a)参照)。そこで、さらに、キー11を押し込むと、解除用摺動体9が第3バネ21の付勢力に抗し、解除方向(図7(a)で右方)に摺動することになる。
それに伴い、解除用摺動体9の突部9bがロック用摺動体7の穴7cの縁に当接し、次いで、ロック用摺動体7が第2バネ19の付勢力に抗し、解除方向(図7(a)で右方)に摺動する。
そうすると、ロック用摺動体7のロック部7aと、係合用回動体6の切欠6cとの係合が解除されることになり、係合用回動体6は、第1バネ17の付勢力によって、瞬時に、支軸5を中心に時計方向に回動し、係止具2との係合が解除され係合解除位置に戻る。
図7(b)は、施錠装置1の係合用回動体6による係止具2の係合が解除された係合解除状態を示している。
係合用回動体6と係止具2との係合の解除がなされた瞬間に、第1バネ17の反発力によって、係合用回動体6の当接部6aが、係止具2を蹴り出すように作用することから、図7(b)に示す状態から、係止具2が施錠装置1の外へ押し出された状態となり(図示せず)、係止具2が係合解除されたことが一目瞭然となる。特許文献1の施錠装置71では、キーによって解錠しても、図16に示す位置にある係合部材73がスプリング76の付勢力に抗して上方に移動してフック部74と引き手81の係合孔82との係合が外れるだけで(詳細は特許文献1参照)、引き手81の位置には変化がなく、係合が外れたかどうかは、外からは確認できず、引き手81を引き抜き方向に引っ張ってみて初めて確認することができるしかないが、施錠装置1にはこのような欠点がない。
係合用回動体6と係止具2との係合の解除により、係止具2を手で引っ張ってスライダーを移動させることで、ファスナーを開くことが可能となる。
そして、キー11を施錠装置1から抜き取れば、図2に示す状態となる。
施錠装置1は、図8に示すように、ファスナー付きバッグBに装着し、貴重品等を入れるバッグとして使用すれば、第三者による不正操作を防止することができることになる。
施錠装置1は、係合用回動体6と係止具2との係合解除が、キー11のキー挿入口3bへの挿入、押し込みだけで行うことができ、操作が簡便であるという利点がある。
そして、施錠装置1は、錠機構が嵩張らないことから、コンパクトであって、邪魔にならずすっきりとした印象を与えるとともに、取り扱い易い利点もある。
なお、施錠装置1は、ファスナー付きのバッグ等に限られず、施錠する必要のある各種の製品、例えば、旅行用や運搬用のハードケース、容器、家具や事務用品の扉や引き出し、遊技機の前扉、窓、ドア、戸の如き開閉機能を利用した製品に適用することで、キーによる解錠操作をして係止具の係合を解除しない限り開閉ができず、不正操作具による不正操作を確実に防止することができる。
従って、例えば、図示していないが、施錠装置1を家具等の扉に装着し、施錠用の係止具を家具本体枠に取り付けた場合は、キーによる解錠操作を行うと、係合用回動体6と係止具2との係合の解除がなされた瞬間に、第1バネ17の反発力によって、係合用回動体6の当接部6aが、係止具2を押すように作用することから、その反作用で自動的に扉が本体枠から離されることになるといった利点がある。
なお、ロック用摺動体の受部は、前記した施錠装置1におけるロック用摺動体7の穴7cに限られるものではなく、例えば、突部等であってもよく、解除用摺動体とロック用摺動体との係合構造は種々の変形が可能である。
図9に、他の実施の形態としての施錠装置31の要部のみの分解斜視図を示す。これは、錠機構としてシリンダー錠33を採用したものである。シリンダー錠33の外筒が固定部材に該当し、内筒が可動部材に該当する。解除部は、内筒の錠軸に設けられた回動レバー32が該当する。なお、図9に示す錠機構は、市販されているものであることから、錠機構の詳細な内部構造の説明を省略する。
係止具(図示せず)と係合用回動体6との係合、解除操作における各部材の動作は、図2に示した施錠装置1についての説明から明らかであることから説明を省略する。
図10に、さらに他の実施の形態としての施錠装置41の要部のみの分解斜視図を示す。これは、図1における係止具の係止孔に代え、両側に切り込み42a、42aを設けた係止具42とし、施錠装置1における係合用回動体に代え、切り込み42a、42aに係合できるように一対の突起43a、43aが設けられた係合用回動体43としている。
係止具42と係合用回動体43との係合、解除操作における各部材の動作は、図2に示した施錠装置1についての説明から明らかであることから説明を省略する。
さらに他の実施の形態として図11〜図15に示す施錠装置51は、施錠用の係止具52の挿入口53aから挿入された係止具52を係合する支軸54を中心に回動可能とされた係合用回動体55、係合用回動体55と係止具52との係合状態を維持し係合用回動体55の回動をロックする支軸56を中心に回動可能とされたロック用回動体57、ロック用回動体57による係合用回動体55の回動のロックを、キーによる解錠操作により解除する内筒58を備えた錠機構を有している。
以下、図面に従いさらに説明するが、説明の便宜上、係止具52はファスナーのスライダーに取り付けるためのものとしている。
図11においては、施錠装置51と係止具52とを示している。
図11に示すように、係止具52は、先端側に係止孔52aが穿設され、他端側にスライドファスナーのスライダーの取付口52bが穿設されたものである。係止具52としては、ファスナーのスライダーに取り付けられる引き手を使用できるが、引き手とは別体のものであってもよい。
錠機構としては、シリンダー錠の一種であるディスクタンブラー錠と同様な機構が採用されている。キーとしては、図示していないが、例えば、キー溝が設けられたものが使用される。
ディスクタンブラー錠は、外筒(固定部材)内にキー挿入口を有する内筒(可動部材)が設けられ、キーが挿入口に挿入されていない状態では、内筒内に配設されたディスクタンブラーが内筒から外筒内側に突出し、外筒に対し内筒が回動不能となっており、キーがキー挿入口に挿入されると、ディスクタンブラーが内筒内に引き込まれて内筒が外筒に対して回動可能な状態となり、外筒内で内筒が外筒との境界面であるシェアーラインに沿ってキー操作により回動されるようになっている構造のもので、市販されているものである。この施錠装置51における錠機構は、固定部材に該当するケース53、可動部材に該当する内筒58を有する。図12(a)に示すように内筒58は概略して図示し、細部構造等は省略している。
図12(a)に示されるように、ケース53には、底蓋61が嵌め込まれており、係止具52の挿入口53aが形成されている。ケース53内に配設された内筒58のキーの挿入口58aには、図示していないキーが挿入される。
図12では、施錠装置51の係合用回動体55に係止具52が係合していない係合解除状態にあることを示している。図12(b)では、係止具52は省略している。
係合用回動体55は、係止具52の先端との当接部55aと、係止具52の係止孔52aと係合する突部55bと、係止具52との係合解除状態を維持するための第1切欠55cと、係止具52との係合状態を維持するための第2切欠55dと、リング状弾性体63の掛止用凹部55eを有し、支軸54を中心に、係止具52との係合解除位置と係合位置との間の所定角度範囲で回動可能とされている。
支軸54を中心に係合用回動体55を回動可能に支持するための支持部62、62が、底蓋61に対向して立設されている。
また、支持部62、62前方(図12(a)で左方)は、係止具52が挿入できるように切り欠かれている。
より具体的には、係合用回動体55には、係止具52の先端と当接する下方に突設された当接部55a、当接部55aの前方(図12(a)で左側)に、係止具52の係止孔52aに係合する突部55bが設けられ、後方上側(図12(a)で右斜め上)が2箇所切り欠かれて、上方から第1切欠55c、第2切欠55dが形成されており、また、前方上側(図12(a)で左斜め上)は切り欠かれて、リング状弾性体63の掛止用凹部55eが形成されている。係合用回動体55の突部55bは、係止具52の係止孔52aに遊嵌できるよう係止孔52aよりやや小さめのサイズとされている。
ロック用回動体57は、レバー状で支軸56を中心に回動可能とされ、底蓋61に対向して立設された支持部62、62に支軸56が支持されている。ロック用回動体57の一端は爪状のロック部57aとされ、図12における係合解除位置では、係合用回動体55の第1切欠55cに係合している。ロック用回動体57のロック部57aは、後述する係合位置で、係合用回動体55の第2切欠55dに係合することになる。
ロック用回動体57のロック部57a近傍には、リング状弾性体63の掛止用凹部57bが形成されている。
リング状弾性体63は、係合用回動体55の掛止用凹部55eとロック用回動体57の掛止用凹部57bに架け渡され、付勢力によって、係合用回動体55とロック用回動体57とが互いに当接する方向に付勢されている。リング状弾性体63としては、ゴムリングが例示されるが、これに限られるものではない。
ロック用回動体57の他端には、カム60の辺縁部60aと当接する突部57cが設けられている。
カム60は、内筒58の下部に設けられており、カム60には、内筒58の回転により、ロック用回動体57の突部57cと当接する辺縁部60aが形成されている。カム60と内筒58は一体であってもよいし、カム60と内筒58とを別体とし、カム60を内筒58の下部に固定するようにしてもよい。
キーを内筒58のキー挿入口58aに差し込んで回動させる解錠操作を行うと、後述するように、内筒58とともにカム60が回動し、カム60の辺縁部60aが、ロック用回動体57の突部57cに当接し、リング状弾性体63の付勢力に抗し、ロック用回動体57が支軸56を中心に解除方向に回動して、ロック部57aと係合用回動体の第2切欠55dとの係合が解除されることになる。
次に、この構造の施錠装置51による係止具52の係合、係合解除操作を説明する。
図12に示すように、施錠装置51の係合用回動体55は係合解除位置にあり、係止具52が係止具の挿入口53aから挿入可能な状態となっている。
より具体的には、係合用回動体55の第1切欠55cに、ロック用回動体57の爪状のロック部57aが係合しており、この係合は、リング状弾性体63の付勢力によって確実に行われ、係合用回動体55は係合解除状態に維持される。
施錠装置51の係合用回動体55が係合解除位置にある状態では、図12(a)に示されるように、ロック用回動体57の突部57cと、カム60の辺縁部60aとは、当接していない状態にある。
この状態において、係止具52を挿入口53aから挿入すると、係止具52の先端が係合用回動体55の当接部55aに当接する。さらに、係止具52を押し込むと、係合用回動体55は、リング状弾性体63の付勢力に抗し、支軸54を中心に反時計方向に回動し、係合位置に至ると、係合用回動体55の突部55bが、係止具52の係止孔52aに係合する。一方、係止具52の押し込みに伴い、係合用回動体55の第1切欠55cとロック用回動体57の爪状のロック部57aとの係合が外れ、リング状弾性体63の付勢力によって、係合用回動体55の円弧状面に、ロック用回動体57の爪状のロック部57aが当接した状態で、係合用回動体55が支軸54を中心に図12(a)の反時計方向に回動する。そして、係合用回動体55の突部55bが、係止具52の係止孔52aに係合する係合位置に至ると同時に、リング状弾性体63の付勢力によって、さらにロック用回動体57が支軸56を中心に反時計方向に回動し、瞬時にロック用回動体57の爪状のロック部57aが、係合用回動体55の円弧状面との当接状態から第2切欠55dとの係合状態へと切り替わる。
これによって、図13(a)に示すように、施錠装置51によって係止具52はロックされたことになり、ファスナーのスライダーの移動を不能とする。
図13に示すように、施錠装置51の係合用回動体55が係合位置にある状態でも、ロック用回動体57の突部57cと、カム60の辺縁部60aとは、当接していない状態にある。
錠機構は、キーが挿入されていないことから、内筒58は回動不能状態にある。
図13に示すように施錠装置51においては、係合用回動体55と係止具52との係合状態は、ロック用回動体57によってロックされている。従って、例えば、第三者が、図14に示すように、薄板のような不正操作具Uを挿入口53aの隙間から挿入して、不正操作を行うには、係合用回動体55とロック用回動体57とのロック状態を解除することが必要である。ところが、係合用回動体55が不正操作具Uのロック用回動体57へのアクセスを妨げており、しかも、係合用回動体55が不正操作具Uの挿入や操作の支障となることから、係合用回動体55とロック用回動体57とのロック状態を不正操作具Uによって解除することは不可能であって、不正操作の恐れがなく、結局、キーによる解錠操作をして係止具の係合を解除しない限りファスナーの開閉ができないことになり、安全である。
図13に示す状態において、係合用回動体55と係止具52との係合を解除するには、キー(図示せず)をキー挿入口58aから内筒58に挿入する。そうすると、内筒58が回動不能な状態から、キーによってケース53に対し回動可能となる。そこで、キーを図13(b)の時計方向に回すと、内筒58とともにカム60が回動し、その辺縁部60aが、ロック用回動体57の突部57cに当接し、リング状弾性体63の付勢力に抗し、ロック用回動体57が支軸56を中心に解除方向(図13(a)で時計方向)に回動して、ロック部57aと係合用回動体の第2切欠55dとの係合が解除されることになる。
ロック用回動体57の爪状のロック部57aと、係合用回動体55の第2切欠55dとの係合の解除されると、係合用回動体55は、リング状弾性体63の付勢力によって、支軸54を中心に時計方向に回動し、瞬時に、第1切欠55cと、ロック用回動体57の爪状のロック部57aが係合する係合解除位置に戻る。その結果、係合用回動体55の突部55bと係止具52の係止孔52aとの係合が解除される。
図15は、施錠装置51の係合用回動体55による係止具52の係合が解除された係合解除状態を示している。
係合用回動体55と係止具52との係合の解除がなされた瞬間に、リング状弾性体63の付勢力によって、係合用回動体55の当接部55aが、係止具52を蹴り出すように作用することから、図15に示す状態から、係止具52が施錠装置1の外へ押し出された状態となり(図示せず)、係止具52が係合解除されたことが一目瞭然となる。特許文献1の施錠装置71では、キーによって解錠しても、図16に示す位置にある係合部材73がスプリング76の付勢力に抗して上方に移動してフック部74と引き手81の係合孔82との係合が外れるだけで(詳細は特許文献1参照)、引き手81の位置には変化がなく、係合が外れたかどうかは、外からは確認できず、引き手81を引き抜き方向に引っ張ってみて初めて確認することができるしかないが、施錠装置51にはこのような欠点がない。
係合用回動体55と係止具52との係合の解除により、係止具52を手で引っ張ってスライダーを移動させることで、ファスナーを開くことが可能となる。
施錠装置51の係合用回動体55による係止具52の係合が解除された後、キーによって内筒58を図15(b)の反時計方向に回動し、キーを抜き取れば、図12に示す状態となる。
施錠装置51は、ファスナー付きバッグに装着し、貴重品等を入れるバッグとして使用すれば、第三者による不正操作を防止することができることになる。
施錠装置51は、リング状弾性体63を含め、全て、または、殆どを、金属を使用しないで、プラスチック等の非金属材料で製造することができる。そこで、そのような施錠装置51を、バッグ本体の材料、ファスナーの噛合歯、スライダー、係止具を非金属材料とした柔軟性のあるバッグに用いれば、金属探知機に反応しないバッグを得ることができる。
このようなバッグを、銀行、宅配便等における、例えば、現金、すなわち、硬貨、または、硬貨と紙幣の現金回収用バッグとして使用すると、銀行等の回収場所に集められたバッグから現金を取り出した後、バッグに硬貨が残っていないかどうかを金属探知機で容易に確認することができる等といった利点がある。
すなわち、このようなバッグに、現金回収作業者は集金した現金を入れ、必要な集金が終了したら、施錠装置51によって係止具を係合させて、これを回収場所である銀行等に搬送する。キーはなくても、施錠装置51によって係止具を係合させることができることから、現金回収作業者にはキーがわたされていないため、搬送中に不正操作がなされることはない。銀行等に搬送されたバッグは多数になるが、統一キーによって各バッグの施錠装置51による係止具の係合状態を解除できるようにしておけば、統一キーを使用して、多数のバッグの施錠装置51による係止具の係合状態を順次解除し、ファスナーを開いて現金を取り出し、集計に供する。ただ、このようなバッグは、構造上、バッグをひっくり返したりしても、硬貨がバッグのファスナーに引っ掛かったり、バッグのしわの間に挟まれたり等し、バッグ内に残ることがある。そこで、金属探知機によって現金を取り出した後のバッグを検査すると、仮に、硬貨がバッグに残っていれば、金属探知機は硬貨に強く反応することから、そのことが確認できる。バッグに残っていた硬貨は、直ちに、取り出して、集計に供すればよい。
そして、施錠装置51は、ケース53を錠機構の固定部材(外筒)として利用していることから、固定部材とする部材を製造する必要がなく、製造コストを低くすることができ、また、錠機構の可動部材としての内筒を特別に製造する必要がなく、市販されているものが使用できるといった利点もある。内筒としては、ディスクタンブラー錠の内筒に限られず、適宜のシリンダー錠の内筒が使用できる。
なお、ケース53内に、外筒内に内筒が回動可能とされた錠機構を配設するようにしてもよく、この場合は、錠機構として市販の錠が使用できる利点がある。この場合の錠としては、前記したディスクタンブラー錠に限られず、適宜なシリンダー錠が採用できる。
なお、施錠装置51は、ファスナー付きのバッグ等に限られず、施錠する必要のある各種の製品、例えば、旅行用や運搬用のハードケース、容器、家具や事務用品の扉や引き出し、遊技機の前扉、窓、ドア、戸の如き開閉機能を利用した製品に適用することで、キーによる解錠操作をして係止具の係合を解除しない限り開閉ができず、不正操作具による不正操作を確実に防止することができる。
従って、例えば、図示していないが、施錠装置51を家具等の扉に装着し、施錠用の係止具を家具本体枠に取り付けた場合は、キーによる解錠操作を行うと、係合用回動体55と係止具52との係合の解除がなされた瞬間に、リング状弾性体63の付勢力によって、係合用回動体55の当接部55aが、係止具52を押すように作用することから、その反作用で自動的に扉が本体枠から離されることになるといった利点がある。
前記した施錠装置51における錠機構、解除部に代え、種々の錠機構、解除部が採用可能であり、例えば、図2等に示したような錠機構を使用してもよく、そのためには構造を適宜変更すればよい。
また、前記した施錠装置51においては、付勢手段としてリング状弾性体63を係合用回動体55の掛止用凹部55eとロック用回動体57の掛止用凹部57bに架け渡した構造としたが、これに限られず、係合用回動体を付勢する付勢手段と、ロック用回動体を付勢する付勢手段をそれぞれ設けてもよい。そのための付勢手段としては、図2等で示した施錠装置1の係合用回動体6に使用したバネ17のような形式のバネを使用すればよいことから、図面、および、説明は省略する。
1 施錠装置
2 係止具
3 ケース
3a 挿入口
5 支軸
6 係合用回動体
7 ロック用摺動体
9 解除用摺動体

Claims (9)

  1. 施錠用の係止具の挿入口から挿入された係止具を係合する支軸を中心に回動可能とされた係合部材、該係合部材と前記係止具との係合状態を維持し前記係合部材の回動をロックするロック部材、キーによる解錠操作により固定部材に対し可動となる可動部材を備えた錠機構を有し、前記可動部材に前記ロック部材による前記係合部材の回動のロックを解除する解除部が設けられていることを特徴とする施錠装置。
  2. 前記係合部材は、前記係止具との係合解除位置と係合位置との間で支軸を中心に回動可能とされた係合用回動体であって、前記係止具の先端との当接部と、前記係止具の係止部との係止部用係合部と、前記係止具との係合状態を維持するロック部材用係合部とを有し、第1付勢手段によって係合解除方向に付勢されており、
    前記ロック部材は、前記係合用回動体に対し接離可能なロック用摺動体であって、前記係合用回動体と対向する一端がロック部とされ、所定位置に前記解除部の受部が設けられ、第2付勢手段によって前記ロック部が前記係合用回動体に対し当接する方向に付勢され、前記係合用回動体の前記係止具との係合位置において、前記ロック部が前記係合用回動体の前記係合部と係合するようになっていることを特徴とする請求項1記載の施錠装置。
  3. 前記可動部材は、前記ロック用摺動体の摺動方向と平行な方向に摺動可能とされた解除用摺動体であり、前記解除部は該解除用摺動体の一端に形成された突部であり、前記受部は前記ロック用摺動体に穿設された穴であって、
    前記解除用摺動体は、第3付勢手段によって非解除方向に付勢され、
    キー挿入口からキーを前記錠機構へ押し込む解錠操作によって、前記解除用摺動体を前記第3付勢手段の付勢力に抗し解除方向に摺動させて前記突部を前記ロック用摺動体の穴に係合させ、前記ロック用摺動体を第2付勢手段の付勢力に抗し摺動させることで、前記ロック用摺動体のロック部と前記係合用回動体の前記係合部との係合が解除されるようになっていることを特徴とする請求項2記載の施錠装置。
  4. 前記係合部材は、前記係止具との係合解除位置と係合位置との間で支軸を中心に回動可能とされた係合用回動体であって、前記係止具の先端との当接部と、前記係止具の係止部との係止部用係合部と、前記係止具との係合解除状態を維持する第1ロック部材用係合部と、前記係止具との係合状態を維持する第2ロック部材用係合部とを有し、
    前記ロック部材は、支軸を中心に回動可能とされたロック用回動体であって、前記係合部材と対向する一端がロック部とされ、他端に前記解除部の受部が設けられ、
    前記係合用回動体とロック用回動体とに付勢手段が装着され、該付勢手段によって前記係合用回動体とロック用回動体とが互いに当接する方向に付勢されていることを特徴とする請求項1記載の施錠装置。
  5. 前記付勢手段が、リング状弾性体であることを特徴とする請求項4記載の錠装置。
  6. 前記係合部材は、前記係止具との係合解除位置と係合位置との間で支軸を中心に回動可能とされた係合用回動体であって、前記係止具の先端との当接部と、前記係止具の係止部との係止部用係合部と、前記係止具との係合解除状態を維持する第1ロック部材用係合部と、前記係止具との係合状態を維持する第2ロック部材用係合部とを有し、第1付勢手段によって係合解除方向に付勢されており、
    前記ロック部材は、支軸を中心に回動可能とされたロック用回動体であって、前記係合用回動体と対向する一端にロック部が、他端に前記解除部の受部が設けられ、第2付勢手段によって前記係合用回動体と当接する方向に付勢されていることを特徴とする請求項1記載の施錠装置。
  7. 前記可動部材は、内筒であり、前記解除部は前記内筒に設けられたカムであり、前記受部は前記ロック用回動体に設けられた突部であって、
    キー挿入口からキーを前記錠機構に差し込んで回動させる解錠操作により、前記カムが前記ロック用回動体の突部に当接し、前記ロック用回動体を支軸を中心に解除方向に回動させ、前記ロック用回動体のロック部と前記係合用回動体の前記第2ロック部材用係合部との係合が解除されるようになっていることを特徴とする請求項4、5または6記載の施錠装置。
  8. 前記係止具の係止部が係止孔であって、
    前記係合用回動体の係止部用係合部が突部であり、ロック部材用係合部が切欠であることを特徴とする請求項2ないし請求項7のいずれか1項に記載の施錠装置。
  9. 前記係止具が、ファスナーのスライダーに取り付けた引き手であることを特徴とする請求項8記載の施錠装置。
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