JP2012214618A - メタクリル系樹脂の製造方法及び成形品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第一段階において、メタクリル酸メチル50質量%以上とこれに共重合可能なビニル系単量体50質量%以下とを含有してなる単量体混合物(I)を塊状重合または溶液重合することによって、重量平均分子量5万超の重合体(a)を含む反応液(I)を得、次いで、第二段階において、反応液(I)に、メタクリル酸メチル50質量%超とこれに共重合可能なビニル系単量体50質量%未満とを含有しかつ単量体混合物(I)中のメタクリル酸メチルの含有率よりも高い含有率でメタクリル酸メチルを含有する単量体混合物(II)を、前記単量体混合物(I)の0.02〜1.0質量倍混合して、重合することによって、質量比(a/b)60/40〜90/10で合計量100質量部含む反応液(II)105〜300質量部を得ることを含むメタクリル系樹脂の製造方法。
【選択図】なし
Description
特許文献2は重量平均分子量が13万〜25万であるメタクリル系共重合体と重量平均分子量が0.3万〜1.9万であるメタクリル系共重合体とを含有する樹脂組成物を提案している。
特許文献3は重量平均分子量が5万〜25万であるメタクリル系共重合体(1)と重量平均分子量が0.6万〜4万であるメタクリル系共重合体(2)とを含有し、分散安定剤および乳化剤のいずれをも含有せず、前記共重合体(1)に含まれるメタクリル酸メチル以外の(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する繰り返し単位の質量分率が、前記共重合体(2)に含まれるメタクリル酸メチル以外の(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する繰り返し単位の質量分率より小さいメタクリル系樹脂組成物を提案している。
本発明の目的は、メタクリル系樹脂が本来有している透明性、耐熱性、耐薬品性、機械強度などの優れた特性を損なうことなく、成形性が改良されたメタクリル系樹脂を高い生産効率で製造する方法および該方法によって得られるメタクリル系樹脂からなる優れた光学特性を有する成形品を提供することにある。
〔1〕第一段階において、メタクリル酸メチル50質量%以上とこれに共重合可能なビニル系単量体50質量%以下とを含有してなる単量体混合物(I)を塊状重合または溶液重合することによって、重量平均分子量5万超の重合体(a)を含む反応液(I)を得、次いで、第二段階において、反応液(I)に、メタクリル酸メチル50質量%超とこれに共重合可能なビニル系単量体50質量%未満とを含有しかつ単量体混合物(I)中のメタクリル酸メチルの含有率よりも高い含有率でメタクリル酸メチルを含有する単量体混合物(II)を、前記単量体混合物(I)の0.02〜1.0質量倍混合して、塊状重合または溶液重合することによって、重合体(a)と重量平均分子量2万以上5万以下の重合体(b)とを、質量比(a/b)60/40〜90/10で合計量100質量部含む反応液(II)105〜300質量部を得ることを含むメタクリル系樹脂の製造方法。
〔2〕前記第一段階を槽型反応装置(1)にて行い、前記第二段階を槽型反応装置(2)にて行い、得られる反応液(II)の量が125〜300質量部である、前記〔1〕の製造方法。
〔3〕第一段階は、その重合温度T1が110〜170℃であり、第二段階は、その重合温度T2が130℃以上でかつ(T1+30)℃以下である、前記〔1〕または〔2〕の製造方法。
〔4〕前記第二段階を槽型反応装置(2a)およびその下流に連結された管型反応装置(2b)にて行い、槽型反応装置(2a)にて得られる反応液(II0)は重合体70〜95質量部を含み、得られる反応液(II)の量が105〜250質量部である、前記〔1〕のメタクリル系樹脂の製造方法。
〔5〕第一段階は、その重合温度T1が110〜170℃であり、第二段階は、槽型反応装置(2a)における重合温度T2aが130℃以上でかつ(T1+30)℃以下であり、管型反応装置(2b)における重合温度T2bが140〜190℃である、前記〔4〕の製造方法。
〔6〕重合体(a)中のメタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位の含有率am[質量%]と重合体(b)中のメタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位の含有率bm[質量%]との差が±1質量%以内である、前記〔1〕〜〔5〕のいずれの製造方法。
〔7〕前記〔1〕〜〔6〕のいずれの製造方法によって得られたメタクリル系樹脂からなる成形品。
まず、第一段階においては、単量体混合物(I)を塊状重合または溶液重合することによって、重合体(a)を含む反応液(I)を得る。
第一段階に用いられる単量体混合物(I)には、メタクリル酸メチルが50質量%以上、好ましくは80〜99質量%、より好ましくは90〜98質量%含まれている。
また、第一段階に用いられる単量体混合物(I)には、メタクリル酸メチルに共重合可能なビニル系単量体が、50質量%以下、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは2〜10質量%含まれていてもよい。該ビニル系単量体は、一分子中に重合性アルケニル基を少なくとも一つ有する単量体である。該ビニル系単量体の好ましい例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどのアクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどのメタクリル酸メチル以外のメタクリル酸アルキルエステル;アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレンなどその他のビニル系単量体;などの一分子中に重合性アルケニル基を一つだけ有する非架橋性ビニル系単量体が挙げられる。ビニル系単量体は1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
スチレンは、得られるメタクリル系樹脂の屈折率を大きくしかつ吸湿性を小さくする作用がある。
α−メチルスチレンは、得られるメタクリル系樹脂の耐熱性を高めかつ屈折率を大きくする作用がある。
本発明の成形品の各種用途において要求される特性に応じた単量体を単量体混合物(I)に含ませることが好ましい。
流通式槽型反応装置(1)は、槽型反応器に単量体混合物(I)を含む原料液(I)を一定流量で供給し、槽型反応器内を定常状態に保って重合反応させ、該槽型反応器から供給量にバランスする流量で反応液を排出する装置である。
槽型反応器は、通常、撹拌翼などの撹拌手段を備えている。槽型反応器では、原料液(I)を撹拌手段によってほぼ均一に混合することが好ましく、完全混合することがより好ましい。当該槽型反応器として、市販の完全混合型の槽型反応器を用いることができる。流通式槽型反応装置(1)は、一つの槽型反応器で構成されるものであってもよいし、二つ以上の槽型反応器を直列に連結して構成されるものであってもよい。二つ以上の槽型反応器を直列に連結した構成とした場合に、単量体混合物(I)を含む原料液(I)は、最も上流に位置する槽型反応器に一括して添加しても、上流に位置する槽型反応器と下流に位置する槽型反応器とに分割して添加してもよい。
次に、第二段階においては、反応液(I)に、単量体混合物(II)を混合して塊状重合または溶液重合することによって、重合体(a)と重合体(b)とを含む反応液(II)を得る。第二段階では、未反応の単量体混合物(I)と、第二段階において新たに加えた単量体混合物(II)とを重合させる。
単量体混合物(II)中のメタクリル酸メチルの含有率は、単量体混合物(I)中のメタクリル酸メチルの含有率よりも高くする。単量体混合物(II)中のメタクリル酸メチルの含有率と単量体混合物(I)中のメタクリル酸メチルの含有率との差は、好ましくは1質量%以上で、より好ましくは2質量%以上で、さらに好ましくは3質量%以上、特に好ましくは4質量%以上である。単量体混合物(II)中のメタクリル酸メチルの含有率が単量体混合物(I)中のメタクリル酸メチルの含有率よりも低い場合には、得られるメタクリル系樹脂の透明性および耐熱性が低下する傾向がある。
また、第二段階における重合は、少なくとも1つの槽型反応器を含む反応装置〈以下、槽型反応装置(2a)という。〉およびその下流に連結された管型反応装置(2b)で行うことが好ましい。槽型反応装置(2a)は、バッチ式であっても、流通式であってもよいが、流通式が好ましい。
流通式槽型反応装置(2)および流通式槽型反応装置(2a)は、槽型反応装置(1)で得られた重合体(a)を含む反応液(I)と単量体混合物(II)を含む原料液(II)とを槽型反応器に一定流量で供給し、該槽型反応器内を定常状態に保って重合反応させ、該槽型反応器から供給量にバランスする流量で反応液を排出する装置である。
槽型反応器は、通常、撹拌翼などの撹拌手段を備えている。槽型反応器では、反応器内の混合液を撹拌手段によってほぼ均一に混合することが好ましく、完全混合することがより好ましい。当該槽型反応器として、市販の完全混合型の槽型反応器を用いることができる。流通式槽型反応装置(2)および流通式槽型反応装置(2a)は、一つの槽型反応器で構成されるものであっても、二つ以上の槽型反応器を直列に連結して構成されるものであってもよい。
重合副資材の添加方法は、特に制限されないが、反応装置の直ぐ上流に混合器を連結し、該混合器に、重合副資材と単量体混合物(II)を含む原料液(II)と反応液(I);または、かかる単量体混合物(II)と重合副資材を含む原料液(II)と反応液(I);を通して混合してから反応装置に導入することが好ましい。混合器としては、スタティックミキサーが好ましいものとして挙げられる。また、流通式反応装置の場合には、流通式反応装置の中間部から重合副資材を添加することもできる。
管型反応装置(2b)における重合温度T2bは、槽型反応装置(2a)における重合温度T2aとの差が、好ましくは30℃以下、より好ましくは20℃以下、さらに好ましくは10℃以下である。重合温度の差が大きすぎる場合は、槽型反応装置(2a)における重合反応で使い切れずに残存した開始剤が管型反応装置(2b)において一気に分解して、反応温度の制御が困難になる場合がある。
管型反応装置(2b)における重合温度T2bは、槽型反応装置(2a)における重合温度T2aより高くすることが好ましい。管型反応装置(2b)における重合温度T2bを槽型反応装置(2a)における重合温度T2aより低くすると、エネルギーロスが大きくなり生産効率の観点で不利になることがある。
また、第一段階において製造される重合体(a)中のメタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位の含有率am(質量%)と、第二段階において製造される重合体(b)中のメタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位の含有率bm(質量%)との差は、±1質量%以内であることが好ましく、±0.8質量%以内であることがより好ましく、±0.5質量%以内であることがさらに好ましい。amとbmとの差が大きい場合には、得られるメタクリル系樹脂の透明性が低下する傾向がある。さらに、am≦bmであることが耐熱性の観点から好ましい。
重合体(b)の量が少なすぎる場合には、得られるメタクリル系樹脂の成形性の改良効果が小さい。一方、重合体(b)の量が多すぎる場合には、得られるメタクリル系樹脂の機械強度および耐薬品性が極端に低下する。
なお、反応液(II)に含まれる重合体(a)および重合体(b)を単離することは困難であるので、第二段階において得られる反応液(II)に含まれる重合体100質量部の内訳は、第一段階において製造される重合体(a)の量と、第二段階において得られた反応液(II)に含まれる重合体の量とから算出する。また、重合体(b)の重量平均分子量および単量体単位組成比は、第一段階において製造される重合体(a)について測定した重量平均分子量および単量体単位組成比と、第二段階において得られた反応液(II)に含まれる重合体について測定した重量平均分子量および単量体単位組成比と、第二段階において得られる反応液(II)に含まれる重合体100質量部の内訳とから算出する。
本発明に係るメタクリル系樹脂の製造方法では、上記のような多段階の重合反応を完了した後に、未反応単量体および/または溶媒を主成分とする揮発分を分離除去することが好ましい。除去方法は特に制限されないが、連続的に送られてくる反応液(II)を、減圧下に、好ましくは180〜300℃、より好ましくは200〜270℃に加熱して、揮発分を連続的に分離除去する方法が好ましい。該加熱温度が低すぎると、揮発分の分離除去に時間を要したり、揮発分の分離除去が不十分となり成形品にシルバーなどの外観不良を起こしたりする場合がある。加熱温度が高すぎると、酸化、焼けなどによってメタクリル系樹脂が着色する場合がある。揮発分を分離除去するための装置としては、フラッシュドラム、二軸脱揮器、薄膜蒸発器、押出機が挙げられる。揮発分を分離除去した後の残存揮発分の量は0.5質量%以下が好ましく、0.4質量%以下がより好ましく、0.3質量%以下がさらに好ましい。残存揮発分の量が0.5質量%を超えると熱変形温度などが低下傾向になったり、成形品にシルバーなどの外観不良を起こしたりする場合がある。以上のようにしてメタクリル系樹脂を得ることができる。
εmax=[Amax/(10×10-3)]×MUV
波長380〜450nmにおけるモル吸光係数の最大値εmaxが1200dm3・mol-1cm-1以下である紫外線吸収剤としては、2−エチル−2'−エトキシ−オキサルアニリド(クラリアントジャパン社;商品名サンデユボアVSU)が挙げられる。
ヒンダードアミン類としては、例えば、コハク酸ジメチル/1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ((6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペジル)イミノ))、2−(2,3−ジ−t−ブチル−4−ヒドキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、N,N'−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン/2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラ−メチル−4−ピペジル)セバケート、コハク酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)が挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
光安定化剤の使用量は、メタクリル系樹脂100質量部に対して、好ましくは0.001〜0.5質量部、より好ましくは0.005〜0.1質量部である。
これらの中でも、2−t−ブチル−6−(3'−t−ブチル−5'−メチル−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−(3',5'−ジ−t−アミル−2'−ヒドロキシ−α−メチルベンジル)フェニルアクリレートが好ましく、2,4−ジ−t−アミル−6−(3',5'−ジ−t−アミル−2'−ヒドロキシ−α−メチルベンジル)フェニルアクリレートがより好ましい。
離型剤の使用量は、メタクリル系樹脂100質量部に対して、0.5質量部以下であることが好ましく、0.3質量部以下であることがより好ましく、0.1質量部以下であることがさらに好ましい。離型剤の使用量が多すぎると金型汚れによる歩留まりの低下や金型清掃などによる生産性の低下をもたらす傾向があるとともに、シルバー発生による成形品の欠点発生の原因となったり、押出し成形時の目やにが生じやすくなったりする傾向がある。
高分子加工助剤は、例えば、乳化重合法によって製造することができる。この乳化重合法によって得られる高分子加工助剤は、通常0.05〜0.5μmの粒子径を有する重合体粒子である。該重合体粒子は、単一組成比および単一極限粘度の重合体からなる単層粒子であっても、組成比または極限粘度の異なる2以上の重合体からなる多層粒子であってもよい。この中でも好ましいものとしては、内層に低極限粘度の重合体を有し、外層に極限粘度5dl/g以上の高極限粘度の重合体を有する2層構造の粒子が挙げられる。
高分子加工助剤の使用量は、メタクリル系樹脂100質量部に対して、好ましくは0.05〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部である。高分子加工助剤の使用量が少なすぎると成形時の厚さ精度に十分な改善効果が認められない。一方、高分子加工助剤の使用量が多すぎると溶融流動性の低下を招きやすい。
光拡散剤としては、ガラス微粒子、ポリシロキサン系架橋微粒子、架橋ポリマー微粒子が挙げられる。
蛍光体としては、蛍光顔料、蛍光染料、蛍光白色染料、蛍光増白剤、蛍光漂白剤が挙げられる。
実施例および比較例における物性値の測定または評価は以下の方法によって行なった。
α−メチルスチレンダイマー(1.0mol)、シクロヘキサン(6.9mol)および重合開始剤(0.05mol)をガラスアンプルに入れ、窒素置換を行い実質上酸素のない状態にして密封した。重合開始剤の10時間半減期温度に応じた下記温度にまで昇温し、当該温度にて60時間放置した。
10時間半減期温度80℃を超える重合開始剤の場合 :140℃
10時間半減期温度60℃〜80℃の重合開始剤の場合 :100℃
10時間半減期温度60℃未満の重合開始剤の場合 : 80℃
放置後の反応液中のシクロヘキサンのモル数(H[mol])をガスクロマトグラフにて測定し、下式にて水素引抜き能を求めた。
水素引抜き能(%)=[(6.9−H)/(0.05×2)]×100
島津製作所社製ガスクロマトグラフ GC−14Aに、GL Sciences Inc.製カラム INERT CAP 1(df=0.4μm、0.25mmI.D.×60m)をセットし、injection温度180℃、detector温度180℃、カラム温度を60℃(5分間保持)→昇温速度10℃/分→200℃(10分間保持)に制御して測定した。この測定値および各単量体に関する検量線に基づいて重合転化率を算出した。
反応液中の重合体の質量は上記重合転化率と使用した単量体混合物の量から算出した。
また、このようにして算出した第一段階後の反応液(I)中の重合体(a)の質量と、第二段階後の反応液(II)中の重合体の質量から重合体(a)と重合体(b)との質量比を求めた。
東ソー社製ゲルパーミエーションクロマトグラフ(HLC−8020)に東ソー社製カラム TSKgel G2000HHR(1本)およびGMHHR−M(2本)を直列に連結してセットし、溶離液としてテトラヒドロフランを用い、溶離液流量1.0ml/分、カラム温度40℃の条件で、検出のために示差屈折率(RI)計を用いて測定した。該測定値を標準ポリスチレンの分子量に換算することによって、重合体の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、および分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
重合体Cは、重合体Bと管型反応器Cにおいて重合された重合体(b)(以下、重合体(c)と称する)とを含んでいると考えられる。すなわち、重合体Cは、重合体(a)と重合体(b)と重合体(c)とを含んでいると考えられる。
Mwb=[100×MwB−(Mwa×Conta)]/Contb
ここで、Contaは、槽型反応器Bから採取した重合体B中の重合体(a)の含有率[質量%]、Contbは、槽型反応器Bから採取した重合体B中の重合体(b)の含有率[質量%]を示す。ContaおよびContbは、槽型反応器Aおよび槽型反応器Bにおける重合転化率と、使用した単量体混合物(I)および単量体混合物(II)の量から算出できる。
Mwc=[100×MwC−(MwB×ContB)]/Contc
ここで、ContBは、管型反応器Cから採取した重合体C中の重合体Bの含有率[質量%]を示し、Contcは、管型反応器Cから採取した重合体C中の重合体(c)の含有率[質量%]を示す。ContBおよびContcは、槽型反応器Bおよび管型反応器Cにおける重合転化率と、使用した単量体混合物(I)および単量体混合物(II)の量から算出できる。
また、上記と同様の手法によって、重合体(a)、重合体(b)および重合体(c)の数平均分子量ならびに分子量分布を求めることができる。
島津製作所社製ガスクロマトグラフ GC−14Aに、S.E.G.社製カラム BPX−5(30m×0.25mmφ、膜厚0.5μm)をセットし、熱分解装置(島津製作所社製、PYR−2A)にて、分解温度500℃、分析条件:40℃(4分間保持)→昇温速度5℃/分→250℃で測定し、その測定結果から、メタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位の含有率を算出した。
bm=[100×Bm−(am×Conta)]/Contb
ここで、Contaは、槽型反応器Bから採取した重合体B中の重合体(a)の含有率[質量%]、Contbは、槽型反応器Bから採取した重合体B中の重合体(b)の含有率[質量%]を示す。ContaおよびContbは、槽型反応器Aおよび槽型反応器Bにおける重合転化率と、使用した単量体混合物(I)および単量体混合物(II)の量から算出できる。
cm=[100×Cm−(Bm×ContB)]/Contc
ここで、ContBは、管型反応器Cから採取した重合体C中の重合体Bの含有率[質量%]を示し、Contcは、管型反応器Cから採取した重合体C中の重合体(c)の含有率[質量%]を示す。ContBおよびContcは、槽型反応器Bおよび管型反応器Cにおける重合転化率と、使用した単量体混合物(I)および単量体混合物(II)の量から算出できる。
ISO1133に準拠して、温度230℃、荷重37.3Nでメルトフローレート(MFR)を測定した。
住友重機社製SE−180DU−HP成形機において、型締圧力180トン、スクリュー径φ36mm、金型温度80℃、成形温度285℃、射出速度400mm/秒、充填圧力274MPaで、スパイラルフロー金型(製品厚み0.4mm、幅10mm)を用いて射出成形した。そのときのメタクリル系樹脂のスパイラルフロー長さを測定した。
住友重機社製SE−180DU−HP成形機において、型締圧力180トン、スクリュー径φ36mm、金型温度85℃、成形温度290℃、射出速度300mm/秒、充填圧力300MPaで、長さ31.5mm、幅23.0mmおよび厚さ0.65mmの薄型導光板の射出成形を試みた。
その結果、難なく成形できた場合をA、充填するものの末端にひけが発生した場合をB、未充填となり成形できなかった場合をCとして評価した。
射出成形機で成形して得た板状成形品から190mm×50mm×5mmの試験片を切り出し、分光光度計(UV−2550;島津製作所社製)を用い、光路長190mmにおける、波長400nm、500nmおよび600nmにおける光透過率(%)とクロマティクネス指数b*とを測定した。
ISO527−2/1A/5に準拠して、引張破壊応力を測定した。
ISO75−2に準拠して、荷重1.80MPaでの荷重たわみ温度を測定した。
一般にカンチレバー法(ASTM F791−82に準拠)と呼ばれている試験にて耐薬品性を評価した。すなわち、ISO527−2/1A/5に準拠した引張破壊応力測定用の試験片を、長さ方向中央部で長さ方向に直交する線状の支点で支えて水平な状態に置き、長さ方向の一端を固定し、長さ方向中央部から84mm離れた他端近くに400g重の荷重をかけながら、長さ方向中央部の支え部とは反対面の曲げ伸び応力が集中している部位にエタノールの浸み込んだ10mm角の濾紙を接触させた。これによってクラックが発生しやすいようにした。該試験片が破断するまでの時間を測定した。この試験を7回繰り返して、その平均値を算出した。
本実施例で使用した製造装置は、撹拌機付オートクレーブ(I)、撹拌機付オートクレーブ(II)、完全混合型の槽型反応器Aと完全混合型の槽型反応器Bとが直列に連結された槽型流通式重合反応装置および二軸押出機を備えている。なお、槽型反応器Aおよび槽型反応器Bには撹拌機と採取管とが設置されており、所望の流量および平均滞留時間になるような容積を有している。
前記オートクレーブ(I)および(II)において単量体混合物(I)および単量体混合物(II)を含む原料液(I)および(II)がそれぞれ調製される。該原料液(I)は管経由で槽型反応器Aに供給される。 槽型反応器Aから排出される反応液Aはノリタケエンジニアリング社製スタティックミキサーを内装した配管において原料液(II)と混ぜ合わされて槽型反応器Bに供給され、槽型反応器Bから排出される反応液Bは配管で二軸押出機に供給される。
撹拌機付オートクレーブ(I)に、精製されたメタクリル酸メチル94.5質量部、アクリル酸メチル5.5質量部、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(「AIBN」 大塚化学社製、水素引抜能:1%、1時間半減期温度:82.6℃)0.006質量部およびn−オクチルメルカプタン0.37質量部を仕込み均一に溶解させて原料液(I)を得た。
撹拌機付オートクレーブ(II)に、精製されたメタクリル酸メチル100質量部、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.015質量部およびn−オクチルメルカプタン1.13質量部を仕込み均一に溶解させて原料液(II)を得た。
次いで、製造装置内を窒素で置換し、酸素を追い出した。
その結果、槽型反応器Aにおいて得られた反応液中の重合体の含有率は46質量%であった。槽型反応器Aにおいて重合された重合体(a)は、メタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位95.9質量%およびアクリル酸メチルに由来する繰り返し単位4.1質量%からなり、かつ重量平均分子量が60,700であった。
槽型反応器Bにおいて得られた反応液中の重合体の含有率は53質量%であった。槽型反応器Bにおいて得られた反応液Bに含まれる重合体Bは、メタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位96.1質量%およびアクリル酸メチルに由来する繰り返し単位3.9質量%からなり、かつ重量平均分子量が53,500であった。
重合体B100質量部の内訳は、重合体(a)76質量部、重合体(b)24質量部であった。
槽型反応器Bにおいて重合された重合体(b)は、メタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位96.7質量%およびアクリル酸メチルに由来する繰り返し単位3.3質量%からなり、かつ重量平均分子量が30,700であった。
得られたペレット状のメタクリル系樹脂は、残存揮発分が0.1質量%であった。
当該ペレット状メタクリル系樹脂を用いて射出成形にて成形品を作製して上記の評価に用いた。その評価結果を表1に示す。
撹拌機付オートクレーブ(I)に、精製されたメタクリル酸メチル94.5質量部、アクリル酸メチル5.5質量部、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.006質量部およびn−オクチルメルカプタン0.37質量部を仕込み均一に溶解させて原料液(I)を得た。
撹拌機付オートクレーブ(II)に、精製されたメタクリル酸メチル100質量部、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.008質量部およびn−オクチルメルカプタン4.49質量部を仕込み均一に溶解させて原料液(II)を得た。
次いで、製造装置内を窒素で置換し、酸素を追い出した。
その結果、槽型反応器Aにおいて得られた反応液中の重合体の含有率は46質量%であった。槽型反応器Aにおいて重合された重合体(a)は、メタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位95.9質量%およびアクリル酸メチルに由来する繰り返し単位4.1質量%からなり、かつ重量平均分子量が60,700であった。
槽型反応器Bにおいて得られた反応液中の重合体の含有率は53質量%であった。槽型反応器Bにおいて得られた反応液Bに含まれる重合体Bは、メタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位95.9質量%およびアクリル酸メチルに由来する繰り返し単位4.1質量%からなり、かつ重量平均分子量が55,500であった。
重合体B100質量部の内訳は、重合体(a)83質量部、重合体(b)17質量部であった。
槽型反応器Bにおいて重合された重合体(b)は、メタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位95.9質量%およびアクリル酸メチルに由来する繰り返し単位4.1質量%からなり、かつ重量平均分子量が30,100であった。
得られたペレット状のメタクリル系樹脂は、残存揮発分が0.1質量%であった。
当該ペレット状メタクリル系樹脂を用いて射出成形にて成形品を作製して上記の評価に用いた。その評価結果を表1に示す。
撹拌機付オートクレーブ(I)に、精製されたメタクリル酸メチル94.5質量部、アクリル酸メチル5.5質量部、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.004質量部およびn−オクチルメルカプタン0.14質量部を仕込み均一に溶解させて原料液(I)を得た。
撹拌機付オートクレーブ(II)に、精製されたメタクリル酸メチル100質量部、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.012質量部およびn−オクチルメルカプタン0.22質量部を仕込み均一に溶解させて原料液(II)を得た。
次いで、製造装置内を窒素で置換し、酸素を追い出した。
その結果、槽型反応器Aにおいて得られた反応液中の重合体の含有率は41質量%であった。槽型反応器Aにおいて重合された重合体(a)は、メタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位96.0質量%およびアクリル酸メチルに由来する繰り返し単位4.0質量%からなり、かつ重量平均分子量が149,800であった。
槽型反応器Bにおいて得られた反応液中の重合体の含有率は53質量%であった。槽型反応器Bにおいて得られた反応液Bに含まれる重合体Bは、メタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位96.0質量%およびアクリル酸メチルに由来する繰り返し単位4.0質量%からなり、かつ重量平均分子量が121,200であった。
重合体B100質量部の内訳は、重合体(a)73質量部、重合体(b)27質量部であった。
槽型反応器Bにおいて重合された重合体(b)は、メタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位96.0質量%およびアクリル酸メチルに由来する繰り返し単位4.0質量%からなり、かつ重量平均分子量が44,000であった。
得られたペレット状のメタクリル系樹脂は、残存揮発分が0.1質量%であった。
当該ペレット状メタクリル系樹脂を用いて射出成形にて成形品を作製して上記の評価に用いた。その評価結果を表1に示す。
撹拌機付オートクレーブ(I)に、精製されたメタクリル酸メチル94.5質量部、アクリル酸メチル5.5質量部、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.006質量部およびn−オクチルメルカプタン0.37質量部を仕込み均一に溶解させて原料液(I)を得た。
撹拌機付オートクレーブ(II)に、精製されたメタクリル酸メチル100質量部、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.01質量部およびn−オクチルメルカプタン1.13質量部を仕込み均一に溶解させて原料液(II)を得た。
次いで、製造装置内を窒素で置換し、酸素を追い出した。
その結果、槽型反応器Aにおいて得られた反応液中の重合体の含有率は46質量%であった。槽型反応器Aにおいて重合された重合体(a)は、メタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位95.9質量%およびアクリル酸メチルに由来する繰り返し単位4.1質量%からなり、かつ重量平均分子量が60,700であった。
槽型反応器Bにおいて得られた反応液中の重合体の含有率は49質量%であった。槽型反応器Bにおいて得られた反応液Bに含まれる重合体Bは、メタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位96.0質量%およびアクリル酸メチルに由来する繰り返し単位4.0質量%からなり、かつ重量平均分子量が55,900であった。
重合体B88質量部の内訳は、重合体(a)74質量部、重合体(b)14質量部であった。
槽型反応器Bにおいて重合された重合体(b)は、メタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位96.3質量%およびアクリル酸メチルに由来する繰り返し単位3.7質量%からなり、かつ重量平均分子量が31,000であった。
重合体C100質量部の内訳は、重合体(a)74質量部、重合体(b)14質量部重合体(c)12質量部であった。
管型反応器Cにおいて重合された重合体(c)は、メタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位95.9質量%およびアクリル酸メチルに由来する繰り返し単位4.1質量%からなり、かつ重量平均分子量が30,200であった。
得られたペレット状のメタクリル系樹脂は、残存揮発分が0.1質量%であった。
当該ペレット状メタクリル系樹脂を用いて射出成形にて成形品を作製して上記の評価に用いた。その評価結果を表1に示す。
撹拌機付オートクレーブ(I)に、精製されたメタクリル酸メチル94.5質量部、アクリル酸メチル5.5質量部、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.006質量部およびn−オクチルメルカプタン0.37質量部を仕込み均一に溶解させて原料液(I)を得た。
次いで、製造装置内を窒素で置換し、酸素を追い出した。
その結果、槽型反応器Aにおいて得られた反応液中の重合体の含有率は47質量%であった。槽型反応器Aにおいて重合された重合体(a)は、メタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位95.9質量%およびアクリル酸メチルに由来する繰り返し単位4.1質量%からなり、かつ重量平均分子量が60,700であった。
槽型反応器Bにおいて得られた反応液中の重合体の含有率は50質量%であった。槽型反応器Bにおいて得られた反応液Bに含まれる重合体Bは、メタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位95.9質量%およびアクリル酸メチルに由来する繰り返し単位4.1質量%からなり、かつ重量平均分子量が58,800であった。
重合体B100質量部の内訳は、重合体(a)94質量部、重合体(b)6質量部であった。
槽型反応器Bにおいて重合された重合体(b)は、メタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位95.9質量%およびアクリル酸メチルに由来する繰り返し単位4.1質量%からなり、かつ重量平均分子量が29,600であった。
得られたペレット状のメタクリル系樹脂は、残存揮発分が0.1質量%であった。
当該ペレット状メタクリル系樹脂を用いて射出成形にて成形品を作製して上記の評価に用いた。その評価結果を表1に示す。
撹拌機付オートクレーブ(I)に、精製されたメタクリル酸メチル94.5質量部、アクリル酸メチル5.5質量部、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.002質量部およびn−オクチルメルカプタン0.36質量部を仕込み均一に溶解させて原料液(I)を得た。
撹拌機付オートクレーブ(II)に、精製されたメタクリル酸メチル100質量部、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.04質量部およびn−オクチルメルカプタン3.25質量部を仕込み均一に溶解させて原料液(II)を得た。
次いで、製造装置内を窒素で置換し、酸素を追い出した。
その結果、槽型反応器Aにおいて得られた反応液中の重合体の含有率は29質量%であった。槽型反応器Aにおいて重合された重合体(a)は、メタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位96.2質量%およびアクリル酸メチルに由来する繰り返し単位3.8質量%からなり、かつ重量平均分子量が59,100であった。
槽型反応器Bにおいて得られた反応液中の重合体の含有率は49質量%であった。槽型反応器Bにおいて得られた反応液Bに含まれる重合体Bは、メタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位96.2質量%およびアクリル酸メチルに由来する繰り返し単位3.8質量%からなり、かつ重量平均分子量が45,600であった。
重合体B100質量部の内訳は、重合体(a)54質量部、重合体(b)46質量部であった。
槽型反応器Bにおいて重合された重合体(b)は、メタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位96.2質量%およびアクリル酸メチルに由来する繰り返し単位3.8質量%からなり、かつ重量平均分子量が29,800であった。
得られたペレット状のメタクリル系樹脂は、残存揮発分が0.1質量%であった。
当該ペレット状メタクリル系樹脂を用いて射出成形にて成形品を作製して上記の評価に用いた。その評価結果を表1に示す。
撹拌機付オートクレーブ(I)に、精製されたメタクリル酸メチル94.5質量部、アクリル酸メチル5.5質量部、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.006質量部およびn−オクチルメルカプタン0.29質量部を仕込み均一に溶解させて原料液(I)を得た。
撹拌機付オートクレーブ(II)に、精製されたアクリル酸メチル100質量部、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.0008質量部およびn−オクチルメルカプタン3.32質量部を仕込み均一に溶解させて原料液(II)を得た。
次いで、製造装置内を窒素で置換し、酸素を追い出した。
その結果、槽型反応器Aにおいて得られた反応液中の重合体の含有率は46質量%であった。槽型反応器Aにおいて重合された重合体(a)は、メタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位95.9質量%およびアクリル酸メチルに由来する繰り返し単位4.1質量%からなり、かつ重量平均分子量が76,500であった。
槽型反応器Bにおいて得られた反応液中の重合体の含有率は46質量%であった。槽型反応器Bにおいて得られた反応液Bに含まれる重合体Bは、メタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位93.9質量%およびアクリル酸メチルに由来する繰り返し単位6.1質量%からなり、かつ重量平均分子量が69,000であった。
重合体B 100質量部の内訳は、重合体(a)87質量部、重合体(b)13質量部であった。
槽型反応器Bにおいて重合された重合体(b)は、メタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位80.6質量%およびアクリル酸メチルに由来する繰り返し単位19.4質量%からなり、かつ重量平均分子量が18,900であった。
得られたペレット状のメタクリル系樹脂は、残存揮発分が0.1質量%であった。
当該ペレット状メタクリル系樹脂を用いて射出成形にて成形品を作製して上記の評価に用いた。その評価結果を表2に示す。
撹拌機付オートクレーブ(I)に、精製されたメタクリル酸メチル94.5質量部、アクリル酸メチル5.5質量部、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.004質量部およびn−オクチルメルカプタン0.31質量部を仕込み均一に溶解させて原料液(I)を得た。
撹拌機付オートクレーブ(II)に、精製されたアクリル酸メチル100質量部、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.005質量部およびn−オクチルメルカプタン3.68質量部を仕込み均一に溶解させて原料液(II)を得た。
次いで、製造装置内を窒素で置換し、酸素を追い出した。
その結果、槽型反応器Aにおいて得られた反応液中の重合体の含有率は41質量%であった。槽型反応器Aにおいて重合された重合体(a)は、メタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位95.9質量%およびアクリル酸メチルに由来する繰り返し単位4.1質量%からなり、かつ重量平均分子量が70,500であった。
槽型反応器Bにおいて得られた反応液中の重合体の含有率は47質量%であった。槽型反応器Bにおいて得られた反応液Bに含まれる重合体Bは、メタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位94.9質量%およびアクリル酸メチルに由来する繰り返し単位5.1質量%からなり、かつ重量平均分子量が58,200であった。
重合体B100質量部の内訳は、重合体(a)76質量部、重合体(b)24質量部であった。
槽型反応器Bにおいて重合された重合体(b)は、メタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位91.7質量%およびアクリル酸メチルに由来する繰り返し単位8.3質量%からなり、かつ重量平均分子量が19,300であった。
得られたペレット状のメタクリル系樹脂は、残存揮発分が0.1質量%であった。
当該ペレット状メタクリル系樹脂を用いて射出成形にて成形品を作製して上記の評価に用いた。その評価結果を表2に示す。
撹拌機付オートクレーブ(I)に、精製されたメタクリル酸メチル94.7質量部、アクリル酸メチル5.3質量部、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.006質量部およびn−オクチルメルカプタン0.38質量部を仕込み均一に溶解させて原料液(I)を得た。
次いで、製造装置内を窒素で置換し、酸素を追い出した。
その結果、槽型反応器Aにおいて得られた反応液中の重合体の含有率は52質量%であった。槽型反応器Aにおいて重合された重合体(a)は、メタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位96.0質量%およびアクリル酸メチルに由来する繰り返し単位4.0質量%からなり、かつ重量平均分子量が58,400であった。
得られたペレット状のメタクリル系樹脂は、残存揮発分が0.1質量%であった。
当該ペレット状メタクリル系樹脂を用いて射出成形にて成形品を作製して上記の評価に用いた。その評価結果を表2に示す。
撹拌機付オートクレーブ(I)に、精製されたメタクリル酸メチル94.7質量部、アクリル酸メチル5.3質量部、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.005質量部およびn−オクチルメルカプタン0.1質量部を仕込み均一に溶解させて原料液(I)を得た。次いで、製造装置内を窒素で置換し、酸素を追い出した。
その結果、槽型反応器Aにおいて得られた反応液中の重合体の含有率は48質量%であった。槽型反応器Aにおいて重合された重合体(a)は、メタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位96.0質量%およびアクリル酸メチルに由来する繰り返し単位4.0質量%からなり、かつ重量平均分子量が19,000であった。
得られたペレット状のメタクリル系樹脂は、残存揮発分が0.1質量%であった。
撹拌機付オートクレーブ(I)に、精製されたメタクリル酸メチル94.7質量部、アクリル酸メチル5.3質量部、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.006質量部およびn−オクチルメルカプタン0.14質量部を仕込み均一に溶解させて原料液(I)を得た。次いで、製造装置内を窒素で置換し、酸素を追い出した。
その結果、槽型反応器Aにおいて得られた反応液中の重合体の含有率は52質量%であった。槽型反応器Aにおいて重合された重合体(a)は、メタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位96.0質量%およびアクリル酸メチルに由来する繰り返し単位4.0質量%からなり、かつ重量平均分子量が150,000であった。
得られたペレット状のメタクリル系樹脂は、残存揮発分が0.1質量%であった。
比較例5で得られたペレット状メタクリル系樹脂80質量部と参考例1で得られたペレット状メタクリル系樹脂20質量部をヘンシェルミキサーにて混合した。その後、二軸押出機((株)テクノベル製、商品名:KZW20TW-45MG-NH-600)で250℃にて混練押出して、ペレット状のメタクリル系樹脂を得た。当該メタクリル系樹脂は、メタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位96.0質量%およびアクリル酸メチルに由来する繰り返し単位4.0質量%からなり、かつ重量平均分子量が50,500であった。
当該ペレット状メタクリル系樹脂を用いて射出成形にて成形品を作製して上記の評価に用いた。その評価結果を表2に示す。
参考例2で得られたペレット状メタクリル系樹脂80質量部と参考例1で得られたペレット状メタクリル系樹脂20質量部をヘンシェルミキサーにて混合した。その後、二軸押出機((株)テクノベル製、商品名:KZW20TW-45MG-NH-600)で250℃にて混練押出して、ペレット状のメタクリル系樹脂を得た。当該メタクリル系樹脂は、メタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位96.0質量%およびアクリル酸メチルに由来する繰り返し単位4.0質量%からなり、かつ重量平均分子量が123,500であった。このストランドには未溶融物が見られ、溶融成形に耐えるものでなかった。
Claims (7)
- 第一段階において、メタクリル酸メチル50質量%以上とこれに共重合可能なビニル系単量体50質量%以下とを含有してなる単量体混合物(I)を塊状重合または溶液重合することによって、重量平均分子量5万超の重合体(a)を含む反応液(I)を得、次いで、
第二段階において、反応液(I)に、メタクリル酸メチル50質量%超とこれに共重合可能なビニル系単量体50質量%未満とを含有しかつ単量体混合物(I)中のメタクリル酸メチルの含有率よりも高い含有率でメタクリル酸メチルを含有する単量体混合物(II)を、前記単量体混合物(I)の0.02〜1.0質量倍混合して、塊状重合または溶液重合することによって、重合体(a)と重量平均分子量2万以上5万以下の重合体(b)とを質量比(a/b)60/40〜90/10で合計量100質量部含む反応液(II)105〜300質量部を得ることを含むメタクリル系樹脂の製造方法。 - 前記第一段階を槽型反応装置(1)にて行い、前記第二段階を槽型反応装置(2)にて行い、
前記反応液(II)を125〜300質量部得ることを含む請求項1に記載のメタクリル系樹脂の製造方法。 - 第一段階は、その重合温度T1が110〜170℃であり、
第二段階は、その重合温度T2が130℃以上でかつ(T1+30)℃以下である請求項1または2に記載の製造方法。 - 前記第二段階を槽型反応装置(2a)およびその下流に連結された管型反応装置(2b)にて行い、
槽型反応装置(2a)にて重合体70〜95質量部を含む反応液(II0)を得たのち、
前記反応液(II)を105〜250質量部得ることを含む請求項1に記載のメタクリル系樹脂の製造方法。 - 第一段階は、その重合温度T1が110〜170℃であり、
第二段階は、槽型反応装置(2a)における重合温度T2aが130℃以上でかつ(T1+30)℃以下であり、管型反応装置(2b)における重合温度T2bが140〜190℃である請求項4に記載の製造方法。 - 重合体(a)中のメタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位の含有率am[質量%]と重合体(b)中のメタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位の含有率bm[質量%]との差が±1質量%以内である請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法によって得られたメタクリル系樹脂からなる成形品。
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