JP2012197734A - スクリュー圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】液圧縮を回避しつつ、吐出損失を低減すること。
【解決手段】スライドバルブ(70)の主吐出ポート(75)に連続して設けられ、スクリューロータ(40)の回転に伴って圧縮室(23)に開口する補助吐出ポート(115)を有し、補助吐出ポート(115)が圧縮室(23)に開口するタイミングが可変に構成された補助ポート可変機構(100)を備えている。補助ポート可変機構(100)は、補助吐出ポート(115)が形成され、スクリューロータ(40)の軸方向へ移動可能に円筒壁(30)に設けられた補助バルブ(110)を備えている。
【選択図】図5

Description

本発明は、スクリュー圧縮機に関し、特に運転効率の向上対策に係るものである。
従来より、冷媒や空気を圧縮する圧縮機として、例えば特許文献1に開示されているように、スクリューロータとゲートロータを備えたスクリュー圧縮機が知られている。
このスクリュー圧縮機では、スクリューロータとゲートロータがケーシングの円筒壁に収容されており、スクリューロータの螺旋溝と、ゲートロータのゲートと、ケーシングの円筒壁とによって圧縮室が形成される。また、このスクリュー圧縮機には、容量調節用のスライドバルブが設けられている。スライドバルブは、吐出ポートが形成されており、スクリューロータの軸方向へスライド自在に設けられている。一方、スクリュー圧縮機には、圧縮行程中の圧縮室と吸入側とを連通させるためのバイパス通路が形成されている。スライドバルブが移動すると、バイパス通路の開口面積が変化し、圧縮室において圧縮されてスライドバルブの吐出ポートから吐出される冷媒等の流量が変化し、スクリュー圧縮機から吐出される冷媒等の流量(即ち、スクリュー圧縮機の運転容量)が変化する。
さらに、このスクリュー圧縮機には、固定ポートが設けられている。固定ポートは、ケーシングの円筒壁においてスライドバルブの吐出ポートに対応する部分に形成されており、スライドバルブの位置に関わらず常に圧縮室と連通する。固定ポートは、スクリュー圧縮機の起動時や低負荷時において液圧縮を回避するべく圧縮室が密閉状態とならないように設けられる。この固定ポートの開口面積は、上述した液圧縮を回避するためにはできるだけ大きい方がよいが、大きくなると例えば冷凍回路に用いられる四方切換弁の作動圧力を確保し辛くなることから、一定の範囲に制限される。
特開2009−167846号公報
ところで、上述した従来のスクリュー圧縮機では、固定ポートに起因して運転効率が低下してしまうという問題があった。この点について、図13を参照しながら説明する。
図13(A)に示すように、スライドバルブ(204)がスクリューロータ(202)の軸方向において最も吸入側(同図において左側)へ移動した定格負荷時の状態では、スライドバルブ(204)の主吐出ポート(205)が固定ポート(206)よりも早く圧縮室(203)に開口する。つまり、主吐出ポート(205)は固定ポート(206)よりも吸入側へ長く形成される。そのため、主吐出ポート(205)と固定ポート(206)から吐出される流体の流れは、円筒壁(201)におけるハッチング部分によって阻害される。つまり、ハッチング部分が通路抵抗となり、吐出損失が生じる。また、図13(B)に示すように、スライドバルブ(204)が同図(A)の状態からスクリューロータ(202)の軸方向において吐出側(同図において右側)へ移動した低負荷時または起動時の状態では、固定ポート(206)が主吐出ポート(205)よりも早く圧縮室(203)に開口する。そのため、圧縮室(203)の流体は圧縮不足の状態で吐出されることとなるので、吐出損失が生じる。以上のように、固定ポート(206)に起因して吐出損失が生じ、その結果、運転効率が低下してしまう。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、液圧縮を適切に回避しつつも、運転効率の低下を防止できるスクリュー圧縮機を提供することにある。
第1の発明は、複数の螺旋溝(41)が形成されたスクリューロータ(40)と、上記スクリューロータ(40)が挿入され、上記螺旋溝(41)との間に流体の圧縮室(23)を形成するシリンダ部(30)を有するケーシング(10)と、上記スクリューロータ(40)の回転に伴って上記圧縮室(23)に開口する主吐出ポート(75)が形成され、上記スクリューロータ(40)の軸方向へ移動可能に上記シリンダ部(30)に設けられたスライドバルブ(70)と、上記主吐出ポート(75)に連続して設けられ、上記スクリューロータ(40)の回転に伴って上記圧縮室(23)に開口する補助吐出ポート(115,145)を有し、該補助吐出ポート(115,145)が上記圧縮室(23)に開口するタイミングが可変に構成された補助ポート可変機構(100)とを備えているものである。
上記第1の発明では、スクリューロータ(40)が回転すると、圧縮室(23)へ流体が吸入されて圧縮され、主吐出ポート(75)および補助吐出ポート(115,145)から吐出される。例えば図5(A)に示すように、定格負荷時には、スライドバルブ(70)がスクリューロータ(40)の軸方向において吸入側へ移動されて、主吐出ポート(75)が圧縮室(23)に開口するタイミング(即ち、吐出タイミング)が早くなる。この状態において、補助吐出ポート(115,145)は、主吐出ポート(75)が圧縮室(23)に開口するタイミングと同じタイミングで圧縮室(23)に開口するように調整される。これにより、主吐出ポート(75)および補助吐出ポート(115,145)から吐出される流体の流れは、従来のようにシリンダ部(30)によって阻害されることはない。また、図5(B)に示すように、低負荷時や起動時において、スライドバルブ(70)がスクリューロータ(40)の軸方向において吐出側へ移動されて、主吐出ポート(75)が圧縮室(23)に開口しなくなると、補助吐出ポート(115,145)は圧縮室(23)に対する開口面積が所定値になるように調整される。開口面積の所定値は、液圧縮を回避し得る大きさであって、例えば四路切換弁の作動圧力を確保し得る大きさに設定される。なお、低負荷時や起動時において主吐出ポート(75)が圧縮室(23)に開口する場合には、補助吐出ポート(115,145)は、上述した定格負荷時と同様、主吐出ポート(75)が圧縮室(23)に開口するタイミングと同じタイミングで圧縮室(23)に開口するように調整される。このように、本発明では、補助吐出ポート(115,145)の圧縮室(23)に対する開口タイミングが主吐出ポート(75)の圧縮室(23)に対する開口タイミングと同じになるように調整される。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記補助ポート可変機構(100)は、上記補助吐出ポート(115)が形成され、上記スクリューロータ(40)の軸方向へ移動可能に上記シリンダ部(30)に設けられた補助バルブ(110)を備えているものである。
上記第2の発明では、例えば図5に示すように、補助バルブ(110)がスクリューロータ(40)の軸方向へ移動することによって、補助吐出ポート(115)の圧縮室(23)に対する開口タイミングが調整される。
第3の発明は、上記第1の発明において、上記補助ポート可変機構(100)の補助吐出ポート(145)は、上記スライドバルブ(70)が上記スクリューロータ(40)の軸方向吸入側へ最も移動したときに、上記圧縮室(23)に開口するタイミングが上記主吐出ポート(75)と同じになるように上記シリンダ部(30)に形成されている。そして、上記補助ポート可変機構(100)は、上記補助吐出ポート(145)における上記スクリューロータ(40)の軸方向吸入側の端部から所定領域を閉塞するための補助バルブ(140)を備えているものである。
上記第3の発明では、図9に示すように、定格負荷時において、主吐出ポート(75)と補助吐出ポート(145)が同じタイミングで圧縮室(23)に開口する。そのため、主吐出ポート(75)および補助吐出ポート(145)から吐出される流体の流れは、シリンダ部(30)によって阻害されることはない。また、図11に示すように、低負荷時や起動時において、主吐出ポート(75)が圧縮室(23)に開口しなくなると、補助吐出ポート(145)において吸入側端部の所定領域が補助バルブ(140)によって閉塞される。これにより、補助吐出ポート(145)において、液圧縮を回避し得る大きさであって四路切換弁の作動圧力を確保し得る大きさの適切な開口面積が確保される。
第4の発明は、上記第2の発明において、上記補助ポート可変機構(100)は、上記圧縮室(23)の流体の圧力を検出する圧力センサ(128)を備え、該圧力センサ(128)の検出圧力に基づいて、上記補助バルブ(110)の移動動作を制御するように構成されているものである。
上記第4の発明では、圧縮室(23)の流体圧力が所定値よりも高くなると、補助吐出ポート(115)の圧縮室(23)に対する開口面積が大きくなるように補助バルブ(110)が移動される。また、圧縮室(23)の流体圧力が所定値よりも低くなると、補助吐出ポート(115)の圧縮室(23)に対する開口面積が小さくなるように補助バルブ(110)が移動される。
第5の発明は、上記第3の発明において、上記補助ポート可変機構(100)は、上記圧縮室(23)の流体の圧力を検出する圧力センサ(128)を備え、該圧力センサ(128)の検出圧力に基づいて、上記補助バルブ(140)の閉塞動作を制御するように構成されているものである。
上記第5の発明では、圧縮室(23)の流体圧力が所定値よりも高くなると、補助吐出ポート(145)の圧縮室(23)に対する開口面積を大きくすべく補助バルブ(140)が開放動作される(補助吐出ポート(145)の開口面積の一部が補助バルブ(140)によって閉塞されない)。また、圧縮室(23)の流体圧力が所定値よりも低くなると、補助吐出ポート(145)の圧縮室(23)に対する開口面積を小さくすべく補助バルブ(140)が閉塞動作される(補助吐出ポート(145)の開口面積の一部が補助バルブ(140)によって閉塞される)。
以上説明したように、本発明によれば、補助吐出ポート(115,145)の圧縮室(23)に対する開口タイミングが主吐出ポート(75)の圧縮室(23)に対する開口タイミングと同じになるように調整することができる。これにより、定格負荷時等において、主吐出ポート(75)および補助吐出ポート(115,145)から吐出される流体の流れがシリンダ部(30)によって阻害されることを抑制することができる。また、主吐出ポート(75)よりも早く補助吐出ポート(115,145)から流体が吐出されることを防止することができる。これにより、圧縮不足の流体が吐出されることはない。また、低負荷時や起動時において、主吐出ポート(75)が圧縮室(23)に開口しなくなる状態では、補助吐出ポート(115,145)の圧縮室(23)に対する開口面積を、液圧縮を回避し得る大きさであって四路切換弁の作動圧力を確保し得る大きさに調整することができる。以上により、液圧縮を回避しながらも、吐出損失を抑制することができる。その結果、液圧縮状態を回避しつつ、運転効率の低下を抑制することができる。
第2および第3の発明によれば、補助バルブ(110,140)を動作させることによって、容易に補助吐出ポート(115,145)の圧縮室(23)に対する開口面積(開口タイミング)を調整することができる。
第4または第5の発明によれば、圧縮室(23)の流体圧力に基づいて補助バルブ(110,140)を動作させて補助吐出ポート(115,145)の圧縮室(23)に対する開口面積を調整するため、確実に該開口面積を適切な範囲に調整することができる。
図1は、実施形態に係るスクリュー圧縮機の要部の構成を示す縦断面図である。 図2は、実施形態に係るスクリュー圧縮機の要部を抜き出して示す斜視図である。 図3は、スクリューロータの斜視図である。 図4は、図1のA−A断面を一部省略して示す横断面図である。 図5は、実施形態に係るスライドバルブと補助ポート可変機構の関係を概略的に示すスクリューロータの展開図であり、(A)は定格負荷時の状態を示し、(B)は起動時および低負荷時の状態を示す。 図6は、実施形態に係る補助ポート可変機構の動作を示すフローチャートである。 図7は、実施形態の変形例1に係るスライドバルブと補助ポート可変機構の関係を概略的に示すスクリューロータの展開図であり、(A)は定格負荷時の状態を示し、(B)は起動時および低負荷時の状態を示す。 図8は、実施形態の変形例2に係るスクリュー圧縮機の要部の横断面図であって、図4相当図である。 図9は、実施形態の変形例3に係るスライドバルブと補助吐出ポートの関係を概略的に示すスクリューロータの展開図である。 図10は、実施形態の変形例3に係るスライドバルブと補助ポート可変機構の関係を概略的に示す横断面図である。 図11は、実施形態の変形例3に係るスライドバルブと補助吐出ポートの関係を概略的に示すスクリューロータの展開図である。 図12は、実施形態の変形例3に係るスライドバルブと補助ポート可変機構の関係を概略的に示す横断面図である。 図13は、従来のスクリュー圧縮機におけるスライドバルブと固定ポートの関係を概略的に示すスクリューロータの展開図であり、(A)は定格負荷時の状態を示し、(B)は起動時および低負荷時の状態を示す。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
本実施形態のスクリュー圧縮機(1)は、冷凍サイクルを行う冷媒回路に設けられて冷媒を圧縮するためのものであり、スクリューロータ(40)を1つ備えるシングルスクリュー圧縮機である。冷媒回路には、スクリュー圧縮機(1)以外に、四路切換弁、放熱器、膨張機構および蒸発器が設けられている。冷媒回路では、四路切換弁の切換動作によって、冷媒の循環方向が可逆に切り換えられる。
図1〜図4に示すように、スクリュー圧縮機(1)は、半密閉型に構成されている。このスクリュー圧縮機(1)では、圧縮機構(20)とそれを駆動する電動機とが金属製のケーシング(10)に収容されている。圧縮機構(20)は、駆動軸(21)を介して電動機と連結されている。図1において、電動機は省略されている。また、ケーシング(10)内では、冷媒回路の蒸発器から低圧のガス冷媒が導入されると共に該低圧ガスを圧縮機構(20)へ案内する低圧空間(S1)と、圧縮機構(20)から吐出された高圧のガス冷媒が流入する高圧空間(S2)とが区画形成されている。
圧縮機構(20)は、ケーシング(10)内に形成された円筒壁(30)と、該円筒壁(30)に挿入された1つのスクリューロータ(40)と、該スクリューロータ(40)に噛み合う2つのゲートロータ(50)とを備えている。
円筒壁(30)は、概ね円筒状に形成され、スクリューロータ(40)の外周面(49)を覆うように設けられている。この円筒壁(30)は、仕切り壁部を構成しており、本発明に係るシリンダ部を構成している。円筒壁(30)は、その一部分が切り欠かれており、この切り欠かれた部分が吸入用開口(図示せず)となっている。
スクリューロータ(40)には、駆動軸(21)が挿通されている。スクリューロータ(40)と駆動軸(21)は、キー(22)によって連結されている。駆動軸(21)は、スクリューロータ(40)と同軸上に配置されている。駆動軸(21)の先端部は、圧縮機構(20)の高圧側(図1における駆動軸(21)の軸方向を左右方向とした場合の右側)に位置する軸受ホルダ(60)に回転自在に支持されている。この軸受ホルダ(60)は、玉軸受(61)を介して駆動軸(21)を支持している。
図2および図3に示すように、スクリューロータ(40)は、概ね円柱状に形成された金属製の部材である。スクリューロータ(40)は、円筒壁(30)に回転可能に挿入されている。スクリューロータ(40)には、スクリューロータ(40)の一端から他端へ向かって螺旋状に延びる螺旋溝(41)が複数(本実施形態では、6本)形成されている。各螺旋溝(41)は、スクリューロータ(40)の外周部に形成された凹溝であって、流体室である圧縮室(23)を形成する。
スクリューロータ(40)の各螺旋溝(41)は、図3における左端が始端となり、同図における右端が終端となっている。また、スクリューロータ(40)は、同図における左端部(吸入側の端部)がテーパー状に形成されている。図3に示すスクリューロータ(40)では、テーパー面状に形成されたその左端面に螺旋溝(41)の始端が開口する一方、その右端面に螺旋溝(41)の終端は開口していない。各螺旋溝(41)では、スクリューロータ(40)の回転方向の前方に位置する側壁面が前方壁面(42)となり、スクリューロータ(40)の回転方向の後方に位置する側壁面が後方壁面(43)となっている。
スクリューロータ(40)の外周面(49)では、隣り合う二つの螺旋溝(41)に挟まれた部分が周方向シール面(45)を構成している。周方向シール面(45)では、その周縁のうちスクリューロータ(40)の回転方向の前方に位置する部分が前縁(46)となり、その周縁のうちスクリューロータ(40)の回転方向の後方に位置する部分が後縁(47)となっている。また、スクリューロータ(40)の外周面(49)では、螺旋溝(41)の終端に隣接する部分が軸方向シール面(48)を構成している。この軸方向シール面(48)は、スクリューロータ(40)の端面に沿った円周面となっている。
上述したように、スクリューロータ(40)は、円筒壁(30)に挿入されている。そして、スクリューロータ(40)の周方向シール面(45)および軸方向シール面(48)は、円筒壁(30)の内周面(35)と摺接する。
なお、スクリューロータ(40)の周方向シール面(45)および軸方向シール面(48)と円筒壁(30)の内周面(35)とは、物理的に接触している訳ではなく、両者の間にはスクリューロータ(40)をスムーズに回転させるために必要な最小限のクリアランスが設けられている。そして、スクリューロータ(40)の周方向シール面(45)および軸方向シール面(48)と円筒壁(30)の内周面(35)との間には冷凍機油からなる油膜が形成され、この油膜によって圧縮室(23)の気密性が確保される。
各ゲートロータ(50)は、長方形板状に形成された複数(本実施形態では、11枚)のゲート(51)が放射状に設けられた樹脂製の部材である。各ゲートロータ(50)は、円筒壁(30)の外側に、スクリューロータ(40)の回転軸に対して軸対称となるように配置されている。つまり、本実施形態のスクリュー圧縮機(1)では、二つのゲートロータ(50)が、スクリューロータ(40)の回転中心軸周りに等角度間隔(本実施形態では180°間隔)で配置されている。各ゲートロータ(50)の軸心は、スクリューロータ(40)の軸心と直交している。各ゲートロータ(50)は、ゲート(51)が円筒壁(30)を貫通してスクリューロータ(40)の螺旋溝(41)に噛み合うように配置されている。
スクリューロータ(40)の螺旋溝(41)に噛み合ったゲート(51)は、その両側部が螺旋溝(41)の前方壁面(42)または後方壁面(43)と摺接し、その先端部が螺旋溝(41)の底壁面(44)と摺接する。なお、螺旋溝(41)に噛み合ったゲート(51)とスクリューロータ(40)との間には、スクリューロータ(40)をスムーズに回転させるために必要な最小限のクリアランスが設けられている。螺旋溝(41)に噛み合ったゲート(51)とスクリューロータ(40)との間には冷凍機油からなる油膜が形成され、この油膜によって圧縮室(23)の気密性が確保される。
ゲートロータ(50)は、金属製のロータ支持部材(55)に取り付けられている(図2,図4を参照)。ロータ支持部材(55)は、基部(56)とアーム部(57)と軸部(58)とを備えている。基部(56)は、やや肉厚の円板状に形成されている。アーム部(57)は、ゲートロータ(50)のゲート(51)と同数だけ設けられており、基部(56)の外周面から外側へ向かって放射状に延びている。軸部(58)は、棒状に形成されて基部(56)に立設されている。軸部(58)の中心軸は、基部(56)の中心軸と一致している。ゲートロータ(50)は、基部(56)およびアーム部(57)における軸部(58)とは反対側の面に取り付けられている。各アーム部(57)は、ゲート(51)の裏面に当接している。
スクリュー圧縮機(1)には、容量調節用のスライドバルブ(70)が設けられている。このスライドバルブ(70)は、バルブ収納部(31)内に設けられている。バルブ収納部(31)は、円筒壁(30)がその周方向の2カ所において径方向外側に膨出した部分であって、吐出側の端部(図1における右端部)から吸入側の端部(同図における左端部)へ向かって延びる概ね半円筒形状に形成されている。スライドバルブ(70)は、円筒壁(30)の軸心方向(即ち、スクリューロータ(40)の軸方向)へスライド移動可能に構成されており、バルブ収納部(31)へ挿入された状態でスクリューロータ(40)の周側面と対面する。
ケーシング(10)内には、円筒壁(30)の外側に連通路(32)が形成されている。連通路(32)は、各バルブ収納部(31)に対応して1つずつ形成されている。連通路(32)は、円筒壁(30)の軸方向へ延びる通路であって、その一端が低圧空間(S1)に開口し、その他端がバルブ収納部(31)の吸入側の端部に開口している。円筒壁(30)のうち連通路(32)の他端(図1における右端)に隣接する部分は、スライドバルブ(70)の先端面(P2)が当接するシート部(11)を構成している。また、シート部(11)では、スライドバルブ(70)の先端面(P2)と向かい合う面がシート面(P1)を構成している。この円筒壁(30)のシート面(P1)は、スライドバルブ(70)の先端面(P2)に対応した形状となっており、その全体がスライドバルブ(70)の先端面(P2)と密着し得る。
スライドバルブ(70)が高圧空間(S2)寄り(図1における駆動軸(21)の軸方向を左右方向とした場合の右側寄り)へ移動すると、バルブ収納部(31)の端面(P1)とスライドバルブ(70)の端面(P2)との間に軸方向隙間が形成される。この軸方向隙間は、圧縮室(23)から低圧空間(S1)へ冷媒を戻すためのバイパス通路(33)を、連通路(32)と共に構成している。つまり、バイパス通路(33)は、その一端が低圧空間(S1)に連通し、その他端が円筒壁(30)の内周面(35)に開口可能となっている。バルブ収納部(31)の端面(P1)とスライドバルブ(70)の端面(P2)とが互いに離れた状態では、両者の間に形成された開口が、円筒壁(30)の内周面(35)におけるバイパス通路(33)の開口部(34)となる。そして、スライドバルブ(70)が移動すると、バイパス通路(33)の開口部(34)の面積が変化し、圧縮機構(20)の容量が変化する。
スクリュー圧縮機(1)には、スライドバルブ(70)を駆動するためのスライドバルブ駆動機構(80)が設けられている(図1を参照)。このスライドバルブ駆動機構(80)は、軸受ホルダ(60)に固定されたシリンダ(81)と、該シリンダ(81)内に装填されたピストン(82)と、該ピストン(82)のピストンロッド(83)に連結されたアーム(84)と、該アーム(84)とスライドバルブ(70)とを連結する連結ロッド(85)と、アーム(84)を図1の右方向(アーム(84)をケーシング(10)から引き離す方向)に付勢するスプリング(86)とを備えている。
図1に示すスライドバルブ駆動機構(80)では、ピストン(82)の左側空間(ピストン(82)のスクリューロータ(40)側の空間)の内圧が、ピストン(82)の右側空間(ピストン(82)のアーム(84)側の空間)の内圧よりも高くなっている。そして、スライドバルブ駆動機構(80)は、ピストン(82)の右側空間の内圧(即ち、右側空間内のガス圧)を調節することによって、スライドバルブ(70)の位置を調整するように構成されている。
スクリュー圧縮機(1)の運転中において、スライドバルブ(70)では、その軸方向の端面の一方に圧縮機構(20)の吸入圧LPが、他方に圧縮機構(20)の吐出圧HPがそれぞれ作用する。このため、スクリュー圧縮機(1)の運転中において、スライドバルブ(70)には、常にスライドバルブ(70)を低圧空間(S1)側へ押す方向の力が作用する。したがって、スライドバルブ駆動機構(80)におけるピストン(82)の左側空間および右側空間の内圧を変更すると、スライドバルブ(70)を高圧空間(S2)側へ引き戻す方向の力の大きさが変化し、その結果、スライドバルブ(70)の位置が変化する。
図5に示すように、スライドバルブ(70)は、弁体部(71)とガイド部(72)を備えている。弁体部(71)とガイド部(72)とは、連結部(図示せず)によって連結されて、一体に形成されている。
弁体部(71)は、中実の円柱の一部を削ぎ落としたような形状となっており、削ぎ落とされた部分がスクリューロータ(40)を向く姿勢でケーシング(10)内に設置されている。弁体部(71)において、スクリューロータ(40)と向かい合う面は、その曲率半径が円筒壁(30)の内周面(35)の曲率半径と等しい円弧面となっており、スクリューロータ(40)と摺接する。弁体部(71)では、ガイド部(72)側(図5における右側)の端面が弁体部(71)の軸方向に対して傾斜した傾斜面となっている。この傾斜面の傾きは、スクリューロータ(40)の螺旋溝(41)の傾きと概ね一致している。
ガイド部(72)は、断面がT字形の柱状に形成されている。このガイド部(72)において、T字形の横棒に対応する側面は、その曲率半径が円筒壁(30)の内周面(35)の曲率半径と等しい円弧面となっており、軸受ホルダ(60)の外周面と摺接する。また、ガイド部(72)では、弁体部(71)側(図5における左側)の端面がガイド部(72)の軸方向に対して直交する面となっている。
そして、スライドバルブ(70)では、弁体部(71)とガイド部(72)との間が主吐出ポート(75)となっている。高圧空間(S2)は、この主吐出ポート(75)を介して圧縮室(23)に連通する。
さらに、スクリュー圧縮機(1)には、図5に示すように、補助ポート可変機構(100)が設けられている。補助ポート可変機構(100)は、補助バルブ(110)と、該補助バルブ(110)を駆動するための補助バルブ駆動機構(120)とを備えている。
補助バルブ(110)は、スクリューロータ(40)の軸方向にスライド移動自在にバルブ収納部(31)に装填されている。補助バルブ(110)は、バルブ収納部(31)おいてスライドバルブ(70)のゲートロータ(50)側に装填されている。補助バルブ(110)は、スライドバルブ(70)と同様、弁体部(111)とガイド部(112)を備えている。弁体部(111)とガイド部(112)とは、連結部(図示せず)によって連結されて、一体に形成されている。弁体部(111)およびガイド部(112)は、スライドバルブ(70)のそれと概ね同じ形状をなしている。
具体的に、弁体部(111)において、スクリューロータ(40)と向かい合う面は、その曲率半径が円筒壁(30)の内周面(35)の曲率半径と等しい円弧面となっており、スクリューロータ(40)と摺接する。弁体部(111)では、ガイド部(112)側(図5における右側)の端面が弁体部(111)の軸方向に対して傾斜した傾斜面となっている。この傾斜面の傾きは、スクリューロータ(40)の螺旋溝(41)の傾きと概ね一致している。ガイド部(112)は、断面がT字形の柱状に形成されている。ガイド部(112)では、弁体部(111)側(図5における左側)の端面がガイド部(112)の軸方向に対して直交する面となっている。
そして、補助バルブ(110)では、弁体部(111)とガイド部(112)との間が補助吐出ポート(115)となっている。補助吐出ポート(115)は、スライドバルブ(70)の主吐出ポート(75)に連続して設けられ、主吐出ポート(75)と共に一つの吐出ポートを形成する。高圧空間(S2)は、主吐出ポート(75)と併せて補助吐出ポート(115)を介して圧縮室(23)に連通する。
図5に示すように、補助バルブ駆動機構(120)は、ケーシング(10)内に設けられたシリンダ(121)と、該シリンダ(121)内に装填されたピストン(122)と、該ピストン(122)と補助バルブ(110)の弁体部(111)とに連結されたピストンロッド(123)と、シリンダ(121)におけるピストン(122)の背圧空間に接続された背圧流路(125)と、該背圧流路(125)に設けられた開閉弁(126)とを備えている。
補助バルブ駆動機構(120)では、シリンダ(121)におけるピストンロッド(123)側の空間(図5における右側空間)に圧縮機構(20)の吸入圧LPが作用している。背圧流路(125)は、圧縮機構(20)の吐出冷媒が流通する。つまり、開閉弁(126)を開くと圧縮機構(20)の吐出圧HPがピストン(122)の背圧空間に作用し、開閉弁(126)を閉じると吐出圧HPがピストン(122)の背圧空間に作用しなくなる。また、補助バルブ(110)では、ガイド部(112)の軸方向の端面(図5における右側端面)に圧縮機構(20)の吐出圧HPが作用している。ここで、補助バルブ(110)の上記端面の受圧面積は、ピストン(122)の背圧側の受圧面積よりも小さい。したがって、補助バルブ駆動機構(120)では、開閉弁(126)を閉じると補助バルブ(110)が図5において左側へスライド移動し、開閉弁(126)を開くと補助バルブ(110)が図5において右側へスライド移動するようになっている。なお、開閉弁(126)は電磁弁である。
また、スクリュー圧縮機(1)には、圧縮室(23)の冷媒の圧力(即ち、圧縮室(23)から吐出される冷媒の圧力)を検出するための圧力センサ(128)が設けられている。具体的に、圧力センサ(128)は上述した冷媒圧力に相当する高圧空間(S2)の圧力を検出する。そして、補助バルブ駆動機構(120)は、スクリュー圧縮機(1)の起動時や低負荷運転時において、圧力センサ(128)の検出圧力に基づいて開閉弁(126)の開閉動作を制御するように構成されている。
−運転動作−
スクリュー圧縮機(1)において電動機を起動すると、駆動軸(21)が回転するのに伴ってスクリューロータ(40)が回転する。このスクリューロータ(40)の回転に伴ってゲート(51)が螺旋溝(41)の終端へ向かって移動し、それに伴って圧縮室(23)の容積が次第に縮小する。その結果、圧縮室(23)内のガス冷媒が圧縮される。更にスクリューロータ(40)が回転すると、主吐出ポート(75)および補助吐出ポート(115)が圧縮室(23)に開口し、圧縮室(23)から圧縮冷媒が主吐出ポート(75)および補助吐出ポート(115)を介して高圧空間(S2)へ吐出される。
図5(A)に示すように、定格負荷時(運転容量100%時)には、スライドバルブ(70)がスクリューロータ(40)の軸方向において最も吸入側(同図における左側)へ移動した状態となる。この状態では、主吐出ポート(75)が圧縮室(23)に開口するタイミング(即ち、吐出タイミング)が比較的早い。また、この状態では、主吐出ポート(75)の全体が圧縮室(23)に開口する一方、バイパス通路(33)の開口部(34)が閉じられる。つまり、吐出流量が最大となる。この状態において、補助バルブ(110)は、補助吐出ポート(115)が主吐出ポート(75)と同じタイミングで圧縮室(23)に開口するように移動される。具体的には、補助バルブ(110)の弁体部(111)における補助吐出ポート(115)側の傾斜面が、スライドバルブ(70)の弁体部(71)における主吐出ポート(75)側の傾斜面と面一になるように、補助バルブ(110)がスクリューロータ(40)の軸方向において吸入側(同図において矢印で示す方向)へ移動される。つまり、補助バルブ駆動機構(120)の開閉弁(126)が閉じられることによって、補助バルブ(110)が移動される。
これにより、図5(A)にドットで付したように、主吐出ポート(75)と補助吐出ポート(115)によって一つの台形状の吐出ポートが形成される。この状態では、主吐出ポート(75)および補助吐出ポート(115)から吐出される流体の流れは、従来のように円筒壁(30)によって阻害されることはない。したがって、吐出における通路抵抗が低減されるので、吐出損失が低減される。
また、図5(B)に示すように、低負荷時(例えば、運転容量40%時)や起動時には、スライドバルブ(70)がスクリューロータ(40)の軸方向において吐出側(同図における右側)へ移動した状態となる。この状態では、主吐出ポート(75)は圧縮室(23)に開口しなくなる一方、バイパス通路(33)の開口部(34)が開口する。つまり、吐出流量が少なくなる。この状態においては、補助吐出ポート(115)が圧縮室(23)に開口する面積(開口面積)が所定範囲内となるように、補助バルブ(110)の移動が制御される。
具体的には、図6のフローチャートに基づいて補助バルブ(110)の移動が制御される。先ず、圧力センサ(128)によって圧縮室(23)の冷媒圧力が検出される(ステップST10)。続いて、圧力センサ(128)の検出圧力Pgが、所定範囲であるかについて判定される(ステップST11)。ステップST11において、検出圧力Pgが予め設定された下限値Paよりも低い(Pg<Pa)と判定されると、補助吐出ポート(115)の圧縮室(23)に対する開口面積が縮小される(ステップST12)。そのために、補助バルブ(110)は図5(B)において右側へ移動される。下限値Paは、冷媒回路に設けられた四路切換弁の切換動作に必要な圧力(作動圧力)であり、例えば0.02MPaに設定される。このステップST12による補助バルブ(110)の移動によって、圧縮室(23)の冷媒圧力(検出圧力Pg)が高くなり、四路切換弁の作動圧力を十分に確保することができる。
また、ステップST11において、検出圧力Pgが予め設定された上限値Pbよりも高い(Pg>Pb)と判定されると、補助吐出ポート(115)の圧縮室(23)に対する開口面積が拡大される(ステップST14)。そのために、補助バルブ(110)は図5(B)において左側へ移動される。上限値Pbは、圧縮室(23)において液圧縮が発生した際の冷媒圧力であり、設計圧力以上の例えば3.0MPaに設定される。このステップST14による補助バルブ(110)の移動によって、圧縮室(23)において液冷媒が封じ込められるのを緩和することができ、確実に液圧縮を回避することができる。
また、ステップST11において、検出圧力Pgが下限値Pa以上で上限値Pb以下(Pa≦Pg≦Pb)であると判定されると、補助吐出ポート(115)の圧縮室(23)に対する開口面積は維持される(ステップST13)。つまり、補助バルブ(110)は移動しない。
以上のように、本実施形態によれば、定格負荷時においては、吐出損失を低減することができ、低負荷時や起動時においては、液圧縮を回避できると共に四路切換弁の作動圧力を確保することができる。よって、液圧縮を回避し且つ四路切換弁の作動圧力を確保しながらも、運転効率の低下を抑制することができる。
−実施形態の変形例1−
本変形例は、図7に示すように、上記実施形態において補助バルブ駆動機構(120)の構成を変更したものである。本変形例の補助バルブ駆動機構(130)は、バネ収納部(131)とバネ(132)を備えている。バネ収納部(131)は、補助バルブ(110)の弁体部(71)の背面側に凹陥されて形成されている。このバネ収納部(131)にバネ(132)が装填されている。バネ(132)は、スクリューロータ(40)の軸方向において吐出側へ弁体部(71)(補助バルブ(110))を付勢している。補助バルブ(110)では、ガイド部(112)の軸方向の端面(図7における右側端面)に圧縮機構(20)の吐出圧HPが作用している。また、補助バルブ(110)では、弁体部(71)の軸方向の端面(図7における左側端面)に圧縮機構(20)の吸入圧LPが作用している。
本変形例の補助バルブ駆動機構(130)では、図7(A)に示すように、定格負荷時において、スライドバルブ(70)がスクリューロータ(40)の軸方向において最も吸入側(同図における左側)へ移動した状態となる。この状態において、補助バルブ(110)は、補助吐出ポート(115)が主吐出ポート(75)と同じタイミングで圧縮室(23)に開口するように移動する。具体的には、補助バルブ(110)の弁体部(111)における補助吐出ポート(115)側の傾斜面が、スライドバルブ(70)の弁体部(71)における主吐出ポート(75)側の傾斜面と面一になるように、補助バルブ(110)がスクリューロータ(40)の軸方向において吸入側(同図において矢印で示す方向)へ移動する。つまり、補助バルブ(110)では、ガイド部(112)に作用する吐出圧HPによって生じる力(補助バルブ(110)を吸入側へ押し込もうとする力)が、補助バルブ駆動機構(120)のバネ(132)による付勢力に打ち勝って、補助バルブ(110)が吸入側へ移動される。
これにより、図7(A)にドットで付したように、主吐出ポート(75)と補助吐出ポート(115)によって一つの台形状の吐出ポートが形成される。この状態では、主吐出ポート(75)および補助吐出ポート(115)から吐出される流体の流れは、従来のように円筒壁(30)によって阻害されることはない。したがって、吐出における通路抵抗が低減されるので、吐出損失が低減される。
また、図7(B)に示すように、低負荷時や起動時においては、スライドバルブ(70)がスクリューロータ(40)の軸方向において吐出側へ移動されて、主吐出ポート(75)が圧縮室(23)に開口しなくなる。そうすると、補助バルブ(110)のガイド部(112)に作用していた吐出圧HPが低下する。吐出圧HPが低下すると、補助バルブ駆動機構(120)のバネ(132)による付勢力が、ガイド部(112)に作用する吐出圧HPによって生じる力(補助バルブ(110)を吸入側へ押し込もうとする力)に打ち勝って、補助バルブ(110)が吐出側へ移動される。この状態において、補助吐出ポート(115)の圧縮室(23)に対する開口面積は所定値となっている。この所定値は、上記実施形態と同様、液圧縮を回避し得る十分な大きさであって、四路切換弁の作動圧力を確保し得る大きさである。
−実施形態の変形例2−
本変形例は、図8に示すように、上記実施形態においてスライドバルブ(70)と補助バルブ(110)の形状および収納形態を変更したものである。本変形例では、上記実施形態のスライドバルブ(70)をスクリューロータ(40)の周方向に略二分割して、ゲートロータ(50)側の一方を補助バルブ(110)とし、残りの他方をスライドバルブ(70)としている。スライドバルブ(70)および補助バルブ(110)の双方の弁体部(71,111)およびガイド部(72,112)は、上記実施形態と同様、スクリューロータ(40)と向かい合う面の曲率半径が円筒壁(30)の内周面(35)の曲率半径と等しい円弧面となっている。こうすることにより、ケーシング(10)のバルブ収納部(31)を小型化することができる。
−実施形態の変形例3−
本変形例は、図9〜図12に示すように、上記実施形態において補助ポート可変機構(100)の構成を変更したものである。
本変形例の補助ポート可変機構(100)は補助吐出ポート(145)を備えている。補助吐出ポート(145)は、図9に示すように、円筒壁(30)に形成された固定式のポートである。補助吐出ポート(145)は、スライドバルブ(70)の主吐出ポート(75)に連続して形成されている。そして、補助吐出ポート(145)は、スライドバルブ(70)が最も吸入側へ移動した状態(定格負荷時)において、吸入側の端部がスライドバルブ(70)の弁体部(71)の軸方向の端面(図9において右側端面)と面一になるように形成されている。また、補助吐出ポート(145)は、スライドバルブ(70)が最も吸入側へ移動した状態(定格負荷時)において、吐出側の端部がスライドバルブ(70)のガイド部(72)の軸方向の端面(図9において左側端面)と面一になるように形成されている。これにより、図9にドットで付したように、主吐出ポート(75)と補助吐出ポート(145)によって一つの台形状の吐出ポートが形成される。つまり、補助吐出ポート(115)は主吐出ポート(75)と同じタイミングで圧縮室(23)に開口する。
また、本変形例の補助ポート可変機構(100)は、補助バルブ(140)と、該補助バルブ(140)を駆動する補助バルブ駆動機構(150)とを備えている。図10,12に示すように、補助バルブ駆動機構(150)は、補助バルブ(140)を補助吐出ポート(145)に対してスクリューロータ(40)の径方向に進退させる。補助バルブ駆動機構(150)は、ケーシング(10)内に設けられたシリンダ(151)と、該シリンダ(151)内に装填されたピストン(152)と、該ピストン(152)と補助バルブ(140)とに連結されたピストンロッド(153)と、シリンダ(151)におけるピストン(152)の背圧空間に接続された背圧流路(155)と、該背圧流路(155)に設けられた開閉弁(156)とを備えている。
補助バルブ駆動機構(150)では、シリンダ(151)におけるピストンロッド(153)側の空間(図10,12における左側空間)に圧縮機構(20)の吸入圧LPが作用している。背圧流路(155)は、圧縮機構(20)の吐出冷媒が流通する。つまり、開閉弁(156)を開くと圧縮機構(20)の吐出圧HPがピストン(152)の背圧空間に作用し、開閉弁(156)を閉じると吐出圧HPがピストン(152)の背圧空間に作用しなくなる。また、シリンダ(151)には、ピストン(152)をスクリューロータ(40)の径方向外側(図10,12において右方向)へ付勢するバネが装填されている。
本変形例では、定格負荷時において、補助バルブ駆動機構(150)の開閉弁(156)が閉じられる。そうすると、図10に示すように、補助バルブ(140)がスクリューロータ(40)の径方向外側へ引っ張られて補助吐出ポート(145)から抜け出る。そうすると、図9に示すように、補助吐出ポート(145)の全体が圧縮室(23)に開口すると共に、主吐出ポート(75)と同じタイミングで圧縮室(23)に開口する。これにより、主吐出ポート(75)および補助吐出ポート(145)から吐出される冷媒の流れは、上記実施形態と同様、円筒壁(30)によって阻害されることはない。したがって、吐出における通路抵抗が低減されるので、吐出損失が低減される。
また、図11に示すように、低負荷時や起動時においては、スライドバルブ(70)がスクリューロータ(40)の軸方向において吐出側へ移動されて、主吐出ポート(75)が圧縮室(23)に開口しなくなる。そうすると、補助バルブ駆動機構(150)では開閉弁(156)が開く。開閉弁(156)が開くと、図12に示すように、吐出圧HPがピストン(152)の背面に作用して補助バルブ(140)をスクリューロータ(40)の径方向内側へ押し込もうとする力がシリンダ(151)内のバネの付勢力に打ち勝って、補助バルブ(140)がスクリューロータ(40)の径方向内側へ移動して補助吐出ポート(145)へ挿入される。補助バルブ(140)が補助吐出ポート(145)に挿入されると、補助吐出ポート(145)における吸入側端部から所定領域が補助バルブ(140)によって閉塞される(図11参照)。これにより、補助吐出ポート(145)が圧縮室(23)に開口する部分は、図11においてドットを付した部分となり、その開口面積は所定値となる。この所定値は、上記実施形態と同様、液圧縮を回避し得る十分な大きさであって、四路切換弁の作動圧力を確保し得る大きさである。
本変形例においても、補助バルブ駆動機構(150)は、上記実施形態と同様、起動時や低負荷運転時において、圧力センサ(128)の検出圧力に基づいて開閉弁(156)の開閉動作を制御するように構成されている。つまり、図6のフローチャートに基づいて補助バルブ(140)の移動(スクリューロータ(40)の径方向の移動)が制御される。要するに、図6のステップST12では、開閉弁(156)が開いて補助バルブ(140)が補助吐出ポート(145)に挿入されることで、補助吐出ポート(145)の圧縮室(23)に対する開口面積が縮小する(図11,12の状態)。また、図6のステップST14では、開閉弁(156)が閉じられて補助バルブ(140)が補助吐出ポート(145)から抜け出ることで、補助吐出ポート(145)の圧縮室(23)に対する開口面積が拡大する(図9,10の状態)。
以上のように、本変形例においても、定格負荷時においては、吐出損失を低減することができ、低負荷時や起動時においては、液圧縮を回避できると共に四路切換弁の作動圧力を確保することができる。
以上説明したように、本発明は、容量調節用のスライドバルブを備えるスクリュー圧縮機について有用である。
1 シングルスクリュー圧縮機(スクリュー圧縮機)
10 ケーシング
23 圧縮室
30 円筒壁(シリンダ部)
40 スクリューロータ
41 螺旋溝
70 スライドバルブ
75 主吐出ポート
100 補助ポート可変機構
110,140 補助バルブ
115,145 補助吐出ポート
128 圧力センサ

Claims (5)

  1. 複数の螺旋溝(41)が形成されたスクリューロータ(40)と、
    上記スクリューロータ(40)が挿入され、上記螺旋溝(41)との間に流体の圧縮室(23)を形成するシリンダ部(30)を有するケーシング(10)と、
    上記スクリューロータ(40)の回転に伴って上記圧縮室(23)に開口する主吐出ポート(75)が形成され、上記スクリューロータ(40)の軸方向へ移動可能に上記シリンダ部(30)に設けられたスライドバルブ(70)と、
    上記主吐出ポート(75)に連続して設けられ、上記スクリューロータ(40)の回転に伴って上記圧縮室(23)に開口する補助吐出ポート(115,145)を有し、該補助吐出ポート(115,145)が上記圧縮室(23)に開口するタイミングが可変に構成された補助ポート可変機構(100)とを備えている
    ことを特徴とするスクリュー圧縮機。
  2. 請求項1において、
    上記補助ポート可変機構(100)は、上記補助吐出ポート(115)が形成され、上記スクリューロータ(40)の軸方向へ移動可能に上記シリンダ部(30)に設けられた補助バルブ(110)を備えている
    ことを特徴とするスクリュー圧縮機。
  3. 請求項1において、
    上記補助ポート可変機構(100)の補助吐出ポート(145)は、上記スライドバルブ(70)が上記スクリューロータ(40)の軸方向吸入側へ最も移動したときに、上記圧縮室(23)に開口するタイミングが上記主吐出ポート(75)と同じになるように上記シリンダ部(30)に形成され、
    上記補助ポート可変機構(100)は、上記補助吐出ポート(145)における上記スクリューロータ(40)の軸方向吸入側の端部から所定領域を閉塞するための補助バルブ(140)を備えている
    ことを特徴とするスクリュー圧縮機。
  4. 請求項2において、
    上記補助ポート可変機構(100)は、上記圧縮室(23)の流体の圧力を検出する圧力センサ(128)を備え、該圧力センサ(128)の検出圧力に基づいて、上記補助バルブ(110)の移動動作を制御するように構成されている
    ことを特徴とするスクリュー圧縮機。
  5. 請求項3において、
    上記補助ポート可変機構(100)は、上記圧縮室(23)の流体の圧力を検出する圧力センサ(128)を備え、該圧力センサ(128)の検出圧力に基づいて、上記補助バルブ(140)の閉塞動作を制御するように構成されている
    ことを特徴とするスクリュー圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP3683445A4 (en) * 2017-10-30 2020-12-09 Daikin Industries, Ltd. SCREW COMPRESSOR
WO2023073798A1 (ja) * 2021-10-26 2023-05-04 三菱電機株式会社 スクリュー圧縮機

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WO2023073798A1 (ja) * 2021-10-26 2023-05-04 三菱電機株式会社 スクリュー圧縮機

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