JP2012193217A - フェノール系化合物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 50℃における低い粘度と低吸湿性を発揮し、エポキシ樹脂と反応硬化させた場合に良好な機械特性を発揮するフェノール系化合物を提供すること。
【解決手段】 フェノール類と、芳香族アルデヒド化合物と、ホルムアルデヒドとを反応させて得られるフェノール系化合物であって、前記ホルムアルデヒドのモル数に対して前記芳香族アルデヒド化合物を0.1〜4.0倍モル用い、かつ、前記フェノール系化合物は、50℃における粘度が0.01〜100Pa・sであるフェノール系化合物とする。
【選択図】 なし
【解決手段】 フェノール類と、芳香族アルデヒド化合物と、ホルムアルデヒドとを反応させて得られるフェノール系化合物であって、前記ホルムアルデヒドのモル数に対して前記芳香族アルデヒド化合物を0.1〜4.0倍モル用い、かつ、前記フェノール系化合物は、50℃における粘度が0.01〜100Pa・sであるフェノール系化合物とする。
【選択図】 なし
Description
本発明は各種バインダー、コンパウンド、コーティング材、積層材、成形材料等のエポキシ樹脂用硬化剤として使用される他、エポキシ化ノボラック樹脂の原料としても使用することができるフェノール系化合物に関する。
従来から、電子材料用、特に半導体(IC)封止の分野では生産性、コスト等の面より樹脂封止が主流であり、作業性、成形性、電気特性、耐湿性、機械特性等に優れることから現状ではエポキシ樹脂組成物が主として用いられている。この硬化剤としては、フェノールノボラック樹脂、各種アミン類、酸無水物が挙げられるが、特に半導体(IC)封止用としては、耐熱性、信頼性の面からフェノールノボラック樹脂が主として用いられている。
近年、電子機器の更なる軽薄短小化、多機能化、半導体(IC)の高集積化が著しく加速しており、パッケージをプリント配線板(PCB)に取り付ける際の実装方式も、従来のピン挿入方式(DIP)から表面実装方式(BGA,SOP,SiP,CSP)が主流となってきている。更にはフリップチップ実装方式が高密度実装に有効な実装技術として適用され始めており、これらの封止材料やアンダーフィル材料としても使用されつつある。
これらは、液状のエポキシ樹脂と液状の酸無水物、アミン、アミド等の硬化剤が用いられ、フェノールノボラック硬化剤としては半固形や固形のフェノールノボラック樹脂又は溶剤に溶解したフェノールノボラック樹脂として用いられている。このようなフェノールノボラック樹脂を用いた封止材は、当然のことながら流動性が悪く、溶剤を用いたものは、溶剤が硬化後封止材中に含まれて性能に悪影響を及ぼす。
近年、電子機器の更なる軽薄短小化、多機能化、半導体(IC)の高集積化が著しく加速しており、パッケージをプリント配線板(PCB)に取り付ける際の実装方式も、従来のピン挿入方式(DIP)から表面実装方式(BGA,SOP,SiP,CSP)が主流となってきている。更にはフリップチップ実装方式が高密度実装に有効な実装技術として適用され始めており、これらの封止材料やアンダーフィル材料としても使用されつつある。
これらは、液状のエポキシ樹脂と液状の酸無水物、アミン、アミド等の硬化剤が用いられ、フェノールノボラック硬化剤としては半固形や固形のフェノールノボラック樹脂又は溶剤に溶解したフェノールノボラック樹脂として用いられている。このようなフェノールノボラック樹脂を用いた封止材は、当然のことながら流動性が悪く、溶剤を用いたものは、溶剤が硬化後封止材中に含まれて性能に悪影響を及ぼす。
酸無水物を用いて、無溶媒の封止剤を構成することも試みられているが、硬化後の封止剤が熱水の存在、たとえばプレッシャークッカー試験の条件で加水分解を起こして、生成した酸がアルミニウム等の金属基板や配線を腐食させるために、耐湿寿命の低下を招いている。又、アミン、アミド基は強い活性を有することから信頼性の面からも好ましくない。
そこで液状フェノールノボラック樹脂として、アリルフェノールノボラック樹脂が開示されている(特許文献1)が、耐熱性が十分でないという問題があった。また、トリヒドロキシフェニルメタン型のフェノールノボラック樹脂のアリル化物が開示されている(特許文献2)が、流動性が十分であるとは言えず、低粘度と硬化物の耐熱性を両立できないという問題があった。
そこで液状フェノールノボラック樹脂として、アリルフェノールノボラック樹脂が開示されている(特許文献1)が、耐熱性が十分でないという問題があった。また、トリヒドロキシフェニルメタン型のフェノールノボラック樹脂のアリル化物が開示されている(特許文献2)が、流動性が十分であるとは言えず、低粘度と硬化物の耐熱性を両立できないという問題があった。
更には、フェノール化合物を2種類以上併用した耐熱性液状フェノールノボラック樹脂が開示されている(特許文献3)が、フェノール化合物を2種類以上併用する点から反応におけるコンディションに応じて得られる耐熱性液状フェノールノボラック樹脂の構造が変動する為、生産における再現性に乏しいという問題があった。
本発明の目的は、上記従来の問題点を解決し、50℃における低い粘度と低吸湿性を発揮し、エポキシ樹脂と反応硬化させた場合に良好な機械特性を発揮するフェノール系化合物を提供することにある。
本発明のフェノール系化合物は、50℃における低い粘度と低吸湿性を発揮し、エポキシ樹脂と反応硬化させた場合に良好な機械特性を発揮する。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果なされたものであって、具体的には、以下の構成を有する。
[1] 下記一般式(1)〜(3)で表される繰り返し単位からなり、一般式(1)で表される繰り返し単位と一般式(2)で表される繰り返し単位との割合(一般式(1)の繰り返し単位数/一般式(2)の繰り返し単位数)の平均が0.1〜4.0であり、分子の両末端は一般式(3)の構造であり、50℃におけるE型粘度計による回転粘度が0.01〜100Pa・sであるフェノール系化合物である。
(式中、a,b,cは、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜4の直鎖又は分岐状アルキル基、置換基を有していてもよいアリル基のいずれかを示し、aやbが2以上である場合には、それぞれのR1及びそれぞれのR2は同一でも異なっていてもよい。)
(式中、dは0〜3の整数を表す。R3は水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜4の直鎖又は分岐状アルキル基、置換基を有していてもよいアリル基のいずれかを示し、dが2以上である場合には、それぞれのR3は同一でも異なっていてもよい。)
(式中、eは0〜3の整数を表す。R4は水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜4の直鎖又は分岐状アルキル基、置換基を有していてもよいアリル基のいずれかを示す。eが2以上である場合には、それぞれのR4は同一でも異なっていてもよい。)
[2] 一般式(1)〜(3)において、R1、R3、R4の少なくとも1つが、アリル基である前記[1]に記載のフェノール系化合物である。
[3] 一般式(1)で表される繰り返し単位が、下記一般式(4)又は下記一般式(5)で表される繰り返し単位である前記[1]又は[2]に記載のフェノール系化合物である。
(式中、aは0〜3の整数を表す。R1は水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜4の直鎖又は分岐状アルキル基、置換基を有していてもよいアリル基のいずれかを示す。aが2以上である場合には、それぞれのR1は同一でも異なっていてもよい。)
(式中、aは0〜3の整数を表す。R1は水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜4の直鎖又は分岐状アルキル基、置換基を有していてもよいアリル基のいずれかを示す。aが2以上である場合には、それぞれのR1は同一でも異なっていてもよい。)
[4] 一般式(6)で表されるフェノール類と、一般式(7)で表される芳香族アルデヒド化合物と、ホルムアルデヒドとを反応させて得られるフェノール系化合物であって、前記ホルムアルデヒドのモル数に対して前記一般式(7)で表される芳香族アルデヒド化合物を0.1〜4.0倍モル用い、かつ、前記フェノール系化合物は、50℃における粘度が0.01〜100Pa・sであるフェノール系化合物である。
(式中、fは0〜3の整数を表す。R7は水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜4の直鎖又は分岐状アルキル基、置換基を有していてもよいアリル基のいずれかを示す。fが2以上である場合には、それぞれのR7は同一でも異なっていてもよい。)
(式中、b,cは0〜3の整数を表す。R8は同一でも異なっていてもよく、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜4の直鎖又は分岐状アルキル基、置換基を有していてもよいアリル基のいずれかを示す。bが2以上である場合には、それぞれのR8は同一でも異なっていてもよい。)
[5] 一般式(6)で表されるフェノール類が、2−アリルフェノールである前記[4]に記載のフェノール系化合物である。
[6] 一般式(7)で表される芳香族アルデヒド化合物が、サリチルアルデヒド又はベンズアルデヒドである前記[4]又は[5]に記載のフェノール系化合物である。
[7] 塩基性触媒存在下で一般式(6)で表されるフェノール類と一般式(7)で表される芳香族アルデヒド化合物とを反応させ、その後、酸触媒存在下でホルムアルデヒドと反応させる前記[4]〜[6]のいずれか一つに記載のフェノール系化合物の製造方法である。
[8] 前記[1]〜[7]のいずれか一つに記載のフェノール系化合物とエピハロヒドリンとを反応させて得られるエポキシ樹脂である。
[9] 前記[1]〜[8]のいずれか一つに記載のフェノール系化合物とエポキシ樹脂とを含有するエポキシ樹脂組成物である。
[10] 前記[8]に記載のエポキシ樹脂とフェノール樹脂とを含有するエポキシ樹脂組成物である。
[11] 前記[9]又は[10]に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなるエポキシ樹脂硬化物である。
[12] 前記[9]又は[10]に記載のエポキシ樹脂組成物からなる半導体素子の封止材である。
[13] 前記[9]又は[10]に記載のエポキシ樹脂組成物からなる半導体素子のアンダーフィル材である。
[14] 前記[12]又は[13]に記載の封止材又はアンダーフィル剤を用いて封止された半導体装置である。
[1] 下記一般式(1)〜(3)で表される繰り返し単位からなり、一般式(1)で表される繰り返し単位と一般式(2)で表される繰り返し単位との割合(一般式(1)の繰り返し単位数/一般式(2)の繰り返し単位数)の平均が0.1〜4.0であり、分子の両末端は一般式(3)の構造であり、50℃におけるE型粘度計による回転粘度が0.01〜100Pa・sであるフェノール系化合物である。
[2] 一般式(1)〜(3)において、R1、R3、R4の少なくとも1つが、アリル基である前記[1]に記載のフェノール系化合物である。
[3] 一般式(1)で表される繰り返し単位が、下記一般式(4)又は下記一般式(5)で表される繰り返し単位である前記[1]又は[2]に記載のフェノール系化合物である。
[4] 一般式(6)で表されるフェノール類と、一般式(7)で表される芳香族アルデヒド化合物と、ホルムアルデヒドとを反応させて得られるフェノール系化合物であって、前記ホルムアルデヒドのモル数に対して前記一般式(7)で表される芳香族アルデヒド化合物を0.1〜4.0倍モル用い、かつ、前記フェノール系化合物は、50℃における粘度が0.01〜100Pa・sであるフェノール系化合物である。
[5] 一般式(6)で表されるフェノール類が、2−アリルフェノールである前記[4]に記載のフェノール系化合物である。
[6] 一般式(7)で表される芳香族アルデヒド化合物が、サリチルアルデヒド又はベンズアルデヒドである前記[4]又は[5]に記載のフェノール系化合物である。
[7] 塩基性触媒存在下で一般式(6)で表されるフェノール類と一般式(7)で表される芳香族アルデヒド化合物とを反応させ、その後、酸触媒存在下でホルムアルデヒドと反応させる前記[4]〜[6]のいずれか一つに記載のフェノール系化合物の製造方法である。
[8] 前記[1]〜[7]のいずれか一つに記載のフェノール系化合物とエピハロヒドリンとを反応させて得られるエポキシ樹脂である。
[9] 前記[1]〜[8]のいずれか一つに記載のフェノール系化合物とエポキシ樹脂とを含有するエポキシ樹脂組成物である。
[10] 前記[8]に記載のエポキシ樹脂とフェノール樹脂とを含有するエポキシ樹脂組成物である。
[11] 前記[9]又は[10]に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなるエポキシ樹脂硬化物である。
[12] 前記[9]又は[10]に記載のエポキシ樹脂組成物からなる半導体素子の封止材である。
[13] 前記[9]又は[10]に記載のエポキシ樹脂組成物からなる半導体素子のアンダーフィル材である。
[14] 前記[12]又は[13]に記載の封止材又はアンダーフィル剤を用いて封止された半導体装置である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のフェノール系化合物は、上記一般式(1)〜(3)で表される繰り返し単位からなる。上記一般式(1)で表される繰り返し単位と上記一般式(2)で表される繰り返し単位との割合(一般式(1)の繰り返し単位数/一般式(2)の繰り返し単位数)の平均は、0.1〜4.0であり、好ましくは0.2〜3.5、より好ましくは0.3〜3.0である。
また、本発明のフェノール系化合物は、50℃におけるE型粘度計による回転粘度が0.01〜100Pa・sである。
また、本発明のフェノール系化合物は、50℃におけるE型粘度計による回転粘度が0.01〜100Pa・sである。
本発明のフェノール系化合物は、一般式(1)で表され繰り返し単位数/一般式(2)で表される繰り返し単位の数が0.1未満では、フェノール系化合物とエポキシ樹脂と混合して得たエポキシ樹脂組成物のガラス転位温度が低くなる。また一方、一般式(1)で表される繰り返し単位の数/一般式(2)で表される繰り返し単位の数が4.0を超えると、フェノール系化合物及びエポキシ樹脂組成物の粘度が上昇し、流動性が悪くなる。
特に、分子中の一般式(1)で表される繰り返し単位の数が、一般式(2)で表される繰り返し単位の数よりも少ない場合、すなわち一般式(1)で表される繰り返し単位の数/一般式(2)で表される繰り返し単位の数が1.0未満である場合、得られるフェノール系化合物の50℃での粘度が低くなるため好ましい。
特に、分子中の一般式(1)で表される繰り返し単位の数が、一般式(2)で表される繰り返し単位の数よりも少ない場合、すなわち一般式(1)で表される繰り返し単位の数/一般式(2)で表される繰り返し単位の数が1.0未満である場合、得られるフェノール系化合物の50℃での粘度が低くなるため好ましい。
本発明で使用するフェノール類は、一般式(6)で記載のとおり、ベンゼン環に水酸基を1個有し、aが2以上である場合は、それぞれのR1は同一でも異なっていてもよく、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜4の直鎖又は分岐状アルキル基、置換基を有していてもよいアリル基のいずれかを示す化合物群である。
これらのフェノール類は、単独でも2種以上を混合して用いても何ら問題はない。
具体的なフェノール類としては、例えばフェノール、クレゾール、エチルフェノール、プロピルフェノール、ブチルフェノール、キシレノール、ブチルメチルフェノール、アリルフェノール、プロペニルフェノール等が挙げられるが、得られるフェノール系化合物の粘度が低くなるという観点から、特にaが2であり、R1がアリル基であるo−アリルフェノールが好ましい。
前記フェノール類として、フェノールとo−アリルフェノールとを混合して用いた場合には、フェノールの方が反応性が高いために、o−アリルフェノールよりもフェノールの方が先にアルデヒド化合物と反応してしまう傾向がある。このため、aが2であり、R1がアリル基であるフェノール系化合物を製造する場合は、実質的にフェノールを含有しないo−アリルフェノールを用いることが好ましい。
これらのフェノール類は、単独でも2種以上を混合して用いても何ら問題はない。
具体的なフェノール類としては、例えばフェノール、クレゾール、エチルフェノール、プロピルフェノール、ブチルフェノール、キシレノール、ブチルメチルフェノール、アリルフェノール、プロペニルフェノール等が挙げられるが、得られるフェノール系化合物の粘度が低くなるという観点から、特にaが2であり、R1がアリル基であるo−アリルフェノールが好ましい。
前記フェノール類として、フェノールとo−アリルフェノールとを混合して用いた場合には、フェノールの方が反応性が高いために、o−アリルフェノールよりもフェノールの方が先にアルデヒド化合物と反応してしまう傾向がある。このため、aが2であり、R1がアリル基であるフェノール系化合物を製造する場合は、実質的にフェノールを含有しないo−アリルフェノールを用いることが好ましい。
本発明のフェノール系化合物において、フェノール残基間のメチレン架橋基を形成する化合物としては、ホルムアルデヒドが好適に挙げられる。さらにホルムアルデヒドの形態としては、特に制限はないが、ホルムアルデヒド水溶液、及びパラホルムアルデヒド、トリオキサンなど酸存在下で分解してホルムアルデヒドとなる重合物を用いることもできる。
好ましくは、取り扱いの容易なホルムアルデヒド水溶液であり、市販品の42%ホルムアルデヒド水溶液をそのまま使用できる。
好ましくは、取り扱いの容易なホルムアルデヒド水溶液であり、市販品の42%ホルムアルデヒド水溶液をそのまま使用できる。
本発明でフェノール残基間の架橋を形成する化合物の一つは、上記一般式(1)、一般式(4)、一般式(5)で記載のとおり、ベンゼン環に水酸基を0〜3個有し、R2は水素原子又は、置換又は非置換の炭素原子数1〜4の直鎖又は分岐状のアルキル基、置換又は非置換のアリル基で示される芳香族アルデヒド化合物群である。
これらの芳香族アルデヒド化合物は、単独でも2種以上を混合して用いても何ら問題はない。
具体的な芳香族アルデヒド化合物としては、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド、パラヒドロキシベンズアルデヒド、アリルフェニルアルデヒド等が挙げられるが、特にサリチルアルデヒド又はベンズアルデヒドが好ましい。
これらの芳香族アルデヒド化合物は、単独でも2種以上を混合して用いても何ら問題はない。
具体的な芳香族アルデヒド化合物としては、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド、パラヒドロキシベンズアルデヒド、アリルフェニルアルデヒド等が挙げられるが、特にサリチルアルデヒド又はベンズアルデヒドが好ましい。
本発明のフェノール系化合物は、例えば以下のような製造方法で得ることができる。
一般式(6)で表されるフェノール類と、一般式(7)で表される芳香族アルデヒド化合物と、ホルムアルデヒドとを1段階の反応でフェノール系化合物を得る方法と、2段階の反応でフェノール系化合物を得る方法と、3段階の反応でフェノール系化合物を得る方法とが挙げられる。
前記2段階の反応でフェノール系化合物を得る方法としては、まず一般式(6)で示されるフェノール類と、一般式(7)で示される芳香族アルデヒド化合物とを反応させ、その後ホルムアルデヒドを反応させる方法と、まず一般式(6)で示されるフェノール類と、ホルムアルデヒドとを反応させ、その後一般式(7)で示される芳香族アルデヒド化合物を反応させる方法とが挙げられる。
前記3段階の反応でフェノール系化合物を得る方法としては、一般式(6)で示されるフェノール類と一般式(7)で示される芳香族アルデヒド化合物とを反応させた反応生成物と、別途一般式(6)で示されるフェノール類とホルムアルデヒドとを反応させた反応生成物とを反応させ、3段階の反応が挙げられる。
上記の製造方法の中でも、一般式(6)で示されるフェノール類と一般式(7)で示される芳香族アルデヒドとを反応させ、その後ホルムアルデヒドを反応させる2段階の反応でフェノール系化合物を得る方法が、一般式(1)で示される繰り返し単位数の分布や一般式(2)で示される繰り返し単位数の分布が狭くなるため好ましい。
本発明のフェノール系化合物を上記の2段階の反応で製造する場合、2段階目で添加されるアルデヒド化合物と共に、フェノール類を添加することも可能である。
一般式(6)で表されるフェノール類と、一般式(7)で表される芳香族アルデヒド化合物と、ホルムアルデヒドとを1段階の反応でフェノール系化合物を得る方法と、2段階の反応でフェノール系化合物を得る方法と、3段階の反応でフェノール系化合物を得る方法とが挙げられる。
前記2段階の反応でフェノール系化合物を得る方法としては、まず一般式(6)で示されるフェノール類と、一般式(7)で示される芳香族アルデヒド化合物とを反応させ、その後ホルムアルデヒドを反応させる方法と、まず一般式(6)で示されるフェノール類と、ホルムアルデヒドとを反応させ、その後一般式(7)で示される芳香族アルデヒド化合物を反応させる方法とが挙げられる。
前記3段階の反応でフェノール系化合物を得る方法としては、一般式(6)で示されるフェノール類と一般式(7)で示される芳香族アルデヒド化合物とを反応させた反応生成物と、別途一般式(6)で示されるフェノール類とホルムアルデヒドとを反応させた反応生成物とを反応させ、3段階の反応が挙げられる。
上記の製造方法の中でも、一般式(6)で示されるフェノール類と一般式(7)で示される芳香族アルデヒドとを反応させ、その後ホルムアルデヒドを反応させる2段階の反応でフェノール系化合物を得る方法が、一般式(1)で示される繰り返し単位数の分布や一般式(2)で示される繰り返し単位数の分布が狭くなるため好ましい。
本発明のフェノール系化合物を上記の2段階の反応で製造する場合、2段階目で添加されるアルデヒド化合物と共に、フェノール類を添加することも可能である。
特に、塩基性触媒の存在下、予め一般式(6)で示されるフェノール類と一般式(7)で示される芳香族アルデヒド化合物を反応させ、反応終了後、塩基性触媒を酸で中和し、次いで酸触媒の存在下、ホルムアルデヒドを添加して反応させる2段階の反応で製造するフェノール系化合物の製造方法が好ましい。
このような2段階の反応で行なうと、一般式(1)で示される繰り返し単位数の分布や一般式(2)で示される繰り返し単位数の分布が狭くなると共に、分子量のコントロールが容易となり、所望の粘度が得やすい。
一般式(6)で示されるフェノール類と一般式(7)で示される芳香族アルデヒド化合物との反応において、酸触媒を用いると、反応が十分に進まず、未反応の芳香族アルデヒドが残る場合がある。前記未反応の芳香族アルデヒドは、反応生成物を水洗いや蒸留することで除去することが可能である。
このような2段階の反応で行なうと、一般式(1)で示される繰り返し単位数の分布や一般式(2)で示される繰り返し単位数の分布が狭くなると共に、分子量のコントロールが容易となり、所望の粘度が得やすい。
一般式(6)で示されるフェノール類と一般式(7)で示される芳香族アルデヒド化合物との反応において、酸触媒を用いると、反応が十分に進まず、未反応の芳香族アルデヒドが残る場合がある。前記未反応の芳香族アルデヒドは、反応生成物を水洗いや蒸留することで除去することが可能である。
本発明のフェノール系化合物の製造において、フェノール類と、芳香族アルデヒド化合物とホルムアルデヒドの合計である全アルデヒドとの添加割合は、フェノール類1モルに対して、全アルデヒドが0.01〜0.4モルとなるように添加するのが好ましい。フェノール類に対する全アルデヒドの添加量が少なすぎると、低分子量のフェノール系化合物が多く生成し、フェノール系化合物をエポキシ樹脂と反応させてエポキシ樹脂硬化物を得た場合に、該エポキシ樹脂硬化物のガラス転移点が低くなったり、機械強度が低くなったりする傾向がある。また、フェノール類に対する全アルデヒドの添加量が多すぎると、フェノール系化合物の粘度が高くなり、取り扱い性が悪くなる場合がある。
前記塩基性触媒としては、特に制限はなく、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等の無機塩基の水溶液、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7等の有機塩基など公知のものを単独であるいは2種以上併用して使用することができるが、特に水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。
本発明の塩基性触媒の使用量は一般式(7)で示される芳香族アルデヒド化合物1モルに対して0.1モル倍〜2モル倍、好ましくは0.2モル倍〜1.5モル倍の範囲が好ましい。
塩基性触媒の使用量が少なすぎる場合、反応性が乏しく未反応の芳香族アルデヒド化合物が残存する場合がある。
塩基性触媒の使用量が多すぎる場合、反応における問題はないが、中和に使用する酸触媒の使用量が多くなり、また中和で生成した塩の除去工程に長時間を要する傾向がある。
また、仮に1段目の反応に酸触媒を用いた場合、反応速度が遅く、未反応の芳香族アルデヒド化合物が残存しやすい傾向がある。
塩基性触媒の使用量が少なすぎる場合、反応性が乏しく未反応の芳香族アルデヒド化合物が残存する場合がある。
塩基性触媒の使用量が多すぎる場合、反応における問題はないが、中和に使用する酸触媒の使用量が多くなり、また中和で生成した塩の除去工程に長時間を要する傾向がある。
また、仮に1段目の反応に酸触媒を用いた場合、反応速度が遅く、未反応の芳香族アルデヒド化合物が残存しやすい傾向がある。
本発明のフェノール系化合物の製造方法において、塩基性触媒の中和剤やホルムアルデヒドとの反応に用いる酸触媒としては、特に限定はなく、塩酸、蓚酸、硫酸、リン酸、パラトルエンスルホン酸など公知のものを使用することができる。これらは、1種のみを使用してもよいし、2種以上併用して使用することもできる。容易に除去できる点から、上記の中でも蓚酸、塩酸が特に好ましい。
本発明のホルムアルデヒドとの反応に用いる酸触媒の使用量は、一般式(6)で示されるフェノール化合物に対し、0.001〜5.0重量部、好ましくは0.001〜2.5重量部、さらに好ましくは0.001〜2.0重量部の範囲で好適に使用される。
酸触媒の使用量が一般式(5)で示されるフェノール化合物に対し、0.001重量部未満の場合、反応速度が遅くなる傾向があり、1.0重量部を超える場合、反応が急激に進行して反応をコントロールすることが困難になる場合がある。
酸触媒の使用量が一般式(5)で示されるフェノール化合物に対し、0.001重量部未満の場合、反応速度が遅くなる傾向があり、1.0重量部を超える場合、反応が急激に進行して反応をコントロールすることが困難になる場合がある。
本発明における反応条件は、使用する一般式(6)で示されるフェノール化合物の構造、および一般式(7)で示される芳香族アルデヒド化合物とホルムアルデヒドの使用量の割合にもよるが、まず一般式(6)で示されるフェノール化合物と一般式(7)で示される芳香族アルデヒド化合物との反応温度は70〜160℃が好ましく、特に好ましくは90〜150℃である。
前記反応温度が70℃未満の場合、反応速度が遅くなり、未反応の芳香族アルデヒド化合物が残存しやすくなる傾向がある。
前記反応温度が160℃を超える場合、反応をコントロールすることが困難となり、本発明のフェノール系化合物を安定的に得ることが難しくなる傾向がある。
反応の時間は、反応温度や使用する触媒の種類および量により変動するが、1〜24時間とすることが好ましい。
前記反応温度が70℃未満の場合、反応速度が遅くなり、未反応の芳香族アルデヒド化合物が残存しやすくなる傾向がある。
前記反応温度が160℃を超える場合、反応をコントロールすることが困難となり、本発明のフェノール系化合物を安定的に得ることが難しくなる傾向がある。
反応の時間は、反応温度や使用する触媒の種類および量により変動するが、1〜24時間とすることが好ましい。
次いで、一般式(6)で示されるフェノール化合物と一般式(7)で示される芳香族アルデヒド化合物との反応生成物(該反応生成物中には未反応原料を含む場合がある)と、ホルムアルデヒドとの反応温度は50℃〜120℃が好ましく、特に好ましくは80〜110℃である。反応温度が50℃未満の場合、反応速度が遅くなり、未反応のホルムアルデヒドが残存しやすい傾向がある。
反応温度が120℃を超える場合、反応をコントロールすることが困難となり、本発明のフェノール系化合物を安定的に得ることが難しくなる傾向がある。
反応の時間は、反応温度や使用する触媒の種類および量により変動するが、1〜24時間とすることが好ましい。
反応温度が120℃を超える場合、反応をコントロールすることが困難となり、本発明のフェノール系化合物を安定的に得ることが難しくなる傾向がある。
反応の時間は、反応温度や使用する触媒の種類および量により変動するが、1〜24時間とすることが好ましい。
本発明における反応圧力は、通常、常圧下で行われるが、加圧ないし減圧下にて行っても何ら問題はない。
本発明における未反応のフェノール化合物の除去方法は、減圧下であるいは不活性ガスを吹き込みながら加熱下で、フェノール類を蒸留し系外へ除去する方法が一般的である。また酸触媒の除去は、熱分解や減圧除去の他に、水洗などの洗浄による方法を用いることもできる。
本発明のフェノール系化合物は、50℃におけるE型粘度計による回転粘度が、0.01〜100Pa・sの液体状態を呈するものである。
本発明のフェノール系化合物は、試料約1.2mlをE型粘度計(東機産業社製)を使用して50℃で測定した回転粘度の値が好ましくは80Pa・s以下、さらに好ましくは70Pa・s以下、特に好ましくは60Pa・s以下である。
ここで液状の定義としては、50℃で結晶化していないものを指す。
本発明のフェノール系化合物は、試料約1.2mlをE型粘度計(東機産業社製)を使用して50℃で測定した回転粘度の値が好ましくは80Pa・s以下、さらに好ましくは70Pa・s以下、特に好ましくは60Pa・s以下である。
ここで液状の定義としては、50℃で結晶化していないものを指す。
本発明で得られるフェノール系化合物は、そのままエポキシ樹脂の硬化剤としてバインダー、コーティング材、積層材、成形材料等の用途に使用することもできるし、エピクロルヒドリンと反応させることによりエポキシ樹脂とすることもできる。さらにはこれらを用いた硬化物とすることもできる。
本発明のフェノール系化合物と前記エポキシ樹脂とを混合することにより、エポキシ樹脂組成物を得ることができる。また、前記エポキシ樹脂組成物には、硬化促進剤やその他の添加剤を添加してもよい。
本発明のフェノール系化合物に添加するエポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂などのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂など1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂が挙げられる。これらエポキシ樹脂は単独もしくは2種以上を混合して使用しても何ら問題ない。
好ましいエポキシ樹脂としては、エポキシ樹脂組成物を低粘度化する観点より25℃において液状状態のビスフェノールA型エポキシ樹脂、25℃において液状状態のビスフェノールF型エポキシ樹脂が挙げられる。
好ましいエポキシ樹脂としては、エポキシ樹脂組成物を低粘度化する観点より25℃において液状状態のビスフェノールA型エポキシ樹脂、25℃において液状状態のビスフェノールF型エポキシ樹脂が挙げられる。
前記硬化促進剤としては、エポキシ樹脂をフェノール系化合物と反応させて硬化させる為の公知の硬化促進剤を用いることができる。前記硬化促進剤としては、例えば、有機ホスフィン化合物及びそのボロン塩、3級アミン、4級アンモニウム塩、イミダゾール類及びそのテトラフェニルボロン塩などを挙げることができるが、この中でも硬化性の面や低粘度化の観点より25℃において液状状態の2−エチル−4−メチルイミダゾールが好ましい。
本発明のフェノール系化合物をエピクロルヒドリンと反応させてエポキシ樹脂とする方法については、例えば、該フェノールノボラック樹脂に過剰のエピクロルヒドリンを加え、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の存在下に50〜150℃、好ましくは60〜120℃の範囲で1〜10時間程度反応させる方法が挙げられる。この場合、エピクロルヒドリンの使用量は、該フェノールノボラック樹脂の水酸基当量に対して2〜15倍モル、好ましくは2〜10倍モルである。また、使用するアルカリ金属水酸化物の使用量は、該フェノールノボラック樹脂の水酸基当量に対して0.8〜1.2倍モル、好ましくは0.9〜1.1倍モルである。
反応後の後処理については、反応終了後、過剰のエピクロルヒドリンを蒸留除去し、残留物をメチルイソブチルケトン等の有機溶剤に溶解し、ろ過し水洗して無機塩を除去し、次いで有機溶剤を留去することにより、目的とするエポキシ樹脂を得ることができる。
反応後の後処理については、反応終了後、過剰のエピクロルヒドリンを蒸留除去し、残留物をメチルイソブチルケトン等の有機溶剤に溶解し、ろ過し水洗して無機塩を除去し、次いで有機溶剤を留去することにより、目的とするエポキシ樹脂を得ることができる。
このようにして得られたエポキシ樹脂と一般的なフェノールノボラック樹脂とを混合することにより、エポキシ樹脂組成物を得ることができる。
また、上記で得られた本発明のフェノール系化合物とエピクロルヒドリンとを反応させて得られたエポキシ樹脂と、本発明のフェノール系化合物とを混合することによっても、エポキシ樹脂組成物を得ることができる。
また、上記で得られた本発明のフェノール系化合物とエピクロルヒドリンとを反応させて得られたエポキシ樹脂と、本発明のフェノール系化合物とを混合することによっても、エポキシ樹脂組成物を得ることができる。
エポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、無機充填材、離型剤、着色剤、カップリング剤、難燃剤等を添加することができる。特に半導体封止用途に使用する場合、無機充填材の添加は必須となる。このような無機充填材の例として、非晶性シリカ、結晶性シリカ、アルミナ、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、硫酸バリウムなどをあげることができるが、特に非晶性シリカ、結晶性シリカなどが好ましい。また、これら添加剤の配合割合は公知の半導体封止用エポキシ樹脂組成物における割合と同様でよい。
半導体封止材としては、半導体素子と回路基板との隙間及び前記半導体素子の周囲を封止する封止材や、半導体素子と回路基板との隙間だけを封止する封止材等がある。特に後者は、アンダーフィル材とも呼ばれている。
本発明において、アンダーフィル材を含み、封止材は、液状でもペースト状でもタブレット形状等の固体状でもよい。
本発明において、アンダーフィル材を含み、封止材は、液状でもペースト状でもタブレット形状等の固体状でもよい。
上述したエポキシ樹脂組成物を例えば、100〜350℃で反応させ、硬化させることにより、エポキシ樹脂硬化物を得ることができる。
また、上記のエポキシ樹脂組成物を用いて半導体を封止してなる半導体装置は、前記半導体と回路基板との隙間に上記エポキシ樹脂組成物からなるアンダーフィル材を流し込んでエポキシ樹脂組成物を硬化させる方法や、前記半導体と回路基板との隙間及び前記半導体の周囲に上記エポキシ樹脂組成物からなる封止材を流し込んでエポキシ樹脂組成物を硬化させる方法により得ることができる。
本発明において、半導体素子の封止とは、半導体素子と回路基板との隙間にアンダーフィル材を流し込む工程と、アンダーフィル材を硬化させる工程とを含むもの又は、半導体素子と回路基板との隙間及び前記半導体の周囲に封止材を注入する工程と、封止材を硬化させる工程とを含むものである。
また、上記のエポキシ樹脂組成物を用いて半導体を封止してなる半導体装置は、前記半導体と回路基板との隙間に上記エポキシ樹脂組成物からなるアンダーフィル材を流し込んでエポキシ樹脂組成物を硬化させる方法や、前記半導体と回路基板との隙間及び前記半導体の周囲に上記エポキシ樹脂組成物からなる封止材を流し込んでエポキシ樹脂組成物を硬化させる方法により得ることができる。
本発明において、半導体素子の封止とは、半導体素子と回路基板との隙間にアンダーフィル材を流し込む工程と、アンダーフィル材を硬化させる工程とを含むもの又は、半導体素子と回路基板との隙間及び前記半導体の周囲に封止材を注入する工程と、封止材を硬化させる工程とを含むものである。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、本文中「部」は重量部を示す。
温度計、仕込・留出口、冷却器および攪拌機を備えたガラス製4つ口フラスコにo−アリルフェノール670部(5.0モル)、サリチルアルデヒド30.5部(0.25モル)を入れ、塩基性触媒として25%水酸化ナトリウム水溶液40部を滴下添加し、110℃にて18時間反応させ、30℃まで冷却させた。25%塩酸水溶液にて中和を行い、42%ホルマリン17.9部(0.25モル)、酸性触媒として25%塩酸水溶液2.0部を添加し、100℃にて4時間反応させた。90℃以上の純水500部を投入し、水洗した。その後165℃まで昇温して脱水し、減圧処理にて未反応成分を除去した。得られた液状フェノールノボラック樹脂の50℃における回転粘度は3.2Pa・sであった。
温度計、仕込・留出口、冷却器および攪拌機を備えたガラス製4つ口フラスコにo−アリルフェノール670部(5.0モル)、サリチルアルデヒド30.5部(0.25モル)を入れ、塩基性触媒として25%水酸化ナトリウム水溶液40部を滴下添加し、110℃にて18時間反応させ、30℃まで冷却させた。25%塩酸水溶液にて中和を行い、42%ホルマリン17.9部(0.25モル)、酸性触媒として蓚酸6.7部を添加し、100℃にて10時間反応させた。90℃以上の純水500部を投入し、水洗した。その後165℃まで昇温して脱水し、減圧処理にて未反応成分を除去した。得られた液状フェノールノボラック樹脂の50℃における回転粘度は4.0Pa・sであった。
温度計、仕込・留出口、冷却器および攪拌機を備えたガラス製4つ口フラスコにo−アリルフェノール670部(5.0モル)、42%ホルマリン17.9部(0.25モル)、酸性触媒として蓚酸6.7部を添加し、100℃にて8時間反応させ、30℃まで冷却させた。その後、サリチルアルデヒド30.5部(0.25モル)、塩基性触媒として25%水酸化ナトリウム水溶液60部を滴下添加し、110℃にて18時間反応させ、25%塩酸水溶液にて中和を行い、90℃以上の純水500部を投入し、水洗した。その後165℃まで昇温して脱水し、減圧処理にて未反応成分を除去した。得られた液状フェノールノボラック樹脂の50℃における回転粘度は4.3Pa・sであった。
実施例4〜7
表1及び2に示す以外は、実施例1と同様に行った。
表1及び2に示す以外は、実施例1と同様に行った。
実施例8
温度計、仕込・留出口、冷却器および攪拌機を備えたガラス製4つ口フラスコにo−アリルフェノール670部(5.0モル)、サリチルアルデヒド18.3部(0.15モル)を入れ、酸性触媒として25%塩酸水溶液134部を滴下添加し、110℃にて30時間反応させ、30℃まで冷却させた。その後、42%ホルマリン25部(0.35モル)を添加し、100℃にて24時間反応させた。反応生成物中には、未反応のサリチルアルデヒドが12%(0.018モル)残っているのが分かった。
反応生成物に、90℃以上の純水500部を投入し、水洗した。その後165℃まで昇温して脱水し、減圧処理にて未反応成分を除去した。得られた液状フェノールノボラック樹脂の50℃における回転粘度は0.5Pa・sであった。
温度計、仕込・留出口、冷却器および攪拌機を備えたガラス製4つ口フラスコにo−アリルフェノール670部(5.0モル)、サリチルアルデヒド18.3部(0.15モル)を入れ、酸性触媒として25%塩酸水溶液134部を滴下添加し、110℃にて30時間反応させ、30℃まで冷却させた。その後、42%ホルマリン25部(0.35モル)を添加し、100℃にて24時間反応させた。反応生成物中には、未反応のサリチルアルデヒドが12%(0.018モル)残っているのが分かった。
反応生成物に、90℃以上の純水500部を投入し、水洗した。その後165℃まで昇温して脱水し、減圧処理にて未反応成分を除去した。得られた液状フェノールノボラック樹脂の50℃における回転粘度は0.5Pa・sであった。
実施例9
温度計、仕込・留出口、冷却器および攪拌機を備えたガラス製4つ口フラスコにo−アリルフェノール629.8部(4.7モル)、ベンズアルデヒド38.5部(0.36モル)を入れ、塩基性触媒として50%水酸化ナトリウム水溶液28.8部を滴下添加し、135℃にて18時間反応させ、30℃まで冷却させた。25%塩酸水溶液にて中和を行い、42%ホルマリン8.6部(0.12モル)、酸性触媒として25%塩酸水溶液1.0部を添加し、100℃にて10時間反応させ、再度25%水酸化ナトリウム水溶液にて中和を行い、90℃以上の純水500部を投入し、水洗した。その後165℃まで昇温して脱水し、減圧処理にて未反応成分を除去した。得られた液状フェノールノボラック樹脂の50℃における回転粘度は1.03Pa・sであった。
温度計、仕込・留出口、冷却器および攪拌機を備えたガラス製4つ口フラスコにo−アリルフェノール629.8部(4.7モル)、ベンズアルデヒド38.5部(0.36モル)を入れ、塩基性触媒として50%水酸化ナトリウム水溶液28.8部を滴下添加し、135℃にて18時間反応させ、30℃まで冷却させた。25%塩酸水溶液にて中和を行い、42%ホルマリン8.6部(0.12モル)、酸性触媒として25%塩酸水溶液1.0部を添加し、100℃にて10時間反応させ、再度25%水酸化ナトリウム水溶液にて中和を行い、90℃以上の純水500部を投入し、水洗した。その後165℃まで昇温して脱水し、減圧処理にて未反応成分を除去した。得られた液状フェノールノボラック樹脂の50℃における回転粘度は1.03Pa・sであった。
実施例10〜13
表3に示す以外は、実施例9と同様に行った。
表3に示す以外は、実施例9と同様に行った。
比較例1
温度計、仕込・留出口、冷却器および攪拌機を備えたガラス製4つ口フラスコにo−アリルフェノール670部(5.0モル)、42%ホルマリン17.9部(0.25モル)、酸性触媒として蓚酸6.7部を添加し、100℃にて5時間反応させ、90℃以上の純水500部を投入し、水洗した。その後165℃まで昇温して脱水し、減圧処理にて未反応成分を除去した。得られた液状フェノールノボラック樹脂の50℃における回転粘度は0.1Pa・sであった。
温度計、仕込・留出口、冷却器および攪拌機を備えたガラス製4つ口フラスコにo−アリルフェノール670部(5.0モル)、42%ホルマリン17.9部(0.25モル)、酸性触媒として蓚酸6.7部を添加し、100℃にて5時間反応させ、90℃以上の純水500部を投入し、水洗した。その後165℃まで昇温して脱水し、減圧処理にて未反応成分を除去した。得られた液状フェノールノボラック樹脂の50℃における回転粘度は0.1Pa・sであった。
比較例2
表4に示す以外は、実施例1と同様に行った。
表4に示す以外は、実施例1と同様に行った。
比較例3
先行技術文献2の実施例に基づき、ポリアルケニル化合物(トリス(ヒドロキシアリルフェニル)メタン型フェノールノボラック樹脂)を合成した。
<トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型フェノールノボラック樹脂の合成>
温度計、仕込み・留出口、冷却器および攪拌機を備えたガラス製4つ口フラスコにフェノール400部(4.26モル)、サリチルアルデヒド47.2部(0.38モル)、及びパラトルエンスルホン酸1部を入れ、窒素気流下にて130℃にて反応させ、95℃まで冷却した。25%水酸化ナトリウム水溶液にて中和を行った後、90℃以上の純水400部を投入し、水洗した。その後、内温を150℃まで昇温し、減圧−スチーミング処理にて未反応成分を除去した。得られた樹脂は固形であり、150℃における溶融粘度は0.9Pa・sであった。
<トリス(ヒドロキシアリルフェニル)メタン型フェノールノボラック樹脂の合成>
温度計、仕込・留出口、冷却器および攪拌機を備えたガラス製4つ口フラスコに上記で製造したトリス(ヒドロキシフェニル)メタン型フェノールノボラック樹脂100部、2−プロパノール250部を入れ、均一となるまで攪拌した後、水酸化ナトリウム40.7部(1.02モル)を入れ、1時間攪拌を継続した。塩化アリル79.6部(1.02モル)を10分間で滴下添加した後、75℃にて5時間反応させ、アリルエーテル化を完結させた。2−プロパノールを除去した後、副生した食塩を90℃以上の純水500部を投入し、水洗した。190℃まで昇温・脱水し、6時間攪拌を継続させることでクライゼン転位を行った。得られた樹脂は半固形であり、50℃における回転粘度は170Pa・s以上であった。
先行技術文献2の実施例に基づき、ポリアルケニル化合物(トリス(ヒドロキシアリルフェニル)メタン型フェノールノボラック樹脂)を合成した。
<トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型フェノールノボラック樹脂の合成>
温度計、仕込み・留出口、冷却器および攪拌機を備えたガラス製4つ口フラスコにフェノール400部(4.26モル)、サリチルアルデヒド47.2部(0.38モル)、及びパラトルエンスルホン酸1部を入れ、窒素気流下にて130℃にて反応させ、95℃まで冷却した。25%水酸化ナトリウム水溶液にて中和を行った後、90℃以上の純水400部を投入し、水洗した。その後、内温を150℃まで昇温し、減圧−スチーミング処理にて未反応成分を除去した。得られた樹脂は固形であり、150℃における溶融粘度は0.9Pa・sであった。
<トリス(ヒドロキシアリルフェニル)メタン型フェノールノボラック樹脂の合成>
温度計、仕込・留出口、冷却器および攪拌機を備えたガラス製4つ口フラスコに上記で製造したトリス(ヒドロキシフェニル)メタン型フェノールノボラック樹脂100部、2−プロパノール250部を入れ、均一となるまで攪拌した後、水酸化ナトリウム40.7部(1.02モル)を入れ、1時間攪拌を継続した。塩化アリル79.6部(1.02モル)を10分間で滴下添加した後、75℃にて5時間反応させ、アリルエーテル化を完結させた。2−プロパノールを除去した後、副生した食塩を90℃以上の純水500部を投入し、水洗した。190℃まで昇温・脱水し、6時間攪拌を継続させることでクライゼン転位を行った。得られた樹脂は半固形であり、50℃における回転粘度は170Pa・s以上であった。
比較例4
温度計、仕込・留出口、冷却器および攪拌機を備えたガラス製4つ口フラスコにo−アリルフェノール629.8部(4.7モル)、ベンズアルデヒド51.4部(0.49モル)を入れ、塩基性触媒として25%水酸化ナトリウム水溶液77.6部を滴下添加し、135℃にて18時間反応させ、30℃まで冷却させた。25%塩酸水溶液にて中和を行い、90℃以上の純水500部を投入し、水洗した。その後165℃まで昇温して脱水し、減圧処理にて未反応成分を除去した。得られた液状フェノールノボラック樹脂の50℃における回転粘度は12.6Pa・sであった。
温度計、仕込・留出口、冷却器および攪拌機を備えたガラス製4つ口フラスコにo−アリルフェノール629.8部(4.7モル)、ベンズアルデヒド51.4部(0.49モル)を入れ、塩基性触媒として25%水酸化ナトリウム水溶液77.6部を滴下添加し、135℃にて18時間反応させ、30℃まで冷却させた。25%塩酸水溶液にて中和を行い、90℃以上の純水500部を投入し、水洗した。その後165℃まで昇温して脱水し、減圧処理にて未反応成分を除去した。得られた液状フェノールノボラック樹脂の50℃における回転粘度は12.6Pa・sであった。
本発明で得られたフェノール系化合物および硬化剤の分析方法は以下のとおりである。
(1)回転粘度(E型粘度)
・試料約1.2mlをカップに入れ、E型粘度計(東機産業社製)を使用し測定する。
・指示値が安定した点で数値を読み取る。
(2)OH当量
(概要;塩化アセチルでアセチル化を行い、過剰の塩化アセチルを水で分解しアルカリで滴定する方法)
・試料1gを精秤し、1,4−ジオキサン10mlを加え溶解する。
・溶解を確認後、1.5mol/Lの塩化アセチル/無水トルエン溶液10mlを加え、0℃まで冷却する。
・ピリジン2mlを加え、60±1℃のウォーターバス中で1時間反応させる。
・反応後、冷却し純水25mlを加え、よく混合させることで塩化アセチルを分解させる。
・アセトン25mlと、フェノールフタレインを加える。
・1mol/Lの水酸化カリウム水溶液を用いて、試料溶液が赤紫色に呈色するまで滴定を行う。
・ブランク(試料なし)について上記操作にて同時に測定を行う。
次式により計算し、求める。
OH当量[g/eq.]=(1000×W)/(f×(B−A))
ここでW、f、B、Aは、それぞれ以下のとおりである。
W:試料重量[g]
f:1mol/Lの水酸化カリウム水溶液のファクター=1.002
B:ブランク測定に要した1mol/Lの水酸化カリウム水溶液の量[ml]
A:試料測定に要した1mol/Lの水酸化カリウム水溶液の量[ml]
(1)回転粘度(E型粘度)
・試料約1.2mlをカップに入れ、E型粘度計(東機産業社製)を使用し測定する。
・指示値が安定した点で数値を読み取る。
(2)OH当量
(概要;塩化アセチルでアセチル化を行い、過剰の塩化アセチルを水で分解しアルカリで滴定する方法)
・試料1gを精秤し、1,4−ジオキサン10mlを加え溶解する。
・溶解を確認後、1.5mol/Lの塩化アセチル/無水トルエン溶液10mlを加え、0℃まで冷却する。
・ピリジン2mlを加え、60±1℃のウォーターバス中で1時間反応させる。
・反応後、冷却し純水25mlを加え、よく混合させることで塩化アセチルを分解させる。
・アセトン25mlと、フェノールフタレインを加える。
・1mol/Lの水酸化カリウム水溶液を用いて、試料溶液が赤紫色に呈色するまで滴定を行う。
・ブランク(試料なし)について上記操作にて同時に測定を行う。
次式により計算し、求める。
OH当量[g/eq.]=(1000×W)/(f×(B−A))
ここでW、f、B、Aは、それぞれ以下のとおりである。
W:試料重量[g]
f:1mol/Lの水酸化カリウム水溶液のファクター=1.002
B:ブランク測定に要した1mol/Lの水酸化カリウム水溶液の量[ml]
A:試料測定に要した1mol/Lの水酸化カリウム水溶液の量[ml]
(3)吸水率の測定
・金型中で、150℃で5時間、180℃で8時間硬化させてサンプルを成型する。
サイズ;(Φ50±1)×(3±0.2)(径×厚;mm)
・サンプルの表面を良く拭き取り、試料重量を測定する。
・サンプルを100mlのサンプル瓶に入れ、純水を80mlを加える。
・95℃の熱風循環式乾燥器中にて、24時間吸水させる。
・その後、乾燥器より取り出し、低温恒温水槽に浸けて25℃に冷却する。
・冷却後、表面に付着した水分を良く拭き取り重量を測定する。
・次式により計算し、吸水率を求める。
吸水率[%]=((B−A)/A)×100
A:吸水前重量[g]
B:吸水後重量[g]
(4)ガラス転位温度(Tg)の測定
・金型中で、150℃で5時間、180℃で8時間硬化させた試料を下記サイズにカットしてサンプルを作成する。
サイズ;(50±1)×(40±1)×(100±1)(縦×横×高;mm)
・測定装置;TMA−60(SHIMADZU製)に試料をセットし、N2雰囲気にて測定。
・昇温速度;3℃/分で350℃まで測定し、変曲点の温度を求めガラス転位温度(Tg)とする。
(5)ゲルタイムの測定
・表5〜8に記載のエポキシ樹脂組成物を試験管に入れて、150℃のオイルバスに浸し、1秒間に1回の間隔で、前記エポキシ樹脂組成物をガラス棒で撹拌した。前記撹拌の抵抗が大きくなった時間をゲルタイムとして計測した。
(6)硬化物機械特性(弾性率・エネルギー・変位・応力・歪み)測定
・金型中で、150℃で5時間、180℃で8時間硬化させた試料を下記サイズにカットしてサンプルを作成する。
・サイズ;(75±1)×(6±1)×(4±1)(縦×横×厚;mm)
・測定装置;オートグラフ (型式;AG−5000D SHIMADZU製)
ヘッドスピード;2.0mm/分、2点間距離;50mm、室温下にて圧縮曲げ試験を行う。
・金型中で、150℃で5時間、180℃で8時間硬化させてサンプルを成型する。
サイズ;(Φ50±1)×(3±0.2)(径×厚;mm)
・サンプルの表面を良く拭き取り、試料重量を測定する。
・サンプルを100mlのサンプル瓶に入れ、純水を80mlを加える。
・95℃の熱風循環式乾燥器中にて、24時間吸水させる。
・その後、乾燥器より取り出し、低温恒温水槽に浸けて25℃に冷却する。
・冷却後、表面に付着した水分を良く拭き取り重量を測定する。
・次式により計算し、吸水率を求める。
吸水率[%]=((B−A)/A)×100
A:吸水前重量[g]
B:吸水後重量[g]
(4)ガラス転位温度(Tg)の測定
・金型中で、150℃で5時間、180℃で8時間硬化させた試料を下記サイズにカットしてサンプルを作成する。
サイズ;(50±1)×(40±1)×(100±1)(縦×横×高;mm)
・測定装置;TMA−60(SHIMADZU製)に試料をセットし、N2雰囲気にて測定。
・昇温速度;3℃/分で350℃まで測定し、変曲点の温度を求めガラス転位温度(Tg)とする。
(5)ゲルタイムの測定
・表5〜8に記載のエポキシ樹脂組成物を試験管に入れて、150℃のオイルバスに浸し、1秒間に1回の間隔で、前記エポキシ樹脂組成物をガラス棒で撹拌した。前記撹拌の抵抗が大きくなった時間をゲルタイムとして計測した。
(6)硬化物機械特性(弾性率・エネルギー・変位・応力・歪み)測定
・金型中で、150℃で5時間、180℃で8時間硬化させた試料を下記サイズにカットしてサンプルを作成する。
・サイズ;(75±1)×(6±1)×(4±1)(縦×横×厚;mm)
・測定装置;オートグラフ (型式;AG−5000D SHIMADZU製)
ヘッドスピード;2.0mm/分、2点間距離;50mm、室温下にて圧縮曲げ試験を行う。
実施例及び比較例におけるフェノール系化合物の合成条件と、得られたフェノール系化合物の性状を表1〜4に示す。
また、表1〜4において、n/m構成比率とは、一般式(1)で表される繰り返し単位数/一般式(2)で表される繰り返し単位数を表す。
表4において、E型粘度が固形及び半固形とは、50℃でフェノール系化合物が溶解していないため、粘度が測定できなかったことを表す。
また、表1〜4において、n/m構成比率とは、一般式(1)で表される繰り返し単位数/一般式(2)で表される繰り返し単位数を表す。
表4において、E型粘度が固形及び半固形とは、50℃でフェノール系化合物が溶解していないため、粘度が測定できなかったことを表す。
実施例及び比較例で得られたフェノール系化合物を硬化剤として、エポキシ樹脂と硬化促進剤とを加え、エポキシ樹脂組成物を得た。前記エポキシ樹脂としてはジャパンエポキシレジン株式会社製エピコート828EL(ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、エポキシ当量186g/eq)を用い、前記硬化促進剤として四国化成株式会社製2E4MZ(2−エチル−4−メチルイミダゾール)を用いた。前記エポキシ樹脂組成物は、前記エポキシ樹脂のエポキシ基当量と前記フェノール系化合物の水酸基当量とが同じになるように配合した。
また、前記エポキシ樹脂組成物を150℃に加熱し、溶融混合し、真空脱泡後150℃に加熱された金型に注形し、150℃で5時間、180℃で8時間硬化させ、エポキシ樹脂硬化物を得た。得られたエポキシ樹脂硬化物の配合と物性特性を表5〜8に併せて示す。
表5〜8において、α1はガラス転移点(Tg)以下の温度での線膨張係数であり、α2はガラス転移点(Tg)以上の温度での線膨張係数である。
表5〜8において、変位は圧縮曲げ試験でのサンプルの破断時の変位であり、強度は圧縮曲げ試験での応力である。
また、前記エポキシ樹脂組成物を150℃に加熱し、溶融混合し、真空脱泡後150℃に加熱された金型に注形し、150℃で5時間、180℃で8時間硬化させ、エポキシ樹脂硬化物を得た。得られたエポキシ樹脂硬化物の配合と物性特性を表5〜8に併せて示す。
表5〜8において、α1はガラス転移点(Tg)以下の温度での線膨張係数であり、α2はガラス転移点(Tg)以上の温度での線膨張係数である。
表5〜8において、変位は圧縮曲げ試験でのサンプルの破断時の変位であり、強度は圧縮曲げ試験での応力である。
上記の実施例の結果より、実施例で製造した各エポキシ樹脂組成物は、半導体素子の封止材やアンダーフィル材として有用であることが分かった。
Claims (14)
- 下記一般式(1)〜(3)で表される繰り返し単位からなり、一般式(1)で表される繰り返し単位と一般式(2)で表される繰り返し単位との割合(一般式(1)の繰り返し単位数/一般式(2)の繰り返し単位数)の平均が0.1〜4.0であり、分子の両末端は一般式(3)の構造であり、50℃におけるE型粘度計による回転粘度が0.01〜100Pa・sであるフェノール系化合物。
- 一般式(1)〜(3)において、R1、R3、R4の少なくとも1つが、アリル基である請求項1に記載のフェノール系化合物。
- 一般式(1)で表される繰り返し単位が、下記一般式(4)又は/及び下記一般式(5)で表される繰り返し単位である請求項1又は2に記載のフェノール系化合物。
- 一般式(6)で表されるフェノール類と、一般式(7)で表される芳香族アルデヒド化合物と、ホルムアルデヒドとを反応させて得られるフェノール系化合物であって、前記ホルムアルデヒドのモル数に対して前記一般式(7)で表される芳香族アルデヒド化合物を0.1〜4.0倍モル用い、かつ、前記フェノール系化合物は、50℃における粘度が0.01〜100Pa・sであるフェノール系化合物。
- 一般式(6)で表されるフェノール類が、2−アリルフェノールである請求項4に記載のフェノール系化合物。
- 一般式(7)で表される芳香族アルデヒド化合物が、サリチルアルデヒド又はベンズアルデヒドである請求項4又は5に記載のフェノール系化合物。
- 塩基性触媒存在下で一般式(6)で表されるフェノール類と一般式(7)で表される芳香族アルデヒド化合物とを反応させ、その後、酸触媒存在下でホルムアルデヒドと反応させる請求項4〜6のいずれか一項に記載のフェノール系化合物の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載のフェノール系化合物とエピハロヒドリンとを反応させて得られるエポキシ樹脂。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載のフェノール系化合物とエポキシ樹脂とを含有するエポキシ樹脂組成物。
- 請求項8に記載のエポキシ樹脂とフェノール樹脂とを含有するエポキシ樹脂組成物。
- 請求項9又は10に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなるエポキシ樹脂硬化物。
- 請求項9又は10に記載のエポキシ樹脂組成物からなる半導体素子の封止材。
- 請求項9又は10に記載のエポキシ樹脂組成物からなる半導体素子のアンダーフィル材。
- 請求項12又は13に記載の封止材又はアンダーフィル剤を用いて封止された半導体装置。
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